特許第6012404号(P6012404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6012404弾性体ローラー、弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法および貼付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012404
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】弾性体ローラー、弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法および貼付け方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20161011BHJP
   B65C 9/30 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   B65H5/06 B
   B65C9/30
   B65H5/06 C
【請求項の数】23
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-239726(P2012-239726)
(22)【出願日】2012年10月31日
(65)【公開番号】特開2014-88245(P2014-88245A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2015年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】新田 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】江口 健一郎
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−071981(JP,A)
【文献】 特開2006−250220(JP,A)
【文献】 特開昭63−176240(JP,A)
【文献】 特開平05−213494(JP,A)
【文献】 特開平07−157165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/02− 5/22
B65H 29/12−29/32
B65C 1/00−11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラーシャフトと、
このローラーシャフトの周囲に取り付けた弾性材と、を有するとともに、この弾性材に帯状部材を接触させて移送するための弾性体ローラーであって、
前記弾性材は、
前記ローラーシャフトの外周に設けた内層側弾性材と、
この内層側弾性材の外周に設けて前記帯状部材に接触する外層側弾性材と、を有するとともに、
前記内層側弾性材は、その外周が凹凸形状を呈し、
前記外層側弾性材から前記内層側弾性材にかけて、前記ローラーシャフトの軸方向に直交する複数本のスリットを前記ローラーシャフトの軸方向に沿って形成しており、
前記内層側弾性材の、JIS K6253規格に規定するデュロメータータイプAによるゴム硬度(以下、「A硬度」)は、前記外層側弾性材のA硬度より低いことを特徴とする弾性体ローラー。
【請求項2】
前記内層側弾性材のA硬度は、10〜30度であり、
前記外層側弾性材のA硬度は、30〜80度であることを特徴とする請求項記載の弾性体ローラー。
【請求項3】
前記内層側弾性材の前記凹凸形状は、前記ローラーシャフトの径方向断面が、前記外層側弾性体の径方向断面と異なる形状を有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項4】
前記内層側弾性材の前記凹凸形状は、前記ローラーシャフトの径方向断面が、前記外層側弾性体の径方向断面と同一な形状を有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項5】
前記内層側弾性材の前記凹凸形状は、前記ローラーシャフトの軸方向に沿ったある位置での径方向断面が、他の位置での径方向断面と異なる形状を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項6】
前記内層側弾性材の前記凹凸形状は、前記ローラーシャフトの軸方向に沿ったある位置での径方向断面が、他の位置での径方向断面と同一な形状を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項7】
前記内層側弾性材の前記凹凸形状は、前記ローラーシャフトの軸方向断面が、前記ローラーシャフトの軸線に平行な外形線を有することを特徴とする請求項1ないし4、6のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項8】
前記内層側弾性材の前記凹凸形状は、前記ローラーシャフトの軸方向断面が、前記ローラーシャフトの軸線に非平行な外形線を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項9】
前記内層側弾性材の前記凹凸形状は、前記ローラーシャフトの軸方向断面が、曲線による外形線を有することを特徴とする請求項1ないし6、8のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項10】
前記内層側弾性材の前記凹凸形状は、前記ローラーシャフトの軸方向断面が、直線および曲線の組み合わせによる外形線を有することを特徴とする請求項1ないし3、5、6、8、9のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項11】
前記内層側弾性材の前記凹凸形状は、前記ローラーシャフトの回転軸を含む平面による、この回転軸まわりのある角度での軸方向断面が、他の角度での軸方向断面と異なる形状を有することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項12】
前記内層側弾性材の前記凹凸形状は、前記ローラーシャフトの回転軸を含む平面による、この回転軸まわりのある角度での軸方向断面が、他の角度での軸方向断面と同一な形状を有することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項13】
前記内層側弾性材の前記凹凸形状は、前記ローラーシャフトの径方向断面において、前記内層側弾性材の直径を可変としていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項14】
前記内層側弾性材の前記凹凸形状は、前記ローラーシャフトの軸方向断面において、前記内層側弾性材の直径を可変としていることを特徴とする請求項1ないし6、8ないし13のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項15】
前記内層側弾性材の前記凹凸形状は、前記ローラーシャフトの径方向に沿ったその断面形状が星形であることを特徴とする請求項1ないし3、5ないし14のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項16】
前記スリットにより、前記弾性材を、互いに独立変位可能な複数個のユニット弾性部に分割していることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項17】
前記スリットは、前記弾性材の外表面から内方に向かうそのスリット深さDと、その隣り合う前記スリットどうしのスリット間隔Wとの比D:Wが、6:1〜1:3であることを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項18】
前記スリットは、その隣り合う前記スリットどうしのスリット間隔が0.50〜1.00mmであることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項19】
前記スリットは、前記弾性材の外表面から内方に向かってそのスリット深さが、1.00〜3.00mmであることを特徴とする請求項1ないし18のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項20】
前記内層側弾性材および前記外層側弾性材は、これを熱可塑性弾性材料から構成したことを特徴とする請求項1ないし19のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項21】
前記内層側弾性材および前記外層側弾性材は、これを同系列の熱硬化性弾性材料から構成したことを特徴とする請求項1ないし19のいずれかに記載の弾性体ローラー。
【請求項22】
ローラーシャフトと、
このローラーシャフトの周囲に取り付けた弾性材と、を有する弾性体ローラーに、押圧力を負荷した状態で帯状部材を接触させ、この弾性体ローラーを回転することによりこの帯状部材を移送するための弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法であって、
前記弾性材は、
前記ローラーシャフトの外周に設けた内層側弾性材と、
この内層側弾性材の外周に設けて前記帯状部材に接触する外層側弾性材と、を有し、
前記内層側弾性材の、JIS K6253規格に規定するデュロメータータイプAによるゴム硬度(以下、「A硬度」)は、前記外層側弾性材のA硬度より低く、
前記内層側弾性材は、その外周が凹凸形状を呈し、
前記外層側弾性材から前記内層側弾性材にかけて、前記ローラーシャフトの軸方向に直交する複数本のスリットを前記ローラーシャフトの軸方向に沿って切り込むことにより、互いに独立した複数個のユニット弾性部を形成してあり、
前記帯状部材に前記押圧力を負荷した状態で前記弾性体ローラーを回転することにより、前記複数個のユニット弾性部から前記帯状部材に対するそれぞれの反発力により前記帯状部材を前記弾性体ローラーから引きはがしつつ移送することを特徴とする弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法。
【請求項23】
ローラーシャフトと、
このローラーシャフトの周囲に取り付けた弾性材と、を有する弾性体ローラーに、押圧力を負荷した状態で帯状部材を接触させ、この弾性体ローラーを回転することによりこの帯状部材を被貼付け体に貼り付けるための弾性体ローラーによる帯状部材の貼付け方法であって、
前記弾性材は、
前記ローラーシャフトの外周に設けた内層側弾性材と、
この内層側弾性材の外周に設けて前記帯状部材に接触する外層側弾性材と、を有し、
前記内層側弾性材は、その外周が凹凸形状を呈し、
前記外層側弾性材から前記内層側弾性材にかけて、前記ローラーシャフトの軸方向に直交する複数本のスリットを前記ローラーシャフトの軸方向に沿って切り込むことにより、互いに独立した複数個のユニット弾性部を形成してあり、
前記帯状部材に前記押圧力を負荷した状態で前記弾性体ローラーを回転することにより、前記複数個のユニット弾性部から前記帯状部材に対するそれぞれの反発力により前記帯状部材を前記弾性体ローラーから引きはがしつつ前記帯状部材を前記被貼付け体に貼り付けることを特徴とする弾性体ローラーによる帯状部材の貼付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾性体ローラー、弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法および貼付け方法にかかるもので、とくに台紙なしラベルあるいは台紙付きの一般的なラベルその他の帯状部材を移送するプラテンローラーやニップローラーその他のローラーであって、とくに台紙なしラベルなどを移送する際あるいは貼り付ける際にその粘着剤層ないし粘着剤が貼り付きにくく、台紙なしラベルが巻き込まれることを防止可能な弾性体ローラー、弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法および貼付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ラベルの粘着剤層の裏面側に仮着する剥離紙(いわゆる台紙)を用いない台紙なしラベルが開発され、使用後には破棄されることになる台紙がないことから省資源材料として期待されている。
図9は、従来からの台紙なしラベル1をロール状に巻いた状態の斜視図であって、台紙なしラベル1は、図9中で、その一部を拡大断面で示すように、ラベル基材2と、裏面側の粘着剤層3と、表面側の感熱発色剤層4およびその上層側の透明な剥離剤層5と、を有する。
なお、ラベル基材2の裏面側に位置検出用マーク6をあらかじめ印刷してある。
また、ラベル基材2の表面側に必要に応じて、ラベル使用者のマークや名称その他のデザインなどの固定情報(図示せず)をあらかじめ印刷しておくこともできる。
この台紙なしラベル1は、切断予定線7において所定ピッチで切断することにより単葉のラベル片1Aとすることができる。
【0003】
図10は、この台紙なしラベル1を装填し、商品についての価格やバーコードその他の商品情報や、物品あるいはサービスに関する管理情報などの可変情報を必要に応じて印字するためのサーマルプリンター8の概略側面図であって、サーマルプリンター8は、台紙なしラベル1の供給部9と、案内部10と、検出部11と、印字部12と、切断部13と、を有する。
【0004】
供給部9は、ロール状の台紙なしラベル1を保持し、案内部10、検出部11、印字部12および切断部13方向に台紙なしラベル1を帯状に繰り出し可能とする。
【0005】
案内部10は、ガイドローラー14を有し、繰り出された台紙なしラベル1を検出部11および印字部12方向に案内可能とする。
【0006】
検出部11は、位置検出センサー15を有し、台紙なしラベル1の裏面側の位置検出用マーク6を検出して、印字部12に対する台紙なしラベル1(ラベル片1A)の相対的位置を検出可能とする。
【0007】
印字部12は、サーマルヘッド16およびプラテンローラー17(弾性体ローラー)を有し、この間に所定印字圧力で台紙なしラベル1を挟持し、一定速度でプラテンローラー17を回転駆動するとともに、サーマルヘッド16への印字データの供給により感熱発色剤層4を発色させ、台紙なしラベル1(ラベル片1A)に所定の可変情報を印字可能である。
【0008】
切断部13は、固定刃18および可動刃19を有し、この間に移送されてきた印字済みの台紙なしラベル1を所定ピッチによる切断予定線7の部分で切断して、ラベル片1Aを発行排出する。
【0009】
このような構成のサーマルプリンター8において、台紙なしラベル1を移送印字するためのプラテンローラー17には、ゴム材などの弾性体によるローラーが使用されているが、粘着剤層3の粘着剤が付着しにくくするために、粘着剤が付着しにくいシリコーンゴム材によりプラテンローラー17を構成したり、あるいはシリコーンオイルなどをプラテンローラー17の外周表面に塗布することが行われている。
しかしながら、長期間の使用にあたっては、粘着剤の付着を完全に防止することが困難であり、プラテンローラー17を通過した台紙なしラベル1がそのままプラテンローラー17に貼り付いて巻き込まれてしまうため(図10中、仮想線を参照)、ラベル詰まりを起こし、台紙なしラベル1の正常な移送、印字およびラベル片1Aの発行に支障をきたすという問題がある。
さらに、台紙なしラベル1をサーマルヘッド16およびプラテンローラー17の間に挟持したままの状態で、印字発行を停止しているような場合には、台紙なしラベル1がプラテンローラー17の表面からはがれにくくなって、上述と同様に、台紙なしラベル1の巻込みが発生しやすくなるという問題がある。
【0010】
したがって、一般的には、プラテンローラー17の外周表面を清掃する作業、あるいはプラテンローラー17の交換作業などのメンテナンスを繰り返す必要が生じ、長期間にわたって安定した移送および印字を可能とするプラテンローラー17(弾性体ローラー)が要請されている。
また、プラテンローラー17以外にも、プリンターの構成に応じて台紙なしラベル1の移送用として回転駆動する一対のローラーからなるニップローラー(図示せず)や、ガイドローラー14のように台紙なしラベル1を単純に案内するためのローラーとしても、非粘着性、あるいは剥離性(離型性)に優れたラベル用弾性体ローラーが要請されている。
【0011】
また、台紙なしラベル1あるいは一般的な台紙付きラベルについても、これらのいずれを装填しても、安定して移送することができるラベル用弾性体ローラーが要請されている。
なお、台紙なしラベル1(粘着剤層3)との接触面積を減少させ、粘着剤層3による貼付き現象を回避するために、プラテンローラー17の外表面に溝などを形成することも試みられているが、台紙付きの一般的なラベルを移送印字する場合には、ラベルにおける台紙の裏面との接触面積が不十分なため台紙との間で必要な摩擦力(グリップ力)を発揮することができず、ラベルスリップが発生するなど移送機能に支障をきたしやすく、安定した移送および印字作用を期待することができないという問題がある。
【0012】
上述の台紙なしラベル1と同様に、たとえば、コーターや印刷機において、裏面側に粘着剤層あるいは接着剤層を有する紙やフィルムベースの帯状部材を移送あるいは案内する際にも、上述のような諸問題が発生することが懸念され、非粘着性、あるいは剥離性(離型性)に優れた弾性体ローラーが要請されている。
【0013】
さらに、台紙なしラベル1を任意の被貼付け体、たとえば段ボール箱の蓋に機械的に貼り付ける場合、あるいは一般的な台紙付きラベルの台紙からラベルを剥離し、剥離されたラベルを貼り付ける場合、台紙なしラベル1あるいは剥離されたラベルを押し付ける貼付けローラーとして、上述と同様な弾性体ローラーを使用することがある。
このような使用形態の場合には、その粘着剤層3とは反対の表面側から貼付けローラー(弾性体ローラー)で押さえ付けることとなるが、貼付けローラーによる押圧作用により、この粘着剤層3の粘着剤が台紙なしラベル1あるいは剥離されたラベルの周囲にはみ出して当該貼付けローラーに接触する結果、上述と同様に貼付けローラーに台紙なしラベル1あるいは剥離されたラベルの表面が貼り付いて、ラベル巻込み現象が生じ、安定した貼付け操作を阻害してしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2011−31426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、非粘着性、あるいは剥離性(離型性)に優れたプラテンローラーその他の弾性体ローラー、弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法および貼付け方法を提供することを課題とする。
【0016】
また本発明は、台紙なしラベルその他の帯状部材の粘着剤層がその表面に貼り付いても、これを積極的に剥離するように作用することができる弾性体ローラー、弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法および貼付け方法を提供することを課題とする。
【0017】
また本発明は、台紙なしラベル以外の一般的な台紙付きラベルや帯状部材についても、これを安定して移送、案内、さらには貼付けなどすることができる弾性体ローラー、弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法および貼付け方法を提供することを課題とする。
【0018】
また本発明は、台紙なしラベルおよび一般的な台紙付きラベルなどの帯状部材について、剥離性および摩擦力(グリップ力)を発揮して、これらのいずれをも安定して移送案内することができる弾性体ローラー、弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法および貼付け方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
すなわち本発明は、プラテンローラーなどの弾性体ローラーについて、これを二層構造とすること、内層側の弾性体に凹凸形状を付与すること、および、その軸方向に直交する複数本のスリットを形成することに着目したもので、第一の発明は、ローラーシャフトと、このローラーシャフトの周囲に取り付けた弾性材と、を有するとともに、この弾性材に帯状部材を接触させて移送するための弾性体ローラーであって、上記弾性材は、上記ローラーシャフトの外周に設けた内層側弾性材と、この内層側弾性材の外周に設けて上記帯状部材に接触する外層側弾性材と、を有するとともに、上記内層側弾性材は、その外周が凹凸形状を呈し、上記外層側弾性材から上記内層側弾性材にかけて、上記ローラーシャフトの軸方向に直交する複数本のスリットを上記ローラーシャフトの軸方向に沿って形成していることを特徴とする弾性体ローラーである。
【0020】
第二の発明は、ローラーシャフトと、このローラーシャフトの周囲に取り付けた弾性材と、を有する弾性体ローラーに、押圧力を負荷した状態で帯状部材を接触させ、この弾性体ローラーを回転することによりこの帯状部材を移送するための弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法であって、上記弾性材は、上記ローラーシャフトの外周に設けた内層側弾性材と、この内層側弾性材の外周に設けて上記帯状部材に接触する外層側弾性材と、を有し、上記内層側弾性材は、その外周が凹凸形状を呈し、上記外層側弾性材から上記内層側弾性材にかけて、上記ローラーシャフトの軸方向に直交する複数本のスリットを上記ローラーシャフトの軸方向に沿って切り込むことにより、互いに独立した複数個のユニット弾性部を形成してあり、上記帯状部材に上記押圧力を負荷した状態で上記弾性体ローラーを回転することにより、上記複数個のユニット弾性部から上記帯状部材に対するそれぞれの反発力により上記帯状部材を上記弾性体ローラーから引きはがしつつ移送することを特徴とする弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法である。
【0021】
第三の発明は、ローラーシャフトと、このローラーシャフトの周囲に取り付けた弾性材と、を有する弾性体ローラーに、押圧力を負荷した状態で帯状部材を接触させ、この弾性体ローラーを回転することによりこの帯状部材を被貼付け体に貼り付けるための弾性体ローラーによる帯状部材の貼付け方法であって、上記弾性材は、上記ローラーシャフトの外周に設けた内層側弾性材と、この内層側弾性材の外周に設けて上記帯状部材に接触する外層側弾性材と、を有し、上記内層側弾性材は、その外周が凹凸形状を呈し、上記外層側弾性材から上記内層側弾性材にかけて、上記ローラーシャフトの軸方向に直交する複数本のスリットを上記ローラーシャフトの軸方向に沿って切り込むことにより、互いに独立した複数個のユニット弾性部を形成してあり、上記帯状部材に上記押圧力を負荷した状態で上記弾性体ローラーを回転することにより、上記複数個のユニット弾性部から上記帯状部材に対するそれぞれの反発力により上記帯状部材を上記弾性体ローラーから引きはがしつつ上記帯状部材を上記被貼付け体に貼り付けることを特徴とする弾性体ローラーによる帯状部材の貼付け方法である。
【0022】
上記内層側弾性材の、JIS K6253規格に規定するデュロメータータイプAによるゴム硬度(以下、「A硬度」)は、上記外層側弾性材のA硬度より低くしておく。
【0023】
上記内層側弾性材のA硬度は、10〜30度であり、上記外層側弾性材のA硬度は、30〜80度であることが望ましい。
【0024】
上記内層側弾性材の上記凹凸形状は、上記ローラーシャフトの径方向断面が、上記外層側弾性体の径方向断面と異なる形状を有することができる。
【0025】
上記内層側弾性材の上記凹凸形状は、上記ローラーシャフトの径方向断面が、上記外層側弾性体の径方向断面と同一な形状を有することができる。
【0026】
上記内層側弾性材の上記凹凸形状は、上記ローラーシャフトの軸方向に沿ったある位置での径方向断面が、他の位置での径方向断面と異なる形状を有することができる。
【0027】
上記内層側弾性材の上記凹凸形状は、上記ローラーシャフトの軸方向に沿ったある位置での径方向断面が、他の位置での径方向断面と同一な形状を有することができる。
【0028】
上記内層側弾性材の上記凹凸形状は、上記ローラーシャフトの軸方向断面が、上記ローラーシャフトの軸線に平行な外形線を有することができる。
【0029】
上記内層側弾性材の上記凹凸形状は、上記ローラーシャフトの軸方向断面が、上記ローラーシャフトの軸線に非平行な外形線を有することができる。
【0030】
上記内層側弾性材の上記凹凸形状は、上記ローラーシャフトの軸方向断面が、曲線による外形線を有することができる。
【0031】
上記内層側弾性材の上記凹凸形状は、上記ローラーシャフトの軸方向断面が、直線および曲線の組み合わせによる外形線を有することができる。
【0032】
上記内層側弾性材の上記凹凸形状は、上記ローラーシャフトの回転軸を含む平面による、この回転軸まわりのある角度での軸方向断面が、他の角度での軸方向断面と異なる形状を有することができる。
【0033】
上記内層側弾性材の上記凹凸形状は、上記ローラーシャフトの回転軸を含む平面による、この回転軸まわりのある角度での軸方向断面が、他の角度での軸方向断面と同一な形状を有することができる。
【0034】
上記内層側弾性材の上記凹凸形状は、上記ローラーシャフトの径方向断面において、上記内層側弾性材の直径を可変とすることができる。
【0035】
上記内層側弾性材の上記凹凸形状は、上記ローラーシャフトの軸方向断面において、上記内層側弾性材の直径を可変とすることができる。
【0036】
上記内層側弾性材の上記凹凸形状は、上記ローラーシャフトの径方向に沿ったその断面形状を星形とすることができる。
【0037】
上記スリットにより、上記弾性材を、互いに独立変位可能な複数個のユニット弾性部に分割することができる。
【0038】
上記スリットは、上記弾性材の外表面から内方に向かうそのスリット深さDと、その隣り合う上記スリットどうしのスリット間隔Wとの比D:Wが、6:1〜1:3であることが望ましい。
【0039】
上記スリットは、その隣り合う上記スリットどうしのスリット間隔が0.50〜1.00mmであることが望ましい。
【0040】
上記スリットは、上記弾性材の外表面から内方に向かってそのスリット深さが、1.00〜3.00mmであることが望ましい。
【0041】
上記内層側弾性材および上記外層側弾性材は、これを熱可塑性弾性材料から構成することができる。
【0042】
上記内層側弾性材および上記外層側弾性材は、これを同系列の熱硬化性弾性材料から構成することができる。
【0043】
さらに本発明においては、上記内層側弾性材の上記凹凸形状は、上記外層側弾性材の形状(円柱形状)とは異なる形状であればよく、上記ローラーシャフトの径方向断面が、不規則的な形状あるいは規則的な形状を有することにより限定されるものではなく、また、上記ローラーシャフトの径方向断面が、規則的な形状あるいは不規則的な形状を有することにより限定されるものではない。
【0044】
さらに、上記スリットは、上記外層側弾性材を介して上記内層側弾性材の一部まで切り込んでいればよいもので、上記外層側弾性材から上記内層側弾性材を通して、最深で上記ローラーシャフトに至る直前の深さまで切り込む構成とすることができる。
また、上記スリットは、上記ローラーシャフトの軸方向に沿って、その隣り合う上記スリットどうしのスリット間隔が均一あるいは不均一な構成とすることができるとともに、上記弾性材の外表面から内方に向かってそのスリット深さが不均一あるいは均一な構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0045】
本発明による弾性体ローラー、弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法および貼付け方法においては、内層側弾性材および外層側弾性材の二層構造を採用し、内層側弾性材には凹凸形状を形成し、さらに、ローラーシャフトの軸方向に直交する複数本のスリットを形成したので、所定の印字圧ないし移送や貼付けのための圧力が弾性体ローラーに作用しても、台紙なしラベルなど帯状部材の粘着剤層に接触しつつ回転駆動する弾性体ローラーの回転にともなって、内層側弾性材および外層側弾性材に発生する応力が不均一となり、その復元力が弾性ローラーのそれぞれの部位で異なる結果、台紙なしラベルなど帯状部材を弾性体ローラーから強制的に剥離するように作用し、台紙なしラベルその他の帯状部材の弾性体ローラー表面への貼付きや巻込みを防止することができる。
【0046】
第一の発明による弾性体ローラーによれば、弾性体の二層構造およびスリットの形成により、台紙なしラベルなどの帯状部材の粘着剤層が弾性体ローラーの外周面に接触しても、弾性体ローラーの回転にともなって台紙なしラベルなどの帯状部材が弾性体ローラーから離れるように移送されてゆくので、台紙なしラベルなどの帯状部材が弾性体ローラーの外周面に巻き込むように貼り付いてしまうことを防止し、安定した移送、貼付けおよび印字機能を長期間にわたって維持することができる。
【0047】
第二の発明による弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法によれば、二層構造の外層側弾性材および内層側弾性材に切り込んだ複数本のスリットにより、弾性体ローラーには互いに独立した複数個のユニット弾性部を形成してあり、台紙なしラベルなどの帯状部材に押圧力を負荷した状態で弾性体ローラーを回転することにより、複数個のユニット弾性部から帯状部材に対するそれぞれの反発力により、帯状部材の粘着剤層を弾性体ローラーから引きはがしつつ移送するようにしたので、弾性体ローラーとの接触部分から下流側において帯状部分が弾性体ローラーに貼り付いて移送に支障が発生することを防止しつつ、安定した移送を行うことができる。
【0048】
第三の発明による弾性体ローラーによる帯状部材の貼付け方法によれば、二層構造の外層側弾性材および内層側弾性材に切り込んだ複数本のスリットにより、弾性体ローラーには互いに独立した複数個のユニット弾性部を形成してあり、台紙なしラベルなどの帯状部材に押圧力を負荷した状態で弾性体ローラーを回転することにより、複数個のユニット弾性部から帯状部材に対するそれぞれの反発力により、帯状部材の粘着剤層を弾性体ローラーから引きはがしつつ帯状部材を被貼付け体に押し当てあるようにしたので、弾性体ローラーとの接触部分から下流側において帯状部分が弾性体ローラーに貼り付いて貼付けに支障が発生することを防止しつつ、安定した貼付け操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明の第1の実施例による弾性体ローラー(プラテンローラー20)の斜視図である。
図2】同、プラテンローラー20の側面図である。
図3】同、図2のIII−III線断面図である。
図4】同、サーマルプリンター8(図10)においてサーマルヘッド16とプラテンローラー20との間に台紙なしラベル1を挟持した状態のローラーシャフト21の軸方向拡大断面図である。
図5】同、ローラーシャフト21の径方向拡大断面図である。
図6】本発明の第2の実施例による弾性体ローラー(プラテンローラー30)の斜視図である。
図7】本発明の第3の実施例による弾性体ローラー(プラテンローラー40)の斜視図である。
図8】本発明の第4の実施例による弾性体ローラー(プラテンローラー50)の平面図である。
図9】従来からの台紙なしラベル1をロール状に巻いた状態の斜視図である。
図10】同、台紙なしラベル1を装填し、商品についての価格やバーコードその他の商品情報や、物品あるいはサービスに関する管理情報などの可変情報を必要に応じて印字するためのサーマルプリンター8の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明は、内層側弾性材および外層側弾性材による二層構造の、内層側弾性材に凹凸形状を形成し、さらに、ローラーシャフトの軸方向に直交する複数本のスリットを形成したので、スリットにより分割された内層側弾性材および外層側弾性材が台紙なしラベルなどの帯状部材との間の圧力によって同一形状には撓まず、さらに元の形状に戻る際に同一のタイミングで戻ることがなく、それぞれの部位がバラバラに台紙なしラベルなどの帯状部材を押し出す結果、その非粘着性、離型性ないし剥離性を向上させて、台紙なしラベルなどの帯状部材を長期間にわたって安定して移送ないし貼り付けることができる弾性体ローラー、弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法および貼付け方法を実現した。
【実施例】
【0051】
つぎに本発明の第1の実施例による弾性体ローラー、弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法および貼付け方法を、前記プラテンローラー17(図10)と同様に、サーマルプリンター8におけるプラテンローラー20(ラベル用弾性体ローラー)として構成した場合を例に取って図1ないし図5にもとづき説明する。ただし、図9および図10と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
図1は、プラテンローラー20(ラベル用弾性体ローラー)の斜視図、図2は、プラテンローラー20の側面図、図3は、図2のIII−III線断面図である。
プラテンローラー20は、ローラーシャフト21と、このローラーシャフト21の周囲に取り付けるとともに一体的に回転可能な弾性材22と、を有するとともに、この弾性材22にラベル(たとえば前述の台紙なしラベル1、図9)を接触させて移送するものである。
【0052】
弾性材22は、ローラーシャフト21の外周に設けた内層側弾性材23と、この内層側弾性材23の外周に一体的に設けて台紙なしラベル1に接触する外層側弾性材24と、を有する。
【0053】
図示のように、内層側弾性材23は、その外周が凹凸形状を呈している。
すなわち、内層側弾性材23の凹凸形状は、ローラーシャフト21の径方向において、不規則な断面形状(ただし、図示の例では、ローラーシャフト21の軸方向において規則的な断面形状)であり、たとえば内層側弾性材23の凹凸形状は、ローラーシャフト21の径方向断面において、内層側弾性材23の直径を可変としている。
より具体的には、内層側弾性材23の凹凸形状は、ローラーシャフト21の径方向に沿ったその断面形状が星形であり、この断面形状は、ローラーシャフト21のどの軸方向位置においても同じ星形である。この星形は、図示の例では、八個の山部23Aと、山部23Aの間に位置する八個の谷部23Bと、を有する。尚、星形とは、星の輝きを図案化した形状で、多角形を基本とし、その頂点を膨隆させた突出部を有する形であれば良い。
【0054】
さらに、外層側弾性材24から内層側弾性材23にかけてローラーシャフト21の軸方向に沿って、かつ軸方向に直角な方向に円周をめぐって、複数本のスリット25(図2では、点線で示している)を切り込み形成することにより、弾性材22を互いに独立変位可能な複数個のユニット弾性部22A、22B、22C、・・・に分割している(図4)。
スリット25は、図示の例では、ローラーシャフト21の軸方向に沿って、互いに隣り合うスリット25どうしのスリット間隔W(図3)を均一としている。
たとえば、スリット25は、そのスリット間隔Wが0.50〜1.00mmである。
もちろん、スリット25は、ローラーシャフト21の軸方向に沿って、その隣り合うスリット25どうしのスリット間隔Wを不均一とすることもできる。
なお、スリット間隔Wが1.00mmをこえると、ユニット弾性部22A、22B、22C、・・・が、図4および図5にもとづいて後述するような独立変位を起こしにくくなって、台紙なしラベル1に対するプラテンローラー20の剥離効果が低下する。
スリット間隔Wが0.50mm未満では、プラテンローラー20全体としての強度を保ちにくくなる。
【0055】
スリット25は、外層側弾性材24を介して内層側弾性材23の一部まで切り込んでいる。図示の例では、スリット25は、弾性材22において均一な深さで上記星形の凹凸形状を有する内層側弾性材23の山部23Aまで切り込んでおり、その谷部23Bまでには達していない。
プラテンローラー20の材料あるいはその直径などにもよるが、スリット25は、弾性材22の外表面から内方に向かってそのスリット深さD(図3)を、たとえば、プラテンローラー20全体の直径が10〜30mm程度の場合に、1.00〜3.00mmとすることができる。
【0056】
もちろん、このスリット深さDは任意であって、スリット25は、外層側弾性材24から内層側弾性材23を通して、最深でローラーシャフト21に至る直前の深さまで切り込むこともできる。
また、スリット深さDは、ローラーシャフト21の軸方向におけるそれぞれのスリット25について、これを不均一に設けることもできるし、均一にすることもできる。
さらに、ローラーシャフト21の径方向においても、スリット深さDを不均一に設けることもできるし、均一にすることもできる。
【0057】
なお、スリット深さDとスリット間隔Wとの比D:Wは、6:1〜1:3の範囲とすることができ、3:1〜1:2の範囲とすることが望ましい。
比D:Wが6:1をこえた場合、すなわち、スリット25をより深く形成し、互いの間の間隔を狭めても、ユニット弾性部22A、22B、22C、・・・の深部は押圧された場合の変形量が少ないために剥離効果の向上を望むことができないとともに、プラテンローラー20が損傷しやすくなる不具合が生ずる。
一方、比D:Wが1:3未満になると、スリット25を形成したことによる剥離効果を得にくくなる。
【0058】
内層側弾性材23のA硬度(JIS K6253規格に規定するデュロメータータイプAによるゴム硬度)は、外層側弾性材24のA硬度よりこれを低く(柔らかく)形成し、内層側弾性材23が外層側弾性材24より大きく弾性変形することが必要である。
すなわち、複数本のスリット25により形成されたそれぞれのユニット弾性部22A、22B、22C、・・・には、サーマルヘッド16からの押圧力(印字圧力)に対してより強い弾性反発力が発生し、プラテンローラー20に接触しつつ移送されてゆく台紙なしラベル1をプラテンローラー20の表面からはがすように作用することが必要である。
プラテンローラー20の主要構成材である内層側弾性材23および外層側弾性材24は、上記A硬度が、下記のような範囲にある合成樹脂材料を使用することができる。
たとえば、内層側弾性材23のA硬度は、10〜30度、好ましくは20〜30度であり、外層側弾性材24のA硬度は、30〜80度、好ましくは50〜60度である。
内層側弾性材23のA硬度が10度未満の場合には、内層側弾性材23が柔らかくなりすぎてそれぞれのユニット弾性部22A、22B、22C、・・・が必要な弾性力ないし反発力を得にくく、30度をこえると、逆に硬くなって、ユニット弾性部22A、22B、22C、・・・が同じく必要な反発力を得にくい。
外層側弾性材24のA硬度が30度未満の場合には、台紙なしラベル1との接触摩擦力が過剰となって、プラテンローラー20としての移送機能に支障が生じ、80度をこえると、台紙なしラベル1に反発力を伝達しにくく、また、台紙付きラベルを装填した場合に台紙付きラベルとの接触摩擦力が低減して、移送および印字機能が低下する。
【0059】
内層側弾性材23および外層側弾性材24は、これを熱可塑性弾性部材から構成することができる。
また、内層側弾性材23および外層側弾性材24は、これを同系列のシリコーンゴムなどの熱硬化性弾性材料から構成することができる。
内層側弾性材23および外層側弾性材24を構成する合成樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブデン、結晶性ポリブタジエン、ポリブタジエン、スチレンブタジエン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビリニデン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、アイオノマー、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンポリテトラフルオロエチレン共重合体、ポリアセタール(ポリオキシメチレン)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシベンゾイル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、1,2−ポリブタジエン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂を使用することができる。
また、たとえば、熱硬化性のシリコーンゴム、一液型RTV(Room Temperature Vulcanizing)ゴム、二液型RTVゴム、LTV(Low Temperature Vulcanizable)シリコーンゴム、耐油性熱硬化性ゴムなどの熱硬化性弾性材料を用いることができる。
【0060】
こうした構成のプラテンローラー20による前記台紙なしラベル1(図9)の移送作用を図4および図5にもとづき説明する。
図4は、サーマルプリンター8(図10)においてサーマルヘッド16とプラテンローラー20との間に台紙なしラベル1を挟持した状態のローラーシャフト21の軸方向拡大断面図、図5は、同、ローラーシャフト21の径方向拡大断面図である。ただし、図4において、星形の内層側弾性材23における山部23Aの部分および谷部23Bの部分について、同じ図面上に区分けして図示している。
【0061】
図4および図5に示すように、台紙なしラベル1はサーマルヘッド16とプラテンローラー20とに挟まれ、その粘着剤層3が所定の印字圧力(押圧力)でプラテンローラー20に押し付けられ、一時的に貼り付けられたと同等の状態になる。
【0062】
しかして、プラテンローラー20には複数のスリット25が形成されているため、それぞれのスリット25により、互いに隣り合うように分割された独立変位可能なユニット弾性部22A、22B、22C、22D、22E、22F(図4中、右側に位置している)、およびユニット弾性部22G、22H、22I、22J、22K(図4中、左側に位置している)、..は、それぞれ独立した挙動を示す。
すなわち、それぞれのユニット弾性部22A〜22F、22G〜22Kは、内層側弾性材23および外層側弾性材24から構成されているが、内層側弾性材23の体積がそれぞれわずかずつ異なっているため、その弾性変形量が異なって同一形状には撓まない。
また、印字が終了した台紙なしラベル1がサーマルヘッド16から離れたときに、撓んだユニット弾性部22A〜22F、22G〜22Kそれぞれが互いに隣接接触しているためわずかな摩擦力に差があり、もとの形状に戻るときに、全く同じタイミングで同一状態には戻らず、各ユニット弾性部22A〜22F、22G〜22Kが、それぞれの復元力にもとづいてバラバラに、台紙なしラベル1をプラテンローラー17から離すように押し出すことになる。
なお、内層側弾性材23にまでスリット25が達していないユニット弾性部22G〜22Kは、その基部(内方側)では隣り合うユニット弾性部22G〜22Kと一体的ではありながら、その端部(外方側)では別体であり、反発力自体は低下するものの、それぞれ互いに連携はしつつ異なる復元作用を起こして、同じく、台紙なしラベル1をプラテンローラー17から離すように押し出す機能を発揮する。
【0063】
さらに、内層側弾性材23が星形の凹凸形状となっているので、単一のユニット弾性部22A〜22F、22G〜22Kにおいても、プラテンローラー20の回転にともなってサーマルヘッド16から離れるときの剥離機能が確実になる。
すなわち、図4および図5に示すように、比較的A硬度が小さい内層側弾性材23の体積が大きなユニット弾性部22A〜22Fと、内層側弾性材23の体積が小さなユニット弾性部22G〜22Kとでは、プラテンローラー20から受ける押圧力が同等であっても、プラテンローラー20が台紙なしラベル1を移送するように回転すると、ユニット弾性部22G〜22Kに対してユニット弾性部22A〜22Fの方が、相対的に大きな反発力を発生する。
内層側弾性材23の体積が大きいユニット弾性部22A〜22Fと、体積が小さいユニット弾性部22G〜22Kとに生じた反発量ないし復元量の違いが台紙なしラベル1を剥がれ易いように作用し、台紙なしラベル1がプラテンローラー20に貼り付くことはない。
このように各ユニット弾性部22A、22B、22C、・・・、22G、・・・22Kが台紙なしラベル1をバラバラに押し戻すことによりプラテンローラー20の非粘着性および剥離性が向上され、台紙なしラベル1がプラテンローラー20に貼り付いたまま巻き込まれたり、進行方向が曲がってラベル詰まりが発生することがない。
【0064】
かくして、台紙なしラベル1あるいは台紙付きラベルなど多層構造を有する印字媒体をサーマルプリンター8に装填して印字する場合に、外層側弾性材24の外周面は平滑な曲面であって、プラテンローラー20がサーマルヘッド16の全面に印字媒体を安定して接触させることができるとともに、安定した移送印字作用を保障することができ、台紙なしラベル1のみならず、台紙付きラベルの移送についても安定した機能を保障することができる。
【0065】
なお、図4および図5において、プラテンローラー20のうちユニット弾性部22A〜22Fを内層側弾性材23の体積が大きいユニット弾性部とし、ユニット弾性部22G〜22Kを体積が小さいユニット弾性部として説明したが、それは、サーマルヘッド16による押圧を受けている瞬間的に生じた状態であって、体積の大小はプラテンローラー20の回転に伴って次々に変化して行く。
たとえば、図5においてプラテンローラー20が図示の状態からわずかに反時計方向に回転した時点では、内層側弾性材23の山部23Aは台紙なしラベル1の移送方向下流側に位置をずらしており、台紙なしラベル1に対して印字圧が発生しているサーマルヘッド16との接触部位には、ユニット弾性部22A〜22F、22G〜22Kにおける内層側弾性材23の体積がより小さくなる外層側弾性材24の周面が至り、それぞれのユニット弾性部22A〜22F、22G〜22Kによる上述したような弾性反発力が変化してゆくことになる。
換言すれば、台紙なしラベル1との接触部分から下流側にかけて、それぞれのユニット弾性部22A〜22F、22G〜22Kの表面が細かく脈を打つように独立に稼働するので、プラテンローラー20の表面に貼り付いた状態の台紙なしラベル1をその移送方向および幅方向において不均一な剥離力が作用して、台紙なしラベル1をプラテンローラー20から自律的に、かつ強制的に引きはがす結果、ラベル詰まりを発生することなく適正に移送することができる。
【0066】
つぎに本発明による弾性体ローラー、弾性体ローラーによる帯状部材の移送方法および貼付け方法においては、既述のプラテンローラー20(第1の実施例、図1)に限らず、その内層側弾性材23の凹凸形状は、ローラーシャフト21の軸方向において、不規則な断面形状であってもよい(第1の実施例によるプラテンローラー20では、内層側弾性材23の凹凸形状は、ローラーシャフト21の径方向においては、ローラー構成部材としては一般的な円形状とは異なる不規則な、たとえば星形の断面形状であるが、軸方向においては規則的な断面形状である)。
あるいは、内層側弾性材23の凹凸形状は、ローラーシャフト21の軸方向断面において、内層側弾性材23の直径を可変とすることもできる。
もちろん、内層側弾性材23の凹凸形状は、ローラーシャフト21の径方向において、規則的な断面形状を有するように構成することもできる。
要するに、図4図5にもとづき上述したような各ユニット弾性部22A〜22F、22G〜22Kが、表面に貼り付いた状態の台紙なしラベル1に対して、その幅方向および移送方向において独立かつバラバラで、脈動的な反発作用を起こすような内層側弾性材23の凹凸形状を採用すればよい。
【0067】
たとえば、図6は、本発明の第2の実施例による弾性体ローラー(プラテンローラー30)の斜視図であり、プラテンローラー30は、その弾性材31が、内層側弾性材32および外層側弾性材33を有し、内層側弾性材32の凹凸形状として、ローラーシャフト21の軸方向において、内層側弾性材32の直径を周期的に可変とするように、曲面状の山部32Aおよび谷部32Bを交互に繰り返した、いわば串刺し団子状の形状である。また、ローラーシャフト21の径方向断面において、内層側弾性材32の直径はそれぞれ一定である。
さらに、弾性材31における内層側弾性材32および外層側弾性材33には、既述したような所定のスリット深さDおよびスリット間隔Wで複数本のスリット25を切り込むことにより、複数個のユニット弾性部31A、31B、31C、・・・を分割形成している。
【0068】
こうした構成のプラテンローラー30を用いて、サーマルプリンター8(図10)におけるサーマルヘッド16との間に台紙なしラベル1を所定印字圧力で挟持する。
印字圧力の負荷状態におけるプラテンローラー30の回転にともなって、既述のプラテンローラー20(図1ないし図5)の場合と同様に、それぞれのユニット弾性部31A、31B、31C、・・・の内部では、内層側弾性材32の弾性反発力が個別かつ独立に発生し、プラテンローラー30自体がその表面部(外層側弾性材33の表面)を細かく脈動させるので、台紙なしラベル1がプラテンローラー30の表面から強制的に剥離されるように移送され、プラテンローラー30の非粘着性および剥離性を確保することができる。
【0069】
ただし、このプラテンローラー30の場合には、既述のプラテンローラー20の場合とは異なって、それぞれのユニット弾性部31A、31B、31C、・・・の内部において弾性反発力を発生させる内層側弾性材32の体積は、ローラーシャフト21の軸方向において可変であり、径方向においては一定である。
【0070】
つぎに図7は、本発明の第3の実施例による弾性体ローラー(プラテンローラー40)の斜視図であり、プラテンローラー40は、その弾性材41が、内層側弾性材42および外層側弾性材43を有し、内層側弾性材42の凹凸形状としては、ローラーシャフト21の径方向に沿ったその断面形状が星形であり、この星形断面形状をローラーシャフト21の軸方向のまわりにおいてねじりを加えた形状である。
すなわち、ローラーシャフト21の径方向断面および軸方向断面において、内層側弾性材32の直径をともに可変とするように、その山部42Aおよび谷部42Bをローラーシャフト21の軸線のまわりにねじりを加えた、いわば、ねじ山を形成した形状である。
さらに、弾性材41における内層側弾性材42および外層側弾性材43には、既述したような所定のスリット深さDおよびスリット間隔Wで複数本のスリット25を切り込むことにより、複数個のユニット弾性部41A、41B、41C、・・・を分割形成している。
【0071】
こうした構成のプラテンローラー40を用いて、サーマルプリンター8におけるサーマルヘッド16との間に台紙なしラベル1を所定印字圧力で挟持する。
印字圧力の負荷状態におけるプラテンローラー40の回転にともなって、既述のプラテンローラー20(図1ないし図5)およびプラテンローラー30(図6)の場合と同様に、それぞれのユニット弾性部41A、41B、41C、・・・の内部では、内層側弾性材42の弾性反発力が個別かつ独立に発生し、プラテンローラー30自体がその表面部(外層側弾性材43の表面)を細かく脈動させるので、台紙なしラベル1がプラテンローラー40の表面から強制的に剥離されるように移送され、プラテンローラー30の非粘着性および剥離性を確保することができる。
【0072】
ただし、このプラテンローラー40の場合には、既述のプラテンローラー20(図1)やプラテンローラー30(図6)の場合とは異なって、それぞれのユニット弾性部41A、41B、41C、・・・の内部において弾性反発力を発生させる内層側弾性材42の体積は、ローラーシャフト21の軸方向および径方向においてともに可変である。
【0073】
さらに図8は、本発明の第4の実施例による弾性体ローラー(プラテンローラー50)の平面図であって、プラテンローラー50は、その弾性材51が、内層側弾性材52および外層側弾性材53を有し、内層側弾性材52の凹凸形状として、その円柱状本体52Aから大小あるいは所定形状ないし高さの複数個のイボ状突起54を所定の密度で突出させた形状を採用している。これらのイボ状突起54は、円柱状本体52Aの表面において縦、横、斜めその他任意の方向に向かう所定の列をなしていてもよく、不規則であってもかまわない。
すなわち、ローラーシャフト21の軸方向において、内層側弾性材52の直径を不規則に可変とするとともに、ローラーシャフト21の径方向断面においても、内層側弾性材52の直径を不規則に可変としている。
さらに、弾性材51における内層側弾性材52および外層側弾性材53には、既述したような所定のスリット深さDおよびスリット間隔Wで複数本のスリット25を上記イボ状突起54まで切り込むことにより、複数個のユニット弾性部51A、51B、51C、・・・を分割形成している。
【0074】
こうした構成のプラテンローラー50を用いて、サーマルプリンター8(図10)におけるサーマルヘッド16との間に台紙なしラベル1を所定印字圧力で挟持する。
印字圧力の負荷状態におけるプラテンローラー50の回転にともなって、既述のプラテンローラー20(図1ないし図5)、プラテンローラー30(図6)およびプラテンローラー40(図7)の場合と同様に、それぞれのユニット弾性部51A、51B、51C、・・・の内部では、内層側弾性材52の弾性反発力が個別かつ独立に発生し、プラテンローラー50自体がその表面部(外層側弾性材53の表面)を細かく脈動させるので、台紙なしラベル1がプラテンローラー50の表面から強制的に剥離されるように移送され、プラテンローラー50の非粘着性および剥離性を確保することができる。
【0075】
ただし、このプラテンローラー50の場合には、既述のプラテンローラー20の場合とは異なって、それぞれのユニット弾性部51A、51B、51C、・・・の内部において弾性反発力を発生させる内層側弾性材52の体積は、ローラーシャフト21の軸方向および径方向において可変である。
【0076】
なお本発明による弾性体ローラーは、たとえば、コーターや印刷機において、裏面側に粘着剤層あるいは接着剤層を有する紙やフィルムベースの帯状部材を移送あるいは案内する際にも、非粘着性、あるいは剥離性(離型性)に優れた移送ローラーとして使用することができる。
【0077】
さらに本発明による弾性体ローラーは、台紙なしラベル1を任意の被貼付け体、たとえば段ボール箱の蓋に機械的に押し付けて貼り付けるような場合や、一般的な台紙付きラベルの台紙からラベルを剥離し、剥離されたラベルを押し付けて貼り付けるような場合にも、貼付けローラーとして使用することができる。
すなわち、台紙なしラベル1あるいは台紙付きラベルであっても、その裏面側に位置する粘着剤層3とは反対の表面側から、本発明による弾性体ローラーを貼付けローラーとしてラベルを押し付けることとなる。
当該貼付けローラー(弾性体ローラー)による押圧作用により、粘着剤層3の粘着剤は、台紙なしラベル1あるいは台紙付きラベルの側面あるいは先頭端面および後尾端面から、側方さらには表面側に徐々にはみ出しても、この貼付けローラーは、既述の実施例の場合と同様に貼付けローラーに台紙なしラベル1あるいは台紙付きラベルが貼り付くことなく、ラベル巻込み現象を回避して、安定した貼付け操作を実行可能である。
【0078】
なお本発明における内層側弾性材の凹凸形状は、図示は省略するが、上述のような構成以外にも、ローラーシャフトの径方向あるいは軸方向における規則性を完全に排除した任意の形状、さらには、曲面あるいは平面の組み合わせによるその他任意の形状を採用することも可能であって、プラテンローラーその他の弾性体ローラーとして、押圧力が作用している状態でその回転にともないその表面が脈動的ないし不規則に変化して台紙なしラベルなどの帯状部材を積極的にローラー表面からはがしてゆくような機能を付与することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 台紙なしラベル(図9
1A 台紙なしラベル1のラベル片
2 ラベル基材
3 粘着剤層
4 感熱発色剤層
5 剥離剤層
6 位置検出用マーク
7 切断予定線
8 サーマルプリンター(図10
9 供給部
10 案内部
11 検出部
12 印字部
13 切断部
14 ガイドローラー(弾性体ローラー)
15 位置検出センサー
16 サーマルヘッド
17 プラテンローラー(弾性体ローラー)
18 固定刃
19 可動刃
20 プラテンローラー(弾性体ローラー、第1の実施例、図1
21 ローラーシャフト
22 弾性材
22A〜22F、22G〜22K ユニット弾性部(図4
23 内層側弾性材
23A 内層側弾性材23の山部
23B 内層側弾性材23の谷部
24 外層側弾性材
25 スリット
30 プラテンローラー(弾性体ローラー、第2の実施例、図6
31 弾性材
31A、31B、31C、・・・ユニット弾性部
32 内層側弾性材
32A 内層側弾性材32の山部
32B 内層側弾性材32の谷部
33 外層側弾性材
40 プラテンローラー(弾性体ローラー、第3の実施例、図7
41 弾性材
41A、41B、41C、・・・ユニット弾性部
42 内層側弾性材
42A 内層側弾性材42の山部
42B 内層側弾性材42の谷部
43 外層側弾性材
50 プラテンローラー(弾性体ローラー、第4の実施例、図8
51 弾性材
51A、51B、51C、・・・ユニット弾性部
52 内層側弾性材
52A 内層側弾性材52の円柱状本体
53 外層側弾性材
54 複数個のイボ状突起
W 互いに隣り合うスリット25の間のスリット間隔(図3
D ローラー表面から内方に向かうスリット25のスリット深さ(図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10