【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2012東京国際包装展(TOKYO PACK 2012)、社団法人日本包装技術協会主催、2012年10月2日から同年10月5日まで公開
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の骨格材が組み合わされたパレット本体と、前記骨格材に固定された金属製のロード材とを有し、前記ロード材に、搭載物を固定しまたは位置決めするアンカーボルトが設けられた荷役パレットにおいて、
前記パレット本体は、少なくとも2本の骨格材が、底板部と前記底板部から立ち上がって互いに対向する側板部を有する金属製の自由支持基材であり、この自由支持基材に、第1のジョイント構造体が設けられて、前記ロード材が、前記第1のジョイント構造体によって前記自由支持基材に固定されており、
前記第1のジョイント構造体は、対向する前記側板部の間に位置する圧縮変形可能なゴム体と、前記ゴム体の下側に位置する加圧板と、前記ロード材と前記加圧板との間隔を狭めて、前記ゴム体を前記側板部の内面に加圧する締結機構とを有しており、
前記第1のジョイント構造体が、前記自由支持基材上で固定位置を選択して固定可能とされており、
前記ロード材は、底板部と前記底板部から立ち上がって互いに対向する側板部を有し、前記ロード材に、前記アンカーボルトを有する第2のジョイント構造体が設けられ、
前記第2のジョイント構造体は、前記ロード材の対向する前記側板部の間に位置する圧縮変形可能なゴム体と、前記ゴム体の下側に位置する加圧板と、前記ゴム体の上に位置する上支持板と、前記上支持板と前記加圧板との間隔を狭めて、前記ゴム体を前記側板部の内面に加圧する締結機構とを有しており、
前記第2のジョイント構造体が、前記ロード材上で固定位置を選択して固定可能とされていることを特徴とする荷役パレット。
前記第2のジョイント構造体では、前記加圧板に前記アンカーボルトが固定され、前記アンカーボルトが前記ゴム体と前記上支持体に挿通されて、前記締結機構の一部が構成されている請求項1記載の荷役パレット。
複数の骨格材が組み合わされたパレット本体と、前記骨格材に固定された金属製のロード材とを有し、前記ロード材に、搭載物を位置決めまたは固定するアンカーボルトが設けられた荷役パレットの組立方法において、
前記パレット本体は、少なくとも2本の骨格材が、底板部と前記底板部から立ち上がって互いに対向する側板部を有する金属製の自由支持基材であり、
第1のジョイント構造体を構成する圧縮変形可能なゴム体と、前記ゴム体の下側に位置する加圧板とを、対向する前記側板部の間に挿入して、前記自由支持基材における前記第1のジョイント構造体の取り付け位置を任意に選択し、
前記ロード材を前記第1のジョイント構造体に取り付けて、締結機構によって前記ロード材と前記加圧板との間隔を狭めて、前記ゴム体を圧縮させるとともに前記側板部の内面に加圧して、前記自由支持基材に前記第1のジョイント構造体ならびに前記ロード材を固定し、
前記ロード材は、底板部と前記底板部から立ち上がって互いに対向する側板部とを有し、前記アンカーボルトを有する第2のジョイント構造体が、圧縮変形可能なゴム体と、前記ゴム体の下側に位置する加圧板と、前記ゴム体の上に取り付けられる上支持板とを有しており、
前記ロード材の対向する前記側板部の間に、前記ゴム体と前記加圧板を挿入し、前記上支持板を前記ロード材の上に設置して、前記ロード材における前記第2のジョイント構造体の取り付け位置を任意に選択し、
締結機構を用いて、前記上支持板と前記加圧板との間隔を狭めて、前記ゴム体を前記側板部の内面に加圧し、前記第2のジョイント構造体を前記ロード材に固定することを特徴とする荷役パレットの組立方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の荷役パレットは、搭載物の種類や大きさに合わせて骨格構造ならびに大きさが決められ、またアンカーボルトの配置も、骨格構造によって決められている。そのため、異なる種類や大きさの搭載物を共通のパレット上で位置決めし固定することが難しく、搭載物に合わせてそれ専用の荷役パレットを製造することが必要とされていた。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、同じ骨格構造のパレット本体に対して、アンカーボルトの配置位置を任意に変更できるようにして、多種の搭載物の固定や位置決めを可能とした荷役パレットおよびその組立方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の骨格材が組み合わされたパレット本体と、前記骨格材に固定された金属製のロード材とを有し、前記ロード材に、搭載物を固定しまたは位置決めするアンカーボルトが設けられた荷役パレットにおいて、
前記パレット本体は、少なくとも2本の骨格材が、底板部と前記底板部から立ち上がって互いに対向する側板部を有する金属製の自由支持基材であり、この自由支持基材に、第1のジョイント構造体が設けられて、前記ロード材が、前記第1のジョイント構造体によって前記自由支持基材に固定されており、
前記第1のジョイント構造体は、対向する前記側板部の間に位置する圧縮変形可能なゴム体と、前記ゴム体の下側に位置する加圧板と、前記ロード材と前記加圧板との間隔を狭めて、前記ゴム体を前記側板部の内面に加圧する締結機構とを有しており、
前記第1のジョイント構造体が、前記自由支持基材上で固定位置を選択して固定可能とされ
ており、
前記ロード材は、底板部と前記底板部から立ち上がって互いに対向する側板部を有し、前記ロード材に、前記アンカーボルトを有する第2のジョイント構造体が設けられ、
前記第2のジョイント構造体は、前記ロード材の対向する前記側板部の間に位置する圧縮変形可能なゴム体と、前記ゴム体の下側に位置する加圧板と、前記ゴム体の上に位置する上支持板と、前記上支持板と前記加圧板との間隔を狭めて、前記ゴム体を前記側板部の内面に加圧する締結機構とを有しており、
前記第2のジョイント構造体が、前記ロード材上で固定位置を選択して固定可能とされていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の荷役パレットは、パレット本体上において、ロード材の位置を任意に選択して固定できるため、同じ大きさの骨格を使用して、大きさや種類の異なる搭載物の固定や位置決めが可能になる。
【0010】
また、ロード材の固定位置を任意に選択できると共に、ロード材上でのアンカーボルトの取り付け位置も任意に選択でき
るため、同じ大きさの骨格を使用して、大きさや種類の異なる搭載物の固定や位置決めがさらに容易になる。
【0011】
本発明は、前記第2のジョイント構造体において、前記加圧板に前記アンカーボルトが固定され、前記アンカーボルトが前記ゴム体と前記上支持体に挿通されて、前記締結機構の一部が構成されているものとして構成できる。
【0012】
本発明は、少なくとも1本のロード材が、前記自由支持基材に対して90度以外の角度を有して配置されるものとして構成できる。または、異なる長さのロード材が、前記自由支持基材に固定されているものも可能である。
【0013】
上記のように、ロード材を斜めに配置したり、種々の大きさのロード材を選択し組み合わせて用いることで、複数のアンカーボルトの配置位置を任意に組み合わせて設定でき、大きさや種類の異なる搭載物の固定や位置決めが容易になる。
【0014】
また、本発明は、前記自由支持基材の前記側板部に、複数の支持穴が開口しており、前記ゴム体が圧縮されたときにその一部が前記支持穴の内部に膨出可能とされているものが好ましい。
【0015】
上記構造では、圧縮変形したゴム体の一部が穴の内部に食い込むことで、ジョイント構造体の固定強度を高めることができる。
【0016】
次に、本発明は、複数の骨格材が組み合わされたパレット本体と、前記骨格材に固定された金属製のロード材とを有し、前記ロード材に、搭載物を位置決めまたは固定するアンカーボルトが設けられた荷役パレットの組立方法において、
前記パレット本体は、少なくとも2本の骨格材が、底板部と前記底板部から立ち上がって互いに対向する側板部を有する金属製の自由支持基材であり、
第1のジョイント構造体を構成する圧縮変形可能なゴム体と、前記ゴム体の下側に位置する加圧板とを、対向する前記側板部の間に挿入して、前記自由支持基材における前記第1のジョイント構造体の取り付け位置を任意に選択し、
前記ロード材を前記第1のジョイント構造体に取り付けて、締結機構によって前記ロード材と前記加圧板との間隔を狭めて、前記ゴム体を圧縮させるとともに前記側板部の内面に加圧して、前記自由支持基材に前記第1のジョイント構造体ならびに前記ロード材を固定
し、
前記ロード材は、底板部と前記底板部から立ち上がって互いに対向する側板部とを有し、前記アンカーボルトを有する第2のジョイント構造体が、圧縮変形可能なゴム体と、前記ゴム体の下側に位置する加圧板と、前記ゴム体の上に取り付けられる上支持板とを有しており、
前記ロード材の対向する前記側板部の間に、前記ゴム体と前記加圧板を挿入し、前記上支持板を前記ロード材の上に設置して、前記ロード材における前記第2のジョイント構造体の取り付け位置を任意に選択し、
締結機構を用いて、前記上支持板と前記加圧板との間隔を狭めて、前記ゴム体を前記側板部の内面に加圧し、前記第2のジョイント構造体を前記ロード材に固定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、同じ大きさの骨格構造を有するパレット本体上で、アンカーボルトの配置位置が種々に変更できるようになり、多種の搭載物の位置決めや固定が可能になる。さらに、ロード材を斜めに配置することにより、複数のアンカーボルトの配置位置を多様に変更することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態の荷役パレット1は複数のアンカーボルト24を有している。
図1に示す実施の形態は、荷役パレット1に設置される搭載物50が、機械製品や機械部品などであり、固定用の穴51が複数個所に設けられている。荷役パレット1は、複数のアンカーボルト24の固定位置を前記穴51の位置に合わせて変更できるようになっている。よって、どのような搭載物50であっても、アンカーボルト24を使用して荷役パレット1上に固定することが可能である。
【0021】
搭載物50が固定された後に、荷役パレット1の四側面に側壁構造体が取り付けられ、上部に天井構造体が取り付けられて、梱包容器として使用される。ただし、荷役パレット1に搭載物50が載置された後に、前記側壁構造体や天井構造体が取り付けられていない状態で、倉庫に保管され、または運搬されてもよい。
【0022】
図1と
図2に示すように、荷役パレット1は複数本の骨格材を組み立てて構成されている。骨格材のうちの3本は自由支持基材2,3,4である。自由支持基材2,3,4は、長手方向が縦方向(Y方向)へ延びており、横方向(X方向)へ間隔を空けて互いに平行に配置されている。すなわち、自由支持基材2,3,4は縦方向骨格材である。
【0023】
荷役パレット1に、3本の横方向骨格材5,6,7が設けられている。横方向骨格材5,6,7は、長手方向が横方向(X方向)へ延びており、縦方向(Y方向)へ間隔を空けて互いに平行に配置されている。
【0024】
横方向骨格材5,6,7は、金属製の角筒材またはチャンネル材あるいは断面L字材である。自由支持基材2,3,4と、横方向骨格材5,6,7とが、交差部分において溶接により固定され、またはボルト締めで固定されて、パレット本体が構成されている。
【0025】
横方向骨格材5と横方向骨格材6との間にロード材8が設けられ、横方向骨格材6と横方向骨格材7との間にロード材9が設けられている。ロード材8,9は、その上に設置される搭載物を固定しまたは位置決めするためのものである。この実施の形態では、縦方向と横方向の寸法が予め決められているパレット本体に対して、種々の寸法のロード材8,9を組み付けることができ、またそれぞれのロード材8,9の取り付け位置を任意に選択して固定することが可能である。
【0026】
図3に、自由支持基材2とロード材9の端部とを連結する第1のジョイント部が示されている。
【0027】
自由支持基材2は、底板部2aと、底板部2aの両側部から垂直に立ち上がる一対の側板部2b,2bを有する金属製(鉄製)のチャンネル材である。一対の側板部2b,2bは互いに平行で、縦方向(Y方向)へ連続して延びている。それぞれの側板部2bには、複数の支持穴2cが、縦方向(Y方向)へ向けて一定のピッチで開口している。
【0028】
ロード材9は、金属製のチャンネル材であり、底板部9aと、底板部9aの両側部から上向きに垂直に曲げられた一対の側板部9b,9bを有している。また、側板部9b,9bの上縁部から互いに対向する方向へ曲げられた幅寸法の小さい上部折曲げ部9c,9cが一体に形成されている。ロード材9には、X方向の両端部と中央部の3か所に取付け穴9eが形成されている。
図2の実施の形態では、ロード材8とロード材9の構造が同じであり、長さ寸法も互いに同じである。ただし、ロード材8,9として、長さ寸法が互いに異なるものを使用することも可能である。
【0029】
図3に示すように、自由支持基材2とロード材9は、第1のジョイント構造体10を介して連結されている。第1のジョイント構造体10は、加圧板11と、収縮変形可能な弾性体であるゴム体12と、上支持板13とを有している。
【0030】
加圧板11は金属板を折り曲げたものであり、加圧部11aと、縦方向(Y方向)に向く前後端から垂直に曲げられた前後板部11b,11bとを有している。加圧部11aの中央部には、垂直に延びるボルト14の基端部が溶接手段などで固定されている。
【0031】
ゴム体12は、天然ゴム材または合成ゴム材で立方体の形状に形成されており、その中央部に、上下に貫通する挿通穴12aが形成されている。
【0032】
上支持板13は金属板から折り曲げられており、上支持部13aと、この上支持部13aの横方向(X方向)に向く両側部から下向きに折り曲げられた側縁部13b,13bとを有している。上支持部13aの中央部に上下に貫通する貫通穴13cが形成されている。ボルト14の先端部にはナット16が螺着される。ボルト14とナット16とで締結機構が構成されている。
【0033】
図4に、自由支持基材2とロード材9とが第1のジョイント構造体10を介して固定された第1のジョイント部が断面図で示されている。
【0034】
第1のジョイント構造体10は、加圧板11に固定されたボルト14が、ゴム体12の挿通穴12aに挿入されて、ゴム体12が、加圧板11の前後板部11b,11bの間に入れられ、加圧部11aに密着するように設置される。ゴム体12の上に上支持板13が設置され、ボルト14の先部が、上支持体13に形成された貫通穴13cに挿通される。
【0035】
図4に示すように、加圧板11とゴム体12が、自由支持基材2において互いに対向する側板部2bと側板部2bとの間に挿入される。また、上支持板13の上支持部13aが、自由支持基材2の側板部2b,2bの上端部に設置され、側縁部13b,13bが、側板部2b,2bの外側に設置される。
【0036】
ロード材9の底板部9aが、上支持板13の上に設置され、ボルト14の先部が、ロード材9の取付け穴9eに下側から挿入される。ロード材9の底板部9aから上方へ突出したボルト14の先部にワッシャ15が挿通され、さらにナット16が螺着される。
【0037】
ロード材9の他方の端部と自由支持基材3とのジョイント部と、ロード材9の中心部と自由支持基材4とのジョイント部も、
図3に示したのと同じ第1のジョイント構造体10を介して連結される。同様に、他方のロード材8と、自由支持基材2,3,4のそれぞれも、第1のジョイント構造体10を介して連結される。
【0038】
自由支持基材2,3,4のそれぞれにおいて第1のジョイント構造体10を固定する場所を任意に選択することにより、自由支持基材2,3,4に対するロード材8,9の取り付け位置を自由に選択することができる。
【0039】
すなわち、ナット16をボルト14に締め付ける前のゴム体12が圧縮されていない段階で、側板部2bと側板部2bの間に挿入された第1のジョイント構造体10を、自由支持基材2,3,4のそれぞれに対し、Y方向へ移動させることで、その取り付け位置を選択することができ、これにより、パレット本体上でのロード材8,9の取り付け位置を決めることができる。
【0040】
それぞれの第1のジョイント構造体10の取り付け位置が決められた後に、締結機構を構成するナット16をボルト14に締め付けると、加圧板11とロード材9との間でゴム体12が圧縮され、詳しくは、加圧板11と上支持板13との間でゴム体12が上下に圧縮される。上下に圧縮されたゴム体12は左右方向(X方向)へ膨出して、ゴム体12が自由支持基材2の側板部2b,2bの内面に押し付けられる。さらに、ゴム体12の一部が、側板部2b,2bに開口している支持穴2cの内部に食い込むように入り込む。
【0041】
側板部2b,2bへのゴム体12の圧接力と、支持穴2cへのゴム体12の食い込み力の双方の力により、第1のジョイント構造体10が、自由支持基材2に固定され、さらにロード材9の端部が第1のジョイント構造体10に固定される。
【0042】
図1と
図2に示す実施の形態では、ロード材8,9として、その長さ寸法が、自由支持基材2と自由支持基材3との横方向(X方向)の間隔よりも大きいものが使用されている。その結果、ロード材8,9が横方向(X方向)に対して斜めに配置され、自由支持基材2,3,4に対して90度以外の角度で交差している。この場合も、ロード材8,9の配置角度に合わせて、第1のジョイント構造体10の取り付け位置を選択することで、それぞれのロード材8,9を自由支持基材2,3,4に固定することが可能である。
【0043】
図1に示すように、ロード材8とロード材9のそれぞれに第2のジョイント構造体20が2個ずつ取り付けられ、それぞれのロード材8,9にアンカーボルト24が設けられている。また、ロード材8,9上で、第2のジョイント構造体20の位置を自由に選択して固定することができる。
【0044】
図2に示す荷役パレットでは、ロード材8,9を斜めに配置することによって、ロード材8,9に取り付けられているアンカーボルト24のうち、(a)と(b)に位置するアンカーボルト24を互いに接近させて配置し、(c)と(d)に位置するアンカーボルト24を互いに離れた位置に配置することが可能となっている。
【0045】
図5と
図6に示すように、第2のジョイント構造体20は、加圧板21とゴム体22および上支持板23を有している。
【0046】
加圧板21は、金属板を折り曲げて形成されており、加圧板部21aと、その横方向(X方向)の両側で上向きに折り曲げられた左右板部21b,21bを有している。
図6に示すように、加圧板部21aの中央部にアンカーボルト24の基端部が溶接手段などで固定されている。
【0047】
ゴム体22は立方体形状で中央部に挿通穴22aが形成されている。また、上支持板23は、上支持部23aとその両側部から下向きに折り曲げられた側縁部23b,23bを有している。上支持部23aの中心部には、貫通穴23cが形成されている。
【0048】
第2のジョイント構造体20に使用される加圧板21とゴム体22ならびに上支持板23は、
図3に示した第1のジョイント構造体10を構成している加圧板11とゴム体12ならびに上支持板13と同じものを使用することが可能である。
【0049】
図5に示すように、ゴム体22の挿通穴22aにアンカーボルト24が挿入されて、ゴム体22が加圧板21の上に設置され、さらにアンカーボルト24が上支持板23の貫通穴23cに挿入されて、上支持板23がゴム体22の上に設置される。
【0050】
図6に示すように、加圧板21とゴム体22が、ロード材9の端部から互いに対向する側板部9bと側板部9bとの間に挿入される。また、上支持板23が、側板部9bと側板部9bの上端の上部折曲げ部9c,9cの上に設置されて、側縁部23b,23bが、側壁部9b、9bの外側に設置される。この状態で、第2のジョイント構造体20を、ロード材9に沿って移動させることで、第2のジョイント構造体20の取り付け位置を任意に選択することができる。
【0051】
ロード材8,9上での第2のジョイント構造体20の取り付け位置は、その上に設置される搭載物50に設けられた穴51の位置に応じて決められる。
【0052】
図1に示す荷役パレットは、第1のジョイント構造体10の取り付け位置を選択して、ロード材8とロード材9の縦方向(Y方向)での取り付け位置と互いの間隔を任意に変えることができ、さらに、ロード材8,9上で第2のジョイント構造体20の取り付け位置を任意に変えることができる。そのため、アンカーボルト24の配置位置(a)(b)(c)(d)を、
図1に示す搭載物50に設けられた穴50の位置に応じて任意に設定することが可能である。
【0053】
図1に示すように、自由支持基材2と自由支持基材3の横方向(X方向)の間隔よりも長い寸法のロード材8,9を使用することで、(a)と(b)の位置のアンカーボルト24の縦方向(Y方向)の間隔と、(c)と(d)の位置のアンカーボルト24の縦方向(Y方向)の間隔を互いに相違させることができる。このように、アンカーボルト24の配置位置(a)(b)(c)(d)を自由に設定することにより、どのような搭載物50であっても、ロード材8,9に設けられたアンカーボルト24を、搭載物50の穴51の位置に合わせることが可能である。
【0054】
アンカーボルト24の配置位置(a)(b)(c)(d)が決められた後に、ロード材8,9の上に搭載物50が設置され、それぞれの第2のジョイント20に設けられたアンカーボルト24が、搭載物50に形成された穴51へ下側から挿入される。そして、
図6に示すように、穴51の上方へ突出したアンカーボルト24の先部にワッシャ25が設置されナット26が螺着される。
【0055】
第2のジョイント構造体20では、アンカーボルト24とナット26とで締結機構が構成されており、ナット26が締め付けられると、加圧板21と上支持板23との上下の間隔が狭められる。その結果、ロード材9の上部折曲げ部9c,9cが、ゴム体22と上支持体23との間に挟まれて、上支持板23が上部折曲げ部9c,9cに押し付けられる。また、ゴム体22が上下に圧縮されY方向へ膨出するため、ゴム体22が、ロード材9の側板部9b,9bの内面に加圧される。さらに、ゴム体22が側板部9b,9bに開口する支持穴9dに食い込み、これにより、ロード材9上で第2のジョイント構造体20が強固に固定され、さらに、アンカーボルト24にサポート部材31が強固に固定される。
【0056】
4か所に設けられたアンカーボルト24が全て、搭載物50の穴51に挿通されて、ナット26が締め付けられることによって、荷役パレット1上で、搭載物50が位置決めされて固定される。
【0057】
なお、荷役パレット1上に搭載物50を設置する作業では、第1のジョイント構造体10のナット16を弛め、また第2のジョイント構造体20のナット26を弛めた状態で、ロード材8,9の位置を動かし、さらに第2のジョイント構造体20を移動させて、4か所のアンカーボルト24の位置(a)(b)(c)(d)を、搭載物50の穴51の位置に合わせる。その後、ロード材8,9に搭載物50が載せられ、アンカーボルト24が穴51に挿通される。その後に、第1のジョイント構造体10のナット16と第2のジョイント構造体20のナット26が締め付けられる。
【0058】
図7に示す実施の形態では、荷役パレット1上で、搭載物55が固定用治具55を介して固定されている。
【0059】
それぞれの固定用治具55は、金属板が直角に折り曲げられたものである。それぞれの固定用治具55の水平部55aは、アンカーボルト24とナット26によって第2のジョイント構造体20上に固定される。固定用治具55の垂直部55bに固定ボルト56が挿入され、固定ボルト56が、当接部55に設けられたいずれかの雌ねじ穴57に螺着される。これにより、荷役パレット1上で、搭載物55が固定される。
【0060】
図8と
図9に示す実施の形態では、搭載物55が、荷役パレット1の上に固定されず、荷役パレット1上で、搭載物55がサポート部材31で挟まれて位置決めされている。
【0061】
サポート部材31は断面がL字形状の金属材であり、ロード材8に取り付けられた第2のジョイント構造体20と、ロード材9に取り付けられた第2のジョイント構造体20との間に渡されるように取り付けられている。サポート部材31に取付け穴31aが形成されており、第2のジョイント構造体20のアンカーボルト24が取付け穴31aへ下側から挿入される。そして、
図9に示すように、サポート部材31の上方へ突出したアンカーボルト24の先部にナット26が螺着され、アンカーボルト24がロード材8,9上に固定される。
【0062】
図9に示すように、ロード材8,9上に設置された搭載物55は、対を成すサポート部材31に挟まれて、X方向へ動かないように位置決めされる。
【0063】
この実施の形態でも、第1のジョイント構造体10の取り付け位置を変えて、ロード材8,9の位置を設定し、さらにロード材8,9上で第2のジョイント構造体20の取り付け位置を決めることで、サポート部材31,31を、搭載物55を挟み込むのに最適な位置に固定することができる。
【0064】
図10に示す実施の形態では、第2のジョイント構造体20に設けられた上支持板23のX側の端部に垂直折曲げ部23dが形成され、垂直折曲げ部23dから、さらにX方向に延びる縦方向サポート部23eが折り曲げられて形成されている。
【0065】
また、前記サポート部材31が第2のジョイント構造体20から延びるアンカーボルト24に固定されている。
【0066】
その結果、4か所に設けられるそれぞれの第2のジョイント構造体20の上に、Y方向に延びるサポート部材31とX方向に延びる縦方向サポート部23eが互いに直角に配置されることになる。この第2のジョイント構造体20を使用することで、ロード材8,9の上に設置された搭載物55の4か所の角部を位置決めすることができる。
【0067】
図11(A)(B)は、荷役パレットの変形例を示している。
図11(A)に示す荷役パレット101では、長さの相違する2本のロード材108,109が使用されている。一方のロード材108は短く、横方向骨格材5と平行に取り付けられ、他方のロード材109は前記ロード材108よりも長く、X方向に対して斜めに延びている。
【0068】
図11(B)に示す荷役パレット102は、
図11(A)に示したのと同じロード材108,109が使用されていると共に、ロード材108とロード材109の中間の長さのロード材110が使用されている。
【0069】
図11(A)(B)に示す荷役パレット101,102は、基本となる骨格構造と大きさが同じでありながら、長さの異なる複数種のロード材から適度なものを選択し、さらに自由支持基材2,3に対する第1のジョイント構造体10の取り付け位置を選択し、第2のジョイント構造体20の取り付け位置を選択することで、アンカーボルト24の位置を自由に変更して、異なる種類の搭載物を固定することが可能になる。
【0070】
前記各実施の形態では、アンカーボルト24が第2のジョイント構造体20の一部を構成しており、アンカーボルト24の位置をロード材8,9上で動かすことが可能である。
【0071】
ただし、本発明の範囲からは外れるが、ロード材の上でアンカーボルト24を動かすことができない
場合も考えられる。例えば、図12(A)に示すロード材118は、前記ロード材8,9と同じチャンネル材で形成されており、アンカーボルト24を支持する金属板が、ロード材8,9に固定されている。
【0072】
図12(B)に示すロード材119は、チャンネル材が横向きに配置されて、複数のアンカーボルト24が固定されている。
【0073】
自由支持基材2,3,4上での第1のジョイント構造体10の取り付け位置を設定して、アンカーボルト24が固定されたロード材118,119の位置を調整することで、アンカーボルト24を搭載物の固定や位置決めに合わせた位置に設定することができる。