特許第6012491号(P6012491)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012491
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】不揮発性半導体記憶装置及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 29/14 20060101AFI20161011BHJP
   G11C 17/14 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   G11C29/00 673T
   G11C17/06 B
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-18757(P2013-18757)
(22)【出願日】2013年2月1日
(65)【公開番号】特開2014-149896(P2014-149896A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2015年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】715010864
【氏名又は名称】エスアイアイ・セミコンダクタ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】見谷 真
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 考太郎
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−192039(JP,A)
【文献】 特開2003−110029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 29/14
G11C 17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性記憶素子と、
前記不揮発性記憶素子のデータを出力するデータ出力端子と、
前記データ出力端子に接続された前記データを保持するラッチ回路と、
前記不揮発性記憶素子へ書込みデータを出力する書込みデータ送信回路と、
前記不揮発性記憶素子と前記データ出力端子の間に接続された第一スイッチと、
前記データ出力端子と低電圧側電源供給端子の間に接続された第二スイッチと、
前記書込みデータ送信回路の出力端子に接続された第三スイッチと、
前記不揮発性記憶素子と高電圧側電源供給端子の間に接続された第四スイッチと、
前記各スイッチを制御する制御回路と、
を備える不揮発性半導体記憶装置であって、
前記制御回路はテスト端子を備え、
前記制御回路は、前記テスト端子にテストモード信号が入力された時に、第一制御信号で前記第一スイッチをオンして、第二制御信号で前記第二スイッチをオフして、第三制御信号で前記第三スイッチをオンして、第四制御信号で前記第四スイッチをオフして、前記書込みデータ送信回路の書込みデータを前記データ出力端子に出力するように制御する、
ことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第一スイッチは、前記第一制御信号と前記書込みデータに基づく信号で制御され、
前記第二スイッチは、前記第二制御信号と前記書込みデータに基づく信号で制御され、
前記第三スイッチは、前記第三制御信号と前記書込みデータに基づく信号で制御される、
ことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
トリミングデータ記憶回路を備え、
前記トリミングデータ記憶回路を請求項1また2に記載の不揮発性半導体記憶装置で構成した
ことを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性半導体記憶装置に関し、より詳しくは不揮発性半導体記憶素子のデータを読出すテスト回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図5に従来の不揮発性記憶素子書込及び読出回路を示す。従来の不揮発性記憶素子書込及び読出回路は、不揮発性記憶素子の一例としてPMOS型OTP素子500を備え、ソース端子はPMOSトランジスタ530のドレイン端子に接続される。PMOSスイッチ530のソース端子は高電圧側電源供給端子VDDに接続される。読出し回路510はPMOSトランジスタ511、NMOSトランジスタ512、ラッチ513で構成される。データ出力端子DOUTにはラッチ513の入出力端子、PMOSトランジスタ511のドレイン端子、NMOSトランジスタ512のドレイン端子が接続される。NMOSトランジスタ512のソース端子は低電圧側電源供給端子VSSに接続される。PMOSトランジスタ511のソース端子はPMOS型OTP素子500のドレイン端子に接続される。書込み回路520はPMOSトランジスタ521、書込みデータ送信回路522で構成される。
【0003】
書込みデータ送信回路522の出力端子WDATAXはPMOSトランジスタ521のドレイン端子に接続され、PMOSトランジスタ521のソース端子はPMOS型OTP素子500のドレイン端子に接続される。制御回路540は設定される読出モード信号φ1、書込モード信号φ2に応じて、PMOSトランジスタ511のゲート端子へ信号RENXを、PMOSトランジスタ521のゲート端子へ信号WENXを、PMOSトランジスタ530のゲート端子へ信号MEMXを、NMOSトランジスタ512のゲート端子へ信号CLRをそれぞれ出力する。
【0004】
次に回路動作について説明をする。
〔OTP素子へのデータ1書込み〕
図6(a)にPMOS型OTP素子500にデータ1を書く場合の各信号のタイミングチャートを示す。書込モードが設定されると書込モード信号φ2がHighになる。t<t1の期間はPMOSトランジスタ511のゲート端子RENXはHighレベルでOFF状態、NMOSトランジスタ512のゲート端子CLRはLowレベルでOFF状態、PMOSトランジスタ521のゲート端子WENXはHighレベルでOFF状態、PMOSトランジスタ530のゲート端子MEMXはLowレベルでON状態である。書込みデータ送信回路522の出力は不定である。t1<t<t2の期間で、書込みデータ送信回路522からLowレベルを出力し、WDATAXはLowレベルになる。t2<t<t3の期間で、WENXをLowレベルにすることでPMOSトランジスタ521をONさせる。これにより、PMOS型OTP素子500のドレイン端子にLowレベルが伝達される。t3<t<t4の期間で、VDD端子に書込み電圧VPPレベルを印加することで、PMOS型OTP素子500のドレイン、ソース間にVPPが印加され、データ1の書込みが行なわれる。データ1の書込みが行なわれると、PMOS型OTP素子500は導通状態となる。
【0005】
〔OTP素子へのデータ0書込み〕
図6(b)にPMOS型OTP素子500にデータ0を書く場合の各信号のタイミングチャートを示す。書込モードが設定されると書込モード信号φ2がHighになる。t<t1の期間はデータ1書きの場合と同じである。t1<t<t2の期間で、書込みデータ送信回路522からHighレベルを出力し、WDATAXはHighレベルになる。t2<t<t3の期間で、WENXをLowレベルにすることでPMOSトランジスタ521をONさせる。これにより、PMOS型OTP素子500のドレイン端子にHighレベルが伝達される。t3<t<t4の期間で、VDD端子に書込み電圧VPPレベルを印加するが、PMOS型OTP素子500のドレイン、ソース間の電位差は0Vであるため、データ1の書込みは行なわれない。すなわち、PMOS型OTP素子500の状態は非導通状態のままでありデータ0のままである。
【0006】
〔OTP素子からのデータ1読出し〕
図7(a)にPMOS型OTP素子500からデータ1を読み出す場合の各信号のタイミングチャートを示す。読出モードが設定されると読出モード信号φ1がHighになる。t<t1の期間はPMOSトランジスタ511のゲート端子RENXはHighレベル、NMOSトランジスタ512のゲート端子CLRはLowレベル、PMOSトランジスタ521のゲート端子WENXはHighレベル、PMOSトランジスタ530のゲート端子MEMXはHighレベルであり、各スイッチは全てOFFしている。データ出力端子DOUTの電位はラッチ513が保持している前の読出しデータのレベルである。t1<t<t2の期間で、CLRをHighレベルにすることでNMOSトランジスタ512をONさせ、データ出力端子DOUTをLowレベルにする。t2<t<t3の期間で、CLRをLowレベルにすることでNMOSトランジスタ512をOFFさせるが、ラッチ513の動作によりデータ出力端子DOUTはLowレベルを維持したままである。t3<t<t4の期間で、RENXをLowレベル、MEMXをLowレベルにすることでPMOSトランジスタ511とPMOSトランジスタ530をONさせる。ここで、PMOS型OTP素子500は導通状態(データ1を記憶)のため、データ出力端子DOUTをHighレベルへ引き上げる。t>t4の期間では、RENXをHighレベル、MEMXをHighレベルにすることでPMOSトランジスタ511とPMOSトランジスタ530をOFFさせるが、ラッチ513の動作によりデータ出力端子DOUTはHighレベルを維持したままである。以上により、データ1が読み出される。
【0007】
〔OTP素子からのデータ0読出し〕
図7(b)にPMOS型OTP素子500からデータ0を読み出す場合の各信号のタイミングチャートを示す。読出モードが設定されると読出モード信号φ1がHighになる。t<t3の期間はデータ1読出しの場合と同じである。t3<t<t4の期間で、RENXをLowレベル、MEMXをLowレベルにすることでPMOSトランジスタ511とPMOSトランジスタ530をONさせる。ここで、PMOS型OTP素子500は非導通状態(データ0を記憶)のため、データ出力端子DOUTをHighレベルへ引き上げることができずLowレベルのままである。t>t4の期間では、RENXをHighレベル、MEMXをHighレベルにすることでPMOSトランジスタ511とPMOSトランジスタ530をOFFさせるが、ラッチ513の動作によりデータ出力端子DOUTはLowレベルを維持したままである。以上の動作により、データ0が読出される(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
図5の回路の使用例として、図8に示すような定電圧回路の電圧値のトリミング用途がある。定電圧回路は、基準電圧回路801、アンプ802、出力トランジスタ803、トリミング回路を有した抵抗回路804、を備えている。複数の図5に示す不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路のデータ出力端子DOUT1〜データ出力端子DOUTnが図8の抵抗回路804の入力端子に接続されている。トリミング前に初期測定を行ない、その結果に基づいてトリミング量を計算式により決定し、不揮発性記憶素子へデータを書き込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−192039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら従来の不揮発性記憶素子書込及び読出回路では、不揮発性記憶素子のデータを用いて定電圧回路などのトリミングを行う場合、抵抗回路比のズレや周辺回路のバラつきにより、トリミングの精度が悪いという課題があった。
【0011】
本発明は、以上のような課題を解決するために考案されたものであり、必要最小限の素子追加にて、不揮発性記憶素子へデータ書込みを行なう前に、書込み後の状態を作り、トリミングの精度を向上できる不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路を実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従来の課題を解決するために、本発明の不揮発性記憶素子書込及び読出回路は以下のような構成とした。
【0013】
データ出力端子に接続されたラッチ回路と、不揮発性記憶素子へ書込みデータを出力する書込みデータ送信回路と、不揮発性記憶素子とデータ出力端子の間に接続された第一スイッチと、データ出力端子と低電圧側電源供給端子の間に接続された第二スイッチと、書込みデータ送信回路の出力端子に接続された第三スイッチと、不揮発性記憶素子と高電圧側電源供給端子の間に接続された第四スイッチと、各スイッチを制御する制御回路を備え、制御回路はテスト端子にテストモード信号が入力された時に、第一スイッチと第三スイッチをオンして、第二スイッチと第四スイッチをオフして、書込みデータ送信回路の書込みデータをデータ出力端子に出力する。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、必要最小限の素子追加にて、不揮発性記憶素子へ書込みを行なう前に、書込み後の状態を作り出すことができる。また、トリミング回路のトリミングデータ記憶回路に適用することによって、高精度なトリミングを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第一の実施形態の不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路を示す図である。
図2】第一の実施形態のデータ伝達動作を示すタイミングチャートである。
図3】第二の実施形態の不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路を示す図である。
図4】第二の実施形態のデータ伝達動作を示すタイミングチャートである。
図5】従来の不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路を示す図である。
図6】従来の不揮発性記憶素子へのデータ書込みを示すタイミングチャートである。である。
図7】従来の不揮発性記憶素子からのデータ読出しを示すタイミングチャートである。
図8】トリミング回路を有する定電圧回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施形態について図面を参照して説明する。
【実施例】
【0017】
<第一の実施形態>
図1に第一の実施形態の不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路の回路図を示す。まず初めに回路の構成素子と接続について説明をする。不揮発性記憶素子の一例としてPMOS型OTP素子100を備え、ソース端子はPMOSスイッチ130のドレイン端子に接続される。PMOSスイッチ130のソース端子は高電圧側電源供給端子VDDに接続される。読出し回路110はPMOSトランジスタ111、NMOSトランジスタ112、ラッチ113で構成される。データ出力端子DOUTにはラッチ113の入出力端子、PMOSトランジスタ111のドレイン端子、NMOSトランジスタ112のドレイン端子が接続される。NMOSトランジスタ112のソース端子は低電圧側電源供給端子VSSに接続される。PMOSトランジスタ111のソース端子はPMOS型OTP素子100のドレイン端子に接続される。書込み回路120はPMOSトランジスタ121、書込みデータ送信回路122で構成される。書込みデータ送信回路122の出力端子WDATAXはPMOSトランジスタ121のドレイン端子に接続され、PMOSトランジスタ121のソース端子はPMOS型OTP素子100のドレイン端子に接続される。制御回路140は設定される読出モード信号φ1、書込モード信号φ2、テストモード信号φ3に応じて、PMOSトランジスタ111のゲート端子へ信号RENXを、PMOSトランジスタ121のゲート端子へ信号WENXを、PMOSトランジスタ130のゲート端子へ信号MEMXを、NMOSトランジスタ112のゲート端子へ信号CLRをそれぞれ出力する。
【0018】
次に、第1の実施の形態の不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路の動作について説明をする。
〔データ出力端子へのデータ1伝達〕
図2(a)にデータ出力端子DOUTへデータ1を伝達する動作のタイミングチャートを示す。テストモードが設定されるとテストモード信号φ3がHighになる。t<t1の期間はPMOSトランジスタ111のゲート端子RENXはHighレベル、NMOSトランジスタ112のゲート端子CLRはLowレベル、PMOSトランジスタ121のゲート端子WENXはHighレベル、PMOSトランジスタ130のゲート端子MEMXはHighレベルであり、各スイッチは全てOFFしている。書込みデータ送信回路122の出力は不定である。データ出力端子DOUTは不定であるがラッチが保持しているHigh及びLowのどちらかのレベルに固定されている。
【0019】
t1<t<t2の期間で、CLRをHighレベルにすることでNMOSトランジスタ112をONさせ、データ出力端子DOUTをLowレベルにする。t2<t<t3の期間で、CLRをLowレベルにすることでNMOSトランジスタ112をOFFさせるが、ラッチ113の動作によりデータ出力端子DOUTはLowレベルを維持したままである。t3<t<t4の期間で、書込みデータ送信回路122からHighレベルを出力し、WDATAXはHighレベルになる。
【0020】
t4<t<t5の期間で、RENXとWENXをLowレベルにすることでPMOSトランジスタ111とPMOSトランジスタ121をONさせ、WDATAXのHighレベルがデータ出力端子DOUTへ伝達される。t>t5の期間では、RENXとWENXをHighレベルにすることでPMOSトランジスタ111とPMOSトランジスタ121をOFFさせるが、ラッチ113の動作によりデータ出力端子DOUTはHighレベルを維持したままである。以上の動作により、不揮発性記憶素子へ書込みを行なわずにデータ出力端子DOUTへデータ1を伝達することができる。
【0021】
〔データ出力端子へのデータ0伝達〕
図2(b)にデータ出力端子DOUTへデータ0を伝達する動作のタイミングチャートを示す。テストモードが設定されるとテストモード信号φ3がHighになる。t<t3の期間はデータ1事前伝達の場合と同じである。t3<t<t4の期間で、書込みデータ送信回路122からLowレベルを出力し、WDATAXはLowレベルになる。
【0022】
t4<t<t5の期間で、RENXとWENXをLowレベルにする。しかし、WDATAXがLowレベルであるため、PMOSトランジスタ111と121はON状態にならない。よってデータ出力端子DOUTはLowレベルのままである。t>t5の期間では、RENXとWENXをHighレベルにすることでPMOSトランジスタ111とPMOSトランジスタ121をOFFさせるが、ラッチ113の動作によりデータ出力端子DOUTはLowレベルを維持したままである。
【0023】
こうして、不揮発性記憶素子へ書込みを行なわずにデータ出力端子DOUTへデータ0を伝達することができる。そして、このデータを用いてトリミング回路にて不揮発性記憶素子へ書込みを行なう前に書込み後の状態を作り出し、トリミング後の電気特性を測定してトリミング量が適切であるかを判断することができる。適切でない場合は補正を行なったデータを実際に書込むことで高精度なトリミングを実現することができる。
【0024】
本発明はこれらの実施の形態の例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様での実施が可能である。
【0025】
以上により、第一の実施形態の不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路は、不揮発性記憶素子へ書込みを行なわずにデータ出力端子DOUTへデータ0を伝達することができる。そして、トリミング回路にて不揮発性記憶素子へ書込み後の状態を作り出し、電気特性を測定してトリミング量が適切であるかを判断し、適切でない場合は補正を行なったデータを実際に書込むことで高精度なトリミングを実現することができる。
【0026】
<第二の実施形態>
図3に第二の実施形態の不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路の回路図を示す。まず初めに回路の構成素子と接続を図1からの変更点について説明をする。書込み回路320は、書込みデータ送信回路122の出力信号WDATAXをインバータ341に入力し、WDATAとして出力する。PMOSトランジスタ311のゲート端子はRENXとWDATAを入力とするORゲート343の出力信号RENX2に接続する。PMOSトランジスタ321のゲート端子はWENXとWDATAを入力とするORゲート342の出力信号WENX2に接続する。NMOSトランジスタ312のゲート端子はCLRとWDATAを入力とするANDゲート344の出力信号CLR2に接続する。
【0027】
次に、第2の実施の形態の不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路の動作について説明をする。
〔データ出力端子へのデータ1伝達〕
図4(a)にデータ出力端子DOUTへデータ1を伝達する動作のタイミングチャートを示す。テストモードが設定されるとテストモード信号φ3がHighになる。t<t1の期間はPMOSトランジスタ311のゲート端子RENX2はHighレベル、NMOSトランジスタ312のゲート端子CLR2はLowレベル、PMOSトランジスタ321のゲート端子WENX2はHighレベル、PMOSトランジスタ330のゲート端子MEMXはHighレベルであり、各スイッチは全てOFFしている。書込みデータ送信回路122の出力は不定である。データ出力端子DOUTは不定であるがラッチが保持しているHigh及びLowのどちらかのレベルに固定されている。
【0028】
t1<t<t2の期間で、WDATAXをHighレベルに設定する。インバータ341の動作により、WDATAはLowレベルに設定される。t2<t<t3の期間で、CLRをHighレベル、RENXとWENXをLowに設定する。ここで、ORゲート342、343の動作によりRENXとWENXは同じ論理の信号をRENX2、WENX2にそれぞれ出力するが、ANDゲート344の動作によりCLR2はLowレベルのままである。
【0029】
このため、PMOSトランジスタ311、321のみがそれぞれONするため、WDATAXのHighレベルがデータ出力端子DOUTへ伝達される。t>t3の期間で、CLRをLowレベル、RENXとWENXをHighレベルに設定し、RENX2とWENX2がHighレベルに設定されるが、データ出力端子DOUTのHighレベルはラッチ113の動作により保持される。WDATAXのデータは不定にしても良い。以上の動作により、不揮発性記憶素子へ書込みを行なわずにデータ出力端子DOUTへデータ1を伝達することができる。
【0030】
〔データ出力端子へのデータ0伝達〕
図4(b)にデータ出力端子へデータ0を伝達する動作のタイミングチャートを示す。t<t1の期間はデータ1伝達の場合と同じである。t1<t<t2の期間で、WDATAXをLowレベルに設定する。インバータ341の動作により、WDATAはHighレベルに設定される。
【0031】
t2<t<t3の期間で、CLRをHighレベル、RENXとWENXをLowに設定する。ここで、ANDゲート344の動作によりCLRは同じ論理の信号をCLR2にそれぞれ出力するが、ORゲート342、343の動作によりRENX2、WENX2はHighレベルのままである。このため、NMOSトランジスタ312のみがONするため、WDATAXのLowレベルがNMOSトランジスタ312を介してデータ出力端子DOUTへ伝達される。
【0032】
t>t3の期間で、CLRをLowレベル、RENXとWENXをHighレベルに設定し、CLR2がLowレベルに設定されるが、データ出力端子DOUTのLowレベルはラッチ113の動作により保持される。WDATAXのデータは不定にしても良い。以上の動作により、不揮発性記憶素子へ書込みを行なわずにデータ出力端子DOUTへデータ0を伝達することができる。
【0033】
こうして、不揮発性記憶素子へ書込みを行なわずにデータ出力端子DOUTへデータ0を伝達することができる。そして、このデータを用いてトリミング回路にて不揮発性記憶素子へ書込みを行なう前に書込み後の状態を作り出し、トリミング後の電気特性を測定してトリミング量が適切であるかを判断することができる。適切でない場合は補正を行なったデータを実際に書込むことで高精度なトリミングを実現することができる。また、ラッチ113をクリアする必要がないためデータの伝達時間を短縮することができる。
【0034】
本発明はこれらの実施の形態の例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様での実施が可能である。
【0035】
以上により、第二の実施形態の不揮発性記憶素子データ書込及び読出回路は、不揮発性記憶素子へ書込みを行なわずにデータ出力端子DOUTへデータ0を伝達することができる。そして、トリミング回路にて不揮発性記憶素子へ書込み後の状態を作り出し、電気特性を測定してトリミング量が適切であるかを判断し、適切でない場合は補正を行なったデータを実際に書込むことで高精度なトリミングを実現することができる。また、データの伝達時間を短縮することもできる。
【0036】
なお、本発明の半導体不揮発性記憶装置を、図8のトリミング回路のトリミングデータ記憶回路に適用すると、不揮発性記憶素子へ書込みを行なう前にトリミング後の状態を作り出すことが出来る。従って、トリミングする前に、トリミング後の電気特性を測定してトリミング量が適切であるかを判断することが出来るので、高精度なトリミングを実現することができる。
【符号の説明】
【0037】
100、500 PMOS型OTP素子
110、510 読出し回路
120、320、520 書込み回路
140、540 制御回路
113、513 ラッチ
122、522 書込みデータ送信回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8