特許第6012279号(P6012279)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012279
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】栽培装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 31/04 20060101AFI20161011BHJP
   A01G 9/00 20060101ALI20161011BHJP
   A01M 1/00 20060101ALI20161011BHJP
   A01G 31/06 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   A01G31/04 B
   A01G9/00 C
   A01M1/00 Z
   A01G31/06
【請求項の数】4
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-133581(P2012-133581)
(22)【出願日】2012年6月13日
(65)【公開番号】特開2013-255459(P2013-255459A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年5月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】395021239
【氏名又は名称】株式会社生物機能工学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢野原 良民
【審査官】 本村 眞也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/005121(WO,A1)
【文献】 特開平08−256611(JP,A)
【文献】 特開2011−101631(JP,A)
【文献】 特開2007−135410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00−9/10;31/00−31/06
A01M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の保持部材を前後方向に搬送する複数の搬送レーンと、
液体を貯留する貯留槽と、
各前記搬送レーンと前記貯留槽との間で前記保持部材を移動させて、該保持部材に保持された植物を前記液体に浸漬させる移動手段とを備え、
前記複数の搬送レーンは、左右方向に並べられ、
前記移動手段は、
前記保持部材を支持する支持台と、
前記支持台を左右方向に移動させることで、前記支持台を各前記搬送レーンと相対する位置に到達移動させる支持台移動機構と、
前記支持台を昇降させる昇降機構とを備え、
前記支持台が各前記搬送レーンと相対する状態では、前記支持台の下方に前記貯留槽が位置し、
前記昇降機構は、前記相対する搬送レーンから前記支持台に前記保持部材が移動した状態で、前記支持台を降下させることで、前記保持部材に保持された植物を前記液体に浸漬させる、栽培装置。
【請求項2】
前記移動手段は、前記相対する搬送レーンから前記支持台に前記保持部材が移動した状態で、前記支持台を回転させる回転機構をさらに備え、
前記昇降機構は、前記支持台が回転された状態で前記支持台を降下させることで、前記保持部材に保持された植物を前記液体に浸漬させる請求項に記載の栽培装置。
【請求項3】
前記支持台移動機構は、
各前記搬送レーンと相対する位置を通過するように左右方向に延びるレールと、
前記レール上に設けられ、該レールに沿って延びるラックと、
前記支持台と一体に設けられ、前記ラックと噛み合う歯車と、
前記支持台と一体に設けられ、前記歯車を回転させるモータと、
前記支持台が各前記搬送レーンと相対する位置に到達した際に、前記モータの作動を停止させる信号を出力するセンサとを備える請求項又はに記載の栽培装置。
【請求項4】
前記支持台移動機構は、
前記レール上に設けられ、該レールに沿って延びるガイド部材と、
前記支持台と一体に設けられ、前記支持台の移動に伴い、前記ガイド部材上を回転する車輪とをさらに備え、
前記ガイド部材と前記車輪とのうち、一方には溝が形成され、他方には、前記溝に係合する係合部が形成される請求項に記載の栽培装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を搬送する搬送レーンを備える栽培装置に関する。
【背景技術】
【0002】
植物を栽培するための栽培装置が種々提案されている。例えば特許文献1に開示される栽培装置は、植物を保持する保持部材を搬送する搬送レーンを備える。搬送レーンは、保持部材に連結されるワイヤロープと、ワイヤロープを移動させる駆動プーリー及び従動プーリーとを備える。特許文献1の栽培装置では、駆動プーリー及び従動プーリーの回転により、ワイヤロープを移動させると、保持部材がワイヤロープとともに移動して収納室に搬入される。そして、この収納室を暗室にしたり、収納室内に低温風を送ることで、植物に対する日照時間や温度の調整が行われる。また、特許文献2には、植物に付着した害虫を取り除くために、植物を液体に浸漬させる栽培装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−81904号公報
【特許文献2】特開2009−142186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のように、植物を搬送する搬送レーンを備える栽培装置で、植物から害虫を取り除くために、搬送レーンの各々に対して、植物を液体に浸漬させる手段を設けた場合、高い設備コストを要する。
【0005】
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであって、その目的は、安価な設備コストで、複数の搬送レーンで搬送される植物から害虫を取り除くことが可能な栽培装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る栽培装置は、植物の保持部材を搬送する複数の搬送レーンと、液体を貯留する貯留槽と、各前記搬送レーンと前記貯留槽との間で前記保持部材を移動させて、該保持部材に保持された植物を前記液体に浸漬させる移動手段とを備える。
【0007】
好ましくは、前記移動手段は、前記保持部材を支持する支持台と、前記支持台を各前記搬送レーンと相対する位置に移動させる支持台移動機構と、前記支持台を昇降させる昇降機構とを備え、前記支持台が各前記搬送レーンと相対する状態では、前記支持台の下方に前記貯留槽が位置し、前記昇降機構は、前記相対する搬送レーンから前記支持台に前記保持部材が移動した状態で、前記支持台を降下させることで、前記保持部材に保持された植物を前記液体に浸漬させる。
【0008】
好ましくは、前記移動手段は、前記相対する搬送レーンから前記支持台に前記保持部材が移動した状態で、前記支持台を回転させる回転機構をさらに備え、前記昇降機構は、前記支持台が回転された状態で前記支持台を降下させることで、前記保持部材に保持された植物を前記液体に浸漬させる。
【0009】
好ましくは、前記支持台移動機構は、各前記搬送レーンと相対する位置を通過するように延びるレールと、前記レール上に設けられ、該レールに沿って延びるラックと、前記支持台と一体に設けられ、前記ラックと噛み合う歯車と、前記支持台と一体に設けられ、前記歯車を回転させるモータと、前記支持台が各前記搬送レーンと相対する位置に到達した際に、前記モータの作動を停止させる信号を出力するセンサとを備える。
【0010】
好ましくは、前記支持台移動機構は、前記レール上に設けられ、該レールに沿って延びるガイド部材と、前記支持台と一体に設けられ、前記支持台の移動に伴い、前記ガイド部材上を回転する車輪とをさらに備え、前記ガイド部材と前記車輪とのうち、一方には溝が形成され、他方には、前記溝に係合する係合部が形成される。
【0011】
本発明の第2の観点に係る栽培装置は、植物の保持部材を搬送する複数の搬送レーンと、液体を噴射する噴射機と、各前記搬送レーンと前記噴射機との間で前記保持部材を移動させて、該保持部材に保持された植物を前記液体の噴射位置に配置する移動手段とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、浸漬手段が、各搬送レーンと貯留槽との間で保持部材を移動させて、保持部材に保持された植物を貯留槽内の液体に浸漬させる。これにより、搬送レーン毎に、植物に液体に浸漬する手段を設ける必要がない。よって、安価な設備コストで、植物に付いた虫等を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る栽培装置を示す概略平面図である。
図2】本発明の実施形態に係る栽培装置を示す側面図である。
図3図2のA―A断面図である。
図4図3の部分拡大図である。
図5】本発明の実施形態に係る昇降装置を示す側面図である。
図6】本発明の実施形態に係る移動装置を示す側面図である。
図7】移動装置を示す平面図である。
図8】移動装置を示す正面図である。
図9図6の部分拡大図である。
図10】本発明の実施形態に係る保持部材の正面断面図である。
図11】栽培装置の使用方法を説明するための側面図である。
図12】栽培装置の使用方法を説明するための側面図である。
図13】栽培装置の使用方法を説明するための側面図である。
図14】栽培装置の使用方法を説明するための側面図である。
図15】栽培装置の使用方法を説明するための側面図である。
図16】栽培装置の使用方法を説明するための側面図である。
図17】上記実施形態の変形例に係る第2の収納室を示す側面部分断面図である。
図18】上記実施形態の変形例に係る保持部材の正面断面図である。
図19】上記実施形態の変形例に係る保持部材の正面断面図である。
図20】本発明の変形例に係る栽培装置を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本発明における「普通栽培」とは、自然又は自然に近い気象条件で栽培することをいい、「栽培環境」とは、例えば、日照時間や、温度、湿度、培養液の組成及び濃度、又は植物に付着する害虫等、植物の生長に影響を与える種々の環境のことをいう。
【0015】
本実施形態に係る栽培装置1は、保持部材Jに保持される植物Pを栽培するための装置である。図1に示すように、栽培装置1は、保持部材Jを搬送する4つの搬送レーンh1,h2,h3,h4と、搬送レーンh1,h2,h3,h4の各々に対して設けられる4つの貯留槽t1,t2,t3,t4と、移動装置2とを備える。搬送レーンh1〜h4は、保持部材Jを前後方向に搬送する。貯留槽t1〜t4は、保持部材Jに保持された植物Pを浸漬するための液体を貯留する。移動装置2は、各搬送レーンh1〜h4と貯留槽t1〜t4との間で保持部材Jを移動させて、保持部材Jに保持された植物Pを貯留槽t1〜t4内の液体に浸漬させる。
【0016】
図2に示すように、各搬送レーンh1〜h4は、保持部材Jに保持された植物Pの普通栽培を行うための普通栽培部3と、植物Pの栽培環境の調整を行うための第1及び第2の環境調整部4、5と、普通栽培部3と第1、第2の環境調整部4、5との間で、保持部材Jを移動させる昇降装置6とを備える。
【0017】
普通栽培部3は、第1の枠体7の上部に設置されており、複数の保持部材Jを載置した状態で搬送するための第1の搬送路8を備える。図3及び図4に示すように、第1の搬送路8は、複数の第1の円筒コロ9と、第1の円筒コロ9を回転可能に支持する一対の支持部材10とを有する。第1の円筒コロ9の両端部には、第1のスプロケット11及び第2のスプロケット12が取り付けられる。第1のスプロケット11には第1の無端チェーン13が掛け回され、第2のスプロケット12には第2の無端チェーン14が掛け回される。前端の第1の円筒コロ9における第1のスプロケット11には前方(矢印Y1)回転及び後方(矢印Y2)回転が可能な第1のモータ(駆動源)15の出力軸が取り付けられる。このように構成された第1の搬送路8において、第1のモータ15をY1方向に回転させると、第1及び第2のスプロケット11、12、並びに第1の円筒コロ9がY1方向に回転し、第1の円筒コロ9上に載置された保持部材Jが前方に移動する。一方、第1のモータ15をY2方向に回転させると、第1及び第2のスプロケット11、12、並びに第1の円筒コロ9がY2方向に回転し、第1の円筒コロ9上に載置された保持部材Jが後方に移動する。なお、第2のスプロケット12及び第2の無端チェーン14は省略することもできる。
【0018】
図2に示すように、第1の環境調整部4は、第1の枠体7内における普通栽培部3の下方に設けられる。第1の環境調整部4は、第1の収納室17と、第1の収納室17内に設置された第2の搬送路18とを備える。第1の収納室17は、普通栽培部3の第1の搬送路8と略同一の長さに形成されており、前面及び後面には第1のシャッター巻き取り機19により開閉可能な第1のシャッター20が設置される。また、第1の収納室17は、前面及び後面以外の外側面が断熱材で覆われ、外側上面にはヒートポンプ型冷暖房機21が取り付けられており、このヒートポンプ型冷暖房機21から第1の収納室17内に冷風又は温風が送られることで、第1の収納室17内の温度が調整される。第2の搬送路18は、保持部材Jを載置して搬送するためのものであり、図2に示すように、回転可能に支持された複数の第2の円筒コロ22によって構成される。第2の搬送路18の構成については、上述した第1の搬送路8の構成と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0019】
図2に示すように、第2の環境調整部5は、第1の枠体7内における第1の環境調整部4の下方に設けられる。第2の環境調整部5は、第2の収納室23と、第2の収納室23内に設置された第3の搬送路24とを備える。第2の収納室23は、第1の環境調整部4の第1の収納室17と略同一の長さに形成され、天井面には保持部材J上の植物Pに液体を供給するための液体供給管25が設けられる。なお、液体供給管25から供給される液体としては、後述の貯留槽t1〜t4に貯留される液体と同じのものを用いることができる。また、第2の収納室23は、前面及び後面以外の外側面が遮光材で覆われており、前面及び後面には第2のシャッター巻き取り機26により開閉可能な遮光性の第2のシャッター27が設けられる。第3の搬送路24は、保持部材Jを載置して搬送するためのものであり、図2に示すように、回転可能に支持された複数の第3の円筒コロ28により構成される。第3の搬送路24の構成についても、上述した第1の搬送路8の構成と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0020】
昇降装置6は、第1の枠体7の前方及び後方に設けられる。各昇降装置6は、保持部材Jが載置される昇降台30を、普通栽培部3と第1及び第2の環境調整部4、5との間で昇降させる。また、前方の昇降装置6は、普通栽培部3と第1及び第2の環境調整部4、5と移動装置2との間で、保持部材Jを移動するために使用される。
【0021】
各昇降装置6は、図5に示すように、上記の昇降台30に加えて、第2の枠体31と、第2のモータ32と、駆動軸33と、従動軸34と、ワイヤロープ50と、重り51とを備える。
【0022】
第2のモータ32、駆動軸33、及び従動軸34は、第2の枠体31の上端に設置される。第2のモータ32は、駆動軸33を回転させる。ワイヤロープ50は、駆動軸33及び従動軸34に掛け回される。重り51は、ワイヤロープ50の一端に取り付けられる。昇降台30は、ワイヤロープ50の他端に取り付けられる。
【0023】
このような構成により、第2のモータ32が駆動軸33を前方(Y3方向)に回転させると、これに伴うワイヤロープ50の移動により、重り51が上昇し、昇降台30が下降する。また、第2のモータ32が駆動軸33を後方(Y4方向)に回転させると、これに伴うワイヤロープ50の移動により、重り51が下降し、昇降台30が上昇する。従動軸34は、ワイヤロープ50に引き回されることで、駆動軸33と同方向に回転する。
【0024】
昇降台30には、保持部材Jを搬送するための第4の搬送路35が設けられる。第4の搬送路35は、第3のモータ36と、駆動歯車37と、従動歯車38,39と、無端チェーン40とを備える。第3のモータ36及び駆動歯車37は、昇降台30の中央に設置される。第3のモータ36は、駆動歯車37を回転させる。従動歯車38,39は、昇降台30の前端及び後端に配置される。無端チェーン40は、駆動歯車37及び従動歯車38,39に掛け回される。無端チェーン40には、保持部材Jを支持する突起41が設けられる。
【0025】
このように構成された第4の搬送路35において、第3のモータ36が駆動歯車37を前方(Y5方向)に回転させると、これに伴う無端チェーン40の回転により、突起41に支持された保持部材Jが前方に移動する。
【0026】
一方、第3のモータ36が駆動歯車37を後方(Y6方向)に回転させると、これに伴う無端チェーン40の回転により、突起41に支持された保持部材Jが後方に移動する。
【0027】
また、昇降台30には、保持部材Jの移動を円滑にするために、複数の円形コロ42が無端チェーン40の近傍に設置される。円形コロ42は、突起41とともに、保持部材Jを支持する。この円形コロ42は、保持部材Jが移動することに伴い回転する。
【0028】
図6に示すように、移動装置2は、第3の枠体43と、保持部材Jを支持する支持台44と、支持台移動機構45と、回転機構46と、図示しない昇降機構とを備える。
【0029】
図1に示すように、第3の枠体43は、搬送レーンh1〜h4の前方に配置される。第3の枠体43は、右端の搬送レーンh1の前方位置から、左端の搬送レーンh4の前方位置にかけて延びる。
【0030】
支持台移動機構45(図6)は、第3の枠体43に支持台44を吊下するとともに、支持台44を各搬送レーンh1〜h4と相対する位置に移動させる。
【0031】
詳細には、支持台移動機構45は、一対のレールR1,R2と、ガイド部材60と、車輪61と、回転軸62と、連結部材63と、支持台支持部材65と、ラック66と、第4のモータ67と、駆動歯車68と、センサS1〜S4(図7)とを備える。車輪61、回転軸62、連結部材63、支持台支持部材65、第4のモータ67、及び駆動歯車68は、支持台44と一体に設けられる。
【0032】
図6に示すように、レールR1,R2は、第3の枠体43の上端における前後両側に設置される。
【0033】
図7及び図8に示すように、レールR1,R2は、各搬送レーンh1〜h4と相対する位置を通過するように左右方向に延びる。
【0034】
ガイド部材60は、レールR1,R2の上に設けられる。各ガイド部材60は、それぞれレールR1,R2に沿って左右方向に延びる。
【0035】
図7に示すように、車輪61は、前後に相対する一対の組が、左右方向に間隔をあけて2組設けられる。各組の車輪61は、それぞれガイド部材60の上に設置される。図6及び図9に示すように、ガイド部材60は、L字状のアングル部材であり、角部が車輪61に向けてられている。車輪61には、ガイド部材60の角部に係合する溝61aが形成される。
【0036】
車輪61の各組は、それぞれ回転軸62により連結される。連結部材63は、第3の枠体43に移動自在に支持される。連結部材63は、一対のレールR1,R2の間に配置される水平部63aと、水平部63aの後端から下方に延びる垂直部63bとを備える。各回転軸62は、水平部63aに回転自在に支持される。
【0037】
支持台支持部材65は、上下に移動可能に垂直部63bに連結されて、支持台44を支持する。
【0038】
図6及び図7に示すように、ラック66は、後方のレールR2の上に設けられる。図7に示すように、ラック66は、レールR2に沿って左右方向に延びる。
【0039】
図6及び図9に示すように、第4のモータ67及び駆動歯車68は、水平部63aの後端に設けられる。駆動歯車68は、ラック66と噛み合う。第4のモータ67は、駆動歯車68を回転させる。
【0040】
図7に示すように、センサS1〜S4は、例えばレールR1上における各搬送レーンh1〜h4と相対する位置に設けられる。各センサS1〜S4は、搬送レーンh1〜h4と相対する位置に支持台44が到達した際に、第4のモータ67を停止させる信号を出力する。この信号が出力されることで、第4のモータ67が停止し、駆動歯車68の回転が止まる。
【0041】
以上のように構成された支持台移動機構45は、第4のモータ67が駆動歯車68を回転させ、該回転する駆動歯車68がラック66と噛み合うことで、連結部材63、支持台支持部材65、及び支持台44(以下、支持台44等)が、レールR1,R2の延伸方向(左右方向)に移動する。
【0042】
第4のモータ67が駆動歯車68を右方(Y7方向)に回転させる場合には、支持台44等は、右方向に移動する。第4のモータ67が駆動歯車68を左方(Y8方向)に回転させる場合には、支持台44等は、左方向に移動する。
【0043】
そして、支持台44等が、ユーザにより選択された搬送レーンhと相対する位置に到達した際には、該相対する位置に設置されたセンサSが信号を出力することで、第4のモータ67が停止し、駆動歯車68の回転が止まる。これにより、支持台44等は、搬送レーンhと相対する位置に停止する。
【0044】
また、支持台44等が移動することに伴い、車輪61はガイド部材60の上を回転する。この間、ガイド部材60の角部と車輪61の溝61aとが係合することで、支持台44等の移動がガイドされる。
【0045】
また、支持台44が各搬送レーンh1〜h4と相対する状態では、支持台44の下方に貯留槽t1〜t4が位置する。図8は、支持台44等が搬送レーンh1と相対する状態を示す。この状態では、支持台44の下方に貯留槽t1が位置する。
【0046】
次に、回転機構46(図6)について説明する。回転機構46は、保持部材Jが支持台44に支持された状態で、支持台44を回転させるものである。図6に示すように、回転機構46は、第5のモータ70と、駆動歯車71と、従動歯車72と、無端チェーン73とを備える。
【0047】
第5のモータ70及び駆動歯車71は、支持台支持部材65に設置される。第5のモータ70は、駆動歯車71を回転させる。従動歯車72は、支持台44に設置される。無端チェーン73は、駆動歯車71と従動歯車72とに掛け回される。
【0048】
このように構成された回転機構46において、第5のモータ70が駆動歯車71を前方(Y9方向)に回転させると、これに伴う無端チェーン73の回転により、従動歯車72も前方(Y9方向)に回転し、この回転に伴い、支持台44が前方(Y9方向)に回転する。
【0049】
一方、第5のモータ70が、駆動歯車を後方(Y10方向)に回転させると、これに伴う無端チェーン73の回転により、従動歯車72も後方(Y10方向)に回転し、この回転に伴い、支持台44が後方(Y10方向)に回転する。
【0050】
また、回転機構46では、支持台44上の保持部材Jを移動させるために、第5のモータ70が微小時間作動することで、支持台44を前低後高あるいは前高後低に傾けることが可能である。
【0051】
支持台44が前低後高に傾けられた場合には、支持台44上の保持部材Jは、重力により前方(搬送レーンh1〜h4の反対側)に移動する。支持台44が前高後低に傾けられた場合には、支持台44上の保持部材Jは、重力により、後方(搬送レーンh1〜h4側)に移動する。
【0052】
また、上記の保持部材Jの移動を円滑にするために、支持台44には、複数の第2の円筒コロ74が回転自在に設置される。円筒コロ74は、保持部材Jを支持するものであり、保持部材Jが前方に移動する際には、前方(Y9方向)に回転する。また、保持部材Jが後方に移動する際には、円筒コロ22は、後方(Y10方向)に回転する。
【0053】
昇降機構(図示せず)は、支持台44が回転された状態で、支持台支持部材65を上下に移動させることで、支持台44を昇降させる。本実施の形態では、昇降機構は、支持台支持部材65を上下に移動させる第6のモータ(図示せず)を備える。第6のモータは、例えば支持台支持部材65に設置される。
【0054】
貯留槽t1〜t4の内部に貯留される液体としては、水の他、例えば、窒素、リン酸、又はカリ等の化学肥料や、堆肥抽出液又は動植物Pの発酵液等の有機肥料を適当な溶媒に溶解させた培養液を使用することができ、天然の植物生長促進剤又は天然の害虫忌避剤を添加することもできる。また、貯留槽t1〜t4内の液体は、例えばオゾン水等、植物Pの殺菌が可能な液体であってもよい。
【0055】
保持部材Jは、図10に示すように、中空の直方体状であり、上下に分割されている。保持部材Jの上面には複数の貫通孔81が設けられており、この貫通孔81によって、葉茎部が保持部材Jの上面に露出するとともに根部が保持部材Jの内部に収納されるよう植物Pが保持される。保持部材Jは、内部に培養液を注入するための注入管82、及び内部から培養液を排出するための排出管83を有しており、この注入管82を介して培養液タンク(図示省略)から内部に培養液が注入され、排出管83を介して内部から排出された培養液が排出樋(図示省略)を経て培養液タンク(図示省略)に戻されるよう構成される。保持部材J内に注入される培養液としては、上述した貯留槽t1〜t4に貯留される培養液と同じものを用いることができる。なお、保持部材Jの内部には必要に応じてシート状の保水材(図示省略)を収納しておくことができ、この保水材としては、特に限定されるものではないが、例えば、発泡スチロールチップや、発砲ポリウレタンチップ、スポンジチップ、糸玉、紙片、又は繊維マット等が挙げられる。
【0056】
保持部材Jの形状は、特に限定されるものではないが、例えば、縦300〜5000mm×横100〜1000mm×高さ10〜100mmの直方体状とすることができ、側壁の厚さを10〜150mmとすることができる。また、貫通孔81の大きさとしては、例えば、直径10〜200mmとすることができ、各貫通孔81間の間隔は、例えば、50〜600mmとすることができる。保持部材Jの材質としては、断熱性を有するものが好ましいが特に限定されるものではなく、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、又はポリエチレン樹脂等の合成樹脂発泡体や、合成樹脂発泡体と、合成樹脂板、木板、又はステンレス等の金属板との複合材等を用いることができ、合成樹脂発泡体で保持部材Jを形成した場合は、保持部材Jの表面にポリウレタン樹脂塗料(登録商標リボールマイティ)等の防水塗料を塗布することが好ましい。
【0057】
次に、上述したように構成された栽培装置1の使用方法について説明する。
【0058】
図2に示すように、植物Pを保持した複数の保持部材Jを普通栽培部3の第1の搬送路8上に載置し、太陽光の下で普通栽培を行う。ユーザは、例えば、普通栽培を行っている植物Pから虫等を除去することが必要になった場合に、植物Pを搬送する搬送レーンhを選択する入力操作を行う。この操作に応じて、各搬送レーンhと貯留槽tとの間で保持部材Jが移動されて、保持部材Jに保持された植物Pが貯留槽t内の液体に浸漬される。
【0059】
以下、ユーザが右端の搬送レーンh1(図1)を選択した場合を例に説明する。なお以下の説明では、上記の入力操作時に、昇降台30や支持台44が、普通栽培部3と同じ高さに位置するものとする。また、上記の入力操作時における支持台44等の位置は、搬送レーンh3と相対する位置(図7及び図8の破線位置)であるものとする。
【0060】
ユーザの入力操作が行われることに応じて、搬送レーンh1の第1のモータ15(図3及び図4)は、図11(a)に示すように、第1の円筒コロ9をY1方向に回転させて、第1の搬送路8上の各保持部材Jを前方へと移動させる。また、前方の昇降装置6の第3のモータ36は、駆動歯車37をY5方向に回転させる。この結果、第1の搬送路8上の先頭の保持部材Jが、昇降装置6の昇降台30に搬送される。そして、図11(b)に示すように、保持部材Jが昇降台30の所定位置に到達した時点で、第1のモータ15(図3及び図4)や第3のモータ36が停止することで、昇降台30が停まる。この結果、保持部材Jが上記昇降台30の所定位置に停止する。
【0061】
ついで、移動装置2の第4のモータ67(図6図9)は、駆動歯車68を右方(Y7方向)に回転させる。これにより、移動装置2の支持台44等が右側に移動する。
【0062】
そして、図7及び図8に示すように、支持台44等が搬送レーンh1と相対する位置(図7及び図8の実線位置)に到達した時には、センサS1が信号を出力して、第4のモータ67が停止する。これにより、駆動歯車68の回転が停止して、支持台44等が、搬送レーンh1と相対する位置に停止する。この結果、保持部材Jが搬送された昇降台30の前方に支持台44が位置し、また、図8に示すように、支持台44の下方に貯留槽t1が位置するようになる。
【0063】
ついで、図12(a)に示すように、移動装置2の第5のモータ70が駆動歯車71を前方(Y9方向)に微少時間回転させる。これにより、無端チェーン73がY9方向に微少角度回転して、支持台44が前低後高に傾斜する。
【0064】
ついで、昇降装置6の第3のモータ36が、駆動歯車37を前方(Y5方向)に回転させる。これにより、無端チェーン40がY5方向に回転して、保持部材Jが支持台44に向けて移動する。この際には、支持台44が前低後高に傾斜することで、支持台44に載った保持部材Jは、支持台44の奥(前側)へと移動する。
【0065】
そして、図12(b)に示すように、保持部材Jが支持台44上の所定位置に到達した際には、図示しない固定手段により、保持部材Jが支持台44上に固定される。第3のモータ36が停止し、駆動歯車37の回転が停まる。
【0066】
ついで、第5のモータ70が駆動歯車71を前方(Y9方向)或いは後方(Y10方向)に回転させる。この回転は、支持台44が略180度反転するまで行われる。この結果、図13(a)に示すように、支持台44及び支持台44上の保持部材Jは上下が反転し、保持部材Jに保持された植物Pは葉茎部が下を向いた逆姿勢となる。
【0067】
ついで、移動装置2の第6のモータ(図示せず)が作動することで、支持台支持部材65を降下させる。これにより、支持台44が降下する。
【0068】
そして、図13(b)に示すように、植物Pの葉茎部が貯留槽t1内の液体に浸漬された時点で、第6のモータの作動が停止し、支持台44の降下が停止する。この結果、植物Pの葉茎部に付着していたアブラムシ、アオムシ、ヨトウムシ、コナガムシ等の害虫が、植物Pの葉茎部から離脱して貯留槽t1内の液体に浮遊又は沈下する。支持台44の停止時間は、特に限定されるものではないが、通常1〜10分間、好ましくは20〜120分間である。なお、植物Pを液体に浸漬することにより、例えば、放射性物質や、酸性雨に含まれる硫黄酸化物といった有害物質が植物Pに付着している場合は、植物Pが洗浄されて有害物質を除去することができ、液体が培養液である場合は葉面施肥も行うことができる。また、液体が、オゾン水等である場合は、植物Pの殺菌を行うことができ、植物Pに付着したバクテリアやカビ等を除去することができる。
【0069】
ついで、図14(a)に示すように、移動装置2の第6のモータが、支持台支持部材65を上昇させる。これにより、支持台44が上昇する。そして、回転機構46による回転位置まで、支持台44が上昇した時点で、第6のモータ(図示せず)の作動が停止し、支持台44の上昇が停止する。
【0070】
ついで、支持台44が略180度反転するまで、第5のモータ70が、駆動歯車71を、前方(Y9方向)或いは後方(Y10方向)に回転させる。この結果、図14(b)に示すように、支持台44及び支持台44上の保持部材Jは上下が反転し、保持部材Jに保持された植物Pは葉茎部が上を向いた正姿勢となる。
【0071】
ついで、図15(a)に示すように、第5のモータ70が駆動歯車71を後方(Y10方向)に微少時間回転させる。この結果、支持台44が前高後低に傾斜する。また、昇降装置6の第3のモータ36が、駆動歯車37を後方(Y6方向)に回転させる。これにより、無端チェーン40がY6方向に回転する。
【0072】
ついで、支持台44の固定手段による保持部材Jの固定が解除される。これにより、図15(a)に示すように、支持台44上の保持部材Jが昇降台30に向けて移動する。さらに、無端チェーン40がY6方向に回転することで、昇降台30に載った保持部材Jは、昇降台30の奥(後側)へ移動する。
【0073】
そして、図15(b)に示すように、保持部材Jが昇降台30の所定位置に到達した際には、第3のモータ36が停止する。この結果、無端チェーン40の回転が停止し、保持部材Jが停止する。
【0074】
ついで、図16(a)に示すように、昇降装置6の第2のモータ32が駆動歯車33をY3方向に回転させることで、ワイヤロープ50を移動させ、第2の環境調整部5の第2の収納室23と同じ高さまで昇降台30を下降させる。
【0075】
その後、図16(b)に示すように、第2のシャッター巻き取り機26により第2のシャッター27を巻き取ることで、第2の収納室23の前面を開放する。そして、第3のモータ36が駆動歯車37をY6方向に回転させ、また、第4の円筒コロ711を同方向に回転駆動させることで、昇降台30上の保持部材Jを第2の収納室23内に搬入する。第2の収納室23内に搬入された保持部材Jは、第3の搬送路24によって第2の収納室23の後方へと搬送される。
【0076】
以上と同様に、搬送レーンh1の普通栽培部3に残されている他の保持部材Jについても、貯留槽t1において植物Pの害虫駆除を行い、第2の収納室23に搬入する。全ての保持部材Jを第2の収納室23に搬入したら、第2のシャッター巻き取り機26により第2のシャッター27を送り出して第2の収納室23の前面を封鎖し、通常1〜24時間、好ましくは2〜8時間、この状態を維持する。これにより、第2の収納室23内の植物Pに対する日照時間が短縮され、この植物Pの生長が促進される。このとき、第2の収納室23内の植物Pには液体供給管25より水又は培養液が散布又は供給される。その後、前方或いは後方の第2のシャッター27を開け、前方或いは後方の昇降装置6を用いて、第2の収納室23内の各保持部材Jを普通栽培部3の元の位置へと移動させる。
【0077】
なお、植物Pを貯留槽t1〜t4内の液体に浸漬して害虫駆除を行った後、第2の収納室23ではなく、第1の環境調整部4における第1の収納室17に各保持部材Jを搬入してもよい。この場合、ヒートポンプ型冷暖房機21により第1の収納室17内に温風又は冷風を送ることで、第1の収納室17内の温度を調整することが好ましい。また、移動装置2を経由せず、普通栽培部3から直接第1又は第2の環境調整部4、5に保持部材Jを移動させることもできる。
【0078】
以上のように、本実施形態に係る栽培装置1は、移動装置2が、各搬送レーンh1〜h4と貯留槽t1〜t4との間で保持部材Jを移動させて、保持部材Jに保持された植物Pを貯留槽t1〜t4内の液体に浸漬させる。これにより、搬送レーンh1〜h4毎に、植物Pに液体に浸漬する手段を設ける必要がない。よって、安価な設備コストで、植物Pに付いた虫等を除去することができる。また、移動装置2が植物Pを液体に浸漬させる処理を自動的に行うことで、植物Pに付いた害虫を容易に除去できる。
【0079】
また、支持台44に保持部材が支持された状態で、支持台44が回転される。これにより、保持部材Jは上下が反転し、保持部材Jに保持された植物Pは葉茎部が下を向いた状態で、液体に浸漬される。このため、葉茎部を確実に液体に浸漬させることができる。よって、葉茎部に付いた害虫を確実に除去できる。また、葉茎部のみを浸漬させることができるので、保持部材Jの内部に貯留槽t内の液体が侵入することを防止できる。よって、例えば保持部材J内の液体の温度管理を調整する上で有利になる。
【0080】
また、支持台44が各搬送レーンh1〜h4と相対する位置に到達した際に、センサS1〜S4が、第4のモータ67を停止させる信号を出力する。このため、支持台44を各搬送レーンh1〜h4と相対する位置に確実に停止させることができる。
【0081】
また、支持台44等が移動する際には、ガイド部材60と車輪61の溝61aとが係合することで、支持台44等の移動がガイドされる。このため、支持台44等の移動が円滑に行われる。
【0082】
また、普通栽培部3において、保持部材Jを第1〜第3の搬送路8、18、24に載置した状態で搬送することができ、保持部材Jを第1〜第3の搬送路8、18、24に固定する必要がないため、保持部材Jの配置を容易に変更することができる。
【0083】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0084】
例えば、第1〜第3の搬送路8、18、24や昇降台30や支持台44の上に保持部材Jを載置可能である限り、保持部材Jの寸法を自由に決定することができ、例えば、保持部材Jの幅を第1〜第3の搬送路8、18、24や昇降台30や支持台44の幅よりも小さくすることができる。
【0085】
例えば、搬送レーンhや貯留槽tの数は、上記実施の形態に示す4に限らず、任意に設定できる。
【0086】
また、上記の実施形態では、搬送レーンh1〜h4の各々に対して、貯留槽t1〜t4が設けられていたが、貯留槽t1〜t4の代わりに、1つの貯留槽tが設けられてもよい。この場合、貯留槽tは、例えば、右端の搬送レーンh1の前方位置から左端の搬送レーンh4の前方位置にかけて延びるものが使用される。
【0087】
或いは、上記1つの貯留層tは、支持台44等の移動経路下における所定箇所に配置される。この場合、搬送レーンtから保持部材Jが支持台44に搬送・支持された状態で、支持台44等が貯留層tの上方に移動され、支持台44が降下される。これにより、植物Pが貯留槽t内の液体に浸漬される。その後、支持台44が上昇されて、支持台44等が搬送レーンhと相対する位置に移動されて、保持部材Jが搬送レーンhに戻される。
【0088】
また、支持台44は、地面上を移動することで、搬送レーンと相対する位置に到達するものであってもよい。この場合、例えば、貯留槽t1〜t4は支持台44の移動経路の近傍に配置され、移動装置2には、支持台44を地面まで降下させる機構や、支持台44を地面上で移動させる機構や、支持台44に支持された植物Pを貯留槽t1〜t4内の液体に浸漬させる機構が設けられる。
【0089】
また、移動装置2には、昇降装置6との間で保持部材Jを移動させる機構が設けられてもよい。該移動機構は、例えば、図5に示す第4の搬送路35と同様の構成を有する。
【0090】
また、移動装置2により、保持部材Jが、普通栽培部3と第1及び第2の環境調整部4、5との間で移動されてもよい。この場合、移動装置2では、植物Pが液体に浸漬された後、第2のモータ32が駆動歯車33を回転させることで、昇降台30が、普通栽培部3や第1及び第2の環境調整部4、5と同じ高さまで移動する。ついで、第3のモータ36が駆動歯車37を回転させて、昇降台30を前高後低に傾斜させることで、昇降台30上の保持部材Jが、普通栽培部3や第1及び第2の環境調整部4、5に搬送される。このようにする場合、前方の昇降装置6を省略できるため、設備コストをより一層安価に抑えることができる。
【0091】
また、上記の実施の形態では、図9に示すように、ガイド部材60の角部が、車輪61の溝61aに係合していたが、車輪61に、ガイド部材60に向けて突出する突起を形成し、ガイド部材60に、上記突起に係合する溝を形成するようにしてもよい。
【0092】
また、上記実施形態の栽培装置1では、第1及び第2の環境調整部4、5が設けられていたが、環境調整部を1つ、又は3つ以上設けることもできる。また、上記実施形態においては、第1及び第2の環境調整部4、5は普通栽培部3の下方に設けられていたが、普通栽培部3及び環境調整部4、5の配置については特に限定されず、例えば、環境調整部4、5を普通栽培部3と同一平面上に並べることもできる。
【0093】
また、上記実施形態においては、第1の環境調整部4における第1の収納室17は断熱材で覆われており、第2の環境調整部5における第2の収納室23は遮光材で覆われていたが、収納室は種々の構成をとることができ、例えば、植物Pを災害から確実に保護するために発泡スチロールや、断熱性コンクリートパネル等の強固な材質で収納室を形成したり、植物Pを日射から保護するために網や寒冷紗等で収納室を覆ったりこともできる。また、第1の収納室17及び第2の収納室23の少なくとも一方においてLED等の人工ランプをその内部に設置し、第1の収納室17及び第2の収納室23内でも植物Pを栽培することができるよう構成されていてもよい。なお、第1及び第2の環境調整部4、5においては、例えば、日照時間や、温度、湿度、培養液の組成及び濃度、又は植物Pに付着する害虫等、植物Pの生長に影響を与える何らかの栽培環境を調整することができればよく、第1又は第2の収納室17、23を省略することもできる。
【0094】
また、上記実施形態においては、保持部材Jは、第2の収納室23に収納された際、上下反転していなかったが、図17に示すように、保持部材Jを反転させた状態で第2の収納室23に収納することによって保持部材Jにおける植物Pの転流を促すこともできる。この場合、第2の搬送路401は、第2の収納室23の左右側面に設けられた支持部材4012、及び支持部材4012に回転可能に支持された複数の円盤コロ4011により構成される。この円盤コロ4011及び支持部材4012上に反転させた保持部材Jの左右端部を載置し、円盤コロ4011をモータ(図示省略)で回転させることにより、保持部材Jが第2の収納室23内において反転状態で搬送される。なお、第2の環境調整部5に第2の収納室23が設けられていない場合は、支持部材4012及び複数の円盤コロ4011を第1の枠体7に直接取り付ければよい。
【0095】
また、上記実施形態においては、第1〜第3の搬送路8、18、24は保持部材Jを幅方向に亘って支持する円筒コロで構成されていたが、保持部材Jを載置した状態で搬送することができればこれに限定されるものではなく、例えば、各搬送路を小さな円筒コロで構成し、この小さな円筒コロが各保持部材Jの両側面及び下面に複数配置されるようにしてもよい。さらに、各搬送路は円筒コロ以外で構成されていてもよい。例えば、各搬送路は、チェーンの駆動により保持部材Jを搬送するものであったり、保持部材Jを搬送するベルトコンベヤ等であってもよい。また、各搬送路は、チェーンの駆動とコロの回転を併用して、保持部材Jを搬送するものでもよい。
【0096】
また、上記実施形態においては、貯留槽t1〜t4のうちいずれかには、例えばオゾン水等、植物Pの殺菌のための液体を貯留し、他の貯留槽t1〜t4には、害虫駆除、有害物質除去、又は葉面施肥のための適当な液体を貯留することができる。なお、複数の貯留槽t1〜t4のうち少なくとも1つを噴射機に変更してもよく、噴射機から噴射させる液体も、上述した培養液やオゾン水等、必要に応じて変更することができる。この場合、移動装置2は、各搬送レーンh1〜h4と噴射機との間で保持部材Jを移動させて、保持部材Jに保持された植物Pを液体の噴射位置に配置する。
【0097】
また、上記実施形態においては、移動装置2の回転機構46により保持部材Jを上下反転させ、植物Pの葉茎部のみを貯留槽t1〜t4内の液体に浸漬していたが、保持部材Jを反転させずに、支持台44を貯留槽t1〜t4内に降下させることで、植物Pを液体に浸漬してもよい。この場合は回転機構46を省略することができる。
【0098】
また、上記実施形態においては、直方体状の保持部材Jを使用していたが、例えば、図18に示すような板状の保持部材Kを使用することもできる。この保持部材Kは、複数の貫通孔801が設けられており、この貫通孔801によって、葉茎部が上面側に突出するとともに根部が下面側に突出するよう植物Pを保持する。なお、保持部材Kの下面には、植物Pの根部を保護することができるよう、合成樹脂板、軽金属板等からなる多孔性の保護カバー802が取り付けられることが好ましい。このような保持部材Kを使用する場合、普通栽培部3においては、第1の搬送路を兼ねた栽培槽が設けられ、保持部材Kはこの栽培槽内に貯留された培養液に浮かべられて搬送される。また、図19に示すように、上面に貫通孔8001が形成され、内部に一般土壌、又は各種繊維や不織布マット等の人工培土が充填された保持部材Lを使用することもできる。
【0099】
また、本発明の栽培装置は、図20に示すように変更され得る。図20に示す栽培装置80は、移動装置81と、貯留槽tと、搬送レーンh1〜h8とを備える。移動装置81は、支持台82と、支持台82を回転及び移動させるためのモータ(図示せず)等とを備える。貯留槽tは、支持台82の下方に配置される。
【0100】
搬送レーンh1〜h8は、移動装置81を中心として、放射状に配置される。搬送レーンh1〜h8には、移動装置81側の端と、移動装置81の反対側の端とに、昇降装置6が設けられる。
【0101】
移動装置81は、搬送レーンh1〜h8と貯留槽tとの間で保持部材Jを移動させて、保持部材Jに保持された植物を貯留槽t内の液体に浸漬させる。支持台82は、貯留槽tの上方において、鉛直軸回り(a方向)及び水平軸回り(b方向)に回転可能であり、また、上下方向(c1,c2方向)に移動可能である。さらに、支持台82は、貯留槽tの上方位置(初期位置)と、搬送レーンh1〜h8に相対する位置との間を、水平方向(d方向)に移動可能である。
【0102】
以下、上記の栽培装置80で、移動装置81が、各搬送レーンh1〜h8の植物を、貯留槽t内の液体に浸漬させる処理について説明する。
【0103】
まず、ユーザが、搬送レーンh1〜h8のうち、いずれかの搬送レーンhを選択する入力操作を行うことに応じて、支持台82が、貯留槽tの上方において、鉛直軸回り(a方向)に回転する。この回転動作は、支持台85の向きが、搬送レーンhの昇降装置6に突き合わせ可能な向きになるまでに行われる。
【0104】
ついで、支持台82が上下方向(c1,c2方向)に移動する。この移動は、支持台82の高さが、搬送レーンhの昇降装置6の昇降台と同じ高さになるまで行われる。なお、この上下方向(c1,c2方向)の移動は、上記鉛直軸回り(a方向)の回転よりも、先に行われてもよい。
【0105】
ついで、支持台82が、搬送レーンhと相対する位置に向けて、水平方向(d方向)に移動する。
【0106】
ついで、搬送レーンhにおける昇降装置6の昇降台から、支持台82へ保持部材Jが移動される。
【0107】
ついで、支持台82が、貯留槽tの上方位置(初期位置)に向けて、水平方向(d方向)に移動する。
【0108】
ついで、支持台82が、水平軸回り(b方向)に略180度回転する。これにより、支持台82上の保持部材Jは上下が反転し、保持部材Jに保持された植物は葉茎部が下を向いた逆姿勢となる。
【0109】
ついで、支持台82が、鉛直下方(c2方向)に移動する。この動作は、保持部材Jに保持された植物が、貯留槽t内の液体に浸漬するまで行われる。
【0110】
ついで、支持台82が、鉛直上方(c1方向)に移動する。。この動作は、例えば、支持台82の高さが、搬送レーンhの昇降台と同じ高さになるまで行われる。
【0111】
ついで、支持台82が、水平軸回り(b方向)に略180度回転する。これにより、支持台82上の保持部材Jは上下が反転し、保持部材Jに保持された植物は葉茎部が上を向いた正姿勢となる。
【0112】
ついで、支持台82が、搬送レーンhと相対する位置に向けて、水平方向(d方向)に移動する。
【0113】
ついで、支持台82上の保持部材Jが、搬送レーンhの昇降台に戻される。
【0114】
以上の栽培装置80によっても、搬送レーンh1〜h8毎に、植物Pに液体に浸漬する手段を設ける必要がない。このため、安価な設備コストで、植物Pに付いた虫等を除去することができる。
【0115】
また、移動装置81が、搬送レーンh1〜h8と貯留槽tとの間で保持部材Jを移動させるので、貯留槽tを複数設ける必要がない。よって、貯留槽t内の液体の管理が容易である。
【0116】
なお、栽培装置80において、搬送レーンhの数は、図20に示す8に限らず、任意に設定され得る。
【0117】
また、貯留槽tを、搬送レーンh1〜h8の内側位置を、ドーナッツ状に延びるように形成してもよい。この場合、移動装置81は、貯留槽tの内側の空間に配置される。そして、支持台82が、搬送レーンhと相対して位置した状態では、支持台82に保持部材Jが移動された後に、支持台82は、水平軸回り(b方向)に略180度回転し、鉛直下方(c2方向)に移動する。これにより、保持部材Jに保持された植物が、逆姿勢になって、貯留槽t内の液体に浸漬される。
【0118】
ついで、支持台82が鉛直上方(c1方向)に移動して、支持台82の高さが、搬送レーンhの昇降台と同じ高さになる。この後、支持台82が、水平軸回り(b方向)に略180度回転することで、保持部材Jに保持された植物が正姿勢とされて、保持部材Jが搬送レーンhの昇降台に戻される。
【符号の説明】
【0119】
1,80 栽培装置
2,81 移動装置
3 普通栽培部
4 第1の環境調整部
5 第2の環境調整部
6 昇降装置
44,82 支持台
45 支持台移動機構
46 回転機構
60 ガイド部材
61 車輪
61a 溝
66 ラック
67 モータ
68 歯車
h1,h2,h3,h4,h5,h6,h7,h8 搬送レーン
J 保持部材
P 植物
R1,R2 レール
S1〜S4 センサ
t,t1,t2,t3,t4 貯留槽
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