特許第6012512号(P6012512)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012512
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】コイン型RFIDタグ
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/04 20060101AFI20161011BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   G06K19/04 070
   G06K19/077 248
   G06K19/077 264
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-45509(P2013-45509)
(22)【出願日】2013年3月7日
(65)【公開番号】特開2014-174671(P2014-174671A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2016年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100113642
【弁理士】
【氏名又は名称】菅田 篤志
(74)【代理人】
【識別番号】100117008
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 章子
(74)【代理人】
【識別番号】100147430
【弁理士】
【氏名又は名称】坂次 哲也
(72)【発明者】
【氏名】山内 繁
(72)【発明者】
【氏名】山方 茂
(72)【発明者】
【氏名】由井 貴章
【審査官】 甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−331250(JP,A)
【文献】 特開2007−162805(JP,A)
【文献】 特開2008−131115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/00−19/18
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製のコインにRFIDタグを組み込んだコイン型RFIDタグであって、
前記コインの外周部に沿って形成された複数のスリットと、
前記コインの内部に前記スリットが到達する状態かつ前記スリット部分以外では外部に露出しない状態で形成されたリング状の収納溝と、
前記収納溝部分に収納され、ICチップおよび絶縁被覆された導線からなるアンテナにより構成される前記RFIDタグと、を有し、
前記コインは、略円板状に一体的に形成された2つの金属片を接合して構成され、少なくとも一方の前記金属片に前記収納溝を構成する溝部を有し、
前記スリットは、前記コインの外周部において、隣接する前記スリット同士が中心とのなす角度で10度以下の間隔で設けられ、前記スリットにおける、前記コインの外周から中心部方向への深さは、前記コインの直径の10%以下である、コイン型RFIDタグ。
【請求項2】
金属製のコインにRFIDタグを組み込んだコイン型RFIDタグであって、
前記コインの外周部に沿って形成された複数のスリットと、
前記コインの内部に、前記スリットが到達する状態かつ前記スリット部分以外では外部に露出しない状態で形成されたリング状の収納溝と、
前記収納溝部分に収納され、ICチップおよび絶縁被覆された導線からなるアンテナにより構成される前記RFIDタグと、を有し、
前記コインは、略円板状に一体的に形成された第1の金属片に対して、リング形状に一体的に形成され、前記スリットを有する第2の金属片を接合して構成され、前記第2の金属片に前記収納溝を構成する溝部を有し、
前記スリットは、前記コインの外周部において、隣接する前記スリット同士が中心とのなす角度で10度以下の間隔で設けられ、前記スリットにおける、前記コインの外周から中心部方向への深さは、前記コインの直径の10%以下である、コイン型RFIDタグ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコイン型RFIDタグにおいて、
前記コインの表面もしくは裏面における前記スリットの形状は、外周から中心部方向に向かう直線形状である、コイン型RFIDタグ。
【請求項4】
請求項1または2に記載のコイン型RFIDタグにおいて、
前記コインの表面もしくは裏面における前記スリットの形状は、外周から中心部方向に向かう直線形状以外の形状である、コイン型RFIDタグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コインやメダル等にRFIDタグを組み込む技術に関し、特に、金属製のコインやメダルにRFIDタグを組み込んだコイン型RFIDタグに適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属板等により構成される物品にRFID(Radio Frequency IDentification)タグを組み込んで一体化させる技術が知られている。この技術では、金属板の表裏を貫通する穴やスリットの部分にRFIDタグを組み込むが、例えば、リーダ装置との通信にHF(High Frequency)帯を用いる場合は、穴やスリットの周辺にRFIDタグとリーダ装置との間の通信を妨害する渦電流が発生する。そこで、この渦電流を抑止して通信を成立させるため、切欠き構造が設けられる。また、UHF(Ultra High Frequency)帯を用いる場合は、通信を助長するように作用するアームなどのアンテナ構造が設けられる。
【0003】
これに関連する技術として、例えば、特開2003−85515号公報(特許文献1)には、内蔵されたアンテナにより、リーダとの間でデータの交信を行うRFIDタグを金属部材等の導電性部材内に設置するに際し、金属部材に、タグに内蔵されたアンテナが形成する平面と略直交する面であって、タグの少なくとも一部と交差又は接する面に沿って、アンテナ平面の法線方向に貫通する1μm以上の幅のスリットを少なくとも一つ備えるものであり、アンテナから発生する磁束がスリットを通過することにより、タグとリーダとの交信を可能とする技術が記載されている。
【0004】
一方で、例えば、一般の利用者等が手で保持して多数取り扱うことができるコインやメダル等の物品(以下では単に「コイン」と総称する場合がある)に対してRFIDタグを組み込んで、これらの個体識別を行いたいという要望がある。これに関連する技術として、例えば、特開2008−210095号公報(特許文献2)には、重りとして使用する金属板にスリットを入れる、または数分割し接触しないように配置する事によって電磁波吸収を極力小さくしたコイン型RFIDタグに係る技術が記載されている。また、特開2009−110144号公報(特許文献3)には、重量調整用の金属板を金属板間の隙間の中心線が中央部の一点に集中しない左右非対称な形状にしたコイン型RFIDタグに係る技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−85515号公報
【特許文献2】特開2008−210095号公報
【特許文献3】特開2009−110144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2、3などに記載されたコイン型RFIDタグでは、コインは主に樹脂により形成され、重量調整用に金属板が用いられている。これに対し、コイン全体を金属により形成したいというニーズがある。金属製とすることにより、重量以外にも、手触りや質感、耐久性などを高めるとともに、成形後に表面に別途刻印やレリーフを施すことによって文字やデザインなどを表示することが可能である。
【0007】
金属製のコインにRFIDタグを組み込むには、特許文献1や特許文献2、3などにも記載されているように、金属板や金属部材に穴やスリット構造を設ける必要がある。例えば、特許文献2では、コインに組み込む円板状の金属板の中心付近から外周に向けて例えば十字状に形成されたスリットを有している。
【0008】
しかしながら、金属製のコインにおいてこのようなスリット構造をとると、コインとしての物理的耐性の低下に加え、コイン表面にスリット構造が現れることにより、打刻やレリーフ等によるデザインのための面積が減少したり、スリット構造がコインの美感やデザインと整合しなかったりなどの課題が生じる。
【0009】
そこで本発明の目的は、金属製のコインに対して、通信性能を確保するためのスリット構造による物理的耐性の低下や、表面のデザイン・美感に対する悪影響を抑えつつRFIDタグを組み込んで一体化したコイン型RFIDタグを提供することにある。
【0010】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0012】
本発明の代表的な実施の形態によるコイン型RFIDタグは、金属製のコインにRFIDタグを組み込んだコイン型RFIDタグであって、前記コインの外周部に沿って複数のスリットが設けられ、前記コインの内部に、前記スリットにかかる状態でリング状の収納溝が設けられ、前記収納溝部分に、前記RFIDタグを構成するICチップおよびアンテナが収納されたものである。
【発明の効果】
【0013】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0014】
すなわち、本発明の代表的な実施の形態によれば、金属製のコインにRFIDタグを組み込んで一体化したコイン型RFIDタグにおいて、通信性能を確保するためのスリット構造による物理的耐性の低下や、表面のデザイン・美感に対する悪影響を抑えることが可能となり、金属製コインに固体識別情報を保持させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施の形態であるコイン型RFIDタグの構成例について概要を示した斜視図である。
図2】本発明の一実施の形態におけるコイン型RFIDタグのスリットの形状の例について概要を示した上面図である。
図3】(a)、(b)は、本発明の一実施の形態におけるコイン型RFIDタグの構造の例について概要を示した上面図および断面図である。
図4】本発明の一実施の形態におけるコイン型RFIDタグの他の構成例について概要を示した斜視図および断面図である。
図5】本発明の一実施の形態におけるコイン型RFIDタグの他の構成例について概要を示した斜視図および断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0017】
本発明の一実施の形態であるコイン型RFIDタグは、金属製のコインにRFIDタグを組み込むにあたり、コイン表裏のデザイン面以外の箇所、例えば、コイン側面の厚み部分や、側面部に多数設けられた溝(以下では「ギザ」と記載する場合がある)などのコイン周辺部に施されるデザイン模様と、RFIDタグによる通信の性能を確保するためのスリット構造とを兼用する。これにより、一般的な金属製コインと同様の外観や重量、手触りや質感などを踏襲しつつ、刻印やレリーフなどの加工を可能とし、スリット構造によるコインの物理的耐性の低下や、表面のデザイン・美感に対する悪影響を抑えることを可能とするものである。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態であるコイン型RFIDタグの構成例について概要を示した斜視図である。図1の例では、コインサイズ(直径数cm程度)の円板状の蓋側金属片10と収納側金属片20とを、間にRFIDタグ30を組み込んだ状態で、相対する形でレーザ溶接などの各種手法により接合することでコイン型RFIDタグ1を形成する。組み込むRFIDタグ30は、例えばHF帯やUHF帯の電磁波により通信を行うものとし、ICチップ31に対してコイルアンテナ32が接続された形状を有するものである。
【0019】
ここで、蓋側金属片10と収納側金属片20の側面部には、それぞれ、同一ピッチで同一深さで表裏を貫通する形状のスリット(切り込み)11およびスリット21が施されている。接合の際にはこれらのスリットのピッチ・位置がずれないように一致(同期)させるのが望ましい。これにより、コイン型RFIDタグ1の表裏を貫通するスリットを側面部に設けることができる。このスリットはコインにおけるギザとしての役割も有し、美感面に加えて、滑り止め機能などの触感の向上にも資することができる。なお、美感上、スリットのピッチをずらして非同期としてもよい。後述のように、各スリットから出入りする電磁波により通信を行うため、ピッチの同期/非同期に関わらず通信を行うことができる。なお、以降ではピッチを同期させた場合について説明するものとする。
【0020】
図1の例では、収納側金属片20に、スリットの深さよりも外周側に設けられた(すなわち、スリットにかかった状態で設けられた)リング状の凹部からなる収納溝22を有する。この収納溝22に、RFIDタグ30のICチップ31、および絶縁被覆で保護された導線によりリング状に形成されたコイルアンテナ32を収納し、その状態で収納側金属片20と蓋側金属片10とを接合して、RFIDタグ30を封止する。
【0021】
これにより、RFIDタグ30のコイルアンテナ32はスリット11およびスリット21にかかった状態となり、コイルアンテナ32から放出されるRFIDタグ30の通信に寄与する電磁波は、RFIDタグ30の表裏面における各スリット部分から図中の磁力線2のような形状で周期的に大きさや向きが脈動しながら出入りする(図中では1つのスリットについてのみ例示している)。この磁力線2を介してRFIDタグ30と図示しないリーダ装置との間の通信が確立する。
【0022】
従って、スリット11やスリット21のコイン表裏面における形状が通信に与える影響は小さく、通信感度はコイン型RFIDタグ1の表裏面におけるスリット部分の合計面積に比例することになる。そこで、本実施の形態では、コイン型RFIDタグ1の外周部に設ける各スリット(スリット11およびスリット21)の中心方向への深さを抑えつつ、細かいピッチで多数設けることにより、スリット部分の合計面積を増やして通信性能を確保する。また、これらのスリットがコインのギザとしての役割やデザイン模様としての美感面での役割を兼ね備えるようにする。また、各スリットの中心方向への深さを抑えることで、コイン型RFIDタグ1の物理的耐性を確保するとともに、表裏面に打刻やレリーフを施すための領域を確保する。
【0023】
なお、各スリットの中心方向への深さやピッチについては特に限定されないが、上記のような役割を有するためには、例えば、スリットの深さは、コイン型RFIDタグ1の直径の概ね10%以下、スリットのピッチは概ね10度ピッチ以下(この場合、スリットは36個以上)程度とするのが望ましい。
【0024】
また、図1の例では、各スリットを外周部から中心部に向かって直線状に設けているが、上記のような役割を有することができれば形状についても特に限定されない。
【0025】
図2は、コイン型RFIDタグ1のスリットの形状の例について概要を示した上面図である。図示するように、例えば、スリット61の形状を波型とすることで、火炎や水紋などを表現するなど、スリット61によって施すデザインや模様を自由に選択することができる。
【0026】
図3は、コイン型RFIDタグ1の構造の例について概要を示した上面図および断面図である。(a)では、図1の例に示したコイン型RFIDタグ1の構造について上面図および断面図を示している。断面図では、収納溝22部分にRFIDタグ30のコイルアンテナ32(および図示しないICチップ31)が収納されることを示しているが、収納溝22部分を拡大した左側の図に示すように、コイルアンテナ32は導線32aを絶縁被覆32bで覆って構成されているため、金属製である収納溝22部分に導線32aが触れて短絡することがないように構成されている。
【0027】
また、断面図では、収納溝22が収納側金属片20側にのみ存在し、この中にRFIDタグ30のコイルアンテナ32(およびICチップ31)が収納される構成であることを示しているが、このような構成に限らない。例えば(b)に示すように、蓋側金属片10にも対応する位置に収納溝12を設け、収納側金属片20の収納溝22と合わせた空間でコイルアンテナ32を収納するように構成することも可能である。この場合は、蓋側金属片10と収納側金属片20とを同一形状とすることが可能となる。
【0028】
図1の例では、蓋側金属片10と収納側金属片20とを貼り合わせる形で接合しているが、このような構成に限らず、例えば、本体となる金属片に対してRFIDタグ30を収納したリング状の金属片をはめ込む形で接合するような構成など、各種の構成を適宜採用することが可能である。
【0029】
図4は、コイン型RFIDタグ1の他の構成例について概要を示した斜視図および断面図である。図4の例では、上段の斜視図に示すように、本体金属片50に対してリング型金属片40をはめ込んだ状態で両者を接合し、コイン型RFIDタグ1を形成する。ここで、リング型金属片40には、内周部の側面に沿って収納溝42が設けられており、図4の下段の断面図に示すように、この収納溝42にRFIDタグ30のコイルアンテナ32(およびICチップ31)を収納した状態で本体金属片50にはめ込むことで、RFIDタグ30を封止する。また、リング型金属片40の外周部には、収納溝42に部分的にかかる状態で、図1の例と同様のスリット41が設けられている。
【0030】
図5は、コイン型RFIDタグ1の他の構成例について概要を示した斜視図および断面図である。図5の例では、上段の斜視図に示すように、本体金属片50に対してリング型金属片40をはめ込んだ状態で両者を接合し、コイン型RFIDタグ1を形成する。
【0031】
ここで、本体金属片50は、図4の例と異なり、図示するように、コイン型RFIDタグ1の直径と同一の直径の円板状の部分と、リング型金属片40の内周部の直径と対応する直径の円板状の部分とが中心を一致させた状態で重ねられたような凸状の円板形状を有する。リング型金属片40には、内周部の側面の裏面部に沿って収納溝42が設けられており、図5の下段の断面図に示すように、この収納溝42にRFIDタグ30のコイルアンテナ32(およびICチップ31)を収納した状態で本体金属片50にはめ込むことで、RFIDタグ30を封止する。また、リング型金属片40および本体金属片50の外周部には、収納溝42に部分的にかかる状態で、図1の例と同様のスリット41が設けられている。
【0032】
図4図5の例に示した構成では、リング型金属片40に収納溝42を有する構成としているが、本体金属片50もしくは双方に収納溝を有する構成であってもよい。これらの例は、いずれも、形成後のコイン型RFIDタグ1については、外周部にギザと兼用されるスリット構造を有し、その内部にスリットにかかる状態でリング状の収納溝42を備えてRFIDタグ30を収納しているという点で、図1の例に示した構成と同様の機能を実現するものである。なお、図1の例も含めた上述の各例では、いずれも2つの金属片を接合することでコイン型RFIDタグ1を形成していたが、例えば、1枚の金属板をプレス加工したり、鋳型により形成したり、粉末焼成によって形成したりといった金属片の接合によらないような手法も含め、各種手法を適宜採用することができる。
【0033】
以上に説明したように、本発明の一実施の形態であるコイン型RFIDタグ1によれば、金属製のコインにRFIDタグ30を組み込むにあたり、コイン外周の側面部に深さの浅いスリットを細かいピッチで多数設け、当該スリット部分に絶縁被覆で保護されたコイルアンテナ32がかかる状態となるようにRFIDタグ30を収納することで、コイン表裏のデザイン面以外の箇所に施されるギザやデザイン模様と、RFIDタグ30による通信の性能を確保するためのスリット構造とを兼用する。これにより、一般的な金属製コインと同様の外観や重量、手触りや質感などを踏襲しつつ、刻印やレリーフを施す領域を確保し、さらにはスリット(ギザ)の形状とも合わせて自由度の高いデザイン加工を行うことが可能となる。
【0034】
また、RFIDタグ30は、コインの外周付近に設けられた収納溝に収納されるため、例えば、プレス型押しや静電気、その他の一過性の高熱に対する耐性を確保することができる。また、スリットを外周付近にのみ設けつつ、コイン全体として一体的な構造とすることができるため、打撃や貫通孔、変形攻撃などに対する耐性も確保することができる。また、スリット構造により、RFIDタグ30の電磁波がコイン本体の金属の影響を受けないようにしていることから、コインに用いる金属材料の選択についても高い自由度を得ることができる。
【0035】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記の実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記の実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、金属製のコインやメダルにRFIDタグを組み込んだコイン型RFIDタグに利用可能である。
【符号の説明】
【0037】
1…コイン型RFIDタグ、2…磁力線、
10…蓋側金属片、11…スリット、12…収納溝、
20…収納側金属片、21…スリット、22…収納溝、
30…RFIDタグ、31…ICチップ、32…コイルアンテナ、32a…導線、32b…絶縁被覆、
40…リング型金属片、41…スリット、42…収納溝、
50…本体金属片、51…スリット、
61…スリット。
図2
図3
図1
図4
図5