【0017】
(6)ガラス部材3の少なくとも一方の面に設けられる樹脂配線層4
この樹脂配線層4は、内部に第2のビア導体41、内部配線層42及び光導波路5の光導入路51が係合する係合部43を有する。
(a) 樹脂配線層4は、前記配線層32を設けた側に形成する場合もあるし、設けていない側に形成する場合がある。
(b) 樹脂配線層4を形成する樹脂は、エポキシ、ポリイミドなどの透過性樹脂を使用できる。
(c) 樹脂配線層4は、樹脂をガラス部材3上に設け、レーザ若しくはフォトリソグラフィーにより第2のビア導体が埋まる穴を形成し、その上に無電解めっき膜を形成する。次に配線となる部分をフォトリソグラフィーによりフォトレジストを開口し、露出する無電解めっき膜に電解めっきで第2のビア導体41と配線を形成した後、レジスト除去と無電解めっき膜を除去して、内部配線層42を形成する(いわゆるセミアディティブ法)。また、内部配線層42となる部分以外をフォトリソグラフィーにより、エッチングすることにより内部配線層42を作成してもよい(サブトラクティブ法)。必要に応じ、これらを繰り返し、積層する。
また、樹脂配線層4は、ガラス部材3上に配線層32を形成後、その上に、形成してもよい。
(d) 樹脂配線層4に形成する光導波路5の光導入路51が係合する係合部43は、例えば、凹部形状で作成する。樹脂配線層4は、エポキシ、ポリイミドなどの透過性樹脂で作成されているため、ガラス部材3における樹脂配線層4を設ける反対面側の光素子7’等の実装配線をアライメントマークとし、フォトリソグラフィーで凹部(係合部)43を作製でき、形状としては、角形状、楕円形状が可能である。
また、レーザ等によりエッチング加工することで、凹部(係合部)43を作製できる。樹脂配線層4(ビルドアップ層)は樹脂材料であるため、レーザの出力を調整することにより、ガラス部材3の表面でエッチングがストップし、安定した形状の係合部(凹部)43を形成することができる。凹部の形状に合わせ、光導波路5のクラッドに凸部51を形成し、固定する。反対面に搭載される光素子等7と凹部との位置合わせは、樹脂配線層4とガラス部材3が透明あるため、容易である。
【実施例】
【0019】
(実施例 1)
その構造を、
図1に示すように、ガラス部材3の一方の面に第1の樹脂層4’及び他方の面側に樹脂配線層4を有する光電気複合パッケージ(1)である。
光電気複合パッケージ(1)は、内壁面(21)と外側面(22)とを備えたアルミナセラミック製の枠体(2)と、矩形の板状をなし、表面から裏面へ第1の銅(Cu)からなるビア導体(31)を有し、少なくとも一方の面に、銅(Cu)からなる配線層(32)を備え、枠体(2)の内壁面(21)にエポキシ系の樹脂からなる接合材(9)を介して接合されるアルカリガラス製のガラス部材(3)と、前記ガラス部材(3)の一方の面に設けられ、第2の銅(Cu)からなるビア導体(41)、銅(Cu)からなる内部配線層(42)及び光導波路(5)の光導入路(51)である凸部が係合する係合部(43)である凹部を有するエポキシ系の樹脂配線層(4)と、樹脂配線層(4)の反対側の面に、ビア導体(41’)を有する第1の樹脂層4’と、を備える。
そして、その作り方を
図2と
図3により、説明する。
【0020】
(a)先ず、平面視矩形のガラス部材3(外周:29mm×29mm、厚さ:0.2mm)を準備して、ガラス部材3にレーザを照射することにより、スルーホール(33)を形成する。
(b)そのスルーホール(33)を埋めるように、銅(Cu)の無電解メッキを行い、ガラス部材3の表面から裏面へ貫通するように第1のビア導体ビア31ができる。
(c)配線層32は、銅(Cu)の無電解めっき膜を形成し、フォトリソグラフィーによりフォトレジストを開口し露出する無電解めっき膜に開口したフォトレジストから露出する無電解めっき膜に電解めっきを施し、レジスト除去、無電解めっき膜除去で配線を形成する(セミアディティブ法)。そして、その上に、第1の樹脂層4’を形成する。
この第1の樹脂層4’としては、フィラー含有量が少なく、波長850nm〜1300nmの光に対して、透過率が80%以上のポリイミド樹脂をガラス部材3上に設け、フォトリソグラフィーによりビア導体41’が埋まる穴を形成し、その上に銅(Cu)の無電解めっきを施し、ビア導体41’とする。ビア導体41’には、配線層32と接続されるもの、第1のビア導体ビア31に接続されるものがある。
【0021】
(d)プレス成形で作成したアルミナセラミックからなる平面視矩形の枠体2(外周:50mm×50mm、内周:30mm×30mm、厚さ:0.4mm)を準備する。そして、ガラス部材3を枠体2の内側に設置した後、ディスペンサ用いて、エポキシ系の接合材9を、隙間に埋めて接合する。また、後述する樹脂配線層4が、ガラス部材3及び枠体2に跨って設けるため、樹脂配線層4を設ける側は、段差がつかないように、ガラス部材3と枠体2が連続して、同一の面を形成するように接合した。
【0022】
(e)ガラス部材3の第1の樹脂層4’が形成されていない面側に、樹脂配線層4を形成する。
その前に、先ず、前記と同様な手法で、ガラス部材3上に配線層32を形成後、その上に、樹脂配線層4を形成する。
樹脂配線層4は、エポキシ樹脂をガラス部材3上に設け、フォトリソグラフィーにより第2のビア導体41が埋まる穴を形成し、その上に銅(Cu)の無電解めっき膜を形成する。次に配線となる部分をフォトリソグラフィーによりフォトレジストを開口し露出する無電解めっき膜に銅(Cu)の電解めっきで第2のビア導体41と配線を形成した後、レジスト除去と無電解めっき膜を除去して、内部配線層42を形成する(いわゆるセミアディティブ法)。また、内部配線層42となる部分以外をフォトリソグラフィーにより、エッチングすることにより内部配線層42を作成してもよい(サブトラクティブ法)。必要に応じ、これらを繰り返し、積層する。
【0023】
次に、光導波路5の光導入路51が係合する係合部43は、凹部形状で作成した。樹脂配線層4は、透過性のエポキシ樹脂で作成されているため、ガラス部材3における樹脂配線層4を設ける反対面側の光素子7’等の(図示していない)実装配線をアライメントマークとし、フォトリソグラフィーで凹部形状43を作製し、形状は、角形状とした。
次に、樹脂配線層4側に、マザーボード等に接続するためのバンプ8’を設ける。バンプ8’は、第2のビア導体41と接続している。
【0024】
(f) 次に、第1の樹脂層4’側に、LSI6、光素子7’等の素子7等に接続するためのバンプ8を設ける。バンプ8は、必要に応じて、表面層44を介して、ビア導体41’と接続している。表面配線層44は、内部配線層42と同様な手法で形成できる。
そして、次に、樹脂配線層4に、光導波路5の光導入路51(凸形状)を、係合部43(凹部形状)に嵌め合わせる。
【0025】
(実施例 2)
その光電気複合パッケージの構造を、
図4に示す。(実施例 1)との構造上の違いは、ガラス部材3の一方の面に第1の樹脂層4’がない点である。その構造上の違いにより、バンプ8が、第1のビア導体31に直接接合するように、形成される。
【0026】
(実施例 3)
図5に示すように、(実施例 1)の光電気複合パッケージの樹脂4’側のバンプ8に、LSI6、光素子7’等の素子7等を接続し、光電気複合パッケージシステム10とする。光素子7は、送受信部は、光導入路51(係合部43)と位置合わせされている。
【0027】
(実施例 4)
図6に示すように、(実施例 2)の光電気複合パッケージの樹脂4’側のバンプ8に、LSI6、光素子7’等の素子7等を接続し、光電気複合パッケージシステム10とする。光素子7は、送受信部は、光導入路51(係合部43)と位置合わせされている。
【0028】
(実施例 5)
光電気複合パッケージ1及びそれにLSI6、光素子7’等の素子7等を搭載した光電気複合パッケージシステム10の構造を、
図7に示す。その光電気複合パッケージ1に関し、(実施例 1)との構造上の違いは、(1)第1の樹脂層4’の上に、さらに第2の樹脂層4’’が形成されている点、(2)光素子7’が第2の樹脂層4’’へ埋め込まれている点、(3)光素子7’の送受信部とガラス部材3との間に空間43’がある点、である。
【0029】
(1)「第1の樹脂層4’の上にさらに第2の樹脂層4’’が形成されている点」
複数の第2の樹脂層4’’はビア導体41’’と内部に配線層42’’を有している。光電気複合パッケージに搭載される、LSI6、素子7等が極端に狭ピッチである場合、第2の樹脂層4’’の配線の引き回しにより、ピッチを広げることができる。
(2)「光素子7’が第2の樹脂層4’’へ埋め込まれている点」
第1の樹脂層4’の上に複数の第2の樹脂層4’’を積層する場合、光素子7’からの光信号の通過距離を短く設定するために、光素子7’が第2の樹脂層4’’へ埋め込まれている。
(3)「光素子7’の送受信部とガラス部材3との間に空間43’がある点」
光素子7’の送受信部とガラス部材3との間に空間43’を設けることで、光素子7’からの光を空間43’の屈折率よりもガラス部材の屈折率の方が大きいので、光導波路5の係合部43方向に光素子7’からの光が集光する方向に屈折させることができる。
【0030】
(作り方)
光電気複合パッケージ1に、係合部43をアライメントマークとし、少なくとも一部が係合部43と対向する位置にレーザを照射することにより第1の樹脂層4’に空間43’を形成する。そして、第1の樹脂層4’上に、空間43’と光素子7の送受信部とが対向するように、光素子7‘をバンプ8を介して実装する。
その後、エポキシ樹脂を第1の樹脂層4’上に設け、セミアディティブ法または、サブトラクティブ法等を用いてエポキシ樹脂にビア導体41’’及び内部配線層42’’を形成する。必要に応じ、これらを繰り返し、積層し第2の樹脂層4’’を形成する。そして、第2の樹脂層4’’上にバンプ8を介してLSI6、素子7等を接続する。
【0031】
(その他)
図8に、光電気複合パッケージの係合部と光導波路の光導入路との嵌め合う前の状態を示す斜視図(模式図)を示す。そして、
図9は、光電気複合パッケージの概略平面図で、
図1から
図9のうち、概略断面図は、
図9のA−Aの断面を示すものである。
本発明は、上述した実施の形態、実施例に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。