特許第6012394号(P6012394)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012394
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】毛髪弾力性向上剤及び毛髪化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/46 20060101AFI20161011BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   A61K8/46
   A61Q5/12
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-234080(P2012-234080)
(22)【出願日】2012年10月23日
(65)【公開番号】特開2014-84294(P2014-84294A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000221797
【氏名又は名称】東邦化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中根 徳雄
(72)【発明者】
【氏名】野澤 卓司
【審査官】 岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−012058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/46
A61Q 5/12
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】
(式中、R、Rのいずれか一方/又は両方は、下記一般式(2)で表される基、残りは水素原子を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及び有機アミンから選ばれる少なくとも1種を表す。)
【化2】
(式中、Rは直鎖又は分岐した炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル基もしくはヒドロキシアルキル基)
で表されるタウリン誘導体からなる毛髪弾力性向上剤。
【請求項2】
請求項1記載の毛髪弾力性向上剤を含有する毛髪化粧料。
【請求項3】
毛髪の弾力性を回復する効果を目的とする請求項2記載の毛髪化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪弾力性向上剤に関し、さらに詳しくは日常での物理的、化学的作用により損傷を受けた毛髪の弾力性を改善するための毛髪弾力性向上剤、並びに毛髪弾力性向上剤を含有し毛髪の弾力性を改善する効果を有し、毛髪に良好な使用性(ハリ・コシ感、滑らかさ、ベタツキ感の無さ)を付与する毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ヘアスタイルの多様化に伴って、毛髪はヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤等で処理される機会が増えている。これらの薬剤等による化学的作用及び日常的なドライヤー熱やブラッシング等のヘアケア行動による物理的作用が毛髪の損傷を促進し、毛髪本来の弾力性、ハリ・コシ感、滑らかさを失わせる要因となっている。そこでこのような損傷毛髪の改善に水分を補給する方法や、油分をコーティングする方法が用いられてきたが一時的な効果に過ぎず、根本的な改善には至らなかった。
【0003】
そこで、特許文献1には塩基性アミノ酸であるアルギニンを有効成分とし、この有効成分が毛髪の芯まで届くことにより傷んだ毛髪を治し、毛髪本来の美しさと健康を取り戻す毛髪健全化剤が提案され、また特許文献2には酸性アミノ酸と塩基性アミノ酸の2種のアミノ酸を併用することで毛髪内部から作用して毛髪補修とスタイリングを同時に行うことができる毛髪化粧料等が提案されているが、アミノ酸の利用だけでは毛髪の弾力性向上効果は不十分であった。
【0004】
一方、特許文献3には、副生塩を含まない化粧料等に好適なタウリン誘導体の製造方法が開示されているが、炭素数12以上の長鎖アルキル基を有する界面活性を期待するものであり、毛髪弾力性向上剤とは本質的に異なるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−81013号公報(1−14頁)
【特許文献2】特開2004−346040号公報(1−14頁)
【特許文献3】特開平10−218854号公報 (1−5頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、毛髪弾力性向上剤に関し、さらに詳しくは日常での物理的、化学的作用により損傷を受けた毛髪の弾力性を改善するための毛髪弾力性向上剤、並びに毛髪弾力性向上剤を含有し毛髪の弾力性を改善する効果を有し、毛髪に良好な使用性(ハリ・コシ感、滑らかさ、ベタツキ感の無さ)を付与する毛髪化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、
下記一般式(1)
【化1】
(式中、R、Rのいずれか一方/又は両方は、下記一般式(2)で表される基、残りは水素原子を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及び有機アミン類から選ばれる少なくとも1種を表す。)
【化2】
(式中、Rは直鎖又は分岐した炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル基もしくはヒドロキシアルキル基)
で表されるタウリン誘導体からなる毛髪弾力性向上剤が優れた毛髪弾力性改善効果を有することを見出し本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は上記一般式(1)で示されるタウリン誘導体からなる毛髪弾力性向上剤、並びに該毛髪弾力性向上剤を含有してなる毛髪化粧料が毛髪の弾力性を改善する効果を有し、毛髪に良好な使用性(ハリ・コシ感、滑らかさ、ベタツキ感の無さ)を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の毛髪弾力性向上剤、並びに該毛髪弾力性向上剤を含有する毛髪化粧料について詳述する。
本発明の毛髪弾力性向上剤であるタウリン誘導体の製造方法としては特に限定はないが、一般的に下式で示される方法で製造可能である。
【化3】
(式中、R、Mは前記と同じ。)
【0010】
上記で表されるタウリン誘導体の具体的製造方法としては、タウリン誘導体の有効成分が10〜90%となるように、水系及び/又は溶媒系或いは水溶媒混合系溶媒中(混合系溶媒の場合は水:溶媒=5:95〜95:5)、タウリン1モルをアルカリで中和してタウリン塩溶液を得て、同温〜95℃で0.8〜2.2モルのグリシジルエーテルを一括或いは滴下するなどの方法で添加し、60〜95℃で反応が終了するまで熟成する。ここでグリシジルエーテルはタウリン1モル対して0.9〜〜2モル、熟成温度70〜90℃、熟成時間1から10時間がより好ましい。
【0011】
タウリン誘導体の中和に用いるアルカリとしては、リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の他、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物が好ましく用いることができる。また、アンモニアやモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類も好ましく用いることができる。
【0012】
タウリン誘導体の製造に用いるグリシジルエーテルとしては、炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基を有するグリシジルエーテル、具体的には、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、n−プロピルグリシジルエーテル、i−プロピルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、i−ブチルグリシジルエーテル、n−ペンチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシル−グリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、オクテニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキセニルグリシジルエーテル等が挙げられ、四日市合成(株)製「エポゴーセー」シリーズ、日油(株)製「エピオール」シリーズ等として市販されているが、特にこれらに限定されるものではない。
【0013】
また、タウリン誘導体は水系のみでの製造も可能であるが、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール,1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類、アセトン等のケトン類などの溶媒或いは水溶媒混合溶媒中での製造も可能であり、これらの中でもエタノール、2−プロパノールが特に好適に用いられる。反応系中のタウリン誘導体の有効成分は30〜60%、水系及び/又は溶媒系或いは水溶媒混合系溶媒中(混合溶媒の場合は水:溶媒=20:80〜90:10)、特に水系での製造がより好ましい。
【0014】
得られたタウリン誘導体はそのまま本発明品に用いることもできるが、イオン交換樹脂、シリカゲル等を用いたカラム精製など通常の精製方法により精製し用いることもできる。本発明のタウリン誘導体は他の方法でも製造でき、製造方法としては特に限定はない。
【0015】
本発明の毛髪弾力性向上剤の毛髪化粧料への配合量は、0.01〜20重量%、特には0.05〜10重量%が好ましい。0.01%未満の配合では毛髪弾力性改善効果が不十分であり、20%以上配合しても使用性にべたつきを感じるようになり好ましくない。
【0016】
本発明の毛髪弾力性向上剤を含有してなる毛髪化粧料は、毛髪に使用する任意の組成物に適用可能であり、透明液状、ジェル状、クリーム状、乳液上、ムース状等の剤形から適宜選択することができ、シャンプー等の毛髪洗浄剤、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアスプレー、スタイリング剤、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤等の毛髪処理剤等が挙げられ、使用形態も毛髪に塗布し全体になじませた後すすぎ流すものや、洗い流さないもの等いずれも好適に用いられる。
【0017】
本発明の毛髪弾力性向上剤を含有してなる毛髪化粧料には、毛髪弾力性向上剤以外に必要に応じカチオン界面活性剤、油性成分、カチオン性ポリマー等を配合することができる。
【0018】
カチオン界面活性剤としては、4級アンモニウム塩及び/又は3級アミンを用いることができ、4級アンモニウム塩として、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルアミドアミン、アルキルヒドロキシエーテルアミンなどが挙げられ、具体的に、ラウリルトリモニウムクロリド、ミリスチルトリモニウムクロリド、セチルトリモニウムクロリド、ステアリルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ラウリルトリモニウムブロミド、ミリスチルトリモニウムブロミド、セチルトリモニウムブロミド、ステアリルトリモニウムブロミド、ベヘニルトリモニウムブロミド、ラウリルPGトリモニウムクロリド、ミリスチルPGトリモニウムクロリド、セチルPGトリモニウムクロリド、ステアリルPGトリモニウムクロリド、ベヘニルPGトリモニウムクロリド、ラウリルPGトリモニウムブロミド、ミリスチルPGトリモニウムブロミド、セチルPGトリモニウムブロミド、ステアリルPGトリモニウムブロミド、ベヘニルPGトリモニウムブロミド、ジセチルジモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジココジモニウムクロリドなど;3級アミンとして、ラウリルジメチルアミン、ミリスチルジメチルアミン、セチルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、オレイルジメチルアミン、イソステアリルジメチルアミン、アラキルジメチルアミン、ベヘニルジメチルアミン、ラウラミドプロピルジメチルアミン、ミリスタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、オレアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、アラキナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、アラキナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ラウリルPGジメチルアミン、ミリスチルPGジメチルアミン、セチルPGジメチルアミン、ステアリルPGジメチルアミン、ベヘニルPGジメチルアミン等が挙げられ、これらの中でもステアリルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリドが特に好適に用いられる。
【0019】
また3級アミンは無機酸及び/又は有機酸で中和され塩として用いられるが、無機酸及び/又は有機酸の具体例としては、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、乳酸、グリコール酸、クエン酸、グルタミン酸、リンゴ酸、コハク酸等が挙げられ、これらの中から1種又は2種を任意に用いることができる。
【0020】
本発明では、これらのカチオン界面活性剤の中から1種又は2種以上を任意に用いることができ、毛髪化粧料中の配合量は、0.1〜20重量%が好ましい。
【0021】
油性成分としては、室温で液体或いは固体のいずれも含み、高級アルコール、高級脂肪酸、エステル油類、シリコーン、炭化水素類等が挙げられ、これらから好適なものを適宜選択すればよい。
【0022】
油性成分の具体例としては、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコール;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸などの高級脂肪酸;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2−エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル油、ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボガド油、オリーブ油等のグリセリド、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類などのエステル油類;ジメチコン、ジメチコノール、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロペンタシロキサン等の環状ポリシロキサン、3次元網目構造を有するシリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノ変性シリコーン、脂肪酸変性ポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、脂肪族変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーンなどのシリコーン;流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、パラフィン、イソパラフィン、ワセリンなどの炭化水素が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0023】
本発明では、これらの油性成分の中から1種又は2種以上を任意に用いることができ、毛髪化粧料中の配合量は、0.01〜20重量%が好ましい。
【0024】
カチオン性ポリマーとしては、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化デンプン、カチオン化デキストラン、カチオン化ガラクトマンナン、ジアリル4級アンモニウム塩のホモポリマー、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、ビニルイミダゾリニウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/4級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミン共重合体等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0025】
本発明では、これらのカチオン性ポリマーの中から1種又は2種以上を任意に用いることができ、毛髪化粧料中の配合量は、0.1〜10重量%が好ましい。
【0026】
本発明の毛髪化粧料には上記成分以外に、通常化粧料等の製造に使用される添加剤、例えば界面活性剤等の乳化剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート剤、分散媒、軟化剤、紛体、油性成分、油状物質、ポリマー、防腐剤、香料、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、抗フケ剤、ビタミン剤、殺菌剤、抗炎症剤等の薬効成分、植物エキス類等を適宜配合し、常法に従って製造することができる。またその際のpHはpH2〜10、特にpH3〜8に調整するのが好ましい。
【実施例】
【0027】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、表1に本明細書記載の方法で合成した毛髪弾力性向上剤1〜4を示した。また表2に毛髪弾力性向上剤の毛髪弾力性向上効果の測定(試験方法1)結果を実施例1〜4及び比較例1〜4に示し、表3に常法により調整したアウトバス用毛髪化粧料を実施例5〜13及び比較例5〜9、表4にインバス用毛髪化粧料を実施例14〜19及び比較例10〜15に示した。毛髪弾力性向上剤並びに毛髪化粧料の毛髪弾力性向上効果の測定(試験方法1、2)は毛髪引張り試験機を用いて確認し、毛髪化粧料の摩擦低減効果(試験方法3、毛髪の滑らかの評価)及び摩耗低減効果(試験方法4、ブラッシング等の摩擦による切れ毛防止の評価)の測定はNRF型摩擦係数計を用いて確認し、また官能評価(試験方法5)よりハリ・コシ感、滑らかさ、ベタツキ感の無さを官能的に評価した結果を示した。含有量は重量%である。
【0028】
【表1】
【0029】
本実施例中で用いた試験方法は下記の通りである。
【0030】
試験方法1(毛髪弾力性向上剤の毛髪弾力性向上効果の測定)
市販の健康黒髪或いはブリーチ毛(共にビューラックス社製)をpH5クエン酸緩衝溶液中に1時間浸漬後、一晩乾燥(20℃、40%RH)させ、毛髪引張り試験機(カトーテック社製KES−G1−SH)で毛髪破断測定(N=10)をした時の健康黒髪の測定値をA、ブリーチ毛の測定値をBとした。また、実施例1〜4、比較例1〜4で示す溶液に市販のブリーチ毛を1時間浸漬後、一晩乾燥(20℃、40%RH)させ、同様に毛髪破断測定(N=10)をした時の測定値をCとして、次式で毛髪弾力性向上度を計算した。
毛髪弾力性向上度(%)=[(C−B)/(A−B)]×100
また毛髪弾力性向上効果の評価基準は下記の通りである。
(評価基準)
◎:毛髪弾力性向上度が50%以上
○:毛髪弾力性向上度が30%以上50%未満
△:毛髪弾力性向上度が10%以上30%未満
×:毛髪弾力性向上度が10%未満
【0031】
試験方法2(毛髪化粧料の毛髪弾力性向上効果の測定)
上記試験方法1(毛髪弾力性向上剤の毛髪弾力性向上効果の測定)同様に健康黒髪の測定値をA、ブリーチ毛の測定値をBとした。また、実施例5〜13、比較例5〜9で示すアウトバス用毛髪化粧料を市販のブリーチ毛(ビューラックス社製、20cm×20g)にアトマイザーで1g噴霧、一晩乾燥後、或いは実施例14〜19、比較例10〜15で示すインバス用毛髪化粧料を同様のブリーチ毛に1gを塗布し、すすぎ、一晩乾燥後(上記同条件)、毛髪引張り試験機(カトーテック社製KES−G1−SH)で毛髪破断測定(N=10)した時の測定値をDとし次式で毛髪弾力性向上度を計算した。
毛髪弾力性向上度(%)=[(D−B)/(A−B)]×100
また毛髪弾力性向上効果の評価基準は下記の通りである。
◎:毛髪弾力性向上度が50%以上
○:毛髪弾力性向上度が30%以上50%未満
△:毛髪弾力性向上度が10%以上30%未満
×:毛髪弾力性向上度が10%未満
【0032】
試験方法3(毛髪化粧料の毛髪摩擦低減効果の測定/滑らかさの評価)
上記試験方法2(毛髪用化粧料の毛髪弾力性向上効果の測定)同様に市販のブリーチ毛を実施例、比較例に示すアウトバス用或いはインバス用毛髪化粧料で処理し、NRF型摩擦係数計(レオロジー機器社製)を用いて荷重40g、回転数3rpm、測定時間5分で動摩擦係数測定(N=10)した時の測定値をEとし、未処理の市販ブリーチ毛を測定した時の測定値をFとして、次式で動摩擦係数低減率を計算した。
動摩擦係数低減率=E/F
また毛髪摩擦低減効果(毛髪の滑らかさ)の評価基準は下記の通りである。
◎:動摩擦係数低減率が0.85以下
○:動摩擦係数低減率が0.85以上0.95未満
△:動摩擦係数低減率が0.95以上1.0未満
×:動摩擦係数低減率が1.0以上
【0033】
試験方法4(毛髪用化粧料の毛髪摩耗低減効果の測定/切れ毛防止の評価)
上記試験方法3(毛髪用化粧料の毛髪摩擦低減効果の測定)同様に処理したブリーチ毛をNRF型摩擦係数計(レオロジー機器社製)を用いて荷重100g、回転数200rpmの負荷条件で破断するまでの時間を測定(N=10)し、毛髪摩耗低減効果(ブラッシング等の摩擦による切れ毛防止)を評価した。評価基準は下記の通りである。
◎:破断時間が600秒以上
○:破断時間が480秒以上600秒未満
△:破断時間が360秒以上480秒未満
×:破断時間が360秒以下
【0034】
試験方法5(毛髪化粧料の使用性の評価(ハリ・コシ感、滑らかさ、ベタツキ感の無さ))
上記試験方法3(毛髪用化粧料の毛髪摩擦低減効果の測定)同様に処理したブリーチ毛を10名の専門パネラーにより「ハリ・コシ感、滑らかさ、ベタツキ感の無さ」の評価を官能的に行った。評価基準は下記の通りである。
◎:良いと答えた人が9人以上の場合
○:良いと答えた人が6〜8人の場合
△:良いと答えた人が3〜5人の場合
×:良いと答えた人が2人以下の場合
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
実施例1〜19及び比較例1〜15より明らかなように、本発明のタウリン誘導体、並びにタウリン誘導体を含有する毛髪化粧料は、毛髪弾力性向上効果、摩擦低減効果(毛髪の滑らかの評価)、摩耗低減効果(ブラッシング等の摩擦による切れ毛防止の評価)、使用性(官能評価:ハリ・コシ感、滑らかさ、ベタツキ感の無さ)で優れた性能を示した。
【0039】
上記記載のごとく、本発明の毛髪弾力性向上剤並びに毛髪弾力性向上剤を含有する毛髪化粧料は、日常での物理的、化学的作用により損傷を受けた毛髪に優れた弾力性向上効果と良好な使用性(ハリ・コシ感、滑らかさ、ベタツキ感の無さ)を与えることは明らかである。