(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数配置される流体制御機器からなる上段層と、上段層の複数の流体制御機器を接続するための複数の通路ブロックを有する下段層とからなり、上段層の流体制御機器として、流量制御器本体の入口側および出口側に張出部が設けられた流量を制御するための流量制御器を有しており、上段層と下段層で構成される列が並列状に複数配置される流体制御装置において、
下段層の通路ブロックとして、複数の列にわたって配置されかつ並列方向に隣り合う少なくとも2つの複列用通路ブロックを有しており、複列用通路ブロックは、上段層の全ての列のうちの一部の少なくとも2つの列にわたって、流量制御器の入口側または出口側の張出部および少なくとも1つの開閉弁を支持しており、
複列用通路ブロック内には、直列状に並ぶ流体制御機器の通路同士を連通するための縦方向通路と、隣り合う列の流体制御機器の通路同士を連通するための横方向通路とが設けられており、縦方向通路は、流量制御器の張出部と前記少なくとも1つの開閉弁とを連通するための通路を有し、横方向通路は、前記少なくとも1つの開閉弁に通じかつ上面に開口した通路を有しており、隣り合う複列用通路ブロックの横方向通路の前記上面に開口した通路同士が逆U字状配管によって接続されていることを特徴とする流体制御装置。
複数配置される流体制御機器からなる上段層と、上段層の複数の流体制御機器を接続するための複数の通路ブロックを有する下段層とからなり、上段層の流体制御機器として、流量制御器本体の入口側および出口側に張出部が設けられた流量を制御するための流量制御器を有しており、上段層と下段層で構成される列が並列状に複数配置される流体制御装置において、
下段層の通路ブロックとして、複数の列にわたって配置された少なくとも1つの複列用通路ブロックと、複列用通路ブロックが支持している少なくとも2つの上段部材を1列分だけ支持する単列用通路ブロックとを有しており、複列用通路ブロックは、上段層の全ての列のうちの一部の少なくとも2つの列にわたって、流量制御器の入口側または出口側の張出部および少なくとも1つの開閉弁を支持しており、
複列用通路ブロック内には、直列状に並ぶ流体制御機器の通路同士を連通するための縦方向通路と、隣り合う列の流体制御機器の通路同士を連通するための横方向通路とが設けられており、縦方向通路は、流量制御器の張出部と前記少なくとも1つの開閉弁とを連通するための通路を有し、横方向通路は、前記少なくとも1つの開閉弁に通じかつ上面に開口した通路を有しており、
単列用通路ブロックは、前記少なくとも1つの開閉弁に通じかつ上面に開口した通路を有しており、
複列用通路ブロックの横方向通路の前記上面に開口した通路と単列用通路ブロックの前記上面に開口した通路とが逆U字状配管によって接続されていることを特徴とする流体制御装置。
複列用通路ブロックとして、流量制御器の入口側張出部およびこれに直列状に配置された2つの入口側開閉弁を支持している第1の複列用通路ブロックと、流量制御器の出口側張出部およびこれに直列状に配置された1つの出口側開閉弁を支持している第2の複列用通路ブロックとの2種類が使用されていることを特徴とする請求項1または2に記載の流体制御装置。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置で使用される流体制御装置においては、複数の流体制御機器が隣り合うように配置されて支持部材に取り付けられたラインをベース部材上に並列状に設置することにより、パイプや継手を介さずに流体制御装置を構成する集積化が進んでいる。特許文献1には、このような流体制御装置として、複数の流体制御機器が直列状に配置された1つの列が複数並列状に配置されることにより形成された上段層と、上段層の複数の流体制御機器を接続するための複数の通路ブロックを有している下段層とを備えたものが開示されている。
【0003】
図12に、この発明の流体制御装置が対象とする従来の流体制御装置を示す。
図12は、複数列並列状に配置される上段層および下段層の1列分を示している。
【0004】
従来の流体制御装置は、上段に配置された複数の流体制御機器として、左側(入口側)から、入口側第3開閉弁(91)、プレッシャーレギュレータ(92)、フィルタ(93)、入口側第1開閉弁(94)、入口側第2開閉弁(95)、マスフローコントローラ(96)および出口側第1開閉弁(97)が使用されている。入口側第3開閉弁(91)には、プロセスガス供給用の配管(103)が接続されている。
【0005】
マスフローコントローラ(96)は、マスフローコントローラ本体(96a)と、マスフローコントローラ本体(96a)の両側面に設けられた入口側および出口側の張出部(96b)(96c)とからなる。
【0006】
各流体制御機器(91)(92)(93)(94)(95)(96)(97)は、下方に開口する通路を有しており、この通路が下段に配された種々形状の複数のブロック継手(または通路ブロック)によって接続される。従来の流体制御装置は、複数のブロック継手(通路ブロック)として、V字状通路(99a)を有し隣り合う流体制御機器(91)(92)(93)(94)(95)(96b)(96c)(97)を接続する6つのブロック継手(99)と、V字状通路(99a)を有する2つのブロック継手(99)の間に配されて入口側第2開閉弁(95)を支持するブロック継手(100)と、出口側第1開閉弁(97)の出口側端部を支持している管継手(101a)付きのブロック継手(101)とを備えている。
【0007】
2つのブロック継手(99)の間に配されて入口側第2開閉弁(95)を支持するブロック継手(100)および出口側第1開閉弁(97)の出口側端部を支持しているブロック継手(101)は、複数のラインの全てにわたって設けられているもの(「マニホールドブロック継手」と称されることがある)で、これ以外のブロック継手(99)は、各ラインごとに、別の部品が使用されている。マニホールドブロック継手(100)は、通常、パージガスラインとして使用され、マニホールドブロック継手(101)は、プロセスガスラインおよび、パージガスラインとして使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来の流体制御装置によると、V字状通路(99a)を有するブロック継手(99)は、隣り合う流体制御機器(91)(92)(93)(94)(95)(96b)(96c)(97)を接続することから、数が多くなるという問題があった。また、複数のラインの全てにわたって設けられているマニホールドブロック継手(100)(101)は、列の数によって、その大きさが設定されており、列の数が増減する際には、マニホールドブロック継手(100)(101)を変更することが必要という問題があった。また、下段層のブロック継手(99)と上段層の流体制御機器(91)(92)(93)(94)(95)(96b)(96c)(97)との接続は、シール部を介して行う必要があり、シール部が多くなるという問題もあった。そのため、従来の流体制御装置では、部品数が多くなり、また、列の数を増減する等の変更を行うのに多くの手間がかかるという問題があった。
【0010】
この発明の目的は、部品数を削減し、列の数を増減する等の変更を容易に行うことができる流体制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明による流体制御装置は、複数配置される流体制御機器からなる上段層と、上段層の複数の流体制御機器を接続するための複数の通路ブロックを有する下段層とからなり、上段層の流体制御機器として、流量制御器本体の入口側および出口側に張出部が設けられた流量を制御するための流量制御器を有しており、上段層と下段層で構成される列が並列状に複数配置される流体制御装置において、下段層の通路ブロックとして、複数の列にわたって配置され
かつ並列方向に隣り合う少なくとも
2つの複列用通路ブロックを有しており、複列用通路ブロックは、上段層の全ての列のうちの一部の少なくとも2つの列にわたって、流量制御器の入口側または出口側の張出部および少なくとも1つの開閉弁を支持しており、 複列用通路ブロック内には、直列状に並ぶ流体制御機器の通路同士を連通するための縦方向通路と、隣り合う列の流体制御機器の通路同士を連通するための横方向通路とが設けられており、縦方向通路は、
流量制御器の張出部と前記少なくとも1つの開閉弁とを連通するための通路を有
し、横方向通路は、前記少なくとも1つの開閉弁に通じかつ上面に開口した通路を有しており、隣り合う複列用通路ブロックの横方向通路の前記上面に開口した通路同士が逆U字状配管によって接続されていることを特徴とするものである
。
第2の発明による流体制御装置は、複数配置される流体制御機器からなる上段層と、上段層の複数の流体制御機器を接続するための複数の通路ブロックを有する下段層とからなり、上段層の流体制御機器として、流量制御器本体の入口側および出口側に張出部が設けられた流量を制御するための流量制御器を有しており、上段層と下段層で構成される列が並列状に複数配置される流体制御装置において、下段層の通路ブロックとして、複数の列にわたって配置された少なくとも1つの複列用通路ブロックと、複列用通路ブロックが支持している少なくとも2つの上段部材を1列分だけ支持する単列用通路ブロックとを有しており、複列用通路ブロックは、上段層の全ての列のうちの一部の少なくとも2つの列にわたって、流量制御器の入口側または出口側の張出部および少なくとも1つの開閉弁を支持しており、複列用通路ブロック内には、直列状に並ぶ流体制御機器の通路同士を連通するための縦方向通路と、隣り合う列の流体制御機器の通路同士を連通するための横方向通路とが設けられており、縦方向通路は、流量制御器の張出部と前記少なくとも1つの開閉弁とを連通するための通路を有し、横方向通路は、前記少なくとも1つの開閉弁に通じかつ上面に開口した通路を有しており、単列用通路ブロックは、前記少なくとも1つの開閉弁に通じかつ上面に開口した通路を有しており、複列用通路ブロックの横方向通路の前記上面に開口した通路と単列用通路ブロックの前記上面に開口した通路とが逆U字状配管によって接続されていることを特徴とするものである。
【0012】
上段層の1つの列は、例えば、メインの構成要素となる流量制御器と、流量制御器の入口側に配置された2つの開閉弁と、流量制御器の出口側に配置された1つの開閉弁とからなるものとされる。上段層には、必要に応じて、フィルタ、プレッシャーレギュレータなどが追加される。流量制御器としては、マスフローコントローラのような熱式質量流量制御器やFCSと称されている圧力式流量制御器などが使用される。
【0013】
複数列用通路ブロックは、例えば、2列用、3列用、4列用、5列用などとされ、これらのうちの1種類とされてもよく、2種類以上が使用されてもよい。
【0014】
複数列用通路ブロックを使用することで、下段層に必要な通路ブロックの数(部品数)を削減することができる。
【0015】
「上段層の全ての列のうちの一部の少なくとも2つの列にわたって」は、例えば、上段層が6列の場合、6列用の複数列用通路ブロックを使用するのではなく、2列用を3つ、3列用を2つ、または、2列用と4列用とを1つずつ使用することを意味している。
【0016】
従来、複数列にわたって使用される通路ブロック(すなわちマニホールドブロック継手)は、全ての列にわたって配置されるものであるので、列の数によって、その大きさが設定されている。したがって、例えば、列の数が増減する際(例えば6列から8列に変更される際)には、マニホールドブロック継手を変更することが必要であった。この発明による流体制御装置では、上記の例では、既存の6列分(2列用3つ、3列用2つ、または、2列用と4列用1つずつ)は、そのままにして、2列用の複列用通路ブロックを使用して、新たな2列を形成することができる。したがって、変更の手間が低減する。
【0017】
また、複数列用通路ブロックの使用により、隣り合う列間の接続を複数列用通路ブロック内で行うことができるので、シール部の数を減らすことができる。
【0018】
下段層の通路ブロックとして、複列用通路ブロックが支持している少なくとも2つの上段部材を1列分だけ支持する単列用通路ブロックをさらに有しており、少なくとも1つの複数列用通路ブロックおよび少なくとも1つの単列用通路ブロックが併用されていることが好ましい。
【0019】
併用することで、種々の組合せが可能になり、列の数や配置などの要求仕様に容易に対応することができる。また、列の数を1つだけ増加する場合に対応するには、複数列用通路ブロックの組合せによっても対応は可能であるが、この場合には、既存の分を一部取り外すことが必要になることがあり、1つの単列用通路ブロックを使用することで、既存の分をそのまま残しての対応が可能になる。
【0020】
また、隣り合う列の通路ブロックの上面に開口する通路同士が逆U字状配管によって接続されていることが好ましい。
【0021】
逆U字状配管を使用することで、複列用通路ブロックおよび単列用通路ブロックを併用しての列数の設定が容易になり、また、列数の増減も容易に行うことができる。
【0022】
上段層の流体制御機器として、流量制御器本体の入口側および出口側に張出部が設けられた流量を制御するための流量制御器を有しており、複列用通路ブロックが2種類使用されて、第1の複列用通路ブロックが支持している少なくとも2つの流体制御機器は、流量制御器の入口側張出部およびこれに直列状に配置された2つの入口側開閉弁であり、第2の複列用通路ブロックが支持している少なくとも2つの流体制御機器は、流量制御器の出口側張出部およびこれに直列状に配置された1つの出口側開閉弁であることが好ましい。
【0023】
流体制御装置において、流量制御器とその出入口に設けられる開閉弁は、基本の構成となっており、複数列用通路ブロックを使用して、この部分の部品数を低減することで、流体制御装置全体における部品数の大幅低減が可能となる。
【0024】
下段層の通路ブロックとして、従来、直列接続を行うために、V字状通路を有する通路ブロックが使用されており、このようなV字状通路を有する通路ブロックが使用されてもよく、使用されなくてもよい。
【0025】
なお、この明細書において、上下は
図1の上下をいうものとするが、この上下は便宜的なもので、この発明の流体制御装置は、水平および垂直のいずれでの使用も可能である。
【発明の効果】
【0026】
この発明の流体制御装置によると、上段層の全ての列のうちの一部の少なくとも2つの列にわたって少なくとも2つの流体制御機器を支持する複列用通路ブロックが使用されることにより、部品数の削減が可能となる。また、複列用通路ブロック内に、隣り合う列の流体制御機器の通路同士を連通するための横方向通路が設けられていることで、隣り合う列間の接続を複数列用通路ブロック内で行うことができ、シール部の数を減らすことができる。また、全ての列にわたって配置される従来の通路ブロックを使用するものに比べて、列の増減の際の変更の手間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、この発明による流体制御装置の1実施形態を示す側面図である。
【
図2】
図2は、この発明による流体制御装置の他の実施形態を示す側面図である。
【
図3】
図3は、この発明による流体制御装置で使用されている第1の複列用通路ブロックの1実施形態を入口側開閉弁とともに示す図で、(a)は、側面図、(b)は、平面図である。
【
図4】
図4は、
図3から入口側開閉弁を取り除いた第1の複列用通路ブロックを示す図で、(a)は、側面図、(b)は、平面図である。
【
図5】
図5は、この発明による流体制御装置で使用されている第2の複列用通路ブロックの1実施形態を出口側開閉弁とともに示す図で、(a)は、側面図、(b)は、平面図である。
【
図6】
図6は、
図5から出口側開閉弁を取り除いた第2の複列用通路ブロックを示す図で、(a)は、側面図、(b)は、平面図である。
【
図7】
図7は、この発明による流体制御装置で使用されている第1の単列用通路ブロックの1実施形態を入口側開閉弁とともに示す図で、(a)は、側面図、(b)は、平面図である。
【
図8】
図8は、
図7から入口側開閉弁を取り除いた第1の単列用通路ブロックを示す図で、(a)は、側面図、(b)は、平面図である。
【
図9】
図9は、この発明による流体制御装置で使用されている第2の単列用通路ブロックの1実施形態を出口側開閉弁とともに示す図で、(a)は、側面図、(b)は、平面図である。
【
図10】
図10は、
図9から出口側開閉弁を取り除いた第2の単列用通路ブロックを示す図で、(a)は、側面図、(b)は、平面図である。
【
図11】
図11は、並列状に隣り合う通路ブロック同士を接続する構成の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、この発明の流体制御装置の第1実施形態を示している。流体制御装置は、半導体製造装置等において用いられるもので、複数の流体制御機器が直列状に配置された1つの列が複数並列状に配置されることにより形成された上段層と、上段層の複数の流体制御機器を接続するための複数の通路ブロックを有している下段層とを備えている。
図1には、流体制御装置の1つの列が示されている。
【0030】
流体制御装置の1つの列(1)は、上段に配置された複数の流体制御機器として、左側(入口側)から順に、入口側第3開閉弁(11)、プレッシャーレギュレータ(12)、フィルタ(13)、入口側第1開閉弁(14)、入口側第2開閉弁(15)、マスフローコントローラ(16)および出口側開閉弁(17)が使用されている。入口側第3開閉弁(11)には、プロセスガス供給用の配管(23)が接続されている。
【0031】
マスフローコントローラ(16)は、マスフローコントローラ本体(16a)と、マスフローコントローラ本体(16a)の両側面に設けられた入口側張出部(16b)および出口側張出部(16c)とからなる。入口側張出部(16b)にマスフローコントローラ(16)の入口が、出口側張出部(16c)にマスフローコントローラ(16)の出口がそれぞれ設けられている。
【0032】
各流体制御機器(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)は、下方に開口する通路を有しており、この通路が下段に配された種々形状の通路ブロックによって接続されている。上記流体制御装置は、下段に配置されて上段層の流体制御機器(11)(12)(13)(14)(15)(16b)(16c)(17)を支持する複数の通路ブロックとして、V字状通路(20a)を有し隣り合う流体制御機器(入口側第3開閉弁(11)、プレッシャーレギュレータ(12)およびフィルタ(13)を接続する2つのブロック継手(通路ブロック)(20)と、フィルタ(13)の出口側端部、入口側第1開閉弁(14)、入口側第2開閉弁(15)およびマスフローコントローラ(16)の入口側張出部(16b)に対応する下段部材とされている第1の複数列用通路ブロック(21)と、マスフローコントローラ(16)の出口側張出部(16c)および出口側開閉弁(17)に対応する下段部材とされている第2の複数列用通路ブロック(22)とを備えている。
【0033】
V字状通路(20a)を有するブロック継手(20)と入口側第3開閉弁(11)、プレッシャーレギュレータ(12)およびフィルタ(13)とは、上方からのボルト(30)によって結合されている。また、マスフローコントローラ(16)の入口側張出部(16b)および出口側張出部(16c)と第1の複数列用通路ブロック(21)および第2の複数列用通路ブロック(22)とは、上方からのボルト(30)によって結合されている。入口側第1開閉弁(14)および入口側第2開閉弁(15)と第1の複数列用通路ブロック(21)とは、ボルトを使用せずにねじ込んで一体化するブロックバルブタイプとされている。また、出口側開閉弁(17)と第2の複数列用通路ブロック(22)とは、ボルトを使用せずにねじ込んで一体化するブロックバルブタイプとされている。
【0034】
第1の複数列用通路ブロック(21)および第2の複数列用通路ブロック(22)が、後述するように、上記流体制御装置の特徴部分となっている。
【0035】
図2は、この発明の流体制御装置の第2実施形態を示している。第2実施形態の流体制御装置では、第1実施形態に対し、流量制御器であるマスフローコントローラ(熱量式流量制御器)がFCS(圧力式流量制御器)に変更されている。
【0036】
この実施形態の流体制御装置の1つの列(2)では、上段に配置された複数の流体制御機器として、左側(入口側)から順に、入口側第1開閉弁(14)、入口側第2開閉弁(15)、FCS(18)および出口側開閉弁(17)が使用されている。
【0037】
FCS(18)は、FCS本体(18a)と、FCS本体(18a)の両側面に設けられた張出部(18b)(18c)とからなる。入口側張出部(18b)にFCS(18)の入口が、出口側張出部(18c)にFCS(18)の出口がそれぞれ設けられている。
【0038】
この実施形態では、また、下段に配置されて上段層の流体制御機器(14)(15)(18b)(18c)(17)を支持する複数の通路ブロックとして、入口側第1開閉弁(14)、入口側第2開閉弁(15)およびFCS(18)の入口側張出部(18b)に対応する下段部材とされている第1の複数列用通路ブロック(21)と、FCS(18)の出口側張出部(18c)および出口側開閉弁(17)に対応する第2の複数列用通路ブロック(22)とを備えている。
【0039】
第1の複数列用通路ブロック(21)には、プロセスガス供給用の配管(24)が接続されている。
【0040】
第2実施形態における第1の複数列用通路ブロック(21)および第2の複数列用通路ブロック(22)は、第1実施形態のものと同じ構成であり、これらが第2実施形態においても、流体制御装置の特徴部分となっている。
【0041】
第1の複数列用通路ブロック(21)の詳細な構成を
図3および
図4に示す。
【0042】
図3は、入口側第1開閉弁(14)および入口側第2開閉弁(15)が取り付けられた状態を示し、
図4は、これらが取り外された状態を示している。
【0043】
第1の複列用通路ブロック(21)は、上段部材としての流量制御器(16)(18)の入口側張出部(16b)(18b)およびこれに直列状に配置された2つの入口側開閉弁(14)(15)を3つの列にわたって支持している。
【0044】
第1の複列用通路ブロック(21)には、第1の列(
図1および
図2に示している列(1)(2))に対応するように、第1の列の第1開閉弁(14)の入口ポート(14a)に通じる第1通路(31)と、第1通路(31)から分岐して入口端部近傍の上面に開口する第2通路(32)と、第1の列の第1開閉弁(14)の出口ポート(14b)に通じる第3通路(33)と、第3通路(33)の中間部から上方にのびて第1の列の第2開閉弁(15)の出口ポート(15b)に通じる第4通路(34)と、上面に開口し第1の列の第2開閉弁(15)の入口ポート(15a)に通じる第5通路(35)と、第3通路(33)の端部近傍から上方にのびて上面に開口している第6通路(36)とが設けられている。
【0045】
第1の複列用通路ブロック(21)には、第2の列に対応するように、第2の列の第1開閉弁(14)の入口ポート(14a)に通じる第7通路(37)と、第7通路(37)から分岐して入口端部近傍の上面に開口する第8通路(38)と、第2の列の第1開閉弁(14)の出口ポート(14b)に通じる第9通路(39)と、第9通路(39)の中間部から上方にのびて第2の列の第2開閉弁(15)の出口ポート(15b)に通じる第10通路(40)と、第5通路(35)に通じかつ第2の列の第2開閉弁(15)の入口ポート(15a)に通じる第11通路(41)と、第9通路(39)の端部近傍から上方にのびて上面に開口している第12通路(42)とが設けられている。
【0046】
第1の複列用通路ブロック(21)には、第3の列に対応するように、第3の列の第1開閉弁(14)の入口ポート(14a)に通じる第13通路(43)と、第13通路(43)から分岐して入口端部近傍の上面に開口する第14通路(44)と、第3の列の第1開閉弁(14)の出口ポート(14b)に通じる第15通路(45)と、第15通路(45)の中間部から上方にのびて第3の列の第2開閉弁(15)の出口ポート(15b)に通じる第16通路(46)と、第11通路(41)に通じかつ第3の列の第2開閉弁(15)の入口ポート(15a)に通じる第17通路(47)と、上面に開口し第3の列の第2開閉弁(15)の入口ポート(15a)に通じる第18通路(48)と、第15通路(45)の端部近傍から上方にのびて上面に開口している第19通路(49)とが設けられている。
【0047】
第5通路(35)、第11通路(41)、第17通路(47)および第18通路(48)は、従来のマニホールドブロック継手(100)に対応する部分で、隣り合う列の流体制御機器としての第2開閉弁(15)同士を連通するための横方向通路となっており、パージガスラインとして使用される。これらの横方向通路(35)(41)(47)(48)以外が直列に並ぶ流体制御機器の通路同士を連通するための縦方向通路を形成している。
【0048】
図5および
図6に示す第2の複列用通路ブロック(22)は、上段部材としての流量制御器(16)(18)の出口側張出部(16c)(18c)およびこれに直列状に配置された出口側開閉弁(17)を3つの列にわたって支持している。
【0049】
第2の複列用通路ブロック(22)には、第1の列に対応するように、入口側端部近傍の上面に開口し第1の列の出口側開閉弁(17)の入口ポート(17a)に通じる第1通路(51)と、出口側端部近傍の上面に開口し第1の列の出口側開閉弁(17)の出口ポート(17b)に通じる第2通路(52)とが設けられている。
【0050】
第2の複列用通路ブロック(22)には、第2の列に対応するように、入口側端部近傍の上面に開口し第2の列の出口側開閉弁(17)の入口ポート(17a)に通じる第3通路(53)と、第2通路(52)に通じかつ第2の列の出口側開閉弁(17)の出口ポート(17b)に通じる第4通路(54)とが設けられている。
【0051】
第2の複列用通路ブロック(22)には、第3の列に対応するように、入口側端部近傍の上面に開口し第3の列の出口側開閉弁(17)の入口ポート(17a)に通じる第6通路(56)と、第4通路(54)に通じかつ第3の列の出口側開閉弁(17)の出口ポート(17b)に通じる第7通路(57)とが設けられている。
【0052】
図1に示した実施形態と
図12に示した従来例とを比較した場合、第1の複列用通路ブロック(21)を使用している箇所に対応する従来例の箇所では、V字状通路(99a)を有するブロック継手(99)が1列に3つあるので、3列では9つとなり、これにマニホールドブロック継手(100)を加えた計10のブロック継手(99)(100)が必要となっている。
図1に示した実施形態では、これらのブロック継手(99)(100)が1つの第1の複列用通路ブロック(21)で置き換えられていることにより、部品数が大幅に削減されている。
【0053】
入口側第1開閉弁(14)および入口側第2開閉弁(15)の第1の複列用通路ブロック(21)への取付けは、
図3に示すように、シール部を設けずに可能であるので、従来の入口側第1開閉弁(94)および入口側第2開閉弁(95)とブロック継手(99)(100)との間に設けられているシール部をなくすことができる。
【0054】
また、
図1に示した実施形態と
図12に示した従来例とを比較した場合、第2の複列用通路ブロック(22)を使用している箇所に対応する従来例の箇所では、3列で3つのブロック継手(99)および1つのマニホールドブロック継手(101)が使用されている。
図1に示した実施形態では、これらのブロック継手(99)(101)が1つの第2の複列用通路ブロック(22)で置き換えられており、この箇所においても、部品数が大幅に削減されている。また、出口側開閉弁(17)の第2の複列用通路ブロック(22)への取付けは、
図5に示すように、シール部を設けずに可能であるので、従来の出口側開閉弁(97)とブロック継手(99)(101)との間に設けられているシール部をなくすことができる。
【0055】
上記の第1の複列用通路ブロック(21)および第2の複列用通路ブロック(22)を使用することで、通路の内容積が変化する。具体的には、従来例を示す
図12において太線の破線J1およびJ2で示している入口側および出口側1次における通路内容積に対し、
図1に示す実施形態において太線の破線A1およびA2で示している入口側および出口側1次における通路内容積がそれぞれ減少している。入口側および出口側1次の通路内容積は、ガスの置換性の向上および不純ガス放出量の減少の点から、極力小さいことが好ましく、上記複列用通路ブロック(21)(22)の使用によって、通路を最短にすることが可能であり、内容積を従来比10〜20%減少させることができる。
【0056】
複数列の流体制御装置を構成する場合、上記3列用の第1の複列用通路ブロック(21)および第2の複列用通路ブロック(22)だけを使用したのでは、所要の列数にできない場合がある。これに対応するために、上記3列用の第1の複列用通路ブロック(21)および第2の複列用通路ブロック(22)に対応する形状とされた第1の単列用通路ブロック(25)および第2の単列用通路ブロック(26)が使用される。
【0057】
第1の単列用通路ブロック(25)には、
図7および
図8に示すように、第1の列の第1開閉弁(14)の入口ポート(14a)に通じる第1通路(31)と、第1通路(31)から分岐して入口端部近傍の上面に開口する第2通路(32)と、第1の列の第1開閉弁(14)の出口ポート(14b)に通じる第3通路(33)と、第3通路(33)の中間部から上方にのびて第1の列の第2開閉弁(15)の出口ポート(15b)に通じる第4通路(34)と、上面に開口し第1の列の第2開閉弁(15)の入口ポート(15a)に通じる第5通路(35)と、第3通路(33)の端部近傍から上方にのびて上面に開口している第6通路(36)とが設けられている。
【0058】
第2の単列用通路ブロック(26)には、
図9および
図10に示すように、入口側端部近傍の上面に開口し第1の列の出口側開閉弁(17)の入口ポート(17a)に通じる第1通路(51)と、出口側端部近傍の上面に開口し第1の列の出口側開閉弁(17)の出口ポート(17b)に通じる第2通路(52)とが設けられている。
【0059】
第1の複列用(3列用)通路ブロック(21)および第2の複列用(3列用)通路ブロック(22)とこれに対応する第1の単列用通路ブロック(25)および第2の単列用通路ブロック(26)とを併用することにより、例えば、3列用を5つ、単列用を1つ使用して、全部で16列とすることができ、また、3列用を4つ、単列用を4つ使用して、全部で16列とすることもできる。後者は、例えば、腐食性ラインが4系統ある場合に適している。
【0060】
なお、上記において、第1の複列用通路ブロック(21)および第2の複列用通路ブロック(22)は、3列にわたって配置される3列用とされているが、複列用通路ブロックは、3列用に限られるものではなく、2列用通路ブロック、4列用通路ブロック、5列用通路ブロックとしてもよい。
【0061】
隣り合う第1の複列用通路ブロック(21)および第1の単列用通路ブロック(25)同士の接続の例を
図11に示す。
図11において、隣り合う列の通路ブロック(21)(25)の上面に開口する通路同士が第1逆U字状配管(27)および第2逆U字状配管(28)で接続されている。接続されている開口は、
図3および
図4に示す第1の複列用通路ブロック(21)の第5通路(35)の開口と、
図7および
図8に示す第1の単列用通路ブロック(25)の第5通路(35)の開口とされている。第2逆U字状配管(28)には、これにパージガスを供給するための管継手(29)が接続されている。逆U字状配管(27)(28)および複列用通路ブロック(21)内の第5通路(35)、第11通路(41)および第17通路(47)によって、全ての列にパージガスの供給が可能となる。
【0062】
第1逆U字状配管(27)および第2逆U字状配管(28)を使用することで、複列用通路ブロック(21)(22)および単列用通路ブロック(25)(26)を併用しての列数の設定が容易になり、列数の増減も容易に行うことができる。