特許第6012287号(P6012287)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6012287-開閉装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012287
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/84 20060101AFI20161011BHJP
   E06B 9/68 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   E06B9/84 C
   E06B9/68 Z
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-143563(P2012-143563)
(22)【出願日】2012年6月26日
(65)【公開番号】特開2014-5698(P2014-5698A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2015年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大助
【審査官】 仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−206683(JP,A)
【文献】 特開平11−315681(JP,A)
【文献】 実開昭57−96375(JP,U)
【文献】 実開平6−87598(JP,U)
【文献】 特開2011−137314(JP,A)
【文献】 実開平3−38990(JP,U)
【文献】 特開平10−5114(JP,A)
【文献】 特開2007−138396(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/035506(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00−9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開閉するように移動する開閉手段と、
前記開閉手段と共に移動するように設けられ、前記開閉手段の状態を検出する検出手段と、
前記開閉手段と共に移動するように設けられ、前記検出手段によって検出された前記開閉手段の状態を示す検出信号を無線方式にて送信する送信手段と、
前記開閉手段と共に移動するように設けられ、前記検出手段及び前記送信手段に電力を供給するバッテリ手段と、
前記送信手段からの検出信号を受信し、前記検出信号の内容に応じて前記開閉手段の動作を制御する制御手段と、
前記開閉手段と共に移動するように設けられ、前記バッテリ手段を充電する第1の非接触充電手段と、
前記開閉手段と共に移動する前記第1の非接触充電手段に対して非接触にて電力供給可能な場所に設けられ、前記第1の非接触充電手段と共に非接触充電システムを構成する第2の非接触充電手段とを備えた開閉装置において、
前記制御手段は、前記検出信号として電池寿命信号を受信し、前記バッテリ手段が電池として寿命であると判断した場合は、前記開閉手段を閉操作しようとしても継続的な閉動作を行なうことなく、閉ボタンを押している期間のみ前記開閉手段を下降させることを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉装置において、前記送信手段は、障害物感知信号、充電完了信号、電池寿命信号及び電池残量信号等を送信することを特徴とする開閉装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の開閉装置において、
前記開閉手段は、シャッターケース内に回動可能に設けられた巻取りシャフト手段によって巻き取ったり巻き戻したりすることによって前記開口部を開閉するように移動され、
前記第1の非接触充電手段が前記開閉手段の座板の上部上面に配置され、
前記第2の非接触充電手段が、前記開閉手段を巻き取ったり巻き戻したりする巻取りシャフト手段の下方で、かつ前記制御手段の下側近傍であって、前記開閉手段が全開になった時に前記座板の上部上面の前記第1の非接触充電手段に対して上方から接近対向する位置に配置され、
前記非接触充電システムは、前記開閉手段が全開した状態で充電を行なうことを特徴とする開閉装置。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載の開閉装置において、前記検出手段は、前記開閉手段の閉鎖側先端部の両側に設けられた2個の光電センサからなる非接触式の障害物感知手段で構成されることを特徴とする開閉装置。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4に記載の開閉装置において、前記バッテリ手段は、急速充放電が可能なバッテリ又は電気二重層キャパシタから構成されることを特徴とする開閉装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4又は5に記載の開閉装置において、前記非接触充電システムは、電力供給方式として、電磁誘導方式、電波方式、又は電磁界共鳴方式で構成されることを特徴とする開閉装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又は6に記載の開閉装置において、前記送信手段は、前記制御手段から閉鎖動作時であることを示す信号をフィードバック受信し、閉鎖動作時(下降時)にのみ前記バッテリ手段から前記検出手段への電力供給が行なわれるようにすることを特徴とする開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッターカーテンなどの開閉手段に設けられ、開閉動作中に、その移動経路上にあるいはその近傍に存在する障害物を検出する障害物感知装置などの状態を検出し、その検出信号を無線にて制御装置側に送信する機能を備えた開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
開閉装置は、住宅、ビル、工場、倉庫、車庫などの建物を含む構築・構造物の開口部に設置されるシャッターカーテンなどの開閉部材を閉鎖方向へ移動することによってその開口部を閉鎖するものである。開閉装置は、開口部の上部から開閉部材であるシャッターカーテンを徐々に繰り出し下降させて開口部を閉鎖する。開閉部材の閉鎖先端部側には座板スイッチが設けられている。この座板スイッチが開閉動作中に何らかの障害物に接触すると、その障害物感知信号に応じて制御装置は障害物の挟み込みなどを回避するために開閉部材自体の開閉動作を停止し、回避動作を行なうように開閉部材の動作を制御する。
【0003】
障害物感知装置は、シャッターカーテンの座板上に設けられ、障害物感知時に送信部から無線にて上部(シャッターケース等)側の受信部に感知信号を出力し、制御盤に対し安全制御を行う構成となっている。具体的には、シャッターカーテンの下降中に座板下部の感知体に障害物が接触すると送信部がその感知信号を無線通信にて送信する。感知体としては、感知片の移動を検知する座板スイッチや、テープスイッチ等で構成されている。受信部では、この感知信号を受けて制御盤に対し停止の制御信号を出力してシャッターカーテンの下降動作を停止させ、又はその停止後に反転上昇させるという動作を行なうものもある。このような開閉装置のばあい、送信部は、バッテリ駆動されるものがほとんどなので、このバッテリの電圧が低下すると障害物に接触しても感知信号の送信が不能となるため、バッテリの電圧低下を検知するように構成されたものが特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平7−74577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の開閉装置は、バッテリの電圧が低下すると、障害物感知装置の機能が作動しない状態が発生する場合もある。また、このような状態が長期間継続すると、送信部の機能も作動しなくなり、送信不能となり、バッテリ電圧降下を検知してもその交換を知らせる信号を送信することもできなくなるおそれがある。また、シャッターカーテンが長期間全閉状態の場合には、この全閉期間中に送信部のバッテリ切れが発生することも考えられる。そこで、障害物感知装置などの電気部品を可動部であるシャッターカーテンなどに設ける場合、これらの電気部品対しては、バッテリではなく電源ケーブルを使い、無線通信ではなくコントロール用ケーブルを使い、有線方式にて確実に電力及び信号のやりとりを行なうようにしている。また、この場合、電源ケーブルやコントロール用ケーブルなどを安全に保護し、ガイドするケーブル収納部材内に収納し、シャッターカーテンの開閉動作時に捩れや摩擦などによって、これらのケーブルが断線しないように構成してある。しかしながら、シャッターカーテンの開閉頻度が多くなると、それに応じてケーブル収納部材自体の耐久性に限界が発生するため、高速高頻度用途に対してケーブルを適用しにくい面がある。
【0006】
本発明は、開閉装置の可動部に電気部品を搭載し、それをバッテリで動作させる場合でも、バッテリ切れを防止でき、バッテリ残量の低下を適切に検知し、電気部品の安全性を向上させて動作させることのできる開閉装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る開閉装置の第1の特徴は、開口部を開閉するように移動する開閉手段と、前記開閉手段と共に移動するように設けられ、前記開閉手段の状態を検出する検出手段と、前記開閉手段と共に移動するように設けられ、前記検出手段によって検出された前記開閉手段の状態を示す検出信号を無線方式にて送信する送信手段と、前記開閉手段と共に移動するように設けられ、前記検出手段及び前記送信手段に電力を供給するバッテリ手段と、前記送信手段からの検出信号を受信し、前記検出信号の内容に応じて前記開閉手段の動作を制御する制御手段と、前記開閉手段と共に移動するように設けられ、前記バッテリ手段を充電する第1の非接触充電手段と、前記開閉手段と共に移動する前記第1の非接触充電手段に対して非接触にて電力供給可能な場所に設けられ、前記第1の非接触充電手段と共に非接触充電システムを構成する第2の非接触充電手段とを備えたことにある。
開閉手段は、ビル、住宅、工場、倉庫等の建物などの構築・構造物における、出入口や窓部、あるいは内部の通路や空間などの開口部などを開閉移動するシャッターカーテンなどの開閉部材で構成される。開閉手段がシャッターカーテンの場合には、例えば、建物などの開口部の上部に収納され、まぐさなどを介してシャッターカーテンが下降し、開口部を閉鎖する。これ以外にも開閉手段が開口部の側部に収納され横引き方式で開閉移動したり、開口部の下部に収納され上昇方式で開閉移動したりするものもある。検出手段は、開閉手段に設けられ、開閉手段と共に移動するものであり、例えば、開閉部材の開閉移動中の移動経路上あるいはその近傍に障害物が存在することを検出する障害物感知手段(例えば、1対の光電センサ)等であったり、開閉部材の開閉位置を検出するものであったり、開閉部材の熱を検出する熱検知器であったり、開閉部材の施錠、解錠状態を検出するものであったりする。従って、検出手段によって検出された検出信号は、開閉手段の収納ボックス等に設けられた制御手段に、送信手段によって無線方式にて送信される。送信手段からの検出信号を受信した制御手段は、検出信号に応じて開閉手段の状態を認識し、それに応じた処理を行なう。例えば、検出手段が障害物感知手段であって、その検出信号が制御手段に取り込まれた場合には、制御手段は、障害物回避動作等を行なうことになる。検出手段及び送信手段などの電気部品は、開閉移動する開閉手段に取り付けられているため、バッテリ手段から電力供給を受けている。この発明では、第1及び第2の非接触充電手段からなる非接触充電システムを用いて、バッテリ手段に電力を供給するようにした。すなわち、バッテリ手段に充電する第1の非接触充電手段をバッテリ手段の近傍に設け、この第1の非接触充電手段に対して非接触にて電力を供給することができる場所、例えばまぐさ上部に第2の非接触充電手段を設け、開閉手段が全開状態の開閉動作停止状態にあるときに、第2の非接触充電手段から第1の非接触充電手段に対して、非接触にて電力を供給する。第1及び第2の非接触充電手段の配置は、開閉手段の動作状態に応じて、非接触にて充電が可能であれば、ガイドレール内や床面などのあらゆる場所に設けてもよい。また、開閉動作中でも充電可能であれば、そのような場所に配置することも可能である。
【0008】
本発明に係る開閉装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉装置において、前記送信手段は、障害物感知信号、充電完了信号、電池寿命信号及び電池残量信号等を送信することにある。これは、検出手段が障害物感知装置である場合は、送信手段は障害物感知信号を送信し、また、バッテリ手段の充電が完了したことを示す充電完了信号、バッテリ手段の電池としての寿命が来たことを示す電池寿命信号、さらには、バッテリ手段に蓄電されている電池の残量を示す電池残量信号などを具体的に示したものである。
【0009】
本発明に係る開閉装置の第3の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載の開閉装置において、前記非接触充電システムは、前記開閉手段が全開した状態で充電を行なうことにある。これは、非接触充電システムを構成する第2の非接触充電手段がまぐさ上部に設けられ、開閉手段が全開状態のときに、非接触で充電を行なうようにしたものである。
【0010】
本発明に係る開閉装置の第4の特徴は、前記第1、第2又は第3の特徴に記載の開閉装置において、前記検出手段は、前記開閉手段の閉鎖側先端部の両側に設けられた2個の光電センサからなる非接触式の障害物感知手段で構成されることにある。これは、検出手段を1対の光電センサからなる障害物感知手段に具体化したものである。
【0011】
本発明に係る開閉装置の第5の特徴は、前記第1、第2、第3又は第4の特徴に記載の開閉装置において、前記バッテリ手段は、急速充放電が可能なバッテリ又は電気二重層キャパシタから構成されることにある。これは、バッテリ手段を急速充放電が可能なバッテリ又は電気二重層キャパシタに具体化したものである。
【0012】
本発明に係る開閉装置の第6の特徴は、前記第1、第2、第3、第4又は第5の特徴に記載の開閉装置において、前記非接触充電システムは、電力供給方式として、電磁誘導方式、電波方式、又は電磁界共鳴方式で構成されることにある。これは、非接触充電システムを、電磁誘導方式、電波方式、又は電磁界共鳴方式で電力を供給する方式に具体化したものである。
【0013】
本発明に係る開閉装置の第7の特徴は、前記第1、第2、第3、第4、第5又は第6の特徴に記載の開閉装置において、前記送信手段は、前記制御手段から閉鎖動作時であることを示す信号をフィードバック受信し、閉鎖動作時(下降時)にのみ前記バッテリ手段から前記検出手段への電力供給が行なわれるようにすることにある。これは、バッテリ手段が閉鎖動作時(下降時)のときだけに検出手段に電力を供給し、それ以外は節電のために電力の供給を行なわないようにしたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の開閉体装置によれば、開閉装置の可動部に電気部品を搭載し、それをバッテリで動作させる場合でも、バッテリ切れを防止でき、バッテリ残量の低下を適切に検知し、電気部品の安全性を向上させて動作させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】障害物感知装置を備えたシャッター装置の概略構成を示す図である。
図2図1に示した開閉装置の制御システムの概略を示す図である。
図3】この実施の形態に係る開閉装置の閉操作における処理の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下添付図面に従って本発明に係る開閉装置の好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では開閉装置として上下に開閉制御されるシャッター装置を例に説明する。図1は、障害物感知装置を備えたシャッター装置の概略構成を示す図である。このシャッター装置は、建物の開口部に設けられるものであり、基本的にシャッターケース1、シャッターカーテン2、ガイドレール3,4、巻取シャフト5、チェーン6、モータなどの開閉機7、制御装置8及び非接触充電システムなどから構成される。
【0017】
ガイドレール3,4は、シャッターカーテン2の両端部を案内するように建物の開口部の両端側壁に設けられ、まぐさ部9から床面21まで掛け渡された断面形状が略コの字型の案内溝を有する部材で構成されている。シャッターカーテン2は、このガイドレール3,4の各案内溝に沿って上昇下降し、開口部の開閉動作を行う。巻取シャフト5は、シャッターケース1内に回動可能に設けられ、シャッターカーテン2を巻き取ったり巻き戻したりする。チェーン6は、開閉機7の回転軸に設けられた主動スプロケットと巻取シャフト5の回転軸に設けられた従動スプロケットとを連結している。従って、開閉機7の回転駆動力はチェーン6を介して巻取シャフト5側に伝達され、開閉機7が回転すると、チェーン6を介して巻取シャフト5が回転し、シャッターカーテン2の開閉動作が制御されるようになっている。
【0018】
制御装置8は、図示していない電源ラインを介して電力の供給を受けている。制御装置8は、図示していない操作スイッチ上の各操作ボタンの操作状態に対応した制御信号に基づいて直接的に、あるいは、例えば、火災時等の防災用の制御信号などに基づいて間接的に開閉機7の回転を制御し、障害物感知装置からの障害物感知信号に基づいて開閉機7の回転を制御して障害物回避動作を行なう。障害物を回避する動作としては、シャッターカーテン2の下降動作を停止するように制御するものが代表的な動作である。また、下降動作停止後に障害物感知装置からの検出信号が出力されなくなるようにシャッターカーテン2を上昇動作させるように制御してもよく、その他の動作、例えば停止させず下降速度を減少させる等の動作を行わせるように制御してもよい。
【0019】
制御装置8は、無線送受信機84及び非接触充電部85を備えている。無線送受信機84は、座板10側に設けられた無線送受信機14との間で無線方式の通信を行なう。無線送受信機84と無線送受信機14との間の伝送媒体は、所定波長の光や所定周波数の電波等であり、障害物感知信号、充電完了信号、電池寿命信号及び電池残量信号等を無線でやりとりする。非接触充電部85は、座板10に設けられた非接触充電部15との間で電力を伝送するものである。シャッターカーテン2が全開し、座板10がまぐさ部9に接触した場合に、座板10に設けられた非接触充電部15に最も近接するような位置に設けられる。
【0020】
障害物感知装置は、座板10の先端部下側の両側に設けられ、座板10と連動して上昇下降する光電センサ11,12で構成される。光電センサ11,12同士は、座板10の下側においてそれぞれ対向するように配置されているので、非接触式の障害物感知エリアを座板10の先端部下側に構成している。すなわち、光電センサ11,12の障害物感知エリアに障害物が存在すると、光電センサ11,12は障害物感知状態となり障害物を検出したことを示す障害物感知信号を、無線送受信機14を介して出力する。バッテリ13は、急速充放電が可能なバッテリ又は電気二重層キャパシタから構成され、座板10の上側に設けられ、光電センサ11,12及び無線送受信機14にその動作に必要な電力を供給する。非接触充電部15は、非接触充電部85から供給された電力によってバッテリ13を充電する。
【0021】
図2は、図1に示した開閉装置の制御システムの概略を示す図である。図2において、図1と同じ構成のものには同一の符号が付してある。図2において、無線送受信機84及び非接触充電部85は制御装置8に内蔵されている。CPU81は、無線送受信機84から障害物感知信号、充電完了信号、電池寿命信号及び電池残量信号等を受信し、それに基づいて制御装置8の各種動作を制御する。
【0022】
非接触充電システムは、制御装置8に設けられた非接触充電部85と、座板10に設けられた非接触充電部15とから構成される。非接触充電部85から非接触充電部15への電力供給方式には電磁誘導方式、電波方式、又は電磁界共鳴方式のいずれかを用いる。また、電力の送電システムとしてレーザー光を用いる方法や太陽電池と組み合わせたデバイスを使用してもよい。さらに、現在開発中のデータ送信と電力送信を同時に行なえるサーフェイスLAN等を用いるようにしてもよい。
【0023】
整流部15aは、非接触充電部15の受信した電力を整流してバッテリ13に供給する。バッテリ13は、整流部15aによって充電され、充電された電力を無線送受信機14及び光電センサ11,12に給電する。光電センサ11は、検査光を光電センサ12に投光する。光電センサ12は、光電センサ11からの検査光を受光し、その受光に応じた検出信号を無線送受信機14に出力する。無線送受信機14は、光電センサ12からの検出信号に基づいて障害物感知エリアに障害物が存在するか否かを判断する。無線送受信機14は、障害物感知エリアにおいて障害物を検知した場合、障害物を検出したことを示す障害物感知信号を無線送受信機84に送信する。さらに、無線送受信機14は、バッテリ13の充電状態及び電池寿命を検出し、充電が必要な場合には充電が必要であることを示す充電要信号を、非接触充電システムによって充電が完了した場合には充電完了信号を、また、バッテリ13の電圧値に基づいて電池の寿命を検出した場合には電池寿命信号を、それぞれ無線送受信機84に送信する。電池の寿命は、充電100%時の電圧値を見て判断する。
【0024】
図3は、この実施の形態に係る開閉装置の閉操作における処理の一例を示すフローチャート図である。操作ボタン(閉ボタン)が操作されると、CPU81は開閉機7に、シャッターカーテン2を下降させるための駆動信号を出力する。これによって、シャッターカーテン2は、下降を開始する。ステップS41では、この下降途中において、CPU81は、無線送受信機14からの障害物感知信号を無線送受信機84が受信したか否かに基づいて、座板10の障害物感知エリアに障害物が存在するか否かの判定を行い、障害物無し(no)と判定した場合は、次のステップS42に進み、障害物有り(yes)と判定した場合は、閉操作を行なわない。なお、障害物有り(yes)と判定した場合は、「障害物有り、障害物を取り除いて下さい」などの音声を報知するようにしてもよい。
【0025】
ステップS42では、CPU81は、無線送受信機14からの充電完了信号を無線送受信機84が受信したか否かに基づいて、バッテリ13の充電が完了(満充電)状態であるか否かの判定を行い、充電完了(満充電)状態にある(yes)と判定した場合は、次のステップS43に進み、充電が完了していない(no)と判定した場合は、閉操作を行なわない。なお、充電が完了していない(no)と判定した場合は、「充電が完了していません」などの音声を報知するようにしてもよい。
【0026】
ステップS43では、CPU81は、無線送受信機14からの電池寿命信号を無線送受信機84が受信したか否かに基づいて、バッテリ13が電池として寿命が有るか否かの判定を行い、電池寿命有り(yes)と判定した場合は、次のステップS44に進み、電池寿命無し(no)と判定した場合は、ステップS45に進む。なお、電池寿命無し(no)と判定した場合は、「電池が寿命です」、「電池を交換して下さい」などの音声を報知するようにしてもよい。
【0027】
ステップS44では、CPU81は、操作ボタン(閉ボタン)の操作に応じて、シャッターカーテン2の下降処理を実行する。ステップS45では、CPU81は、操作ボタン(閉ボタン)が押されている期間のみ開閉機7に対して駆動信号を出力し、シャッターカーテン2の下降処理を許可する特殊モードを実行する。この特殊モードの場合は、操作者が近くに存在し、シャッターカーテン2の下降時の安全性を十分確保することができるので、そのままシャッターカーテン2を下降させている。このようにバッテリ13の電圧が低下したときには、シャッターカーテン2を閉操作しようとしても継続的な閉動作を行なうことなく、操作ボタン(閉ボタン)を押している期間のみシャッターカーテン2が下降するようにしたので、操作者はこのシャッターの動作が正常時と異なることでバッテリ13がないことを知るようになる。また、バッテリ13の電池切れを未然に防止でき、適切なバッテリ交換を促進することができ、無線送受信機14は、障害物感知時には常に感知信号を送信できるようになり、障害物感知時にシャッターカーテン2を安全側に制御できるようになる。
【0028】
上述の実施の形態では、非接触充電部85をまぐさ部9の上側に設ける場合について説明したが、非接触充電部15をレール3近傍に設け、非接触充電部84をレール3の下端部及び上端部に設け、全開時及び全閉時に充電可能としてもよい。さらに、レール3の各所に非接触充電部85を設け、動作中でも充電可能としてもよい。
【0029】
図1に示されているように、非接触充電部85は、巻取シャフト5の下方かつ開閉機7の近傍に配置されることが好ましく、さらには、開閉機7の下側や制御装置8の下側に配置されて、シャッターカーテン2が全開になった時に座板10の上部や上面に上方から接近している位置であることがより好ましい。また、図1に示されているように、非接触充電部15は、バッテリ13や無線送受信機14の近傍に配置されることが好ましく、さらには、座板10の上部や上面に配置されて、シャッターカーテン2が全開になった時に非接触充電部85の下方に接近又は対向している位置であることがより好ましい。
【0030】
シャッターカーテン2が下降途中に停止した場合は、バッテリ13の充電状態を感知して非接触充電部85の存在する位置までシャッターカーテン2を駆動するようにしてもよい。また、シャッターカーテン2が下降動作中に無線にて充電要信号を受けたら上部に移動させるようにしてもよい。光電センサ11,12は、バッテリ13の節約のために閉鎖動作時(下降時)のみ電力供給を受けて作動させるようにしてもよい。この場合、無線送受信機84から無線送受信機14に介して、閉鎖動作時であることを示す信号をフィードバックして、シャッターカーテン2の制御状態(停止中、下降中、上昇中)に応じてバッテリ13への電力供給のオン/オフを制御するようにすればよい。
【符号の説明】
【0031】
1…シャッターケース、
10…座板、
11,12…光電センサ、
13…バッテリ、
14…無線送受信機、
15…非接触充電部、
15a…整流部、
2…シャッターカーテン、
21…床面、
3,4…ガイドレール、
5…巻取シャフト、
6…チェーン、
7…開閉機、
8…制御装置、
81…CPU、
84…無線送受信機、
85…非接触充電部、
9…まぐさ部
図1
図2
図3