【実施例1】
【0035】
本実施例に係る旋回式クランプ装置1について、
図1〜
図8に基づいて説明する。
この旋回式クランプ装置1は、油圧シリンダ2(流体圧シリンダに相当する)と、この油圧シリンダ2の出力ロッド6の上端部に固定したクランプアーム3と、出力ロッド6をその軸心回りに設定角度(本実施例では90度)旋回させる旋回機構8とを備えている。クランプアーム3の基端部が出力ロッド6のテーパ軸部6aに外嵌されて出力ロッド6の上端部に螺合させたナット3aにより固定されている。
【0036】
この旋回式クランプ装置1は、出力ロッド6を収縮状態から伸長させていくとアンクランプ状態になる。出力ロッド6が退入した状態でクランプ状態になり、クランプアーム3によりクランプ対象物を下方に押圧してクランプする。この
図1に示すアンクランプ状態から
図4に示すクランプ状態に移行する際に、出力ロッド6がその軸心の回りに平面視にて反時計回り方向へ90度旋回する。クランプ状態からアンクランプ状態に移動する際には上記とは逆に時計回り方向へ90度旋回する。
【0037】
最初に、油圧シリンダ2について説明する。
図1〜
図4に示すように、この油圧シリンダ2は、シリンダ本体10と、ピストン部材4と、アンクランプ用油圧作動室12aと、クランプ用油圧作動室12bと、補助ロッド7と、検出用開閉弁機構11とを備えている。シリンダ本体10は、上部シリンダ本体10Uと、下部シリンダ本体10L(これはヘッド側端壁部材である)とを有する。上部シリンダ本体10Uは、平面視矩形の矩形シリンダ本体部10aと、この矩形シリンダ本体部10aの下端から下方へ延びる筒形の筒形シリンダ本体部10bとを有する。矩形シリンダ本体部10bの下端にベース部材13の上面に据え付けるための据え付け面14が形成されている。上部シリンダ本体10Uは、4本のボルト27でベース部材13に固定される。
【0038】
矩形シリンダ本体部10aと筒形シリンダ本体部10bの内部にシリンダ孔15が形成され、このシリンダ孔15の下端側は下部シリンダ本体10Lで閉塞されている。
下部シリンダ本体10Lの上半部はシリンダ孔15の下側に連なる嵌合孔15aに嵌合されてシール部材16でシールされている。下部シリンダ本体10Lの下端部と、筒形シリンダ本体部10bの下端部との間に環状隙間17が形成され、この環状隙間17にリング部材19が装着されて筒形シリンダ本体部10bの雌螺子穴18に螺合され、このリング部材19により、下部シリンダ本体10Lが上部シリンダ本体10Aに固定されている。下部シリンダ本体10Lにはシリンダ孔15に連通するロッド挿入穴20であって補助ロッド7が挿入されるロッド挿入穴20が形成されている。
【0039】
旋回式クランプ装置1を取り付けるベース部材13に、筒形シリンダ本体部10bと下部出力本体部10L(クランプ本体の下部に相当する)を上方から挿入装着する装着穴21が形成され、この装着穴21は下部装着穴22とこの下部装着穴22よりも僅かに大径の上部装着穴23とで構成され、筒形シリンダ本体部10bの下端側約2/5部分(クランプ本体の下端側部分に相当する)とその外周部に装着されたシール部材24aが下部装着穴22に装着される。上部装着穴23には筒形シリンダ本体部10bの外周側に環状隙間25が形成される。尚、筒形シリンダ本体部10bの上端部にはシール部材24bが装着されている。
【0040】
次に、ピストン部材4について説明する。
図2、
図4、
図5に示すように、ピストン部材4は、シリンダ孔15内に上下方向に摺動自在に装着されたピストン部5と、このピストン部5から上方へシリンダ本体10外まで延びる出力ロッド6と、シリンダ本体10の内部においてピストン部5から下方へ出力ロッド6と反対方向へ設定長さ延びる補助ロッド7とを有する。ピストン部5の外周部にはシール部材26が装着されている。出力ロッド6の上端にはレンチ挿入用の六角穴6bが形成されている。
【0041】
シリンダ孔15はピストン部5で上下に仕切られ、ピストン部5の上側にクランプ用油圧作動室12bが形成され、ピストン部5の下側にアンクランプ用油圧作動室12aが形成されている。上記の油圧作動室12a,12bが流体圧作動室に相当する。 上部シリンダ本体10Aの矩形シリンダ本体部10aには、油圧ポート30,31が形成され、油圧ポート30はシリンダ本体10の油路30aによりアンクランプ用油圧作動室12aに連通され、油圧ポート31はシリンダ本体10の油路31aによりクランプ用油圧作動室12bに連通され、油圧ポート30,31は油圧供給源(図示略)に油圧ホース等で接続される。
【0042】
次に、検出用開閉弁機構11と、エア通路32(流体通路に相当する)について説明する。この検出用開閉弁機構11は、シリンダ本体10の下部シリンダ本体10Bに組み込まれており、この検出用開閉弁機構11により、シリンダ本体10に形成されたエア通路32の途中部が開閉される。エア通路32は、前記環状隙間25を弁体収容穴35の下端部外周に連通させる上流側エア通路33と、弁体収容穴35の下端中央部を装着穴21の底部に連通させる下流側エア通路34とを有する。加圧エア供給源40からベース部材13内のエア通路42と前記環状隙間25を介して上流側エア通路33に加圧エアが供給され、検出用開閉弁機構11が開弁状態のとき、上記の加圧エアは下流側エア通路34へ流れ、ベース部材13内のエア通路43を通って大気中へ開放される。
【0043】
前記検出用開閉弁機構11(第1検出用開閉弁機構)は、弁体収容穴35(第1弁体収容穴)と、この弁体収容穴35に可動に収容された弁体36(第1弁体)と、弁体36の外周部に形成された環状の係合凹部37(第1係合凹部)と、この係合凹部37に係合可能な球体38(第1球体)と、補助ロッド7に形成され且つ球体38が係合可能な係合部39(第1係合部)とを備えている。
【0044】
弁体収容穴35は、下部シリンダ本体10Lにシリンダ孔15の軸心と平行にほぼ円筒形に形成され、弁体収容穴35はアンクランプ用油圧作動室12aに連通している。
弁体収容穴35の上端側約1/5部分〜1/4部分の内径はその他の部分の内径よりも僅かに大径に形成され、その大径部から滑らかに内径が小さくなっている。
【0045】
図2、
図4、
図7、
図8に示すように、弁体36は、弁体収容穴35に上下方向に可動に収容されてアンクランプ用油圧作動室12の油圧を受圧可能に構成され、弁体36の上下長は弁体収容穴35の上下長とほぼ等しい。弁体36の上部の外周部には係合凹部37が形成されている。この係合凹部37は、その中段部の小径の円筒面37aと、この円筒面37aの上端から上方へ連なり上方程大径化する上側部分円錐面37bと、円筒面37aの下端から下方へ連なり下方程大径化する下側部分円錐面37cとを有する。尚、弁体36の下部の外周部にはシール部材36aが装着されている。
【0046】
下部シリンダ本体10Lの壁部44であって、ロッド挿入孔20と弁体収容穴35の間の壁部44には、球体保持穴45が形成されている。この球体保持穴45は水平方向向きの小径円筒穴である。球体保持穴45に球体38が水平方向へ可動に装着され、係合凹部37に係合可能に保持されている。尚、球体38の直径は壁部44の厚さよりも大きく設定されている。
【0047】
図2に示すように、補助ロッド7の外周部には、ピストン部材4がアンクランプ位置のときに球体38の一部が係合する環状溝からなる係合部39が形成されている。
アンクランプ状態のとき、弁体36の上端にアンクランプ作動油室12aの油圧が作用し、球体38の一部が係合部39に係合して球体38が補助ロッド7側へ移動するため、係合凹部37の上側部分円錐面37bの下方移動が許容されて弁体36が下降し、弁体36の下端面が弁体収容穴35の底面に当接し、検出用開閉弁機構11が閉弁状態になる。この閉弁状態は、加圧エア供給系に接続された圧力スイッチ41又は圧力センサにより検出される。
【0048】
図4に示すように、ピストン部材4がアンクランプ位置から下方へ移動すると、係合部39が球体38よりも下方へ移動し、球体38は補助ロッド7の外周面で弁体36側へ押されるため、球体38が係合凹部37の上側部分円錐面37bを上方へ押す。そのため、弁体36が僅かに上方へ移動し、弁体36の下端面と弁体収容穴35の底面との間に隙間が形成され、検出用開閉弁機構11が開弁状態を保持する。
【0049】
次に、出力ロッド6の進退動作に連動して出力ロッド6をその軸心回りに設定角度旋回させる旋回機構8であって、油圧シリンダ2の補助ロッド7とシリンダ本体10とに組み込まれた旋回機構8について説明する。
図2、
図4、
図5、
図6に示すように、旋回機構8は、3つの鋼球50と、これら鋼球50が夫々係合する3つ係合溝51とを備えている。下部シリンダ本体10Lのロッド挿入穴20の外周壁部には、3つの半球状の係合凹部52が周方向3等分位置に形成されている。
【0050】
補助ロッド7の外周部には、3つの鋼球50を夫々係合させる上記の3つの係合溝51が周方向3等分位置に形成されており、各係合溝51に鋼球50の半分が係合する。各係合溝51の上部約1/3は鉛直向きの直線溝51aであり、下部約1/3は平面視にて反時計回り方向へ90度位相がズレた直線溝51cであり、中段部には上部の直線溝51aの下端と下部直線溝51cの上端を連ねる平面視にて90度に亙る螺旋溝51bが形成されている。各鋼球50は対応する係合凹部52と係合溝51に係合している。
【0051】
従って、ピストン部材4が上限のアンクランプ位置からクランプ位置へ下降する際には、上記の旋回機構8によりピストン部材4(つまり、出力ロッド6)がその軸心真回りに平面視にて反時計回り方向へ約90度旋回する。ピストン部材4が下限のクランプ位置からアンクランプ位置へ上昇する際には、ピストン部材4(つまり、出力ロッド6)は上記とは反対に時計回り方向へ約90度旋回する。
【0052】
次に、旋回式クランプ装置1の作用、効果について説明する。
図1、
図2に示すアンクランプ状態では、アンクランプ用油圧作動室12aに油圧が充填されており、このとき、検出用開閉弁機構11においては、弁体36の上端にアンクランプ用油圧作動室12aの油圧が作用し、かつ補助ロッド7の係合部39に球体38の一部が係合して球体38が弁体36の係合凹部37の上側部分円錐面37aを押圧しないため、
図2、
図8に示すように弁体36が下限位置まで下降して閉弁位置となる。そのため、エア通路32が遮断され、エア通路42のエア圧が上昇して圧力スイッチ41がオンするため、圧力スイッチ41の検出信号を受信する制御ユニットにおいてクランプ装置1がアンクランプ状態であることを検知することができる。
【0053】
クランプ対象物をクランプするために、アンクランプ用油圧作動室12aの油圧をドレン圧に切換え、クランプ用油圧作動室12bに油圧を供給すると、ピストン部材4がクランプ位置まで下降し、
図3に示すように、出力ロッド6が反時計回りに約90度旋回した状態でクランプ対象物をクランプする。尚、上記のクランプ位置は、一定高さの位置とは限らず、クランプ対象物であるワークの厚さに応じた位置である。
【0054】
ピストン部材4が下降すると、補助ロッド7の係合部39も下降し、球体38は補助ロッド7の外周面で弁体36側へ押され、その球体38が弁体36の係合凹部37に係合し、その上側部分円錐面37aを上方へ押圧するため、弁体36が僅かに上方へ移動し、
図4、
図7に示すように、検出用開閉弁機構11の第1弁体36が開弁位置になる。そのため、圧力スイッチ41がオフに復帰するため、アンクランプ状態でなくなったことを検知することができる。
【0055】
このように、ピストン部材4がアンクランプ位置(移動限界位置)に移動したときに検出用開閉弁機構11が閉弁位置に切換わってエア通路32を遮断するため、ピストン部材4がアンクランプ位置に移動したことを、検出用開閉弁機構11と、エア通路32に供給するエア圧を介して検知することができる。アンクランプ用油圧作動室12aの油圧で弁体36を付勢して閉弁位置にするため、検出用開閉弁機構11は作動確実性に優れる。
【0056】
検出用開閉弁機構11をシリンダ本体10の壁部に組み込んでいるため、油圧シリンダ2の小型化を図ることができる。検出用開閉弁機構11の弁体36は、その外周部に係合凹部37を有し、球体38を係合部39に係合させずに、係合凹部37に係合させて開弁し、球体38を係合部39に係合させて閉弁させる構成であるため、簡単な構成でもってピストン部材4に連動させて検出用開閉弁機構11を開閉させることができる。
【0057】
前記エア通路32に供給する加圧エアのエア圧を介して、検出用開閉弁機構11の閉弁を検知するため、簡単な構成で閉弁を検知できる。
前記係合部39が補助ロッド7の外周部に環状に形成されているため、仮にピストン部材4がその軸心回りに回転する場合でも、係合部39の機能を確保できる。
【0058】
流体圧シリンダ2の補助ロッド7とシリンダ本体10とに、出力ロッド6の進退動作に連動して出力ロッド6をその軸心回りに設定角度旋回させる旋回機構8を組み込んだ旋回式クランプ装置1であるため、旋回式クランプ装置1のピストン部材4の移動限界位置を加圧エアのエア圧を介して検知できる。
【0059】
旋回式クランプ装置1を取り付けるベース部材13に、クランプ本体10の下部を上方から挿入装着する装着穴21を、下部装着穴22と、この下部装着穴22よりも僅かに大径の上部装着穴23とで構成し、クランプ本体10の下端側部分とその外周部に装着されたシール部材24aが下部装着穴22に装着されるため、仮に、上部装着穴23に連通するエア通路42が形成され、上部装着穴23に臨むエア通路42の終端にバリが残存していても、クランプ本体10の下端側部分を下部装着穴22に挿入装着する際に、クランプ本体10の下端側部分の外周部のシール部材24aが前記バリによって損傷することがない。
【0060】
前記実施例1の旋回式クランプ装置1を部分的に変更する変更例について説明する。
(1)
図9に示すように、検出用開閉弁機構11において、弁体36の下端部に下端開放穴54aを形成すると共に、エア通路34の上端部の部位で下部シリンダ本体10Lに上端開放穴54bを形成し、これら下端開放穴54aと上端開放穴54bとに弁体36を上方へ開弁側へ付勢する圧縮スプリング55を装着してもよい。この圧縮スプリング55を設ける場合には、開弁の作動確実性が向上する。
【0061】
(2)
図10に示すように、前記環状の係合部39の代わりに、部分球状の凹部からなる係合部53を補助ロッド7に形成し、ピストン部材4がアンクランプ位置のとき球体を係合部53に係合させるように構成してもよい。
【0062】
(3)
図11に示すように、前記環状の係合凹部37に代えて、弁体36に、環状でなく周方向の一部に形成した係合凹部37Mであって球体38が係合可能な係合凹部37Mを形成してもよい。
(4)エア通路32に流す加圧エアの流れの方向は、前記実施例の方向に限定されるものではなく、エア通路34に加圧エア供給源40を接続し、エア通路34からエア通路33に向って流れるように構成してもよい。
【0063】
(5)前記補助ロッド7に形成した係合部39は、球体38を軸心側へ退避させるためのものであるから、係合部39は球体38に線接触する必要はなく、球体38を軸心側へ退避させ得る構造であって
図4に示す状態に復帰させる得る構造のものであればよい。
【0064】
(6)補助ロッド7のうち、
図4において球体38に対応する部分にも係合部39と同様の係合部を形成すれば、ピストン部材4がアンクランプ位置になったことに加えて、ピストン部材4がクランプ位置に移動したことも検知可能になる。
(7)旋回式クランプ装置1以外の種々のクランプ装置にも本発明の油圧シリンダ2を適用することができる。
【実施例2】
【0065】
本実施例に係る旋回式クランプ装置1Aは、アンクランプ位置検出用の第1検出用開閉弁機構11Aの他に、クランプ位置検出用の第2検出用開閉弁機構61を設けたものである。実施例1の旋回式クランプ装置1と同じ部材に同一符号を付けると共に同様の部材に同様の符号(文字A付きの符号)を付けて図示し、それらの説明は省略し、旋回式クランプ装置1と異なる構成についてのみ説明する。
【0066】
この旋回式クランプ装置1Aは、油圧シリンダ2A(流体圧シリンダに相当する)と、この油圧シリンダ2Aの出力ロッド6Aの上端部に固定したクランプアーム3Aと、出力ロッド6Aをその軸心回りに設定角度(本実施例では90度)旋回させる旋回機構8とを備えている。この旋回式クランプ装置1Aは、前記クランプ装置1と同様に作動するので、その作動の概要の説明は省略する。
【0067】
最初に、油圧シリンダ2Aについて説明する。
図12〜
図15に示すように、この油圧シリンダ2Aは、シリンダ本体10Aと、ピストン部材4Aと、シリンダ孔15A、アンクランプ用油圧作動室12aと、クランプ用油圧作動室12bと、補助ロッド7Aと、第1検出用開閉弁機構11Aと、第2検出用開閉弁機構61とを備えている。シリンダ本体10Aは、実施例1のシリンダ本体10と同様のものである。ピストン部材4Aは、ピストン部5Aと、出力ロッド6Aと、ピストン部5Aから出力ロッド6Aと反対側へ延びる補助ロッド7Aとを有する。この油圧シリンダ2Aは、第2検出用開閉弁機構61を有する点以外は、前記油圧シリンダ2と同様のものである。
【0068】
第1検出用開閉弁機構11Aは、実施例1の検出用開閉弁機構11と同様のものであり、クランプ装置1Aがアンクランプ状態であることを検知する為のものである。
図13、
図17に示すように、第1検出用開閉弁機構11Aは、第1弁体収容穴35と、この第1弁体収容穴35に可動に収容された第1弁体36と、第1弁体36の外周部に形成された環状の第1係合凹部37と、この第1係合凹部37に係合可能な第1球体38と、補助ロッド7Aに形成され且つ第1球体38が係合可能な第1係合部53Aとを備えている。
第1弁体36の下端には上方程大径化するテーパ面からなる弁面36vが形成され、下流側エア通路 の上端側の壁部には弁面36vに対向する環状の弁座44sが形成され、弁面36vが弁座44sに当接すると閉弁状態となる。尚、第1係合部53Aは、
図10に示す係合部53と同様のものである。
【0069】
図13、
図17に示すように、ピストン部材4Aがアンクランプ位置(上限位置)にあるとき、第1検出用開閉弁機構11Aが閉弁状態となってエア通路32Aを遮断する。また、
図19、
図22に示すように、ピストン部材4Aがアンクランプ位置(上限位置)から僅かに下降した状態(クランプ位置)にあるときには、第1検出用開閉弁機構11Aが開弁状態となってエア通路32Aを連通状態にする。
【0070】
次に、第2検出用開閉弁機構61について説明する。
この第2検出用開閉弁機構61は、クランプ装置1Aがクランプ状態であることを検知する為のものである。
図13、
図16に示すように、第2検出用開閉弁機構61は、ピストン部材4Aがアンクランプ位置にあるときには開弁状態となってエア通路62を連通状態にする。また、
図19、
図21に示すように、ピストン部材4Aがアンクランプ位置(上限位置)から僅かに下降移動した状態(クランプ位置)にあるときには、閉弁状態となってエア通路62を遮断する。尚、クランプアーム3とベース部材13の間に、種々の厚さのワーク(クランプ対象物)をクランプする関係上、上下方向に幅のあるクランプ位置が設定されている。
【0071】
図15に示すように、第2検出用開閉弁機構61は、第1検出用開閉弁機構11Aに対して平面視にて例えば時計回り方向へ約120度位相の異なる位置で、下部シリンダ本体10LAに設けられている。
図13、
図16に示すように、第2検出用開閉弁機構61は、第2弁体収容穴65と、この第2弁体収容穴65に可動に収容された第2弁体66と、第2弁体66の外周部に形成された環状の第2係合凹部67と、この第2係合凹部67に係合可能な第2球体68と、補助ロッド7Aに形成され且つ第2球体68が係合可能な第2係合部69(
図14、
図19、
図20参照)と、第2弁体66を閉弁方向へ弾性付勢する圧縮スプリング70とを備えている。尚、第2弁体66の下端近傍部の外周部にはシール部材66aが装着されている。
【0072】
第2弁体収容穴65は下部シリンダ本体10LAの上半部にシリンダ孔15Aの軸心 と平行に細長く形成され、下部シリンダ本体10LAの下半部には、第2弁体収容穴65に連通したロッド孔71とスプリング収容穴72が第2弁体収容穴65と同心状に形成されている。ロッド孔71とスプリング収容穴72は、エア通路62のうちの下流側エア通路64を兼ねるものである。
【0073】
第2弁体66の上端側部分に、第1係合凹部37と同様の形状の第2係合凹部67が形成されている。第2弁体収容穴65とロッド挿入穴20Aの間の壁部76に球体保持穴77が形成され、この球体保持穴77に第2球体68が径方向へ可動に装着され、この第2球体68が第2係合凹部67に部分的に係合している。第2弁体66の下端から下方へ延びる小径ロッド部73が形成され、この小径ロッド部73がロッド孔71を挿通してスプリング収容穴72内へ延びている。尚、小径ロッド部73はロッド孔71よりも小径である。
【0074】
スプリング収容穴72内において小径ロッド部73には圧縮スプリング70が外装され、この圧縮スプリング70の上端はスプリング収容穴72の上端壁で受け止められている。小径ロッド部73の下部にはスリーブ体74が外嵌され、スリーブ74は小径ロッド部73の下端部に螺合されたナット75で支持され、圧縮スプリング70の下端はスリーブ74で受け止められている。
【0075】
図13、
図16に示すように、第2弁体66の下端部には上方程大径化する部分円錐面からなる弁面66vが形成されている。ロッド孔71の上端側の壁部には弁面66vに対向する弁座76sが形成されている。弁面66vが弁座76sに当接すると閉弁状態になる。第2検出用開閉弁機構61で開閉されるエア通路62は、第2弁体収容穴65の下端部の外周に連通するようにシリンダ本体10Aに形成された上流側エア通路63と、ロッド孔71とスプリング収容穴72とを含む下流側エア通路64とを有する。
【0076】
上流側エア通路63は、ベース部材13内のエア通路78を介して加圧エア供給源40Aに接続され、そのエア通路78に圧力スイッチ41B又は圧力センサが接続されている。下流側エア通路64はベース部材13内のエア通路43Aを介して大気開放されている。
【0077】
図14に示すように、第2検出用開閉弁機構61の第2球体68に対応する周方向位置において、補助ロッド7Aの外周部には、1本の縦溝状の第2係合部69が形成されている。第2係合部69は、補助ロッド7Aの外周部のうち上端近傍から約2/3の長さ部分に形成され、ピストン部材4Aがアンクランプ位置(上限位置)から小さな設定距離以上下方へ移動したクランプ状態のとき、第2球体68が第2係合部69に部分的に係合するように構成されている。
【0078】
以上説明した旋回式クランプ装置1Aの作用、効果について説明する。
クランプ装置1Aのピストン部材4Aがアンクランプ位置(上限位置、移動限界位置)にあるときには、実施例1と同様に、
図13、
図17に示すように、第1検出用開閉弁機構11Aの第1球体38が第1係合部39に係合して、第1検出用開閉弁機構11Aが閉弁位置になってエア通路32を遮断するため、圧力スイッチ41Aの検出信号を受信する制御ユニットにおいてアンクランプ状態であることを検知することができる。また、ピストン部材4Aがアンクランプ位置から下方へ移動した際には、
図19、
図22に示すように、第1球体38が第1係合部39に係合せずに、第1係合凹部37に係合して第1弁体36を上方へ押し上げるため開弁状態になる。
【0079】
第2検出用開閉弁機構61においては、ピストン部材4Aがアンクランプ位置にあるとき、
図13、
図16に示すように、第2球体68が第2係合部69に係合せずに第2係合凹部67に係合するため、第2球体68が第2弁体66を僅かに押し上げて開弁状態に保持する。そのため、圧力スイッチ41Bからの検出信号を受信する制御ユニットにおいてアンクランプ状態であることを検知することができる。
【0080】
次に、ピストン部材4Aが上限位置から前記設定距離以上下方へ移動したクランプ位置になると、
図19、
図21に示すように、第2検出用開閉弁機構61において、第2球体68が第2係合部69に係合し、第2球体68が第2弁体66の下方移動を許容するため、第2検出用開閉弁機構61が閉弁状態になる。そのため、圧力スイッチ41Bからの検出信号を受信する制御ユニットにおいてクランプ状態であることを検知することができる。
【0081】
第2係合部67が上下方向に長い1本の縦溝に形成されているため、厚さの大きなワークをクランプした場合にも、厚さの小さなワークをクランプした場合にも、そのクランプ状態を第2検出用開閉弁機構61を介して確実に検知することができる。
【0082】
第1,第2検出用開閉弁機構11A,61をシリンダ本体10A内に組み込んでいるため、油圧シリンダ2A、クランプ装置1Aの小型化を図ることができる。
第1,第2係合部39,69を補助ロッド7Aに形成し、第1,第2検出用開閉弁機構11A,61を補助ロッド7Aと連動して開閉する構造にしたので、簡単な構成でもってピストン部材4Aに連動させて第1,第2検出用開閉弁機構11A,61を開閉させることができる。
【0083】
前記実施例2を部分的に変更する変更例について説明する。
(1)
図23に示すように、前記第2係合部69に代えて、補助ロッド7Aの外周部に上下方向に直列的に形成された2本の縦溝69a,69bを形成してもよい。大きな厚さのワークをクランプした場合は、下側の縦溝69aに第2球体68を係合させてクランプ状態を検知する。また、小さな厚さのワークをクランプした場合は、上側の縦溝69bに第2球体68を係合させてクランプ状態を検知する。縦溝69a,69bの間のランド部69cに第2球体68が係合して停止し、開弁状態を保持している場合は、クランプ対象外のワークをクランプしたものとしてエラー報知を行うものとする。
尚、前記2本の縦溝69a,69bの代わりに、補助ロッド7Aの外周部に上下方向に直列的に形成された3本以上の縦溝をを設けてもよい。
【0084】
(2)実施例1の変更例(1),(3)〜(5)は、第1検出用開閉弁機構11Aにも同様に採用可能である。
(3)実施例1の変更例(3)〜(5)は、第2検出用開閉弁機構61にも同様に採用可能である。
(4)旋回式クランプ装置1A以外の種々のクランプ装置にも本発明の油圧シリンダ2Aを適用することができる。