(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
  本発明の粒状洗剤組成物は、界面活性剤を含む粒子群(A)と、水溶性無機塩からなる粒子群(B)と、水溶性飽和脂肪酸塩からなる粒子群(C)とを粉体混合してなり、
  下記式(1)〜(5)を満たすものである。
  0.45<r/R<1.00  …(1)
  (a×R
3)/(b×r
3)×0.3<X/Y<(a×R
3)/(b×r
3)×3.0  …(2)
  70≦X+Y<100  …(3)
  0.40<n/m<1.10  …(4)
  s≦r/5  …(5)
  ただし、式(1)〜(5)中の符号は以下の意味を有する。
  R:前記粒子群(A)の平均粒子径(μm)。
  r:前記粒子群(B)の平均粒子径(μm)。
  a:前記粒子群(A)の嵩密度(g/cm
3)。
  b:前記粒子群(B)の嵩密度(g/cm
3)。
  X:前記粒子群(A)の含有量(質量%)。
  Y:前記粒子群(B)の含有量(質量%)。
  m:前記粒子群(A)の粒度分布の半値幅(μm)。
  n:前記粒子群(B)の粒度分布の半値幅(μm)。
  s:前記粒子群(C)の平均粒子径(μm)。
 
【0010】
  ここで、本発明において、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定される粒度分布(体積基準の頻度分布)における体積加重の平均径(体積%モードの算術平均粒径)D=Σn
ix
i4/Σn
ix
i3(x
i=チャネルの中心値、n
i=i番目のチャネルにおける粒子のパーセンテージ)である。粒度分布の測定は、公知のレーザー回折散乱粒度分布測定装置(たとえばベックマン・コールター社製LS  13  320)を用いて実施できる。
  嵩密度は、JIS  K3362(2008)に従って測定される値である。
  粒度分布の半値幅は、上述のようにして測定される粒度分布(横軸:粒子径(μm)、縦軸:頻度(%))のピークトップの高さの半分の位置でのピーク幅を示す。
  粒子群(A)〜(C)についてはそれぞれ後で詳細に説明する。
 
【0011】
  本発明においては、粒子群(A)と粒子群(B)との粒子径比や粒子数のバランス、および特定の粒子径の粒子群(C)の配合が重要となる。式(1)〜(4)を満たすように粒子群(A)と粒子群(B)とを配合することで、粒状洗剤組成物の水への溶解性が向上する。また、式(5)を満たす粒子群(C)をさらに配合することで、水への溶解性がさらに向上し、さらには粒状洗剤組成物の流動性も向上する。
 
【0012】
  式(1)は、0.45<r/R<1.00であり、0.55<r/R<0.90が好ましい。
  式(1)は粒子群(A)の平均粒子径Rと粒子群(B)の平均粒子径rとの関係を示す。
  r/Rが0.45超であると、粒状洗剤組成物が低浴比でも良好な水への溶解性を示す。また、粒状洗剤組成物の流動性も良好となる。
  これは、粒子群(B)の粒子(以下、B粒子ともいう。)がスペーサーとして機能することで、粒子群(A)の粒子(以下、A粒子ともいう。)同士の接点が減少し、A粒子同士の溶解時の凝集が抑制されるためと考えられる。A粒子同士の接触点が減少することで、A粒子同士が固着することによる流動性の低下も抑制されると考えられる。
  
図1を用いて模式的に説明すると、粒子群(A)が平面上に4個のA粒子が縦方向に2個、横方向に2個ずつ互いに接するように配列した場合、4個のA粒子間には隙間が形成される。この隙間には、直径rが[対向する2個のA粒子の中心間の距離−R/2×2]以下であるB粒子が入り込み得る。このときr/Rは約0.41となる。
  r/Rが0.45超であると、
図1(b)に示すように、B粒子がスペーサーになり、A粒子同士の接点が減少する。
  r/Rが0.41以下であると、
図1(a)に示すように、B粒子はA粒子同士の隙間に入り込むため、複数のA粒子同士の接点は、B粒子が無い場合と同じである。また、r/Rが0.41超0.45以下の場合、B粒子が入り込んでもA粒子同士の接点はほとんど減少しない。
  r/Rが1.00以上になると、B粒子はスペーサーとして機能するものの、1個のB粒子あたりの質量が増えることで相対的にB粒子の数が少なくなり、A粒子同士の接触点を充分に減少させることができないおそれがある。
 
【0013】
  式(2)は、(a×R
3)/(b×r
3)×0.3<X/Y<(a×R
3)/(b×r
3)×3.0である。
  X/Yが(a×R
3)/(b×r
3)の0.3倍超3.0倍未満であると、粒状洗剤組成物中のA粒子の数とB粒子の数のバランスが良く、粒状洗剤組成物の水への溶解性が向上する。
  式(2)は粒状洗剤組成物中のA粒子の数とB粒子の数との関係を示すものといえる。
  つまり、A粒子1つあたりの質量は、a×4/3π×(R/2×10
−4)
3で求められる。そのため、粒状洗剤組成物中のA粒子の数をpとしたとき、Xは、{a×4/3π×(R/2×10
−4)
3}×pとして表すこともできる。同様に、B粒子1つあたりの質量は、b×4/3π×(r/2×10
−4)
3で求められ、そのため、粒状洗剤組成物中のB粒子の数をqとしたとき、Yは、{b×4/3π×(R/2×10
−4)
3}×qとして表すこともできる。
  したがって、X/Yは、[{a×4/3π×(R/2×10
−4)
3}×p]/{{b×4/3π×(R/2×10
−4)
3}×q}であり、この式をまとめると(a×R
3)/(b×r
3)×(p/q)となる。これを式(2)中のX/Yに置き換えて変形させると、0.3<p/q<3.0となり、pとqとの関係を示す式となる。
  B粒子は、上記のように、粒子群(A)の粒子間に入り込んでスペーサーとして機能すると考えられ、B粒子が、0.3<p/q<3.0となる粒子数で含まれることで、スペーサーとしての効果が充分に得られる。
 
【0014】
  式(3)は、70≦X+Y<100であり、80≦X+Y<100が好ましく、90≦X+Y<100が特に好ましい。
  X+Y(粒状洗剤組成物の総質量に対する粒子群(A)と粒子群(B)との合計の含有量)が70質量%以上であると、粒状洗剤組成物の水への溶解性が良好であり、粒状洗剤としての洗浄力も良好である。一方、X+Yの値が100である場合、つまり粒子群(C)が含まれない場合、粒状洗剤組成物の流動性が低下するおそれがある。
 
【0015】
  式(4)は、0.40<n/m<1.10であり、0.60<n/m<1.10が好ましい。
  式(4)は、粒子群(A)の粒度分布の広さと、粒子群(B)の粒度分布の広さとの関係を示す。
  
図2〜3に具体例を示して説明する。
図2は、1種の粒子群(A)の粒度分布と、平均粒子径が同じでnが異なる2種の粒子群(B)の粒度分布を重ねたグラフの一例である。
図3は、
図2における粒子群(A)の粒度分布の代わりに、平均粒子径が同じでmがそれよりも狭い粒子群(A)の粒度分布を示したグラフである。
  これらの図に示すように、半値幅m、nが広くなると、粒子径が平均粒子径からずれた粒子の割合が増え、ずれも大きくなる。そのため平均粒子径が式(1)を満たしていても、n/mが1.10以上である(粒子群(B)の粒度分布が粒子群(A)の粒度分布に比して広い、または粒子群(A)の粒度分布が粒子群(B)の粒度分布に比して狭い)と、個々の粒子レベルで、式(1)を満たさずスペーサーとならないB粒子の割合が増える。一方、n/mが0.40以下である(粒子群(B)の粒度分布が粒子群(A)の粒度分布に比して狭い、または粒子群(A)の粒度分布が粒子群(B)の粒度分布に比して広い)場合、B粒子がスペーサーとならないA粒子の割合が増える。
  式(4)を満たすことで、スペーサーとなるB粒子がA粒子に対して充分な数で存在し、A粒子同士の接点を充分に減らすことができ、溶解性の向上等の効果が充分に得られると考えられる。
 
【0016】
  式(5)は、s≦r/5であり、s≦r/10が好ましい。
  粒子群(C)は、水溶性飽和脂肪酸塩からなる。式(5)を満たす粒子群(C)を含有することで、水への溶解性がさらに向上し、さらには粒状洗剤組成物の流動性も向上する。
  上記効果を奏する理由としては、水溶性飽和脂肪酸塩からなり且つ平均粒子径sが粒子群(B)の平均粒子径rの1/5以下であることで、粒子群(C)を構成する粒子(以下、C粒子ともいう。)が滑剤として機能するためと考えられる。つまり、C粒子はA粒子やB粒子と混合性が良好で、粉体混合時に、A粒子やB粒子の表面に付着したりそれらの表面の近傍に分布する。このC粒子によって、A粒子の隙間にB粒子が滑り込みやすくなり、B粒子のスペーサーとしての機能が充分に発揮され、水への溶解性が向上すると考えられる。また、A粒子B粒子の接着や摩擦による流動性の低下が抑制されると考えられる。
  上記の効果を充分に得るためには、水溶性飽和脂肪酸塩は、噴霧等によるコーティングではなく、粒子の状態で(粒子群(C)として)粒子群(A)、(B)と配合(粉体混合)される。
 
【0017】
<粒子群(A)>
  粒子群(A)は、界面活性剤を含む粒子群である。
 
【0018】
[界面活性剤]
  界面活性剤としては、特に限定されず、粒状洗剤等に配合されている界面活性剤を使用でき、例えばアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
 
【0019】
  アニオン界面活性剤としては、粒状洗浄剤に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、以下のものが挙げられる。
  (1−1)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩。
  α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の種類は特に制限されず、一般の粒状洗剤組成物に使用されるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩のいずれも好適に使用することができ、下記式(11)で表されるものが好ましい。
  R
11−CH(SO
3M)−COOR
12  ・・・(11)
 
【0020】
  式(11)中、R
11は、炭素数8〜20、好ましくは炭素数14〜16の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、または炭素数8〜20の直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。
  R
12は炭素数1〜6のアルキル基であり、炭素数1〜3であることが好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられ、洗浄力がより向上することからメチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
  Mは、対イオンを表し、たとえばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン塩;アンモニウム塩等が挙げられる。なかでもアルカリ金属塩が好ましい。
  α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩として、例えばα−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(MES)が好ましい。
 
【0021】
  (1−2)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
  (1−3)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
  (1−4)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
  (1−5)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
  (1−6)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
  (1−7)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
  (1−8)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
  (1−9)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
  (1−10)炭素数10〜20のアルキル基を有するモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
  (1−11)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
  (1−12)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩(石鹸)。
  これらのアニオン界面活性剤は、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩や、アミン塩、アンモニウム塩等として用いることができる。
  これらのアニオン界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
 
【0022】
  ノニオン界面活性剤としては、従来、粒状洗浄剤に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、以下のものが挙げられる。
  (2−1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均3〜30モル、好ましくは3〜20モル、さらに好ましくは5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールや、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
  (2−2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
  (2−3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキシドが付加した脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
  (2−4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
  (2−5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
  (2−6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
  (2−7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
  (2−8)グリセリン脂肪酸エステル。
 
【0023】
  上記(2−3)の脂肪酸アルキルエステルアルコキシレートとしては、例えば下記一般式(31)で表されるものが挙げられる。
  R
9CO(OA)
qR
10  ・・・(31)
[式(31)中、R
9COは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示す。OAは、炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキシドの付加単位(オキシアルキレン基)を示し、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が好ましい。qはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20である。R
10は置換基を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
 
【0024】
  これらのノニオン界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
  上記のノニオン界面活性剤の中でも、上記(2−1)のノニオン界面活性剤が好ましく、特に、炭素数12〜16の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好ましい。
  また、融点が50℃以下でHLBが9〜16の、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が好適に用いられる。
  なお、本明細書におけるノニオン界面活性剤のHLBとは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。
  本明細書における融点とは、JISK0064−1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」に記載されている融点測定法によって測定された値である。
 
【0025】
  カチオン界面活性剤としては、たとえば、以下のものを挙げることができる。
  (3−1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
  (3−2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
  (3−3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
  ただし、上記の「長鎖アルキル」は炭素数12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。
  「短鎖アルキル」は、フェニル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基等の置換基を包含し、炭素間にエーテル結合を有していてもよい。なかでも、炭素数1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基;ベンジル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のポリオキシアルキレン基が好適なものとして挙げられる。
 
【0026】
  両性界面活性剤としては、たとえばイミダゾリン系の両性界面活性剤、アミドベタイン系の両性界面活性剤等が挙げられる。具体的には、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが好適なものとして挙げられる。
 
【0027】
  これらの界面活性剤は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
  粒子群(A)は、界面活性剤として、上記の中でも、アニオン界面活性剤を含むことが好ましく、なかでも洗浄力の点から、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、LAS塩から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
  また、粒子群(A)は、界面活性剤として、ノニオン界面活性剤を含むことも好ましい。ノニオン界面活性剤としては、例えば上記(2−1)のノニオン界面活性剤(ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル)が好ましい。
  アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤を併用する場合には、粒子群(A)中におけるこれらの質量比(アニオン界面活性剤/ノニオン界面活性剤)は、洗浄力・再汚染性の点から、1〜10が好ましく、2〜6がより好ましく、3〜5がさらに好ましい。
 
【0028】
  粒子群(A)中の界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、製造性の点や粒子同士の付着性の点で、粒子群(A)の総質量に対し、10〜30質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。
 
【0029】
[水溶性無機塩]
  粒子群(A)は、粒子の流動性や製造性の点で、界面活性剤に加えて、水溶性無機塩を含むことが好ましい。
  水溶性無機塩としては、洗浄性ビルダー等として粒状洗剤等に通常使用される水溶性無機塩を使用でき、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩;結晶性層状ケイ酸ナトリウム(例えば、クラリアントジャパン社製の商品名「Na−SKS−6」(δ−Na
2O・2SiO
2)等の結晶性アルカリ金属ケイ酸塩)、非晶質アルカリ金属ケイ酸塩;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩;塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物;ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩;炭酸ナトリウムと非晶質アルカリ金属ケイ酸塩の複合体(例えば、ロディア社製のNABION15(商品名))等が挙げられる。
  これらの水溶性無機塩は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
 
【0030】
  粒子群(A)に含まれる水溶性無機塩としては、上記の中でも、アルカリ金属炭酸塩、硫酸塩が好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウムがより好ましい。これらはいずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
  上記の中でも、炭酸ナトリウムと硫酸ナトリウムとを併用することが好ましい。炭酸ナトリウムと硫酸ナトリウムとを併用することで粒子群(A)の強度、流動性が高まる傾向にある。
  炭酸ナトリウムと硫酸ナトリウムとを併用する場合、粒子群(A)中の炭酸ナトリウム/硫酸ナトリウムで表される質量比は、1〜10が好ましく、1.5〜10がより好ましい。炭酸ナトリウム/硫酸ナトリウムの質量比が1以上であると、粒子群(A)の洗浄力がより向上する傾向にあり、10以下であると、粒子群(A)の強度、流動性がより優れる。
  なお、炭酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムとしては、無水物が好適に使用される。本明細書における「炭酸ナトリウム」、「硫酸ナトリウム」との記載は、無水物を指す。
 
【0031】
  粒子群(A)中の水溶性無機塩の含有量は、特に限定されないが、粒子群(A)中での界面活性剤に対する水溶性無機塩の質量比(水溶性無機塩/界面活性剤)が1〜5となる範囲内であることが好ましい。水溶性無機塩/界面活性剤は、より好ましくは2〜4であり、さらに好ましくは2〜3である。水溶性無機塩/界面活性剤が上記の範囲内であると、該粒子群(A)を用いて製造された粒状洗剤組成物の水への溶解性が優れるとともに、初期および経時の流動性も良好となりやすい。また、水溶性無機塩/界面活性剤が1以上であると、界面活性剤濃度を低く抑えつつ、優れた洗浄力を得ることができる。また、水溶性無機塩/界面活性剤が5以下であると、粒子群(A)の製造(造粒)を問題なく行うことができる。
 
【0032】
[他の任意成分]
  粒子群(A)は、必要に応じて、界面活性剤および水溶性無機塩以外の他の成分をさらに含有してもよい。該他の成分としては、粒状洗剤組成物に配合される公知の成分を用いることができ、例えば有機ビルダー、水不溶性無機塩、蛍光増白剤、ポリマー類、酵素安定剤、ケーキング防止剤、還元剤、金属イオン捕捉剤、pH調整剤等が挙げられる。
 
【0033】
  有機ビルダーとしては、例えば、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸塩、アクリル酸−アリルアルコール共重合体の塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸の塩;ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体又は共重合体の塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体又は共重合体の塩;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物、カルボキシメチルセルロース等の多糖類誘導体等が挙げられる。
  これらのなかでは、洗浄力や洗濯液中での汚れ分散性がより向上することから、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアセタールカルボン酸の塩を用いることが好ましい。
  粒子群(A)中の有機ビルダーの含有量は、特に限定されないが、粒子群(A)の総質量に対し、1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜5質量%がさらに好ましい。
 
【0034】
  水不溶性無機塩としては、例えばゼオライト、粘土鉱物等が挙げられる。
  これらの中でもゼオライトが、洗浄力の向上に寄与するビルダーとして好適に用いられる。ゼオライトとはアルミノケイ酸塩の総称であり、アルミノケイ酸塩としては、結晶性、非晶質(無定形)のいずれも用いることができる。カチオン交換能の点から結晶性アルミノケイ酸塩が好ましい。結晶性アルミノケイ酸塩としては、A型、X型、Y型、P型ゼオライト等が好適である。
  粒子群(A)中のゼオライトの含有量は、特に限定されないが、粒子群(A)の総質量に対し、1〜15質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましく、5〜10質量%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、ゼオライトを用いたことによる洗浄力向上効果が得られやすく、上限値以下であると、ゼオライトを用いたことによるすすぎ性悪化などが生じにくい。
  ただし、粒子群(A)中のゼオライトの含有量は、粒状洗剤組成物の見た目の溶解性の観点からも、粒状洗剤組成物中の水不溶成分(ゼオライト等)の総含有量が粒状洗剤組成物の総質量に対して10質量%未満になる範囲内とすることが好ましい。
 
【0035】
[平均粒子径]
  粒子群(A)の平均粒子径Rは、式(1)を満たす範囲内で適宜設定でき特に限定されないが、通常、100〜500μmの範囲内であり、100〜300μmが好ましく、100〜250μmがより好ましく、100〜200μmが特に好ましい。
  粒子群(A)の平均粒子径が上記範囲にあると、A粒子の溶解に要する時間が短く、溶解性が良好である。また、平均粒子径Rが小さくなると、相対的に粒子群(B)、(C)の平均粒子径も小さくなり、粒状洗剤組成物全体の平均粒子径が小さくなる。そのため、粒状洗剤組成物全体の溶解時間が短くなるほか、使用者に溶解しやすいというイメージを与えることができる。
  一方、粒子群(A)の平均粒子径が100μm未満になると、式(1)、(5)を満たすためには粒子群(B)、(C)の平均粒子径が非常に小さくなり、取り扱い性が低下する。また、粒子群(C)を配合しても合一が起こりやすくなり、溶解性、流動性ともに低下が生じるおそれがある。
 
【0036】
[粒度分布の半値幅]
  粒子群(A)の粒度分布の半値幅mは、式(4)を満たす範囲内で適宜設定できる。
 
【0037】
[嵩密度]
  粒子群(A)の嵩密度aは、特に限定されないが、0.6〜1.2g/cm
3が好ましく、0.8〜1.0g/cm
3がより好ましい。
 
【0038】
[水分量]
  粒子群(A)の水分量は、特に限定されないが、4〜10質量%が好ましく、5〜9質量%がより好ましく、5.5〜8.5質量%がさらに好ましい。水分量が4質量%以上であると水への溶解性が良好で、10質量%以下であると保存後の流動性が良好である。
  水分量は、赤外線水分計(たとえば株式会社ケツト科学研究所製Kett水分計)により20分間130℃加熱後の蒸発揮発分として測定される値である。
 
【0039】
[配合量]
  粒状洗剤組成物における粒子群(A)の配合量Xは、式(2)、(3)を満たす範囲内で適宜設定でき特に限定されないが、粒状洗剤組成物の総質量に対し、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上がより好ましい。50質量%以上であると良好な洗浄力が得られる。配合量Xの上限は他の成分とのバランスを考慮すると、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましい。
 
【0040】
<粒子群(B)>
  粒子群(B)は、水溶性無機塩からなる粒子である。
  水溶性無機塩としては、洗浄性ビルダー等として粒状洗剤等に通常使用される水溶性無機塩を使用でき、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;結晶性層状ケイ酸ナトリウム(例えば、クラリアントジャパン社製の商品名「Na−SKS−6」(δ−Na
2O・2SiO
2)等の結晶性アルカリ金属ケイ酸塩)、非晶質アルカリ金属ケイ酸塩;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩;塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物;ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩;炭酸ナトリウムと非晶質アルカリ金属ケイ酸塩の複合体(例えば、ロディア社製のNABION15(商品名))等が挙げられる。
  粒子群(B)を構成する水溶性無機塩としては、上記の中でも、溶解性、洗浄力の点で、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩が好ましく、炭酸水素ナトリウムが特に好ましい。
  粒子群(B)を構成するB粒子は1種でも2種以上でもよい。2種以上のB粒子を併用する場合、各B粒子として、同じ粒度分布のものを使用することが好ましい。
 
【0041】
[平均粒子径]
  粒子群(B)の平均粒子径rは、式(1)を満たす範囲内で、粒子群(A)の平均粒子径Rを考慮して適宜設定でき特に限定されないが、45〜300μmが好ましく、55〜240μmがより好ましく、100〜200μmが特に好ましい。
 
【0042】
[粒度分布の半値幅]
  粒子群(B)の粒度分布の半値幅nは、式(4)を満たす範囲内で適宜設定できる。
 
【0043】
[嵩密度]
  粒子群(B)の嵩密度bは、特に限定されないが、0.6〜1.7g/cm
3が好ましく、0.8〜1.5g/cm
3がより好ましい。
 
【0044】
[配合量]
  粒状洗剤組成物における粒子群(B)の配合量Yは、式(2)、(3)を満たす範囲内で適宜設定でき特に限定されないが、粒状洗剤組成物の総質量に対し、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。10質量%以上であると粒状洗剤組成物の水への溶解性が良好である。配合量Yの上限は他の成分とのバランスを考慮すると、30質量%以下が好ましい。
 
【0045】
<粒子群(C)>
  粒子群(C)は、水溶性飽和脂肪酸塩からなる粒子である。
  水溶性飽和脂肪酸塩としては、例えば、炭素数12〜16の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸の塩が挙げられ、塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等が挙げられる。
  粒子群(C)を構成する水溶性飽和脂肪酸塩としては、パルミチン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウムが好ましい。
  粒子群(C)を構成するC粒子は1種でも2種以上でもよい。
 
【0046】
[平均粒子径]
  粒子群(C)の平均粒子径sは、式(5)を満たす範囲内で、粒子群(B)の平均粒子径rを考慮して適宜設定でき特に限定されないが、60μm以下が好ましく、5〜50μmがより好ましい。60μm以下であるとC粒子の溶解性も良好である。また、平均粒子径sが小さいほど、少量の粒子群(C)で所望の効果が得られやすい。平均粒子径sが5μm以上であると、ハンドリング(粒子群の流動性)も良好である。
 
【0047】
[配合量]
  粒状洗剤組成物における粒子群(C)の配合量は、粒状洗剤組成物の総質量に対し、0.05〜3質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%がより好ましく、0.2〜1質量%がさらに好ましい。この範囲にあると、溶解性を損ねることなく、流動性も良好である。
 
【0048】
<任意成分>
  本発明の粒状洗剤組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、漂白剤、漂白活性化剤、漂白活性化触媒、酵素、再汚染防止剤(カルボキシメチルセルロース等)、消泡剤、表面コート剤(ゼオライト等)、香料、色素等の成分を含有することができる。
  これらの任意成分は、粒子群として粒子群(A)〜(C)と粉体混合してもよく、噴霧等により粒子群(A)〜(C)のいずれか1種以上に付着させてもよい。
 
【0049】
<粒状洗剤組成物の製造方法>
  本発明の粒状洗剤組成物は、粒子群(A)と、粒子群(B)と、粒子群(C)とを、前記式(1)〜(5)を満たすように粉体混合することにより製造できる。
  これらの粒子群を粉体混合して得られる粒状洗剤組成物においては、各粒子群の粒子(A粒子、B粒子、C粒子)がそれぞれ独立した粒子として存在している。
 
【0050】
  粒子群(A)〜(C)としてはそれぞれ、市販品を用いてもよく、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。例えば粒子群(A)は、後述する製造方法により製造できる。市販品を用いる場合、必要に応じて篩い分け等を行って、所望する平均粒子径、粒度分布に調整してもよい。
 
【0051】
  粒子(A)〜(C)の混合方法は、公知の粉体混合方法を用いることができ、例えば、従来公知の粉体混合装置(例えば水平円筒型転動混合機やV型ミキサー)に粒子群(A)〜(C)を投入して混合する方法が挙げられる。
  粉体混合装置への粒子群(A)〜(C)の投入順序は、特に限定されず、粒子群(A)〜(C)を全て混合装置に予め仕込み、これを混合してもよいし、粒子群(A)〜(C)を順次、任意の順序で混合装置に投入して混合してもよい。粒子群の流動性の点では、粒子群(A)と粒子群(C)とを混合してから粒子群(B)を混合することが好ましい。
  粒子群(A)〜(C)に加えて、任意の他の粒子群を配合する場合には、該他の粒子群を粒子群(A)〜(C)のいずれかと予め混合しておいてもよいし、粒子群(A)〜(C)と共に他の粒子群を混合装置に予め仕込み、これを混合してもよい。また、粒子群(A)〜(C)を混合した後に、香料等の液状成分を噴霧するなどして添加し、混合してもよい。
  ただし、粒状洗剤組成物の見た目の溶解性の観点から、水不溶成分(ゼオライト等)の使用量は、粒状洗剤組成物中の水不溶成分の含有量が粒状洗剤組成物の総質量に対して10質量%未満になる範囲内とすることが好ましい。
 
【0052】
[粒子群(A)の製造方法]
  界面活性剤、および必要に応じて水溶性無機塩等の任意成分を含む粒子群(A)は、従来公知の方法により製造できる。
  例えば、粒子群(A)を構成する原料(界面活性剤、任意成分)の一部を水に分散・溶解して噴霧乾燥用スラリーを調製し(スラリー調製工程)、噴霧乾燥用スラリーを噴霧乾燥機により乾燥して噴霧乾燥粒子を得る(噴霧乾燥工程)。ついで、得られた噴霧乾燥粒子を残りの原料と共に造粒する(造粒工程)。これにより、粒子群(A)が得られる。その後、必要に応じて粒子群(A)を篩い分けて、所望する平均粒子径、粒度分布に調整してもよい(篩分工程)。
 
【0053】
  噴霧乾燥用スラリーの噴霧乾燥時においては、噴霧乾燥塔内には高温ガスが供給される。この高温ガスは、例えば噴霧乾燥塔の下部より供給され、噴霧乾燥塔の塔頂より排出される。この高温ガスの温度としては、170〜300℃であることが好ましく、200〜280℃であることがより好ましい。該範囲であれば、噴霧乾燥用スラリーを充分に乾燥することができ、所望とする水分含有量の噴霧乾燥粒子を容易に得ることができる。
  また、噴霧乾燥塔より排出されるガスの温度は、通常、70〜125℃であることが好ましく、70〜115℃であることがより好ましい。
 
【0054】
  なお、高温ガスが噴霧乾燥塔の下部より供給され、噴霧乾燥塔の塔頂より排出される(向流式)場合、得られる噴霧乾燥粒子の温度が高くなりすぎることを抑制するために、噴霧乾燥塔の下部より冷風を供給することができる。また、同時に、例えば噴霧乾燥塔の下部より無機微粒子(ゼオライト等)等を導入し、噴霧乾燥粒子と接触させることにより、該噴霧乾燥粒子の噴霧乾燥塔内壁への付着防止を図ったり、得られる噴霧乾燥粒子の流動性の向上を図ったりできる。噴霧乾燥塔としては、向流式であっても並流式であってもよく、中でも、熱効率や乾燥粉(噴霧乾燥粒子)を充分に乾燥することができることから向流式が好ましい。
 
【0055】
  噴霧乾燥用スラリーの微粒化装置としては、圧力噴霧ノズル、2流体噴霧ノズル、回転円盤式等が挙げられる。中でも、所望とする平均粒径を得ることが容易な圧力噴霧ノズルを用いることが好ましい。ここで、「圧力噴霧ノズル」とは、圧力をかけることにより、噴霧乾燥用スラリーを該ノズルの噴霧口より押し出しながら噴射させて微粒化させる際に用いるノズル全般を包含する。中でも、噴霧乾燥用スラリーを、該ノズルの一又は複数の流入口から該ノズル内の渦巻き室に導き、その渦巻き室内で旋回流として噴霧口より噴射させる構造を持つノズルが特に好ましい。噴霧時の圧力としては、2〜4MPa(ゲージ圧)が好ましく、より好ましくは2.5〜3MPa(ゲージ圧)である。
 
【0056】
  造粒工程には、従来公知の方法を用いることができ、例えば、噴霧乾燥粒子と残りの原料を捏和・粉砕する粉砕造粒や、攪拌造粒、転動造粒、流動層造粒等が挙げられる。例えば粉砕造粒の場合、噴霧乾燥粒子と残りの原料とを捏和し、これを押し出しつつ切断してペレット状の成形物を得、該成形物を粉砕することにより粒子群(A)を得ることができる。
  篩分工程としては、例えば、複数種の目開きの篩を用意し、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ねて篩ユニットとし、該篩ユニットの上部に粒子群(A)を投入し、篩ユニットを振動して篩い分ける方法が挙げられる。各篩上に残存した粒子群(A)を篩毎に回収し、回収した粒子群(A)を混合することにより、所望する平均粒子径又は粒度分布の粒子群(A)を得ることができる。
 
【0057】
<粒状洗剤組成物の使用方法>
  本発明の粒状洗剤組成物は、被洗物の洗濯に用いることができる。
  粒状洗剤組成物を用いた被洗物の洗濯方法としては、例えば、粒状洗剤組成物の濃度が0.02〜2質量%である洗浄液を用い、洗濯機で被洗物を洗浄したり、洗浄液に被洗物を浸け置く等の方法等、従来公知の洗浄方法が挙げられる。
  被洗物としては、例えば、衣料、布帛、カーテン、シーツ等の繊維製品が挙げられる。
 
【実施例】
【0058】
  本発明について、実施例を示してさらに具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
  以下の各例において、原料は以下のものを使用した。
【0059】
[粒子群(A)]
  ・MES:炭素数16:炭素数18=80:20(質量比)の脂肪酸メチルエステルスルフォネートのナトリウム塩(ライオン株式会社製、AI=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等)。
  ・LAS−Na:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(ライポンLH−200(LAS−H純分96質量%、ライオン株式会社製)を界面活性剤組成物調製時に48質量%水酸化ナトリウム水溶液で中和する)。
  ・石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン株式会社製、純分;67質量%、タイター;40〜45℃、脂肪酸組成;C12=11.7質量%、C14=0.4質量%、C16=29.2質量%、C18F0(ステアリン酸)=0.7質量%、C18F1(オレイン酸)=56.8質量%、C18F2(リノール酸)=1.2質量%、分子量;289)。
  ・ノニオン界面活性剤:LMAO−90(商品名、ライオンケミカル製)[ポリオキシエチレン(EO15
*)アルキル(C12−14
*)エーテル]。*「EO15」はエチレンオキシドの平均付加モル数が15であることを示し、(C12−14)はアルキル基の炭素数が12〜14であることを示す。
  ・炭酸ナトリウム:粒灰、平均粒子径320μm、嵩密度1.07g/cm
3、旭硝子株式会社製。
  ・炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)、平均粒子径490μm、嵩密度1.30g/cm
3、旭硝子株式会社製。
  ・硫酸ナトリウム:中性無水芒硝A0、四国化成工業株式会社製。
  ・MA剤:アクリル酸−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、商品名;アクアリックTL−400、純分40質量%水溶液、日本触媒株式会社製。
  ・ゼオライト:A型ゼオライト、製品名;シルトンB、純分80質量%、水澤化学株式会社製。
  ・蛍光剤:チノパールCBS−X(商品名、BASF社製、ジスチリルビフェニル誘導体、水溶性蛍光剤)/チノパールAMS−GX(商品名、BASF社製、ビス(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体、準分散性蛍光剤)=1/1。
【0060】
[粒子群(B)]
  ・(B)−1:炭酸水素ナトリウム粒子、Penrice社製、商品名;SODIUM  BICARBONATE  FOOD  GRADE  COARSE  GRANULAR。
  ・(B)−2:硫酸ナトリウム:中性無水芒硝A0、四国化成工業株式会社製。
【0061】
[粒子群(C)]
  ・(C)−1:パルミチン酸ナトリウム(試薬、関東化学)。
【0062】
[任意成分]
  ・過炭酸ナトリウム(商品名;PC−W、日本パーオキサイド社製、有効酸素量12.5%、平均粒子径850μm)
  ・漂白活性化剤:下記の手順で製造した漂白活性化剤含有造粒物(下記表4に示す配合量は、造粒物としての量である)。
  漂白活性剤として4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの合成を、原料として4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(関東化学(株)製  試薬)、N,N−ジメチルホルムアミド(関東化学(株)製  試薬)、ラウリン酸クロライド(東京化成工業(株)製  試薬)、アセトン(関東化学(株)製  試薬)を用い、以下の方法で行った。
  予め脱水処理した4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム3000g(15.3mol)をN,N−ジメチルホルムアミド9000g中に分散させ、スターラーで撹拌しながらラウリン酸クロライド3347g(15.3mol)を50℃で30分かけて滴下した。滴下終了後3時間反応を行い、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下(0.5〜1mmHg)、100℃で留去した。アセトン洗浄後、水/アセトン(=1/1mol))溶媒中にて再結晶を行って精製し、4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの結晶を得た。収率は90%であった。
  上記の方法で合成した4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム70質量部、PEG(商品名:ポリエチレングリコール#6000M(ライオン(株)製))20質量部、炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム粉末品(商品名:リポランPJ−400(ライオン(株)製))5質量部の割合で合計5000gになるようにホソカワミクロン社製エクストルード・オーミックスEM−6型(商品名)に投入し、混練押し出しすることにより、径が0.8mmφのヌードル状の押し出し品を得た。この押し出し品(60℃)を、ホソカワミクロン社製フィッツミルDKA−3型(商品名)に導入し、また助剤としてA型ゼオライト粉末5質量部を同様に供給し、粉砕して平均粒子径約700μmの漂白活性化剤含有造粒物を得た。
【0063】
  ・CMC:カルボキシメチルセルロース(ダイセル化学工業社製、商品名;CMCダイセル1190)。
  ・酵素(1):エバラーゼ8T/セルクリーン4500T/ライペックス50T=5/3/2(質量比)の混合物、ノボザイムズ社製。
  ・酵素(2):プロペラーゼ4000D/ピュラダックスHA1200E/マンナスター375=5/3/2(質量比)の混合物、ジェネンコア社製。
  ・香料:特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。
  ・色素:群青(商品名、大日精化工業社製、Ultramarine Blue)。  
【0064】
(実施例1〜14、比較例1〜8)
  以下の製造方法A、BまたはCにて、実施例1〜14、比較例1〜8の粒状洗剤組成物を得た。
【0065】
<製造方法A(実施例1〜12、比較例1〜8)>
[1.粒子群(A)の製造]
  表1に示すA粒子組成A−1に従い、表2に示す製造条件(1)〜(6)のいずれかにて以下の工程(1)〜(3)を行って、粒子群(A)を製造した。
【0066】
・工程(1)
  原料の脂肪酸エステルをスルホン化し、中和して得られたMESの水性スラリー(水分濃度25質量%に調製した)に、ノニオン界面活性剤の一部(MESに対して25質量%の量)を投入し、水分濃度が11質量%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、MESとノニオン界面活性剤との混合濃縮物を得た。
【0067】
・工程(2)
  撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を80℃に調整した。これにMESとノニオン界面活性剤とを除く界面活性剤を添加し、10分間撹拌した。続いてMA剤を添加した。さらに10分間撹拌した後、A型ゼオライトの一部(下記表1中に記載の配合量から、下記工程(3)で投入する捏和時添加用1.0質量%、粉砕助剤用5.0質量%を除いた量)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び硫酸ナトリウムを添加した。さらに20分間撹拌して水分38質量%の噴霧乾燥用スラリーを調製した(スラリー調製操作)後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒子径320μm、嵩密度0.30g/cm
3、水分6質量%の噴霧乾燥粒子を得た(噴霧操作)。
【0068】
・工程(3)
  得られた噴霧乾燥粒子、工程(1)で得られた混合濃縮物、1.0質量%のA型ゼオライト、ノニオン界面活性剤(上記混合濃縮物中のノニオン界面活性剤を除く残部)、蛍光剤、及び水を連続ニーダー(KRC−S12型、株式会社栗本鐵工所製)に投入し、ニーダーの回転数Xrpm、ジャケット温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤を含有する水分7質量%の捏和物を得た(捏和処理)。該捏和物を、穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル株式会社製、EXDFJS−100型)で押し出しつつ、カッターで切断(カッター周速は5m/s)し、長さ5〜30mm程度のペレット状成形物を得た。
  次いで、得られたペレット状成形物に、粉砕助剤としてのA型ゼオライト5.0質量%相当量を添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で、直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン株式会社製、DKA−3)を用いて粉砕し(スクリーン穴径Ymm:1段目/2段目/3段目、回転数Zrpm:1段目/2段目/3段目)、粒子群(A)を得た(造粒操作)。
  各例の製造条件(ニーダーの回転数X、フィッツミルのスクリーン穴径Yおよび回転数Z)は表2に従った。
  各例で得られた粒子群(A)の平均粒子径R、粒度分布の半値幅m、嵩密度a、適用した製造条件を表3〜5に示す。
【0069】
[2.粒状洗剤組成物の調製]
  下記の表3〜5に示す組成に従い、粒子群(A)〜(C)、過炭酸ナトリウム及びCMCを、容器回転式円筒型混合機に15kg/minの速度で同時に投入し、混合した。この容器回転式円筒型混合機は、容器が直径0.7m、長さ1.4m、傾斜角3.0°、出口堰高さ0.15m、内部混合羽根が高さ0.1m、長さ1.4mの平羽根を90°毎に4枚取り付けた仕様のものである。また、内部混合羽根の回転数はフルード数をFr=0.2になるように調整した。
  容器を回転させて流動化させた粒子群に対し、香料を噴霧し、1分間転動した。
  得られた洗剤組成物前駆体の一部を着色するために、前記粒子をベルトコンベアで0.5m/sの速度で移送(ベルトコンベア上の界面活性剤含有粒子層の高30mm、層幅300mm)しつつ、その表面に色素の20%水分散液を噴霧した。
  上記容器回転式円筒型混合機を用い、上記と同一条件で、一部を着色した洗剤組成物前駆体と酵素とを5分間混合し粒状洗剤組成物を得た。
【0070】
<製造方法B(実施例13)>
  MES及びノニオン界面活性剤を用いない以外は製造方法Aにおける粒子群(A)の製造と同様にして粒子群(A)を得た。得られた粒子群(A)のA粒子組成は、表1に示すA−2であり、製造条件は表2に示す(7)を適用した。得られた粒子群(A)の平均粒子径R、粒度分布の半値幅m、嵩密度a、適用した製造条件を表4に示す。
  次いで、表4に示す組成に従い、粒子群(A)〜(C)、過炭酸ナトリウム、漂白活性化剤及びCMCを、容器回転式円筒型混合機に15kg/minの速度で同時に投入、混合した。以降は製造方法Aにおける粒状洗剤組成物の調製と同様にして、粒状洗剤組成物を得た。
【0071】
<製造方法C(実施例14)>
  MES及び蛍光剤を用いない以外は、製造方法Aにおける粒子群(A)の製造と同様にして粒子群(A)を得た。得られた粒子群(A)のA粒子組成は、表1に示すA−3であり、製造条件は表2に示す(8)を適用した。得られた粒子群(A)の平均粒子径R、粒度分布の半値幅m、嵩密度a、適用した製造条件を表4に示す。
  次いで、表4に示す組成に従い、粒子群(A)〜(C)及びCMCを、容器回転式円筒型混合機に15kg/minの速度で同時に投入、混合した。以降は製造方法Aにおける粒状洗剤組成物の調製と同様にして、粒状洗剤組成物を得た。
【0072】
  上記の粒状洗剤組成物の調製に際し、粒子群(B)としては、市販品の篩分けを行い(目開き500μm、425μm、355μm、300μm、250μm、212μm、150μm、100μm、75μm及び53μmの10段の篩と受け皿使用)、それらを必要量(所定の平均粒子径、半値幅となるように)分取、混合して使用した。
  各例で使用した粒子群(B)の種類、平均粒子径r、粒度分布の半値幅n、嵩密度bを表3〜5に示す。また、r/5の値を併記した。表中、(B)−1は炭酸水素ナトリウム、(B)−2は硫酸ナトリウムを示す。
  粒子群(C)としては、所定の粒子径のものをそのまま使用した。各例で使用した粒子群(C)の種類を表3〜5に示す。表中、(C)−1はパルミチン酸ナトリウムを示す。
【0073】
<粒状洗剤組成物の評価>
  得られた粒状洗剤組成物について、以下の評価を行った。結果を表3〜5に示す。
【0074】
[溶解性の評価]
  全自動洗濯機(株式会社東芝製、AW−80VC)に、被洗物として綿Tシャツ12枚を投入し、その上に折りたたんだ綿Tシャツ3枚、ポリエステルシャツ3枚、アクリルシャツ3枚を投入し、被洗物の中心に調製した粒状洗剤組成物47gを乗せ、さらに綿Tシャツ3枚、ポリエステルシャツ3枚、アクリルシャツ3枚を投入した。水量47L(5℃の水道水)、洗浄10分、脱水4分後、布上及び洗濯機中にある溶け残りを拾い出し、目視にて溶け残り量を、下記評価基準に基づいて評価した。なお、被洗物は黒色系で、全量が約4kgになるようにした。結果を表3〜5に示す。家庭における使用性を考慮し、水への溶解性は「◎および○」を良好と判断した。
〔評価基準〕
  ◎:溶け残りがほとんどない。
  ○:溶け残りがやや見られるが問題ないレベル。
  △:溶け残りが目立つ。
  ×:溶け残りが著しく見られる。
【0075】
[粉の見た目の溶けやすさの評価]
  粒状洗剤組成物を紙容器(9cm×15cm×12cm)に1kg充填して粒状洗剤製品とした。粒状洗剤製品について、10名のパネラーに、紙容器内の粉(粒状洗剤組成物)を見た時および粉を計量スプーンで掬った時に感じる粉の溶けやすさのイメージを、下記の5段階で評価してもらい、平均点を算出した。結果(平均点)を表3〜5に示す。平均点が3.5点以上を良好と判断した。
〔評価基準〕
  5点:とてもよく溶けそうに感じる。
  4点:よく溶けそうに感じる。
  3点:普通に溶けそうに感じる。
  2点:やや溶けにくそうに感じる。
  1点:溶けにくそうに感じる。
【0076】
[流動性の評価]
  粒状洗剤組成物を紙容器(9cm×15cm×12cm)に1kg充填して粒状洗剤製品とした。粒状洗剤製品について、10名のパネラーに、紙容器内の粉(粒状洗剤組成物)を計量スプーンで掬った時の掬いやすさを下記の5段階で評価してもらい、平均点を算出した。結果(平均点)を表3〜5に示す。平均点が3.5点以上を良好と判断した。
〔評価基準〕
  5点:サラサラしていてとても掬いやすい。
  4点:わりとサラサラしていて掬いやすい。
  3点:問題なく普通に掬える。
  2点:ややサラサラ感がなく掬いにくい。
  1点:サラサラ感がなく掬いにくい。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
  上記結果に示すように、実施例1〜14の粒状洗剤組成物は、洗濯時の溶け残りが少なく水への溶解性が良好で、見た目上も溶けやすさを感じさせるものであった。また、流動性も良好で、使用感に優れていた。
  一方、r/Rが0.45以下で式(1)を満たさない比較例1は、水への溶解性が悪かった。r/Rが1.00以上で式(1)を満たさない比較例2は、水への溶解性が不良であった。
  X/Yが(a×R
3)/(b×r
3)×0.3(=2.6)以下で式(2)を満たさない比較例3は、水への溶解性が不良であった。X/Yが(a×R
3)/(b×r
3)×3.0(=5.5)以上で式(2)を満たさない比較例4は、水への溶解性が悪かった。
  n/mが0.40以下で式(3)を満たさない比較例5、n/mが1.10以上で式(3)を満たさない比較例6はともに、水への溶解性が悪かった。
  粒子群(C)を含まない比較例7は、水への溶解性が不良で、さらに流動性が悪かった。
  粒子群(C)の平均粒子径がr/5よりも大きい比較例8は、水への溶解性が不良で、さらに流動性も、比較例7よりは改善したが実施例1〜14よりも低かった。