【実施例】
【0017】
<第一の実施形態>
図1に第一の実施形態の不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路の回路図を示す。まず初めに回路の構成素子と接続について説明をする。不揮発性記憶素子の一例としてPMOS型OTP素子100を備え、ソース端子はPMOSスイッチ130のドレイン端子に接続される。PMOSスイッチ130のソース端子は高電圧側電源供給端子VDDに接続される。読出し回路110はPMOSトランジスタ111、NMOSトランジスタ112、ラッチ113で構成される。データ出力端子DOUTにはラッチ113の入出力端子、PMOSトランジスタ111のドレイン端子、NMOSトランジスタ112のドレイン端子が接続される。NMOSトランジスタ112のソース端子は低電圧側電源供給端子VSSに接続される。PMOSトランジスタ111のソース端子はPMOS型OTP素子100のドレイン端子に接続される。書込み回路120はPMOSトランジスタ121、書込みデータ送信回路122で構成される。書込みデータ送信回路122の出力端子WDATAXはPMOSトランジスタ121のドレイン端子に接続され、PMOSトランジスタ121のソース端子はPMOS型OTP素子100のドレイン端子に接続される。制御回路140は設定される読出モード信号φ1、書込モード信号φ2、テストモード信号φ3に応じて、PMOSトランジスタ111のゲート端子へ信号RENXを、PMOSトランジスタ121のゲート端子へ信号WENXを、PMOSトランジスタ130のゲート端子へ信号MEMXを、NMOSトランジスタ112のゲート端子へ信号CLRをそれぞれ出力する。
【0018】
次に、第1の実施の形態の不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路の動作について説明をする。
〔データ出力端子へのデータ1伝達〕
図2(a)にデータ出力端子DOUTへデータ1を伝達する動作のタイミングチャートを示す。テストモードが設定されるとテストモード信号φ3がHighになる。t<t1の期間はPMOSトランジスタ111のゲート端子RENXはHighレベル、NMOSトランジスタ112のゲート端子CLRはLowレベル、PMOSトランジスタ121のゲート端子WENXはHighレベル、PMOSトランジスタ130のゲート端子MEMXはHighレベルであり、各スイッチは全てOFFしている。書込みデータ送信回路122の出力は不定である。データ出力端子DOUTは不定であるがラッチが保持しているHigh及びLowのどちらかのレベルに固定されている。
【0019】
t1<t<t2の期間で、CLRをHighレベルにすることでNMOSトランジスタ112をONさせ、データ出力端子DOUTをLowレベルにする。t2<t<t3の期間で、CLRをLowレベルにすることでNMOSトランジスタ112をOFFさせるが、ラッチ113の動作によりデータ出力端子DOUTはLowレベルを維持したままである。t3<t<t4の期間で、書込みデータ送信回路122からHighレベルを出力し、WDATAXはHighレベルになる。
【0020】
t4<t<t5の期間で、RENXとWENXをLowレベルにすることでPMOSトランジスタ111とPMOSトランジスタ121をONさせ、WDATAXのHighレベルがデータ出力端子DOUTへ伝達される。t>t5の期間では、RENXとWENXをHighレベルにすることでPMOSトランジスタ111とPMOSトランジスタ121をOFFさせるが、ラッチ113の動作によりデータ出力端子DOUTはHighレベルを維持したままである。以上の動作により、不揮発性記憶素子へ書込みを行なわずにデータ出力端子DOUTへデータ1を伝達することができる。
【0021】
〔データ出力端子へのデータ0伝達〕
図2(b)にデータ出力端子DOUTへデータ0を伝達する動作のタイミングチャートを示す。テストモードが設定されるとテストモード信号φ3がHighになる。t<t3の期間はデータ1事前伝達の場合と同じである。t3<t<t4の期間で、書込みデータ送信回路122からLowレベルを出力し、WDATAXはLowレベルになる。
【0022】
t4<t<t5の期間で、RENXとWENXをLowレベルにする。しかし、WDATAXがLowレベルであるため、PMOSトランジスタ111と121はON状態にならない。よってデータ出力端子DOUTはLowレベルのままである。t>t5の期間では、RENXとWENXをHighレベルにすることでPMOSトランジスタ111とPMOSトランジスタ121をOFFさせるが、ラッチ113の動作によりデータ出力端子DOUTはLowレベルを維持したままである。
【0023】
こうして、不揮発性記憶素子へ書込みを行なわずにデータ出力端子DOUTへデータ0を伝達することができる。そして、このデータを用いてトリミング回路にて不揮発性記憶素子へ書込みを行なう前に書込み後の状態を作り出し、トリミング後の電気特性を測定してトリミング量が適切であるかを判断することができる。適切でない場合は補正を行なったデータを実際に書込むことで高精度なトリミングを実現することができる。
【0024】
本発明はこれらの実施の形態の例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様での実施が可能である。
【0025】
以上により、第一の実施形態の不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路は、不揮発性記憶素子へ書込みを行なわずにデータ出力端子DOUTへデータ0を伝達することができる。そして、トリミング回路にて不揮発性記憶素子へ書込み後の状態を作り出し、電気特性を測定してトリミング量が適切であるかを判断し、適切でない場合は補正を行なったデータを実際に書込むことで高精度なトリミングを実現することができる。
【0026】
<第二の実施形態>
図3に第二の実施形態の不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路の回路図を示す。まず初めに回路の構成素子と接続を
図1からの変更点について説明をする。書込み回路320は、書込みデータ送信回路122の出力信号WDATAXをインバータ341に入力し、WDATAとして出力する。PMOSトランジスタ311のゲート端子はRENXとWDATAを入力とするORゲート343の出力信号RENX2に接続する。PMOSトランジスタ321のゲート端子はWENXとWDATAを入力とするORゲート342の出力信号WENX2に接続する。NMOSトランジスタ312のゲート端子はCLRとWDATAを入力とするANDゲート344の出力信号CLR2に接続する。
【0027】
次に、第2の実施の形態の不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路の動作について説明をする。
〔データ出力端子へのデータ1伝達〕
図4(a)にデータ出力端子DOUTへデータ1を伝達する動作のタイミングチャートを示す。テストモードが設定されるとテストモード信号φ3がHighになる。t<t1の期間はPMOSトランジスタ311のゲート端子RENX2はHighレベル、NMOSトランジスタ312のゲート端子CLR2はLowレベル、PMOSトランジスタ321のゲート端子WENX2はHighレベル、PMOSトランジスタ330のゲート端子MEMXはHighレベルであり、各スイッチは全てOFFしている。書込みデータ送信回路122の出力は不定である。データ出力端子DOUTは不定であるがラッチが保持しているHigh及びLowのどちらかのレベルに固定されている。
【0028】
t1<t<t2の期間で、WDATAXをHighレベルに設定する。インバータ341の動作により、WDATAはLowレベルに設定される。t2<t<t3の期間で、CLRをHighレベル、RENXとWENXをLowに設定する。ここで、ORゲート342、343の動作によりRENXとWENXは同じ論理の信号をRENX2、WENX2にそれぞれ出力するが、ANDゲート344の動作によりCLR2はLowレベルのままである。
【0029】
このため、PMOSトランジスタ311、321のみがそれぞれONするため、WDATAXのHighレベルがデータ出力端子DOUTへ伝達される。t>t3の期間で、CLRをLowレベル、RENXとWENXをHighレベルに設定し、RENX2とWENX2がHighレベルに設定されるが、データ出力端子DOUTのHighレベルはラッチ113の動作により保持される。WDATAXのデータは不定にしても良い。以上の動作により、不揮発性記憶素子へ書込みを行なわずにデータ出力端子DOUTへデータ1を伝達することができる。
【0030】
〔データ出力端子へのデータ0伝達〕
図4(b)にデータ出力端子へデータ0を伝達する動作のタイミングチャートを示す。t<t1の期間はデータ1伝達の場合と同じである。t1<t<t2の期間で、WDATAXをLowレベルに設定する。インバータ341の動作により、WDATAはHighレベルに設定される。
【0031】
t2<t<t3の期間で、CLRをHighレベル、RENXとWENXをLowに設定する。ここで、ANDゲート344の動作によりCLRは同じ論理の信号をCLR2にそれぞれ出力するが、ORゲート342、343の動作によりRENX2、WENX2はHighレベルのままである。このため、NMOSトランジスタ312のみがONするため、WDATAXのLowレベルがNMOSトランジスタ312を介してデータ出力端子DOUTへ伝達される。
【0032】
t>t3の期間で、CLRをLowレベル、RENXとWENXをHighレベルに設定し、CLR2がLowレベルに設定されるが、データ出力端子DOUTのLowレベルはラッチ113の動作により保持される。WDATAXのデータは不定にしても良い。以上の動作により、不揮発性記憶素子へ書込みを行なわずにデータ出力端子DOUTへデータ0を伝達することができる。
【0033】
こうして、不揮発性記憶素子へ書込みを行なわずにデータ出力端子DOUTへデータ0を伝達することができる。そして、このデータを用いてトリミング回路にて不揮発性記憶素子へ書込みを行なう前に書込み後の状態を作り出し、トリミング後の電気特性を測定してトリミング量が適切であるかを判断することができる。適切でない場合は補正を行なったデータを実際に書込むことで高精度なトリミングを実現することができる。また、ラッチ113をクリアする必要がないためデータの伝達時間を短縮することができる。
【0034】
本発明はこれらの実施の形態の例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様での実施が可能である。
【0035】
以上により、第二の実施形態の不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路は、不揮発性記憶素子へ書込みを行なわずにデータ出力端子DOUTへデータ0を伝達することができる。そして、トリミング回路にて不揮発性記憶素子へ書込み後の状態を作り出し、電気特性を測定してトリミング量が適切であるかを判断し、適切でない場合は補正を行なったデータを実際に書込むことで高精度なトリミングを実現することができる。また、データの伝達時間を短縮することもできる。
【0036】
なお、本発明の半導体不揮発性記憶装置を、
図8のトリミング回路のトリミングデータ記憶回路に適用すると、不揮発性記憶素子へ書込みを行なう前にトリミング後の状態を作り出すことが出来る。従って、トリミングする前に、トリミング後の電気特性を測定してトリミング量が適切であるかを判断することが出来るので、高精度なトリミングを実現することができる。