(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係るサイドミラーを示す斜視図である。このサイドミラー1は、運転者の後方確認のために用いられるものであり、フロントドア31のアウターパネル(ドアパネル)31aに直接ミラーベース3が固定されるようになっている。なお、以下の説明では、右側のサイドミラー1について説明するが、左側のサイドミラーについては、右側のサイドミラー1と左右対称であることを除けば同様の構成であることから、その説明を省略する。
【0016】
このサイドミラー1は、後方確認用のミラー(図示せず)と、これを保持するためのバイザー11と、バイザー11の下側部分を覆う樹脂製のアンダーパネル13と、バイザー
11の上側部分を覆う樹脂製のアッパーパネル15と、車両のアウターパネル31aに対してバイザー11を支持するためのミラーベース3と、を備えている。
【0017】
なお、以下の説明では、ミラーベース3が車両のアウターパネル31aに対して取り付けられた状態を基準として説明し、「後側」とは、「車両前後方向後側」を指し、「前側」とは、「車両前後方向前側」を指す。
【0018】
サイドミラー1を車両のフロントドア31に対して支持するためのミラーベース3は、
図2に示すように、アウターパネル31aに固定されるベース本体5と、上記ベース本体5を上下から挟むようにして当該ベース本体5の外表面の一部を覆う上側ベースカバー7及び下側ベースカバー9と、を備えている。
【0019】
ベース本体5は、アルミダイカスト製であり、
図3〜
図5に示すように、フロントドア31のアウターパネル31aに取り付けるられる取付プレート17と、取付プレート17の上端部から車幅方向右側に突出する支持プレート19と、当該支持プレート19を補強するために、当該支持プレート19の下面と取付プレート17の外側面とを繋ぐ4枚の鉛直リブ21,23,25,27と、4枚の鉛直リブのうち最も前側及び最も後側の鉛直リブ21,27と取付プレート17の外側面とをそれぞれ繋ぐ前側水平リブ33及び後側水平リブ35と、を有している。
【0020】
取付プレート17には、車幅方向左側且つ斜め下方に延びる2本の位置決めピン29と、同じく車幅方向左側且つ斜め下方に延びる3つの略円筒状の取付ボス37とが形成されている。この取付プレート17は、フロントドア31のアウターパネル31aに形成された2つの位置決め孔(図示せず)に、2本の位置決めピン29をそれぞれ挿入することにより、フロントドア31に対して位置決めされるとともに、車体側から3つの取付ボス37のネジ孔37aに3本のボルトをそれぞれ螺合させることにより、フロントドア31のアウターパネル31aに固定される。
【0021】
支持プレート19の中央部には、
図4に示すように、断面略円形の凹部39が形成されているとともに、当該凹部39の周縁部から上方に延びる円筒部41が形成されており、電動格納ユニットの回転軸をこれら凹部39及び円筒部41に挿入することにより、サイドミラー1における当該ミラーベース3よりも上側の部分を支持するようになっている。なお、円筒部41には、径方向外側に突出する突起部43が2つ形成されている。
【0022】
また、この支持プレート19には、円筒部41の周りに前側から順に各々断面矩形状の第1、第2及び第3係合孔45,47,49が貫通形成されているとともに、第3係合孔49の左側に隣接するように断面円形の第1位置決め孔51が貫通形成されている。さらに、第1位置決め孔51と円筒部41を挟んで対向するように断面長円状の第2位置決め孔53が貫通形成されている。
【0023】
前側及び後側水平リブ33,35はともに、平面視で略三角形状に形成されている。そうして、前側水平リブ33には、その前縁部に断面矩形状の第4係合孔55が形成されているとともに、当該第4係合孔55よりも車幅方向右側に前縁部を略台形状に切り欠いた第1係合切欠部57が形成されている。一方、後側水平リブ35には、その後縁部に断面矩形状の第5係合孔59が形成されているとともに、当該第5係合孔59よりも車幅方向外側に後縁部を略台形状に切り欠いた第2係合切欠部61が形成されている。
【0024】
さらに、
図5に示すように、4枚の鉛直リブのうち最も前側の鉛直リブ21には、前側水平リブ33と略同じ高さに、当該鉛直リブ21と取付プレート17の外側面とを繋ぐ水平リブ63が形成されているとともに、当該水平リブ63よりも下側に、車幅方向に延び
且つ後側に突出する前側突条部65が形成されている。一方、4枚の鉛直リブのうち最も後側の鉛直リブ27には、後側水平リブ35と略同じ高さに、当該鉛直リブ27とこれよりも1つ前側の鉛直リブ25とを繋ぐ水平リブ67が形成されているとともに、当該水平リブ67よりも下側に、車幅方向に延び且つ前側に突出する後側突条部69が形成されている。
【0025】
上側ベースカバー7は、金型を用いて形成された薄厚の樹脂成型品であり、
図6及び
図7に示すように、サイドミラー1におけるミラーベース3よりも上側の部分を支持する略楕円状の頂壁部71と、頂壁部71の車幅方向左側の周縁部からフロントドア31のアウターパネル31aに向かって緩やかに下方に傾斜しながら延びる傾斜壁部73と、頂壁部71の車幅方向右側の周縁部並びに傾斜壁部73の前縁部及び後縁部(アウターパネル31a側の縁部を除く周縁部)から下方に延びる上側周縁壁部75とを有している。なお、上側周縁壁部75の下端面75aは、下側ベースカバー9との合わせ面を構成する。
【0026】
頂壁部71には、その中央部に円形の挿通孔77が貫通形成されており、この挿通孔77の周縁部には切欠部79が2つ形成されている。また、この頂壁部71には、挿通孔77の周りに、各々下方に延びる第1上側係合部81及び第2上側係合部83が形成され、当該第2上側係合部83の左側に隣接するように、下方に延びる主位置決めピン85が形成されているとともに、当該主位置決めピン85と挿通孔77を挟んで対向するように、下方に延びる副位置決めピン87が形成されている。さらに、頂壁部71と傾斜壁部73との前側の境目近傍には、下方に延びる第3上側係合部89が形成されている一方、頂壁部71と傾斜壁部73との後側の境目近傍には、下方に延びる第4上側係合部91が形成されている。
【0027】
これら第1〜第4上側係合部は、それぞれ上下方向の長さは異なる(第1上側係合部81及び第2上側係合部83が短く、第3上側係合部89及び第4上側係合部91が長い)ものの、基本的には同じ構造となっていて、その先端部に略楔状の係合爪を有している。
【0028】
主位置決めピ
ン85は、上側ベースカバー7を、ベース本体5に対して位置決めするための下方に延びる突起状の部材であり、下方に延びる略矩形状の2枚の板状部材を直交交差させたような断面十字状に形成されている。また、副位置決めピン87も、上側ベースカバー7を、ベース本体5に対して位置決めするための下方に延びる突起状の部材であり、主位置決めピン85と同様に断面十字状に形成されているが、主位置決めピン85とは異なり、その上下方向の中央部から上方に行くほど十字状の断面が大きくなるように形成されている。
【0029】
さらに、上側周縁壁部75には、その内周面から内側に突出する係合突部93が略等間隔で4つ形成されているとともに、当該上側周縁壁部75との間に空間を形成するように、頂壁部71から下方に延びる略L字状のリブ95が、これら4つの係合突部93の間に位置するように3つ形成されている。
【0030】
一方、下側ベースカバー9は、上側ベースカバー7と同様に、金型を用いて形成された薄厚の樹脂成型品であり、
図8及び
図9に示すように、略半円形の樹脂プレートを下方に湾曲するように折り曲げたような形に形成されており、そのアウターパネル31a側の縁部を除く周縁部全体が上方に延びる下側周縁壁部97を構成している。なお、下側周縁壁部97の上端面97aが上側ベースカバー7との合わせ面を構成する。
【0031】
この下側ベースカバー9には、その前端部に上方に延びる第1下側係合部99が、その前後方向中央部且つ車幅方向右側寄りに上方に延びる第2下側係合部101が、その後端部に上方に延びる第3下側係合部103がそれぞれ形成されている。これら第1〜第3下
側係合部は、第1〜第4上側係合部と基本的には同じ構造となっていて、その先端部に略楔状の係合爪を有している。
【0032】
また、下側ベースカバー9には、上側ベースカバー7の主位置決めピン85に対応する位置に(第2下側係合部101と第3下側係合部103との間に)、位置決め
筒105が形成されている。この位置決め筒105は、下側ベースカバー9を上側ベースカバー7に対して位置決めするための上方に延びる筒状の部材であり、薄肉の板状部材で構成された台座部107を介して下側ベースカバー9に設けられている。この台座部107は、横断面コ字状に形成されていることから、その先端部に設けられた位置決め筒105をしっかりと支持することができるとともに、その横断面が薄肉の板状部材で構成されていることから、その収縮による影響が小さくなるので、下側ベースカバー9の外側面にヒケが生じるのを抑制することができるようになっている。
【0033】
さらに、下側ベースカバー9には、第1下側係合部99の後側に、より詳しくは、ベース本体5の前側突条部65における車幅方向右側の端部に対応する位置に、当該前側突条部65に当接する前側回動規制部109が形成されている一方、第3下側係合部103の前側に、より詳しくは、ベース本体5の後側突条部69における車幅方向右側の端部に対応する位置に、当該後側突条部69に当接する後側回動規制部111が形成されている。
【0034】
前側回動規制部109は、下側ベースカバー9の上面から上方に延びる、前後方向と直交する方向に平行な略矩形板状の第1前側当接部材109aと、下側ベースカバー9の上面から上方に延びる、車幅方向と直交する方向に平行な略矩形板状の第2及び第3前側当接部材109b,109cと、を有している。第1前側当接部材109aと第2前側当接部材109bとは同じ高さであり、第2前側当接部材109bの前端部が第1前側当接部材109aの中央部に接続されている一方、第3前側当接部材109cは第1及び第2前側当接部材109a,109bよりも上方に突出するように高く形成されており、第1前側当接部材109aの車幅方向外側の端部が第3前側当接部材109cの前端部に接続されている。これにより、平面視で、第1前側当接部材109aと第2前側当接部材109bとが略T字状をなすとともに、第1前側当接部材109aと第3前側当接部材109cとが略L字状をなす一方、前後方向から見て、第1前側当接部材109aの上端と第3前側当接部材109cにおける第1前側当接部材109aよりも突出した部分とが略L字状をなしている。
【0035】
同様に、後側回動規制部111は、下側ベースカバー9の上面から上方に延びる、前後方向と直交する方向に平行な略矩形板状の第1後側当接部材111aと、下側ベースカバー9の上面から上方に延びる、車幅方向と直交する方向に平行な略矩形板状の第2及び第3後側当接部材111b,111cと、を有している。第1後側当接部材111aと第2後側当接部材111bとは同じ高さであり、第2後側当接部材111bの後端部が第1後側当接部材111aの中央部に接続されている一方、第3後側当接部材111cは第1及び第2後側当接部材111a,111bよりも上方に突出するように高く形成されており、第1後側当接部材111aの車幅方向外側の端部が第3後側当接部材111cの後端部に接続されている。これにより、平面視で、第1後側当接部材111aと第2後側当接部材111bとが略T字状をなすとともに、第1後側当接部材111aと第3後側当接部材111cとが略L字状をなす一方、前後方向から見て、第1後側当接部材111aの上端と第3後側当接部材111cにおける第1後側当接部材111aよりも突出した部分とが略L字状をなしている。
【0036】
また、下側ベースカバー9には、上方へ突出する、ベースカバー内部への風の侵入を抑えるための突条壁113が、下側周縁壁部97の内側近傍且つ下側周縁壁部97と略平行に形成されている。そうして、この突条壁113が、上側ベースカバー7に形成された略
L字状のリブ95と上側周縁壁部75との間の空間に嵌ることにより、上側ベースカバー7の上側周縁壁部75の内側にインロー嵌合によって組み合わされるようになっており、これにより、上側ベースカバー7と下側ベースカバー9とが、互いの周縁部にてインロー嵌合される。
【0037】
さらに、この突条壁113には、上側ベースカバー7に形成された4つの係合突部93に引っ掛かる4つの係合フック(係合部)115が形成されている。この係合フック115は、突条壁113に形成された2つの切欠部113aの間の部位に係合孔115aを形成してなっている。このように、係合フック115は、2つの切欠部113aによって剛な突条壁113から縁切されていることから、樹脂の持つ弾性を利用した撓み変形可能ものとなっている。
【0038】
以上のように構成された、ベース本体5と上側ベースカバー7と下側ベースカバー9とは、以下のように組み付けられている。
【0039】
すなわち、上側ベースカバー7は、
図11に示すように、主位置決めピン85が断面円形の第1位置決め孔51に挿入されているとともに、副位置決めピン87が断面長円状の第2位置決め孔53に挿入されていることにより、ベース本体5に対して位置決めされている。また、ベース本体5の円筒部41が上側ベースカバー7の挿通孔77に嵌っているとともに、円筒部41から径方向外側に突出する2つ突起部43が、挿通孔77の周縁部に形成された2つ切欠部79に嵌っている。さらに、
図10(A)に示すように、上側ベースカバー7の第4上側係合部91の係合爪が、ベース本体5の前側水平リブ33に形成された第5係合孔59に係合し、
図10(B)に示すように、上側ベースカバー7の第2上側係合部83の係合爪が、ベース本体5の支持プレート19に形成された第3係合孔49に係合し、
図10(C)に示すように、上側ベースカバー7の第1上側係合部81の係合爪が、ベース本体5の支持プレート19に形成された第1係合孔45に係合し、且つ、
図10(D)に示すように、上側ベースカバー7の第3上側係合部89の係合爪が、ベース本体5の前側水平リブ33に形成された第4係合孔55に係合している。
【0040】
このように、上側ベースカバー7の4つの上側係合部の係合爪が、ベース本体5の4つの係合孔に係合する(より正確には、4つの係合孔の周縁部に引っ掛かる)ことにより、上側ベースカバー7はベース本体5に対し上下方向に固定されている。また、主位置決めピン85を第1位置決め孔51に挿入していることから、上側ベースカバー7はベース本体5に対し前後方向や車幅方向にも固定されている。
【0041】
一方、断面十字状の主位置決めピン85を断面円形の第1位置決め孔51に挿入していることから、上側ベースカバー7はベース本体5に対して、主位置決めピン85周りに回動するとも思われるが、上側ベースカバー7が主位置決めピン85周りに回動しようとすると、副位置決めピン87が断面長円状の第2位置決め孔53の長辺部に当接することから、上側ベースカバー7はベース本体5に対して、上下方向軸周りの回動方向にも固定されている。
【0042】
このように、上側ベースカバー7を主位置決めピン85周りに回動可能としつつ、断面長円状の第2位置決め孔53に挿入された副位置決めピン87によって回動を抑えるという構成を採用することにより、樹脂製のものに比して高い精度を得難いアルミダイカスト製のベース本体5を用いる場合でも、ベース本体5の製造バラツキを吸収して、上側ベースカバー7をベース本体5に対して位置決め固定することができる。
【0043】
一方、下側ベースカバー9は、
図11に示すように、主位置決めピン85が位置決め筒105の筒孔105aに嵌合していることにより、上側ベースカバー7に対して位置決め
されている。また、
図12(A)に示すように、下側ベースカバー9の第3下側係合部103の係合爪が、ベース本体5の後側水平リブ35に形成された第2係合切欠部61に係合し、
図12(B)に示すように、下側ベースカバー9の第2下側係合部101の係合爪が、ベース本体5の支持プレート19に形成された第2係合孔47に係合し、
図12(C)に示すように、下側ベースカバー9の第1下側係合部99の係合爪が、ベース本体5の前側水平リブ33に形成された第1係合切欠部57に係合している。さらに、突条壁113が、上側ベースカバー7に形成された略L字状のリブ95と上側周縁壁部75との間の空間に嵌ることにより、上側ベースカバー7と下側ベースカバー9とは、互いの周縁部にてインロー嵌合されている。加えて、4つの係合フック115が、上側ベースカバー7に形成された4つの係合突部93に引っ掛かっている。また、
図13(A)に示すように、前側回動規制部109が前側突条部65に当接するとともに、
図13(B)に示すように、後側回動規制部111が後側突条部69に当接している。
【0044】
このように、下側ベースカバー9の3つの下側係合部の係合爪が、ベース本体5の1つの係合孔及び2つの係合切欠部に係合することにより、下側ベースカバー9は意図的に外そうとしない限り、ベース本体5に対し上下方向に固定されている。また、主位置決めピン85が位置決め筒105の筒孔105aに嵌合していることから、下側ベースカバー9は上側ベースカバー7に対し前後方向や車幅方向にも固定されている。
【0045】
一方、断面十字状の主位置決めピン85を断面円形の筒孔105aに嵌合していることから、下側ベースカバー9は上側ベースカバー7に対して、主位置決めピン85周りに回動するとも思われるが、上側ベースカバー7と下側ベースカバー9とがインロー嵌合されていることから、下側ベースカバー9は上側ベースカバー7に対して、上下方向軸周りの回動方向にも固定されている。
【0046】
もっとも、インロー嵌合の場合には、組み付け易さ考慮して通常「遊び」を持たせるところ、製造バラツキ等によりかかる「遊び」に偏りが生じると、上側ベースカバー7と下側ベースカバー9とが上下方向軸周りにズレるおそれがある。
【0047】
そこで、本実施形態のミラーベース構造では、上述の如く、前側回動規制部109を前側突条部65に当接させるとともに、後側回動規制部111を後側突条部69に当接させる構成を採用している。これにより、
図13(A)に示すように、下側ベースカバー9に形成された前側回動規制部109の第3前側当接部材109cがベース本体5の前側突条部65の車幅方向右側端に当接するとともに、
図13(B)に示すように、下側ベースカバー9に形成された後側回動規制部111の第3後側当接部材111cがベース本体5の後側突条部69の車幅方向右側端に当接することにより、上側ベースカバー7に対する下側ベースカバー9の回動が規制されて、位置ズレが抑えられる。また、
図13(A)に示すように、下側ベースカバー9に形成された前側回動規制部109の第2前側当接部材109bがベース本体5の前側突条部65の下端に当接するとともに、
図13(B)に示すように、下側ベースカバー9に形成された後側回動規制部111の第2後側当接部材111bがベース本体5の後側突条部69の下端に当接することにより、下側ベースカバー9が上側ベースカバー7に対して深く嵌りすぎるのを抑えることができる。
【0048】
このように、下側ベースカバー9を主位置決めピン85周りに回動可能としつつ、前側回動規制部109を前側突条部65に当接させるとともに、後側回動規制部111を後側突条部69に当接させることによって位置ズレを抑えるという構成を採用することにより、組み付け易さ考慮した「遊び」を許容しつつ、下側ベースカバー9を上側ベースカバー7に対して位置決めすることができる。
【0049】
−効果−
本実施形態によれば、上側ベースカバー7には主位置決めピン85が形成されていることから、当該上側ベースカバー7をベース本体5に対して位置決めすることができる一方、下側ベースカバー9を、位置決め筒105によって、位置合わせをし易い同じ樹脂製の上側ベースカバー7に対して位置決めするので、当該下側ベースカバー9についても、上側ベースカバー7を介して、ベース本体5に対して正確に位置決めすることができる。
【0050】
また、下側ベースカバー9を上側ベースカバー7に対して、上下方向軸周りに回動可能に位置決めすることで、「遊び」を許容しつつ、ベース本体5に当接する回動規制部によって、上側ベースカバー7に対する下側ベースカバー9の回動を規制して、位置ズレを抑えることができる。
【0051】
さらに、主位置決めピン85を位置決め筒105に嵌合させることから、3部品間の位置決め基準を同じ位置に設定することができるので、これら3部品間の相対位置が定め易くなる。
【0052】
また、回動規制部がベース本体5に対し、上下方向軸周りの回動方向で当接することによって、下側ベースカバー9と上側ベースカバー7との間で回動方向で位置ズレが生じるのを抑えることができるとともに、上下方向で当接することによって、下側ベースカバー9が上側ベースカバー7に対して深く嵌りすぎるのを抑えることができる。
【0053】
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
【0054】
上記実施形態では、主位置決めピン85を位置決め筒105に嵌合させて3部品間の位置決め基準を同じ位置に設定したが、下側ベースカバー9を上側ベースカバー7に対して位置決めするのであれば、これに限らず、下側ベースカバー9を主位置決めピン85とは異なる位置で位置決めしてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、上側ベースカバー7をベース本体5に対して位置決めする一方、下側ベースカバー9を上側ベースカバー7に対して位置決めしたが、これに限らず、下側ベースカバー9をベース本体5に対して位置決めする一方、上側ベースカバー7を下側ベースカバー9に対して位置決めしてもよい。
【0056】
さらに、上記実施形態では、前側回動規制部109を前側突条部65に当接させるとともに、後側回動規制部111を後側突条部69に当接させることによって、下側ベースカバー9の位置ズレを抑えるという構成としたが、前側及び後側回動規制部109、111を、以下のように用いることもできる。すなわち、試作品段階で位置ズレが生じていることが分かれば、前側及び後側回動規制部109、111を基準として、かかる前側及び後側回動規制部109、111に対応する金型の部位を削ったり、逆に詰め物をしたりすることにより、他の部分を修正することなく、位置調整された下側ベースカバー9を製造することが可能となる。
【0057】
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。