(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ヒートシンクと、該ヒートシンクの配置面上に配される基板と、基板を囲むように前記配置面上に配される筒状の枠体と、枠体の内側に充填されて前記基板を封止する封止樹脂と、を備え、
前記ヒートシンク及び前記枠体の一方に、係合部が形成され、
前記ヒートシンク及び前記枠体の他方に、前記係合部に係合する被係合部が形成され、
前記係合部と前記被係合部とが係合した状態において、前記枠体の軸方向の第一端部が前記配置面に向けて押し付けられ、
前記被係合部が、前記枠体の軸方向に交差する方向に窪む凹所を備え、
前記係合部が、前記ヒートシンク及び前記枠体の他方を挟み込むように配されて前記凹所に係合する複数の爪部を備え、
各爪部が、前記枠体の軸方向に延びて弾性的に撓み変形可能な延出部と、該延出部の先端に形成されて前記凹所に挿入される鉤部とを備え、
前記鉤部には、前記爪部が前記凹所に係合した状態において、前記凹所の開口部に位置する角部に当接する係合傾斜面が形成されていることを特徴とする電子機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の構成では、基板や電子部品の熱をヒートシンクに逃がすだけでは、基板の放熱が不十分となる虞がある。
また、この種の電子機器には、基板や電子部品の放熱効率向上だけではなく、製造効率の向上も求められている。例えば、特許文献1の電子機器のようにネジ止めによって基板にヒートシンクに固定する場合には、電子機器を組み立てる工数が多くなってしまう。また、例えば特許文献2のように、枠体を接着剤でヒートシンクに固定する場合、接着剤を硬化させる時間が必要となってしまう。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みたものであって、放熱効率向上及び製造効率向上を図ることが可能な電子機器及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために、本発明の電子機器は、ヒートシンクと、該ヒートシンクの配置面上に配される基板と、基板を囲むように前記配置面上に配される筒状の枠体と、枠体の内側に充填されて前記基板を封止する封止樹脂と、を備え、前記ヒートシンク及び前記枠体の一方に、係合部が形成され、前記ヒートシンク及び前記枠体の他方に、前記係合部に係合する被係合部が形成され、前記係合部と前記被係合部とが係合した状態において、前記枠体の軸方向の第一端部が前記配置面に向けて押し付けられ
、前記被係合部が、前記枠体の軸方向に交差する方向に窪む凹所を備え、前記係合部が、前記ヒートシンク及び前記枠体の他方を挟み込むように配されて前記凹所に係合する複数の爪部を備え、各爪部が、前記枠体の軸方向に延びて弾性的に撓み変形可能な延出部と、該延出部の先端に形成されて前記凹所に挿入される鉤部とを備え、前記鉤部には、前記爪部が前記凹所に係合した状態において、前記凹所の開口部に位置する角部に当接する係合傾斜面が形成されていることを特徴とする。
【0007】
上記電子機器によれば、基板やこれに搭載される電子部品の熱をヒートシンクに逃がすことができるだけでなく、基板や電子部品の熱を封止樹脂側に拡散することができる。したがって、基板や電子部品の放熱効率向上を図ることができる。
また、係合部を被係合部に係合させる操作だけで、枠体をヒートシンクに取り付けることができるため、電子機器の製造効率向上を図ることもできる。さらに、係合部や被係合部がヒートシンクや枠体に形成されているため、電子機器の構成部品点数を減らして、製造コスト削減を図ることもできる。
【0008】
さらに、係合部と被係合部との係合によって、枠体の第一端部がヒートシンクの配置面に向けて押し付けられるため、ヒートシンクの配置面と枠体との間に隙間が生じることを防止できる。すなわち、筒状に形成された枠体の一方の開口部をヒートシンクによって隙間なく閉塞することができる。したがって、枠体をヒートシンクに取り付けた後に枠体の他方の開口部から封止樹脂を流し込む際に、封止樹脂がヒートシンクの配置面と枠体との間から外部に漏れ出すことを防止できる。
【0009】
また、上記電子機器では、各爪部の延出部が弾性的に撓むことで、ヒートシンク及び枠体の他方を複数の爪部の間に挟み込むことができる。そして、各爪部の鉤部が凹所に入り込むことで、爪部を凹所に係合させることができる。
【0010】
また、上記電子機器によれば、ヒートシンク及び枠体の一方から鉤部までの距離が高精度に設定されなくても、確実に爪部を凹所に係合させて、枠体の第一端部を配置面に向けて押し付けることが可能となる。
【0011】
さらに、前記電子機器においては、前記枠体の内周面に、前記基板を前記配置面に向けて押し付ける押付部が形成されていると好ましい。
上記電子機器によれば、枠体をヒートシンクに取り付けるだけで、基板が押付部によってヒートシンクの配置面に押し付けられて、基板をヒートシンクに取り付けることが可能となる。したがって、電子機器の製造効率向上をさらに図ることができる。また、従来のように基板をヒートシンクに取り付ける別個の部材(例えばネジ)が不要となるため、電子機器の構成部品点数を減らして、製造コスト削減をさらに図ることもできる。
【0012】
また、前記電子機器においては、前記押付部が、前記基板を前記配置面に沿う方向から挟み込むように前記枠体の内周面の周方向に複数配列されていることが、より好ましい。
上記電子機器によれば、複数の押付部によってヒートシンクの配置面上における基板の位置決めを容易に行うことができる。
【0013】
さらに、前記電子機器において、前記枠体の第一端部及び前記ヒートシンクの一方には、他方に向けて突出する複数の突起が形成され、前記枠体の第一端部及び前記ヒートシンクの他方には、前記複数の突起を個別に挿入する複数の挿入穴が形成されているとよい。
上記電子機器によれば、枠体をヒートシンクに取り付けた状態において、枠体がヒートシンクに対してその配置面に沿う方向にずれることを防止できる。
【0014】
そして、本発明の電子機器の製造方法は、前記電子機器を製造する方法であって、前記係合部を前記被係合部に係合させることで前記枠体を前記ヒートシンクに取り付け、前記枠体の一方の開口部を前記ヒートシンクによって閉塞した後に、前記枠体の他方の開口部から前記枠体内に溶融した前記封止樹脂を流し込むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子機器の放熱効率向上を図ることができると共に、電子機器の製造効率向上も図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔第一実施形態〕
以下、
図1〜6を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示すように、この実施形態に係る電子機器1は、ヒートシンク2と、基板3と、枠体4と、封止樹脂5とを備えている。
ヒートシンク2は、例えばアルミニウム等のように熱伝導率の高い材料からなり、
図1,2に示すように、板状に形成された本体部11と、本体部11から突出する複数のフィン12とを備えている。本体部11の上面は、後述する基板3や枠体4を配置する平坦な配置面11aとなっている。
【0018】
本体部11には、その配置面11aに隣り合って本体部11の厚さ方向に延在する側面11c,11dから窪む凹所13が形成されている。凹所13は、配置面11aに沿う方向から挟み込むような位置に形成されている。また、配置面11aの周縁領域には、配置面11aから窪む挿入穴14が複数形成されている。各フィン12は、本体部11の下面から本体部11の厚さ方向に突出して形成されている。
【0019】
本実施形態のヒートシンク2では、本体部11の配置面11aが平面視矩形状に形成されている。そして、凹所13は、本体部11のうち配置面11aの各長辺に隣り合う二つの側面11c(第一側面11c)、及び、配置面11aの各短辺に隣り合う二つの側面11d(第二側面11d)に形成されている。第一側面11cに形成される凹所13(第一凹所13A)は、配置面11aの長辺に沿って延びており、各第一凹所13の長手方向の両端は二つの第二側面11dに開口している。
【0020】
一方、第二側面11dに形成される凹所13(第二凹所13B)は、本体部11の下面及び複数のフィン12によって画成されている。詳細に説明すれば、本実施形態のヒートシンク2では、本体部11の下面から突出する各フィン12が板状に形成され、配置面11aの長辺に沿う方向に延在している。また、配置面11aの長辺に沿う各フィン12の長手方向の両端は、本体部11の第二側面11dと共に同一平面をなしている。そして、複数のフィン12は、配置面11aの短辺に沿う方向に互いに間隔をあけて平行して配列されている。これにより、第二側面11dに開口する第二凹所13Bは、本体部11の下面と配置面11aの短辺方向に隣り合う二つのフィン12とによって画成され、配置面11aの短辺に沿う方向に複数配列されている。
また、本実施形態のヒートシンク2における挿入穴14は、配置面11aの周縁領域のうち互いに向かい合う二つの角部に一つずつ形成されている。
【0021】
基板3の一方の主面3a(第一主面3a)には、複数の電子部品6及び端子ピン7が設けられている。電子部品6及び端子ピン7は、基板3に形成された配線パターン(不図示)に適宜電気接続され、電子機器1の回路を構成している。そして、複数の端子ピン7は、電子機器1の回路を外部に電気接続する役割を果たす。各端子ピン7は棒状に形成され、その基端部がはんだ付けによって基板3の第一主面3aに接合されている。これにより、各端子ピン7は、基板3の第一主面3a上に立設されている。
そして、基板3は、その他方の主面3b(第二主面3b)がヒートシンク2の配置面11aに対向するように、ヒートシンク2の配置面11a上に重ねて配されている。
【0022】
本実施形態では、基板3がヒートシンク2の配置面11aよりも一回り小さい平面視矩形状に形成されている。これにより、基板3を配置面11aに配した状態では、配置面11aの周縁領域が基板3に覆われずに露出する。なお、図示例では、基板3がヒートシンク2の配置面11aに直接配されているが、例えば基板3とヒートシンク2の配置面11aとの間に放熱シートや放熱グリスが介在していてもよい。この場合、放熱シートや放熱グリスは電気的な絶縁性を有しているとよい。
【0023】
枠体4は、例えば樹脂を筒状に成形したものであり、基板3を囲むようにヒートシンク2の配置面11aの周縁領域上に配されている。本実施形態の枠体4は、配置面11aの形状に倣って平面視矩形のリング状に形成されている。なお、図示例では、枠体4の軸方向(
図1において上下方向)の第一端部4Aがヒートシンク2の配置面11aに接触しているが、例えば枠体4の第一端部4Aと配置面11aとの間にゴム等のように弾性を有するパッキンが挟み込まれてもよい。
【0024】
枠体4の外周面4cには、
図1〜3に示すように、複数の爪部21が一体に形成されている。各爪部21は、枠体4の軸方向に延びて弾性的に撓み変形可能な延出部22と、延出部22の先端に形成された鉤部23とを備えている。
延出部22は、ヒートシンク2の配置面11aに対向する枠体4の軸方向の第一端部4Aから枠体4の軸方向に突出しており、ヒートシンク2の側面11c,11dに配されている。
鉤部23は、延出部22に対して枠体4の外周面4c側から内周面4d側に向かう方向(枠体4の径方向内側)に突出している。この鉤部23は、枠体4の軸方向に直交して延出部22の延出方向と逆に向く係合平坦面23aと、係合平坦面23aと延出部22との間に形成される係合傾斜面23bとを有している。係合傾斜面23bは、係合平坦面23a及び延在部の延在方向の両方に対して傾斜している。
【0025】
以上のように各々構成される複数の爪部21は、ヒートシンク2を側部から挟み込むように、枠体4の周方向に互いに間隔をあけて配列されている。本実施形態では、枠体4の周方向に隣り合う二つの爪部21で一組の爪部ユニット20が構成されている。各爪部ユニット20では、二つの爪部21の延出部22の延出方向基端部が一体に形成されている。さらに、本実施形態では、爪部ユニット20が、平面視矩形環状に形成された枠体4の長辺部分に二つずつ、枠体4の短辺部分に一つずつ配されている。また、一対の爪部ユニット20が相互に対向するように配されている。
【0026】
以上のように配列された複数の爪部21は、枠体4をヒートシンク2の配置面11a上に配した状態で、各鉤部23が前述したヒートシンク2の各凹所13に適宜挿入されて係合している。本実施形態では、枠体4の二つの長辺部分に配された爪部21(第一爪部21A)が、ヒートシンク2を配置面11aの短辺方向から挟み込み、ヒートシンク2の第一凹所13Aに係合する。また、枠体4の二つの短辺部分に配された爪部21(第二爪部21B)が、ヒートシンク2を配置面11aの長辺方向から挟み込み、ヒートシンク2の第二凹所13Bに係合する。
【0027】
以上のように爪部21と凹所13とが係合した状態では、枠体4の第一端部4Aがヒートシンク2の配置面11aに押し付けられている。本実施形態では、爪部21が凹所13に係合している状態で、延出部22の弾性力によって鉤部23が凹所13に入り込む方向に付勢されている。そして、鉤部23の係合傾斜面23bが、凹所13の開口部に位置する角部15に当接するため、枠体4の第一端部4Aをヒートシンク2の配置面11aに押し付ける力が生じる。すなわち、本実施形態では、枠体4に形成された複数の爪部21が係合部となっており、ヒートシンク2に形成された凹所13が、係合部に係合する被係合部となっている。なお、上記のように爪部21が凹所13に係合した状態では、凹所13の内側面と爪部21の係合平坦面23aとの間に隙間が生じることがある。
【0028】
また、枠体4の内周面4dには、
図1,2,4に示すように、基板3及び枠体4をヒートシンク2の配置面11a上に配した状態で基板3をヒートシンク2の配置面11aに向けて押し付ける押付部31が一体に形成されている。
本実施形態の押付部31は、枠体4の内周面4dから内側に突出するベース部32と、ベース部32の突出方向先端部から枠体4の軸方向に沿って第一端部4A側に延在する弾性変形部33と、を備えている。なお、図示例では、ベース部32が枠体4の第二端部4B近傍に配されているが、これに限ることはなく、少なくとも枠体4の軸方向に沿って弾性変形部33の延在方向先端部よりも枠体4の第二端部4B側に配されていればよい。
【0029】
本実施形態の弾性変形部33は、屈曲して形成され、これによって弾性変形可能となっている。具体的に説明すれば、弾性変形部33は、ベース部32側から第一棒状部34及び第二棒状部35を順番に配列して構成されている。第一棒状部34は、ベース部32に対して屈曲され、枠体4の軸方向に沿って第一端部4A側に向かうにしたがって枠体4の内側に延びるように傾斜している。第二棒状部35は、第一棒状部34に対して屈曲され、枠体4の軸方向に沿って第一端部4A側に向かうにしたがって枠体4の外側(内周面4dに近づく方向)に延びるように傾斜している。
【0030】
この構成では、第二棒状部35の延出方向先端に枠体4の第一端部4A側から第二端部4B側に向かう力(
図4において矢印Yで示す方向の力)が作用した際、ベース部32と第一棒状部34との屈曲角度が大きくなるように、かつ、第一棒状部34と第二棒状部35との屈曲角度が小さくなるように、弾性変形部33が弾性変形する。また、第二棒状部35の延出方向先端に枠体4の内周面4d側に向かう力(
図4において矢印Xで示す方向の力)が作用した際には、ベース部32と第一棒状部34との屈曲角度、及び、第一棒状部34と第二棒状部35との屈曲角度が小さくなるように、弾性変形部33が弾性変形する。
このように押付部31が構成されるため、枠体4を配置面11a上に配した状態では、弾性変形部33の延在方向先端部が基板3の第一主面3aに押し付けられて、弾性変形部33が弾性変形する。そして、弾性変形部33に生じる弾性力によって基板3がヒートシンク2の配置面11aに向けて押し付けられる。
【0031】
そして、弾性変形部33の延在方向先端部をなす第二棒状部35の先端部には、基板3の第一主面3aに面接触する押付面35aが形成されている。さらに、押付面35aのうち枠体4の内周面4d側に位置する端部領域には、基板3の側面3cに対向配置される位置調整突起36が突出して形成されている。位置調整突起36のうち基板3の側面3cに対向する面(位置調整傾斜面36a)は、位置調整突起36の突出方向の先端に向かうにしたがって枠体4の内周面4dに近づくように傾斜している。
【0032】
以上のように構成される押付部31は、基板3をヒートシンク2の配置面11aに沿う方向から挟み込むように、枠体4の周方向に互いに間隔をあけて複数配列されている。本実施形態では、押付部31が、枠体4の二つの長辺部分にそれぞれ同じ数(図示例では三つ)だけ配されている。また、一対の押付部31が相互に対向するように配されている。なお、図示例では、押付部31が枠体4の二つの短辺部分に形成されていないが、例えば形成されてもよい。
【0033】
さらに、
図2,5に示すように、ヒートシンク2の配置面11aの周縁領域に対向する枠体4の第一端部4Aには、ヒートシンク2の配置面11aに向けて突出する複数の突起41が形成されている。複数の突起41は、枠体4を配置面11a上に配した状態でヒートシンク2の複数の挿入穴14に個別に挿入されるものである。本実施形態の突起41は、挿入穴14の形成位置に対応するように、平面視矩形環状に形成された枠体4のうち互いに向かい合う二つの角部に一つずつ形成されている。
【0034】
以上のように構成される枠体4、及び、前述した基板3をヒートシンク2に配置面11a上に配置した状態では、
図1に示すように、端子ピン7の先端部が枠体4の第二端部4Bよりも上方に突出している。
封止樹脂5は、枠体4の内側に充填され、基板3を封止している。本実施形態では、基板3、電子部品6及び枠体4の押付部31が封止樹脂5によって埋設されている。また、端子ピン7のうち枠体4の内側に位置する端子ピン7の基端部が封止樹脂5によって埋設され、端子ピン7の先端部が封止樹脂5の外部に突出している。
【0035】
次に、上記構成の電子機器1を製造する方法について説明する。
本実施形態の電子機器1を製造する際には、はじめに、基板3をヒートシンク2の配置面11aに配置し、次いで、枠体4をヒートシンク2に取り付ければよい。枠体4を取り付ける際には、枠体4の複数の爪部21をヒートシンク2の凹所13に係合させればよい。この係合の際には、爪部21の延出部22が弾性的に撓むことで、ヒートシンク2が複数の爪部21の間に挟み込まれ、各爪部21の鉤部23が凹所13に入り込むことで爪部21を凹所13に係合させることができる。これにより、枠体4の第一端部4Aがヒートシンク2の配置面11aに押し付けられ、枠体4がヒートシンク2に固定される。言い換えれば、枠体4の第一端部4A側の開口部(一方の開口部)がヒートシンク2によって閉塞される。
【0036】
また、枠体4の取付の際には、枠体4の爪部21が凹所13に係合する前に、枠体4の複数の突起41がヒートシンク2の複数の挿入穴14に個別に挿入される。すなわち、突起41の長さは、上記のタイミングで挿入穴14に挿入されるように設定されている。このように複数の突起41が挿入穴14に挿入されることで、枠体4がヒートシンク2に対してその配置面11aに沿う方向にずれることを容易かつ確実に防止できる。すなわち、配置面11a上における枠体4の位置ずれを防止できる。
【0037】
さらに、枠体4の取付の際には、基板3が枠体4の押付部31によって配置面11aに向けて押し付けられる。また、配置面11a上における基板3の位置がずれている場合には、基板3の側部が押付部31の位置調整突起36(特に位置調整傾斜面36a)によって配置面11aに沿う方向に押されて、基板3の位置調整がなされる。すなわち、配置面11a上における基板3の位置ずれを防ぐことができる。
【0038】
そして、上述した枠体4の取付後に、枠体4の第二端部4B側の開口部(他方の開口部)から枠体4内に溶融した封止樹脂5を流し込み硬化させることで電子機器1の製造が完了する。なお、枠体4の第一端部4A側の開口部はヒートシンク2によって隙間なく閉塞されているため、封止樹脂5を流し込む際に封止樹脂5がヒートシンク2の配置面11aと枠体4との間から外部に漏れることはない。
【0039】
以上説明したように、本実施形態の電子機器1によれば、基板3やこれに搭載される電子部品6で発生する熱を、ヒートシンク2に逃がすことができる上、封止樹脂5側に拡散することもできる。したがって、基板3や電子部品6の放熱効率向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態の電子機器1及びその製造方法によれば、複数の爪部21を凹所13に係合させる操作だけで、枠体4をヒートシンク2に取り付けることができるため、電子機器1の製造効率向上を図ることもできる。さらに、複数の爪部21や凹所13は枠体4やヒートシンク2に一体に形成されているため、電子機器1の構成部品点数を減らして、製造コスト削減を図ることもできる。
【0040】
また、本実施形態の電子機器1及びその製造方法によれば、複数の爪部21と凹所13との係合だけで枠体4の第一端部4Aがヒートシンク2の配置面11aに押し付けられるため、ヒートシンク2の配置面11aと枠体4との間に隙間が生じることを容易に防止できる。なお、前述したように枠体4の第一端部4Aと配置面11aとの間にパッキンが挟み込まれていれば、上記隙間が生じることをより容易かつ確実に防止することができる。以上のことから、枠体4をヒートシンク2に取り付けた後に枠体4内に封止樹脂5を流し込む際に、封止樹脂5がヒートシンク2の配置面11aと枠体4との間から漏れ出すことを防止できる。
【0041】
さらに、本実施形態の電子機器1では、凹所13に挿入される爪部21の鉤部23に係合傾斜面23bが形成され、係合傾斜面23bを凹所13の角部15に当接させることで爪部21を凹所13に係合させるため、枠体4(第一端部4A)から鉤部23までの距離が高精度に設定されなくても、確実に爪部21を凹所13に係合させて、枠体4の第一端部4Aを確実に配置面11aに向けて押し付けることができる。
【0042】
また、本実施形態の電子機器1では、枠体4に押付部31が形成されているため、枠体4をヒートシンク2に取り付けるだけで、基板3を配置面11aに押し付けてヒートシンク2に取り付けることができる。したがって、電子機器1の製造効率向上をさらに図ることができる。また、枠体4に押付部31が形成されていることで、従来のように基板3をヒートシンク2に取り付ける別個の部材(例えばネジ)が不要となるため、電子機器1の構成部品点数を減らして、製造コスト削減をさらに図ることもできる。
【0043】
そして、本実施形態の電子機器1は、例えば
図6に示すように、枠体4の第二端部4Bを実装基板9の実装面9aに当接させると共に、端子ピン7の先端部を実装基板9のスルーホール9bに挿通させた上で、実装基板9にはんだ付けすることで、実装基板9に実装することが可能である。このように電子機器1を実装基板9に実装することで、基板3やヒートシンク2の重量が枠体4によって支持されるため、基板3やヒートシンク2の重量によって端子ピン7にかかる負荷を軽減することが可能である。
なお、この効果は、基板3がアルミ基板である場合に特に有効である。すなわち、基板3がアルミ基板である場合、端子ピン7は基板3の第一主面3aに対してはんだ付けだけで接合されるため、基板3と端子ピン7との接合が弱く、基板3と端子ピン7との接合部分に応力が集中しやすい。そこで、前述のように電子機器1が実装されれば、基板3やヒートシンク2の重量によって上記接合部分にかかる応力を効果的に低減できる。
【0044】
また、前述のように電子機器1が実装されれば、基板3に搭載された電子部品6を実装面9aから浮かす構造(スタンドオフ)が必要とされる場合、このスタンドオフを枠体4により構成することも可能である。
以上のことから、本実施形態の電子機器1によれば、その実装に際して基板3やヒートシンク2の重量を支持したり、スタンドオフを作り出したりするための別個の部材(例えば基板3から実装基板9に向けて延びる支柱)が不要となるため、効率よく電子機器1を実装基板9に搭載することが可能となる。
【0045】
さらに、本実施形態の電子機器1では、枠体4をヒートシンク2に取り付ける際に、複数の突起が複数の挿入穴14に対して個別に挿入されるため、枠体4をヒートシンク2に取り付けた状態で、枠体4がヒートシンク2に対してその配置面11aに沿う方向にずれることを防止できる。
また、本実施形態の電子機器1では、押付部31が基板3を配置面11aに沿う方向から挟み込むように枠体4の内周面4dの周方向に複数配列されているため、枠体4をヒートシンク2に取り付けるだけで、配置面11a上における基板3の位置決めを容易に行うことができる。
【0046】
そして、上記のように基板3及び枠体4がヒートシンク2に対して位置決めされることで、基板3に設けられた端子ピン7と枠体4との相対的な位置ずれも防ぐことができる。言い換えれば、枠体4と端子ピン7との相対位置を高精度に設定できる。
この場合、実装基板9における電子機器1の実装領域を最低限に抑えて、実装基板9に対して電子機器1を含む多数の実装部品を高密度に実装することが可能となる。すなわち、枠体4と端子ピン7との相対位置の誤差が大きい場合には、実装基板9における電子機器1の実装領域を枠体4の大きさよりも大きく設定する必要があるが、枠体4と端子ピン7との相対位置の誤差を小さく設定でできることで、電子機器1の実装領域を小さく設定することが可能となる。これにより、実装基板9上において電子機器1とこれに隣り合う他の実装部品との間隔を狭く設定することができる。
【0047】
〔第二実施形態〕
次に、
図7を参照して本発明の第二実施形態について説明する。
この実施形態では、第一実施形態の電子機器1と比較して、枠体4に形成される押付部の構成のみが異なっており、その他の構成については第一実施形態と同様である。本実施形態では、第一実施形態と同一の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の枠体4の内周面4dには、第一実施形態の場合と同様に、枠体4をヒートシンク2の配置面11a上に配した状態で基板3をヒートシンク2の配置面11aに向けて押し付ける押付部51が一体に形成されている。また、押付部51は、第一実施形態の押付部31と同様に、基板3をヒートシンク2の配置面11aに沿う方向から挟み込むように、枠体4の周方向に互いに間隔をあけて複数配列されている。
【0048】
そして、本実施形態の各押付部51は、枠体4の内周面4dから突出するベース部52と、ベース部52の突出方向先端部から枠体4の軸方向に延在する棒状部53と、を備えている。なお、図示例では、ベース部52が配置面11a上に配された基板3の側面3cに対向するように位置し、棒状部53がベース部52に対して枠体4の第二端部4B側に延在しているが、例えばベース部52が基板3よりも上方に位置し、棒状部53が枠体4の第一端部4A側に延在していてもよい。
【0049】
棒状部53の延出方向先端部には、位置調整傾斜面53aと案内傾斜面53bとが形成されている。位置調整傾斜面53aは、ヒートシンク2の配置面11a側に向く面であり、枠体4の内側に向かうにしたがって配置面11aから離れるように傾斜している。案内傾斜面53bは、位置調整傾斜面53aと反対側に向く面であり、枠体4の内側に向かうにしたがって配置面11aに近づくように傾斜している。
【0050】
そして、相対する一対の棒状部53の間隔は、一対の棒状部53の配列方向(
図7において左右方向)に沿う基板3の長さよりも短く設定されている。ただし、棒状部53の先端部に枠体4の内側から外側に向かう力が作用した際には、棒状部53がベース部52に対して弾性的に撓んだり、枠体4が外側に膨らむように弾性的に撓んだりすることで、一対の棒状部53の間隔を基板3の長さ以上とすることが可能である。
以上のように構成される複数の押付部51は、位置調整傾斜面53aが配置面11a上に配された基板3の第一主面3aと側面3cとの角部に当接し、前述したように棒状部53や枠体4が弾性的に撓むことで、基板3を配置面11aに押し付け、さらに、基板3を枠体4の内側に付勢する。
【0051】
以上のように構成される本実施形態の電子機器は、例えば第一実施形態と同様に製造することが可能である。すなわち、基板3をヒートシンク2の配置面11aに配置した後に、枠体4をヒートシンク2に取り付けることができる。なお、枠体4をヒートシンク2に取り付ける際には、複数の押付部51の位置調整傾斜面53aが基板3の第一主面3aと側面3cとの角部に当接することで、基板3が配置面11aに押し付けられる。また、配置面11a上における基板3の位置がずれている場合には、基板3の角部が位置調整傾斜面53aによって配置面11aに沿う方向に押されて、基板3の位置調整がなされる。これによって、配置面11a上における基板3の位置ずれを防ぐことができる。
【0052】
さらに、本実施形態の電子機器を製造する際には、例えば、枠体4をヒートシンク2に取り付けた後に基板3をヒートシンク2の配置面11aに配してもよい。枠体4の後に基板3をヒートシンク2に取り付ける場合には、基板3の第二主面3bと側面3cとの角部を各押付部51の案内傾斜面53bに押し付けることで、前述したように棒状部53や枠体4が弾性的に撓んで一対の棒状部53の間隔が広がる。これにより、基板3をヒートシンク2の配置面11aに配することができる。
第二実施形態の電子機器及びその製造方法によれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。また、ヒートシンク2に対する基板3及び枠体4の取付順を適宜入れ替えることができるため、電子機器をさらに容易に製造することが可能となる。
【0053】
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、ヒートシンク2に形成される凹所13は、上記実施形態のように枠体4の軸方向に直交する方向に窪んで形成されることに限らず、少なくとも枠体4の爪部21が係合するように枠体4の軸方向に交差する方向に窪んで形成されていればよい。例えば凹所13は、鉤部23の係合傾斜面23bに当接する角部15が直角ではなく鋭角あるいは鈍角となるように形成されてもよい。
また、凹所13は、ヒートシンク2の第一側面11cと第二側面11dとで別々に分けて形成されることに限らず、例えば溝状に形成された第一側面11cの第一凹所13Aを第二側面11dまで延ばす等して一つに形成されてもよい。
【0054】
さらに、爪部21は、少なくとも爪部21が凹所13に係合することで枠体4の第一端部4Aがヒートシンク2の配置面11aに押し付けられるように構成されていればよい。したがって、爪部21の鉤部23は、例えば係合平坦面23a及び係合傾斜面23bの一方のみを有していてもよい。鉤部23が係合平坦面23aのみを有する場合には、例えば枠体4の第一端部4Aから鉤部23の係合平坦面23aまでの長さを、ヒートシンク2の配置面11aから凹所13の角部15までの長さよりも微小に短く設定することで、枠体4の第一端部4Aをヒートシンク2の配置面11aに押し付けるようにしても構わない。
【0055】
また、上記実施形態ではヒートシンク2に凹所13が形成され、枠体4に爪部21が形成されているが、例えばヒートシンク2に爪部21が形成され、枠体4部に凹所13が形成されてもよい。
さらに、上記実施形態では、ヒートシンク2に挿入穴14が形成され、枠体4に突起41が形成されているが、例えばヒートシンク2に突起41が形成され、枠体4に挿入穴14が形成されていてもよい。
【0056】
また、ヒートシンク2及び枠体4には、相互の位置決め用の挿入穴14及び突起41が形成されていなくてもよい。この場合でも、上記実施形態のように、複数の爪部21が、ヒートシンク2を配置面11aの長辺方向及び短辺方向の両方から挟み込まれていれば、枠体4をヒートシンク2に取り付けた状態で、配置面11a上における枠体4の位置ずれを抑制することができる。