(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表面シート、裏面シート及び該表面シートと該裏面シートとの間に配置された吸収性コアを有し、長手方向の中央域に位置する股下部並びに該股下部から長手方向前方及び後方にそれぞれ延出する腹側部及び背側部を備えた吸収性物品であって、
前記吸収性コアは、前記股下部に位置する股下領域と、該股下領域から延び、かつ前記腹側部及び前記背側部に位置する胴回り領域とを有しており、
前記吸収性コアの前記股下領域に、長手方向に延び、かつ該長手方向に沿って該吸収性コアを立体変形させ得る一対の立体変形誘導部が形成されており、
前記立体変形誘導部が、長手方向に延びる貫通孔からなるか、又は該立体変形誘導部の周囲よりも坪量が低い低坪量部からなり、
前記吸収性コアの少なくとも前記腹側部における前記胴回り領域に、外力に対して該胴回り領域を変形させ得る1本又は複数本の屈曲線が長手方向に延びて易変形領域が形成されており、
前記易変形領域がブロック領域からなり、該ブロック領域は、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有し、各高坪量部の周囲はその全域にわたって該低坪量部によって囲まれて個々に独立しており、
前記屈曲線が前記低坪量部からなり、
前記易変形領域は前記立体変形誘導部の延長線上に位置しており、かつ該立体変形誘導部と該易変形領域とが、前記股下領域と前記胴回り領域との境界又はその近傍の位置において離間している吸収性物品。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの斜視図が示されている。
図2は、
図1に示すおむつを、そのサイドシール部で開き、平面に展開した状態を表面シート側から見た平面図である。
図1及び
図2に示すおむつ10は、いわゆるパンツ型のおむつである。おむつ10は、長手方向Y及びそれに直交する幅方向Xを有する。おむつ10は、吸収性本体20と、該吸収性本体20の非肌当接面側に位置する外装体30とを具備する。おむつ10は、長手方向Xの中央域に位置する股下部C、並びに該股下部Cから長手方向前方及び後方にそれぞれ延出する腹側部A及び背側部Bを有する。腹側部Aは、おむつ10の着用時に着用者の腹側に配される。背側部Bは、おむつ10の着用時に着用者の背側に配される。股下部Cは、おむつ10の着用時に着用者の股下に配される。
【0013】
以下の説明において「非肌当接面側」とは、吸収性本体20などの各部材の表裏両側(面)のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に配される側(面)である。「肌当接面側」とは、各部材の表裏両側(面)のうち、着用時に着用者の肌側に配される側(面)である。また、おむつ10の長手方向に関し、腹側部A側のことを「前側」ともいい、背側部A側のことを「後側」とも言う。
【0014】
吸収性本体20は縦長矩形形状をなし、その長手方向を、おむつ10の長手方向に一致させて、腹側部Aから背側部Bまでにわたるように、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により外装体30の幅方向中央部に接合されている。吸収性本体20と外装体30との接合の詳細については後述する。
【0015】
外装体30は、腹側部Aに位置する部分の両側縁部と背側部Bに位置する部分の両側縁部とが、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等の公知の接合手段により互いに接合されている。これによりおむつ10には一対のサイドシール部Sが形成されている。また、その接合によって、おむつ10に、ウエスト開口部11及び一対のレッグ開口部12,12が形成されて、外装体30はパンツ型の立体形状となる。
【0016】
吸収性本体20は、表面シート21と、裏面シート(図示せず)と、両シート間に介在配置された吸収体とを備えている。該吸収体は、液透過性のコアラップシートによって被覆された吸収性コア22を備えている。表面シート21は液透過性のシートからなり、おむつ10の着用状態において着用者の肌に対向する。裏面シートは液不透過性ないし撥水性のシートからなり、外装体30と対向している。
【0017】
表面シート21及び裏面シートとしては、当該技術分野において従来用いられてきたものと同様のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては、液透過性を有する不織布や、穿孔フィルムを用いることができる。裏面シートとしては、合成樹脂製の液不透過性フィルムや、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド積層不織布等の耐水圧が高い撥水性の不織布を用いることができる。裏面シートが液不透過性である場合、該裏面シートは水蒸気透過性を有していてもよい。防漏性及び通気性の観点から、裏面シートは、水蒸気透過性を有する合成樹脂製の液不透過性フィルムが好ましい。
【0018】
図3には、外装体30をその肌当接面側から見た平面図が示されている。外装体30は、内層シート31及び外層シート32と、これら2枚のシート間に固定された各部の弾性部材とからなる。各部の弾性部材については後述する。外装体30の外縁は、展開状態のおむつ10の輪郭をなしている。内層シート31と外層シート32とは同形である。ただし、外層シート32は、内層シート31の前端縁及び後端縁(この端縁は、ウエスト開口縁Wと一致している。)から長手方向外方に延出する延出部を有する。この延出部は、内層シート31の前端縁及び後端縁から肌当接面側に折り返され、吸収性本体20の長手方向前端域及び後端域を被覆している。内層シート31及び外層シート32は、好適には同一の又は異なる通気性シート、例えば各種の方法で製造された不織布から構成されている。
【0019】
外装体30におけるウエスト開口縁Wには、該開口縁Wに沿っておむつ10の幅方向に延びる複数のウエスト弾性部材33が伸長状態で配されている。また、外装体30におけるレッグ開口縁Lには、該開口縁Lに沿って複数のレッグ弾性部材34が伸長状態で配されている。詳細には、レッグ弾性部材34は、その一端が腹側部Aと股下部Cとの境界近傍、及び背側部Bと股下部Cとの境界近傍に位置し、そこからレッグ開口縁Lに沿って股下部Cの長手方向中央域まで延びており、かつ股下部Cの長手方向中央域において幅方向の内方に向きを変え、股下部Cの幅方向中央域に達する前で終端している。したがって、股下部Cの幅方向中央域には、レッグ弾性部材34が非配置の状態になっている。
【0020】
背側部A及び腹側部Bに双方において、着用者の腰回りに配されるウエスト部と、股下部Cとの間に位置する胴回り部には、おむつ10の幅方向に延びる複数の胴回り弾性部材35a,35bが伸長状態で配されている。胴回り弾性部材35a,35bは、ウエスト弾性部材33とレッグ弾性部材34との間に配置されている。胴回り弾性部材35a及び胴回り弾性部材35bのうち、胴回り弾性部材35aは、ウエスト弾性部材33寄りに位置しており、胴回り弾性部材35bはレッグ弾性部材34寄りに位置している。したがって胴回り弾性部材35aは、ウエスト弾性部材33と胴回り弾性部材35bとの間に位置しており、胴回り弾性部材35bは胴回り弾性部材35aとレッグ弾性部材34との間に位置している。
【0021】
胴回り弾性部材35aは1本又は複数本配されており、外装体30の一方の側部の近傍から他方の側部の近傍にまでわたって連続して延びている。一方、胴回り弾性部材35bは1本又は複数本配されており、その一端が外装体30の側部の近傍、例えばサイドシール部Sの近傍に位置し、他端がおむつ10の幅方向中央域に達する前で終端している。
【0022】
図4(a)には、吸収性本体20における吸収性コア22の平面図が示されている。なお図示していないが、吸収性コア22はその全体が液透過性のシートによって被覆されていてもよい。吸収性コア22は、おむつ10の股下部Cに位置する股下領域22Cと、股下領域22Cから延び、かつおむつ10の腹側部A及び背側部Bに位置する胴回り領域22A,22Bとを有している。このように吸収性コア22は、おむつ10の長手方向の腹側部Aから背側部Bまでの領域にわたって延在している。
【0023】
吸収性コア22は、前端縁211a及び後端縁211bを有する。前端縁211aは、腹側部A寄りに位置し、かつ幅方向に向けて直線状に延びている。後端縁211bは、背側部B寄りに位置し、かつ幅方向に向けて直線状に延びている。前端縁211aと後端縁211bとは略平行になっている。また、前端縁211aと後端縁211bとはほぼ同じ長さになっている。更に吸収性コア22は、長手方向に延びる一対の側縁212を有している。一対の側縁212は略平行になっており、長手方向に向けて直線状に延びている。このように、吸収性コア22は、平面視して長手方向に長辺を有する矩形の形状をしている。
【0024】
図4(b)及び
図4(c)に示すとおり、吸収性コア22は、第1面213a及び第2面213bを有している。第1面213aは肌当接面であり、表面シート21又は必要に応じて用いられる中間シート(図示せず)側を向いている。第2面213aは非肌当接面側であり、裏面シート側を向いている。
【0025】
吸収性コア22は、相対的に坪量が高く非肌当接面側に向けて突出した凸の形状を有する高坪量部214aと、高坪量部214aに隣接し、かつ相対的に坪量が低く非肌当接面側から肌当接面側に向けて凹んだ低坪量部214bとを有している。吸収性コア22においては、高坪量部214aと低坪量部214bとが一体成形されている。吸収性コア22は、その非肌当接面側が凹凸構造となっており、かつ肌当接面側が平坦となっている。
【0026】
図4(a)に示すとおり、低坪量部214bは、その複数本が吸収性コア22の長手方向と平行に延びている。また低坪量部214bは、その複数本が吸収性コア22の幅方向にも平行に延びている。その結果、低坪量部214bは、吸収性コア22の長手方向及び幅方向に延びる直交した格子状の形状をしている。そして、低坪量部214bによって形成される格子内に高坪量部214aが位置している。したがって個々の高坪量部214aは低坪量部214bによって区画されており、個々に独立している。各高坪量部214aの形状はほぼ同じであり、平面視して矩形をしており、長手方向の長さが、幅方向の長さよりも大きくなっている。一方、低坪量部214bに関しては、該低坪量部214bが吸収性コア22の長手方向及び幅方向に延びて互いに連結しており連続体となっている。吸収性コア22の長手方向に延びる低坪量部214bの幅と、吸収性コア22の幅方向に延びる低坪量部214bの幅とは同じであってもよく、あるいは異なっていてもよい。
【0027】
以上のとおり、吸収性コア210はブロック領域219を有している。ブロック領域219は、坪量が相対的に高い複数の高坪量部214aと、坪量が相対的に低い低坪量部214bとからなるブロック構造を有し、かつ各高坪量部214aの周囲はその全域にわたって低坪量部214bによって囲まれて個々に独立している。更に、ブロック領域219の最外周は、低坪量部214bによって囲まれている。各高坪量部214aが低坪量部214bによって囲まれていること、及びブロック領域219の最外周が低坪量部214bによって囲まれていることによって、ブロック領域219の幅方向外方に配されたレッグ弾性部材34及び胴回り弾性部材35a,35bの収縮に起因する応力が、ブロック領域219の幅方向の側部に均等に加わるようになるので、吸収性コア22のブロック構造が破壊されることが効果的に防止される。特に、ブロック領域219の最外周に位置している低坪量部214bの角部が外方に向けて凸の曲線を描く丸みを帯びていると、該角部にレッグ弾性部材34及び胴回り弾性部材35の収縮に起因する応力が集中しにくくなるので、吸収性コア22のブロック構造が破壊されることが一層効果的に防止される。
【0028】
低坪量部214bの坪量は、高坪量部214bの坪量に対する割合が、その下限値が好ましくは1%であり、更に好ましくは3%である。上限値は好ましくは80%であり、更に好ましくは70%である。高坪量部214a自体の坪量は、その下限値が好ましくは200g/m
2であり、更に好ましくは300g/m
2である。上限値は好ましくは900g/m
2であり、更に好ましくは800g/m
2である。低坪量部214bに関しては、その坪量の下限値が好ましくは10g/m
2であり、更に好ましくは50g/m
2である。上限値は好ましくは500g/m
2であり、更に好ましくは400g/m
2である。坪量は、次のようにして測定される。
吸収性コア22における高坪量部214aと低坪量部214bの境界線に沿ってフェザー社製の片刃剃刀を用いて切断する。切断して得られた高坪量部214aの小片について、重量を電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定する。求めた重量を高坪量部214aの小片の面積で除して小片の坪量を算出する。小片5個の坪量の平均を高坪量部214aの坪量とする。非ブロック領域216の坪量も高坪量部214aの坪量と同様にして算出する。
次いで、高坪量部214aと低坪量部214bの縦方向(Y方向)に延びた境界線に沿って、長さ50mm、幅は低坪量部214bの幅の設計寸法に合わせて、フェザー社製の片刃剃刀を用いて、細いストライプ状の低坪量部214bの小片を切り出す。得られた小片の重量を電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定する。求めた重量を低坪量部214bの小片の面積で除して小片の坪量を算出する。小片5個の坪量の平均を低坪量214bの坪量とする。
【0029】
高坪量部214aは、低坪量部214bよりも坪量が大きいだけでなく、厚みも大きくなっている。低坪量部214bの厚みは、高坪量部214aの厚みに対しての割合が、その下限値が好ましくは2%であり、更に好ましくは3%である。上限値は好ましくは80%であり、更に好ましくは70%である。高坪量部214a自体の厚みは、その下限値が好ましくは2mmであり、更に好ましくは3mmである。上限値は好ましくは15mmであり、更に好ましくは12mmである。低坪量部214bに関しては、その厚みの下限値が好ましくは0.5mmであり、更に好ましくは0.7mmである。上限値は好ましくは8mmであり、更に好ましくは6mmである。厚みは、次のようにして測定される。
所定のサイズにサンプルをカットし、測定部位を5kPaで10分間加圧し、除重後すぐに以下の方法で測定を行う。測定箇所は、1枚あたり3点以上とし、おむつサンプル2枚(測定箇所6点以上)の平均で厚みを求める。例えばおむつ1を、フェザー社製刃剃刀で、
図2に示す縦方向(Y方向)、又は横方向(X方向)に切断し、この切断されたサンプルの断面を測定する。肉眼にて測定し難い場合には、前記切断されたサンプルの断面を、例えば、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX−1000)を用いて20〜100倍の倍率で観察し、測定してもよい。
【0030】
ブロック領域219は、吸収性コア22の腹側部A側から背側部B側までにわたって配置されている。そしてブロック領域219は、腹側部Aに対応する位置に設けられた腹側部高坪量部群217Aと、背側部Bに対応する位置に設けられた背側部高坪量部群217Bと、股下部Cに対応する位置に設けられた股下部高坪量部群217Cとを有している。各高坪量部群は連結している。各高坪量部群においては、幅方向に沿って配置された高坪量部214aの数が異なっている。詳細には、腹側部高坪量部群217A及び背側部高坪量部群217Bにおける高坪量部214aの配置の数は、股下部高坪量部群217Cにおける高坪量部214aの配置の数よりも多くなっている。例えば
図4(a)に示すとおり、腹側部高坪量部群217Aにおいては、幅方向に沿って配置された高坪量部214aの数が8個又は6個であり、背側部高坪量部群217Bにおいては、8個又は4個であるのに対して、股下部高坪量部群217Cにおいては、幅方向に沿って配置された高坪量部214aの数が2個である。このように本実施形態においては、ブロック領域219では、腹側部高坪量部群217A及び背側部高坪量部群217Bにおける高坪量部214aの配置の数が、股下部高坪量部群217Cにおける高坪量部214aの配置の数よりも多い。ブロック領域219は、高坪量部214aの寸法は各高坪量部群において同じである。したがってブロック領域219においては、股下領域22Cにおけるブロック領域219の幅よりも、腹側部A及び背側部Bの胴回り領域22A,22Bにおけるブロック領域219の幅の方が大きくなっている。このような構成を採用することで、排尿部に対応する部位である股下部Cから腹側部A又は背側部Bへ向けての液の拡散を効率よく行うことができ、股下部Cから距離のある腹側部A又は背側部Bの吸収域を有効に利用できるようなる。
【0031】
吸収性コア22におけるブロック領域219の幅方向外方には、非ブロック領域216が配置されている。つまり、吸収性コア22は、高坪量部214a及び低坪量部214bからなるブロック領域219と、非ブロック領域216とから構成されている。非ブロック領域216は、ブロック領域219の左右両側部の位置に、長手方向の全域にわたって配置されている。ブロック領域219と非ブロック領域216とは、ブロック領域219の最外周に位置する低坪量部214bによって区画されている。非ブロック領域216においては、その任意の位置における厚み及び坪量が一定になっている。
【0032】
図4(b)及び(c)に示すとおり、本実施形態においては、非ブロック領域216の厚みは、ブロック領域219の高坪量部214aの厚みとほぼ同じになっている。尤も、非ブロック領域216の厚みと高坪量部214aの厚みとの関係はこれに限られず、非ブロック領域216の厚みの方が大きくてもよく、逆に高坪量部214aの厚みの方が大きくてもよい。具体的には、非ブロック領域216の厚みは、その下限値が好ましくは2mmであり、更に好ましくは3mmである。上限値は好ましくは15mmであり、更に好ましくは12mmである。厚みの測定方法は上述したとおりである。
【0033】
非ブロック領域216の坪量に関しては、ブロック領域219の高坪量部214aの坪量と同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。また、ブロック領域219の低坪量部214bの坪量と同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。具体的には、非ブロック領域216の坪量は、その下限値が好ましくは200g/m
2であり、更に好ましくは300g/m
2である。上限値は好ましくは900g/m
2であり、更に好ましくは800g/m
2である。坪量の測定方法は上述したとおりである。
【0034】
吸収性コア22においては、ブロック領域219の高坪量部214a及び低坪量部214bが一体成形されている。また、吸収性コア22においては、高坪量部214a及び低坪量部214bからなるブロック領域219と、その外周に位置する非ブロック領域216とが一体成形されている。
【0035】
吸収性コア22においては、ブロック領域219の幅方向外方に位置する非ブロック領域216に、吸収性コア22の長手方向に延びる側部開孔部215bが形成されている。側部開孔部215bは、吸収性コア22の厚み方向全域を貫通している。側部開孔部215bは、吸収性コア22における股下領域22Cの位置に、換言すればおむつ10における股下部Cの位置において、長手方向に延びて形成されている。側部開孔部215bは、先に述べた股下部高坪量部群217Cの形成位置の幅方向外方に形成されている。側部開孔部215bはその長さが、股下部高坪量部群217Cの延びる長さよりも若干短くなっている。側部開孔部215bは、長手方向中心線CLに対して対称の位置に、一対形成されている。また側部開孔部215bは、長手方向中心線CLに対して対称形になっている。側部開口部215bは、長手方向に直線状に延び、かつ互いに平行な内側辺218a及び外側辺218bを有する扁平な略台形の形状をしている。内側辺218aは外側辺218bよりも短くなっている。
【0036】
吸収性コア22が液透過性のシートで被覆されている場合、吸収性コア22は、該吸収性コア22の肌当接面側に位置するシートと、非肌当接面側に位置するシートとが、前記の側部開孔部215bにおいて接合されていることが好ましい。この構成を採用することで、吸収性コア22のうち、側部開孔部215bの幅方向外方に位置する部位の起立性が一層確実なものとなる。
【0037】
また、吸収性コア22が液透過性のシートで被覆されている場合、吸収性コア22の低坪量部214bに相当する位置において、該シートは吸収性コア22と非固定状態になっていることが好ましい。この構成を採用することで、低坪量部214bを挟んで位置する高坪量部214aの動きが妨げられにくくなり、ブロック領域219の柔軟性の低下が効果的に防止される。
【0038】
吸収性コア22は吸液性材料から構成されている。吸液性材料としては、吸収性物品の技術分野において従来用いられてきたものと同様のものを用いることができる。例えば解繊パルプや、ヒドロゲル材料からなる高吸収性ポリマーを用いることができる。
【0039】
以上の構成を有する本実施形態のおむつ10においては、長手方向に延びる一対の側部開孔部215bが、吸収性コア22を立体変形させ得る一対の立体変形誘導部として作用する。詳細には、吸収性コア22の股下領域22Cの位置に、着用者の大腿等による圧迫に起因して幅方向から外力が加わると、吸収性コア22は、側部開孔部215bは折曲の可撓軸として作用して、側部開孔部215bよりも幅方向外方に位置する部位が表面シート21側に向けて起立する。そして、この起立した部位が着用者の鼠蹊部にぴったりとフィットするようになる。この観点から、前記立体変形誘導部としては、貫通孔からなる側部開孔部215bに代えて、立体変形誘導部の周囲よりも坪量が低い低坪量部を採用することもできる。
【0040】
また、吸収性コア22に形成されたブロック領域219のうち、胴回り領域22A,22Bに形成されたブロック領域219においては、該ブロック領域219を構成する高坪量部214a及び低坪量部214bのうち、低坪量部214bが、外力に対して胴回り領域22A,22Bを変形させ得る屈曲線として作用して、胴回り領域22A,22Bが柔軟に変形するようになる。その結果、ブロック領域219は外力に対する易変形領域として作用し、おむつ10の着用状態において胴回り領域22A,22Bが着用者の身体にぴったりとフィットするようになる。低坪量部214bのうち、少なくとも長手方向に延びる部位が1本又は複数本形成されていれば、胴回り領域22A,22Bの変形は容易に起こるところ、長手方向に延びる低坪量部214bに加えて幅方向に延びる1本又は複数本の低坪量部214bも形成されていると、胴回り領域22A,22Bの変形が更に容易に起こり、胴回り領域22A,22Bが着用者の身体に更にぴったりとフィットするようになるので好ましい。
【0041】
その上、本実施形態においては
図4(a)に示すとおり、上述した易変形領域としての胴回り領域22A,22Bにおけるブロック領域219が、立体変形誘導部としての側部開孔部215bの延長線上に位置しており、かつ該易変形領域と該立体変形誘導部とが隔離領域23A,23Bを挟んで長手方向において離間している。隔離領域23A,23Bは、剛性が高い部位である非ブロック領域216の一部から形成されている。したがって、易変形領域の変形が、剛性が高い部位である隔離領域23A,23Bによって阻止されて、立体変形誘導部による立体変形が影響を受けにくくなる。同様に立体変形誘導部による立体変形が、隔離領域23A,23Bによって阻止されて、易変形領域の変形が影響を受けにくくなる。その結果、吸収性コア22のうち、股下領域22Cに位置する部位と、胴回り領域22A,22Bに位置する部位とが互いに影響を受けることなく独立して着用者の鼠蹊部及び胴回りのそれぞれにフィットするようになる。ひいては着用者の鼠蹊部へ吸収性コアが過度に入り込むことが効果的に防止されるので、着用状態でのおむつの外観がすっきりしたものとなる。以上の観点から、易変形領域と立体変形誘導部とを隔てる隔離領域23A,23Bは、吸収性コア22における股下領域22Cと胴回り領域22A,22Bとの境界又はその近傍に位置していることが効果的である。特に隔離領域23A,23Bは、吸収性コア22における股下領域22Cに位置していることが好ましい。
【0042】
なお上述した「ブロック領域219が、立体変形誘導部としての側部開孔部215bの延長線上に位置している」とは、側部開孔部215bを画定する内側辺218aと外側辺218との間に、ブロック領域219を構成する一部である低坪量部214のうち、長手方向に延びるものが少なくとも1本位置していればよいことを意味する。
【0043】
隔離領域23A,23Bの存在によって易変形領域と立体変形誘導部とが互いに影響を受けないようにする観点から、隔離領域23A,23Bの剛性は、易変形領域であるブロック領域219の剛性よりも高いことが好ましい。先に述べたとおり、隔離領域23A,23Bは非ブロック領域216の一部をなしているので、非ブロック領域216の剛性がブロック領域219の剛性よりも高いことが好ましい。ここで言う剛性とは、吸収性コア22の屈曲のしづらさの程度のことであり、剛性が高いとは吸収性コア22が屈曲しづらいことを言う。剛性の程度は例えばカトーテック(株)社製KES−FB2−Lや、熊谷理機工業(株)社製テーバースティフネステスターを用いて測定される曲げ剛性値の値を尺度とすることができる。この値が大きい場合には、剛性が高いと言える。
【0044】
本実施形態のおむつ10においては、
図4(a)に示すとおり、吸収性コア22の胴回り領域22A,22Bだけでなく、股下領域22Cにもブロック領域219が形成されている。このブロック領域219を構成する高坪量部214a及び低坪量部214bのうち、低坪量部214bが、外力に対して胴回り領域22A,22Bを変形させ得る屈曲線として作用するので、股下領域22Cも柔軟に変形するようになる。つまり、股下領域22Cに形成されたブロック領域219も外力に対する易変形領域として作用する。股下領域22Cに形成されたブロック領域219が易変形領域として作用するためには、低坪量部214bのうち、長手方向に延びる部位が1本又は複数本形成されていれば、十分であるが、長手方向に延びる低坪量部214bに加えて幅方向に延びる低坪量部214bも形成されていると、股下領域22Cの変形が更に容易に起こるようになり、吸収性コア22のフィット性が更に向上するので好ましい。
【0045】
吸収性コア22のフィット性を向上させるためには、吸収性コア22は、その固定態様を工夫することも有効である。詳細には、吸収性コア22は、これを、その長手方向の前後端部域の位置において、外装体30に対して固定状態にするとともに、前後端部域間においては、少なくとも長手方向に延びる左右の側部域を外装体30と非固定状態にすることが有利である。要するに吸収性コア22は、その長手方向の前後端部域間の部位においては、外装体30に対して極力非固定状態とすることが望ましい。このような固定態様を採用した理由は次のとおりである。ブロック領域219が形成されている吸収性コア20においては、低坪量部214bによって高坪量部214aが個々に区画されて独立しているので、吸収性コア20のある部位に生じた変形が、他の部位に伝播しづらい。例えば、吸収性コア20がその前後端部域において外装体30に接合されている状態下では、該前後端部域に位置する弾性部材(この弾性部材は一般に胴回り弾性部材35a,35bである。)の収縮によって該前後端部域が変形する。この場合、該前後端部域以外の部位においても吸収性コア20が外装体30と接合状態になっていると、該前後端部域における吸収性コア20の変形が他の部位にも伝播しやすく、そのことに起因して吸収性コア20が着用者の身体に十分にフィットしづらくなる場合が生じる。これに対して、吸収性コア20と外装体30との接合を、該吸収性コア20の前後端部域において行い、該前後端部域間では両者を極力非固定状態にすると、該前後端部域における吸収性コア20の変形が他の部位に伝播しづらくなる。その結果、吸収性コア20の前後端部域間においてもフィット性を十分に高めることができる。なお、ブロック構造を有さない通常の吸収性コアは、ブロック構造を有する吸収性コアと異なり、吸収性コアのある部位に生じた変形が、他の部位に伝播しやすいので、通常の吸収性コアを用いて上述の固定態様を採用しても、吸収性コアのフィット性の向上効果は期待できない。
【0046】
吸収性コア20を、その長手方向の前後端部域間で外装体30と接合させる場合には、おむつ10の長手方向に延びる固定部を形成することが好ましい。例えば吸収性コア20を、その長手方向の前後端部域間の部位において、幅方向の中央域を、長手方向に沿って外装体30に対して固定状態にするとともに、中央域の左右に位置する側部域を、外装体30に対して非固定状態にすることが好ましい。
【0047】
吸収性コア22と外装体30との固定には種々の態様が挙げられる。例えば吸収性本体20における裏面シートとそれに対向する外装体30とをそれらの対向面の全域において接合し、かつ裏面シートと吸収性コア22とを、該吸収性コアの前後端部域等において接合することができる。吸収性コア22が液透過性のシート(図示せず)で包まれている場合には、吸収性コア22と液透過性のシートとをそれらの対向面の全域で接合した上で、液透過性シートと裏面シート23とを接合することができる。この逆に、吸収性コア22(又はそれを包む液透過性のシート)と裏面シートとをそれらの対向面の全域で接合した上で、裏面シートと外装体30とを、吸収性コアの前後端部域等の位置において接合してもよい。
【0048】
図2に戻ると、同図に示すおむつ10における腹側部Aにおいては、吸収性コア22は、その平面視において該吸収性コア22の一部が胴回り弾性部材35a,35bと重なるように配置されている。そして、吸収性コア22は、胴回り弾性部材35a,35bと重なる位置にブロック領域219を有している。詳細には、胴回り弾性部材35a,35bのうち、胴回り弾性部材35aは、吸収性コア22のうち、長手方向の前後端部域に位置するブロック領域219を、その幅方向の全域にわたって横切っている。換言すれば、胴回り弾性部材35aは、吸収性コア22の腹側部Aにける胴回り領域22Aに形成された前記屈曲線としての長手方向に延びる低坪量部214bのうち、長手方向の最も端部寄りに位置する該低坪量部214bと交差するように配されている。胴回り弾性部材35aが吸収性コア22の長手方向の前後端部域に位置するブロック領域219をその幅方向全域にわたって横切ることで、おむつ10の装着状態において胴回り弾性部材35aが収縮したときに、ブロック領域219における長手方向に延びる低坪量部214bが縮められ、高坪量部214aどうしが幅方向に沿って密着するようになる。その結果、胴回り弾性部材35aが収縮したときに吸収性コア22に皺が発生しづらくなり、着用者の胴回りに吸収性コア22を密着させやすくなる。これらのことに起因して液漏れが効果的に防止される。ブロック領域219を横切る胴回り弾性部材35aの本数は1本でもよく、あるいは
図2に示すとおり複数本でもよい。
【0049】
図5(a)及び(b)には、
図4に示す吸収性コアとは別の実施形態の吸収性コア22が示されている。
図5(a)に示す吸収性コア22は、
図4に示す吸収性コアにおいて、股下領域22Cにブロック領域が形成されていないものに相当する。したがって同図に示す吸収性コア22においては、胴回り領域22Aに形成されたブロック領域219と、胴回り領域22Bに形成されたブロック領域219とが不連続の状態になっている。一方、
図5(b)に示す吸収性コア22は、
図4に示す吸収性コアにおいて、股下領域22Cに形成されたブロック領域219内に、吸収性コア22の長手方向中心線CL上の位置に、該長手方向中心線CLに沿って、縦長の中央開孔部215aが形成されている。中央開孔部215aは、吸収性コア22の厚み方向全域を貫通している。中央開孔部215aは、股下部高坪量部群217Cの形成位置に形成されている。腹側部高坪量部群217A及び背側部高坪量部群217Bの位置には中央開孔部215aは形成されていない。中央開孔部215aの幅方向両側には、股下部高坪量部群217Cの一部をなす一対の高坪量部214aが位置している。これらの吸収性コア22を用いた場合にも、
図4に示す吸収性コアを用いた場合と同様の有利な効果が奏される。
【0050】
次に、上述した各実施形態の吸収体における吸収性コア22の好適な製造方法を説明する。
図6には、吸収性コア22の製造方法の一実施態様及びそれに用いる製造装置が示されている。吸収性コア22の製造装置は、矢印R1方向に回転駆動される回転ドラム50と、回転ドラム50の外周面に吸収性コア22の原料である高吸収性ポリマーを含む吸収性材料45を供給するダクト60と、回転ドラム50の下流側の斜め下方に配置され、矢印R2方向に回転駆動されるトランスファーロール70と、回転ドラム50の周方向におけるダクト60とトランスファーロール70との間に配置されたバキュームボックス65と、バキュームボックス65と回転ドラム50との間及びトランスファーロール70と回転ドラム50との間を通るように配された、シート状の通気性部材であるメッシュベルト75と、トランスファーロール70の下方に配されたバキュームコンベア80とを備えている。
【0051】
回転ドラム50は、
図6に示すとおり円筒状をなし、モータ等の原動機からの動力を受けて、その外周面を形成する部材が水平軸回りを回転する。回転ドラム50の内側(回転軸側)の非回転部分には内部を減圧可能な空間56が形成されている。空間56には、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)が接続されており、該排気装置を作動させることにより、空間56内を負圧に維持可能である。他方、回転ドラム50の内側(回転軸側)の空間57及び58には、装置外の空気を取り込み可能な配管(図示せず)が接続されている。
【0052】
図6に示すとおり、回転ドラム50の外周面には、製造する吸収性コア22の形状に対応する形状のドラム凹部51が複数個、R1方向に等間隔を空けて形成されている。各ドラム凹部51の底面部には、
図7に示すとおり、多数の細孔が形成されたメッシュプレート52と、金属製又は樹脂製の難通気性部材53とが配されている。ここで、難通気性部材53は、メッシュプレート52上に突出するように設けられており、上述した低坪量部214b,224bの形状及び位置に対応するように配されている。
図7に示すとおり、このように配された難通気性部材53により区画されたメッシュプレート52のみからなる領域54が、高坪量部214a,224aに対応する部分となり、難通気性部材53により区画された部分の外周全域におけるメッシュプレート52のみからなる領域55が、非ブロック部216,226に対応する部分となる。また、ドラム凹部51が形成されていない、回転ドラム50の外周面の部分は、金属製の剛体からなる回転ドラム50のフレーム体からなり、非通気性である。
【0053】
ダクト60は、
図6に示すとおり、その一端側が、負圧に維持される空間56上に位置する回転ドラム50の外周面を覆っており、図示しない他端側には、繊維材料導入装置を有している。繊維材料導入装置は、例えば、シート状の木材パルプを粉砕して解繊パルプとし、その解繊パルプ(繊維材料)をダクト内に送り込む粉砕器を備え、ダクト60の途中に高吸収性ポリマーを導入する高吸収性ポリマー導入部を備えている。
【0054】
トランスファーロール70は、通気性を有する円筒状の外周部を有しており、モータ等の原動機からの動力を受けて、その外周部がR2方向に回転する。トランスファーロール70の内側(回転軸側)の非回転部分には、内部を減圧可能な空間71が形成されている。空間71には、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)が接続されており、該排気装置を作動させることにより、空間71内を負圧に維持可能である。
【0055】
バキュームボックス65は、回転ドラム50の回転方向R1において、ダクト60の下流側端部61と、トランスファーロール70との間に配置されている。バキュームボックス65は、箱状の形状を有し、回転ドラム50に対向する部位に、回転ドラム50方向に向かって開口する開口部を有している。バキュームボックス65は、排気管67を介して、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)が接続されており、該排気装置の作動により、バキュームボックス65内を負圧に維持可能である。
【0056】
メッシュベルト75は、網目を有する帯状の通気性ベルトが無端状に連結されたものであり、複数のフリーロール及びトランスファーロール70に案内されて所定の経路を連続的に移動する。メッシュベルト75は、トランスファーロール70の回転によって駆動される。メッシュベルト75は、バキュームボックス65の前記開口部の前を通過している間は、回転ドラム50の外周面に接触しており、トランスファーロール70と回転ドラム50とが最も接近している最接近部付近で、回転ドラム50の外周面から離れてトランスファーロール70上へと移行する。
【0057】
バキュームコンベア80は、駆動ロール81及び従動ロール82に架け渡された無端状の通気性ベルト83と、通気性ベルト83を挟んでトランスファーロール70と対向する位置に配されたバキュームボックス84とを備えている。
【0058】
次に、上述した吸収体の製造装置を用いて吸収性コアを連続的に製造する方法について説明する。先ず、回転ドラム50内の空間56、及びバキュームボックス65内を、それぞれに接続された排気装置を作動させて負圧にする。空間56内をこのような負圧にすることで、ダクト60内に、吸液性材料45を回転ドラム50の外周面に搬送させる空気流が生じるからである。次に、回転ドラム50及びトランスファーロール70を回転させ、また、バキュームコンベア80を作動させる。そして前記繊維材料導入装置を作動させて、ダクト60内に繊維材料及び高吸収性ポリマーを供給すると、これらの吸液性材料45は、ダクト60内を流れる空気流に乗り、飛散状態となって回転ドラム50の外周面に向けて供給される。
【0059】
ダクト60に覆われた部分を搬送されている間に、回転ドラム50のドラム凹部51には、吸液性材料(繊維材料と高吸収性ポリマーとの混合物)45が吸引される。吸液性材料45は、
図8に示すとおり、ドラム凹部51の各領域54及び領域55のメッシュプレート52上に徐々に堆積する。こうして得られた堆積物46においては、難通気性部材53上に吸液性材料45が堆積してなる部位(難通気性部材53対応部)46aが、相対的に吸液性材料45の堆積量が少なく、その他の部位(領域54対応部)46b及び部位(領域55対応部)46cが、相対的に吸液性材料45の堆積量が多くなっており、堆積物46全体として凹凸構造を有するようになる。
【0060】
そして、回転ドラム50が回転して、ドラム凹部51がバキュームボックス65の対向位置にくると、ドラム凹部51内の堆積物46がバキュームボックス65からの吸引によって、メッシュベルト75に吸い付けられた状態となる。ドラム凹部51内の堆積物46は、その状態で、トランスファーロール70と回転ドラム50との最接近部の直前まで搬送され、該最接近部付近で、トランスファーロール70側からの吸引により、メッシュベルト75に吸い付けられた状態のままドラム凹部51より離型し、トランスファーロール70上へと移行する。
【0061】
こうして、メッシュベルト75とともにトランスファーロール70上に移行した凹凸構造を有する堆積物46は、トランスファーロール70上のメッシュベルト75に吸着されたまま、バキュームコンベア80との受け渡し部(トランスファーロール70の最下端部)まで搬送され、該受け渡し部において、バキュームボックス84による吸引によりバキュームコンベア80上へと移行する。
【0062】
このようにして得られた長尺状の堆積物46を所定の間隔で切断して、吸収体前駆体49を連続的に製造する。次いで吸収体前駆体49を加圧手段90によって圧縮し、吸収体前駆体49を構成する堆積物46の厚みを積極的に減少させて、目的とする吸収性コア22を得る。加圧手段90は
図6に示すとおり、一対のロール91,92を備え、ロール91,92間に導入された被加圧物を上下面から加圧して厚み方向に圧縮可能に構成されている。
【0063】
加圧手段90によって吸収体前駆体49を圧縮すると、吸液性材料が相対的に多く厚みの大きい部位(領域54対応部)46b及び部位(領域55対応部)46cは、吸液性材料45が相対的に少なく厚みの小さい部位(難通気性部材53対応部)46aよりも強く圧縮される。その結果、上述した製造装置を用いて製造された吸収体においては、堆積物46における部位(領域54対応部)46b(凸部)及び部位(領域55対応部)46cが、吸収性コア22において相対的に密度の高い高坪量部214a及び非ブロック領域216となり、堆積物46における部位(難通気性部材53対応部)46a(凹部)が、吸収性コア22において相対的に密度の低い低坪量部214bとなる。
【0064】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、吸収性コア22における腹側部A側の胴回り領域22A、及び背側部B側の胴回り領域22Bの双方において、易変形領域と立体変形誘導部とが隔離領域23A,23Bによって隔てられていたが、これに代えて腹側部Aの胴回り領域22Aにおいてのみ易変形領域と立体変形誘導部とが隔離領域23Aによって隔てられていてもよい。
【0065】
また前記実施形態の吸収性コア22は単層構造のものであったが、これに代えて本実施形態の吸収性コア22の肌当接面側又は非肌当接面側に1層又は2層以上の他の吸収層を配置して多層構造となしてもよい。
【0066】
また吸収性コア22を多層構造となし、該多層構造のうちの1層に易変形領域を設け、かつ他の層に立体変形誘導部を設け、多層構造の吸収コアを平面視したときに、易変形領域と立体変形誘導部の間に両者を隔てる隔離領域が形成されるようにしてもよい。
【0067】
また前記の各実施形態においては、吸収性コア22におけるブロック領域219は、肌当接面側が平坦になっており、かつその非肌当接面側が凹凸になっていたが、これに代えて、非肌当接面側を平坦となし、かつその肌当接面側を凹凸にしてもよい。
【0068】
また前記の各実施形態は、本発明の吸収性物品をパンツ型の使い捨ておむつに適用した例であるが、本発明はパンツ型の使い捨ておむつ以外の吸収性物品、例えば展開型の吸収性物品等にも同様に適用することができる。
【0069】
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の吸収性物品を開示する。
<1>
表面シート、裏面シート及び該表面シートと該裏面シートとの間に配置された吸収性コアを有し、長手方向の中央域に位置する股下部並びに該股下部から長手方向前方及び後方にそれぞれ延出する腹側部及び背側部を備えた吸収性物品であって、
前記吸収性コアは、前記股下部に位置する股下領域と、該股下領域から延び、かつ前記腹側部及び前記背側部に位置する胴回り領域とを有しており、
前記吸収性コアの前記股下領域に、長手方向に延び、かつ該長手方向に沿って該吸収性コアを立体変形させ得る一対の立体変形誘導部が形成されており、
前記吸収性コアの少なくとも前記腹側部における前記胴回り領域に、外力に対して該胴回り領域を変形させ得る1本又は複数本の屈曲線が長手方向に延びて易変形領域が形成されており、
前記易変形領域は前記立体変形誘導部の延長線上に位置しており、かつ該立体変形誘導部と該易変形領域とが、前記股下領域と前記胴回り領域との境界又はその近傍の位置において離間している吸収性物品。
【0070】
<2>
前記立体変形誘導部が、長手方向に延びる貫通孔からなるか、又は該立体変形誘導部の周囲よりも坪量が低い低坪量部からなる<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記易変形領域がブロック領域からなり、該ブロック領域は、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有し、各高坪量部の周囲はその全域にわたって該低坪量部によって囲まれて個々に独立しており、
前記屈曲線が前記低坪量部からなる<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
に記載の吸収性物品。
<4>
前記立体変形誘導部と前記易変形領域との間の領域の剛性が、該易変形領域の剛性よりも高くなっている<1>ないし<3>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0071】
<5>
前記腹側部に、該腹側部の幅方向に延びる胴回り弾性部材が伸長状態で配されており、
前記胴回り弾性部材は、前記吸収性コアの前記腹側部における前記胴回り領域に形成された前記屈曲線のうち、長手方向の最も端部寄りに位置する該屈曲線と交差するように配されている<1>ないし<4>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<6>
前記表面シート、前記裏面シート及び前記吸収性コアを有する吸収性本体と、該吸収性本体における非肌当接面側に位置する外装体とを具備し、
前記吸収性コアは、その長手方向に延びる左右の側部域が、前記外装体と非固定状態になっている<1>ないし<5>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<7>
前記吸収性コアを、その長手方向の前後端部域の位置において、前記外装体に対して固定状態にするとともに、前後端部域間においては、該吸収性コアにおける少なくとも長手方向に延びる左右の側部域を、該外装体と非固定状態にする<6>に記載の吸収性物品。
【0072】
<8>
前記外装体が、内層シート及び外層シートと、これら2枚のシート間に固定された弾性部材とからなる<6>又は<7>に記載の吸収性物品。
<9>
前記吸収性コアにおける前記股下領域に、外力に対して該股下領域を変形させ得る1本又は複数本の屈曲線が長手方向に延びて易変形領域が形成されている<1>ないし<8>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<10>
前記吸収性コアが、相対的に坪量が高く非肌当接面側に向けて突出した凸の形状を有する高坪量部と、該高坪量部に隣接し、かつ相対的に坪量が低く肌当接面側に向けて凹んだ低坪量部とを有している<1>ないし<9>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0073】
<11>
前記低坪量部は、その複数本が前記吸収性コアの長手方向と平行に延びている<10>に記載の吸収性物品。
<12>
前記低坪量部は、その複数本が前記吸収性コアの幅方向と平行に延びている<10>に記載の吸収性物品。
<13>
前記低坪量部は、前記吸収性コアの長手方向及び幅方向に延びる直交した格子状の形状をしている<10>に記載の吸収性物品。
<14>
前記高坪量部の坪量(S1)に対する前記低坪量部の坪量(S2)の比(S2/S1)は、その下限値が好ましくは1%であり、更に好ましくは3%であり、上限値は好ましくは80%であり、更に好ましくは70%である<10>ないし<13>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0074】
<15>
前記吸収性コアは、その非肌当接面側が凹凸構造となっており、かつ肌当接面側が平坦となっている<1>ないし<14>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<16>
前記吸収性コアが、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有するブロック領域を備え、
前記ブロック領域の最外周に位置している前記低坪量部の角部が、外方に向けて凸の曲線を描く丸みを帯びている<1>ないし<15>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<17>
前記吸収性コアが、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有するブロック領域を備え、
前記ブロック領域は、前記股下領域におけるブロック領域の幅よりも、前記腹側部及び前記背側部の前記胴回り領域におけるブロック領域の幅の方が大きくなっている<1>ないし<16>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0075】
<18>
前記吸収性コアは、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有するブロック領域を備え、
前記ブロック領域においては、前記高坪量部の寸法が、前記腹側部の前記胴回り領域に位置する高坪量部群、前記背側部の前記胴回り領域に位置する高坪量部群及び前記股下領域に位置する高坪量部群において同じであり、
前記腹側部の前記胴回り領域に位置する高坪量部群及び前記背側部の前記胴回り領域に位置する高坪量部群における前記高坪量部の配置の数が、前記股下部に位置する高坪量部群における前記高坪量部の配置の数よりも多くなっている<1>ないし<17>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<19>
前記吸収性コアが、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有するブロック領域と、非ブロック領域とから構成されている<1>ないし<18>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<20>
前記非ブロック領域は、前記ブロック領域の左右両側部の位置に、前記吸収性コアの長手方向の全域にわたって配置されている<19>に記載の吸収性物品。
【0076】
<21>
前記吸収性コアは、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有するブロック領域を備え、
前記ブロック領域は、前記腹側部の前記胴回り領域に形成されたブロック領域と、前記背側部の前記胴回り領域に形成されたブロック領域とからなり、前記股下領域には前記ブロック領域が形成されておらず、
前記腹側部の前記胴回り領域に形成されたブロック領域と、前記背側部の前記胴回り領域に形成されたブロック領域とが不連続の状態になっている<1>ないし<20>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<22>
前記吸収性コアは、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有するブロック領域を備え、
前記吸収性コアの前記股下領域に前記ブロック領域が形成されており、該ブロック領域内における、該吸収性コアの長手方向中心線上の位置に、該長手方向中心線に沿って、縦長の中央開孔部が形成されている<1>ないし<21>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<23>
前記吸収性コアは、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有するブロック領域を備え、
前記高坪量部と前記低坪量部とが一体成形されている<1>ないし<22>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0077】
<24>
前記吸収性コアが、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有するブロック領域と、その外周に位置する非ブロック領域とから構成されており、
前記ブロック領域と前記非ブロック領域とが一体成形されている<1>ないし<23>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<25>
前記吸収性コアが、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有するブロック領域と、その幅方向外方に位置する非ブロック領域とから構成されており、
前記非ブロック領域に、前記吸収性コアの長手方向に延びる側部開孔部が形成されている<1>ないし<24>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<26>
前記吸収性コアが液透過性のシートで被覆されている<1>ないし<25>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0078】
<27>
前記吸収性コアが、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有するブロック領域と、その幅方向外方に位置する非ブロック領域とから構成されており、
前記非ブロック領域に、前記吸収性コアの長手方向に延びる側部開孔部が形成されており、
前記吸収性コアの肌当接面側に位置する前記シートと、該吸収性コアの非肌当接面側に位置する前記シートとが前記側部開孔部において接合されているいる<26>に記載の吸収性物品。
<28>
前記吸収性コアが、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有するブロック領域を有し、
前記吸収性コアの前記低坪量部に相当する位置において、前記シートが該吸収性コアと非固定状態になっている<26>又は<27>に記載の吸収性物品。
<29>
前記吸収性コアが、坪量が相対的に高い複数の高坪量部と、坪量が相対的に低い低坪量部とからなるブロック構造を有するブロック領域と、その幅方向外方に位置する非ブロック領域とから構成されており、
前記非ブロック領域に、前記吸収性コアの長手方向に延びる側部開孔部が形成されており、
前記ブロック領域が前記胴回り領域に位置し、
前記易変形領域が、前記胴回り領域に位置する前記ブロック領域からなり、
前記胴回り領域に位置する前記ブロック領域が、前記立体変形誘導部としての前記側部開孔部の延長線上に位置しており、かつ該易変形領域と該立体変形誘導部とが隔離領域を挟んで長手方向において離間している<1>ないし<28>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0079】
<30>
前記隔離領域が、前記非ブロック領域の一部から形成されている<29>に記載の吸収性物品。
<31>
前記表面シート、前記裏面シート及び前記吸収性コアを有する吸収性本体と、該吸収性本体における非肌当接面側に位置する外装体とを具備し、
前記外装体は、前記腹側部に位置する部分の両側縁部と前記背側部に位置する部分の両側縁部とが互いに接合されて、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を形成している<1>ないし<30>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<32>
パンツ型使い捨ておむつである<1>ないし<31>のいずれか1に記載の吸収性物品。