(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記凹部の底面の少なくとも一部分は、前記凹部の深さが前記光出射口側で深くなるように傾斜又は湾曲しており、前記凹部の底面形状に起因して、前記光反射膜及び前記光導波路の底面は前記光導波路内で光が前記光出射口側へ反射されやすくなるように傾斜又は湾曲している請求項1から12のいずれか一項に記載の光源装置。
前記基板に複数の前記光源素子を備え、それらの光源素子の前記マイクロレンズは直線上又は千鳥状に配列されている請求項1から14のいずれか一項に記載の光源装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
有機EL素子は180°全方位に対して発光する。しかし、この特性は、高輝度を必要とする複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合機等の画像形成機器において、目標に対しての照射量が不十分であり、光の利用効率の観点から十分ではなかった。
LEDや有機EL素子などの面発光型光源素子を用いた光源装置において、輝度を向上させることが要求されている。
【0008】
本発明の第1の目的は、面発光型光源素子を光源とする光源装置の輝度を向上させることである。
【0009】
本発明の第2の目的は、そのような光源装置を用いた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる光源装置は、基板と、上記基板に形成された凹部と、上記凹部の内壁に形成された光反射膜と、光透過性を有する材料からなり、上記凹部内に上記光反射膜を介して埋め込まれた光導波路と、上記凹部が形成された領域の一部分を覆わないように上記光導波路上に配置され、上記光導波路の上面を介して上記光導波路内に光を放射する面発光型発光素子と、上記面発光型発光素子が上記凹部を覆っていない領域に設けられ、上記面発光型発光素子が出射した光を上記凹部外へ出射するための光出射口と、上記光出射口に配置されたマイクロレンズと、を有する光源素子を備えたものである。
【0011】
本発明の光源装置において、上記凹部の底面の少なくとも一部分は、上記凹部の深さが上記光出射口側で深くなるように傾斜又は湾曲しており、上記凹部の底面形状に起因して、上記光反射膜及び上記光導波路の底面は上記光導波路内で光が上記光出射口側へ反射されやすくなるように傾斜又は湾曲している例を挙げることができる。ただし、上記凹部の底面、上記光反射膜及び上記光導波路の底面は、このように傾斜又は湾曲していなくてもよい。
【0012】
本発明の光源装置において、上記光源素子は、上記光出射口の下方で上記凹部内に、上記面発光型発光素子が出射した光を上記光出射口側へ反射させるための凸部を備えているようにしてもよい。
【0013】
本発明の光源装置において、上記凹部はその底面の上記光出射口の下方の部分に凹形状の凹部内凹部を備えており、上記光反射膜は上記凹部内凹部の形状に起因して凹部を備えてい
てもよい。
【0014】
本発明の光源装置において、上記凹部は、その底面の上記光出射口の下方の部分に凹形状の凹部内凹部を備えており、上記光反射膜は上記凹部内凹部の形状に起因して凹部を備えているようにしてもよい。ただし、光出射口の下方位置で凹部の底面及び光反射膜は、平坦であってもよいし、凸形状であってもよい。
【0015】
本発明の光源装置において、上記マイクロレンズは、一部分が上記凹部内に埋め込まれて上記凹部内で上記光導波路と接しており、上記凹部外に配置された部分にレンズ機能をもつ曲面を有している例を挙げることができる。ただし、本発明の光源装置において、マイクロレンズの形状及び配置はこれに限定されない。
【0016】
さらに、上記凹部内における上記光導波路材料と上記マイクロレンズ材料との界面は、上記マイクロレンズの光軸に対して上記光出射口側で広がる方向又は上記光出射口側で狭まる方向に傾斜している例を挙げることができる。ただし、当該界面は、マイクロレンズの光軸と平行であってもよい。
【0017】
本発明の光源装置において、上記光源素子は、上記光出射口の下方で上記凹部内に、上記面発光型発光素子が出射した光を上記光出射口側へ反射させるための凸部を備えており、上記マイクロレンズは、一部分が上記凹部内に埋め込まれて上記凹部内で上記光導波路と接しており、上記凹部外に配置された部分にレンズ機能をもつ曲面を有しており、上記凹部内における上記光導波路材料と上記マイクロレンズ材料との界面は、上記マイクロレンズの光軸に対して上記光出射口側で広がる方向に傾斜しており、上記マイクロレンズは上記光導波路の材料の屈折率とほぼ等しい屈折率の材料で形成されている例を挙げることができる。
【0018】
本発明の光源装置において、上記凹部はその底面の上記光出射口の下方の部分に凹形状の凹部内凹部を備えており、上記光反射膜は上記凹部内凹部の形状に起因して凹部を備えており、上記マイクロレンズは、一部分が上記凹部内に埋め込まれて上記凹部内で上記光導波路と接しており、上記凹部外に配置された部分にレンズ機能をもつ曲面を有しており、上記凹部内における上記光導波路材料と上記マイクロレンズ材料との界面は、上記マイクロレンズの光軸に対して上記光出射口側で狭まる方向に傾斜しており、上記マイクロレンズは上記光導波路の材料の屈折率よりも大きい屈折率の材料で形成されている例を挙げることができる。
【0019】
また、上記光源素子は、上記面発光型発光素子上に配置された保護層をさらに備え、上記保護層は、上記マイクロレンズの周囲に側壁を備えているようにしてもよい。ただし、本発明の光源装置は上記保護層を備えていなくてもよい。
【0020】
本発明の光源装置において、上記光源素子は、上記マイクロレンズとして、上記光出射口に配置された第1マイクロレンズと、上記マイクロレンズの上方に配置された第2マイクロレンズを備えているようにしてもよい。ただし、本発明の光源装置において、マイクロレンズは、1つのマイクロレンズで構成されていてもよいし、3つ以上のマイクロレンズで形成されていてもよい。
【0021】
さらに、上記光源素子は、上記第1マイクロレンズと上記第2マイクロレンズとの間にクロストークを防止するためのアパチャーを備えているようにしてもよい。ただし、本発明の光源装置は上記アパチャーを備えていなくてもよい。
【0022】
また、上記光源素子は、上記面発光型発光素子上及び上記第1マイクロレンズ上に配置された光透過性の材料からなるキャップ層をさらに備え、上記第2マイクロレンズは上記キャップ層の上面に形成されており、上記キャップ層は、上記第1マイクロレンズと第2マイクロレンズの光学的集光間隔を確保する機能を備えているようにしてもよい。ただし、本発明の光源装置は上記キャップ層を備えていなくてもよい。
【0023】
また、上記第1マイクロレンズ及び上記第2マイクロレンズの機能は、集光光学系又はテレセントリック光学系を有する例を挙げることができる。ただし、第1マイクロレンズ及び第2マイクロレンズの機能はこれらの光学系に限定されない。
【0024】
また、上記光源素子は、上記第2マイクロレンズの周囲に側壁を有するクロストーク防止層を備えているようにしてもよい。ただし、本発明の光源装置は上記クロストーク防止層を備えていなくてもよい。
【0025】
本発明の光源装置において、上記面発光型光源素子は、いろいろなタイプのものを使用することができる。例えば、面発光型光源素子として、有機EL素子、VCSEL(垂直共振器面発光レーザー)、LEDA(LEDアレイ)などが挙げられる。ただし、本発明の光源装置において、面発光型光源素子はこれらの素子に限定されず、光導波路の上面を介して上記光導波路内に光を放射する面発光型光源素子であれば、どのようなタイプのものであってもよい。
【0026】
また、本発明の光源装置において、上記光源素子は、上記面発光型発光素子と上記光導波路との間に反射防止膜を備えているようにしてもよい。ただし、本発明の光源装置は上記反射防止膜を備えていなくてもよい。
【0027】
また、上記基板に複数の上記光源素子を備え、それらの光源素子の上記マイクロレンズは直線上又は千鳥状に配列されているようにしてもよい。ただし、本発明の光源装置は、複数の光源素子の各マイクロレンズが直線上及び千鳥状に配列されていないものも含む。また、本発明の光源装置において、基板に形成される光源素子は1つであってもよい。
【0028】
本発明にかかる画像形成装置は、基板に複数の上記光源素子を備え、それらの光源素子の上記マイクロレンズが直線上又は千鳥状に配列されている本発明の光源装置と、上記光源装置によって露光される感光体ドラムと、を備えたものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明の光源装置は、凹部内に光反射膜を介して埋め込まれた光導波路と、光導波路の上面を介して光導波路内に光を放射する面発光型発光素子と、面発光型発光素子が凹部を覆っていない領域に設けられ、面発光型発光素子が出射した光を上記凹部外へ出射するための光出射口と、その光出射口に配置されたマイクロレンズと、を有する光源素子を備えているので、導光板構造、光反射構造及びレンズ構造を併せ持つことにより、面発光型発光素子を光源とする光源装置の輝度を向上させることができる。
【0030】
本発明の画像形成装置は、基板に複数の光源素子を備え、それらの光源素子のマイクロレンズが直線上に配列されている本発明の光源装置と、その光源装置によって露光される感光体ドラムと、を備えているので、本発明の光源装置におけるアレイ状の3次元微細加工がもたらすレンズ効果により、集光性が向上し、高精度かつ高解像度の画像形成装置を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、光源装置の一実施例を説明するための概略的な平面図である。
図2は、
図1のA−A’位置での概念的な断面図である。
図3は、
図1のB−B’位置での概念的な断面図である。
【0033】
光源装置1は複数の光源素子3を備えている。光源素子3は、基板5、凹部7、光反射膜9、光導波路11、有機EL素子13、光出射口14及びマイクロレンズ15を備えている。複数の光源素子3は同一の基板5に形成されている。
【0034】
各光源素子3の凹部7は基板5の一表面に形成されている。凹部7の寸法は、例えば、深さが1〜5μm(マイクロメートル)、長さが100μm〜10mm(ミリメートル)、幅が10〜40μmである。また、複数の凹部7はピッチPで配列されている。ピッチPは、例えば、印刷密度が2500dpi(dots per inch)印刷機に適用される場合は約10μmで、1200dpi印刷機に適用される場合は約20μmで、600dpi印刷機に適用される場合は約40μmである。
【0035】
光反射膜9は凹部7の内壁に形成されている。光反射膜9は例えばアルミニウム材料によって形成されている。光反射膜9の膜厚は、例えば0.1〜0.5μmである。なお、光反射膜9の材料は、アルミニウム材料に限定されず、銀等の他の金属材料であってもよい。
【0036】
光導波路11は凹部7内に光反射膜9を介して埋め込まれている。光導波路11は光透過性を有する材料で形成されている。光導波路11の材料は例えば高屈折率材料である。その高屈折率材料は、例えば、Al
2O
3材料(屈折率:Nd=1.670)、TiO
2材料(屈折率:Nd=2.403)、Nb
2O
5材料(屈折率:Nd=2.314)、Ta
2O
5材料(屈折率:Nd=2.150)、高屈折率樹脂材料(屈折率:Nd=1.65)、ゾル−ゲル樹脂(屈折率:Nd=1.60)である。なお、光導波路11の材料は、これらの高屈折率材料に限定されず、光透過性を有する材料であればよい。
【0037】
面発光型発光素子である有機EL素子13は光導波路11上に配置されている。有機EL素子13は凹部7が形成された領域の一部分を覆わないように配置されている。有機EL素子13は光導波路11の上面を介して光導波路11内に光を放射する。有機EL素子13と光導波路11との間に反射防止膜(図示は省略)が形成されている。
【0038】
光出射口14は有機EL素子13が凹部7を覆っていない領域に設けられている。光出射口14は有機EL素子13が出射した光を凹部7外へ出射するために設けられている。
【0039】
マイクロレンズ15は光出射口14に設けられている。マイクロレンズ15は光透過性を有する材料で形成されている。マイクロレンズ15の一部分は、凹部7内に光反射膜9を介して埋め込まれて、凹部7内で光導波路11と接している。凹部7外に配置されたマイクロレンズ15の部分に、集光機能を実現するための凸形状の曲面が形成されている。なお、マイクロレンズ15の曲面はレンズ機能をもつ凹形状であってもよい。また、マイクロレンズ15の曲面は非球面形状でもよく、例えば屈折率分布型曲面や屈折率順次偏変化型レンズ構造でもよい。
【0040】
マイクロレンズ15の材料は、例えば、光導波路11と同じ材料や、高分子樹脂材料、SiO
2材料等である。なお、マイクロレンズ15の材料は光透過性を有する材料であればよい。マイクロレンズ15の材料については、光学設計によって高い自由度をもって選定することができる。
【0041】
複数のマイクロレンズ15は、例えば直線上に配列されている。マイクロレンズ15のピッチPは凹部7のピッチPと同じである。
【0042】
図4は、有機EL素子の一例を説明するための概略的な断面図である。
有機EL素子13は、陽極13a、正孔注入層13c、正孔輸送層13d、発光層13e、電子輸送層13f、電子注入層13g及び陰極13hを備えている。
図1から
図3では、正孔注入層13c、正孔輸送層13d、発光層13e、電子輸送層13f、電子注入層13g及び陰極13hを発光層及び陰極等13bとして一体的に図示している。
【0043】
陽極13aは透明導電膜であり、例えばITO(酸化インジウムスズ)によって形成されている。正孔注入層13c、正孔輸送層13d、発光層13e、電子輸送層13f及び電子注入層13gは有機材料によって形成されている。陰極13hは例えばアルミニウムによって形成されている。
【0044】
陽極13aは光導波路11上に配置されている。また、陽極13aは隣り合う光源素子3で互いに分離されている。陽極13aは光反射膜9とは反射防止膜によって絶縁されていている。ただし、陽極13aと光反射膜9とを絶縁するための膜は反射防止膜とは異なる絶縁膜であってもよい。
発光層及び陰極等13bは陽極13a上及び基板5上に配置されている。発光層及び陰極等13bは隣り合う光源素子3で互いに分離されている。
【0045】
陽極13aと光導波路11との間に反射防止膜16が形成されている。反射防止膜16は有機EL素子13の発光光が効率よく光導波路11に進入しやすいようにする機能を有する。反射防止膜16は、例えばSiO
2材料とAl
2O
3材料を使用した3層膜構成の反射防止膜である。ただし、反射防止膜16の構成はこれに限定されない。
【0046】
なお、有機EL素子13の構造及び配置は、
図1から
図4に示されたものに限定されず、光導波路11の上面を介して光導波路11内に光を放射する構造及び配置であれば、どのような構造及び配置であってもよい。
例えば、有機EL素子13を構成する複数層の膜のうち一部の膜又は全部の膜が隣り合う光源素子3間で連続して形成されていてもよい。
【0047】
有機EL素子13から出射された光は、光導波路11に入射し、光反射膜9で反射され、かつ、高屈折率材料の光導波路11を伝播する。すなわち、光は、光反射膜9で反射されながら、高屈折率材料の光導波路11の内部を光ファイバーの原理で伝播する。光導波路11の内部を伝播された光は、マイクロレンズ15の材料との界面(端面)から出射される。
【0048】
光導波路11から出射される光は特定の強度分布と角度成分を保有して出射される。マイクロレンズ15の材料に入射した光は、マイクロレンズ15の材料の直下にある光反射膜9で反射され、開口部から上方に出射される。マイクロレンズ15の材料の上方にはマイクロレンズ15の凸形状の曲面が形成されており、レンズ効果で上方に焦点を結ぶ。
【0049】
光源装置1は、光導波路11からなる導光板構造、光反射膜9によって実現される実現される光反射構造、及びマイクロレンズ15によって実現されるレンズ構造を併せ持つ光源素子3を備えているので、有機EL素子を光源とする光源装置の輝度を向上させることができる。
【0050】
また、光源装置1において、マイクロレンズ15からなるレンズ部と、有機EL素子13からなる発光部は一体構造で形成されているので、レンズを別途用意する必要がない。さらに、アライメント調整も不要である。
【0051】
また、面発光の光源(有機EL素子13)を活用することによって、有機EL素子の課題とされてきた光量不足を改善することができる。これにより、省エネを実現できる。
また、3元微細加工により反射構造(光反射膜9)を形成することで、集光可能な輝度を増大できる。
【0052】
光源素子3の光量は有機EL素子13の発光面積に比例する。光量を更に大きくしたい場合には、光導波路11の上面の面積を広くしたり、光導波路11の上面に凹凸構造を採用したりすることで、有機EL素子13の発光面積を大きくすることが有効である。
【0053】
また、光源素子3を微細に並べることができるので、発光源(マイクロレンズ15)の面積を小さくできる。これによって、擬似点光源が実現できる。点光源の場合、発光点の面積が小さいので、集光性に優れる。これにより、光を集めるための光学系が簡素化できる。
【0054】
例えば、光源面積が直径100μmの場合には、これよりも大きなレンズが必要である。また、拡散角度が大きくなるほどレンズパワーが必要となり、レンズが厚くなる。すなわち、高性能で高額のレンズが必要になる。
【0055】
他方、光源面積が直径5μmの場合には、レンズの5μmでよい。また、拡散角度が大きい場合でも光源の近くにレンズを配置するとパワーは比較的小さくてすむ。すなわち、レンズは薄くてよい。
【0056】
また、光源装置1は、LEDに替わる固体光源としての機能を有する。光源装置1は、コンパクト、低価格かつ高品位(高精度)な固体光源を実現する。
【0057】
図5は、
図1から
図3に示された光源装置を固体光源として用いた画像形成装置の概念図である。
画像形成装置は、光源装置1と、光源装置1によって露光される感光体ドラム17と、を備えている。
【0058】
光源装置1におけるアレイ状の3次元微細加工がもたらすレンズ効果により、集光性が向上し、高精度かつ高解像度の画像形成装置が実現される。これにより、省エネ及び高精度な印刷が実現される。
【0059】
また、光源装置1は、集光機能を有するマイクロレンズ15を備えているので、そのまま光を感光体ドラム17に結像できる。したがって、従来は必要としていたファイバーレンズやロッドレンズ等の光伝送手段を別途用意する必要がなくなる。これにより、部品点数の減少及び低価格化を実現できる。
【0060】
また、有機EL素子とレンズ構造を一体とすることで、集光用のレンズを別途必要とはせず、アライメント調整も不要である。
【0061】
光源装置1は、光学系も含めて非常にコンパクトな構造であり、微細加工で製作すれば、印刷のドット間ピッチを10μm以下に微細加工することが可能である。例えば、高精度印刷(25.4mm/10μm=約2500dpi)が可能となる。さらに、ドット間ピッチを5μm以下に微細加工することも可能で、超高精度印刷(25.4mm/5μm=5080dpi)が可能となる。この精度は、現在市販されている印刷機の中では、写真印刷機精度に匹敵する。本件発明は、高精度印刷機の実現にも貢献できる。
【0062】
図6は、
図1から
図3に示された光源装置1の製造工程の一例を説明するための概略的な断面図である。
図6の断面図は、
図1のA−A’位置の断面とB−B’位置の断面に対応している。
図6におけるカッコ数字(1)〜(7)は以下に説明される工程(1)〜(7)に対応している。なお、光源装置1の製造工程はこれに限定されるものではない。
【0063】
(1)基板5の材料は、例えば、石英(ガラス材料)、ポリメチルペンテン(樹脂材料)又はシリコンである。ただし、以下に説明する工程は、基本的には、基板5の材質に依存しないプロセスである。
【0064】
基板5の表面にフォトリソグラフィー技術を用いてレジスト19のパターニングを実施する。エッチング技術を用いて、レジスト19をマスクにして基板5をエッチングし、凹部7を形成する。基板5の材料がガラス材料又は樹脂材料であるときは、例えばRIE(反応性イオンエッチング)ドライエッチングが用いられる。基板5の材料がシリコン材料であるときは、例えばウエットエッチング又はRIEドライエッチングが用いられる。ウエットエッチングを使用する場合は、シリコンからなる基板5の(100)面をエッチングして結晶異方性エッチング(アルカリ)を行う。エッチング溶液は、例えば、EDP溶液、KOH溶液、TMAH溶液である。エッチング条件は通常の半導体プロセスと同様である。
【0065】
また、凹部7の形成についてNIP(ナノインプリント)技術を用いることができる。予め所望の形状を有する金型を用意する。金型には、所望の凹凸形状の反転構造を金型に形成する。この金型を使用し金型形状をNIP樹脂で基板上に転写する。この方法を用いれば、凹凸形状、三角形形状、非球面形状などの形状を自由度高く製作することができる。製作可能な金型の大きさは例えば直径8インチ以下であれば特に制限はない。製作可能なピッチ精度は、微細加工精度も数100nm(ナノメートル)〜数mmまで制御可能である。基板上に金型で形状を形成した後、ドライエッチング法を用いて樹脂形状を基板に転写することによって、所望の形状を形成することができる。
【0066】
(2)真空蒸着法又はスパッタリング法を用いて、凹部7の内壁に例えばアルミニウム材料からなる光反射膜9を成膜する。なお、レジスト19はそのまま残してある。
【0067】
(3)レジスト19を剥離除去する。このとき、レジスト19表面に形成されたアルミニウム材料薄膜も除去される。
【0068】
(4)凹部7内に光反射膜9を介して高屈折率材料を埋め込んで光導波路11を形成する。埋め込み方法と埋め込み材料は、例えば(a)真空蒸着法又はスパッタリング法によるAl
2O
3材料(屈折率:Nd=2.05)、(b)塗布法による高屈折率樹脂材料(屈折率:Nd=1.65)、(c)塗布後に熱硬化させたゾル−ゲル材料(屈折率:Nd=1.60)である。
光反射膜9上及び光導波路11上に反射防止膜16(
図4を参照。)を形成する。反射防止膜16は基板5表面にも形成されていてもよい。
【0069】
(5)フォトリソグラフィー技術を用いて、光出射口14(
図2を参照。)の形成予定位置に開口を有するレジスト21のパターンを形成する。
【0070】
(6)ドライエッチング技術を用いて、レジスト21をマスクにして光導波路11の一部分をエッチングし、光導波路11に光出射口14を形成する。光出射口14に位置する光導波路11の端面は出射部として機能する。
【0071】
(7)開口部以外の箇所に有機EL素子13を形成する。有機EL素子13の形成方法は、例えば真空蒸着法や印刷法(インクジェット法)、レーザー転写法を使用する。ここでは、有機EL素子13の陽極13aは、光導波路11の上及び光導波路11の周囲の光反射膜9の上のみに形成される。
【0072】
(8)
図2及び
図3に示されるように、光導波路11の開口部(凹部)と、その開口部の周囲の有機EL素子13を覆うように、樹脂製のマイクロレンズ15を製作する。これにより、光源素子3が形成され、光源装置1の製造工程が完了する。
【0073】
なお、光源装置1の製造方法は上記製造工程に限定されない。また、以下に説明する実施例及び本発明の光源装置の製造方法は、上記製造工程に順ずるものに限定されない。
【0074】
図7は、光源装置の他の実施例を説明するための概略的な断面図である。この実施例の平面図は
図1と同じである。
図7は、
図1のA−A’位置に対応している。
図7において、
図1から
図3と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
【0075】
この実施例の光源装置1では、凹部7内における光導波路11の材料とマイクロレンズ15の材料との界面11aは、マイクロレンズ15の光軸に対して凹部7の開口側で広がる方向に角度θだけ傾斜している。その他の構造は
図1から
図3に示された実施例と同じである。なお、マイクロレンズ15の材料の屈折率は光導波路11の材料の屈折率に比べて大きい。
【0076】
界面11aがマイクロレンズ15の光軸に対して凹部7の開口側で広がる方向に傾斜していることにより、界面11aがマイクロレンズ15の光軸と平行な場合又はマイクロレンズ15の光軸に対して凹部7の開口側で狭まる方向に傾斜している場合に比べて、有機EL素子13が発光する光の光利用効率が向上する。界面11aからマイクロレンズ15の材料内へ出射された光は、下部にある光反射膜9で反射されて開口部から上方に出射される。
【0077】
図8は、光源装置のさらに他の実施例を説明するための概略的な断面図である。この実施例の平面図は
図1と同じである。
図8は、
図1のA−A’位置に対応している。
図8において、
図7と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
【0078】
この実施例は、
図7に示された実施例と比較して、凹部が、その底面のマイクロレンズ15の材料直下の部分に凹形状の凹部内凹部7aを備えている点で異なっている。凹部内凹部7aに起因して、光反射膜9に凹形状が形成されている。この形状により、上方への光集光性が向上する。この実施例は、
図7に示された実施例と比較して、有機EL素子13が発光する光の利用効率が向上する。
【0079】
なお、
図8に示された実施例において、界面11aはマイクロレンズ15の光軸と平行であってもよい。
【0080】
図9は、光源装置のさらに他の実施例を説明するための概略的な断面図である。この実施例の平面図は、保護層23が形成されていることを除いて
図1と同じである。
図9は、
図1のA−A’位置に対応している。
図9において、
図8と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
【0081】
この実施例は、
図8に示された実施例と比較して、有機EL素子13上に配置された保護層23をさらに備えている点で異なっている。保護層23は、マイクロレンズ15の周囲を囲んで配置された側壁を備えている。保護層23の材料は、例えば樹脂材料であるが、樹脂材料に限定されない。また、マイクロレンズ15の周囲の保護層23の側壁は、必ずしもマイクロレンズ15の周囲を囲んでいなくてもよい。
【0082】
保護層23は有機EL素子13の保護膜として機能する。
さらに、保護層23は、マイクロレンズ15の周囲に配置された側壁により、マイクロレンズ15で集光漏れを生じていた光が上方に反射される。これにより、この実施例は、
図8に示された実施例と比較して、有機EL素子13が発光する光の利用効率が向上する。
【0083】
なお、
図9に示された実施例において、界面11aはマイクロレンズ15の光軸と平行であってもよい。
また、マイクロレンズ15の材料直下の光反射膜9及び凹部7は平坦形状であってもよい。
【0084】
図10は、光源装置のさらに他の実施例を説明するための概略的な断面図である。この実施例の平面図は、保護層23が形成されていることを除いて
図1と同じである。
図10は、
図1のA−A’位置に対応している。
図10において、
図9と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
【0085】
この実施例は、
図9に示された実施例と比較して、界面11aはマイクロレンズ15の光軸に対して凹部7の開口側で狭まる方向に傾斜している。なお、マイクロレンズ15は光導波路11の材料の屈折率よりも大きい屈折率の材料で形成されている。
【0086】
この実施例は、界面11aがマイクロレンズ15の光軸に対して凹部7の開口側で狭まる方向に傾斜していることにより、
図9に示された実施例と比較して、光源素子3の輝度が向上する。
なお、
図10に示された実施例において、保護層23は形成されていなくてもよい。
【0087】
図11は、光源装置のさらに他の実施例を説明するための概略的な断面図である。この実施例の平面図は
図1と同じである。
図11は、
図1のA−A’位置に対応している。
図11において、
図1から
図3と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
【0088】
この実施例は、
図1から
図3に示された実施例と比較して、光出射口14の下方で凹部7内に、有機EL素子13が出射した光を光出射口14側へ反射させるための凸部25をさらに備えている。凸部25の材料は、例えば石英材料、アルミノシリケイトガラス、SiO
2を骨格とする重縮合材料(ゾル−ゲル材料)、基板5と同じ材料、光導波路11と同じ材料などである。凸部25の形状は例えば三角柱である。凸部25の材料として基板5と同じ材料が用いられる場合、例えば、NIP法を使用することで、予め製作した金型の形状を転写して凹部7の底面に凸形状を形成し、この凸形状の表面に反射膜を形成することによって、凸部25が形成される。また、凸部25の材料として、光導波路11と同じ材料が用いられる場合、凹部7内に光透過性の材料を埋め込んで光導波路11を形成した後、エッチング技術によって光導波路11の一部分をパターニングして凸形状を製作することによって、凸部25が形成される。
【0089】
この実施例は、凸部25を備えていることにより、
図1から
図3に示された実施例と比較して、光源素子3の輝度が向上する。
なお、凸部25の材料及び形状は、この実施例に限定されず、有機EL素子が出射した光を光出射口14側へ反射させることができる材料及び形状であれば、どのような材料及び形状であってもよい。
【0090】
図12は、光源装置のさらに他の実施例を説明するための概略的な断面図である。この実施例の平面図は
図1と同じである。
図11は、
図1のA−A’位置に対応している。
図12において、
図11と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
【0091】
この実施例は、
図11に示された実施例と比較して、凸部25は、凹部7の底面に形成された凸部及びその凸部の表面に形成された光反射膜9によって形成されている。
これにより、凸部25を形成するための専用の工程や材料を必要とすることなく、凸部25を形成できる。
【0092】
なお、
図11又は
図12に示された実施例において、
図9に示された実施例と同様に保護層23が形成されていてもよい。
【0093】
図13は、光源装置のさらに他の実施例を説明するための概略的な断面図である。この実施例の平面図は
図1と同じである。
図13は、
図1のA−A’位置に対応している。
図13において、
図12と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
【0094】
この実施例は、
図12に示された実施例と比較して、マイクロレンズ15は凹部7に埋め込まれていない。マイクロレンズ15の直下の凹部7内に光導波路11が存在している。光出射口14は有機EL素子13が形成されていない位置に設けられている。
【0095】
マイクロレンズ15が凹部7に埋め込まれておらず、マイクロレンズ15の直下の凹部7内に光導波路11が存在している構成は、上述の各実施例に適用可能である。
【0096】
図14は、光源装置のさらに他の実施例を説明するための概略的な平面図である。
図15は、
図14のC−C’位置での概念的な断面図である。
図14及び
図15において、上記の実施例と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
【0097】
光源素子3は、マイクロレンズとして、光出射口14に配置された第1マイクロレンズ15aと、マイクロレンズ15aの上方に配置された第2マイクロレンズ15bを備えている。第1マイクロレンズ15aは2つ設けられており、凸部25の2つの反射面ごとに配置されている。第1マイクロレンズ15aの材料は例えば光透過性を有する樹脂である。第1マイクロレンズ15aの形状は例えば楕円柱である。ただし、第1マイクロレンズ15aの個数、材料及び形状はこれらに限定されない。
【0098】
第1マイクロレンズ15aの直下の凹部7内に、光透過性の材料からなる埋め込み材料27が埋め込まれている。埋め込み材料27は第1マイクロレンズ15a、凸部25及び光導波路11と接している。埋め込み材料27は、光導波路11と同じ材料(高屈折率材料)又は光導波路11とは異なる材料(低屈折率材料)で形成されている。ただし、埋め込み材料27の材料は光透過性を有するものであれば問われない。なお、埋め込み材料27の形成位置は空洞(気体層)であってもよい。
【0099】
有機EL素子13上及び第1マイクロレンズ15a上に光透過性の材料からなるキャップ層29が形成されている。キャップ層29は例えばシールガラスによって形成されている。ただし、キャップ層29の材料は光透過性を有するものであれば問われない。
【0100】
キャップ層29の上に第2マイクロレンズ15bが配置されている。第2マイクロレンズ15bの材料は例えば光透過性を有する樹脂である。ただし、第2マイクロレンズ15bの材料はこれに限定されない。
【0101】
キャップ層29は、第1マイクロレンズ15aと第2マイクロレンズ15bの光学的集光間隔を確保する機能を有する。また、キャップ層29は有機EL素子13の保護層としても機能する。
【0102】
第1マイクロレンズ15aと第2マイクロレンズ15bとの間に、隣り合う光源素子3の間でのクロストークを防止するためのアパチャー31が設けられている。この実施例では、アパチャー31はキャップ層29の上面に配置されている。ただし、アパチャー31は、第1マイクロレンズ15aと第2マイクロレンズ15bとの間の位置で、かつクロストークを防止可能な位置であれば、どのような位置に配置されていてもよい。
【0103】
キャップ層29の上に、第2マイクロレンズ15bの周囲に側壁33aを有するクロストーク防止層33が配置されている。クロストーク防止層33の材料は、例えばクロムやアルミニウムなどの金属材料、樹脂材料、SiO
2を骨格とする重縮合材料(ゾル−ゲル材料)などである。クロストーク防止層33の形成方法は特に限定されないが、クロストーク防止層33の材料として樹脂材料やゾル−ゲル材料が用いられる場合、NIP法によってクロストーク防止層33を形成することができる。ただし、クロストーク防止層33の材料は、隣り合う光源素子3の間でのクロストークを防止できる材料であれば、どのような材料であってもよい。また、クロストーク防止層33の側壁33aは、隣り合う光源素子3の間でのクロストークを防止できる位置に配置されていればよく、必ずしも第2マイクロレンズ15bの周囲を取り囲んでいなくてもよい。また、クロストーク防止層33の形成方法はNIP法に限定されない。
【0104】
第1マイクロレンズ15a及び第2マイクロレンズ15bの機能は、例えば、テレセントリック光学系を構成する。ただし、第1マイクロレンズ15a及び第2マイクロレンズ15bの機能は、テレセントリック光学系に限定されず、他の光学系、例えば集光光学系であってもよい。
【0105】
図16は、
図14及び
図15に示された光源装置を固体光源として用いた画像形成装置の概念図である。
第1マイクロレンズ15a及び第2マイクロレンズ15bがテレセントリック光学系を構成する場合、光導波路11から出射され、凸部25で反射された光は平行光として上方に進行する。第2マイクロレンズ15bから出射された光は感光体ドラム17に集光される。
【0106】
この実施例の光源装置1は、光源素子3において2層のレンズ15a,15bを採用しているので、輝度の低下もなく明るい光学系を形成できる。さらに、製造プロセスとして半導体プロセスを採用でき、一体型対置合わせ機構を採用しているので、光学精度や製造の再現性も非常に高い。
【0107】
さらに、隣り合う光源素子3間において、光源素子3が出射する光はアパチャー31とクロストーク防止層33の側壁33aで仕切られているため、クロストーク(隣の光源素子3からの光の迷光)がなく、純粋な発光源からの光が取り出せる。これにより、高精度印刷が実現可能である。
【0108】
なお、マイクロレンズとして第1マイクロレンズ15a及び第2マイクロレンズ15bを備え、さらにキャップ層31及びクロストーク防止層33を備えた構成は、上述の各実施例に適用可能である。
【0109】
図17は、光源装置のさらに他の実施例を説明するための概略的な断面図である。この実施例の平面図は
図14と同じである。
図17は、
図14のC−C’位置に対応している。
図17において、
図14及び
図15と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
【0110】
この実施例は、
図14及び
図15に示された実施例と比較して、凹部7の底面は、凹部7の深さが光出射口14側で深くなるように傾斜している。そして、光反射膜9及び光導波路11の底面は、凹部7の底面形状に起因して、光導波路7内で光が光出射口14側へ反射されやすくなるように傾斜している。これにより、光源素子3の輝度が向上されている。
【0111】
なお、当該傾斜が形成されている位置は、凹部7の形成領域の一部分であってもよい。また、基板5の上面に対する凹部7の底面、光反射膜9及び光導波路11の底面の傾斜角は任意である。
【0112】
図18は、光源装置のさらに他の実施例を説明するための概略的な断面図である。この実施例の平面図は
図14と同じである。
図18は、
図14のC−C’位置に対応している。
図18において、
図14及び
図15と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
【0113】
この実施例は、
図14及び
図15に示された実施例と比較して、凹部7の底面は、凹部7の深さが光出射口14側で深くなるように湾曲している。そして、光反射膜9及び光導波路11の底面は、凹部7の底面形状に起因して、光導波路7内で光が光出射口14側へ反射されやすくなるように湾曲している。これにより、光源素子3の輝度が向上されている。
【0114】
なお、当該湾曲部分が形成されている位置は、凹部7の形成領域の一部分であってもよい。また、凹部7の底面、光反射膜9及び光導波路11の底面の曲面の形状は任意である。例えば、三角柱である凸部25の中心軸に向けて光が集まるように、光反射膜9と光導波路11の底面との界面が凸部25の中心軸とする円柱の円弧上に位置している例を挙げることができる。これにより、光源素子3の輝度がより向上する。
【0115】
なお、凹部7の底面、光反射膜9及び光導波路11の底面が上記のように傾斜又は湾曲している構成は、上述の各実施例に適用可能である。
【0116】
上述の各実施例では、有機EL素子13と光導波路11との間に反射防止膜16が形成されている例を示した。反射防止膜16は形成されていなくてもよいが、反射防止膜16が形成されていることによって有機EL素子13から光導波路11への光の透過率が向上する。
【0117】
当該反射防止膜を検討した結果を記す。
光導波路の媒質としてAl
2O
3とSiO
2について検討した。入射角は0度で計算した。可視光の平均透過率を求めるべく、波長が350nm〜850nmの光の透過率を求め、中心設計波長は550nmで計算した。
【0118】
媒質がAl
2O
3の光導波路に対して、光導波路側から順にTa
2O
5(膜厚:15.26nm)/SiO
2(膜厚:18.13nm)/Ta
2O
5(膜厚:8.36nm)の3層膜構成の反射防止膜を設定した。反射防止膜の上に有機EL素子の陽極(ITO)を配置した。各材料の屈折率は、Al
2O
3:1.67、Ta
2O
5:2.14、SiO
2:1.46、ITO:2.05である。
【0119】
反射防止膜を配置しない場合(ITO/Al
2O
3の積層構造)、可視光の平均透過率は99.0%であった。
反射防止膜を配置した場合(ITO/Ta
2O
5/SiO
2/Ta
2O
5/Al
2O
3の積層構造)、可視光の平均透過率は99.7%であった。
反射防止膜を配置することにより、可視光の平均透過率は0.7%向上した。
【0120】
また、媒質がSiO
2の光導波路に対して、Al
2O
3(膜厚:64.79nm)の反射防止膜を設定した。反射防止膜の上に有機EL素子の陽極(ITO)を配置した。各材料の屈折率は上述のとおりである。
【0121】
反射防止膜を配置しない場合(ITO/SiO
2の積層構造)、可視光の平均透過率は97.5%であった。
反射防止膜を配置した場合(ITO/Al
2O
3/SiO
2の積層構造)、可視光の平均透過率は99.2%であった。
反射防止膜を配置することにより、可視光の平均透過率は1.7%向上した。
【0122】
このように、有機EL素子と光導波路の間に反射防止膜が形成されていることによって、有機EL素子から光導波路への光の透過率が向上する。
【0123】
以上、本発明の実施例が説明されたが、本発明は、これらに限定されるものではなく、実施例で示された材料、数値、配置等は一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0124】
例えば、上記実施例では面発光型光源素子として有機EL素子が用いられているが、本発明の光源装置において、面発光型光源素子は他の構造の面発光型光源素子であってもよい。例えば、有機EL素子に替えて、VCSEL又はLEDAが配置されていてもよい。ただし、本発明の光源装置において、面発光型光源素子はこれらの素子に限定されず、光導波路の上面を介して上記光導波路内に光を放射する面発光型光源素子であれば、どのようなタイプのものであってもよい。