【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、少なくとも部分的には、バイオマーカーのうちの1つまたは複数の変化(例えば、増大または減少)が、ヒトに抗CD200抗体を投与した結果としての、該ヒトにおける所望の免疫調節効果の発生を証拠立てる、複数のバイオマーカーを本発明者らが発見したことに基づく。例えば、本発明者らは、ヒトに抗CD200抗体を投与した後のヒトにおいて、循環CD200
+白血球(例えば、CD200
+/CD4
+T細胞および/または活性化CD200
+/CD4
+T細胞を含めた、例えば、CD200
+T細胞のサブセット)の濃度が低下することを観察した。本開示は、どんな特定の理論または作用機構にも束縛されるものではないが、本発明者らは、観察されたCD200
+白血球の喪失が、(a)白血球によるCD200発現の喪失;および(b)CD200
+白血球の枯渇ではない、末梢からの細胞の移動のうちの一方または両方のためであると考える。本発明者らはまた、抗CD200抗体を投与すると、各種の白血球サブセット(例えば、CD4
+T細胞、CD8
+T細胞、活性化CD4
+T細胞、NK T細胞、またはCD21
+/CD25
+/Fox3P
+T細胞)により、CD200R発現レベルが上昇することも観察した。加えて、本発明者らは、がんに罹患しているヒトに抗CD200抗体を投与すると、(i)活性化T細胞の濃度の、抗CD200抗体を投与する前のヒトにおける該細胞の濃度と比較した上昇;(ii)制御性T細胞の濃度の、抗CD200抗体を投与する前のヒトにおける該細胞の濃度と比較した低下;(iii)活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、抗CD200抗体を投与する前のヒトにおける対応する比と比較した増大が結果としてもたらされることをさらに観察した。実際、作業例で詳述する通り、その臨床疾患が安定化または改善した患者7例のうち4例(57%)において制御性T細胞の濃度が低下したのに対し、その臨床疾患が増悪した患者のうちで、制御性T細胞濃度の同様な低下を臨床的に経過した患者は29%に過ぎなかった。
【0008】
抗CD200抗体は、がん、炎症性障害(例えば、移植拒絶)、および骨障害が含まれるがこれらに限定されない多様な疾患を処置するための潜在的な治療剤として、現在のところ被験対象となっている。例えば、現在のところ、ヒト化抗CD200抗体であるALXN6000(サマリズマブ;Alexion Pharmaceuticals,Inc.、Cheshire、CT)が、がんの治療についての臨床試験で評価されている。本開示は、どんな特定の理論または作用機構にも束縛されるものではないが、本明細書で説明されるバイオマーカーのうちの1つまたは複数の変化(例えば、増大または減少)について、サマリズマブなどの抗CD200抗体により治療される患者をモニタリングすることは、該抗CD200抗体が、該抗体を投与した該ヒトにおいて、所望の免疫調節効果を生成することが可能であるか否かを決定するのに有用であると本発明者らは考える。さらにまた、免疫調節効果の程度をモニタリングすること(例えば、本明細書で説明されるバイオマーカーのうちの1つまたは複数の変化を検出することにより)も、ヒトにおける抗体の免疫調節効果により、疾患に対して臨床的に有意義な効果を達成するのに十分な(すなわち、がんなどの疾患を処置するのに十分な)、抗CD200抗体(例えば、サマリズマブ)の用量(閾値用量または投与スケジュール)を同定するのに有用である。すなわち、第I相の安全性研究においてサマリズマブを投与されたB−CLL患者および多発性骨髄腫患者25例のうち7例は、末梢血カウントおよびCTスキャンの逐次評価により決定される通り、疾患の安定を示した。本明細書で説明される、抗CD200抗体関連バイオマーカーのうちの1つまたは複数の変化(例えば、増大または減少)に反映される通り、治療された患者では、抗CD200抗体による所望の免疫調節効果が観察された。
【0009】
したがって、一態様では、抗CD200抗体が、ヒト(例えば、がん患者)において、所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を本開示が提供する。該方法は、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料において、本明細書で説明される、少なくとも1つの免疫調節性バイオマーカー(本明細書では場合によって、「抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカー」とも称する)の増加または減少を検出し、これにより該抗CD200抗体が、該ヒトにおいて免疫調節効果をもたらしたか否かを決定するステップを含む。免疫調節効果は、少なくとも1つのバイオマーカー、例えば、本明細書で説明される、抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーの変化(例えば、増大または減少)を特徴とすることが可能であり、該変化は、(i)制御性T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比べた低下;(ii)CD8
+T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型のCD8
+T細胞の濃度と比べた上昇;(iii)活性化T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比べた上昇;(iv)CD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型のCD200
+白血球の濃度と比べた低下;(v)CD200R
+白血球(例えば、CD200R
+T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型のCD200R
+白血球の濃度と比べた上昇;(vi)該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける活性化T細胞の、Tregに対する比と比べた、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞(Treg)の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、または少なくとも7:1)であること;(vii)抗CD200抗体を患者に投与する前の患者から得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベルの、該抗体を投与する前の該患者に由来する生物学的試料における同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベルと比べた低下;ならびに(viii)抗CD200抗体を投与された患者に由来する生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベルの、抗CD200抗体を投与する前の該患者に由来する生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベルと比べた上昇からなる群より選択される。一部の実施形態では、抗CD200抗体を投与した後に患者から得られる生物学的試料における、複数の白血球(例えば、骨髄細胞または脾臓細胞)によるCD200の発現の、対照発現レベル(例えば、該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の複数の白血球におけるCD200発現レベル)と比較した低下が、該抗CD200抗体が、該患者において所望の免疫調節効果を生成したことを示す。本明細書で説明される任意の方法が、本明細書で説明される、抗CD200抗体に関連する2つ以上(例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10以上)のバイオマーカーが変化(例えば、増大または減少)したか否かを決定するステップを伴いうることが理解される。複数のバイオマーカーについて精査するときは、2つ以上(例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10以上)のバイオマーカーによる任意の組合せについて解析することができる。
【0010】
一部の実施形態では、発現の変化が、タンパク質発現の変化の場合もあり、mRNA発現の変化の場合もあることが理解される。すなわち、例えば、該方法では、患者に由来する白血球集団を精査して、CD200 mRNA発現および/またはCD200タンパク質発現レベルが、mRNA発現の対照レベルおよび/またはタンパク質発現の対照レベルと比べて低下したか否かを決定することができる。当技術分野では、タンパク質発現およびmRNA発現を測定する方法が周知であり、本明細書でもこれについて説明する。
【0011】
一部の実施形態では、患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度の、対照試料における同じCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度と比較した低下が、抗CD200抗体が、該患者において所望の免疫調節効果を生成したことを示す。CD200
+白血球(例えば、骨髄細胞または脾臓細胞)またはサブセットは、本明細書で説明される(後出の)CD200
+白血球(例えば、骨髄細胞または脾臓細胞)またはサブセットのうちのいずれかでありうるがこれに限定されない。
【0012】
検出するステップは、例えば、選択された適切な細胞型(例えば、CD200
+白血球またはCD200R
+白血球)の濃度を測定するステップを含む場合もあり、CD200またはCD200Rなど、1つまたは複数の発現マーカーの発現レベルを定量化するステップを含む場合もあることが理解される。
【0013】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかについての一部の実施形態では、検出するステップを、抗CD200抗体を初回に投与した後に行うことができる。例えば、検出するステップ(すなわち、バイオマーカーのうちの少なくとも1つにおける変化(例えば、増加または減少)を検出するステップ)は、抗CD200抗体の初回の治療的投与をヒトに行った後2カ月間以内(または2カ月間未満)(例えば、8週間未満、7週間、6週間、5週間、1カ月間、4週間、3週間、2週間、または13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、もしくは5日間未満)に行うことができる。本明細書で説明される方法のうちのいずれかについての一部の実施形態では、検出するステップが、抗CD200抗体の初回の治療的投与をヒトに行った後、少なくとも10日間(例えば、少なくとも11日間、12日間、13日間、14日間、もしくは1週間、2週間、3週間、4週間、1カ月間、5週間、6週間、7週間、または8週間以上)に初めて行う。例えば、本明細書で説明される以下の方法では、指定された細胞型の濃度を測定するステップ、または発現マーカー(例えば、CD200またはCD200R)の発現レベルを定量化するステップを、例えば、上述の期間のうちのいずれか1つ以内で行いうることが理解される。
【0014】
少なくとも1つのバイオマーカーの変化(例えば、増加または減少)を検出する前に、抗CD200抗体の投与を、少なくとも2回(例えば、少なくとも3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、または14回以上)にわたりヒトに行う実施形態では、検出するステップを、複数回にわたる抗CD200抗体の投与レジメンの最終回の投与をヒトに行った後、例えば、2カ月間以内(または2カ月間未満)(例えば、8週間未満、7週間、6週間、5週間、1カ月間、4週間、3週間、2週間、または13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、もしくは5日間未満)、および/または少なくとも1日間(例えば、少なくとも2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、もしくは3週間、4週間、1カ月間、5週間、6週間、7週間、または8週間以上)に初めて行うことができる。一部の実施形態では、検出するステップを、投与の間(例えば、初回の投与と2回目の投与との間、2回目の投与と3回目の投与との間、3回目の投与と4回目の投与との間、5回目の投与と6回目の投与との間、および/または7回目の投与と8回目の投与との間)に行うことができる。このような検出は、処置期間にわたり、ヒトにおける免疫調節効果(例えば、免疫調節効果のピークレベルまたは最大レベル)を維持するのに有効な、該ヒトのための投与スケジュールを決定するのに有用でありうる。例えば、本明細書で説明される以下の方法では、指定された細胞型の濃度を測定するステップ、または発現マーカー(例えば、CD200またはCD200R)の発現レベルを定量化するステップが、例えば、上述の期間のうちのいずれか1つ以内で行いうることが理解される。一部の実施形態では、本明細書で説明される1つまたは複数のバイオマーカーの変化を検出するステップを、患者の治療全体において(例えば、患者に投与される抗CD200抗体の各回の投与前および/または投与後において)行うことができる。このような検出は、とりわけ、患者の生理的状態に対する抗CD200抗体の効果を経時的に評価し、免疫調節効果の発生と、抗CD200抗体治療の有効性とのより精密な相関を可能とするのに有用でありうる。
【0015】
一部の実施形態では、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたという正の決定がなされた場合に、抗CD200抗体を、該ヒトにおける所望の免疫調節効果の発生を維持するのに有効な量および頻度で投与することを含めた、該ヒトのための(例えば、医療従事者が、抗CD200抗体による免疫調節療法から利益を得ると考える疾患(例えば、がん)を、該ヒトが有するか、これを有することが疑われるか、またはこれを発症する危険性がある場合の)治療レジメンを継続するか、または公式に開始する、医療従事者による決定が結果としてもたらされる。一部の実施形態では、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたという正の決定がなされた場合に、医療従事者が、該ヒトに、抗CD200抗体療法を引き続き処方および/または選択する結果がもたらされる。一部の実施形態では、抗CD200抗体を投与した結果として、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたという正の決定がなされた場合に、例えば、各回の抗CD200抗体の投与を行った後、または2回の投与後毎などに、該ヒトにおける1つまたは複数のバイオマーカーの変化(例えば、増加または減少)を持続的にモニタリングする結果がもたらされる。このような実施は、処置期間にわたり、ヒトにおける免疫調節効果(例えば、所望の免疫調節効果のピークレベルまたは最大レベル)を維持するのに有効な、該ヒトのための投与スケジュールを決定するのに有用でありうる。
【0016】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料におけるCD200
+白血球の濃度を測定するステップを含み、この場合、該血液試料におけるCD200
+白血球の濃度の、対照試料における同じ組織型のCD200
+白血球の濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。CD200
+白血球は、例えば、本明細書で説明されるCD200
+白血球のうちのいずれかでありうる。
【0017】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料におけるCD200
+T細胞の濃度を測定するステップを含み、この場合、該血液試料におけるCD200
+T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型のCD200
+T細胞の濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
【0018】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料におけるCD200R
+白血球の濃度を測定するステップを含み、該血液試料におけるCD200R
+白血球の濃度の、対照試料における同じ組織型のCD200R
+白血球の濃度と比較した上昇が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
【0019】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、抗CD200抗体を投与された該ヒトに由来する生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化するステップを含み、この場合、該複数の白血球によるCD200の発現の、対照試料における同じ組織型の複数の白血球による発現レベルと比較した減少が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
【0020】
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与された該ヒトに由来する生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベルを定量化するステップを含み、該複数の白血球によるCD200Rの発現の、対照試料における同じ組織型の複数の白血球によるCD200Rの発現レベルと比較した増大が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
【0021】
一部の実施形態では、本明細書で説明される任意の方法(例えば、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法)が、本方法に従い、抗CD200抗体を該ヒトに投与するステップを含みうる。例えば、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体をヒトに投与するステップと、抗CD200抗体を投与された後の該ヒトに由来する生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベルを定量化するステップとを含み、該複数の白血球によるCD200Rの発現の、対照試料における同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベルと比較した増大が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
【0022】
一部の実施形態では、本明細書で説明される任意の方法(例えば、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法)が、抗体を投与する前にヒトから得られる生物学的試料における、指定された細胞型の濃度を測定するステップ、または指定された細胞型における指定された発現マーカーの発現レベルを定量化するステップを含みうる。例えば、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、ヒトに抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する血液試料におけるCD200
+T細胞の濃度を測定するステップと;該ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する血液試料におけるCD200
+T細胞の濃度を測定する(例えば、同じ医療者による場合もあり、異なる医療者による場合もある)ステップとを含み、該処置後の血液試料におけるCD200
+T細胞の濃度の、該処置前に得られた血液試料における同じ組織型のCD200
+T細胞の濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
【0023】
一部の実施形態では、本明細書で説明される任意の方法が、患者に抗CD200抗体をヒトに投与する前に、かつ/または投与した後に、該患者から生物学的試料(例えば、血液試料)を得るステップを含む。
【0024】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料におけるCD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)集団の濃度を測定するステップと;抗CD200抗体を投与されたヒトに由来する生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベルを定量化するステップとを含み、この場合、(i)該血液試料におけるCD200
+白血球集団の濃度の、対照試料における同じ組織型の対応するCD200
+白血球集団の濃度と比較した低下;および(ii)該複数の白血球によるCD200Rの発現の、対照発現レベルと比較した増大のうちの一方または両方により、該抗CD200抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
【0025】
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)集団の濃度を測定し、これによりCD200
+白血球集団の処置前濃度を得るステップと;(ii)該ヒトに該抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる血液試料における同じ組織型のCD200
+白血球集団の濃度を測定し、これによりCD200
+白血球集団の処置後濃度を得るステップとを含み、CD200
+白血球の該処置後濃度の、CD200
+白血球の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
【0026】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R
+白血球(例えば、CD200R
+T細胞)の濃度を測定し、これによりCD200R
+白血球の処置前濃度を得るステップと;(ii)該ヒトに該抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる血液試料における同じ組織型のCD200R
+白血球(例えば、CD200R
+T細胞)の濃度を測定し、これによりCD200R
+白血球の処置後濃度を得るステップとを含み、CD200R
+白血球の該処置後濃度の、CD200R
+白血球の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
【0027】
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化し、これによりCD200の処置前発現レベルを得るステップと;(ii)該ヒトに該抗CD200抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化し、これによりCD200の処置後発現レベルを得るステップとを含み、CD200の処置後発現レベルの、CD200発現の該処置前レベルと比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
【0028】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、(i)該ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトに由来する生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベルを定量化し、これによりCD200Rの処置前発現レベルを得るステップと;(ii)該ヒトに該抗CD200抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベルを定量化し、これによりCD200Rの処置後発現レベルを得るステップとを含み、この場合、CD200Rの処置後発現レベルの、CD200R発現の該処置前レベルと比較した上昇が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
【0029】
白血球によるCD200の発現については、白血球が、例えば、CD200
+/CD4
+T細胞、活性化CD200
+/CD4
+T細胞、またはCD200
+/CD8
+T細胞などのT細胞でありうる。本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、白血球が、例えば、CD200
+/CD4
+T細胞、または活性化CD200
+/CD4
+T細胞などのT細胞でありうる。
【0030】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、CD200
+白血球の濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)の低下が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたことを示す。本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、CD200
+白血球の濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)の低下が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
【0031】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、CD200R
+白血球の濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100%以上)の上昇が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたことを示す。本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、CD200R
+白血球の濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100%以上)の上昇が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
【0032】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、例えば、白血球によるCD200Rの発現については、白血球が、例えば、CD4
+T細胞、CD8
+T細胞、活性化CD4
+T細胞、CD21
+/CD25
+/Fox3P
+T細胞、およびNK T細胞でありうる。
【0033】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、該白血球(例えば、T細胞)によるCD200の発現の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)の減少が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたことを示す。
【0034】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、該白血球(例えば、T細胞)によるCD200の発現の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)の減少が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
【0035】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の白血球によるCD200Rの発現の少なくとも1.5倍(例えば、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10倍以上)の増大が、ヒトにおいて該抗体により所望の免疫調節効果が生じたことを示す。本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の白血球によるCD200Rの発現の少なくとも1.5倍(例えば、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10倍以上)の増大が、該抗CD200抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
【0036】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、血液試料におけるCD200
+T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型のCD200
+T細胞の濃度と比較した低下が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
【0037】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、血液試料におけるCD200R
+T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型のCD200R
+T細胞の濃度と比較した上昇が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
【0038】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の白血球によるCD200発現レベルの、対照発現レベルと比較した低下が、該抗CD200抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
【0039】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の白血球によるCD200R発現レベルの、対照発現レベルと比較した上昇が、該抗CD200抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
【0040】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料における制御性T細胞(Treg)の濃度を測定するステップを含む方法を特徴とする。血液試料におけるTregの濃度の、対照試料における同じ組織型のTregの濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。対照試料は、例えば、初回の治療的な抗CD200抗体の投与を行う前に患者から得られる血液試料でありうる。
【0041】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる血液試料における制御性T細胞(Treg)の濃度を測定し、これによりTregの処置前濃度を得るステップと;(ii)該ヒトに該抗CD200抗体を投与するステップと;(iii)該抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる血液試料における、同じ明確な組織型のTregの濃度を測定するステップとを含み、Tregの該処置後の血液試料濃度の、Tregの該処置前濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
【0042】
本明細書で説明される方法による一部の実施形態では、Tregが、例えば、CD3
+CD4
+CD25
+FoxP3
+T細胞、またはCD3
+CD4
+FoxP3
+T細胞でありうる。
【0043】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、Tregの濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)の低下が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたことを示す。一部の実施形態では、Treg(例えば、前出の発現マーカーにより規定されるTreg)が、CD200またはCD200Rを発現しうる。
【0044】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、Tregの濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)の低下が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
【0045】
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料における活性化T細胞の濃度を測定するステップを含み、該血液試料における活性化T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比較した上昇が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。対照試料は、例えば、初回の治療的な抗CD200抗体の投与を行う前に患者から得られる血液試料でありうる。
【0046】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる血液試料における活性化T細胞の濃度を測定し、これにより活性化T細胞の処置前濃度を得るステップと;(ii)該ヒトに該抗CD200抗体を投与するステップと;(iii)該抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる血液試料における、同じ明確な組織型の活性化T細胞の濃度を測定するステップとを含み、活性化T細胞の該処置後の血液試料濃度の、活性化T細胞の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
【0047】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、活性化T細胞の濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100%以上)の上昇が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたことを示す。本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、活性化T細胞の濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100%以上)の上昇が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
【0048】
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を決定するステップを含み、該血液試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、対照試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比と比較した増大が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
【0049】
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を決定するステップを含み、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、または少なくとも7:1)であることが、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
【0050】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を決定し、これにより処置前における比を決定するステップと;(ii)該ヒトに該抗CD200抗体を投与するステップと;(iii)抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる血液試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を決定するステップとを含み、該処置後の血液試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、該処置前における比と比較した増大が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
【0051】
本明細書で説明される方法による一部の実施形態では、活性化T細胞が、例えば、CD3
+CD4
+CD25
+FoxP3
negT細胞、またはCD3
+CD4
+FoxP3
negT細胞であるでありうる。一部の実施形態では、活性化T細胞(例えば、前出の発現マーカーにより規定される活性化T細胞)が、CD200またはCD200Rを発現しうる。
【0052】
本明細書で説明される方法による一部の実施形態では、対照試料が、抗CD200抗体を投与する前に得られる、ヒトに由来する血液試料であるか、またはこれを含有しうる。
【0053】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+白血球の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200
+白血球の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R
+白血球の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R
+白血球の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;(e):(ix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における制御性T細胞の濃度、および(x)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(ix)の場合と同じ組織型の制御性T細胞の濃度;(f):(xi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度、および(xii)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xi)の場合と同じ組織型の活性化T細胞の濃度;(g):(xiii)抗CD200抗体を投与した後のヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比、および(xiv)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、対応する、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比(各々が、(xiii)の場合と同じ組織型である);(h):(xv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料におけるCD8
+リンパ球の濃度、および(xvi)該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xv)の場合と同じ組織型のCD8
+リンパ球の濃度;(i):(xvii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+T細胞の濃度、および(xviii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xvii)の場合と同じ組織型のCD200
+T細胞の濃度;(j):(xix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R
+T細胞の濃度、および(xx)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xix)の場合と同じ組織型のCD200R
+T細胞の濃度;(k):(xxi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、1つまたは複数のCD200
+白血球サブセットの濃度、および(xxii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxi)の場合と同じ組織型の、1つまたは複数のCD200
+白血球サブセットの濃度;(l):(xxiii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度、および(xxiv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxiii)の場合と同じ組織型の、1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度;ならびに/あるいは(m):(xxv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル、および(xxvi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxv)の場合と同じ組織型の、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルを測定するステップを含み、(a)CD200
+白血球の該処置後濃度の、CD200
+白血球の該処置前濃度と比較した低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(b)CD200R
+白血球の該処置後濃度の、CD200R
+白血球の該処置前濃度と比較した上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(c)該複数の白血球によるCD200Rの処置後発現レベルの、CD200Rの該処置前発現レベルと比較した上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(d)該複数の白血球によるCD200
+の処置後発現レベルの、CD200
+の該処置前発現レベルと比較した低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(e)制御性T細胞の該処置後濃度の、制御性T細胞の該処置前濃度と比較した低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(f)活性化T細胞の該処置後濃度の、活性化T細胞の該処置前濃度と比較した上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(g)処置後における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、処置前における比と比較した増大は、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示し、または処置後における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比が少なくとも2:1であることは、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(h)CD8
+リンパ球の該処置後濃度の、CD8
+リンパ球の該処置前濃度と比較した上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(i)CD200
+T細胞の該処置後濃度の、CD200
+T細胞の該処置前濃度と比較した低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(j)CD200R
+T細胞の該処置後濃度の、CD200R
+T細胞の該処置前濃度と比較した上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(k)1つまたは複数のCD200
+白血球サブセットの該処置後濃度の、CD200
+白血球の該処置前濃度と比較した低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(l)1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの該処置後濃度の、CD200
+骨髄細胞の該処置前濃度と比較した低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;または(m)該複数の骨髄細胞によるCD200の該処置後発現の、該複数の骨髄細胞によるCD200の該処置前発現レベルと比較した低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。一部の実施形態では、該条件による任意の組合せのうちの2つ以上(例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または9つ以上)を測定する。一部の実施形態では、該条件の全てを測定する。
【0054】
さらに別の態様では、本開示は、ヒトについての医療プロファイルを含む、コンピュータ読み取り可能な媒体であって、該プロファイルが、1つまたは複数の抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーについての情報を含み、該バイオマーカーが、(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R
+白血球(例えば、CD200R
+T細胞)の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R
+白血球(例えば、CD200R
+T細胞)の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;(e):(ix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における制御性T細胞の濃度、および(x)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(ix)の場合と同じ組織型の制御性T細胞の濃度;(f):(xi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度、および(xii)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xi)の場合と同じ組織型の活性化T細胞の濃度;(g):(xiii)抗CD200抗体を投与した後のヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比、および(xiv)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、対応する、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比(各々が、(xiii)の場合と同じ組織型である);ならびに(h):(xv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料におけるCD8
+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度、および(xvi)該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xv)の場合と同じ組織型のCD8
+リンパ球の濃度からなる群より選択される、コンピュータ読み取り可能な媒体を特徴とする。該医療プロファイルはまた、例えば、(xvii)抗CD200抗体を投与した後に患者から得られる生物学的試料における、複数の白血球(例えば、骨髄細胞または脾臓細胞)によるCD200発現レベル、および/または(xviii)該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における、(xvii)の場合と同じ組織型の複数の白血球(例えば、骨髄細胞または脾臓細胞)によるCD200発現レベルも包含しうる。該医療プロファイルはまた、例えば、(xix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度、および/または(xx)該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における、(xix)の場合と同じ組織型の、1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度も包含しうる。一部の実施形態では、該医療プロファイルが、2例以上(例えば、3例、4例、5例、10例、15例、20例、30例、40例、50例、60例、70例、80例、90例、または100例以上)の患者についてのこのような情報を包含する。一部の実施形態では、医療プロファイルが、コンピュータのハードドライブ、フラッシュドライブ、DVD、またはCDなど、コンピュータ読み取り可能な媒体に保存される。
【0055】
別の態様では、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する、コンピュータベースの方法を本開示が提供する。該方法は、ヒトの医療プロファイルを包含するデータを受け取るステップであって、該プロファイルが、(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R
+白血球(例えば、CD200R
+T細胞)の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R
+白血球(例えば、CD200R
+T細胞)の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;(e):(ix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における制御性T細胞の濃度、および(x)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(ix)の場合と同じ組織型の制御性T細胞の濃度;(f):(xi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度、および(xii)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xi)の場合と同じ組織型の活性化T細胞の濃度;(g):(xiii)抗CD200抗体を投与した後のヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比、および(xiv)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、対応する、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比(各々が、(xiii)の場合と同じ組織型である);ならびに(h):(xv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料におけるCD8
+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度、および(xvi)該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xv)の場合と同じ組織型のCD8
+リンパ球の濃度を含めた、本明細書で説明される、抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーのうちの少なくとも1つについての情報を含むステップと;該情報を含有する該データのうちの少なくとも一部分を処理して、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するステップであって、CD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)の該処置後濃度の、CD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;CD200R
+白血球(例えば、CD200R
+T細胞)の該処置後濃度の、CD200R
+白血球の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;該複数の白血球によるCD200
+の処置後発現レベルの、CD200
+の該処置前発現レベルと比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;該複数の白血球によるCD200Rの処置後発現レベルの、CD200Rの該処置前発現レベルと比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;制御性T細胞の該処置後濃度の、制御性T細胞の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示し;活性化T細胞の該処置後濃度の、活性化T細胞の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;CD8
+リンパ球(例えば、T細胞)の該処置後濃度の、CD8
+リンパ球の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;該処置後における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、該処置前における比と比較した増大が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;かつ/または処置後における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、4:1、5:1、6:1、なおまたは7:1以上)であることが、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示すステップとを含む。
【0056】
別の態様では、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する、コンピュータベースの方法であって、(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R
+白血球(例えば、CD200R
+T細胞)の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R
+白血球(例えば、CD200R
+T細胞)の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;(e):(ix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における制御性T細胞の濃度、および(x)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(ix)の場合と同じ組織型の制御性T細胞の濃度;(f):(xi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度、および(xii)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xi)の場合と同じ組織型の活性化T細胞の濃度;(g):(xiii)抗CD200抗体を投与した後のヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比、および(xiv)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、対応する、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比(各々が、(xiii)の場合と同じ組織型である);ならびに(h):(xv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料におけるCD8
+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度、および(xvi)該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xv)の場合と同じ組織型のCD8
+リンパ球の濃度のうちの1つまたは両方についての情報をもたらすステップと;該情報を、コンピュータに入力するステップと;該コンピュータおよび該入力された情報を用いて、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを示唆するパラメータを計算するステップであって、CD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)の該処置後濃度の、CD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;CD200R
+白血球(例えば、CD200R
+T細胞)の該処置後濃度の、CD200R
+白血球の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;該複数の白血球によるCD200
+の処置後発現レベルの、CD200
+の該処置前発現レベルと比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;該複数の白血球によるCD200Rの処置後発現レベルの、CD200Rの該処置前発現レベルと比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;制御性T細胞の該処置後濃度の、制御性T細胞の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示し;活性化T細胞の該処置後濃度の、活性化T細胞の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;該処置後における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、該処置前における比と比較した増大が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;CD8
+リンパ球(例えば、T細胞)の該処置後濃度の、CD8
+リンパ球の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;かつ/または処置後における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、4:1、5:1、6:1、なおまたは7:1以上)であることが、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示すステップとを含む。該方法はまた、該パラメータを出力するステップも含む。
【0057】
一部の実施形態では、該情報が、(xvii)抗CD200抗体を投与した後に患者から得られる生物学的試料における、複数の白血球(例えば、骨髄細胞または脾臓細胞)によるCD200発現レベル、および/または(xviii)該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における、(xvii)の場合と同じ組織型の複数の白血球(例えば、骨髄細胞または脾臓細胞)によるCD200発現レベルを包含することが可能であり、この場合、該複数の白血球によるCD200の処置後発現レベルの、対応する複数の白血球によるCD200の処置前発現レベルと比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
【0058】
一部の実施形態では、該情報が、(xix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200
+骨髄サブセットの濃度、および/または(xx)該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における、(xix)の場合と同じ組織型の、1つまたは複数のCD200
+骨髄サブセットの濃度を包含することが可能であり、この場合、該1つまたは複数のCD200
+骨髄サブセットの処置後濃度の、対応するCD200
+骨髄サブセットの処置前濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
【0059】
本明細書で説明される方法による一部の実施形態では、ヒトが、がんを有するか、がんを有することが疑われるか、またはがんを発症する可能性が高い。がんは、例えば、CLL(例えば、B−CLL)でありうる。がんは、結腸がん、乳がん、肺がん、腎臓がん、膵臓がん、甲状腺がん、皮膚がん、神経系のがん、子宮頸がん、卵巣がん、精巣がん、頭頚部がん、骨がん、眼がん、胃がん、または肝臓がんなどであるがこれらに限定されない固形腫瘍でありうる。神経系のがんは、神経芽腫でありうる。
【0060】
本明細書で説明される方法による一部の実施形態では、ヒトが、炎症性障害および/もしくは骨障害を有するか、炎症性障害および/もしくは骨障害を有することが疑われるか、または炎症性障害および/もしくは骨障害を発症する危険性がある。医療技術分野では、炎症性障害および骨障害が周知である。本明細書では、これらの障害の各々の例を示す。
【0061】
一部の実施形態では、抗CD200抗体がヒトにおいて免疫調節効果を生成することが決定された場合に、本明細書で説明される任意の方法が、該ヒトに治療有効量の該抗体を投与するステップを含みうる。
【0062】
一部の実施形態では、上記の方法のうちのいずれかが、対象に抗CD200抗体を、例えば、ヒトにおける免疫調節効果を維持するのに有効な量および頻度で投与するステップを含みうる。
【0063】
本発明者らはまた、複数のCD200発現がん細胞を含むがんを有する患者に抗CD200抗体を投与すると、該がん細胞によるCD200の発現が減少することも発見した。がん細胞は、ヒトにおいて潜在的に生命を脅かすがんが発症する前に、悪性細胞を同定し、該細胞を死滅させうる(免疫監視として公知の過程)、ヒト免疫系による検出を回避する多数の方途を発達させている。例えば、Geertsenら(1999年)、Int J Mol Med、3巻(1号):49〜57頁; Kerebijnら(1999年)、Crit Rev Oncol Hematol、31巻(1号):31〜53頁およびPardoll(2003年)Annu Rev Immunol、21巻:807〜39頁を参照されたい。がん細胞が免疫監視を回避する1つの潜在的な機構は、免疫抑制性CD200タンパク質の発現または過剰発現を介する。実際、CD200タンパク質は、例えば、B細胞慢性リンパ性白血病細胞、前立腺がん細胞、乳がん細胞、結腸がん細胞、および脳腫瘍細胞を含めた、多様なヒトがん細胞において、発現または過剰発現していることが示されている。例えば、Kawasakiら(2007年)、Biochem Biophys Res Commun、364巻(4号):778〜782頁; Kretz−Rommelら(2007年)、前出;およびSivaら(2008年)、Cancer Immunol Immunother、57巻(7号):987〜96頁を参照されたい。したがって、本開示は、どんな特定の理論または作用機構にも束縛されるものではないが、がん細胞における、抗CD200抗体依存的なCD200の下方制御が、免疫監視の阻害を緩和し、免疫系が、がんをより有効に同定し、がんにより有効に対処することを可能にすると本発明者らは考える。したがって、ヒトに抗CD200抗体を、ヒトにおけるがん細胞によるCD200発現の低下を維持するのに十分な量および頻度で投与することが有益であると考えられている。本明細書では、本開示に従う、例示的な抗CD200抗体の投与スケジュールを示す。このような投与スケジュールの、2つの非網羅的で非限定的な例は、抗CD200抗体の高量(例えば、200mg/m
2を超える)での投与、および/または低量(例えば、200mg/m
2以下)であるが、頻度を増大させた(例えば、12日間ごとに少なくとも1回ずつ)投与である。本明細書では、さらなる例を示す。
【0064】
さらに、本明細書で示される作業例において詳述される通り、本発明者らは、1カ月当たり1回の投与スケジュールで患者に投与した抗CD200抗体であるサマリズマブについて観察された薬力学特性に基づく発見をさらに報告する。とりわけ、(端点を含めた)50mg/m
2〜200mg/m
2の用量で1カ月当たり1回の投与スケジュール下において、患者における抗体の免疫調節効果は一過性であり、ほぼ14日目には、罹患細胞集団が、処置前のレベルに戻る(またはほぼ戻る)。しかし、サマリズマブを2回目に投与したところ、特異的な細胞集団(例えば、CD200
+がん細胞、CD200
+T細胞など)に対して、免疫調節効果が今一度もたらされた。高量(例えば、300mg/m
2〜500mg/m
2)を投与したところ、ヒトにおいて、より持続的な免疫調節効果が結果としてもたらされた。したがって、本発明者らは、高用量および/または高頻度で抗体を投与し、これにより、患者における免疫調節効果を維持することが、ヒトにおける疾患(例えば、がん、骨障害、または炎症性障害)を処置するのにより有効であると結論付けた。
【0065】
したがって、さらに別の態様では、本開示は、がんを伴うヒトを処置する方法であって、抗CD200抗体が該ヒトにおいて抗CD200抗体関連免疫調節効果を生成することが決定された場合に、該ヒトに該抗CD200抗体を、該がんを処置するのに有効な量および/または頻度で投与するステップを含む方法を特徴とする。該決定するステップは、例えば、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するための、本明細書で説明される任意の方法を包含しうる。
【0066】
別の態様では、本開示は、がんに罹患している患者を処置する方法であって、それを必要とする患者に抗CD200抗体を、該患者における抗CD200抗体関連免疫調節効果を維持するのに有効な量および頻度で投与し、これにより該患者のがんを処置するステップを含む方法を特徴とする。免疫調節効果は、例えば、1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度、および脾臓細胞または骨髄細胞(下記を参照されたい)によるCD200発現レベルを含めた、本明細書で説明される、抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーのうちの任意の1つまたは複数の変化により示されうる。一部の実施形態では、免疫調節性バイオマーカーは、1もしくは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度、および/または骨髄細胞によるCD200発現レベルを包含しない。
【0067】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、患者に抗体を、患者において以下の条件:(i)制御性T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比べた低下;(ii)CD8
+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型のCD8
+リンパ球の濃度と比べた上昇;(iii)活性化T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比べた上昇;(iv)CD200
+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型のCD200
+リンパ球の濃度と比べた低下;(v)CD200R
+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型のCD200R
+リンパ球の濃度と比べた上昇;(vi)活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、該抗体を初回に投与する前の該患者における比の対応する比と比べた増大;(vii)抗体を初回に投与する前の該患者における活性化T細胞の、Tregに対する比と比べた、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞(Treg)の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、または少なくとも7:1)であること;(viii)複数の白血球によるCD200発現レベルの、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベルと比べた低下;(ix)複数の白血球によるCD200R発現レベルの、該抗体を初回に投与する前の該患者における、同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベルと比べた上昇;ならびに(x)がんが、CD200を発現(過剰発現)する複数の細胞を含む実施形態では、複数のCD200
+がん細胞によるCD200発現レベルの、該抗CD200抗体を初回に投与する前の対応する複数のCD200
+がん細胞によるCD200発現レベルと比べた低下のうちの1つまたは複数(例えば、患者に由来する生物学的試料を解析(例えば、測定、検出、または定量化)することにより決定される)を維持するのに有効な量および頻度で投与することができる。患者に抗CD200抗体を2回以上投与している実施形態では、上記のパラメータのうちの1つまたは複数についての評価が、抗CD200抗体を初回に投与する前の対応するパラメータの値、抗CD200抗体を最近投与する前の対応するパラメータの値、または該患者に抗CD200抗体を投与する投与間における対応するパラメータの値と比べた(またはこれと比較した)評価でありうる(しかし、必ずしもそうである必要はない)ことが理解される。例えば、ある期間にわたり、患者に抗CD200抗体の投与を5回行う実施形態では、CD200
+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を5回目に投与する前の患者における同じ組織型のCD200
+リンパ球の濃度と比べた低下が、該抗体を投与した結果として、該患者に所望の免疫調節効果が生じたことを示しうる。
【0068】
一部の実施形態では、患者に抗CD200抗体を、がん治療のコースにわたり、該患者において前出の条件全てを維持する量および頻度で投与する。一部の実施形態では、患者に該抗体を、少なくとも4週間(例えば、少なくとも5週間、6週間、7週間、8週間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、1年間、13カ月間、14カ月間、15カ月間、16カ月間、1.5年間、2年間、3年間、または4年間以上)にわたり投与する。
【0069】
一部の実施形態では、本明細書で説明されるがんの治療法が、それを必要とする患者に抗CD200抗体、例えば、全抗体を、具体的な患者に応じて、個別の用量を100mg/m
2以上(例えば、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、または600mg/m
2以上)とし、頻度を1週間ごとに少なくとも約1回(例えば、7日間ごと、8日間ごと、9日間ごと、10日間ごと、11日間ごと、12日間ごと、13日間ごと、14日間ごと、15日間ごと、16日間ごと、17日間ごと、18日間ごと、19日間ごと、または20日間ごとに少なくとも1回)として投与するステップを含みうる。一部の実施形態では、抗CD200抗体を少なくとも1週間に1回(例えば、少なくとも2週間ごと、または3週間ごとに1回)患者に投与することができる。一部の実施形態では、抗CD200抗体の個別の用量が、100〜600mg/m
2(端点を含めた)(例えば、150〜600、200〜600、300〜600、100〜500、100〜400、100〜300、100〜200、200〜500、200〜400、200〜300、300〜500、400〜500、または300〜500mg/m
2(端点を含めた))である可能性があり、一部の実施形態では、患者に、例えば、7日間ごとに少なくとも1回投与することができる。一部の実施形態では、患者に、本明細書で説明される抗CD200抗体を、毎日(例えば、2日間ごとに、3日間ごとに)1回施すことができる。上記で説明した通り、個々の患者パラメータ(例えば、身長、体重、性別、疾患の重症度、年齢、共存症、およびさらなる投薬)に応じて、該患者における免疫調節効果を維持するように、抗CD200抗体の頻度および量の一方または両方を変化させることができることが理解される。本明細書では、患者における免疫調節効果についての条件のうちの1つまたは複数を維持するのに適切な投与戦略を決定する方法について説明する(後出)。
【0070】
別の態様では、本開示は、がんを処置する方法であって、がんに罹患している患者に、抗CD200抗体を、該患者における活性化T細胞の濃度の、該抗CD200抗体を投与する前の該患者における活性化T細胞の濃度と比較した上昇を維持するのに有効な量および頻度で投与し、これにより該がんを処置するステップを含む方法を提供する。該方法はまた、ヒトに抗CD200抗体を投与した後に、該患者における活性化T細胞の濃度が上昇したか否かを決定するステップも含みうる。
【0071】
別の態様では、本開示はまた、がんを処置する方法であって、がんに罹患している患者に、抗CD200抗体を、該患者における制御性T細胞の濃度の、該抗CD200抗体を投与する前の該患者における制御性T細胞の濃度と比較した低下を維持するのに有効な量および頻度で投与し、これにより該がんを処置するステップを含む方法も提供する。
【0072】
別の態様では、本開示はまた、がんを処置する方法であって、がんに罹患している患者に、抗CD200抗体を、該患者において、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞(Treg)の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、または少なくとも7:1)であることを維持するのに有効な量および頻度(例えば、該抗体を投与した後の患者から得られる生物学的試料を解析することにより決定される)で投与するステップを含む方法も提供する。
【0073】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、制御性T細胞が、例えば、CD3
+CD4
+CD25
+FoxP3
+T細胞、またはCD3
+CD4
+FoxP3
+T細胞でありうる。本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、活性化T細胞が、例えば、CD3
+CD4
+CD25
+FoxP3
negT細胞、またはCD3
+CD4
+FoxP3
negT細胞でありうる。
【0074】
さらに別の態様では、本開示は、医療従事者により、抗CD200抗体療法から利益を得るか、または抗CD200抗体療法から利益を得る可能性が高い患者(例えば、がん、骨疾患、または炎症性障害に罹患している患者)であると判定された患者を処置するための、CD200抗体の投与スケジュールを決定する方法を特徴とする。該方法は、例えば、抗CD200抗体を投与した後の患者において生成される所望の免疫調節効果のピークレベルまたは最大レベルを確立するステップと、この効果のピークレベルからの変化について(患者に由来する生物学的試料を分析することによって)患者をモニタリングするステップとを含み、この場合、医療従事者が、処置期間にわたり、患者における免疫調節効果のピークレベルを維持するのに必要な、抗CD200抗体の量、および/または該抗体の投与頻度を決定する点で、この効果のピークレベルの変化のタイミング(例えば、この効果のピークレベルを維持するのにさらなる投与が必要とされる前の所与の用量で、患者における効果のピークレベルが維持される期間)により、患者の投与スケジュールが決定される。一部の実施形態では、免疫調節効果のレベルが、患者について観察されるピークの免疫調節効果から少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)変化する場合、該患者にさらなる用量の(元の所定用量より高用量であり、かつ/または高頻度である)抗CD200抗体を投与する。例えば、医療従事者は、抗CD200抗体の初回投与において、患者における免疫調節効果のピークレベルを表す処置後濃度Xまで、CD200
+白血球の濃度が低下することを観察しうる。該従事者は、CD200
+白血球の処置後濃度が、Xから少なくとも5%(前出)上昇することを観察する場合、該患者に、さらなる抗CD200抗体の投与(より高量で、または初回投与と同量であるが、該従事者が想定したよりも高頻度で)を行い、これにより、CD200
+白血球の濃度を濃度X以下に戻し、かつ維持することを選択しうる。
【0075】
したがって、一部の実施形態では、抗CD200抗体の投与スケジュールを決定する方法が、抗CD200抗体を投与された患者において、所望の抗CD200抗体関連免疫調節効果のレベルをモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールであって、該抗体による処置期間にわたり、該患者における免疫調節効果を維持するのに十分な投与スケジュールを決定するステップを含みうる。患者における免疫調節効果のピークレベルの変化の発生は、該患者に高用量の抗CD200抗体を投与し、かつ/または該患者に抗CD200を高頻度で投与し、これにより、該患者における免疫調節効果のピークレベルを維持し、これにより、このような維持を達成する、該抗体の投与スケジュールを決定するための契機となりうる。
【0076】
一部の実施形態では、該方法が、患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者において、抗CD200抗体関連免疫調節効果(例えば、該患者に由来する生物学的試料における、抗CD200抗体関連バイオマーカーのうちの1つまたは複数の変化(例えば、増大または減少)により示される)を生成するステップを含みうる。一部の実施形態では、バイオマーカーの以下の変化:(i)制御性T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比べた低下;(ii)CD8
+白血球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型のCD8
+白血球の濃度と比べた上昇;(iii)活性化T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比べた上昇;(iv)CD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型のCD200
+白血球の濃度と比べた低下;(v)CD200R
+白血球(例えば、CD200R
+T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型のCD200R
+白血球の濃度と比べた上昇;ならびに(vi)該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける活性化T細胞の、Tregに対する比と比べた、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞(Treg)の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、または少なくとも7:1)であることのうちの1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10以上)をモニタリングすることができる。本明細書で説明される通り、さらなる変化をモニタリングすることができる。例えば、一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200
+骨髄サブセットの処置後濃度の、対応するCD200
+骨髄サブセットの処置前濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。一部の実施形態では、複数の脾臓細胞および/骨髄細胞(例えば、骨髄細胞サブセット)によるCD200の処置後発現レベルの、対応する複数の脾臓細胞および/骨髄細胞によるCD200の処置前発現レベルと比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。モニタリングするステップは、例えば、選択された適切な細胞型(例えば、CD200
+白血球またはCD200R
+白血球)の濃度を測定すること;CD200など、1つまたは複数の発現マーカーの発現レベルを定量化すること;または活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を決定することを含みうることが理解される。一部の実施形態では、これらの抗CD200抗体関連バイオマーカーのうちの1つまたは複数の状態の部分的な可逆化であってもなお、医療従事者が、患者に投与する抗CD200抗体の量を増大させ、かつ/または患者への抗CD200抗体の投与頻度を増大させて、これにより、該患者における抗CD200抗体関連免疫調節効果を維持するべきであることを示す。
【0077】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体を用いてがんに罹患している患者を処置するための投与スケジュールを決定する方法であって、CD200を発現する複数のがん細胞を含むがんに罹患している患者を提供するステップと;該患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該がん細胞によるCD200発現を低下させるステップと;該がん細胞によるCD200発現レベルをモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、該投与スケジュールが、例えば、該抗体による処置期間にわたり、該がん細胞によるCD200発現レベルの低下(例えば、所定のレベルと比較した)を維持するのに十分である方法を特徴とする。一部の実施形態では、がん細胞によるCD200発現レベルを、少なくとも10%(例えば、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)低下させることができる。
【0078】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体を用いてがんに罹患している患者を処置するための投与スケジュールを決定する方法であって、がんに罹患している患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる血液試料において測定されるCD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)の濃度を、対照試料におけるCD200
+T細胞の濃度と比較して低下させるステップと;該患者におけるCD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)の濃度をモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、該投与スケジュールが、該抗体による処置期間にわたり、該患者におけるCD200
+T細胞の濃度の低下を維持するのに十分である方法を特徴とする。一部の実施形態では、CD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)の濃度を、少なくとも10%(例えば、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)低下させることができる。一部の実施形態では、CD200
+白血球(例えば、CD200
+T細胞)が、CD200
+/CD4
+T細胞、活性化CD200
+/CD4
+T細胞、またはCD200
+/CD8
+T細胞からなる群より選択される。
【0079】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体を用いてがんに罹患している患者を処置するための投与スケジュールを決定する方法であって、がんに罹患している患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる血液試料における白血球によるCD200発現レベルを、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200の対照発現レベルと比較して低下させるステップと;該患者における白血球によるCD200発現レベルをモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、該投与スケジュールが、該抗体によるがんの処置期間にわたり、該患者における白血球によるCD200発現レベルの低下(該対照試料と比較した低下)を維持するのに十分である方法を特徴とする。一部の実施形態では、白血球によるCD200発現レベルを、少なくとも10%(例えば、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)低下させることができる。一部の実施形態では、CD200
+白血球が、CD200
+/CD4
+T細胞、活性化CD200
+/CD4
+T細胞、またはCD200
+/CD8
+T細胞からなる群より選択される。
【0080】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体を用いてがんに罹患している患者を処置するための投与スケジュールを決定する方法であって、がんに罹患している患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる血液試料において測定されるCD200R
+白血球の濃度を、対照試料におけるCD200R
+白血球の濃度と比較して上昇させるステップと;該患者におけるCD200R
+白血球の濃度をモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、該投与スケジュールが、該抗体によるがんの処置期間にわたり、該患者におけるCD200R
+白血球の濃度の上昇(該対照試料と比較した上昇)を維持するのに十分である方法を特徴とする。一部の実施形態では、CD200R
+白血球の濃度を、少なくとも10%(例えば、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100%以上)上昇させることができる。一部の実施形態では、CD200R
+T細胞が、CD200R
+/CD4
+T細胞および活性化CD200R
+/CD4
+T細胞からなる群より選択される。
【0081】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体を用いてがんに罹患している患者を処置するための投与スケジュールを決定する方法であって、がんに罹患している患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる血液試料において測定される白血球によるCD200R発現レベルを、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200Rの対照発現レベルと比較して上昇させるステップと;該患者における白血球によるCD200R発現レベルをモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、該投与スケジュールが、該抗体によるがんの処置期間にわたり、該患者における白血球によるCD200R発現レベルの上昇(処置前発現レベルと比較した)を維持するのに十分である方法を特徴とする。一部の実施形態では、白血球によるCD200R発現レベルを、少なくとも10%(例えば、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100%以上)上昇させることができる。一部の実施形態では、白血球が、CD4
+T細胞または活性化CD4
+T細胞などのT細胞である。
【0082】
さらに別の態様では、本開示は、CD200を発現する複数のがん細胞を含むがんに罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、該がん細胞によるCD200発現レベルを低下させる(例えば、処置前発現レベルと比較して)のに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトのがんを処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、がん細胞によるCD200発現レベルの低下について、ヒトをモニタリングするステップも含みうる。
【0083】
別の態様では、本開示は、がんに罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、がん患者の血液におけるCD200
+白血球(例えば、T細胞)の濃度を低下させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトのがんを処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該患者の血液におけるCD200
+白血球の濃度の低下について、該ヒトをモニタリングするステップも含みうる。
【0084】
別の態様では、本開示は、がんに罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、がん患者の血液におけるCD200R
+白血球の濃度を結果として上昇させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトのがんを処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該患者の血液におけるCD200
+白血球の低下について、該ヒトをモニタリングするステップも含みうる。
【0085】
別の態様では、本開示は、がんに罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、がん患者の血液におけるT細胞によるCD200発現レベルを低下させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトのがんを処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該患者の血液におけるT細胞によるCD200発現レベルの低下について、該ヒトをモニタリングするステップも含みうる。
【0086】
別の態様では、本開示は、がんに罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、がん患者の血液における白血球によるCD200R発現レベルを結果として上昇させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトのがんを処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該患者の血液における白血球によるCD200R発現レベルの低下について、該ヒトをモニタリングするステップも含みうる。
【0087】
上記の方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、がんが、CD200を発現する複数のがん細胞を含むがんでありうる。上記の方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、がんが複数のがん細胞を含み、該がん細胞は、同じ組織型の非がん細胞と比べて、CD200を過剰発現する。
【0088】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、対象(例えば、ヒトまたは患者)が、B細胞慢性リンパ性白血病(CLL)などのCLLを有さない対象である。
【0089】
本明細書で説明される方法による一部の実施形態では、抗CD200抗体の単回投与が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成するのに十分である。一部の実施形態では、抗CD200抗体の単回投与が、患者のがんに対する臨床的に有意義な効果を生成するのに十分である。本明細書で説明される治療法による一部の実施形態では、それを必要とする患者に、抗CD200抗体の投与を2回以上(例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10回以上)行って、例えば、該患者のがん、炎症性障害、または骨障害を処置する。ヒト(例えば、患者)に抗体の投与を2回以上行う実施形態では、該2回以上の投与の各々を、少なくとも7日間(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30日間以上)の間隔を置いて投与することができる。一部の実施形態では、少なくとも1カ月間(例えば、少なくとも、2、3、4、5、または6カ月間)にわたり、患者に2回以上の投与を行う。例えば、医療従事者は、がん患者に抗CD200抗体を少なくとも4回投与することを選択でき、該投与の各々は、2カ月間にわたり、2週間(14日間)ごとに1回投与される。医療従事者は、同じ投与スケジュール下で治療の継続を選択することもでき、異なる投与スケジュール下で治療の継続を選択することもできることが理解される。
【0090】
さらに別の態様では、本開示は、骨障害および炎症性障害からなる群より選択される障害に罹患している患者を処置する方法であって、それを必要とする患者に、抗CD200抗体を、該患者において、抗CD200抗体関連免疫調節効果を維持するのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該患者の障害を処置するステップを含む方法を特徴とする。免疫調節効果は、例えば、本明細書で説明される抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーのうちのいずれかにより示されうる。すなわち、一部の実施形態では、患者に該抗体を、該患者において、以下の条件(例えば、患者に由来する生物学的試料を解析(例えば、測定、検出、または定量化)することにより決定される):(i)制御性T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比べた低下;(ii)CD8
+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型のCD8
+リンパ球の濃度と比べた上昇;(iii)活性化T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比べた上昇;(iv)CD200
+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型のCD200
+リンパ球の濃度と比べた低下;(v)CD200R
+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型のCD200R
+リンパ球の濃度と比べた上昇;(vi)活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、該抗体を初回に投与する前の該患者における対応する比と比べた増大;(vii)該抗体を初回に投与する前の該患者における活性化T細胞の、Tregに対する比と比べた、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞(Treg)の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、または少なくとも7:1)であること;(viii)複数の白血球によるCD200発現レベルの、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベルと比べた低下;ならびに(ix)複数の白血球によるCD200R発現レベルの、該抗体を初回に投与する前の該患者における、同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベルと比べた上昇のうちの1つまたは複数を維持するのに有効な量および頻度で投与することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200
+骨髄サブセットの処置後濃度の、対応するCD200
+骨髄サブセットの処置前濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。一部の実施形態では、複数の脾臓細胞および/骨髄細胞(例えば、骨髄細胞サブセット)によるCD200の処置後発現レベルの、対応する複数の脾臓細胞および/骨髄細胞によるCD200の処置前発現レベルと比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。患者に抗CD200抗体を2回以上投与している実施形態では、上記のパラメータのうちの1つまたは複数についての評価が、抗体を初回に投与する前の対応するパラメータの値、抗CD200抗体を最後に投与する前の対応するパラメータの値、または抗体の2回の投与の間における対応するパラメータの値と比べた(またはこれと比較した)評価でありうる(しかし、必ずしもそうである必要はない)ことが理解される。例えば、ある期間にわたり、患者に抗CD200抗体の投与を5回行う実施形態では、CD200
+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を5回目に投与する前の患者における同じ組織型のCD200
+リンパ球の濃度と比べた低下が、該抗体を投与した結果として、該患者に所望の免疫調節効果が生じたことを示しうる。例えば、ある期間にわたり、患者に抗CD200抗体の投与を5回行う実施形態では、CD200
+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を3回投与した後ではあるが、4回目に投与する前の患者における同じ組織型のCD200
+リンパ球の濃度と比べた低下が、該抗体を投与した結果として、該患者に所望の免疫調節効果が生じたことを示しうる。
【0091】
別の態様では、本開示は、骨障害および炎症性障害に罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、該ヒトの血液におけるCD200
+T細胞の濃度を低下させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトの骨障害または炎症性障害を処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該ヒトの血液におけるCD200
+T細胞の濃度の低下をモニタリングするステップも含みうる。
【0092】
別の態様では、本開示は、骨障害および炎症性障害に罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、該ヒトの血液におけるCD200R
+白血球の濃度を結果として上昇させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトの骨障害または炎症性障害を処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該ヒトの血液におけるCD200
+白血球の濃度の低下をモニタリングするステップも含みうる。
【0093】
別の態様では、本開示は、骨障害および炎症性障害に罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、該ヒトの血液におけるT細胞によるCD200発現レベルを低下させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトの骨障害または炎症性障害を処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該ヒトの血液におけるT細胞によるCD200発現レベルの低下をモニタリングするステップも含みうる。
【0094】
別の態様では、本開示は、骨障害および炎症性障害に罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、該ヒトの血液における白血球によるCD200R発現レベルを結果として上昇させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトの骨障害または炎症性障害を処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該ヒトの血液における白血球によるCD200R発現レベルの低下をモニタリングするステップも含みうる。
【0095】
別の態様では、本開示はまた、骨障害および炎症性障害に罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、該ヒトの血液におけるCD200
+T細胞の濃度を低下させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトの骨障害または炎症性障害を処置するステップを含む方法も特徴とする。該方法はまた、該ヒトの血液におけるCD200
+T細胞の濃度の低下をモニタリングするステップも含みうる。
【0096】
別の態様では、本開示はまた、患者の血液におけるCD200
+白血球(例えば、CD4
+T細胞などのT細胞)の濃度を結果として低下させる方法であって、それを必要とする患者に、抗CD200抗体を、該患者の血液におけるCD200
+白血球の濃度を低下させるのに有効な量で投与するステップを含む方法も特徴とする。該患者は、炎症性障害もしくは骨障害を有するか、炎症性障害もしくは骨障害を有することが疑われるか、または炎症性障害もしくは骨障害を発症する危険性がある。
【0097】
別の態様では、本開示はまた、患者の血液におけるCD200R
+白血球(例えば、CD4
+T細胞などのT細胞)の濃度を結果として上昇させる方法であって、それを必要とする患者に、抗CD200抗体を、該患者の血液におけるCD200R
+白血球(例えば、CD4
+T細胞などのT細胞)の濃度を結果として上昇させるのに有効な量で投与するステップを含む方法も特徴とする。該患者は、がん、炎症性障害もしくは骨障害を有するか、がん、炎症性障害もしくは骨障害を有することが疑われるか、またはがん、炎症性障害もしくは骨障害を発症する危険性がある。
【0098】
別の態様では、本開示はまた、患者の末梢血における白血球(例えば、CD4
+T細胞などのT細胞)によるCD200の発現を減少させる方法であって、それを必要とする患者に、抗CD200抗体を、該患者の血液における白血球によるCD200の発現を減少させるのに有効な量で投与するステップを含む方法も特徴とする。該患者は、がん、炎症性障害もしくは骨障害を有するか、がん、炎症性障害もしくは骨障害を有することが疑われるか、またはがん、炎症性障害もしくは骨障害を発症する危険性がある。
【0099】
別の態様では、本開示はまた、患者の血液における白血球(例えば、CD4
+T細胞などのT細胞)によるCD200Rの発現を結果として増大させる方法であって、それを必要とする患者に、抗CD200抗体を、該患者の血液における白血球によるCD200Rの発現を結果として増大させるのに有効な量で投与するステップを含む方法も特徴とする。該患者は、がん、炎症性障害もしくは骨障害を有するか、がん、炎症性障害もしくは骨障害を有することが疑われるか、またはがん、炎症性障害もしくは骨障害を発症する危険性がある。
【0100】
さらに別の態様では、本開示は、それを必要とする患者(例えば、がん患者)における活性化T細胞の濃度を上昇させる方法であって、該患者に、抗CD200抗体を、該患者における活性化T細胞の濃度を上昇させるのに有効な量および頻度で投与するステップを含む方法を特徴とする。
【0101】
別の態様では、本開示は、それを必要とする患者(例えば、がん患者)における制御性T細胞の濃度を低下させる方法であって、該患者に、抗CD200抗体を、該患者における制御性T細胞の濃度を低下させるのに有効な量および頻度で投与するステップを含む方法を特徴とする。
【0102】
別の態様では、本開示は、それを必要とする患者(例えば、がん患者)における活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を増大させる方法であって、該患者に、抗CD200抗体を、該患者における活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を増大させるのに有効な量および頻度で投与するステップを含む方法を特徴とする。一部の実施形態では、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を、少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、4:1、5:1、6:1、なおまたは7:1以上)まで増大させる。
【0103】
上記の方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、がん(またはがんに罹患している患者)が、CD200を発現する複数のがん細胞を含む。一部の実施形態では、がん(またはがんに罹患している患者)が複数のがん細胞を含み、該がん細胞は、がんが由来する細胞と同じ組織型の非がん細胞と比べて、CD200を過剰発現する。
【0104】
一部の実施形態では、上記の治療法のうちのいずれかを、本明細書で説明される方法のうちのいずれかと共に実施して、ヒトにおいて、抗CD200抗体が所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定することができる。
【0105】
本発明者らはまた、末梢の腫瘍負荷(例えば、B細胞CLL腫瘍細胞負荷)と、がん患者に存在するT細胞の濃度との逆相関も発見した。すなわち、がん患者において存在する非がん性T細胞の濃度が上昇するほど、該患者における腫瘍負荷が減少する。この発見を特定の理論または作用機構により制約するものではないが、がん患者が、治療時において、自身の体内に正常レベル以上の正常T細胞を有する場合に、そのがん患者は、抗CD200抗体療法から利益の増強を受け取ることができると本発明者らは考える。言い換えれば、本発明者らは、抗CD200抗体療法が、完全な免疫系(または免疫障害されていない免疫系)を伴う患者、例えば、該患者において存在するがんに対して免疫反応を開始することが可能な免疫系を伴う患者においてより大きな有効性および/またはより強力な免疫調節効果を及ぼす可能性が高いと判定した。以下で説明する通り、サマリズマブ治療の前に先行の化学療法を施されなかったがん患者の4例全てが、サマリズマブ治療の後、臨床的に安定したか、または疾患を改善させた。実際、抗CD200抗体を投与される前に免疫抑制療法または化学療法を施されなかった患者102〜502は、腫瘍負荷の顕著な減少を示し、これは、CD45
+B細胞CLL細胞の濃度の顕著な低下、CD8
+T細胞の増大、制御性T細胞の減少、活性化T細胞の増大、および活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の増大を含め、本明細書で説明される多数のバイオマーカーの変化と相関する。
【0106】
したがって、本明細書で説明される方法(例えば、治療法、例えば、本明細書で説明されるがんを処置する方法)のうちのいずれかによる一部の実施形態では、対象(例えば、患者またはヒト)が、抗CD200抗体を投与される前に免疫抑制療法および/または化学療法を施されなかった対象である。本明細書では、化学療法および免疫抑制療法の例が説明されており、当技術分野では、これらが公知である。一部の実施形態では、対象または患者またはヒトが、初回の抗CD200抗体の投与前2カ月間未満(例えば、8週間、7週間、6週間、5週間、1カ月、30日間、25日間、20日間、15日間、または10日間未満)に、免疫抑制療法または化学療法を施されていない。
【0107】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、対象が、該対象のがんに対して免疫反応を開始する能力を有する免疫系を有する。すなわち、該対象(例えば、患者)は、免疫障害でない。一部の実施形態では、患者に抗CD200抗体の初回投与を行う前2カ月間未満に、該対象が、該対象の免疫系を抑制することが可能な化学療法剤または他の薬剤を施されていない。一部の実施形態では、患者が、例えば、HIV感染についての複数の市販される検査のうちのいずれか1つにより決定される通り、HIVに感染していない患者である。一部の実施形態では、患者が、活動性のHIV感染を有さない患者である。
【0108】
一部の実施形態では、患者の免疫系ががんに対する免疫反応を開始する能力を有し得るのは、抗CD200抗体の存在下に限られる(すなわち、該対象に投与した後の抗体により生成される免疫調節効果の支援を伴う場合に限られる)。一部の実施形態では、対象の免疫系が、CD200抗体(免疫系ががんに対する免疫反応を開始する能力を増強する抗体)の非存在下においてもなお、がんに対する免疫反応を開始する能力を有する。対象の免疫系が、免疫反応を開始する能力を有するか否かを決定する1つの方法は、該対象の血液におけるCD3
+細胞の濃度を決定することである。当技術分野では、さらなる方法が公知であり、本明細書でもこれらについて説明する。
【0109】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体による治療のためのがん患者を選択する方法であって、該患者が免疫応答性であるか否かを決定するステップと、該がん患者が免疫応答性である場合に、該患者に抗CD200抗体を投与するステップとを含む方法を特徴とする。該方法は、例えば、抗CD200抗体を投与する前の患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数の免疫細胞サブセットの濃度または絶対数を測定するステップを含みうる。本明細書では、免疫応答性を示す例示的な細胞型、サブセット、ならびに細胞サブセットの濃度および数の範囲が説明される。「治療方法」(後出)と題する節を参照されたい。当技術分野では、患者に由来する生物学的試料における1つまたは複数の細胞サブセットの濃度または絶対数を測定する方法が公知であり、本明細書の作業例で例示されている。一部の実施形態では、該方法が、がんに罹患している患者に由来する生物学的試料中に存在するCD3
+細胞の濃度を定量化するステップと、該生物学的試料におけるCD3
+細胞の濃度が、該対象における抗CD200療法を支援するのに十分である場合に(例えば、CD3
+細胞の濃度が、1マイクロリットル当たり300個を超える場合に)、該患者に、抗CD200抗体を、該患者においてがんを処置するのに有効な量で投与するステップとを含む。一部の実施形態では、生物学的試料におけるCD3
+/CD4
+細胞の濃度が、1マイクロリットル当たり200個以上である場合に、患者に抗体を投与する。一部の実施形態では、生物学的試料におけるCD3
+/CD4
+細胞の濃度が、1マイクロリットル当たり400個以上である場合に、患者に抗体を投与する。一部の実施形態では、生物学的試料におけるCD3
+/CD8
+細胞の濃度が、1マイクロリットル当たり150個以上である場合に、患者に抗体を投与する。一部の実施形態では、生物学的試料におけるCD3
+/CD8
+細胞の濃度が、1マイクロリットル当たり500個以上である場合に、患者に抗体を投与する。
【0110】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、IgG4抗体、IgM抗体、IgA1抗体、IgA2抗体、IgA抗体、IgD抗体、またはIgE抗体である。一部の実施形態では、抗CD200抗体が、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、またはヒト抗体である。
【0111】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、改変体定常領域を含み、該改変体定常領域が、その非改変体形態と比べてエフェクター機能が低下(減少)しているかまたはエフェクター機能がない。一部の実施形態では、改変体定常領域のエフェクター機能活性が、該定常領域の対応する非改変体形態のエフェクター機能活性の90%未満(例えば、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、または10%未満)である。一部の実施形態では、改変体定常領域のエフェクター機能活性が、該定常領域の対応する非改変体形態のエフェクター機能活性の約0〜30%(例えば、約5〜30、10〜30、10〜20、0〜20、0〜15、0〜10、0〜25、または0〜5%)である。例えば、本明細書で説明される抗体が含有するIgG1改変体定常領域は、例えば、対応するIgG1非改変体定常領域のエフェクター機能活性の20%未満(または、別の例では、0〜20%)である。改変体CD200抗体の定常領域は、対応する非改変体定常領域と比較した、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)活性の低下または非存在;補体依存性細胞傷害(CDC)の低下または非存在;および1つまたは複数のFc受容体への結合の減少のうちの1つまたは複数を示しうる。一部の実施形態では、抗CD200抗体が、改変体定常領域を含み、該改変体定常領域が、該少なくとも1つのアミノ酸の置換、挿入、または欠失を含むように操作されており、その結果として、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない。一部の実施形態では、抗CD200抗体が、以下の特徴:(i)グリコシル化の変化、および(ii)Ala−Ala変異のうちの1つまたは複数を含む改変体定常領域を含む。グリコシル化の変化は、以下:(i)1つまたは複数の糖成分の変化、(ii)1つまたは複数のさらなる糖成分の存在、および(iii)1つまたは複数の糖成分の非存在のうちの1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、抗CD200抗体が、例えば、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない、IgG2/IgG4ハイブリッド定常領域を含みうる。
【0112】
一部の実施形態では、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない改変体定常領域が、265位(Kabatによる番号付け;後述)における置換、例えば、アスパラギン酸265のアラニンへの置換を含む。例えば、Baudinoら(2008年)、J Immunol、181巻:6664〜6669頁を参照されたい。一部の実施形態では、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない改変体定常領域が、以下の置換:それらが存在する改変体定常領域のADCC活性およびCDC活性を実質的に低下させることが示されている、L234F、L235E、またはP331Sのうちの1つ、2つ、または3つを含む。例えば、Organesyanら、(2008年)、Acta Cryst、D64巻:700〜704頁を参照されたい。当技術分野では、定常領域に対し、これにより、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない改変体定常領域を結果としてもたらすさらなる修飾が公知であり、本明細書でもこれらを列挙する。
【0113】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、CD200とCD200Rとの相互作用を阻害する。
【0114】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GFTFSGFAMS(配列番号4)を含む重鎖CDR1(HCDR1);アミノ酸配列:SISSGGTTYYLDSVKG(配列番号5)を含む重鎖CDR2(HCDR2);アミノ酸配列:GNYYSGTSYDY(配列番号6)を含む重鎖CDR3(HCDR3);アミノ酸配列:RASESVDSYGNSFMH(配列番号7)を含む軽鎖CDR1(LCDR1);アミノ酸配列:RASNLES(配列番号8)を含む軽鎖CDR2(LCDR2);およびアミノ酸配列:QQSNEDPRT(配列番号9)を含む軽鎖CDR3(LCDR3)を含有する。
【0115】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GFNIKDYYMH(配列番号10)を含むHCDR1;アミノ酸配列:WIDPENGDTKYAPKFQG(配列番号11)を含むHCDR2;アミノ酸配列:KNYYVSNYNFFDV(配列番号12)を含むHCDR3;アミノ酸配列:SASSSVRYMY(配列番号13)を含むLCDR1;アミノ酸配列:DTSKLAS(配列番号14)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:FQGSGYPLT(配列番号15)を含むLCDR3を含有する。
【0116】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GFNIKDYYIH(配列番号16)を含むHCDR1;アミノ酸配列:WIDPEIGATKYVPKFQG(配列番号17)を含むHCDR2;アミノ酸配列:LYGNYDRYYAMDY(配列番号18)を含むHCDR3;アミノ酸配列:KASQNVRTAVA(配列番号19)を含むLCDR1;アミノ酸配列:LASNRHT(配列番号20)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:LQHWNYPLT(配列番号21)を含むLCDR3を含有する。
【0117】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GYSFTDYIIL(配列番号22)を含むHCDR1;アミノ酸配列:HIDPYYGSSNYNLKFKG(配列番号23)を含むHCDR2;アミノ酸配列:SKRDYFDY(配列番号24)を含むHCDR3;アミノ酸配列:KASQDINSYLS(配列番号25)を含むLCDR1;アミノ酸配列:RANRLVD(配列番号26)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:LQYDEFPYT(配列番号27)を含むLCDR3を含有する。
【0118】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GYTFTEYTMH(配列番号28)を含むHCDR1;アミノ酸配列:GVNPNNGGALYNQKFKG(配列番号29)を含むHCDR2;アミノ酸配列:RSNYRYDDAMDY(配列番号30)を含むHCDR3;アミノ酸配列:KSSQSLLDIDEKTYLN(配列番号31)を含むLCDR1;アミノ酸配列:LVSKLDS(配列番号32)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:WQGTHFPQT(配列番号33)を含むLCDR3を含有する。
【0119】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:AFNIKDHYMH(配列番号34)を含むHCDR1;アミノ酸配列:WIDPESGDTEYAPKFQG(配列番号35)を含むHCDR2;アミノ酸配列:FNGYQALDQ(配列番号36)を含むHCDR3;アミノ酸配列:TASSSVSSSYLH(配列番号37)を含むLCDR1;アミノ酸配列:STSNLAS(配列番号38)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:RQYHRSPPIFT(配列番号39)を含むLCDR3を含有する。
【0120】
本発明者らはまた、自己免疫障害を伴う動物に投与された抗CD200抗体による、ヒトにおける所望の免疫調節効果の発生を証拠立てる複数のバイオマーカーも発見した。例えば、本発明者らは、動物に抗CD200抗体を投与した後で、該動物における複数の白血球(例えば、脾臓細胞)サブセットおよび骨髄細胞サブセットの濃度が低下することを観察した。本発明者らはまた、動物に抗CD200抗体を投与した後で、例えば、脾臓におけるF4/80
+リンパ球の濃度が上昇することも発見した。本開示はどんな特定の理論または作用機構にも束縛されるものではないが、これらのバイオマーカーのうちの1つまたは複数の変化(例えば、増大または減少)について、抗CD200抗体により治療される患者をモニタリングすることは、とりわけ、該抗CD200抗体が投与される患者において、所望の免疫調節効果を生成することが可能であるか否かを決定するのに有用であると本発明者らは考える。さらに、バイオマーカーのうちの1つまたは複数はまた、ヒトにおけるその免疫調節効果のために、疾患に対して臨床的に有意義な効果を達成するのに十分である(すなわち、がんまたは自己免疫障害などの疾患を処置するのに十分である)、サマリズマブなどの抗CD200抗体の用量(閾値用量(または治療のための投与スケジュール))を同定するのにも有用である。作業例で説明する通り、抗CD200抗体は、自己免疫疾患のマウスモデルにおいて、自己免疫抗体の濃度を低下させることが可能であった。
【0121】
したがって、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200
+リンパ球サブセットの濃度を測定するステップを含み、この場合、生物学的試料における1つまたは複数のCD200
+リンパ球サブセットの濃度の、対照試料における同じCD200
+リンパ球サブセットの濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。リンパ球は、例えば、脾臓細胞の場合もあり、骨髄細胞サブセットの場合もある。
【0122】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、CD200
+リンパ球サブセットが、例えば、CD3
+/CD200
+リンパ球、CD45R
+/CD200
+リンパ球、CD5
+/CD200
+リンパ球、CD19
+/CD200
+リンパ球、CD138
+/CD200
+リンパ球、またはCD200R
+/CD200
+リンパ球でありうる。本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200
+リンパ球サブセットの濃度の少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%以上の低下が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果がもたらされたことを示す。
【0123】
一部の実施形態では、生物学的試料における1つまたは複数のCD200
+リンパ球サブセットの濃度の、対照試料における同じCD200
+リンパ球サブセットの濃度と比較した低下が、ヒトにおいて抗体が治療的に有効であることを示す。
【0124】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、生物学的試料が、血液試料である。一部の実施形態では、生物学的試料が、脾臓組織または骨髄組織を含むか、またはこれらからなる。
【0125】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度を測定するステップを含み、この場合、生物学的試料における1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度の、対照試料における同じCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。CD200
+骨髄細胞サブセットは、例えば、Igk
+/CD200
+骨髄細胞、CD138
+/CD200
+骨髄細胞、c−kit
+/CD200
+骨髄細胞、またはc−kit
+/CD200
+/Lin
−/low骨髄細胞でありうる。
【0126】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度の少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%以上の低下が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果がもたらされたことを示す。
【0127】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、生物学的試料における1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度の、対照試料における同じCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度と比較した低下が、ヒトにおいて抗体が治療的に有効であることを示す。
【0128】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、対照試料が、抗CD200抗体を投与する前にヒトから得られる同じ種類の生物学的試料である。
【0129】
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果をもたらしたか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化するステップを含み、複数の白血球によるCD200の発現の、対照発現レベルと比較した減少が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。白血球は、例えば、1つまたは複数の骨髄細胞サブセットの場合もあり、脾臓細胞の場合もある。
【0130】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、CD200
+白血球が、CD3
+/CD200
+白血球、CD45R
+/CD200
+白血球、CD5
+/CD200
+白血球、CD19
+/CD200
+白血球、CD138
+/CD200
+白血球、またはCD200R
+/CD200
+白血球でありうる。
【0131】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の白血球によるCD200発現レベルの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%以上の低下が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果がもたらされたことを示す。
【0132】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の白血球によるCD200発現レベルの、対照発現レベルと比較した低下が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
【0133】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる生物学的試料における、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルを定量化するステップを含み、この場合、複数の骨髄細胞によるCD200の発現の、対照発現レベルと比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
【0134】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、CD200
+骨髄細胞が、例えば、Igk
+/CD200
+骨髄細胞、CD138
+/CD200
+骨髄細胞、c−kit
+/CD200
+骨髄細胞、またはc−kit
+/CD200
+/Lin
−/low骨髄細胞である。
【0135】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%以上の低下が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果がもたらされたことを示す。
【0136】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルの、対照発現レベルと比較した低下が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
【0137】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、対照試料が、抗CD200抗体を投与する前のヒトから得られる同じ種類の生物学的試料である。
【0138】
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)該ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+白血球の濃度を測定し、これによりCD200
+白血球の処置前濃度を得るステップと;(ii)該ヒトに該抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+白血球の濃度を測定し、これによりCD200
+白血球の処置後濃度を得るステップとを含み、CD200
+白血球の該処置後濃度の、CD200
+白血球の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
【0139】
別の態様では、抗CD200抗体が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)該ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+骨髄細胞の濃度を測定し、これによりCD200
+骨髄細胞の処置前濃度を得るステップと;(ii)該ヒトに該抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+骨髄細胞の濃度を測定し、これによりCD200
+骨髄細胞の処置後濃度を得るステップとを含み、CD200
+骨髄細胞の該処置後濃度の、CD200
+骨髄細胞の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を本開示が特徴とする。
【0140】
別の態様では、抗CD200抗体が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)該ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化し、これによりCD200の処置前発現レベルを得るステップと;(ii)該ヒトに該抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化し、これによりCD200の処置後発現レベルを得るステップとを含み、CD200発現の該処置後レベルの、CD200発現の該処置前レベルと比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を本開示が特徴とする。
【0141】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)該ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルを定量化し、これによりCD200の処置前発現レベルを得るステップと;(ii)該ヒトに該抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルを定量化し、これによりCD200の処置後発現レベルを得るステップとを含み、CD200発現の該処置後レベルの、CD200発現の該処置前レベルと比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
【0142】
さらに別の態様では、本開示は、ヒトについての医療プロファイルを含む、コンピュータ読み取り可能な媒体であって、該プロファイルが、(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+白血球の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200
+白血球の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+骨髄細胞の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200
+骨髄細胞の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;ならびに(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルのうちの少なくとも1つについての情報を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体を特徴とする。
【0143】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する、コンピュータベースの方法であって、(A)ヒトの医療プロファイルを包含するデータを受け取るステップであって、該プロファイルが、(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+白血球の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200
+白血球の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+骨髄細胞の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200
+骨髄細胞の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;ならびに(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルのうちの少なくとも1つについての情報を含むステップと;(B)該情報を含有する該データのうちの少なくとも一部分を処理して、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するステップとを含む方法を特徴とする。(1)CD200
+白血球の該処置後濃度の、CD200
+白血球の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(2)CD200
+骨髄細胞の該処置後濃度の、CD200
+骨髄細胞の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(3)白血球によるCD200発現の該処置後レベルの、白血球によるCD200発現の該処置前レベルと比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(4)骨髄細胞によるCD200発現の該処置後レベルの、骨髄細胞によるCD200発現の該処置前レベルと比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
【0144】
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する、コンピュータベースの方法であって、(I)(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+白血球の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200
+白血球の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200
+骨髄細胞の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200
+骨髄細胞の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;ならびに(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルのうちの少なくとも1つについての情報をもたらすステップと;(II)該情報を、コンピュータに入力するステップと;(III)該コンピュータおよび該入力された情報を用いて、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを示すパラメータを計算するステップとを含む方法を特徴とする。(1)CD200
+白血球の該処置後濃度の、CD200
+白血球の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(2)CD200
+骨髄細胞の該処置後濃度の、CD200
+骨髄細胞の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(3)白血球によるCD200発現の該処置後レベルの、白血球によるCD200発現の該処置前レベルと比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(4)骨髄細胞によるCD200発現の該処置後レベルの、骨髄細胞によるCD200発現の該処置前レベルと比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。該方法は、該パラメータを出力するステップも含む。
【0145】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、ヒトが、がんを有するか、がんを有することが疑われるか、またはがんを発症する可能性が高い。がんは、例えば、慢性リンパ性白血病(例えば、B細胞慢性リンパ性白血病)でありうる。がんは、例えば、結腸がん、乳がん、肺がん、腎臓がん、膵臓がん、甲状腺がん、皮膚がん、神経系のがん、子宮頸がん、卵巣がん、精巣がん、頭頚部がん、眼がん、胃がん、または肝臓がんなど、固形腫瘍でありうる。神経系のがんは、例えば、神経芽腫でありうる。
【0146】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、ヒトが、炎症性障害もしくは骨障害を有するか、炎症性障害もしくは骨障害を有することが疑われるか、または炎症性障害もしくは骨障害を発症する危険性がある。炎症性障害は、例えば、溶血性障害など、例えば、自己免疫障害でありうる。自己免疫障害は、自己免疫性溶血性貧血でありうる。自己免疫性障害は、例えば、慢性閉塞性肺疾患、1型糖尿病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギランバレー症候群、IgA腎症、強皮症、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erthyematosus)、ループス腎炎、糸球体腎炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、尋常性天疱瘡、関節リウマチ、シャーガス病、寒冷凝集素症、抗リン脂質症候群、温式自己免疫性溶血性貧血、発作性寒冷血色素尿症、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、重症筋無力症、原発性胆汁性肝硬変(pulmonary biliary cirrhosis)、またはミラーフィッシャー症候群でありうる。
【0147】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200
+白血球サブセットが、CD3
+/CD200
+リンパ球、CD45R
+/CD200
+リンパ球、CD5
+/CD200
+リンパ球、CD19
+/CD200
+リンパ球、CD138
+/CD200
+リンパ球、およびCD200R
+/CD200
+リンパ球からなる群より選択される。
【0148】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットが、Igk
+/CD200
+骨髄細胞、CD138
+/CD200
+骨髄細胞、c−kit
+/CD200
+骨髄細胞、およびc−kit
+/CD200
+/Lin
−骨髄細胞からなる群より選択される。
【0149】
一部の実施形態では、抗CD200抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成することが決定された場合に、該ヒトに治療有効量の該抗体を投与するステップを該方法が含む。
【0150】
さらに別の態様では、本開示は、患者のための抗CD200抗体の投与スケジュールを決定する方法であって、患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200
+白血球サブセットの濃度を、対照試料における同じCD200
+白血球サブセットの濃度と比較して低下させるステップであって、該患者が、がん、炎症性障害、または骨障害からなる群より選択される障害に罹患しているステップと;該患者における1つまたは複数のCD200
+白血球サブセットの濃度をモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、該投与スケジュールが、例えば、該抗体による該障害の処置期間にわたり、該患者における1つまたは複数のCD200
+リンパ球サブセットの濃度の低下を維持するのに十分である方法を特徴とする。一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200
+リンパ球サブセットの濃度を、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%以上低下させる。
【0151】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200
+白血球サブセットが、CD3
+/CD200
+リンパ球、CD45R
+/CD200
+リンパ球、CD5
+/CD200
+リンパ球、CD19
+/CD200
+リンパ球、CD138
+/CD200
+リンパ球、CD200R
+/CD200
+リンパ球、CD200
+/CD4
+T細胞、活性化CD200
+/CD4
+T細胞、およびCD200
+/CD8
+T細胞からなる群より選択される。一部の実施形態では、生物学的試料が、患者に由来する脾臓組織を含む。
【0152】
さらに別の態様では、本開示は、患者のための抗CD200抗体の投与スケジュールを決定する方法を特徴とする。該方法は、患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数の白血球サブセットによるCD200発現レベルを、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200の対照発現レベルと比較して低下させるステップであって、該患者が、がん、炎症性障害、または骨障害からなる群より選択される障害に罹患しているステップと;該患者における1つまたは複数の白血球サブセットによるCD200発現レベルをモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、この場合、該投与スケジュールが、例えば、該抗体によるがんの処置期間にわたり、該患者における1つまたは複数の白血球サブセットによるCD200発現レベルの低下を維持するのに十分である。
【0153】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、1つまたは複数の白血球サブセットによるCD200発現レベルを、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%以上低下させる。
【0154】
別の態様では、本開示は、患者のための抗CD200抗体の投与スケジュールを決定する方法を特徴とする。該方法は、患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度を、対照試料における同じCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度と比較して低下させるステップであって、該患者が、がん、炎症性障害、または骨障害からなる群より選択される障害に罹患しているステップと;該患者における1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度をモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、この場合、該投与スケジュールが、例えば、該抗体による該障害の処置期間にわたり、該患者における1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度の低下を維持するのに十分である。
【0155】
一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットの濃度を、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%以上低下させる。
【0156】
一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200
+骨髄細胞サブセットが、Igk
+/CD200
+骨髄細胞、CD138
+/CD200
+骨髄細胞、c−kit
+/CD200
+骨髄細胞、およびc−kit
+/CD200
+/Lin
−/low骨髄細胞からなる群より選択される。
【0157】
さらに別の態様では、本開示は、患者のための抗CD200抗体の投与スケジュールを決定する方法であって、患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200発現レベルを、対照試料における同じ組織型の骨髄細胞によるCD200の対照発現レベルと比較して低下させるステップであって、該患者が、がん、炎症性障害、または骨障害からなる群より選択される障害に罹患しているステップと;該患者における1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200発現レベルをモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、該投与スケジュールが、例えば、該抗体によるがんの処置期間にわたり、該患者における1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200発現レベルの低下を維持するのに十分である方法を特徴とする。
【0158】
さらに別の態様では、本開示は、障害に罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、がん患者においてCD200
+白血球またはCD200
+骨髄細胞の濃度を低下させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトを処置するステップを含み、該ヒトが、がん、炎症性障害、および骨障害からなる群より選択される障害に罹患している方法を特徴とする。該方法は、ヒトにおけるCD200
+白血球またはCD200
+骨髄細胞の濃度の低下について、該ヒトをモニタリングするステップを含みうる。一部の実施形態では、患者の血液におけるCD200
+白血球の濃度を低下させる。一部の実施形態では、患者の脾臓におけるCD200
+白血球の濃度を低下させる。該方法は、ヒトにおける白血球または骨髄細胞によるCD200発現レベルの低下について、該ヒトをモニタリングするステップを含みうる。
【0159】
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、IgG4抗体、IgM抗体、IgA1抗体、IgA2抗体、IgA抗体、IgD抗体、またはIgE抗体である。抗体は、例えば、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、またはヒト抗体でありうる。一部の実施形態では、抗CD200抗体が、本明細書で説明される、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない改変体の抗体である。
【0160】
任意の方法において、抗CD200抗体は、サマリズマブなどであるがこれに限定されない、本明細書で説明される抗CD200抗体のうちの任意の1つでありうる。
【0161】
「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、互換的に用いられ、長さまたは翻訳後修飾に関わらず、ペプチド結合された任意のアミノ酸鎖を意味する。本明細書で説明されるCD200タンパク質は、野生型タンパク質を含有するかまたは野生型タンパク質である場合もあり、保存的アミノ酸置換が50カ所以下(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、25、30、35、40、または50カ所以下)である改変体の場合もある。保存的置換は、以下の群:グリシンおよびアラニン;バリン、イソロイシン、およびロイシン;アスパラギン酸およびグルタミン酸;アスパラギン、グルタミン、セリン、およびトレオニン;リシン、ヒスチジン、およびアルギニン;ならびにフェニルアラニンおよびチロシン内の置換を包含することが典型的である。
【0162】
本明細書で説明されるCD200タンパク質はまた、全長CD200タンパク質より短いが、該全長タンパク質が哺乳動物において抗原反応を誘導する能力のうちの少なくとも10%(例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%以上)を保持する、該タンパク質の「抗原性ペプチド断片」も包含する(下記の「抗体を生成させる方法」以下を参照されたい)。CD200タンパク質の抗原性ペプチド断片は、該タンパク質の末端における欠失改変体のほか、内部における欠失改変体も包含する。欠失改変体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20のアミノ酸セグメント(2つ以上のアミノ酸による)を欠く場合もあり、不連続の単一アミノ酸を欠く場合もある。抗原性ペプチド断片は、少なくとも6アミノ酸残基の長さ(例えば、少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または200アミノ酸残基以上の長さ)(例えば、少なくとも、配列番号1〜3のうちのいずれかにおける、少なくとも6つの連続するアミノ酸残基)でありうる。一部の実施形態では、ヒトCD200タンパク質の抗原性ペプチド断片が、225アミノ酸残基未満の長さ(例えば、200、190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、または7アミノ酸残基未満の長さ)(例えば、少なくとも、配列番号1〜3のうちのいずれかにおける、225未満の連続するアミノ酸残基)である。一部の実施形態では、全長CD200タンパク質の抗原性ペプチド断片が、少なくとも6アミノ酸残基の長さであるが225アミノ酸残基未満の長さである。
【0163】
一部の実施形態では、ヒトCD200タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号1または配列番号2(下記を参照されたい)に示されるアミノ酸配列を有するヒトCD200タンパク質と70%以上(例えば、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%)同一でありうる。一部の実施形態では、ヒトCD200タンパク質が、配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する。
【0164】
百分率(%)によるアミノ酸配列の同一性とは、配列決定し、必要な場合はギャップを導入して、最大百分率の配列同一性を達成した後に、基準配列におけるアミノ酸と同一である、候補配列におけるアミノ酸の百分率として定義される。百分率による配列同一性を決定することを目的とするアライメントは、例えば、BLASTソフトウェア、BLAST−2ソフトウェア、ALIGNソフトウェア、ALIGN−2ソフトウェア、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなど、市販のコンピュータソフトウェアを用いて、当技術分野の範囲内にある各種の方法により達成することができる。比較される配列の全長にわたり最大のアライメントを達成するのに必要とされる任意のアルゴリズムを含め、アライメントを測定するのに適切なパラメータは、公知の方法により決定することができる。
【0165】
当技術分野では、例示的なヒトCD200タンパク質、ならびにそれらの抗原性ペプチド断片のアミノ酸配列が公知であり、これらを下記に示す。
【0166】
本明細書で用いられる「抗体」という用語は、全抗体分子もしくは完全抗体分子(例えば、IgM分子、IgG分子(IgG1分子、IgG2分子、IgG3分子、およびIgG4分子を含めた)、IgA分子、IgD分子、またはIgE分子)、またはこれらの任意の抗原結合断片を指す。抗体という用語には、例えば、キメラ化抗体またはキメラ抗体、ヒト化抗体、脱免疫化抗体、および完全ヒト抗体が含まれる。抗体の抗原結合断片には、例えば、単鎖抗体、単鎖Fv断片(scFv)、Fd断片、Fab断片、Fab’断片、またはF(ab’)
2断片が含まれる。scFv断片とは、このscFvが由来する抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域の両方を包含する、単一のポリペプチド鎖である。加えて、イントラボディー、ミニボディー、トリアボディー、およびダイアボディー(例えば、これらの各々の開示が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、Todorovskaら(2001年)、J Immunol Methods、248巻(1号):47〜66頁; HudsonおよびKortt(1999年)、J Immunol Methods、231巻(1号):177〜189頁; Poljak(1994年)、Structure、2巻(12号):1121〜1123頁; RondonおよびMarasco(1997年)、Annual Review of Microbiology、51巻:257〜283頁を参照されたい)もまた、抗体の定義に包含され、本明細書で説明される方法で用いるのに適合する。また、二重特異性抗体(DVD−Ig抗体を含めた;下記を参照されたい)も、「抗体」という用語に包含される。二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有する、モノクローナル抗体、好ましくはヒト抗体またはヒト化抗体である。
【0167】
別段に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本開示が関連する技術分野における当業者により一般的に理解される意味と同じ意味を有する。齟齬が生じた場合は、定義を含め、本文書が優先される。本明細書で説明される方法および材料と類似するかまたは同等である方法および材料もまた、本明細書で開示される方法および組成物の実施または試験において用いうるが、下記では、好ましい方法および材料について説明する。本明細書で言及される、全ての公刊物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
【0168】
本開示の他の特徴および利点、例えば、抗CD200抗体がヒトにおいて免疫調節効果をもたらしたか否かを決定する方法は、以下の説明、例から明らかであり、特許請求の範囲からも明らかである。
したがって本発明は以下の項目を提供する:
(項目1)
患者における障害を処置するための方法であって、該方法は、障害に罹患した患者に抗CD200抗体を、該患者において所望の抗CD200抗体関連免疫調節効果の発生を生成および維持するのに十分な量および頻度で投与して、該患者における該障害を処置するステップを含み、該障害は、がん、骨減少と関連する障害、および炎症性障害からなる群より選択される、方法。
(項目2)
上記所望の抗CD200抗体関連免疫調節効果が、
(i)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における制御性T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比べたときの、低下;
(ii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD8+T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型のCD8+T細胞の濃度と比べたときの、上昇;
(iii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比べたときの、上昇;
(iv)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200+白血球の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型のCD200+白血球の濃度と比べたときの、低下;
(v)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200R+白血球の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型のCD200R+白血球の濃度と比べたときの、上昇;
(vi)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であること;
(vii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の対応する比と比べたときの、増大;
(viii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200発現レベルの、該抗体を投与する前の該患者に由来する生物学的試料における同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベルと比べたときの、低下;
(ix)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後の該患者に由来する生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベルの、該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベルと比べたときの、上昇;
(x)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度の、該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における対応する1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度と比べたときの、低下;ならびに
(xi)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における複数のリンパ球によるCD200発現レベルの、該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の複数のリンパ球によるCD200発現レベルと比べたときの低下であって、該リンパ球が、骨髄細胞または脾臓細胞である、低下
からなる群より選択される該患者における1つまたは複数の生理学的変化を特徴とする、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記障害が、骨減少と関連する障害である、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
上記骨減少と関連する障害が、多発性骨髄腫の結果である、項目3に記載の方法。
(項目5)
上記骨減少と関連する障害が、骨粗鬆症である、項目3に記載の方法。
(項目6)
上記障害が、炎症性障害である、項目1または2に記載の方法。
(項目7)
上記炎症性障害が、自己免疫障害である、項目6に記載の方法。
(項目8)
上記炎症性障害が、変形性関節症、関節リウマチ、脊椎関節症、呼吸窮迫症候群、POEMS症候群、炎症性腸疾患、クローン病、移植片対宿主病、多中心性キャッスルマン病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、筋ジストロフィー、インスリン依存性糖尿病、皮膚筋炎、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、糸球体腎炎、ギランバレー症候群、ヴェーゲナー肉芽腫症、結節性多発性動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、側頭動脈炎、シェーグレン症候群、ベーチェット病、チャーグ−ストラウス症候群、高安動脈炎、鼻炎、副鼻腔炎、蕁麻疹、蕁麻疹、血管浮腫、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、薬物アレルギー、昆虫アレルギー、肥満細胞症、潰瘍性大腸炎、および喘息からなる群より選択される、項目6に記載の方法。
(項目9)
上記障害が、がんである、項目1または2に記載の方法。
(項目10)
上記患者に上記抗CD200抗体を、
(i)該抗CD200抗体を投与する前のCD200+がん細胞の濃度と比べたときの、CD200+がん細胞の濃度、および
(ii)該抗CD200抗体を投与する前の該がん細胞による発現レベルと比べたときの、該がん細胞によるCD200発現レベル
のうちの一方または両方の低下を維持するのに有効な量および頻度で投与して、上記がんを処置する、項目9に記載の方法。
(項目11)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料をアッセイして、(a)制御性T細胞の濃度;(b)CD8+T細胞の濃度;(c)活性化T細胞の濃度;(d)CD200+白血球の濃度;(e)CD200R+白血球の濃度;(f)活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比;(g)複数の白血球によるCD200発現レベル;(h)複数の白血球によるCD200R発現レベル;(i)1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度;および(j)複数の骨髄細胞または脾臓細胞によるCD200発現レベルからなる群より選択されるパラメータを決定するステップをさらに含む、項目1から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料をアッセイして、(a)制御性T細胞の濃度;(b)CD8+T細胞の濃度;(c)活性化T細胞の濃度;(d)CD200+白血球の濃度;(e)CD200R+白血球の濃度;(f)活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比;(g)複数の白血球によるCD200発現レベル;(h)複数の白血球によるCD200R発現レベル;(i)1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度;および(j)複数の骨髄細胞または脾臓細胞によるCD200発現レベルからなる群より選択される1つまたは複数のパラメータを決定するステップをさらに含む、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
がん患者を処置するための方法であって、がんに罹患した患者に抗CD200抗体を、
(i)該抗CD200抗体を投与する前のCD200+がん細胞の濃度と比べたときの、CD200+がん細胞の濃度、および
(ii)該抗CD200抗体を投与する前の該がん細胞による発現レベルと比べたときの、該がん細胞によるCD200発現レベル
のうちの一方または両方の低下を生成および維持するのに十分な量および頻度で投与するステップを含む、方法。
(項目14)
上記がんが、CD200を発現する複数のがん細胞を含む、項目9から13のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
上記がんが複数のがん細胞を含み、該がん細胞は、該がん細胞が由来する同じ組織型の非がん細胞と比べてCD200を過剰発現する、項目9から13のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
上記患者が、免疫応答性である、項目9から13のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
上記抗CD200抗体を上記患者に少なくとも4用量投与するステップを含む、項目1から13のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後2カ月間未満で生じる、項目2から16のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後1カ月間未満で生じる、項目2から16のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後2週間未満で生じる、項目2から16のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後1週間以内に生じる、項目2から16のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
がんに罹患した患者を処置するための方法であって、
がんに罹患した患者が、免疫応答性であるか否かを決定するステップと、
該患者が免疫応答性である場合、該患者に、該がんを処置するのに有効な量および頻度で抗CD200抗体を投与するステップと
を含む、方法。
(項目23)
上記決定するステップが、上記抗CD200抗体を投与する前に上記患者から得られる血液1マイクロリットル当たりのCD8+T細胞の絶対数を測定するステップを含む、項目22に記載の方法。
(項目24)
上記決定するステップが、上記抗CD200抗体を投与する前の上記患者における、少なくとも1つの免疫細胞集団の血液1マイクロリットル当たりの絶対数を測定するステップを含み、該少なくとも1つの免疫細胞集団が、CD4+ヘルパーT細胞、非がん性CD45+リンパ球、CD19+B細胞、CD16+CD56+ナチュラルキラー(NK)細胞、およびCD3+細胞からなる群より選択される、項目22に記載の方法。
(項目25)
上記抗CD200抗体の投与により、上記がん細胞によるCD200の発現が少なくとも25%低下する、項目10から24のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
上記抗CD200抗体の投与により、上記がん細胞によるCD200の発現が少なくとも50%低下する、項目10から24のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
上記抗CD200抗体の投与により、CD200+がん細胞の濃度が少なくとも25%低下する、項目10から24のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
上記抗CD200抗体の投与により、CD200+がん細胞の濃度が少なくとも50%低下する、項目10から24のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
上記患者において所望の抗CD200抗体関連免疫調節効果の発生を生成および維持するのに有効な量および頻度で上記抗CD200抗体を該患者に投与する、項目1から28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
上記所望の抗CD200抗体関連免疫調節効果が、
(i)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における制御性T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比べたときの、低下;
(ii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD8+T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型のCD8+T細胞の濃度と比べたときの、上昇;
(iii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比べたときの、上昇;
(iv)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200+白血球の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型のCD200+白血球の濃度と比べたときの、低下;
(v)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200R+白血球の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型のCD200R+白血球の濃度と比べたときの、上昇;
(vi)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であること;
(vii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の対応する比と比べたときの、増大;
(viii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200発現レベルの、該抗体を投与する前の該患者に由来する生物学的試料における同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベルと比べたときの、低下;
(ix)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後の該患者に由来する生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベルの、該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベルと比べたときの、上昇;
(x)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度の、該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における対応する1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度と比べたときの、低下;ならびに
(xi)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における複数のリンパ球によるCD200発現レベルの、該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の複数のリンパ球によるCD200発現レベルと比べたときの低下であって、該リンパ球が、骨髄細胞または脾臓細胞である、低下
からなる群より選択される該患者における1つまたは複数の生理学的変化を特徴とする、項目29に記載の方法。
(項目31)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料をアッセイして、(a)制御性T細胞の濃度;(b)CD8+T細胞の濃度;(c)活性化T細胞の濃度;(d)CD200+白血球の濃度;(e)CD200R+白血球の濃度;(f)活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比;(g)複数の白血球によるCD200発現レベル;(h)複数の白血球によるCD200R発現レベル;(i)1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度;および(j)複数の骨髄細胞または脾臓細胞によるCD200発現レベルからなる群より選択される1つまたは複数のパラメータを決定するステップをさらに含む、項目30に記載の方法。
(項目32)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料をアッセイして、(a)制御性T細胞の濃度;(b)CD8+T細胞の濃度;(c)活性化T細胞の濃度;(d)CD200+白血球の濃度;(e)CD200R+白血球の濃度;(f)活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比;(g)複数の白血球によるCD200発現レベル;(h)複数の白血球によるCD200R発現レベル;(i)1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度;および(j)複数の骨髄細胞または脾臓細胞によるCD200発現レベルからなる群より選択される1つまたは複数のパラメータを決定するステップをさらに含む、項目30に記載の方法。
(項目33)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後2カ月間未満で生じる、項目30から32のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後1カ月間未満で生じる、項目30から32のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後2週間未満で生じる、項目30から32のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後1週間以内に生じる、項目30から32のいずれか一項に記載の方法。
(項目37)
上記制御性T細胞が、CD3+CD4+CD25+FoxP3+T細胞、またはCD3+CD4+FoxP3+T細胞である、項目2または30に記載の方法。
(項目38)
上記活性化T細胞が、CD3+CD4+CD25+FoxP3negT細胞、またはCD3+CD4+FoxP3negT細胞である、項目2または30に記載の方法。
(項目39)
上記CD200+白血球が、CD4+細胞、CD8+細胞、活性化CD4+細胞、CD21+/CD25+/Fox3P+細胞、およびNK T細胞からなる群より選択される、項目2または30に記載の方法。
(項目40)
上記CD200R+白血球が、CD200R+/CD4+T細胞、または活性化CD200R+/CD4+T細胞である、項目2または30に記載の方法。
(項目41)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる上記生物学的試料において決定された、活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも5:1である、項目2または30に記載の方法。
(項目42)
上記CD200+脾臓細胞またはCD200+骨髄細胞が、CD3+/CD200+リンパ球、CD45R+/CD200+リンパ球、CD5+/CD200+リンパ球、CD19+/CD200+リンパ球、CD138+/CD200+リンパ球、またはCD200R+/CD200+リンパ球である、項目2または30に記載の方法。
(項目43)
上記1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットが、Igk+/CD200+骨髄細胞、CD138+/CD200+骨髄細胞、c−kit+/CD200+骨髄細胞、およびc−kit+/CD200+/Lin−/low骨髄細胞からなる群より選択される、項目2または30に記載の方法。
(項目44)
制御性T細胞の濃度の少なくとも25%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目45)
制御性T細胞の濃度の少なくとも50%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目46)
制御性T細胞の濃度の少なくとも75%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目47)
CD8+T細胞の濃度の少なくとも25%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目48)
CD8+T細胞の濃度の少なくとも50%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目49)
CD8+T細胞の濃度の少なくとも100%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目50)
CD8+T細胞の濃度の少なくとも200%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目51)
活性化T細胞の濃度の少なくとも25%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目52)
活性化T細胞の濃度の少なくとも50%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目53)
活性化T細胞の濃度の少なくとも100%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目54)
活性化T細胞の濃度の少なくとも200%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目55)
CD200+白血球の濃度の少なくとも25%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目56)
CD200+白血球の濃度の少なくとも50%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目57)
CD200+白血球の濃度の少なくとも75%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目58)
CD200R+白血球の濃度の少なくとも25%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目59)
CD200R+白血球の濃度の少なくとも50%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目60)
CD200R+白血球の濃度の少なくとも100%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目61)
CD200R+白血球の濃度の少なくとも200%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目62)
活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも3:1であることが、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目63)
活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも4:1であることが、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目64)
活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも5:1であることが、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目65)
複数の白血球によるCD200R発現レベルの少なくとも25%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目66)
複数の白血球によるCD200R発現レベルの少なくとも50%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目67)
複数の白血球によるCD200R発現レベルの少なくとも100%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目68)
複数の白血球によるCD200R発現レベルの少なくとも200%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目69)
複数の白血球によるCD200発現レベルの少なくとも25%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目70)
複数の白血球によるCD200発現レベルの少なくとも50%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目71)
複数の白血球によるCD200発現レベルの少なくとも100%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目72)
1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度の少なくとも25%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目73)
1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度の少なくとも50%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目74)
1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度の少なくとも75%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目75)
1つまたは複数のCD200+脾臓細胞サブセットの濃度の少なくとも25%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目76)
1つまたは複数のCD200+脾臓細胞サブセットの濃度の少なくとも50%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目77)
1つまたは複数のCD200+脾臓細胞サブセットの濃度の少なくとも75%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目78)
上記患者が、免疫応答性である、項目9から77のいずれか一項に記載の方法。
(項目79)
上記抗CD200抗体の投与前2カ月間未満に、上記患者は化学療法剤または免疫抑制剤を投与されていない、項目78に記載の方法。
(項目80)
上記患者が、HIVに感染していない、項目78に記載の方法。
(項目81)
上記がんが、慢性リンパ性白血病(CLL)である、項目9から80のいずれか一項に記載の方法。
(項目82)
上記がんが、固形腫瘍である、項目9から80のいずれか一項に記載の方法。
(項目83)
上記固形腫瘍が、結腸がん、乳がん、肺がん、腎臓がん、膵臓がん、甲状腺がん、皮膚がん、神経系のがん、子宮頸がん、卵巣がん、精巣がん、頭頚部がん、眼がん、胃がん、または肝臓がんである、項目82に記載の方法。
(項目84)
上記神経系のがんが、神経芽腫である、項目83に記載の方法。
(項目85)
上記患者に投与される上記抗CD200抗体の投与1回当たりの量が、該患者1m2当たり少なくとも100mgである、項目1から84のいずれか一項に記載の方法。
(項目86)
上記患者に投与される上記抗CD200抗体の投与1回当たりの量が、該患者1m2当たり少なくとも200mgである、項目1から84のいずれか一項に記載の方法。
(項目87)
上記患者に投与される上記抗CD200抗体の投与1回当たりの量が、該患者1m2当たり少なくとも400mgである、項目1から84のいずれか一項に記載の方法。
(項目88)
上記抗CD200抗体が、7日ごとに少なくとも1回上記患者に投与される、項目1から87のいずれか一項に記載の方法。
(項目89)
上記抗CD200抗体が、2週間ごとに少なくとも1回上記患者に投与される、項目1から87のいずれか一項に記載の方法。
(項目90)
上記抗CD200抗体が、1カ月間にわたり2回以上上記患者に投与される、項目1から87のいずれか一項に記載の方法。
(項目91)
上記抗CD200抗体が、2カ月間にわたり2回以上上記患者に投与される、項目1から87のいずれか一項に記載の方法。
(項目92)
上記抗CD200抗体が、2カ月間にわたり4回以上上記患者に投与される、項目1から87のいずれか一項に記載の方法。
(項目93)
抗CD200抗体が、ヒトにおいて所望の抗CD200抗体関連免疫調節効果を生成したか否かを決定するための方法であって、ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における少なくとも1つの抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーの変化を検出するステップを含み、該少なくとも1つの抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーの変化は、
(i)該生物学的試料における制御性T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比べたときの、低下;
(ii)該生物学的試料におけるCD8+T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型のCD8+T細胞の濃度と比べたときの、上昇;
(iii)該生物学的試料における活性化T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比べたときの、上昇;
(iv)該生物学的試料におけるCD200+白血球の濃度の、該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型のCD200+白血球の濃度と比べたときの、低下;
(v)該生物学的試料におけるCD200R+白血球の濃度の、該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型のCD200R+白血球の濃度と比べたときの、上昇;
(vi)該生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であること;
(vii)該生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比の、該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型の活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の対応する比と比べたときの、増大;
(viii)該生物学的試料における複数の白血球によるCD200発現レベルの、該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベルと比べたときの、低下;
(ix)該生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベルの、該抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベルと比べたときの、上昇;
(x)該生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度の、該抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における対応する1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度と比べたときの、低下;ならびに
(xi)該生物学的試料における複数のリンパ球によるCD200発現レベルの、該抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型の複数のリンパ球によるCD200発現レベルと比べたときの低下であって、該リンパ球が、骨髄細胞または脾臓細胞である、低下
からなる群より選択される、方法。
(項目94)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料をアッセイして、(a)制御性T細胞の濃度;(b)CD8+T細胞の濃度;(c)活性化T細胞の濃度;(d)CD200+白血球の濃度;(e)CD200R+白血球の濃度;(f)活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比;(g)複数の白血球によるCD200発現レベル;(h)複数の白血球によるCD200R発現レベル;(i)1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度;および(j)複数の骨髄細胞または脾臓細胞によるCD200発現レベルからなる群より選択される1つまたは複数のパラメータを決定するステップをさらに含む、項目93に記載の方法。
(項目95)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料をアッセイして、(a)制御性T細胞の濃度;(b)CD8+T細胞の濃度;(c)活性化T細胞の濃度;(d)CD200+白血球の濃度;(e)CD200R+白血球の濃度;(f)活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比;(g)複数の白血球によるCD200発現レベル;(h)複数の白血球によるCD200R発現レベル;(i)1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度;および(j)複数の骨髄細胞または脾臓細胞によるCD200発現レベルからなる群より選択される1つまたは複数のパラメータを決定するステップをさらに含む、項目93に記載の方法。
(項目96)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後2カ月間未満で行う、項目93から95のいずれか一項に記載の方法。
(項目97)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後1カ月間未満で行う、項目93から95のいずれか一項に記載の方法。
(項目98)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後2週間未満で行う、項目93から95のいずれか一項に記載の方法。
(項目99)
上記ヒトが、がんに罹患している、項目93から98のいずれか一項に記載の方法。
(項目100)
上記がんが、CD200を発現する複数のがん細胞を含む、項目99に記載の方法。
(項目101)
上記がんが複数のがん細胞を含み、該がん細胞は、該がん細胞が由来する同じ組織型の非がん細胞と比べてCD200を過剰発現する、項目99または100に記載の方法。
(項目102)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に、上記がん細胞によるCD200発現レベルが少なくとも50%低下する、項目100または101に記載の方法。
(項目103)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に、CD200+がん細胞の濃度が少なくとも50%低下する、項目100または101に記載の方法。
(項目104)
少なくとも1例のヒトについての医療プロファイルを含むコンピュータ読み取り可能な媒体であって、該プロファイルは、
(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+白血球の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200+白血球の濃度;
(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R+白血球の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R+白血球の濃度;
(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;
(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;
(e):(ix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における制御性T細胞の濃度、および(x)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(ix)の場合と同じ組織型の制御性T細胞の濃度;
(f):(xi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度、および(xii)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xi)の場合と同じ組織型の活性化T細胞の濃度;
(g):(xiii)抗CD200抗体を投与した後のヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比、および(xiv)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の対応する比(各々が、(xiii)の場合と同じ組織型である);
(h):(xv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料におけるCD8+リンパ球の濃度、および(xvi)該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xv)の場合と同じ組織型のCD8+リンパ球の濃度;
(i):(xvii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+T細胞の濃度、および(xviii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xvii)の場合と同じ組織型のCD200+T細胞の濃度;
(j):(xix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R+T細胞の濃度、および(xx)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xix)の場合と同じ組織型のCD200R+T細胞の濃度;
(k):(xxi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度、および(xxii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxi)の場合と同じ組織型の1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度;
(l):(xxiii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度、および(xxiv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxiii)の場合と同じ組織型の1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度;ならびに
(m):(xxv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル、および(xxvi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxv)の場合と同じ組織型の複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル
のうちの少なくとも1つについての情報を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目105)
抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するためのコンピュータベースの方法であって、
(I)ヒトの医療プロファイルを包含するデータを受け取るステップであって、該プロファイルは、
(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+白血球の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200+白血球の濃度;
(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R+白血球の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R+白血球の濃度;
(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;
(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;
(e):(ix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における制御性T細胞の濃度、および(x)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(ix)の場合と同じ組織型の制御性T細胞の濃度;
(f):(xi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度、および(xii)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xi)の場合と同じ組織型の活性化T細胞の濃度;
(g):(xiii)抗CD200抗体を投与した後のヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比、および(xiv)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の対応する比(各々が、(xiii)の場合と同じ組織型である);
(h):(xv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料におけるCD8+リンパ球の濃度、および(xvi)該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xv)の場合と同じ組織型のCD8+リンパ球の濃度;
(i):(xvii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+T細胞の濃度、および(xviii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xvii)の場合と同じ組織型のCD200+T細胞の濃度;
(j):(xix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R+T細胞の濃度、および(xx)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xix)の場合と同じ組織型のCD200R+T細胞の濃度;
(k):(xxi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度、および(xxii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxi)の場合と同じ組織型の1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度;
(l):(xxiii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度、および(xxiv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxiii)の場合と同じ組織型の1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度;ならびに
(m):(xxv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル、および(xxvi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxv)の場合と同じ組織型の複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル
のうちの少なくとも1つについての情報を含む、ステップと;
(II)該情報を含有する該データのうちの少なくとも一部分を処理して、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するステップであって、
(a)CD200+白血球の該処置後濃度のCD200+白血球の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(b)CD200R+白血球の該処置後濃度のCD200R+白血球の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(c)該複数の白血球によるCD200Rの処置後発現レベルのCD200Rの該処置前発現レベルと比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(d)該複数の白血球によるCD200+の処置後発現レベルのCD200+の該処置前発現レベルと比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(e)制御性T細胞の該処置後濃度の制御性T細胞の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(f)活性化T細胞の該処置後濃度の活性化T細胞の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(g)処置後における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の該比の処置前における該比と比較したときの増大は、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示し、または、処置後における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であることは、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(h)CD8+リンパ球の該処置後濃度のCD8+リンパ球の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(i)CD200+T細胞の該処置後濃度のCD200+T細胞の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(j)CD200R+T細胞の該処置後濃度のCD200R+T細胞の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(k)1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの該処置後濃度のCD200+白血球の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(l)1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの該処置後濃度のCD200+骨髄細胞の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;または
(m)該複数の骨髄細胞によるCD200の該処置後発現の該複数の骨髄細胞によるCD200の該処置前発現レベルと比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す、ステップと
を含む、方法。
(項目106)
抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するためのコンピュータベースの方法であって、
(I)
(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+白血球の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200+白血球の濃度;
(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R+白血球の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R+白血球の濃度;
(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;
(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;
(e):(ix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における制御性T細胞の濃度、および(x)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(ix)の場合と同じ組織型の制御性T細胞の濃度;
(f):(xi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度、および(xii)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xi)の場合と同じ組織型の活性化T細胞の濃度;
(g):(xiii)抗CD200抗体を投与した後のヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比、および(xiv)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の対応する比(各々が、(xiii)の場合と同じ組織型である);
(h):(xv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料におけるCD8+リンパ球の濃度、および(xvi)該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xv)の場合と同じ組織型のCD8+リンパ球の濃度;
(i):(xvii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+T細胞の濃度、および(xviii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xvii)の場合と同じ組織型のCD200+T細胞の濃度;
(j):(xix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R+T細胞の濃度、および(xx)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xix)の場合と同じ組織型のCD200R+T細胞の濃度;
(k):(xxi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度、および(xxii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxi)の場合と同じ組織型の1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度;
(l):(xxiii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度、および(xxiv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxiii)の場合と同じ組織型の1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度;ならびに
(m):(xxv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル、および(xxvi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxv)の場合と同じ組織型の複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル
のうちの少なくとも1つについての情報を提供するステップと、
(II)該情報を、コンピュータに入力するステップと、
(III)該コンピュータおよび該入力された情報を用いて、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したか否かを示すパラメータを計算するステップであって、
(a)CD200+白血球の該処置後濃度のCD200+白血球の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(b)CD200R+白血球の該処置後濃度のCD200R+白血球の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(c)該複数の白血球によるCD200Rの処置後発現レベルのCD200Rの該処置前発現レベルと比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(d)該複数の白血球によるCD200+の処置後発現レベルのCD200+の該処置前発現レベルと比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(e)制御性T細胞の該処置後濃度の制御性T細胞の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(f)活性化T細胞の該処置後濃度の活性化T細胞の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(g)処置後における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の該比の処置前における該比と比較したときの増大は、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示し、または、処置後における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であることは、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(h)CD8+リンパ球の該処置後濃度のCD8+リンパ球の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(i)CD200+T細胞の該処置後濃度のCD200+T細胞の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(j)CD200R+T細胞の該処置後濃度のCD200R+T細胞の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(k)1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの該処置後濃度のCD200+白血球の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(l)1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの該処置後濃度のCD200+骨髄細胞の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;または
(m)該複数の骨髄細胞によるCD200の該処置後発現の該複数の骨髄細胞によるCD200の該処置前発現レベルと比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す
ステップと
を含む、方法。
(項目107)
上記パラメータを出力するステップをさらに含む、項目106に記載の方法。
(項目108)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後2カ月間未満で行う、項目105から107のいずれか一項に記載の方法。
(項目109)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後1カ月間未満で行う、項目105から107のいずれか一項に記載の方法。
(項目110)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後2週間未満で行う、項目105から107のいずれか一項に記載の方法。
(項目111)
上記ヒトが、がんを有するか、がんを有することが疑われるか、またはがんを発症する可能性が高い、項目105から110のいずれか一項に記載の方法。
(項目112)
上記ヒトが、がんを有する、項目111に記載の方法。
(項目113)
上記がんが、慢性リンパ性白血病である、項目111または112に記載の方法。
(項目114)
上記慢性リンパ性白血病が、B細胞慢性リンパ性白血病である、項目113に記載の方法。
(項目115)
上記がんが、固形腫瘍である、項目111または112に記載の方法。
(項目116)
上記固形腫瘍が、結腸がん、乳がん、肺がん、腎臓がん、骨がん、膵臓がん、甲状腺がん、皮膚がん、神経系のがん、子宮頸がん、卵巣がん、精巣がん、頭頚部がん、眼がん、胃がん、または肝臓がんである、項目115に記載の方法。
(項目117)
上記神経系のがんが、神経芽腫である、項目116に記載の方法。
(項目118)
上記ヒトが、炎症性障害もしくは骨障害を有するか、炎症性障害もしくは骨障害を有することが疑われるか、または炎症性障害もしくは骨障害を発症する危険性がある、項目105から110のいずれか一項に記載の方法。
(項目119)
上記炎症性障害が、自己免疫障害である、項目118に記載の方法。
(項目120)
上記自己免疫障害が、溶血性障害である、項目118に記載の方法。
(項目121)
上記自己免疫障害が、自己免疫性溶血性貧血である、項目118に記載の方法。
(項目122)
上記自己免疫障害が、慢性閉塞性肺疾患、1型糖尿病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギランバレー症候群、IgA腎症、強皮症、シェーグレン症候群、ヴェーゲナー肉芽腫症、尋常性天疱瘡、関節リウマチ、シャーガス病、寒冷凝集素症、抗リン脂質症候群、温式自己免疫性溶血性貧血、発作性寒冷血色素尿症、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、重症筋無力症、原発性胆汁性肝硬変、およびミラーフィッシャー症候群からなる群より選択される、項目119に記載の方法。
(項目123)
上記骨障害が、骨粗鬆症である、項目118に記載の方法。
(項目124)
上記骨障害が、がんに関連する、項目118に記載の方法。
(項目125)
上記がんが、多発性骨髄腫である、項目124に記載の方法。
(項目126)
上記骨障害が、炎症性障害に関連する、項目118に記載の方法。
(項目127)
上記骨障害が、歯周病である、項目118に記載の方法。
(項目128)
上記抗CD200抗体が上記ヒトにおいて免疫調節効果を生成することが決定された場合に、該ヒトに治療有効量の該抗体を投与するステップをさらに含む、項目105から127のいずれか一項に記載の方法。
(項目129)
抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するための方法であって、ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における少なくとも1つの抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーの変化を検出するステップを含み、該少なくとも1つの抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーの変化は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す、方法。
(項目130)
上記検出するステップが、抗CD200抗体を投与された上記ヒトから得られる血液試料におけるCD200+T細胞の濃度を測定するステップを含み、該血液試料におけるCD200+T細胞の濃度の対照試料における同じ組織型のCD200+T細胞の濃度と比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す、項目129に記載の方法。
(項目131)
上記検出するステップが、抗CD200抗体を投与された上記ヒトから得られる血液試料におけるCD200R+T細胞の濃度を測定するステップを含み、該血液試料におけるCD200R+T細胞の濃度の対照試料における同じ組織型のCD200R+T細胞の濃度と比較したときの増大は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す、項目129または130に記載の方法。
(項目132)
上記検出するステップが、抗CD200抗体を投与された上記ヒトに由来する生物学的試料における複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化するステップを含み、該複数の白血球によるCD200発現の対照発現レベルと比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から131のいずれか一項に記載の方法。
(項目133)
上記検出するステップが、抗CD200抗体を投与された上記ヒトに由来する生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベルを定量化するステップを含み、該複数の白血球によるCD200R発現の対照発現レベルと比較したときの増大は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から132のいずれか一項に記載の方法。
(項目134)
上記対照試料が、上記抗体を投与する前に得られる上記ヒトに由来する血液試料である、項目130または131に記載の方法。
(項目135)
上記T細胞が、CD200+/CD4+T細胞である、項目130に記載の方法。
(項目136)
上記T細胞が、活性化CD200+/CD4+T細胞である、項目130に記載の方法。
(項目137)
CD200+T細胞の濃度の少なくとも5%の低下が、上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目130、135、または136のいずれか一項に記載の方法。
(項目138)
CD200+T細胞の濃度の少なくとも20%の低下が、上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目130、135、または136のいずれか一項に記載の方法。
(項目139)
CD200+T細胞の濃度の少なくとも50%の低下が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目130、135、または136のいずれか一項に記載の方法。
(項目140)
CD200R+T細胞の濃度の少なくとも5%の上昇が、上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目131に記載の方法。
(項目141)
CD200R+T細胞の濃度の少なくとも10%の上昇が、上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目131に記載の方法。
(項目142)
CD200R+T細胞の濃度の少なくとも20%の上昇が、上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目131に記載の方法。
(項目143)
CD200R+T細胞の濃度の少なくとも50%の上昇が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目131に記載の方法。
(項目144)
上記白血球が、CD4+細胞、CD8+細胞、活性化CD4+細胞、CD21+/CD25+/Fox3P+細胞、およびNK T細胞からなる群より選択される、項目132または133に記載の方法。
(項目145)
上記複数の白血球によるCD200発現の少なくとも5%の低下が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目132に記載の方法。
(項目146)
上記複数の白血球によるCD200発現の少なくとも20%の低下が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目132に記載の方法。
(項目147)
上記複数の白血球によるCD200発現の少なくとも50%の低下が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目132に記載の方法。
(項目148)
上記複数の白血球によるCD200R発現の少なくとも50%の増大が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目133に記載の方法。
(項目149)
上記複数の白血球によるCD200R発現の少なくとも100%の増大が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目133に記載の方法。
(項目150)
上記複数の白血球によるCD200R発現の少なくとも200%の増大が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目133に記載の方法。
(項目151)
上記血液試料におけるCD200+T細胞の濃度の上記対照試料における同じ組織型のCD200+T細胞の濃度と比較したときの低下は、上記抗体が上記ヒトにおいて治療的に有効であることを示す、項目130に記載の方法。
(項目152)
上記血液試料におけるCD200R+T細胞の濃度の上記対照試料における同じ組織型のCD200R+T細胞の濃度と比較したときの上昇は、上記抗体が上記ヒトにおいて治療的に有効であることを示す、項目131に記載の方法。
(項目153)
上記複数の白血球によるCD200発現レベルの上記対照発現レベルと比較したときの低下は、上記抗CD200抗体が上記ヒトにおいて治療的に有効であることを示す、項目132に記載の方法。
(項目154)
上記複数の白血球によるCD200R発現レベルの上記対照発現レベルと比較したときの上昇は、上記抗CD200抗体が上記ヒトにおいて治療的に有効であることを示す、項目133に記載の方法。
(項目155)
上記対照試料が、上記ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料であって、CD200+T細胞の処置前濃度を得るための生物学的試料である、項目130に記載の方法。
(項目156)
上記対照試料が、ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料であって、CD200R+T細胞の処置前濃度を得るための生物学的試料である、項目131に記載の方法。
(項目157)
上記対照発現レベルが、ヒトに抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料において測定され、該測定によりCD200の処置前発現レベルが得られる、項目132に記載の方法。
(項目158)
上記対照発現レベルが、ヒトに抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料において測定され、該測定によりCD200Rの処置前発現レベルが得られる、項目133に記載の方法。
(項目159)
抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+リンパ球サブセットの濃度を測定するステップを含み、
生物学的試料における1つまたは複数のCD200+リンパ球サブセットの濃度の対照試料における同じCD200+リンパ球サブセットの濃度と比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から158のいずれか一項に記載の方法。
(項目160)
上記CD200+リンパ球サブセットが、CD3+/CD200+リンパ球、CD45R+/CD200+リンパ球、CD5+/CD200+リンパ球、CD19+/CD200+リンパ球、CD138+/CD200+リンパ球、またはCD200R+/CD200+リンパ球である、項目159に記載の方法。
(項目161)
上記1つまたは複数のCD200+リンパ球サブセットの濃度の少なくとも10%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目159または160に記載の方法。
(項目162)
上記1つまたは複数のCD200+リンパ球サブセットの濃度の少なくとも50%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目159または160に記載の方法。
(項目163)
上記生物学的試料における1つまたは複数のCD200+リンパ球サブセットの濃度の上記対照試料における同じCD200+リンパ球サブセットの濃度と比較したときの低下は、上記抗体が上記ヒトにおいて治療的に有効であることを示す、項目159または160に記載の方法。
(項目164)
上記生物学的試料が、上記ヒトに由来する脾臓組織を含む、項目159から163のいずれか一項に記載の方法。
(項目165)
上記生物学的試料が、上記ヒトに由来する骨髄組織を含む、項目159から163のいずれか一項に記載の方法。
(項目166)
抗CD200抗体を投与された上記ヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度を測定するステップを含み、
生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度の、対照試料における同じCD200+骨髄細胞サブセットの濃度と比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から165のいずれか一項に記載の方法。
(項目167)
上記CD200+骨髄細胞サブセットが、Igk+/CD200+骨髄細胞、CD138+/CD200+骨髄細胞、c−kit+/CD200+骨髄細胞、またはc−kit+/CD200+/Lin−骨髄細胞である、項目166に記載の方法。
(項目168)
上記1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度の少なくとも5%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目166または167に記載の方法。
(項目169)
上記1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度の少なくとも20%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目166または167に記載の方法。
(項目170)
上記1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度の少なくとも50%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目166または167に記載の方法。
(項目171)
上記ヒトに抗CD200抗体を投与する前の該ヒトから得られる生物学的試料においてCD200+白血球の濃度を測定して、CD200+白血球の処置前濃度を得るステップと、
該抗体を投与した後の該ヒトから得られる生物学的試料においてCD200+白血球の濃度を測定して、CD200+白血球の処置後濃度を得るステップと
を含み、
CD200+白血球の該処置後濃度のCD200+白血球の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から170のいずれか一項に記載の方法。
(項目172)
上記ヒトに抗CD200抗体を投与する前の該ヒトから得られる生物学的試料においてCD200+骨髄細胞の濃度を測定して、CD200+骨髄細胞の処置前濃度を得るステップと、
該抗体を投与した後の該ヒトから得られる生物学的試料においてCD200+骨髄細胞の濃度を測定して、CD200+骨髄細胞の処置後濃度を得るステップと
を含み、
CD200+骨髄細胞の該処置後濃度のCD200+骨髄細胞の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から170のいずれか一項に記載の方法。
(項目173)
上記ヒトに抗CD200抗体を投与する前の該ヒトから得られる生物学的試料において複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化して、CD200の処置前発現レベルを得るステップと、
該抗体を投与した後の該ヒトから得られる生物学的試料において複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化して、CD200の処置後発現レベルを得るステップと
を含み、
CD200の該処置後発現レベルのCD200の該処置前発現レベルと比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から170のいずれか一項に記載の方法。
(項目174)
上記ヒトに抗CD200抗体を投与する前の該ヒトから得られる生物学的試料において複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルを定量化して、CD200の処置前発現レベルを得るステップと、
該抗体を投与した後の該ヒトから得られる生物学的試料において複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルを定量化して、CD200の処置後発現レベルを得るステップと
を含み、
CD200の該処置後発現レベルのCD200の該処置前発現レベルと比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から170のいずれか一項に記載の方法。
(項目175)
抗CD200抗体を投与された上記ヒトから得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化するステップを含み、
該複数の白血球によるCD200発現の対照発現レベルと比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から174のいずれか一項に記載の方法。
(項目176)
上記CD200+白血球が、CD3+/CD200+白血球、CD45R+/CD200+白血球、CD5+/CD200+白血球、CD19+/CD200+白血球、CD138+/CD200+白血球、またはCD200R+/CD200+白血球である、項目175に記載の方法。
(項目177)
上記複数の白血球によるCD200発現レベルの少なくとも5%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目175または176に記載の方法。
(項目178)
上記複数の白血球によるCD200発現レベルの少なくとも20%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目175または176に記載の方法。
(項目179)
上記複数の白血球によるCD200発現レベルの少なくとも50%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目175または176に記載の方法。
(項目180)
抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる生物学的試料における複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルを定量化するステップを含み、
該複数の骨髄細胞によるCD200発現の対照発現レベルと比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から179のいずれか一項に記載の方法。
(項目181)
上記CD200+骨髄細胞が、Igk+/CD200+骨髄細胞、CD138+/CD200+骨髄細胞、c−kit+/CD200+骨髄細胞、またはc−kit+/CD200+/Lin−骨髄細胞である、項目180に記載の方法。
(項目182)
上記複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルの少なくとも5%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目180または181に記載の方法。
(項目183)
上記複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルの少なくとも20%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目180または181に記載の方法。
(項目184)
上記複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルの少なくとも50%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目180または181に記載の方法。
(項目185)
上記抗CD200抗体が上記ヒトにおいて免疫調節効果を生成する場合、該ヒトに少なくとも1用量のさらなる該抗CD200抗体を投与するステップを含む、項目129から184のいずれか一項に記載の方法。
(項目186)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後2カ月間未満で行う、項目129から185のいずれか一項に記載の方法。
(項目187)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後1カ月間未満で行う、項目129から185のいずれか一項に記載の方法。
(項目188)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後2週間未満で行う、項目129から185のいずれか一項に記載の方法。
(項目189)
上記ヒトが、がんを有するか、がんを有することが疑われるか、またはがんを発症する可能性が高い、項目129から188のいずれか一項に記載の方法。
(項目190)
上記ヒトが、がんを有する、項目189に記載の方法。
(項目191)
上記がんが、CLLである、項目188または189に記載の方法。
(項目192)
上記CLLが、B−CLLである、項目191に記載の方法。
(項目193)
上記がんが、固形腫瘍である、項目188または189に記載の方法。
(項目194)
上記固形腫瘍が、結腸がん、乳がん、肺がん、腎臓がん、膵臓がん、甲状腺がん、皮膚がん、神経系のがん、子宮頸がん、卵巣がん、精巣がん、頭頚部がん、眼がん、胃がん、または肝臓がんである、項目193に記載の方法。
(項目195)
上記神経系のがんが、神経芽腫である、項目194に記載の方法。
(項目196)
上記抗CD200抗体が上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成することが決定された場合、該抗体のさらなる用量を投与するステップをさらに含む、項目129から195のいずれか一項に記載の方法。
(項目197)
抗CD200抗体を用いてがんに罹患した患者を処置するための投与スケジュールを決定するための方法であって、
(I)CD200を発現する複数のがん細胞を含むがんに罹患した患者を提供するステップと;
(II)該患者に抗CD200抗体を投与して、1つまたは複数の抗CD200抗体関連バイオマーカーの変化を生成するステップであって、該1つまたは複数のバイオマーカーの該変化が、
(a)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における該がん細胞によるCD200の発現の、対照試料におけるCD200の発現と比較したときの、低下;
(b)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200+T細胞の濃度の、対照試料におけるCD200+T細胞の濃度と比較したときの、低下;
(c)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるT細胞によるCD200発現レベルの、対照試料における同じ組織型のT細胞によるCD200対照発現レベルと比較したときの、低下;
(d)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200R+白血球の濃度の、対照試料におけるCD200R+白血球の濃度と比較したときの、上昇;
(e)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における白血球によるCD200R発現レベルの、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200R対照発現レベルと比較したときの、上昇;
(f)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における制御性T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比較したときの、低下;
(g)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比較したときの、上昇;
(h)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であること;
(i)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比の、対照試料における対応する比と比較したときの、増大;
(j)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度の、対照試料における同じ組織型の1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度と比較したときの、低下;
(k)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度の、対照試料における同じ組織型の1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度と比較したときの、低下;ならびに
(l)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200発現レベルの、対照試料における同じ組織型の骨髄細胞によるCD200対照発現レベルと比較したときの、低下
からなる群より選択される、ステップと;
(III)該1つまたは複数の抗CD200抗体関連バイオマーカーの該変化をモニタリングするステップであって、該投与スケジュールが、該抗体による処置期間にわたり該1つまたは複数の抗CD200抗体関連バイオマーカーの該変化を維持するのに十分である、ステップと
を含む、方法。
(項目198)
上記がん細胞によるCD200発現レベルが少なくとも10%低下する、項目197に記載の方法。
(項目199)
上記がん細胞によるCD200発現レベルが少なくとも20%低下する、項目197に記載の方法。
(項目200)
上記がん細胞によるCD200発現レベルが少なくとも50%低下する、項目197に記載の方法。
(項目201)
CD200+T細胞の濃度が少なくとも10%低下する、項目197に記載の方法。
(項目202)
CD200+T細胞の濃度が少なくとも20%低下する、項目197に記載の方法。
(項目203)
CD200+T細胞の濃度が少なくとも50%低下する、項目197に記載の方法。
(項目204)
上記CD200+T細胞が、CD200+/CD4+T細胞、活性化CD200+/CD4+T細胞、またはCD200+/CD8+T細胞である、項目197から203のいずれか一項に記載の方法。
(項目205)
上記T細胞によるCD200の発現レベルが少なくとも10%低下する、項目197に記載の方法。
(項目206)
上記T細胞によるCD200の発現レベルが少なくとも20%低下する、項目197に記載の方法。
(項目207)
上記T細胞によるCD200の発現レベルが少なくとも50%低下する、項目197に記載の方法。
(項目208)
上記T細胞が、CD4+T細胞、活性化CD4+T細胞、またはCD8+T細胞である、項目197、または205から207のいずれか一項に記載の方法。
(項目209)
CD200R+T細胞の濃度が少なくとも10%上昇する、項目197に記載の方法。
(項目210)
CD200R+T細胞の濃度が少なくとも20%上昇する、項目197に記載の方法。
(項目211)
CD200R+T細胞の濃度が少なくとも50%上昇する、項目197に記載の方法。
(項目212)
上記CD200R+T細胞が、CD200R+/CD4+T細胞、または活性化CD200R+/CD4+T細胞である、項目197、または209から211のいずれか一項に記載の方法。
(項目213)
上記白血球によるCD200Rの発現レベルが少なくとも10%上昇する、項目197に記載の方法。
(項目214)
上記白血球によるCD200Rの発現レベルが少なくとも20%上昇する、項目197に記載の方法。
(項目215)
上記白血球によるCD200Rの発現レベルが少なくとも50%上昇する、項目197に記載の方法。
(項目216)
上記白血球が、CD4+T細胞または活性化CD4+T細胞である、項目197、または213から215のいずれか一項に記載の方法。
(項目217)
上記1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度が少なくとも10%低下する、項目197に記載の方法。
(項目218)
上記1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度が少なくとも20%低下する、項目197に記載の方法。
(項目219)
上記1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度が少なくとも50%低下する、項目197に記載の方法。
(項目220)
上記1つまたは複数のCD200+白血球サブセットが、CD3+/CD200+リンパ球、CD45R+/CD200+リンパ球、CD5+/CD200+リンパ球、CD19+/CD200+リンパ球、CD138+/CD200+リンパ球、CD200R+/CD200+リンパ球、CD200+/CD4+T細胞、活性化CD200+/CD4+T細胞、およびCD200+/CD8+T細胞からなる群より選択される、項目197、または217から219のいずれか一項に記載の方法。
(項目221)
上記1つまたは複数のCD200+白血球サブセットによるCD200の発現レベルが少なくとも10%低下する、項目197に記載の方法。
(項目222)
上記1つまたは複数のCD200+白血球サブセットによるCD200の発現レベルが少なくとも20%低下する、項目197に記載の方法。
(項目223)
上記1つまたは複数のCD200+白血球サブセットによるCD200の発現レベルが少なくとも50%低下する、項目197に記載の方法。
(項目224)
上記1つまたは複数のCD200+白血球サブセットが、CD3+/CD200+リンパ球、CD45R+/CD200+リンパ球、CD5+/CD200+リンパ球、CD19+/CD200+リンパ球、CD138+/CD200+リンパ球、CD200R+/CD200+リンパ球、CD4+T細胞、活性化CD4+T細胞、およびCD8+T細胞からなる群より選択される、項目197、または221から223のいずれか一項に記載の方法。
(項目225)
上記1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度が少なくとも10%低下する、項目197に記載の方法。
(項目226)
上記1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度が少なくとも20%低下する、項目197に記載の方法。
(項目227)
上記1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度が少なくとも50%低下する、項目197に記載の方法。
(項目228)
上記1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットが、Igk+/CD200+骨髄細胞、CD138+/CD200+骨髄細胞、c−kit+/CD200+骨髄細胞、およびc−kit+/CD200+/Lin−/low骨髄細胞からなる群より選択される、項目197、または225から227のいずれか一項に記載の方法。
(項目229)
上記1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200の発現レベルが少なくとも10%低下する、項目197に記載の方法。
(項目230)
上記1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200の発現レベルが少なくとも20%低下する、項目197に記載の方法。
(項目231)
上記1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200の発現レベルが少なくとも50%低下する、項目197に記載の方法。
(項目232)
上記1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットが、Igk+/CD200+骨髄細胞、CD138+/CD200+骨髄細胞、c−kit+/CD200+骨髄細胞、およびc−kit+/CD200+/Lin−/low骨髄細胞からなる群より選択される、項目197、または229から231のいずれか一項に記載の方法。
(項目233)
上記生物学的試料が、血液試料である、項目197から232のいずれか一項に記載の方法。
(項目234)
上記対照試料が、上記患者に上記抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料である、項目197から233のいずれか一項に記載の方法。
(項目235)
上記制御性T細胞が、CD3+CD4+CD25+FoxP3+T細胞、またはCD3+CD4+FoxP3+T細胞である、項目197から234のいずれか一項に記載の方法。
(項目236)
上記活性化T細胞が、CD3+CD4+CD25+FoxP3negT細胞、またはCD3+CD4+FoxP3negT細胞である、項目197から235のいずれか一項に記載の方法。
(項目237)
がんに罹患したヒトを処置するための方法であって、処置を必要とするヒトに該ヒトにおける1つまたは複数の抗CD200抗体関連バイオマーカーの変化を生成するのに十分な量および頻度で抗CD200抗体を投与して、該ヒトのがんを処置するステップを含む、方法。
(項目238)
1つまたは複数のバイオマーカーの上記変化が、
(a)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料におけるがん細胞によるCD200の発現の、対照試料におけるCD200の発現と比較したときの、低下;
(b)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料におけるCD200+T細胞の濃度の、対照試料におけるCD200+T細胞の濃度と比較したときの、低下;
(c)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料におけるT細胞によるCD200発現レベルの、対照試料における同じ組織型のT細胞によるCD200対照発現レベルと比較したときの、低下;
(d)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料におけるCD200R+白血球の濃度の、対照試料におけるCD200R+白血球の濃度と比較したときの、上昇;
(e)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における白血球によるCD200R発現レベルの、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200R対照発現レベルと比較したときの、上昇;
(f)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における制御性T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比較したときの、低下;
(g)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比較したときの、上昇;
(h)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であること;
(i)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比の、対照試料における対応する比と比較したときの、増大;
(j)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度の、対照試料における同じ組織型の1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度と比較したときの、低下;
(k)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度の、対照試料における同じ組織型の1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度と比較したときの、低下;ならびに
(l)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200発現レベルの、対照試料における同じ組織型の骨髄細胞によるCD200対照発現レベルと比較したときの、低下
からなる群より選択される、項目237に記載の方法。
(項目239)
上記ヒトを、上記1つまたは複数のバイオマーカーの上記変化の生成および維持の一方または両方についてモニタリングするステップをさらに含む、項目237または238に記載の方法。
(項目240)
活性化T細胞対Tregの比を少なくとも4:1に維持する量および頻度で上記患者に上記抗体を投与する、項目238に記載の方法。
(項目241)
活性化T細胞対Tregの比を少なくとも6:1に維持する量および頻度で上記患者に上記抗体を投与する、項目238に記載の方法。
(項目242)
抗CD200抗体による処置のためにがん患者を選択するための方法であって、
がんを有する患者の免疫系が該がんに対する免疫反応を開始する能力を有するか否かを決定するステップと、
該患者の免疫系は能力を有すると決定された場合、抗CD200抗体療法のために該患者を選択するステップと
を含む、方法。
(項目243)
上記患者の免疫系は上記抗CD200抗体の存在下において上記がんに対する免疫反応を開始する能力を有すると決定する、項目242に記載の方法。
(項目244)
上記患者の免疫系は上記抗CD200抗体の非存在下において上記がんに対する免疫反応を開始する能力を有すると決定する、項目242または243に記載の方法。
(項目245)
上記決定するステップが、上記抗CD200抗体を投与する前の上記患者から得られる少なくとも1つの免疫細胞集団の血液1マイクロリットル当たりの絶対数を測定するステップを含み、該少なくとも1つの免疫細胞集団が、CD4+ヘルパーT細胞、非がん性CD45+リンパ球、CD19+B細胞、CD16+CD56+ナチュラルキラー(NK)細胞、およびCD3+細胞からなる群より選択される、項目242から244のいずれか一項に記載の方法。
(項目246)
選択した患者に抗CD200抗体を投与するステップをさらに含み、該抗CD200抗体が、該患者において1つまたは複数の抗CD200抗体関連バイオマーカーの変化を生成および維持するのに有効な量および頻度で該患者に投与され、1つまたは複数のバイオマーカーの該変化が、
(a)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるがん細胞によるCD200の発現の、対照試料におけるCD200の発現と比較したときの、低下;
(b)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200+T細胞の濃度の、対照試料におけるCD200+T細胞の濃度と比較したときの、低下;
(c)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるT細胞によるCD200発現レベルの、対照試料における同じ組織型のT細胞によるCD200対照発現レベルと比較したときの、低下;
(d)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200R+白血球の濃度の、対照試料におけるCD200R+白血球の濃度と比較したときの、上昇;
(e)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における白血球によるCD200R発現レベルの、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200R対照発現レベルと比較したときの、上昇;
(f)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における制御性T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比較したときの、低下;
(g)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比較したときの、上昇;
(h)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であること;
(i)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比の、対照試料における対応する比と比較したときの、増大;
(j)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度の、対照試料における同じ組織型の1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度と比較したときの、低下;
(k)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度の、対照試料における同じ組織型の1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度と比較したときの、低下;ならびに
(l)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200発現レベルの、対照試料における同じ組織型の骨髄細胞によるCD200対照発現レベルと比較したときの、低下
からなる群より選択される、項目242から245のいずれか一項に記載の方法。
(項目247)
上記抗CD200抗体が、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、IgG4抗体、IgM抗体、IgA1抗体、IgA2抗体、IgA抗体、IgD抗体、またはIgE抗体である、項目1から103、または105から246のいずれか一項に記載の方法。
(項目248)
上記抗CD200抗体が、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体である、項目1から103、または105から246のいずれか一項に記載の方法。
(項目249)
上記抗CD200抗体が、全抗CD200抗体の抗原結合断片である、項目1から103、または105から246のいずれか一項に記載の方法。
(項目250)
上記抗原結合断片が、Fab断片、F(ab’)2断片、Fv断片、および単鎖抗体からなる群より選択される、項目249に記載の方法。
(項目251)
上記抗CD200抗体が、モノクローナル抗体である、項目1から103、または105から246のいずれか一項に記載の方法。
(項目252)
上記抗CD200抗体が改変定常領域を含み、該改変定常領域は、定常領域の非改変形態と比べてエフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない、項目1から103、105から248、または251のいずれか一項に記載の方法。
(項目253)
上記改変定常領域が、定常領域の非改変形態と比較したときの、
(a)抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)活性の低下または非存在;
(b)補体依存性細胞傷害(CDC)の低下または非存在;および
(c)1つまたは複数のFc受容体への結合の低下
からなる群より選択される1つまたは複数の特徴を有する、項目252に記載の方法。
(項目254)
少なくとも1つのアミノ酸置換、挿入、または欠失を含むように操作されている結果、該少なくとも1つのアミノ酸置換、挿入、または欠失を含有しない対応する非改変定常領域と比較して、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない改変定常領域を上記抗CD200抗体が含む、項目252に記載の方法。
(項目255)
少なくとも1つのアミノ酸置換、挿入、または欠失を含むように操作されている結果、該少なくとも1つのアミノ酸置換、挿入、または欠失を含有しない対応する非改変定常領域と比較して、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない改変定常領域を上記抗CD200抗体が含む、項目253に記載の方法。
(項目256)
上記抗CD200抗体が、
(i)グリコシル化の変化、および
(ii)Ala−Ala変異
からなる群より選択される1つまたは複数の特徴を含む定常領域を含む、項目252から255のいずれか一項に記載の方法。
(項目257)
上記抗CD200抗体が、IgG2/IgG4ハイブリッド定常領域を含む、項目1から103、または105から248、または251から256のいずれか一項に記載の方法。
(項目258)
上記グリコシル化の変化が、
(i)1つまたは複数の糖成分の変化、
(ii)1つまたは複数のさらなる糖成分の存在、および
(iii)1つまたは複数の糖成分の非存在
からなる群より選択される1つまたは複数の特徴を含む、項目256に記載の方法。
(項目259)
上記抗CD200抗体が、CD200とCD200Rとの間の相互作用を阻害する、項目1から103、または105から258のいずれか一項に記載の方法。
(項目260)
上記抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GFTFSGFAMS(配列番号4)を含む重鎖CDR1(HCDR1);アミノ酸配列:SISSGGTTYYLDSVKG(配列番号5)を含む重鎖CDR2(HCDR2);アミノ酸配列:GNYYSGTSYDY(配列番号6)を含む重鎖CDR3(HCDR3);アミノ酸配列:RASESVDSYGNSFMH(配列番号7)を含む軽鎖CDR1(LCDR1);アミノ酸配列:RASNLES(配列番号8)を含む軽鎖CDR2(LCDR2);およびアミノ酸配列:QQSNEDPRT(配列番号9)を含む軽鎖CDR3(LCDR3)を含有する、項目1から103、または105から259のいずれか一項に記載の方法。
(項目261)
上記抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GFNIKDYYMH(配列番号10)を含むHCDR1;アミノ酸配列:WIDPENGDTKYAPKFQG(配列番号11)を含むHCDR2;アミノ酸配列:KNYYVSNYNFFDV(配列番号12)を含むHCDR3;アミノ酸配列:SASSSVRYMY(配列番号13)を含むLCDR1;アミノ酸配列:DTSKLAS(配列番号14)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:FQGSGYPLT(配列番号15)を含むLCDR3を含有する、項目1から103、または105から259のいずれか一項に記載の方法。
(項目262)
上記抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GFNIKDYYIH(配列番号16)を含むHCDR1;アミノ酸配列:WIDPEIGATKYVPKFQG(配列番号17)を含むHCDR2;アミノ酸配列:LYGNYDRYYAMDY(配列番号18)を含むHCDR3;アミノ酸配列:KASQNVRTAVA(配列番号19)を含むLCDR1;アミノ酸配列:LASNRHT(配列番号20)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:LQHWNYPLT(配列番号21)を含むLCDR3を含有する、項目1から103、または105から259のいずれか一項に記載の方法。
(項目263)
上記抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GYSFTDYIIL(配列番号22)を含むHCDR1;アミノ酸配列:HIDPYYGSSNYNLKFKG(配列番号23)を含むHCDR2;アミノ酸配列:SKRDYFDY(配列番号24)を含むHCDR3;アミノ酸配列:KASQDINSYLS(配列番号25)を含むLCDR1;アミノ酸配列:RANRLVD(配列番号26)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:LQYDEFPYT(配列番号27)を含むLCDR3を含有する、項目1から103、または105から259のいずれか一項に記載の方法。
(項目264)
上記抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GYTFTEYTMH(配列番号28)を含むHCDR1;アミノ酸配列:GVNPNNGGALYNQKFKG(配列番号29)を含むHCDR2;アミノ酸配列:RSNYRYDDAMDY(配列番号30)を含むHCDR3;アミノ酸配列:KSSQSLLDIDEKTYLN(配列番号31)を含むLCDR1;アミノ酸配列:LVSKLDS(配列番号32)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:WQGTHFPQT(配列番号33)を含むLCDR3を含有する、項目1から103、または105から259のいずれか一項に記載の方法。
(項目265)
上記抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:AFNIKDHYMH(配列番号34)を含むHCDR1;アミノ酸配列:WIDPESGDTEYAPKFQG(配列番号35)を含むHCDR2;アミノ酸配列:FNGYQALDQ(配列番号36)を含むHCDR3;アミノ酸配列:TASSSVSSSYLH(配列番号37)を含むLCDR1;アミノ酸配列:STSNLAS(配列番号38)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:RQYHRSPPIFT(配列番号39)を含むLCDR3を含有する、項目1から103、または105から259のいずれか一項に記載の方法。
(項目266)
上記抗CD200抗体関連バイオマーカーの1つまたは複数の変化が、上記抗CD200抗体が治療的に有効であることを示す、項目1から103、または105から265のいずれか一項に記載の方法。