(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012327
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】乳化状栄養組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 33/12 20160101AFI20161011BHJP
A23L 33/19 20160101ALI20161011BHJP
A23L 29/10 20160101ALI20161011BHJP
【FI】
A23L33/12
A23L33/19
A23L29/10
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-167976(P2012-167976)
(22)【出願日】2012年7月30日
(65)【公開番号】特開2014-24819(P2014-24819A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2015年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000144577
【氏名又は名称】株式会社三和化学研究所
(72)【発明者】
【氏名】浅田 正貴
(72)【発明者】
【氏名】伊佐治 知也
(72)【発明者】
【氏名】安井 文一郎
【審査官】
飯室 里美
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−279105(JP,A)
【文献】
特開2012−070722(JP,A)
【文献】
特開2011−132176(JP,A)
【文献】
特開2010−263791(JP,A)
【文献】
シリーズ〈食品の科学〉乳の科学,1998年,第10−11頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 5/40− 5/49
A23L 31/00−33/21
A61K 9/00− 9/72
A61K 31/00−33/44
A61K 38/00−38/58
A61K 41/00−48/00
A61P 1/00−43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/FSTA/FROSTI/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛋白質、油脂、乳化剤、糖質及び水を含む乳化状栄養組成物であって、
蛋白質1に対して脂質が7〜38の質量割合であり、
蛋白質としてカゼイネート(A)のみを含有し、カゼイネート(A)を0.1〜5.0質量%、及び
乳化剤として、脂肪酸との平均エステル結合数が1.2〜2.0のジグリセリンの脂肪酸エステルであるポリグリセリン脂肪酸エステル(B)を0.01〜1.0質量%
含有し、乳化安定性が良好であることを特徴とする乳化状栄養組成物。
【請求項2】
さらに、乳化剤として、脂肪酸との平均エステル結合数が3〜8で平均グリセリン重合度が3.5〜6のポリグリセリンの脂肪酸エステルであるポリグリセリン脂肪酸エステル(C)を0.01〜9質量%含有することを特徴とする、請求項1に記載の乳化状栄養組成物。
【請求項3】
前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)が、平均グリセリン重合度に対する平均エステル結合数の割合が0.9〜1.5であるポリグリセリン脂肪酸エステルである、請求項2に記載の乳化状栄養組成物。
【請求項4】
油脂、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)、及び前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)の総量が1〜18質量%である、請求項2又は3に記載の乳化状栄養組成物。
【請求項5】
前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)が、脂肪酸との平均エステル結合数が1.3〜1.7のジグリセリンの脂肪酸エステルである、請求項1〜4のいずれかに記載の乳化状栄養組成物。
【請求項6】
前記脂肪酸が、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、ベヘン酸、及びエルカ酸からなる群から選択される一以上の脂肪酸である、請求項1〜5のいずれかに記載の乳化状栄養組成物。
【請求項7】
前記脂肪酸がオレイン酸及び/又はステアリン酸である、請求項6に記載の乳化状栄養組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動食、濃厚流動食、経腸栄養剤、総合栄養食、特殊用途濃厚流動食、及び病態別濃厚流動食などに好適に用いることができる乳化状栄養組成物に関する。より詳しくは、経腸栄養法で使用され、蛋白質、油脂、乳化剤、糖質及び水を含み、液状で流動性のある乳化状栄養組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の食事を摂取できない高齢者に対する栄養の投与の方法として、腸の萎縮を防ぎ、防御機能を維持できる利点があり、厳密な無菌操作を必要としない経腸栄養法が安全性の高い方法として用いられている。
【0003】
しかし、経腸栄養法を施行している高齢者において、経腸栄養剤の投与期間の長期化に伴った蛋白質摂取量の増加に起因する腎臓機能への負担が問題となっている。一般的に高齢者は腎臓機能が低下している場合が多く、腎臓透析導入者数は年々増加傾向にある。また、腎臓疾患は、近年増加の一途を辿っている糖尿病患者における三大合併症の一つとしても知られており、糖尿病性腎症は、慢性透析を導入する原因の1位ともなっている。このことからも、経腸栄養法を施行する患者にとって、蛋白質摂取量を低減させることによる腎臓への負担軽減は、大きな課題の一つとなっている。
【0004】
また、蛋白質量を低減させた経腸栄養剤の場合、乳化安定性の低さが問題となる。乳化状栄養組成物は、一般的に蛋白質と乳化剤による乳化で乳化安定性が確保されているが、極端に蛋白質量を低減させた場合に、その乳化安定性が低下するからである。さらに、蛋白質量を低減させた経腸栄養剤は、一般的に蛋白質量の低減に伴って低下するエネルギーを補う為に、糖質と油脂を増加させることで栄養成分を補うが、蛋白質の低減に伴った油脂量の増加は、乳化安定性の低下をさらに助長させることに繋がる。
【0005】
よって、蛋白質量を低減させた経腸栄養剤においては、蛋白質量が少なく油脂量が多い組成であっても、熱殺菌後の乳化安定性が高く、さらに飲用を目的としているため、粘度が低く臭味や苦味などがないといった品質が求められる。
【0006】
このような乳化状栄養組成物を提供するために、従来様々な工夫がなされてきた。例えば、特許文献1には、蛋白質量が少なくても、嫌味を軽減された医療用栄養組成物に関する技術が開示されている。これは、トレハロースの添加により、蛋白質が少ない状態であっても、乳化組成物の乳化剤の嫌味が少なくなることを示したものであるが、蛋白質の減少により低下したエネルギー分を糖質で補うことは、脂質の増加を伴わないため乳化状態に影響を与えることは少なく、技術的に容易である。しかし、蛋白質の減少により低下したエネルギーを糖質のみで補うことは、糖質と脂質のエネルギーバランスを考慮した場合に適切とはいえない。
【0007】
特許文献2においては、腎臓疾患患者に用いられる低蛋白質食で、一般的に行われる蛋白質減少分のエネルギーを糖質により補うことによりみられる高トリグリセリド血漿に対し、高蛋白質組成のまま総熱量に対する脂質の割合を高めると共に、糖質の割合を低くすることで問題の解決が図られている。しかし、腎疾患患者にとって最も問題となる蛋白質摂取量を減らすこと自体についての問題解決はされていない。
【0008】
特許文献3には、腎臓病患者の各症状に適用可能な液状調整栄養組成物に関する技術が開示されている。これは、従来と同様の高蛋白組成物に低蛋白組成物を要時に適宜混合して使用する技術であるが、低蛋白組成物の乳化安定性の悪さについては言及されておらず、特段の解決も図られていない。
【0009】
上記の通り、蛋白質量が少ない組成でありながら高い油脂量であっても、熱殺菌後の乳化安定性が高く、さらに飲用の目的に適う、粘度が低く臭味や苦味などの無い乳化状栄養組成物はこれまでになかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−279105号公報
【特許文献2】特開2000−264844号公報
【特許文献3】特開平10−66541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、以上のような背景のもとでなされたもので、蛋白質量が少ない組成でありながら高い油脂量であっても、熱殺菌後の乳化安定性が高く、さらに飲用の目的に適う、粘度が低く臭味や苦味などがない乳化状栄養組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、蛋白質量が少ない組成でありながら高い油脂量であっても、熱殺菌後の乳化安定性が高い乳化状栄養組成物とするために鋭意検討したところ、カゼイネート及び特定の乳化剤を特定量併用すると、熱殺菌後においても乳化安定性の高い乳化状栄養組成物ができることを見出し、本発明を完成させた。本発明は、以下の<1>〜<
7>の発明からなる。
【0013】
<1>蛋白質、油脂、乳化剤、糖質及び水を含む乳化状栄養組成物であって、蛋白質1に対して脂質が7〜38の質量割合であり、蛋白質として
カゼイネート(A)のみを含有し、カゼイネート(A)を0.1〜5.0質量%、及び乳化剤として、脂肪酸との平均エステル結合数が1.2〜2.0のジグリセリンの脂肪酸エステ
ルであるポリグリセリン脂肪酸エステル(B)を0.01〜1.0質量%含有し、乳化安定性が良好であることを特徴とする乳化状栄養組成物。
【0014】
<2>さらに、乳化剤として、脂肪酸との平均エステル結合数が3〜5で平均グリセリン重合度が3.5〜6のポリグリセリンの脂肪酸エステルであるポリグリセリン脂肪酸エステル(C)を0.01〜9質量%含有することを特徴とする、前記<1>に記載の乳化状栄養組成物。
【0015】
<3>前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)が、平均グリセリン重合度に対する平均エステル結合数の割合が0.9〜1.5であるポリグリセリン脂肪酸エステルである、前記<2>に記載の乳化状栄養組成物。
【0016】
<4>油脂、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)、及び前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)の総量が1〜18質量%である、前記<2>又は<3>に記載の乳化状栄養組成物。
【0017】
<5>前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)が、脂肪酸との平均エステル結合数が1.3〜1.7のジグリセリンの脂肪酸エステルである、前記<1>〜<4>のいずれかに記載の乳化状栄養組成物。
【0018】
<6>前記脂肪酸が、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、ベヘン酸、及びエルカ酸からなる群から選択される一以上の脂肪酸である、前記<1>〜<5>のいずれかに記載の乳化状栄養組成物。
【0019】
<7>前記脂肪酸がオレイン酸及び/又はステアリン酸である、前記<6>に記載の乳化状栄養組成物。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、蛋白質量が少なく油脂量が多い組成でありながら、熱殺菌後の乳化安定性が高く、さらに飲用の目的に適う、粘度が低く臭味や苦味などがない乳化状栄養組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[エネルギー必要量と乳化状栄養組成物の低蛋白性]
本発明の乳化状栄養組成物は、基本組成としては、水、蛋白質、脂質、及び糖質から構成され、通常更に、食物繊維、ビタミン、及びミネラル等を含む。そのバランスは厚生労働省において策定された「日本人の食事摂取基準(2010年度版)」などを参考にして、それぞれの目的に則して設定される。ただし、「日本人の食事摂取基準(2010年度版)」は健常人を対象に設定されているため、1日あたりのエネルギー必要量は1350kcal〜2750kcalであるが、流動食を使用する人は、寝たきりであり基礎代謝量が低下している場合が多く、1日の必要熱量は800kcal〜1500kcalで設定されることが多い。
【0023】
乳化剤は体内で脂肪酸に分解されカロリー源として働くので、本発明においては、脂質とは、油脂と乳化剤とを合わせたものを意味する。本発明の乳化状栄養組成物は、質量基準で脂質を蛋白質1に対して7〜38、好ましくは8〜25、より好ましくは10〜15の質量割合で含有する。脂質の当該数値が7を下回る場合には必要熱量を確保することができず、38を上回る場合には乳化安定性の低下をまねく。
【0024】
[蛋白質及びカゼイネート(A)]
本発明の乳化状栄養組成物は、蛋白質としてカゼイネート(A)を用いる。カゼイネート(A)は具体的には、カゼインNa、カゼインK、カゼインCa、及びカゼインMg等を例示することができ、乳より生成されたカゼイネートが一般的である。カゼイネート(A)の配合量は液状栄養組成物全体の0.1〜5質量%とすることが必須であり、好ましくは0.15〜1質量%であり、より好ましくは0.2〜0.8質量%である。栄養学的に腎臓への負担を考慮した場合の配合量は少ないほどよいが、0.1質量%より少ないと、乳化安定性が著しく低下する。また、5質量%より多いと栄養学的にも必要十分量以上であり、腎臓への負担も大きくなり、腎臓疾患患者にとって好ましくないだけでなく、乳化安定性の低下をまねく。また、本発明の乳化状栄養組成物は、蛋白質としてカゼイネート(A)以外の蛋白質を少量用いることができるが、カゼイネート(A)のみとすることが好ましい。尚、本発明における蛋白質の配合量は、通常、液状栄養組成物全体の0.1〜6質量%、好ましくは0.15〜2質量%である。
【0025】
[ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)]
本発明の乳化状栄養組成物は、乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル(B)を用いる。ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)は、脂肪酸との平均エステル結合数が1.2〜2.0のジグリセリンの脂肪酸エステル、及び/又は脂肪酸との平均エステル結合数が2〜3のトリグリセリンの脂肪酸エステルである。ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)は、好ましくは前者、すなわち、脂肪酸との平均エステル結合数が1.2〜2.0のジグリセリンの脂肪酸エステルであり、中でも平均エステル結合数が1.3〜1.7のものが好ましく、1.5のものが特に好ましい。平均エステル結合数が1.2〜2.0の範囲を外れると、ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)の親水親油バランスが崩れ、微細な乳化粒子及び乳化安定性が得られなくなる。後者の脂肪酸との平均エステル結合数が2〜3のトリグリセリンの脂肪酸エステルは、前者の脂肪酸との平均エステル結合数が1.2〜2.0のジグリセリンの脂肪酸エステルと同等の性質を有するため、同様の効果が期待できるものである。尚、本発明において、平均エステル結合数とは、ポリグリセリン骨格1分子に結合している脂肪酸の平均数をいう。前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)は液状栄養組成物全体の0.01〜1.0質量%であることが必須であり、好ましくは0.1〜0.75質量%、より好ましくは0.3〜0.6質量%である。ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)が0.01質量%より少ない、又は1.0質量%より多い場合、微細な乳化粒子及び乳化安定性が得られない。尚、本発明においては、ジグリセリンとは平均グリセリン重合度が1.5以上2.5未満のポリグリセリン、トリグリセリンとは平均グリセリン重合度が2.5以上3.5未満のポリグリセリンと定義される。ここで、平均グリセリン重合度とは、ポリグリセリン骨格における重合したグリセリン分子数の平均を示す。ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)の平均グリセリン重合度が4以上の場合は、油脂に溶解した場合の界面張力を低下させる作用が著しく低下し、微細な乳化粒子及び乳化安定性が得られない。また、ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)の代わりにモノグリセリン脂肪酸エステルを使用した場合は、親水親油バランスが崩れ、油脂に溶解させた場合に界面張力を低下させる作用が著しく低下し、微細な乳化粒子及び乳化安定性が得られなくなる。ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)において、脂肪酸としては、好ましくは炭素数14〜22、より好ましくは炭素数16〜20、さらに好ましくは炭素数18の飽和又は不飽和の1価のカルボン酸が用いられる。具体的には、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、ベヘン酸、及びエルカ酸等が挙げられ、中でも、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、及びリノレン酸が好ましい。
【0026】
[ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)]
本発明の乳化状栄養組成物は、乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル(C)を用いることができる。ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)は、脂肪酸との平均エステル結合数が3〜8で平均グリセリン重合度が3.5〜6のポリグリセリンであるポリグリセリン脂肪酸エステル(C)である。ここで、平均エステル結合数は好ましくは4〜6、より好ましくは5である。ポリグリセリンの平均グリセリン重合度は好ましくは4〜5、より好ましくは4である。平均エステル結合数が小さすぎたり大きすぎたりすると、ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)の親水親油バランスが崩れ、ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)の疎水基の蛋白質の疎水性領域への結合と保護作用が低下することで、蛋白質の疎水基の疎水性領域同士の集合による蛋白質凝集をもたらすおそれがあり、その結果、微細な乳化粒子及び乳化安定性が得られないおそれがある。また、平均グリセリン重合度が大きすぎると、ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)の親水基が大きくなることで親水性が高まり、ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)の疎水基の蛋白質の疎水性領域への結合作用が低下することで、蛋白質の疎水基の疎水性領域同士の集合による蛋白質凝集をもたらすおそれがあり、その結果、微細な乳化粒子及び乳化安定性が得られないおそれがある。平均グリセリン重合度が小さすぎる場合、ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)の親水基が小さくなることから親油性は高まるが、ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)全体としての分子量が小さくなることから、当該分子が蛋白質の疎水性領域へ結合した場合の蛋白質疎水基の保護作用は弱く、蛋白質の疎水基の疎水性領域同士の集合による蛋白質凝集を防ぐ作用を効果的に得られないおそれがある。その結果、微細な乳化粒子及び乳化安定性が得られないおそれがある。ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)は、通常、液状栄養組成物全体の0.01〜9質量%用いるが、好ましくは0.5〜7質量%、より好ましくは0.7〜5質量%である。尚、乳化剤の種類や特徴の示し方としてHLB(親水親油バランス)による方法があるが、本発明においてはHLBを用いた場合に正確な分類及び特定が困難であった。そこで、本発明ではポリグリセリン脂肪酸エステル(C)の分類及び特定を、平均グリセリン重合度及び平均エステル結合数を指標として行った。平均グリセリン重合度に対する平均エステル結合数の割合は、0.9〜1.5が好ましく、より好ましくは1.0〜1.25である。平均グリセリン重合度に対する平均エステル結合数の割合が小さすぎたり大きすぎたりすると、ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)の親水親油バランスが崩れ、ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)の疎水基の蛋白質の疎水性領域への結合と保護作用が低下することで、蛋白質の疎水基の疎水性領域同士の集合による蛋白質凝集をもたらすおそれがある。その結果、微細な乳化粒子及び乳化安定性が得られないおそれがある。ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)において、脂肪酸としては、好ましくは炭素数14〜22、より好ましくは16〜20、さらに好ましくは18の飽和又は不飽和の1価のカルボン酸が用いられる。具体的には、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、ベヘン酸、及びエルカ酸等が挙げられ、中でも、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、及びリノレン酸が好ましい。
【0027】
[油脂]
本発明に用いる油脂は、本発明の目的を逸脱しない範囲で一般に食用として利用されているものを使用できる。油脂としては例えば、ナタネ油、大豆油、コーン油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、ヒマワリ油、オリーブ油、米油、及びシソ油等の植物性油脂、並びに、牛脂、豚脂、乳脂、魚油、及びMCTなどが挙げられる。
【0028】
[糖質]
本発明に用いる糖質は、本発明の目的を逸脱しない範囲で一般に食用として利用されているものを使用できる。糖質としては例えば、澱粉分解物以外に、ブドウ糖、果糖などの単糖類、蔗糖、乳糖、トレハロース、パラチノースなどの二糖類、オリゴ糖、澱粉、異性化糖、還元水飴、還元デキストリンなどが挙げられる。糖質の配合量としては、栄養組成として蛋白質(A)及び脂質の配合に対し、必要栄養組成としてのエネルギーを充足させるための残りを配合する。すなわち、液状栄養組成物全体の、好ましくは17〜28質量%、より好ましくは20〜25質量%配合される。糖質のエネルギー比率としては、全体の47〜71%が好ましく、より好ましくは51〜67%、最も好ましくは55〜63%である。
【0029】
[脂質]
本発明における脂質の総量、すなわち、乳化剤であるポリグリセリン脂肪酸エステル(B)及びポリグリセリン脂肪酸エステル(C)、並びに油脂の総量は、好ましくは液状栄養組成物全体の1〜18質量%、より好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは4〜12質量%、最も好ましくは5〜9質量%である。油脂と乳化剤との総量が1質量%より少ないと栄養学的な価値が低くなり、18質量%よりも多いと乳化安定性が得られない。脂質のエネルギー比率としては、全体の28〜52%が好ましく、より好ましくは32〜48%、最も好ましくは36〜44%である。
【0030】
[その他の原材料]
本発明の乳化状栄養組成物は、上記の必須成分以外に、食物繊維、ミネラル、ビタミン、香料を使用してもよい。また、本発明の乳化状栄養組成物は液状栄養組成物であり、言うまでもなく水を含んでいるが、その含量は、通常、液状栄養組成物全体の45〜80質量%である。
【0031】
[食物繊維]
本発明に用いる食物繊維は、栄養組成物の生理効果を高めるため、本発明の目的を逸脱しない範囲で一般に食用として利用されているものを使用してもよい。食物繊維としては例えば、タマリンドシードガム、グァーガム、グァーガム酵素分解物、小麦胚芽、難消化性デキストリン、大豆食物繊維、プルラン、アラビアガム、難消化性デキストリン、ビートファイバー、低分子化アルギン酸ナトリウム、寒天、キサンタンガム、ジェランガム、サイリウム種皮、セルロース、ポリデキストロース、コーンファイバー、及び小麦ふすまなどが挙げられる。
【0032】
[ミネラル]
本発明の乳化状栄養組成物は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、セレン、クロム、モリブデン、マンガン、及びヨウ素などのミネラルを含むことができる。用いる原料としては、本発明の目的を逸脱しない範囲で一般に食用として利用されているものを使用してよい。
【0033】
[ビタミン]
本発明の乳化状栄養組成物は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸Ca、葉酸、ビタミンB12、ビタミンC、及びビオチンなどのビタミンを含むことができる。用いる原料としては、本発明の目的を逸脱しない範囲で一般に食用として利用されているものを使用してよい。
【0034】
[熱量]
本発明の乳化状栄養組成物の熱量は、流動食1mlあたり1.0kcal以上が好ましく、より好ましくは1.2kcal以上、最も好ましくは1.5kcal以上である。臨床栄養的に、単位体積あたりの熱量を多くすることは、必要摂取量(体積)の低減や投与時間の短縮等、投与者と摂取者の両者に対して利点のあるものとして評価されている。
【0035】
[製造方法の概要]
本発明の乳化状栄養組成物は、以下のような調合、均質化、殺菌、及び充填を行うことにより製造することができる。
【0036】
[製造方法・調合]
調合工程は、水に乳化状栄養組成物の原材料を溶解する工程である。原材料は、調合タンク投入後に調合タンクに付属したプロペラによる撹拌で溶解させる。溶難い原材料の場合は、高速撹拌機もしくは粉体溶解機のような溶解機器を用いて溶解させる。調合時の水温は、25℃〜80℃が好ましく、より好ましくは35℃〜70℃、最も好ましくは40〜60℃である。水温が低い場合は、原材料の溶解は効率的に行なえず、効率的な作業を阻害する。また、未溶解物が残った場合には、その後の均質化工程に送液する際の配管詰まりや、均質化機での均質化に支障をきたす。水温が高い場合は、原材料は一般的に低温よりも効率的に溶解できるが、ビタミンや魚油などの熱変性しやすい成分の劣化を発生させ、品質において好ましくない影響がでる。
【0037】
[製造方法・均質化]
乳化状栄養組成物の均質化は、油脂のO/W乳化を目的として行う。O/W乳化における乳化粒子の微細化には、高速ホモミキサー、マントンゴーリン式ホモジナイザー(低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー)、マイクロフルイダイザー(商品名,マイクロフルイディスク社製)などが用いられる。均質化能力や処理流量や製造コストから、高圧ホモジナイザーが好ましく用いられる。均質化圧力は10MPa〜100MPaが好ましく、より好ましくは30MPa〜80MPa、最も好ましくは40MPa〜60MPaである。
【0038】
[製造方法・殺菌]
乳化状栄養組成物の殺菌は、レトルト殺菌、UHT殺菌などの加熱殺菌が用いられる。UHT殺菌には直接方式と間接方式があり、間接方式にはプレート式とチューブラー式がある。また、直接方式はスチームインジェクション式とスチームインフュージョン式がある。本発明の目的を逸脱せず殺菌が十分に行える条件であれば、いずれの殺菌方法を用いてよい。
【0039】
[製造方法・充填]
乳化状栄養組成物の容器への充填については、レトルト殺菌の場合は、殺菌前に密封容器に充填する。UHT殺菌の場合は、殺菌後に無菌的に密封容器に充填する。密封容器は、レトルト殺菌の場合は、アルミパウチやソフトバッグ容器などの軟包材が挙げられ、UHT殺菌の場合はテトラパックやPETボトルなどが挙げられる。栄養組成物の酸化を抑制するために、軟包材の場合は、ポリ塩化ビニリデンコート、酸化アルミ(アルミナ)系透明蒸着、シリカ系透明蒸着フィルムなどを用いるのが好ましい。またテトラパックの場合は、ストリップテープからの酸素透過による酸化を抑制するために、MSEストリップテープなどを用いるのが好ましい。
【実施例】
【0040】
[性状]
本発明における乳化安定性の確認項目の一つとして、性状の確認を行った。性状の確認は、製造24時間経過後、及び、製造後60℃の恒温槽で72時間経過後に行った。長期間経過後の保存安定性の確認は時間がかかるため、経験則に基づき、20℃の室温で6ヶ月経過後の性状とほぼ同様になる60℃72時間経過後の性状を確認した。性状については、凝集、クリーミング、及び沈澱の項目で目視にて観察した。それぞれの項目について、全く認められないものについては「◎」、僅かに認められる程度で問題のないものについては「○」、認められるが問題とならないものについては「△」、顕著に認められ問題となるものについては「×」と評価した。本発明において、乳化安定性が良好であるとは、製造後60℃の恒温槽で72時間経過後においても、凝集、クリーミング、及び沈澱の項目から判断される乳化状態に問題がない、すなわち、前記評価では△以上の判定のものをいう。
【0041】
[粒子径]
本発明における乳化安定性の確認項目の一つとして、粒子径の測定をした。粒子径の測定は、製造24時間経過後、及び、製造後60℃の恒温槽で72時間経過後に行った。乳化粒子の粒子径は、製造24時間経過後と製造後60℃72時間経過後とで、変化が少ないほど乳化粒子の安定性は高いと判断でき、変化が大きいほど不安定であると判断できる。また、乳化粒子の粒子径は小さいほど乳化安定性に優れ、大きいほど不安定であることは、ストークスの法則によって一般的に知られている(食品コロイド入門(西成勝好監訳)幸書房p93)。本発明の乳化状栄養組成物の粒径は、製造24時間経過後に(株)堀場製作所製レーザー回折式粒度分布計LA−950を用いて測定した。粒子径の評価は、0.25μmより小さいものを「◎」、0.25μm以上で0.3μmより小さいものを「○」、0.3μm以上で0.4μmより小さいものを「△」、0.4μm以上のものを「×」とした。
【0042】
[粘度]
本発明の乳化状栄養組成物の粘度は、製造24時間経過後、及び、製造後60℃の恒温槽で72時間経過後(以下、温度の記載は省略)に行った。乳化状栄養組成物が飲用であるという観点から、飲みやすい性状であることが求められ、低い粘度とすることが好ましい。乳化状栄養組成物の粘度は、品温20℃において15mPa・s以下が好ましく、より好ましくは10mPa・s以下である。粘度測定は、ブルックフィールドエンジニアリングラボラトリーズ社製B型粘度計を使用し、ローターBLアダプター・回転数30で測定した。粘度の評価は、10mPa・sより小さいものは「◎」、10〜13mPa・sのものは「○」、14〜17mPa・sのものは「△」、18mPa・sより大きいものは「×」とした。
【0043】
[官能試験]
本発明における官能試験は、製造24時間経過後に25歳〜50歳のパネラー6名によって行った。臭味、苦味、及び乳化剤特有のえぐ味が全く感じられないものは「◎」、臭味、苦味、及び乳化剤特有のえぐ味がほとんど感じられないものは「○」、臭味、苦味、及び乳化剤特有のえぐ味を感じるが飲用には問題ないものは「△」、臭味、苦味、及び乳化剤特有のえぐ味を強く感じ飲用に値しないものは「×」とした。酸味の好ましさは、美味しく飲用できるものは「○」、酸味に刺激を感じるが飲用には問題ないものは「△」、酸味に刺激を感じ飲用に値しないものは「×」とした。
【0044】
[総合評価]
総合評価は、以下のようにした。性状及び官能試験の評価項目で「×」も「△」も「○」もない場合は「◎」とした。「×」と「△」が1つもなく「○」が1つでもあった物については「○」、「×」が1つもなく「△」が1つでもあったものは「△」、「×」が1つでもあったものは「×」とした。
【0045】
[実施例1]
本発明の乳化状栄養組成物の代表例を示す。表1及び2のように、カゼイネート0.5質量%、モノ・ジオレイン酸ジグリセリン0.5質量%、ペンタオレイン酸テトラグリセリン2.0質量%、ナタネ油3.5質量%、魚油乳化製剤1.1質量%、澱粉分解物22.8質量%、難消化性デキストリン2.4質量%、メタリン酸ナトリウム0.04質量%、クエン酸3Na0.06質量%、クエン酸3K0.08質量%、塩化Na0.024質量%、硫酸Mg0.05質量%、クエン酸第一鉄Na0.013質量%、炭酸Ca0.0997質量%、炭酸Mg0.06質量%、微量ミネラルミックス0.028質量%、ビタミンミックス0.0451質量%、コーヒー香料0.305質量%を、総質量2000gとなるように50℃の温水に溶解させた。これを50℃保持のまま、均質化圧40MPaで2回処理した。常温まで冷却したのちに100gずつアルミパウチに密封充填し、122℃6分でボイル殺菌した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
実施例1の評価の結果は表3のように、栄養成分は熱量1.6kcal/ml、蛋白質1エネルギー%、糖質60エネルギー%、油脂37エネルギー%、食物繊維2エネルギー%、アミノ酸スコア100である。物性分析の結果は、製造24時間経過後で、凝集、クリーミング共に全く認められず、臭味や苦味についても全く認められず、粒子径は0.22μm、粘度は8.0mPa・sであった。また、製造72時間経過後でも、凝集、クリーミング共に全く認められず、粒子径は0.23μm、粘度は8.0mPa・sとなり良好であった。
【0049】
【表3】
【0050】
[実施例2−1〜2、比較例2−1〜2]
実施例1のカゼイネート(A)を表4のように変更した以外は、実施例1と同様に製造した。その評価結果は表5のように、カゼインNaを0.2質量%に減らした場合、実施例1と比較して製造72時間経過後にクリーミング、粒子径、及び粘度について、それぞれ若干の物性の悪化が確認されたものの、総合評価は「○」となった。また、実施例1のカゼインNaをカゼインKに変更し0.3質量%とした場合においては、実施例1と比較して製造72時間経過後に、粘度について若干の物性の悪化が確認されたものの、総合評価は「○」となった。実施例1のカゼインNaをその他の乳蛋白質とした場合は、製造24時間経過後より著しい凝集が発生し、総合評価は「×」となった。
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
[実施例3−1〜4、比較例3−1〜5]
実施例1のポリグリセリン脂肪酸エステル(C)を無配合とした状態で、ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)を表6のように変更した以外は、実施例1と同様に製造した。その評価結果は表7に示す。実施例1のポリグリセリン脂肪酸エステル(B)と同じ乳化剤である、平均グリセリン重合度が2であり、平均エステル結合数が1.5であるモノ・ジオレイン酸ジグリセリンを使用する場合(実施例3−2)、製造24時間後と72時間後共に、比較的性状は良好であり、乳化粒子も微細であり、粘度も低く、また、官能試験においても良好となり、総合評価が「○」となることが確認された。また、オレイン酸をステアリン酸とした場合(実施例3−1)にも、ほぼ同様に総合評価が「○」となる事が確認された。尚、モノ・ジオレイン酸ジグリセリンの濃度を0.1質量%又は0.75質量%とした場合、0.5質量%の場合と比較して、粒子径の粗大化と粘度の増加を伴った若干の乳化安定性の低下がみられると共にクリーミングの増加が確認され、総合評価は「△」となったが、総合評価が「×」となるほどの著しい乳化安定性の低下はみられなかった。一方で、モノ・ジオレイン酸ジグリセリンの濃度を0.005質量%又は1.2質量%とした場合、製造24時間経過後より著しい凝集が確認され、総合評価は「×」となった。また、平均グリセリン重合度が2で平均エステル結合数が1の場合、及び平均グリセリン重合度が4で平均エステル結合数が1の場合においても、製造24時間経過後より著しい凝集が確認され、総合評価は「×」となった。
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】
【0056】
[実施例4−1〜10、比較例4−1〜2]
実施例1のポリグリセリン脂肪酸エステル(C)を表8のように変更した以外は、実施例1と同様に製造した。その評価結果は表9に示す。実施例1のポリグリセリン脂肪酸エステル(C)と同じ乳化剤である、平均グリセリン重合度が4であり、平均グリセリン重合度に対する平均エステル結合数の割合が1.25であるペンタオレイン酸テトラグリセリンを実施例1と同濃度(2.0質量%)で使用した場合(実施例4−3)、製造24時間後と72時間後共に、性状は著しく良好であり、乳化粒子も微細であり、粘度も低く、高い乳化安定性を有することが認められた。また、官能試験においても良好となり、総合評価が「◎」となり、実施例1の再現性が確認された。当該濃度(2.0質量%)では、オレイン酸をステアリン酸とした場合(実施例4−2)にも、ほぼ同様に総合評価が「◎」となる事が確認された。尚、ペンタオレイン酸テトラグリセリンの濃度を0.7質量%(実施例4−4)又は5.0質量%(実施例4−5)とした場合、2.0質量%の場合と比較して、5.0質量%の配合では官能試験にて若干の臭味が感じられ、また、0.7質量%又は5.0質量%の両配合共に、若干の粒子径の粗大化と粘度の増加を伴った乳化安定性の低下がみられると共にクリーミングの増加が確認されたが、総合評価は「○」となり著しい物性の低下は確認されなかった。平均グリセリン重合度が5で平均グリセリン重合度に対する平均エステル結合数の割合が1.00の場合(実施例4−7)は、粒子径の若干の粗大化傾向が確認されると共に、凝集やクリーミングが僅かに確認される傾向にあり、総合評価は「○」となった。また、平均グリセリン重合度に対する平均エステル結合数の割合が1.00より小さく0.60以上の場合(実施例4−1,6,8〜10)は、さらに粒子径の粗大化に伴った性状の低下が確認され、いずれも総合評価は「△」となった。平均グリセリン重合度が10以上の場合には、製造24時間経過後より粒子径の粗大化とクリーミングと共に、官能試験においても臭味や苦味が感じられた。また製造72時間後には著しいクリーミングが確認され、総合評価は「×」となった。
【0057】
【表8】
【0058】
【表9】