(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012340
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】LED素子を有する灯体
(51)【国際特許分類】
F21S 8/10 20060101AFI20161011BHJP
F21S 8/12 20060101ALI20161011BHJP
F21V 13/02 20060101ALI20161011BHJP
F21W 101/10 20060101ALN20161011BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20161011BHJP
【FI】
F21S8/10 150
F21S8/10 170
F21S8/12 130
F21S8/12 143
F21V13/02 400
F21W101:10
F21Y115:10
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-190907(P2012-190907)
(22)【出願日】2012年8月31日
(65)【公開番号】特開2014-49274(P2014-49274A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年5月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000128544
【氏名又は名称】株式会社オーテックジャパン
(73)【特許権者】
【識別番号】504136889
【氏名又は名称】株式会社ファルテック
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119644
【弁理士】
【氏名又は名称】綾田 正道
(72)【発明者】
【氏名】広田 一世
(72)【発明者】
【氏名】田中 亮
(72)【発明者】
【氏名】高野 洋一
(72)【発明者】
【氏名】小張 裕二
【審査官】
丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−023138(JP,A)
【文献】
実開昭62−17008(JP,U)
【文献】
特開2000−182407(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21S 8/10 − 8/12
F21V 3/00 − 3/04
F21V 5/00 − 5/08
F21V 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に配置された複数のLED素子と、
前記LED素子の光を拡散すると共に、前記任意のLED素子との間の距離と、他のLED素子との間の距離が異なるレンズと、
前記レンズにおける前記複数のLED素子の光の拡散量を均一となるように調整する調整手段と、
を備え、
前記調整手段は、前記LED素子と前記レンズとの距離が近いほど前記LED素子の配光角度が広い手段であることを特徴とするLED素子を有する灯体。
【請求項2】
基板に配置された複数のLED素子と、
前記LED素子の光を拡散すると共に、前記任意のLED素子との間の距離と、他のLED素子との間の距離が異なるレンズと、
前記レンズにおける前記複数のLED素子の光の拡散量を均一となるように調整する調整手段と、
を備え、
前記調整手段は、前記LED素子と前記レンズとの距離が近いほど、前記レンズの厚さを厚くする手段であることを特徴とするLED素子を有する灯体。
【請求項3】
基板に配置された複数のLED素子と、
前記LED素子の光を拡散すると共に、前記任意のLED素子との間の距離と、他のLED素子との間の距離が異なるレンズと、
前記レンズにおける前記複数のLED素子の光の拡散量を均一となるように調整する調整手段と、
を備え、
前記調整手段は、前記LED素子と前記レンズとの間であって、前記LED素子と前記レンズとの距離が短いほど前記LED素子から近い位置に拡散板を設けたことを特徴とするLED素子を有する灯体。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか一つに記載のLED素子を有する灯体において、
前記調整手段は、前記LED素子と前記レンズとの距離が近いほど前記LED素子の輝度を小さくする手段であることを特徴とするLED素子を有する灯体。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか1つに記載のLED素子を有する灯体において、
前記調整手段は、前記LED素子と前記レンズとの距離が近いほど前記LED素子の配置間隔を狭くする手段であることを特徴とするLED素子を有する灯体。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれか1つに記載のLED素子を有する灯体において、
前記調整手段は、前記LED素子と前記レンズとの距離が近いほど、前記レンズの前記LED素子側面の面粗さを大きくする手段であることを特徴とするLED素子を有する灯体。
【請求項7】
請求項1ないし6いずれか1つに記載のLED素子を有する灯体において、
前記LED素子と前記レンズとの間の壁面をメッキ処理すると共に、前記壁面に前記LED素子の光を乱反射させるローレットを設け、
前記調整手段は、前記LED素子と前記レンズとの距離が近いほどローレットピッチを大きくする手段であることを特徴とするLED素子を有する灯体。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれか1つに記載のLED素子を有する灯体において、
前記LED素子は、白熱光源の外周であってリフレクタの裏面側に配置された素子であり、
前記レンズは、前記白熱光源のレンズであるアウターレンズより白熱電球側であって前記白熱光源の外周に環状に配置されたインナーレンズであることを特徴とするLED素子を有する灯体。
【請求項9】
請求項1ないし8いずれか1つに記載のLED素子を有する灯体は、車両のフロントバンパー内に装着されたフォグランプであることを特徴とするLED素子を有する灯体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED素子を複数配置した灯体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LED素子を備えた灯体として、例えば、特許文献1に開示の発明が知られている。この灯体では、複数のLED素子から等距離に配置されたレンズにより、LED素子と白熱電球の両方の光源の配光を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−288012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、光源からレンズまでの距離が異なる灯体に特許文献1に記載の技術を適用した場合、光源からレンズまでの距離が異なることによって配光に不均一な部分が生じてしまい、レンズにおいて均一に光を拡散させることが困難であった。
【0005】
本発明は、LED素子からレンズまでの距離が不均一であったとしても、レンズにおいて均一に光を拡散可能な灯体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のLED素子を有する灯体では、基板に配置された複数のLED素子の光を拡散すると共に、任意のLED素子との間の距離と他のLED素子との間の距離が異なるレンズにおいて、複数のLED素子の光の拡散量を均一となるように調整する調整手段を備えた。
【発明の効果】
【0007】
よって、レンズにおいて複数のLED素子が光を拡散する際、LED素子からレンズまでの距離が異なっていたとしても、拡散量が均一となることでレンズ全体を均一に光らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例1のLED素子を有する灯体であるフォグランプを備えた車両を表す概略図である。
【
図3】実施例1のフォグランプのアウターレンズを取り外した状態における斜視図である。
【
図4】実施例1のフォグランプのアウターレンズを取り外した状態における斜視図である。
【
図5】実施例1のフォグランプに設けられたLED素子の配置を表す概略図である。
【
図6】実施例1のLED素子とインナーレンズまでの距離L及びLED輝度との関係を表す特性図である。
【
図7】実施例2のLED素子とインナーレンズまでの距離L及びLED配光角度との関係を表す特性図である。
【
図8】実施例3のフォグランプに設けられたLED素子の配置を表す概略図である。
【
図9】実施例4のインナーレンズにおいてLED素子の光が拡散される様子を表す概略図である。
【
図10】凹凸の大きさと照射範囲の関係及びLED素子とインナーレンズまでの距離と面粗さとの関係を表す特性図である。
【
図11】実施例5のLED基板からインナーレンズまでの距離Lとインナーレンズ厚さとの関係を表す特性図である。
【
図12】実施例6のフォグランプ1の断面図である。
【
図13】実施例7のフォグランプ1の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施例1〕
図1は実施例1のLED素子を有する灯体であるフォグランプを備えた車両を表す概略図である。フォグランプ1は、
図1(a)に示すように車両前方のフロントバンパー30に設けられている。このフロントバンパー30は、
図1(b)の上面図に示すように、車両前方から後方に向けて概ねθの角度をもって形成され、このθの角度をもって形成された斜面30aに、車両進行方向と略平行な円筒軸(以下、光軸と記載する。)を有する円筒状のフォグランプ1が埋め込まれている。よって、フォグランプ1の車両前方側端部はフロントバンパー30の形状に沿って斜めにカットされている。
【0010】
図2は実施例1のフォグランプ1の断面図、
図3,4は、フォグランプ1のアウターレンズ2を取り外した状態における斜視図である。
フォグランプ1は、円環状のLED基板7に取り付けられた複数のLED素子8と、霧発生時等にメインの光源として機能する白熱光源としてのフォグランプバルブ4と、を有する。フォグランプバルブ4は、光源として光を発する光源部4aと、光源部4aをハウジング10に対して固定支持すると共に配線が接続されるブラケット部4bとを有する。フォグランプバルブ4の光源部4a外周には、表面にメッキ処理が施されたリフレクタ5がスプリング6を介して弾性的に支持されている。また、フォグランプ1は、最外周において円筒状に形成され一端がフロントバンパー30の表面形状に一致するように斜めに切り取られたハウジング10と、ハウジング10の内周においてLED素子8の光をインナーレンズ11に導くと共にフォグランプバルブ4の光を遮断するサイドシールド9と、を有する。
【0011】
また、フォグランプ1は、ハウジング10とサイドシールド9との間に形成された隙間を車両前方側から閉塞する円環状のインナーレンズ11と、ハウジング10とサイドシールド9との間に形成された隙間を車両後方側から閉塞するLED基板7と、このLED基板7を車両後方側から固定するリヤプレート3と、インナーレンズ11及びフォグランプバルブ4をハウジング10の車両前方側から閉塞するアウターレンズ2とを有する。
【0012】
LED基板7は、フォグランプバルブ4の光源部4aとブラケット部4bとの接続部付近の外周に配置されている。言い換えると、LED基板7は、リフレクタ5よりもブラケット部4b側(リフレクタ5の裏面側)に配置されている。これにより、光源部4aにおいて発熱したとしても、発熱の影響を受けにくい位置にLED基板7を配置しているため、LED素子8を安定して制御することができる。言い換えると、LED基板7は発熱体である光源部4aよりもアウターレンズ2側に配置することができないため、インナーレンズ11がフロントバンパー30の形状に沿って形成された結果、LED基板7と光軸方向において異なる距離に位置することとなる。インナーレンズ11は、LED基板7から光軸方向への距離が最も近い近接部11aと、最も光軸方向に距離が離れた最遠部11bとを有する。
【0013】
実施例1のフォグランプ1は、基本的にフォグランプバルブ4がメインの光源であり、霧発生時に補助灯として使用する灯体であるが、LED素子は、そのメインの灯体の外周を青や白といった独特の均一な色合いの光で縁取ることでデザイン性をアップするものである。このLED素子による縁取りは、イグニッションオン時は常時点灯させてもよいし、フォグランプ1のメインの灯体を点灯させたときのみ点灯させることとしてもよく、特に限定しない。このように、デザイン性を考慮して均一な色合いで縁取りを行いたいにも係わらず、フロントバンパー30の形状に沿って形成した場合、LED素子8とインナーレンズ11との距離が異なると、インナーレンズ11において均一に光を拡散できない。特にLED素子は指向性が強いことから光の濃淡が現れやすく、デザイン性が大きく損なわれるという問題があった。そこで、実施例1では、以下の対策によりインナーレンズ11における光の拡散を均一化することとした。
【0014】
(調整手段:インナーレンズにおける均一な光の拡散について)
図5は実施例1のフォグランプに設けられたLED素子の配置を表す概略図である。実施例1のフォグランプ1では、LED素子8が基板上の均等な円周方向位置に合計8個配置されており、近接部11aに対応する位置に素子8aが配置され、最遠部11bに対応する位置に素子8eが配置されている。
図6は実施例1のLED素子とインナーレンズまでの距離L及びLED輝度との関係を表す特性図である。すなわち、実施例1では、LED素子8からインナーレンズ11までの距離が遠いほど、輝度を明るく設定し、距離が近いほど輝度を暗く設定することとした。具体的には、輝度は距離の二乗で低下するため、線形な関係で変化することで離間する距離に対し、二乗の関係で輝度を明るく設定する。これにより、インナーレンズ11に到達する光の強度を均一化することができ、インナーレンズ11における光の拡散によって光の濃淡を排除することができる。
【0015】
以上説明したように、実施例1にあっては下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(1)LED基板7(基板)に配置された複数のLED素子8と、LED素子8の光を拡散すると共に、任意のLED素子8aとの間の距離と、他のLED素子8eとの間の距離が異なるインナーレンズ11(レンズ)と、インナーレンズ11における複数のLED素子8の光の拡散量を均一となるように調整する調整手段と、を備えた。
よって、LED素子8とインナーレンズ11との間の距離がばらついたとしても、光の拡散を均一化することで、インナーレンズ11において光の濃淡が生じることを回避できる。
【0016】
(2)調整手段は、LED素子8とインナーレンズ11との距離が近いほどLED素子8の輝度を小さくする手段である。
よって、インナーレンズ11において光の濃淡が生じることを回避することができる。
【0017】
(3)LED素子8は、フォグランプバルブ4(白熱光源)の外周に配置された素子であり、インナーレンズ11は、フォグランプバルブ4のレンズであるアウターレンズ2よりフォグランプバルブ4側であってフォグランプバルブ4の外周に環状に配置されたインナーレンズ11である。
すなわち、フォグランプバルブ4の外周にLED素子8を配置するため、LED基板7の位置は、光源部4aによる発熱の関係上、ブラケット部4b側に配置せざるを得ず、インナーレンズ11までの距離が変わったとしても、LED基板7の位置をインナーレンズ11との関係に基づいて変更することは極めて困難である。このとき、インナーレンズ11において光の拡散が均一化される調整手段を備えたことで、デザイン性の向上を図ることができる。
【0018】
〔実施例2〕
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。
図7は実施例2のLED素子とインナーレンズまでの距離L及びLED配光角度との関係を表す特性図である。すなわち、LED素子8からインナーレンズ11までの距離が遠いほど配光角度を小さくすることで指向性を高め、光の輝度を確保する。一方で、インナーレンズ11までの距離が近いほど配光角度を大きくすることで拡散性を高め、光の輝度を低減する。これらの組み合わせにより、インナーレンズ11における光の拡散を均一化することで、インナーレンズ11において光の濃淡が生じることを回避できる。
【0019】
〔実施例3〕
次に、実施例3について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。
図8は実施例3のフォグランプに設けられたLED素子の配置を表す概略図である。実施例3のフォグランプ1では、LED素子8が基板上の均等な円周方向位置に合計8個配置されており、近接部11aに対応する位置に素子8aが配置され、最遠部11bに対応する位置に素子8eが配置されている。そして、更に、LED素子8aと8bとの間にLED素子8iを、LED素子8aと8hとの間にLED素子8jを設けたものである。
【0020】
すなわち、配光角が一定のLED素子8を複数並べた場合、インナーレンズ11までの距離が短いほど、より拡散されにくいため、この部分は光の濃淡が生じやすくなる。そこで、LED素子8i,8jを追加し、光源の密度を高めることで、光の濃度が薄い部分を補完することでインナーレンズ11全体において拡散を均一化できるものである。尚、光源の密度を高めた場合には、輝度を低減することで更に調整してもよいし、配光角度を適宜設定して更に拡散の均一化を図ってもよい。
【0021】
〔実施例4〕
次に、実施例4について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。
図9は実施例4のインナーレンズにおいてLED素子の光が拡散される様子を表す概略図である。LED素子8から発光した光は、インナーレンズ11の内面に形成された凹凸11cによって拡散され、インナーレンズ外面側に均一に光を拡散する。仮に、ある配光角を持った光が凹凸11cにより照射範囲δに拡散すると定義した場合、
図10(a)に示すように凹凸11cが大きいほど照射範囲δは大きくなる、すなわち拡散しやすくなる傾向を有する。よって、
図10(b)に示すように、LED素子8とインナーレンズ11との距離が近いほどインナーレンズ11のLED素子側面の面粗さを大きくすることで、より光を拡散することができ、インナーレンズ11における光の拡散を均一化できる。
【0022】
〔実施例5〕
次に、実施例5について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。
図11は実施例5のLED基板からインナーレンズまでの距離Lとインナーレンズ厚さとの関係を表す特性図である。インナーレンズ11は厚みが厚いほど光が拡散しやすく、また輝度を抑制する傾向が強い。そこで、距離Lが短いほどインナーレンズ11の厚みを厚くすることで、より光を拡散しつつ輝度の均一化を図ることができる。
【0023】
〔実施例6〕
次に、実施例6について説明する。
図12は実施例6のフォグランプ1の断面図である。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。実施例6のフォグランプ1は、光軸方向においてLED素子8とインナーレンズ11との間であって、かつ、ハウジング10及びサイドシールド9との間には、LED素子8からの光を拡散する拡散板13が設けられている。この拡散板13は、LED素子8とインナーレンズ11との間の距離Lに応じて光軸方向の位置が設定されている。具体的には、距離Lが短い部分では、
図12のx1の位置に拡散板13aが設定され、距離Lが長い部分では、
図12のx2の位置に拡散板13bが設定されている。これにより、拡散板13とインナーレンズ11との間の距離を比較的均一化することができ、拡散後の光を均一にインナーレンズ11に届けることができる。
【0024】
〔実施例7〕
次に、実施例7について説明する。
図13は実施例7のフォグランプ1の断面図である。具体的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。実施例7のフォグランプ1は、光軸方向においてLED素子8とインナーレンズ11との間におけるハウジング10の内周面及びサイドシールド9の外周面に、LED素子8の光を乱反射させるローレット14を有する。尚、ローレットとは、錐形状のギザギザの凹凸面を意味し、ローレットピッチとは、この錐形状の頂点間距離を意味する。ハウジング10の内周面はメッキ処理が施され、その表面にローレット14aが所定ローレットピッチで形成されている。同様に、サイドシールド9の外周面はメッキ処理が施され、その表面にローレット14bが所定ローレットピッチで形成されている。このとき、LED素子8とインナーレンズ11との間の距離Lが短いほど、ローレットピッチを大きくする。ローレットピッチが大きいほど、光の拡散が積極的に行われるからである。
すなわち、距離Lが短い場合、LED素子8の光がインナーレンズ11に照射されたときに、十分に拡散する余裕がないため、光の濃淡が生じてしまう。これに対し、ローレットピッチを大きくすることで、光の拡散を積極的に行うことができ、インナーレンズ11における光の濃淡を均一化することができる。
【0025】
以上、実施例1〜7に基づいて本願発明を説明したが、本願発明は上記構成に限られず、他の構成であってもよい。例えば、実施例では、フォグランプのフォグランプバルブ外周に設定されるものとして説明したが、LED素子とインナーレンズとの間の距離がばらつくような灯体であれば、好適に適用可能である。また、各実施例では、それぞれ光の拡散を図る手段について説明したが、これら各種の手段を適宜組み合わせて、最適な光の拡散状態を実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0026】
1 フォグランプ
2 アウターレンズ
3 リヤプレート
4 フォグランプバルブ
4a 光源部
4b ブラケット部
5 リフレクタ
7 LED基板
8 LED素子
9 サイドシールド
10 ハウジング
11 インナーレンズ
11a 近接部
11b 最遠部
11c 凹凸
13 拡散板
14 ローレット
30 フロントバンパー