(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電圧調整装置が、同一変化幅のステップ間隔で前記三相の線間電圧を降圧または昇圧することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電圧調整システム。
前記電圧調整段階は、同一変化幅のステップ間隔で前記三相の電圧を降圧または昇圧することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の電圧調整方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、単相負荷や単相負荷の性質を有する分散型電源が、三相のうち何れかの相に偏って接続された場合、三相の電圧が不平衡状態となる。三相の線路電流に不平衡が生じると線間電圧にも不平衡が生じる。不平衡が限度を超えると、需要家の受電地点における受電電圧が許容範囲から逸脱し、その結果、需要家の機器に悪影響を与える等の障害が発生するおそれがある。したがって、三相平衡の維持と電圧管理の両方を満足できるような配電線の電圧調整器及び電圧調整方法が望まれている。
【0009】
これに対して、特許文献1に開示されたような従来の電圧調整器においては、三相の電圧が不平衡であるにもかかわらず三相一括制御した場合、電圧調整器から出力される三相の電圧が何れの相も同じ割合で電圧調整される。したがって、従来の電圧調整器では、調整前の三相の電圧が不平衡状態にあれば調整後も不平衡状態を維持することとなり、三相電圧の不平衡を解消することはできない。
【0010】
例えば、ある1つの線間電圧が許容範囲を逸脱して著しく高い(低い)場合に、これを許容範囲内に収めるために、三相一括で大幅に下降(上昇)方向の制御をすることにより、他の線間電圧が許容範囲から低く(高く)外れてしまう場合がある。このように、三相一括制御では、配電系統の電圧不平衡が大きい場合、電圧不平衡に対する改善効果には限界がある。
【0011】
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、制御目標地点における三相配電線の線間電圧の電圧不平衡率を改善した後に三相一括の電圧制御を行うことにより、三相配電線の全ての線間電圧を既定の電圧管理幅内に効率的に収めることが可能な配電系統の電圧調整システム及び電圧調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る配電線の配電系統の電圧調整システムは、制御目標地点における三相配電線の線間に現れる三相の線間電圧の大きさを調整して、該線間電圧を既定の電圧管理幅に収める電圧調整システムであって、前記制御目標地点における前記三相の線間電圧の電圧不平衡率が所定の基準値より大であるか否かを判断し、該電圧不平衡率が該基準値より大であると判断した場合には、第1の所定時間経過後に該三相の線間電圧の中から選定した線間電圧を降圧または昇圧し、これにより、該制御目標地点における該電圧不平衡率を該基準値以下に収める調整を行う電圧不平衡率改善装置と、前記制御目標地点における前記三相の線間電圧の中で前記電圧管理幅から外れているものがあるか否かを判断し、該三相の線間電圧の中で該電圧管理幅から外れているものがあると判断した場合には、前記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間経過後に該三相の線間電圧を一括して降圧または昇圧して前記電圧管理幅に収める調整を行う電圧調整装置とを備えることを特徴とする。
【0013】
この電圧調整システムによると、三相一括の電圧制御を行う電圧調整装置と、制御目標地点における電圧不平衡率を改善する電圧不平衡率改善装置を協調させる制御を行うことにより、三相配電線の線間に現れる三相の電圧の不平衡を是正することができるとともに、基準電圧±許容幅内に電圧を収める電圧管理を行うことができる。
【0014】
この電圧調整システムは、前記電圧不平衡率改善装置が、前記電圧不平衡率を算出する電圧不平衡率算出部と、前記電圧不平衡率が前記基準値以下であるか否かを判断する電圧不平衡率判断部と、前記電圧不平衡率判断部により前記電圧不平衡率が前記基準値よりも大であると判断されたことを条件として、前記三相の線間電圧の中の最大の線間電圧を選定する線間電圧選定部と、前記線間電圧選定部により選定された前記最大の線間電圧を降圧して前記電圧不平衡率を前記基準値以下に収める電圧不平衡率調整部とを備えていてもよい。
【0015】
この電圧調整システムによると、家庭用太陽光発電システム等をはじめとする分散型電源の普及によって、三相の電圧の不平衡が生じやすい配電環境において、効率的に電圧不平衡の是正を行うことができる。
【0016】
この電圧調整システムは、前記電圧不平衡率改善装置が、前記電圧不平衡率を算出する電圧不平衡率算出部と、前記電圧不平衡率が前記基準値以下であるか否かを判断する電圧不平衡率判断部と、前記電圧不平衡率判断部により前記電圧不平衡率が前記基準値よりも大であると判断されたことを条件として、前記三相の線間電圧の中の最小の線間電圧を選定する線間電圧選定部と、前記線間電圧選定部により選定された前記最小の線間電圧を昇圧して前記電圧不平衡率を前記基準値以下に収める電圧不平衡率調整部とを備えていてもよい。
【0017】
この電圧調整システムによると、家庭用太陽光発電システム等をはじめとする分散型電源の普及によって、三相の電圧の不平衡が生じやすい配電環境において、効率的に電圧不平衡の是正を行うことができる。
【0018】
この電圧調整システムは、前記電圧調整装置が、前記制御目標地点における前記三相の線間電圧のそれぞれを計測する線間電圧計測部と、前記電圧不平衡率が前記基準値以下であることを条件として、前記線間電圧計測部によって計測された前記三相の線間電圧の中に前記電圧管理幅から外れているものがあるか否かを判断する線間電圧判断部と、線間電圧判断部により前記三相の線間電圧の中に前記電圧管理幅から外れているものがあると判断された場合に、三相の線間電圧を一括して降圧または昇圧する三相一括電圧変換部とを備えていてもよい。
【0019】
この電圧調整システムによると、電圧不平衡率が基準値以下である場合にのみ三相一括の電圧制御を行うことにより、全ての線間電圧を既定の電圧管理幅内に効率的に収めることができる。
【0020】
この電圧調整システムでは、電圧調整装置が、同一変化幅のステップ間隔で前記三相の線間電圧を降圧または昇圧するようにしてもよい。
【0021】
この電圧調整システムによると、同一変化幅のステップ間隔で線間電圧の昇圧・降圧を制御することにより、効率的な電圧管理を行うことができる。
【0022】
この電圧調整システムでは、前記電圧管理幅は、基準電圧±許容幅によって設定されてもよい。
【0023】
この電圧調整システムによると、電圧管理幅を基準電圧±許容幅によって設定することにより確実に電圧管理を行うことができる。
【0024】
また、本発明に係る配電系統の電圧調整方法は、制御目標地点における三相配電線の線間に現れる三相の線間電圧の大きさを調整して、該線間電圧を既定の電圧管理幅に収める電圧調整方法であって、前記制御目標地点における前記三相の線間電圧の電圧不平衡率が所定の基準値より大であるか否かを判断し、該電圧不平衡率が該基準値より大であると判断した場合には、第1の所定時間経過後に該三相の線間電圧の中から選定した線間電圧を降圧または昇圧し、これにより、該制御目標地点における該電圧不平衡率を該基準値以下に収める調整を行う電圧不平衡率改善段階と、前記制御目標地点における前記三相の線間電圧の中で前記電圧管理幅から外れているものがあるか否かを判断し、該三相の線間電圧の中で該電圧管理幅から外れているものがあると判断した場合には、前記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間経過後に該三相の線間電圧を一括して降圧または昇圧して前記電圧管理幅に収める調整を行う電圧調整段階とを含むことを特徴とする。
【0025】
この電圧調整方法によると、三相一括の電圧制御を行う電圧調整段階と、制御目標地点における電圧不平衡率を改善する電圧不平衡率改善段階を協調させる制御を行うことにより、三相配電線の線間に現れる三相の電圧の不平衡を是正することができるとともに、基準電圧±許容幅内に電圧を収める電圧管理を行うことができる。
【0026】
この電圧調整方法は、前記電圧不平衡率改善段階が、前記電圧不平衡率を算出する電圧不平衡率算出段階と、前記電圧不平衡率が前記基準値以下であるか否かを判断する電圧不平衡率判断段階と、前記電圧不平衡率判断段階により前記電圧不平衡率が前記基準値よりも大であると判断されたことを条件として、前記三相の線間電圧の中の最大の線間電圧を選定する線間電圧選定段階と、前記線間電圧選定段階により選定された前記最大の線間電圧を降圧して前記電圧不平衡率を前記基準値以下に収める電圧不平衡率調整段階とを含むものであってもよい。
【0027】
この電圧調整方法によると、家庭用太陽光発電システム等をはじめとする分散型電源の普及によって、三相の電圧の不平衡が生じやすい配電環境において、効率的に電圧不平衡の是正を行うことができる。
【0028】
この電圧調整方法では、前記電圧不平衡率改善段階が、前記電圧不平衡率を算出する電圧不平衡率段階と、前記電圧不平衡率が前記基準値以下であるか否かを判断する電圧不平衡率判断段階と、前記電圧不平衡率判断段階により前記電圧不平衡率が前記基準値よりも大であると判断されたことを条件として、前記三相の線間電圧の中の最小の線間電圧を選定する線間電圧選定段階と、前記線間電圧選定段階により選定された前記最小の線間電圧を昇圧して前記電圧不平衡率を前記基準値以下に収める電圧不平衡率調整段階とを含むものであってもよい。
【0029】
この電圧調整方法によると、家庭用太陽光発電システム等をはじめとする分散型電源の普及によって、三相の電圧の不平衡が生じやすい配電環境において、効率的に電圧不平衡の是正を行うことができる。
【0030】
この電圧調整方法は、前記電圧調整段階が、前記制御目標地点における前記三相の線間電圧のそれぞれを計測する線間電圧計測段階と、前記電圧不平衡率が前記基準値以下であることを条件として、前記線間電圧計測段階によって計測された前記三相の線間電圧の中に前記電圧管理幅から外れているものがあるか否かを判断する線間電圧判断段階と、線間電圧判断段階により前記三相の線間電圧の中に前記電圧管理幅から外れているものがあると判断された場合に、三相の線間電圧を一括して降圧または昇圧する三相一括電圧変換段階とを含むものであってもよい。
【0031】
この電圧調整方法によると、電圧不平衡率が基準値以下である場合にのみ三相一括の電圧制御を行うことにより、全ての線間電圧を既定の電圧管理幅内に効率的に収めることができる。
【0032】
また、この電圧調整方法では、前記電圧調整段階が、同一変化幅のステップ間隔で前記三相の電圧を降圧または昇圧するようにしてもよい。
【0033】
この電圧調整方法によると、同一変化幅のステップ間隔で線間電圧の昇圧・降圧を制御することにより、効率的な電圧管理を行うことができる。
【0034】
また、この電圧調整方法では、前記電圧管理幅は、基準電圧±許容幅によって設定されてもよい。
【0035】
この電圧調整方法によると、電圧管理幅を基準電圧±許容幅によって設定することにより確実に電圧管理を行うことができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、制御目標地点における三相配電線の線間電圧の電圧不平衡率を改善した後に三相一括の電圧制御を行うことにより、三相配電線の全ての線間電圧を既定の電圧管理幅内に効率的に収めることが可能な配電系統の電圧調整システム及び電圧調整方法を提供することができる。
【0037】
本発明によれば、三相一括の電圧制御を行う電圧調整装置と、制御目標地点における電圧不平衡率を改善する電圧不平衡率改善装置を協調させる制御を行うことにより、三相配電線の線間に現れる三相の電圧の不平衡を是正することができるとともに、基準電圧±許容幅内に電圧を収める電圧管理を行うことができ、これにより、障害の発生を未然に防止する配電系統の電圧調整システム及び電圧調整方法を提供することができる。
【0038】
本発明によれば、家庭用太陽光発電システム等をはじめとする分散型電源の普及によって、三相の電圧の不平衡が生じやすい配電環境において有用な配電系統の電圧調整システム及び電圧調整方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
<モデル100>
以下、本発明の実施の形態に係る電圧調整システムについて、
図1に示す配電系統モデル100(以下、単に「モデル100」という)を用いたシミュレーションにより、その有用性の検証を行ったので、図面を参照して説明する。
【0041】
モデル100は、電力供給源20からフィーダ30を経由して各需要家1〜10に、三相交流6.7kVを配電する配電系統である。フィーダ30には、電力供給源20に最も近い需要家1から数字の順に遠隔となる需要家10までの負荷が接続されている。需要家1〜10にはそれぞれフィーダ30から不図示の柱上変圧器等を介して電力が供給される。フィーダ30は、説明の便宜上、需要家1〜3に接続された部分をフィーダ31と称し、需要家4〜10に接続された部分をフィーダ32と称する。
【0042】
周知のように、フィーダ30には長さに比例した電気抵抗があるため、フィーダ30に、フィーダ30を流れる電流に比例した電圧降下が発生することは避けられない。このため、電力供給源20は、フィーダ30やその他不図示の介在設備における電圧降下分を予め上乗せした高めの電圧6.7kV前後をフィーダ30に給電する。こうすることにより、柱上変圧器のタップを適切に選択することで、需要家へ電気事業法で定められている101±6Vの電圧を供給することが可能となる。
【0043】
上述した理由により、公称6.6kVの配電系統であっても、電力供給源20は、予め6.7kV前後に設定された高めの電圧をフィーダ30に給電する。さらに、柱上変圧器のタップで対応ができない電圧降下に対しては、フィーダ30の途中で電圧降下した分を補うため、フィーダ30の途中に例えばSVRやLRTなどからなる電圧調整装置22を介在させて適宜昇圧補正をする。すなわち、電圧調整装置22は、降下した電圧を柱上変圧器のタップを適切に選択することで、遠隔地にある需要家へ101±6Vの電圧を供給することが可能となる程度まで昇圧してフィーダ30に給電する。このようにして、電力供給源20から、ある程度の送電ロスを含んで送出される電力であっても、遠隔地にある需要家10に101±6Vの範囲内の電圧を供給できるようにしている。
【0044】
なお、配電系統におけるフィーダ30の末端にある需要家10の位置では、公称6.6kVからさらに電圧降下した低い電圧で受電することが想定されている。そこで、柱上変圧器のタップを6,450Vとし、変圧比を6,450/105Vとすることで低圧側で101±6Vの電圧を受電することが可能となる。ここで、モデル100の公称100Vの低圧側における電圧降下は、柱上変圧器で2.0V、低圧幹線で3.0V、低圧引込線で3.0Vを見込んでいる。
【0045】
電圧調整装置22は、フィーダ30の途中、すなわち、フィーダ31とフィーダ32との間に介挿されている。フィーダ31はフィーダ30のうち電力供給源20に近い側にあり、それには需要家1〜3が接続されている。フィーダ32はフィーダ30のうち電力供給源20から遠い側にあり、それには需要家4〜10が接続されている。
【0046】
<電圧調整システム>
図1,2に沿って、本発明の実施形態に係る電圧調整システム200の構成を説明する。
図2に示すように、電圧調整システム200は、制御目標地点としての需要家10の位置に設置される電圧不平衡率改善装置21と、需要家3と需要家4の間に設置される電圧調整装置22とを備える。
【0047】
<電圧不平衡率改善装置>
図2に示すように、電圧不平衡率改善装置21は、フィーダ32から電力を受けるようになっており、制御手段210により主要部が構成されている。
【0048】
制御手段210は、制御目標地点における三相の線間電圧の電圧不平衡率を算出する電圧不平衡率算出部211と、電圧不平衡率算出部211によって算出された電圧不平衡率が所定の基準値以下であるか否かを判断する電圧不平衡率判断部212と、電圧不平衡率判断部212により電圧不平衡率が基準値よりも大であると判断されたことを条件として、三相の線間電圧の中から電圧調整の対象となる線間電圧を選定する線間電圧選定部213と、線間電圧選定部213により選定された線間電圧を降圧または昇圧して電圧不平衡率を基準値以下に収める調整を行う電圧不平衡率調整部214とを備える。
【0049】
後述するように、電圧不平衡率の基準値は、電圧調整装置22による三相一括制御で全ての線間電圧が電圧管理幅に収まる値として選定されている。
【0050】
電圧不平衡率調整部214は、表1に示すように、制御目標地点において電圧上昇が確認できる場合には、最大の線間電圧をもたらす2相間に必要に応じてリアクトルを投入するようになっている。
【表1】
【0051】
ここで、制御目標地点において電圧上昇が確認できる場合とは、例えば、配電系統に太陽光発電システムなどの分散型電源が接続されている場合や、深夜等に需要家が軽負荷となった場合に送電線の対地容量などのコンデンサ成分に応じてフェランチ現象が生じる場合などを想定している。
【0052】
これに対して、制御目標地点において電圧低下が確認できる場合には、電圧不平衡率調整部214は、最小の線間電圧をもたらす2相間に必要に応じてコンデンサを投入するようになっている。
【0053】
ここで、制御目標地点において電圧低下が確認できる場合とは、例えば、配電系統に太陽光発電システムなどの分散型電源が接続されておらず、またフェランチ現象も生じない場合で需要家の負荷の状況が重負荷の場合を想定している。このような場合には、配電系統の末端にある制御目標地点で電圧低下が生じていると考えられる。
【0054】
ここで、三相の線間電圧及び相電圧の関係を説明する。三相平衡状態においては、三相電圧のab相間に単相リアクトルが投入された場合、a相の電圧は大きさが低下して位相が遅れ、b相の電圧は大きさが低下して位相が進む。これを線間電圧で確認すると、線間電圧の大小関係は、線間電圧ab<線間電圧ca≒線間電圧bcとなる。この法則を利用すれば、不平衡状態においては線間電圧のうち大きさが最大のものを低下させることで、電圧不平衡率を改善することができる。
【0055】
図3は、制御目標地点の三相の線間電圧及び相電圧の関係を説明するためのベクトル図である。
図3において、ab,bc,caは制御目標地点における不平衡状態の三相配線の線間電圧をベクトル表示したものであり、oa,ob,ocは相電圧をベクトル表示したものである。また、a'b',b'c',c'a'は、電圧不平衡率改善装置21により電圧不平衡率が改善された後の制御目標地点における三相配線の線間電圧をベクトル表示したものであり、oa',ob',oc'は相電圧をベクトル表示したものである。
【0056】
図3に示すように、三相電圧のab相間に単相リアクトルが投入された場合、相電圧oaは相電圧oa'まで大きさが低下して位相が遅れ、相電圧obは相電圧ob'まで大きさが低下して位相が進む。これにより、線間電圧abは線間電圧a'b'まで小さくなる。上記の三相平衡状態の場合と同様に、
図3の例においても線間電圧abの減少量は他の線間電圧よりも大きくなる。これにより、電圧不平衡率が改善される。
【0057】
<電圧調整装置>
図2に示すように、電圧調整装置22は、フィーダ31から電力を受け、フィーダ32に電力を出力するようになっており、制御手段220により主要部が構成されている。制御手段220は、線間電圧計測部221と線間電圧判断部222と三相一括電圧変換部223とを備える。
【0058】
電圧調整装置22は、単相変圧器あるいは単相の単巻変圧器(以下、「単相の単巻変圧器」という)を複数用いてY型に三相結線したもの、三相変圧器、あるいは半導体スイッチによってデジタル的に電圧調整する機器である。例えば、Y型に三相結線された単相の単巻変圧器に、各相の電圧を昇圧または降圧の同一の方向に同程度で同時に調整する制御を行う制御装置を備えて三相一括制御を可能にしている。
【0059】
電圧調整装置22を構成する単相の単巻変圧器は、周知のように不図示の切換タップ付単巻変圧器のタップを最適選択して切換制御することにより、所望のステップで電圧を調整することを可能にしている。
【0060】
本実施形態では、同一変化幅のステップ間隔で三相の線間電圧を降圧または昇圧する方法を採用している。本実施形態では、1ステップ電圧は100Vである。
【0061】
線間電圧計測部221は、制御目標地点における各相間の線間電圧のそれぞれを計測可能な構成となっている。線間電圧判断部222は、制御目標地点における電圧不平衡率が上記基準値以下であることを条件として、線間電圧計測部221によって計測された制御目標地点の線間電圧で予め設定された電圧管理幅から外れているものがあるか否かを判断するようになっている。さらに、線間電圧判断部222は、最も電圧管理幅を逸脱した線間電圧が電圧管理幅から逸脱している方向を特定するようになっている。
【0062】
三相一括電圧変換部223は、線間電圧判断部222により制御目標地点の線間電圧で電圧管理幅から外れているものがあると判断された場合に、三相の線間電圧を一括して昇圧または降圧して電圧管理幅に収めるようになっている。
【0063】
<電圧不平衡率改善方法>
図4は、本発明の実施形態に係る電圧調整システム200が備える電圧不平衡率改善装置21で実行される三相配線の電圧不平衡率改善方法を示すフローチャートである。なお、以下では電圧不平衡率調整部214がリアクトルを有するものとして説明する。
【0064】
ステップS1では、電圧不平衡率改善装置21の制御手段210は、制御目標地点の電圧不平衡率の基準値と、電圧不平衡率の調整に関する動作整定時間(第1の所定時間)の定義をする。例えば、制御目標地点を
図1に示す需要家10の位置とする。また、表2に示すように、制御目標地点の電圧不平衡率の基準値ref_1を例えば1.2%とし、動作整定時間Δt1を15(s)とする。
【0065】
後述するように、動作整定時間Δt1とは、電圧不平衡率改善装置21が基準値ref_1より大きい電圧不平衡率を検出した時点から、電圧不平衡率改善のための線間電圧の調整を開始する時点までの時間である。
【0066】
また、一度に投入される単相リアクトルの容量を100kVarとし、投入される単相リアクトルの最大容量を200kVarとする。すなわち、投入されるリアクトルの合計は、0kVar,100kVar,200kVarのいずれかとなる。なお、これらの値はあくまで一例であり、実際の電圧調整システム200においては、一度に投入される単相リアクトルの容量や投入回数が上記と異なっていてもよい。
【表2】
【0067】
次に、ステップS2では、制御手段210の電圧不平衡率算出部211は、数1に従って制御目標地点の電圧不平衡率Vkを算出する。
【数1】
【0068】
さらに、ステップS2では、制御手段210の電圧不平衡率判断部212は、制御目標地点の電圧不平衡率が基準値ref_1よりも大きいか否かを判断する。制御目標地点の電圧不平衡率が基準値ref_1よりも大きい場合には、制御手段210は逸脱フラグをオンとし(ステップS3)、ステップS5の処理に進む。一方、制御目標地点の電圧不平衡率が基準値ref_1以下である場合には、制御手段210は逸脱フラグをオフとし(ステップS4)、再びステップS2の処理を実行する。
【0069】
次に、ステップS5では、制御手段210は、逸脱フラグがオンとなっている場合に、逸脱フラグがステップS3でオンとなってから動作整定時間Δt1が経過したか否かを判断する。逸脱フラグがオンとなってから動作整定時間Δt1が経過した場合には、制御手段210は、ステップS6の処理に進む。一方、逸脱フラグがオンとなってから動作整定時間Δt1が経過していない場合には、制御手段210は再びステップS5の処理を実行する。
【0070】
次に、ステップS6では、制御手段210の線間電圧選定部213は、線間電圧ab,bc,caのうち最大の線間電圧を選定する。
【0071】
次に、制御手段210の電圧不平衡率調整部214は、線間電圧選定部213によって選定された最大の線間電圧が線間電圧abである場合には100kVarの単相リアクトルをab相に投入し(ステップS7)、線間電圧選定部213によって選定された最大の線間電圧が線間電圧bcである場合には100kVarの単相リアクトルをbc相に投入し(ステップS8)、線間電圧選定部213によって選定された最大の線間電圧が線間電圧caである場合には100kVarの単相リアクトルをca相に投入する(ステップS9)。そして、制御手段210は再びステップS2の処理を実行する。
【0072】
なお、
図4のフローチャートでは、制御目標地点において電圧上昇が確認できる場合を想定している(表1参照)。制御目標地点において電圧低下が確認できる場合には、ステップS6の処理を、制御手段210の線間電圧選定部213が線間電圧ab,bc,caのうち最小の線間電圧を選定する処理に置き換える。また、ステップS7〜S9の処理を、コンデンサを各相間に投入する処理に置き換える。
【0073】
なお、上記の説明では、ステップS7〜S9において、リアクトルまたはコンデンサが各相間に投入されるとしたが、状況に応じて投入されたリアクトルまたはコンデンサが開放されてもよい。例えば、制御目標地点において電圧上昇が確認できる場合においては、既に投入されたコンデンサを解放することによっても、線間電圧を低下させることが可能である。
【0074】
同様に、制御目標地点において電圧低下が確認できる場合においては、既に投入されたリアクトルを解放することによっても、線間電圧を上昇させることが可能である。
【0075】
<三相一括制御>
図5は、本発明の実施形態に係る電圧調整システム200が備える電圧調整装置22で実行される三相配線の電圧調整方法を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS21では、電圧調整装置22の制御手段220は、制御目標地点の基準電圧及びその許容幅と、三相一括制御に関する動作整定時間(第2の所定時間)の定義をする。制御目標地点は既に述べたように
図1に示す需要家10の位置とする。また、表3に示すように、制御目標地点の基準電圧ref_2を例えば6,450(V)、許容幅tolを基準電圧の±1.5%の±96.75V、動作整定時間Δt2を50(s)とする。また、1ステップの電圧調整幅を100Vとする。
【0077】
後述するように、動作整定時間Δt2とは、電圧調整装置22が電圧管理幅から外れた線間電圧を検出した時点から、三相一括の電圧制御を開始する時点までの時間である。
【表3】
【0078】
次に、ステップS22では、制御手段220の線間電圧計測部221は、制御目標地点における各相間の線間電圧ab,bc,caのそれぞれを計測する。そして、制御手段220の線間電圧判断部222は、制御目標地点の線間電圧ab,bc,caのうち電圧管理幅、すなわち基準電圧ref_2±許容幅tolの範囲から外れているものがあるか否かを判断する。
【0079】
制御目標地点の線間電圧ab,bc,caのうち電圧管理幅から外れているものがある場合には、制御手段220は逸脱フラグをオンとし(ステップS23)、ステップS25の処理に進む。一方、制御目標地点の線間電圧ab,bc,caのいずれも電圧管理幅から外れていない場合には、制御手段220は逸脱フラグをオフとし(ステップS24)、再びステップS22の処理を実行する。
【0080】
次に、ステップS25では、制御手段220は、逸脱フラグがオンとなっている場合に、逸脱フラグがステップS23でオンとなってから動作整定時間Δt2が経過したか否かを判断する。逸脱フラグがオンとなってから動作整定時間Δt2が経過していない場合には、制御手段220は再びステップS25の処理を実行する。一方、逸脱フラグがオンとなってから動作整定時間Δt2が経過した場合には、制御手段220は、ステップS26の処理に進む。
【0081】
ここで、三相一括制御に関する動作整定時間Δt2は、電圧不平衡率の調整に関する動作整定時間Δt1よりも十分長く設定されている。これにより、ステップS25で動作整定時間Δt2のカウントが行われている間に、線間電圧の電圧不平衡率が基準値以下に調整されることとなる。
【0082】
次に、ステップS26では、制御手段220の線間電圧判断部222は、最も電圧管理幅を逸脱した線間電圧、すなわち基準電圧ref_2との差の絶対値が最も大きい線間電圧について、電圧管理幅から逸脱している方向を選定する。
【0083】
次に、制御手段220の三相一括電圧変換部223は、線間電圧判断部222によって選定された逸脱方向が電圧管理幅の上限側、すなわち最も電圧管理幅を逸脱した線間電圧から基準電圧ref_2を減算した値が正である場合には1タップ降圧側にタップ切換を行う(ステップS27)。
【0084】
一方、線間電圧判断部222によって選定された逸脱方向が電圧管理幅の下限側、すなわち最も電圧管理幅を逸脱した線間電圧から基準電圧ref_2を減算した値が負である場合には、制御手段220の三相一括電圧変換部223は1タップ昇圧側にタップ切換を行う(ステップS28)。そして、制御手段220は再びステップS22の処理を実行する。
【0085】
なお、ステップS25の処理の後に、ステップS29として、制御手段220の線間電圧判断部222が、制御目標地点の線間電圧ab,bc,caのうち電圧管理幅から外れているものがあるか否かを再び判断する処理を追加してもよい。ここでステップS22と同様の処理を繰り返す理由は、ステップS25で動作整定時間Δt2のカウントが行われている間に電圧不平衡率が基準値以下に調整されることにより、全ての線間電圧が電圧管理幅に収まる場合があるからである。
【0086】
制御目標地点の線間電圧ab,bc,caのうち電圧管理幅から外れているものがある場合には、制御手段220はステップS26の処理に進む。一方、制御目標地点の線間電圧ab,bc,caのいずれも電圧管理幅から外れていない場合には、制御手段220は逸脱フラグをオフとし(ステップS24)、再びステップS22の処理を実行する。
【0087】
以上、
図4,5のフローチャートを参照しながら説明したように、本発明では電圧不平衡率の改善が三相一括の電圧制御に先立って行われることが重要である。そして、これを実現するために、
図4のフローチャートのステップS5と
図5のフローチャートのステップS25においては、動作整定時間Δt1を動作整定時間Δt2よりも短く設定することで、電圧不平衡率改善装置21による電圧不平衡率の改善と、電圧調整装置22による三相一括の電圧制御の協調を取っている。
【0088】
また、別の方法として、専用線を用いた通信を利用して、電圧不平衡率改善装置21と電圧調整装置22の動作の協調を取ることも考えられる。この場合のフローチャートを
図6,7に示す。
【0089】
図6のフローチャートは、ステップS21〜S24,S26〜S29の処理については
図5のフローチャートと同様であり、これらステップS21〜S24,S26〜S29の処理は電圧調整装置22の制御手段220により実行される。なお、
図6のフローチャートのステップS30の処理は、
図5のフローチャートのステップS25の処理を
図7のフローチャートの処理に置き換えたものであり、電圧不平衡率改善装置21の制御手段210によって実行される。
【0090】
また、
図7のフローチャートは、ステップS1〜S3,S5〜S9の処理については
図4のフローチャートと同様であり、これらステップS1〜S3,S5〜S9の処理は電圧不平衡率改善装置21の制御手段210により実行される。なお、ステップS2で、制御目標地点の電圧不平衡率が基準値ref_1以下となった場合には、処理を終了して、電圧調整装置22の制御手段220により実行される
図5のフローチャートの処理に戻るようになっている。
【0091】
これにより、動作整定時間に差を設ける
図4,5のフローチャートに示した方法と同様の効果を得られるが、コストやメンテナンス性を考慮に入れると、専用線を用いた通信を利用する
図6,7の方法よりも動作整定時間に差を設ける
図4,5の方法がより望ましい。
【0092】
<モデル100のシミュレーション>
次に、
図1に示すモデル100に具体的な数値を代入してシミュレーションを進める。モデル100では、需要家1〜10の一部には、三相配電系統に対して大きく偏った単相負荷の電力需要がある。このため、モデル100における三相の電圧には、許容範囲を逸脱する不平衡が生じている。このため、電圧調整システム200は、不平衡を改善することと、電圧を管理することの両方に対応することとなる。
【0093】
モデル100において、電力供給源20は、6.7kVの系統電源であり、系統の背後インピーダンスはj0.389Ωである。この電力供給源20は、フィーダ30の全長4.0kmにわたって0.5kmごとの等間隔に接続された需要家1〜10に配電している。需要家1〜9には300kWの平衡した三相負荷が接続されている。需要家10には太陽光発電(PV)システムがbc線間に360kW、ca線間に310kWが接続されている。
【0094】
また、既に述べたように、電圧調整装置22は、需要家3と需要家4の間に設置され、電圧不平衡率改善装置21は需要家10の位置に設置される。制御目標地点は需要家10の位置である。
【0095】
需要家10の柱上変圧器の変圧比は6,450/105Vであり、低圧側の電圧降下は、以下のとおりである。
【0096】
柱上変圧器:2.0V
低圧幹線:3.0V
低圧引込線:3.0V
これにより、低圧側の電圧管理幅101±6Vを高圧側に換算すると、6,327V〜6,573Vとなる。
【0097】
シミュレーションによる電圧不平衡率改善装置21の設定条件と、電圧調整装置22の設定条件は、それぞれ表2と表3に既に示したとおりである。電圧不平衡率改善装置21の動作整定時間Δt1が電圧調整装置22の動作整定時間Δt2よりも短く設定されることにより、電圧不平衡率の改善が三相一括の電圧制御よりも先に実行される設定となっている。
【0098】
次に、シミュレーション結果を説明する。
図8は各需要家の線間電圧分布の電圧調整前の初期状態のシミュレーション結果を示すグラフである。
図8に示されているように、制御目標地点となる需要家10の位置では、線間電圧bcと線間電圧caが電圧管理幅の上限を逸脱している。また、制御目標地点の電圧不平衡率は1.9%である。
【0099】
ここで、三相一括制御の電圧調整装置22のみを用いて制御目標地点の電圧制御を行う場合には、降圧側にタップ切換を行って線間電圧caと線間電圧bcを電圧管理幅に収めるように制御することになるが、その場合にはab線間電圧が電圧管理幅の下限を逸脱してしまう。このように、制御目標地点での最大の線間電圧と最小の線間電圧との差が大きい場合には、制御目標地点の電圧不平衡率を改善しないことには、全ての線間電圧を電圧管理幅に収めることができないことが分かる。
【0100】
図9は、電圧不平衡率改善装置21を用いて、電圧不平衡率を基準値以下に改善した後、電圧調整装置22を用いて電圧制御を行った場合のシミュレーション結果を示すグラフである。制御目標地点の全ての線間電圧が電圧管理幅内に制御できていることが確認できる。このときの電圧不平衡率は1.0%である。
【0101】
ここで、表2に示したように、電圧不平衡率改善装置21の同一相への投入リアクトル容量は、1回目は100kVar、2回目は100kVarを追加するものとしている。ただし、1回目のリアクトルの投入で電圧不平衡率が基準値以下に改善された場合には、2回目のリアクトルの投入は行われない。また、電圧不平衡率の基準値の1.2%は、三相一括制御で全ての線間電圧が電圧管理幅に収まる値として選定されている。
【0102】
図10は、制御目標地点の電圧変化のシミュレーション結果を示すグラフである。
図10のグラフの左側の破線で囲って示した領域(15s付近)で1回目の単相リアクトルの投入が行われ、中央の破線で囲って示した領域(30s付近)で2回目の単相リアクトルの投入が行われている。これにより、制御目標地点の電圧不平衡率が基準値以下に改善される。
【0103】
さらに、
図10のグラフの右側の破線で囲って示した領域(50s付近)で、三相一括の電圧制御が行われている。この三相一括制御後は、全ての相の線間電圧が電圧管理幅に収まることがグラフから確認できる。
【0104】
このように、電圧上昇と電圧不平衡が顕在化している配電系統においては、電圧制御及び電圧不平衡の改善は、電圧調整装置22の出力を三相一括で制御することでは対応が困難である。しかしながら、電圧調整装置22と電圧不平衡率改善装置21を協調させる制御を行うことにより、定常的に配電系統の電圧制御及び電圧不平衡率の改善ができることをシミュレーションは示した。
【0105】
なお、本実施形態におけるモデル100は、
図1に示したように、単一の電力供給源20から一方向に配電する配電系統であるが、このモデル100は一例に過ぎない。本発明に係る配電系統の電圧調整システム及び電圧調整方法は、分散型電源が不平衡配置され、逆潮流等による影響も含まれている配電系統に適用可能である。例えば、家庭用太陽光発電システムから得られた単相電力を、配電系統の三相のうちいずれか一相に逆潮流させて生じた不平衡を改善するような場合にも好適である。
【0106】
さらに、電圧調整装置22の1ステップの電圧調整幅は予め定められた固定幅100Vであるが、固定幅100Vに限定されることなく、状況に応じて最適な電圧調整幅を設定できるように制御してもよい。電圧調整幅には無段階も含めるものとする。
【0107】
なお、本実施形態において電圧調整装置22には、主要構成部に単相の単巻変圧器を用いているが、これに限定される必要はなく、半導体で構成された同等機能のものでも構わない。そのような半導体装置により、上述したステップ電圧の電圧幅を任意の無段階に設定してもよい。
【0108】
以上説明したように、本発明によれば、三相一括の電圧制御を行う電圧調整装置と、制御目標地点における電圧不平衡率を改善する電圧不平衡率改善装置を協調させる制御を行うことにより、三相配電線の線間に現れる三相の電圧の不平衡を是正することができるとともに、基準電圧±許容幅内に電圧を収める電圧管理を行うことができ、これにより、障害の発生を未然に防止する配電系統の電圧調整システム及び電圧調整方法を提供することができる。
【0109】
特に、本発明によれば、家庭用太陽光発電システム等をはじめとする分散型電源の普及によって三相の電圧の不平衡が生じやすい配電環境において有用な配電系統の電圧調整システム及び電圧調整方法を提供することができる。