特許第6012511号(P6012511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012511
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】内装部品およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/18 20060101AFI20161011BHJP
   B60K 37/00 20060101ALI20161011BHJP
   B29C 39/10 20060101ALI20161011BHJP
   B60R 7/06 20060101ALN20161011BHJP
   B29L 31/58 20060101ALN20161011BHJP
【FI】
   B32B5/18
   B60K37/00 G
   B29C39/10
   !B60R7/06 G
   B29L31:58
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-44644(P2013-44644)
(22)【出願日】2013年3月6日
(65)【公開番号】特開2014-172216(P2014-172216A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
(74)【代理人】
【識別番号】100180068
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 怜史
(72)【発明者】
【氏名】長塚 将治
【審査官】 久保田 葵
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−038329(JP,A)
【文献】 特開平02−055110(JP,A)
【文献】 実開昭62−123906(JP,U)
【文献】 特開2013−244932(JP,A)
【文献】 特開2002−264757(JP,A)
【文献】 特開平04−144715(JP,A)
【文献】 特開2010−052537(JP,A)
【文献】 特開2008−302617(JP,A)
【文献】 特開2008−049835(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0157432(US,A1)
【文献】 特開平3−1938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
B60R 13/01−13/04、13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、縫い合わせ目を擬似的に表現した擬似縫合溝と、該擬似縫合溝の側部に沿って延びる縫製線部と、を有する表皮材と、
該表皮材の裏面側に、前記縫製線部を覆うように貼着されシール部材と、
該シール部材が貼着された表皮材の裏面側に設けられた発泡層と、を有する内装部品において、
前記表皮材の裏面側における、前記擬似縫合溝および縫製線部が設けられる部分厚肉部を有する射出成形表皮材を用いたことを特徴とする内装部品。
【請求項2】
少なくとも、縫い合わせ目を擬似的に表現した擬似縫合溝と、該擬似縫合溝の側部に沿って延びる縫製線部と、を有する表皮材と、
該表皮材の裏面側に、前記縫製線部を覆うように貼着されたシール部材と、
該シール部材が貼着された表皮材の裏面側に設けられた発泡層と、を有する内装部品において、
前記表皮材の裏面側における、前記擬似縫合溝および縫製線部が設けられる部分に厚肉部を有し、
前記厚肉部の両側部に、表皮材の他の部分と同じ肉厚となるように徐々に肉厚が減少するテーパ状の肉厚減少部を設けたことを特徴とする内装部品。
【請求項3】
縫い合わせ目を擬似的に表現した擬似縫合溝の裏面側を突出させた厚肉部有する表皮材を、射出成形によって形成し、
該表皮材に対し、擬似縫合溝の側部に沿って縫製により縫製線部を形成し、
該縫製線部が形成された表皮材の裏面側に、前記縫製線部を覆うように、縫製線部の部分からの発泡液の漏れを防止するためのシール部材を貼着して、
前記縫製線部を覆うようにシール部材が貼着された表皮材の裏面側にて、発泡液を発泡させることにより、表皮材の裏面側に、発泡層を密着形成することを特徴とする内装部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、裏当材がなくても縫製時に表皮材が引きつらないようにした内装部品およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図2に示すように、自動車などの車両には、車室内の前部にインストルメントパネル1などの車両用内装部品2が設置されている。また、インストルメントパネル1の助手席側の部分にはグローブボックスなどの収納装置が設けられており、このグローブボックスの乗員側の面(表面)に対して、ボックスリッド部などの車両用内装部品2を取付けるようにしたものも存在している。
【0003】
そして、図3に示すように、上記した車両用内装部品2を、硬質の芯材6と軟質の表皮材7との間に、クッション性を有する発泡層8を介在させて一体化した多層部品9によって構成することも行われている。このような多層部品9は、図示しない発泡成形金型の内部にセットされた芯材6と表皮材7との間に発泡液を注入し、発泡液を発泡させて発泡層8を形成することによって製造される。
【0004】
更に、高級感を演出するために、上記した表皮材7に対し、縫製による縫製線部11などを設けて、皮革貼り調にすることなども行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この場合、2本の縫製線部11の間に、布どうしの縫い合わせ目を模した擬似模様(擬似縫合溝13)などが形成されている。
【0006】
そして、表皮材7の裏面側には、縫製線部11を覆うように発泡液の漏れを防止するためのシール部材14が貼着される。
【0007】
なお、表皮材7が柔らかい場合や薄い場合などには、縫製時の表皮材7の引きつりを防止するために、表皮材7の裏面側に裏当材15を当てて、裏当材15ごと表皮材7に縫製線部11を形成させるようにする。そして、この場合、シール部材14は、裏当材15の裏面側に貼着させるようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−334895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に記載された内装部品では、表皮材7の裏面側に裏当材15を当てた状態で裏当材15ごと表皮材7に縫製線部11を形成するのは、作業に手間がかかると共に、裏当材15の分だけ、部品コストが高くなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、
少なくとも、縫い合わせ目を擬似的に表現した擬似縫合溝と、該擬似縫合溝の側部に沿って延びる縫製線部と、を有する表皮材と、
該表皮材の裏面側に、前記縫製線部を覆うように貼着されシール部材と、
該シール部材が貼着された表皮材の裏面側に設けられた発泡層と、を有する内装部品において、
前記表皮材の裏面側における、前記擬似縫合溝および縫製線部が設けられる部分厚肉部を有する射出成形表皮材を用いたことを特徴とする。
請求項2に記載された発明は、
少なくとも、縫い合わせ目を擬似的に表現した擬似縫合溝と、該擬似縫合溝の側部に沿って延びる縫製線部と、を有する表皮材と、
該表皮材の裏面側に、前記縫製線部を覆うように貼着されたシール部材と、
該シール部材が貼着された表皮材の裏面側に設けられた発泡層と、を有する内装部品において、
前記表皮材の裏面側における、前記擬似縫合溝および縫製線部が設けられる部分に厚肉部を有し、
前記厚肉部の両側部に、表皮材の他の部分と同じ肉厚となるように徐々に肉厚が減少するテーパ状の肉厚減少部を設けたことを特徴とする
請求項に記載された発明は、
縫い合わせ目を擬似的に表現した擬似縫合溝の裏面側を突出させた厚肉部有する表皮材を、射出成形によって形成し、
該表皮材に対し、擬似縫合溝の側部に沿って縫製により縫製線部を形成し、
該縫製線部が形成された表皮材の裏面側に、前記縫製線部を覆うように、縫製線部の部分からの発泡液の漏れを防止するためのシール部材を貼着して、
前記縫製線部を覆うようにシール部材が貼着された表皮材の裏面側にて、発泡液を発泡させることにより、表皮材の裏面側に、発泡層を密着形成することを特徴とする内装部品の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載された発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、表皮材の裏面側における、擬似縫合溝および縫製線部が設けられる部分厚肉部を有する射出成形表皮材を用いたことにより、表皮材の上記部分を破れ難くすると共に、縫製線部を形成する際の表皮材の引きつりを防止するための裏当材をなくすことができる。これにより、裏当材ごと表皮材に縫製線部を形成する手間や、裏当材の部品コストなどを削減することができる。
請求項に記載された発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、厚肉部の両側部にテーパ状の肉厚減少部を設けて、表皮材の他の部分と同じ肉厚となるように徐々に肉厚を減少させるようにしたことにより、表皮材の急激な肉厚変化をなくすことができる。これにより、内装部品に熱負荷が加わった時に、表皮材の厚肉部の周辺に、急激な肉厚変化によって段差部が発生するなどの不具合を防止することができる。同様に、発泡成形時に、発泡液の発泡圧によって、表皮材の厚肉部の周辺に、段差部が発生するなどの不具合を防止することができる。
請求項に記載された発明によれば、上記構成とすることにより、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例にかかる内装部品の断面図である。
図2】本発明および従来例における、内装部品としてのインストルメントパネルを示す斜視図である。
図3】従来例にかかる図2の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施の形態、および、それを具体化した実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、この実施の形態の実施例およびその変形例を示すものである。
【実施例1】
【0014】
<構成>以下、構成について説明する。
図2に示すように、自動車などの車両には、車室内の前部にインストルメントパネル1などの車両用内装部品2が設置されている。また、インストルメントパネル1の助手席側の部分にはグローブボックスなどの収納装置が設けられており、このグローブボックスの乗員側の面(表面)に対して、ボックスリッド部などの車両用内装部品2を取付けるようにしたものも存在している。更に、車室内には、上記以外にも、同様の車両用内装部品2が設置されている。
【0015】
そして、図1に示すように、上記した車両用内装部品2を、硬質の芯材6と軟質の表皮材7との間に、クッション性を有する発泡層8を介在させて一体化した多層部品9によって構成する。このような多層部品9は、図示しない発泡成形金型の内部にセットされた芯材6と表皮材7との間に発泡液を注入し、発泡液を発泡させて発泡層8を形成することによって製造される。
【0016】
更に、上記した表皮材7に対し、縫製による縫製線部11などを設けるようにする。
【0017】
この場合、2本の縫製線部11の間に、(布どうしの)縫い合わせ目を模した擬似模様(擬似縫合溝13)などを形成させるようにする。
【0018】
そして、表皮材7の裏面側には、縫製線部11を覆うように発泡液の漏れを防止するためのシール部材14が貼着される。
【0019】
ここで、補足説明を行うと、上記した「車両用内装部品2」には、上記したように、芯材6と表皮材7との間に発泡層8を有する多層部品9が使用される。この多層部品9は、例外的な部分を除いて、一定の厚みに形成される。なお、多層部品9は、少なくとも表皮材7の裏面側に、発泡層8が密着形成されていれば良い。
【0020】
上記した「芯材6」は、硬質の樹脂製のものとされる。この芯材6は、例外的な部分を除いて、一定の厚みに形成される。
【0021】
上記した「表皮材7」は、軟質の樹脂製のものとされる。この表皮材7は、例外的な部分を除いて、一定の厚みに形成される。表皮材7は、通常、シート材を真空成形によって車両用内装部品2の形状に賦形したものや、パウダースラッシュ成形によって成形したものなどが使われる。但し、真空成形したものや、パウダースラッシュ成形によるものの場合、厚みが自由にならないので、この実施例の場合には、後述するように、表皮材7を射出成形によるものとする。
【0022】
上記した「発泡液」は、発泡層8の原料となる液体(例えば、ウレタン原液を所要の濃度に希釈したものなど)に発泡剤を加えたものである。
【0023】
上記した「発泡層8」は、クッション層とも言うことができる。発泡層8は、通常、ウレタン系の材料(発泡ウレタン)によって構成されている。この発泡層8は、例外的な部分を除いて、一定の厚みに形成される。
【0024】
上記した「縫製線部11(スティッチ部)」は、例えば、表皮材7を皮革貼り調に仕上げて高級感を演出するなどのために設けられる。この縫製線部11には、ポリエステル製のミシン糸などが使われる。この縫製線部11は、1本または複数本設けられる。
【0025】
上記した「布状材」は、例えば、この場合、皮革などを想定している。但し、皮革以外の布状材であっても良い。
【0026】
上記した「擬似縫合溝13」は、(布状材どうしの)縫い合わせ目を擬似的に表現したものであり、表皮材7を成形する際に、同時に形成される。
【0027】
上記した「シール部材14」は、粘着テープ状のものなどとされる。シール部材14には、表皮材7に貼着する面に、粘着剤が塗布される。この場合、シール部材14には、上記発泡層8と同系(ウレタン系)の材料で、上記した発泡液が含浸しない、柔軟な無孔性軟質同系材のもの(ポリウレタンレジン)を使うようにする。
【0028】
このポリウレタンレジンには、例えば、3M社製のハイプロテクションフィルムテープSJ8584などを使用することができる。このハイプロテクションフィルムテープSJ8584は、耐候性、耐摩耗性に優れた黒色ウレタンフィルムに、耐老化特性に優れたアクリル系の粘着剤を塗布したものである。
【0029】
このハイプロテクションフィルムテープSJ8584は、車体の傷つき防止や、プラスチック部品表面の傷つき防止などのために用いられるものである。この場合、上記した粘着剤によって、表皮材7の裏面に貼り付けるようにする。通常、粘着剤とは反対側の面に対して離型処理が施されている。但し、この場合には、粘着剤と反対側の面には離型処理を施さないようにする。
【0030】
そして、以上のような基本構成に対し、即ち、少なくとも、布状材どうしの縫い合わせ目を擬似的に表現した擬似縫合溝13と、この擬似縫合溝13の側部に沿って縫製により形成された縫製線部11と、を有する表皮材7と、この表皮材7の裏面側に、上記縫製線部11を覆うように貼着された、縫製線部11の部分からの発泡液の漏れを防止するためのシール部材14と、このシール部材14が貼着された表皮材7の裏面側に密着形成された、上記発泡液を発泡成形して成る発泡層8とを有する車両用内装部品2に対し、この実施例のものでは、以下のような構成を備えるようにしている。
【0031】
(構成1)
上記表皮材7の裏面側における、上記擬似縫合溝13および縫製線部11を形成する部分に、厚肉部21を形成する。
【0032】
(補足説明1)
ここで、上記した「厚肉部21」は、文字通り、他の部分よりも肉厚を大きくした部分のことである。この厚肉部21は、擬似縫合溝13の溝深さよりも厚い一定の肉厚を有するものとされる。
【0033】
この場合、厚肉部21を有する表皮材7は、射出成形によって製造される。射出成形は、厚みを自由にコントロールできるので、厚肉部21を形成するには最適である。但し、インストルメントパネル1の表皮材7は、薄くて大面積であるため、インストルメントパネル1の表皮材7を射出成形するには、通常の部品の射出成形とくらべて格段に高度の技術が必要となる。
【0034】
(構成2)
上記厚肉部21に、上記シール部材14を貼着する際の目印となる貼着用ガイド部23を設ける。
【0035】
(補足説明2)
ここで、上記した「貼着用ガイド部23」は、例えば、厚肉部21の一端部または両端部に沿って形成された突条部などとされる。この突条部は、シール部材14の肉厚とほぼ同じ高さを有するものなどとされる。貼着用ガイド部23は、例えば、凹溝やミシン目状の穴部などとしても良い。
【0036】
好ましくは、貼着用ガイド部23は、シール部材14の幅寸法と同じ間隔を有して一対設けるようにする。但し、貼着用ガイド部23は、必ずしも正確にシール部材14の幅寸法と同じ間隔にする必要はない。
【0037】
(構成3)
上記厚肉部21の両側部に、表皮材7の他の部分と同じ肉厚となるように徐々に肉厚が減少するテーパ状の肉厚減少部25を設ける。
【0038】
(補足説明3)
ここで、上記した「肉厚減少部25」は、文字通り、厚肉部21から他の一定肉厚の部分へ向けて徐々に肉厚が減少する部分のことである。
【0039】
(構成4)
そして、この構成にかかる車両用内装部品2の製造方法は、布状材どうしの縫い合わせ目を擬似的に表現した擬似縫合溝13の裏面側を突出させた厚肉部21有する表皮材7を、射出成形によって形成し、
この表皮材7に対し、擬似縫合溝13の側部に沿って縫製により縫製線部11を形成し、
この縫製線部11が形成された表皮材7の裏面側に、上記縫製線部11を覆うように、縫製線部11の部分からの発泡液の漏れを防止するためのシール部材14を貼着して、
上記縫製線部11を覆うようにシール部材14が貼着された表皮材7の裏面側にて、発泡液を発泡させることにより、表皮材7の裏面側に、発泡層8を密着形成する。
【0040】
<作用効果>この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(作用効果1)
表皮材7の、擬似縫合溝13および縫製線部11を形成する部分に厚肉部21を形成したことにより、表皮材7の上記部分を破れ難くすると共に、縫製線部11を形成する際の表皮材7の引きつりを防止するための裏当材15をなくすことができる。これにより、裏当材15ごと表皮材7に縫製線部11を形成する手間や、裏当材15の部品コストなどを削減することができる。
【0041】
(作用効果2)
厚肉部21に貼着用ガイド部23を設けたことにより、貼着用ガイド部23が目印となるので、厚肉部21にシール部材14を貼着する作業を容易に行うことができる。
【0042】
(作用効果3)
厚肉部21の両側部にテーパ状の肉厚減少部25を設けて、表皮材7の他の部分と同じ肉厚となるように徐々に肉厚を減少させるようにしたことにより、表皮材7の急激な肉厚変化をなくすことができる。これにより、内装部品に熱負荷が加わった時に、表皮材7の厚肉部21の周辺に、急激な肉厚変化によって段差部が発生するなどの不具合を防止することができる。同様に、発泡成形時に、発泡液の発泡圧によって、表皮材7の厚肉部21の周辺に、段差部が発生するなどの不具合を防止することができる。
【0043】
(作用効果4)
上記構成4の方法によれば、上記作用効果1(〜作用効果3)と同様の作用効果を得ることができる。
【0044】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
【符号の説明】
【0045】
2 車両用内装部品
7 表皮材
8 発泡層
11 縫製線部
13 擬似縫合溝
14 シール部材
21 厚肉部
23 貼着用ガイド部
25 肉厚減少部
図1
図2
図3