特許第6012506号(P6012506)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6012506車両用クーリングファンモータ・インバータシステム及びその制御方法並びにプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012506
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】車両用クーリングファンモータ・インバータシステム及びその制御方法並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/32 20060101AFI20161011BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   B60H1/32 613P
   B60R16/02 645Z
   B60R16/02 650A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-33581(P2013-33581)
(22)【出願日】2013年2月22日
(65)【公開番号】特開2014-162307(P2014-162307A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2016年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】313000645
【氏名又は名称】三菱重工オートモーティブサーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(72)【発明者】
【氏名】中野 浩児
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敦
(72)【発明者】
【氏名】上谷 洋行
【審査官】 二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−182114(JP,A)
【文献】 特開2005−69160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01P 7/04
F01P 5/04
B60H 1/32
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載の熱交換器に空気を供給するクーリングファンを駆動する三相モータを制御する車両用クーリングファンモータ・インバータシステムであって、
スイッチング素子を有し、高電圧電源から供給される直流電力を三相交流電力に変換し、前記三相モータに電力供給するモータ制御装置と、
前記モータ制御装置を制御する第1制御手段と、
低電圧電源から供給される電力によって作動し、当該車両用クーリングファンモータ・インバータシステムから見て上位側となる車両側の第2制御手段と情報を授受する通信制御手段と、
前記低電圧電源から電力が供給される低電圧系統と、前記高電圧電源から電力が供給される高電圧系統とを電気的に絶縁させる絶縁手段と、
を具備し、
前記第1制御手段は、前記スイッチング素子に異常が検出された場合に、前記通信制御手段を介して、前記第2制御手段に対して、前記三相モータの制御に異常がある旨を通知する異常情報を出力する車両用クーリングファンモータ・インバータシステム。
【請求項2】
前記低電圧電源から供給される電力によって作動し、デューティに応答してPWM(pulse width modulation)制御を行って、前記モータ制御装置の前記スイッチング素子を制御するPWM制御手段を具備し、
前記第1制御手段は、前記PWM制御手段及び前記通信制御手段のうち少なくともどちらか一方を介して、前記三相モータの回転数指示を取得する請求項1に記載の車両用クーリングファンモータ・インバータシステム。
【請求項3】
前記モータ制御装置の前記スイッチング素子の温度値、電流値、及び電圧値のうち少なくともいずれか一を計測し、出力する計測手段と、
前記第1制御手段は、前記計測手段から取得した前記温度値、電流値、及び電圧値のうち少なくともいずれか一に基づいて、前記スイッチング素子の異常有無を判定する判定手段を具備する請求項1または請求項2に記載の車両用クーリングファンモータ・インバータシステム。
【請求項4】
車載の熱交換器に空気を供給するクーリングファンを駆動する三相モータを制御する車両用クーリングファンモータ・インバータシステムの制御方法であって、
前記車両用クーリングファンモータ・インバータシステムは、スイッチング素子を有し、高電圧電源から供給される直流電力を三相交流電力に変換し、前記三相モータに電力供給するモータ制御装置と、前記モータ制御装置を制御する第1制御手段と、低電圧電源から供給される電力によって作動し、当該車両用クーリングファンモータ・インバータシステムから見て上位側となる車両側の第2制御手段と情報を授受する通信制御手段と、前記低電圧電源から電力が供給される低電圧系統と、前記高電圧電源から電力が供給される高電圧系統とを電気的に絶縁させる絶縁手段と、を具備する場合に、
前記スイッチング素子に異常が検出された場合に、前記通信制御手段を介して、前記第2制御手段に対して、前記三相モータの制御に異常がある旨を通知する異常情報を出力する車両用クーリングファンモータ・インバータシステムの制御方法。
【請求項5】
車載の熱交換器に空気を供給するクーリングファンを駆動する三相モータを制御する車両用クーリングファンモータ・インバータシステムの制御プログラムであって、
前記車両用クーリングファンモータ・インバータシステムは、スイッチング素子を有し、高電圧電源から供給される直流電力を三相交流電力に変換し、前記三相モータに電力供給するモータ制御装置と、前記モータ制御装置を制御する第1制御手段と、低電圧電源から供給される電力によって作動し、当該車両用クーリングファンモータ・インバータシステムから見て上位側となる車両側の第2制御手段と情報を授受する通信制御手段と、前記低電圧電源から電力が供給される低電圧系統と、前記高電圧電源から電力が供給される高電圧系統とを電気的に絶縁させる絶縁手段と、を具備する場合に、
前記スイッチング素子に異常が検出された場合に、前記通信制御手段を介して、前記第2制御手段に対して、前記三相モータの制御に異常がある旨を通知する異常情報を出力する車両用クーリングファンモータ・インバータシステムの制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用クーリングファンモータ・インバータシステム及びその制御方法並びにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車載の熱交換器のクーリングファンを制御するファン制御装置は、車両用ECU(Electronic Control Unit)の配下に配置されており、クーリングファン制御は、車両用ECUから出力されるPWM(pulse width moduration)信号のデューティ比によってモータの回転数制御が行われている。
モータ回転数は、車速、エンジン冷却水温、AC圧力に基づき速度制御される。エアコンがオン状態の場合は、エアコンの圧力信号と車両側から受けた車速信号に基づき、エアコンECUで必要ファン制御を演算し、車両用ECUに出力する。車両用ECUはその信号に、さらに車速とエンジン冷却水温を加味してファンモータの回転数を決定し、ファン駆動用PWM信号を出力する。一方、エアコンがオフ状態の場合は、車速とエンジン冷却水温に基づき車両用ECUでファン回転数を決定し、ファン駆動用PWM信号を出力する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このような車両システム構成においては、クーリングファンを駆動させる単相モータに異常が発生した場合であっても、車両用ECUからファン制御装置側へPWM信号を一方的に送るだけであり、ファン制御装置側と車両用ECUとは通信手段が設けられておらず、車両側でファンモータの異常を発見できないという問題があった。また、ファンモータに単相モータを使用するため効率が悪く、12Vバッテリ消費を多くするので、12V系バッテリーマネージメントの負荷が高くなるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、高効率にファンモータを駆動でき、かつ、ファンモータの異常を車両側で検出することのできる車両用クーリングファンモータ・インバータシステム及びその制御方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
【0006】
本発明は、車載の熱交換器に空気を供給するクーリングファンを駆動する三相モータを制御する車両用クーリングファンモータ・インバータシステムであって、スイッチング素子を有し、高電圧電源から供給される直流電力を三相交流電力に変換し、前記三相モータに電力供給するモータ制御装置と、前記モータ制御装置を制御する第1制御手段と、低電圧電源から供給される電力によって作動し、当該車両用クーリングファンモータ・インバータシステムから見て上位側となる車両側の第2制御手段と情報を授受する通信制御手段と、前記低電圧電源から電力が供給される低電圧系統と、前記高電圧電源から電力が供給される高電圧系統とを電気的に絶縁させる絶縁手段と、を具備し、前記第1制御手段は、前記スイッチング素子に異常が検出された場合に、前記通信制御手段を介して、前記第2制御手段に対して、前記三相モータの制御に異常がある旨を通知する異常情報を出力する車両用クーリングファンモータ・インバータシステムを提供する。
【0007】
このような構成によれば、スイッチング素子を有し、高電圧電源から供給される直流電力を三相交流電力に変換して三相モータに電力供給するモータ制御装置が、第1制御手段によって制御され、モータ制御装置のスイッチング素子に異常が検出された場合に、第2制御手段に対して、車両用クーリングファンモータ・インバータシステムの上位の車両側の第2制御手段と接続される通信制御手段を介して、スイッチング素子に異常が発生した旨が第1制御手段から通知される。また、低電圧系統と高電圧系統を電気的絶縁させることにより、高電圧に対する(車両に乗車する)乗客の安全性が確保される。
このように、モータ制御装置に異常が検出された場合には、通信制御手段を介して異常情報を車両側に通知するので、車両側でクーリングファンを駆動する三相モータの異常を検出でき、原因究明に役立てることができる。また、クーリングファンの駆動に三相モータを用いることにより、低損失、高効率駆動が可能となる。また、三相モータの駆動には高電圧電源(例えば、200〜400〔V〕)から電力が供給されるので、車両の有する電池容量の小さいバッテリ(例えば、12〔V〕)である低電圧電源から電力供給する場合と比較して、バッテリの消費量を気にする必要がなくなる。
ここで、スイッチング素子は、半導体素子で構成されるパワートランジスタであり、例えば、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)、バイポーラトランジスタ、及びIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等が使用される。また、半導体材料としては、Si(シリコン)系半導体やSiC(炭化珪素)系半導体が用いられる。
【0008】
上記車両用クーリングファンモータ・インバータシステムは、前記低電圧電源から供給される電力によって作動し、デューティに応答してPWM(pulse width modulation)制御を行って、前記モータ制御装置の前記スイッチング素子を制御するPWM制御手段を具備し、前記第1制御手段は、前記PWM制御手段及び前記通信制御手段のうち少なくともどちらか一方を介して、前記三相モータの回転数指示を取得することとしてもよい。
【0009】
クーリングファンの三相モータは、PWM制御手段によるPWMデューティによる制御と、車両の通信制御手段による制御との両方を可能とする。
【0010】
上記車両用クーリングファンモータ・インバータシステムは、前記モータ制御装置の前記スイッチング素子の温度値、電流値、及び電圧値のうち少なくともいずれか一を計測し、出力する計測手段と、前記第1制御手段は、前記計測手段から取得した前記温度値、電流値、及び電圧値のうち少なくともいずれか一に基づいて、前記スイッチング素子の異常有無を判定する判定手段を具備することとしてもよい。
【0011】
スイッチング素子の温度値、電流値、及び電圧値に基づいて異常の有無が判定されるので、原因究明に役立てることができる。
【0012】
本発明は、車載の熱交換器に空気を供給するクーリングファンを駆動する三相モータを制御する車両用クーリングファンモータ・インバータシステムの制御方法であって、前記車両用クーリングファンモータ・インバータシステムは、スイッチング素子を有し、高電圧電源から供給される直流電力を三相交流電力に変換し、前記三相モータに電力供給するモータ制御装置と、前記モータ制御装置を制御する第1制御手段と、低電圧電源から供給される電力によって作動し、当該車両用クーリングファンモータ・インバータシステムから見て上位側となる車両側の第2制御手段と情報を授受する通信制御手段と、前記低電圧電源から電力が供給される低電圧系統と、前記高電圧電源から電力が供給される高電圧系統とを電気的に絶縁させる絶縁手段と、を具備する場合に、前記スイッチング素子に異常が検出された場合に、前記通信制御手段を介して、前記第2制御手段に対して、前記三相モータの制御に異常がある旨を通知する異常情報を出力する車両用クーリングファンモータ・インバータシステムの制御方法を提供する。
【0013】
本発明は、車載の熱交換器に空気を供給するクーリングファンを駆動する三相モータを制御する車両用クーリングファンモータ・インバータシステムの制御プログラムであって、前記車両用クーリングファンモータ・インバータシステムは、スイッチング素子を有し、高電圧電源から供給される直流電力を三相交流電力に変換し、前記三相モータに電力供給するモータ制御装置と、前記モータ制御装置を制御する第1制御手段と、低電圧電源から供給される電力によって作動し、当該車両用クーリングファンモータ・インバータシステムから見て上位側となる車両側の第2制御手段と情報を授受する通信制御手段と、前記低電圧電源から電力が供給される低電圧系統と、前記高電圧電源から電力が供給される高電圧系統とを電気的に絶縁させる絶縁手段と、を具備する場合に、前記スイッチング素子に異常が検出された場合に、前記通信制御手段を介して、前記第2制御手段に対して、前記三相モータの制御に異常がある旨を通知する異常情報を出力する車両用クーリングファンモータ・インバータシステムの制御プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高効率にファンモータを駆動でき、かつ、ファンモータの異常を車両側で検出できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るモータ制御システムの概略構成図である。
図2】本実施形態の絶縁型のPWMドライバの機能ブロック図の一例が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る車両用クーリングファンモータ・インバータシステム及びその制御方法並びにプログラムの、一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
本実施形態に係る車両用クーリングファンモータ・インバータシステムは、車載の熱交換器に空気を供給するクーリングファンを駆動する三相モータに適用される場合を例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態におけるモータ制御システム1の概略構成図である。
図1に示されるように、本実施形態に係るモータ制御システム1は、車載の熱交換器(ラジエータ)用のクーリングファンの駆動源となる三相モータ3の駆動を制御するものである。
【0018】
モータ制御システム1は、三相モータ3とインバータシステム2とを備えている。
インバータシステム(車両用クーリングファンモータ・インバータシステム)2は、スイッチング素子22を有するモータ制御装置21と、計測部(計測手段)23と、第1制御部(第1制御手段)24と、絶縁部(絶縁手段)8とを備えている。モータ制御装置21は、高電圧バッテリや発電機等の高電圧電源4から供給される直流電流を三相の交流電流に変換し、三相モータ3を駆動する。高電圧電源4は、例えば、200〔V〕や400〔V〕の電圧であり、HVフィルタ26を介してモータ制御装置21に電力供給している。
ここで、スイッチング素子22は、半導体素子で構成されるパワートランジスタであり、例えば、MOSFET、バイポーラトランジスタ、及びIGBT等が使用される。また、半導体材料としては、Si系半導体やSiC系半導体が用いられる。
【0019】
低電圧電源5は、車載バッテリ電源等であり、例えば、12〔V〕の電圧を供給する。
モータ制御システム1は、車両側との通信フォームとして車両ネットワークである車両ネットワークCAN(Controller Area Network)7と接続されている。このため、インバータシステム2は、制御通信回路を構成するCANドライバ(通信制御手段)82が設けられているので、車両側に設けられている上位の車両側ECU(Electric Control Unit)(第2制御手段)6からの通信ケーブルが接続可能に構成されている。
なお、本実施形態においては、車両ネットワークにCANを利用するものであることを例に挙げて説明するがこれに限定されず、例えば、LIN(Local Interconnect Network)や、FlexRay等の他の方式であってもよく、特に限定されない。
【0020】
絶縁部8は、低電圧電源5から電力が供給される低電圧系統9と、高電圧電源4から電力が供給される高電圧系統10とを電気的に絶縁させる。また、絶縁部8は、低電圧電源5から供給される電力によって作動し、具体的には、絶縁型のDC−DCコンバータ81と、絶縁型のCANドライバ82と、絶縁型のPWMドライバ(PWM制御手段)83とを備えている。
【0021】
絶縁型のDC−DCコンバータ81は、モータ制御装置21及び第1制御部24に対し、低電圧電源5の電力を供給する。また、絶縁型のDC−DCコンバータ81は、第1制御部24の駆動電圧(例えば、5〔V〕)や、モータ制御装置21の駆動電圧(例えば、15〔V〕)として用いられる。
絶縁型のCANドライバ82は、車両ネットワークCAN7と接続されており、車両ネットワークCAN7を介して車両側ECU6に接続され、車両側ECU6と第1制御部24との間で情報を授受する。
絶縁型のPWMドライバ83は、低電圧電源5から供給される電力によって作動し、デューティに応答してPWM制御を行って、モータ制御装置21のスイッチング素子22を制御する。図2には、絶縁型のPWMドライバ83の一例が示されている。図2に示されるように、絶縁型のPWMドライバ83は、フォトカプラ83a、インバータ83b、及びローパスフィルタ83cを備えて構成されている。フォトカプラ83aにPWMコマンドが入力されると、デューティを示す0から5〔V〕のアナログ値が変換され、第1制御部24に回転数指令として出力される。
【0022】
第1制御部24は、モータ制御装置21を制御する。具体的には、第1制御部24は、絶縁型のPWMドライバ83及びCANドライバ82のうち少なくともどちらか一方を介して、三相モータ3の回転数指示を取得し、取得した回転数指示に基づいて三相モータ3を制御する。
第1制御部24は、判定部25を備えている。判定部25は、計測部23から取得した温度値、電流値、及び電圧値のうち少なくともいずれか一に基づいて、スイッチング素子22の異常有無を判定する。具体的には、判定部25は、温度値、電流値、及び電圧値に関する閾値を有しており、所定の閾値を超過した場合に異常と判定し、判定結果を車両ネットワークCAN7を介して車両側ECU6に出力する。
また、第1制御部24は、スイッチング素子22に異常が検出された場合に、CANドライバ82を介して、車両側ECU6に対して、スイッチング素子22に異常がある旨を通知する異常情報を出力する。
【0023】
計測部23は、モータ制御装置21のスイッチング素子22の温度値、電流値、及び電圧値のうち少なくともいずれか一を計測し、第1制御部24に出力する。例えば、三相モータ3やモータ制御装置21のスイッチング素子22が故障している場合、スイッチング素子22の温度が高温となるので、計測部23によりスイッチング素子22の温度変化を検出し、第1制御部24において故障有無を判定させる。
【0024】
次に、本実施形態に係るモータ制御システム1の作用について説明する。
車両に搭載される高電圧電源4からモータ制御装置21に供給された直流電力は、三相の交流電流に変換され、三相モータ3に給電されて三相モータ3を駆動させる。CANドライバ82を介して車両側に設けられている車両側ECU6から取得される三相モータ3の回転数指示、または絶縁型のPWMドライバ83を介して取得されるPWM制御する回転数指示に基づいて、インバータシステム2が制御される。
これにより、三相モータ3が回転駆動され、ラジエータ用クーリングファンが作動する。
【0025】
スイッチング素子22の温度値、電流値、及び電圧値が計測されており、計測結果は第1制御部24に出力される。第1制御部24の判定部25によって、計測結果が所定の閾値と比較され、所定の閾値を超過している場合に、車両ネットワークCAN7を介して車両側ECU6に対して、異常情報が通知される。
車両側の制御回路である車両側ECU6において、車両ネットワークCAN7を介してインバータシステム2から異常情報が取得されると、ラジエータ用クーリングファンにおいて異常が発生したことが検出される。提示部(図示略)等を介してラジエータ用クーリングファンに異常が発生したことが提示されることにより、車両の運転者によって異常を把握させることができる。
【0026】
以上説明してきたように、本実施形態に係るインバータシステム2及びその制御方法並びにプログラムにおいて、モータ制御装置21に異常が生じた場合には、CANドライバ82を介して異常情報を車両側に通知するので、車両側でクーリングファンを駆動する三相モータ3の異常を検出でき、原因究明に役立てることができる。また、クーリングファンの駆動に三相モータ3を用いることにより、低損失、高効率駆動が可能となる。また、三相モータ3の駆動には高電圧電源(例えば、200〜400〔V〕)4から電力が供給されるので、車両の有する電池容量の小さいバッテリ(例えば、12〔V〕)である低電圧電源5から電力供給する場合と比較して、電池容量の小さいバッテリ電圧をモータ駆動に使用しなくて済むので、バッテリ消費量を気にする必要がなくなる。
【符号の説明】
【0027】
1 モータ制御システム
2 インバータシステム(車両用クーリングファンモータ・インバータシステム)
3 三相モータ
6 車両側ECU(第2制御手段)
7 車両ネットワークCAN
8 絶縁部(絶縁手段)
21 モータ制御装置
22 スイッチング素子
23 計測部(計測手段)
24 第1制御部(第1制御手段)
81 絶縁型DC−DCコンバータ
82 絶縁型CANドライバ(通信制御手段)
83 絶縁型PWMドライバ(PWM制御手段)

図1
図2