特許第6012602号(P6012602)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6012602半導体加工シート用基材フィルム、半導体加工シート及び半導体装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012602
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】半導体加工シート用基材フィルム、半導体加工シート及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20161011BHJP
   C09J 7/02 20060101ALI20161011BHJP
   C09J 133/00 20060101ALI20161011BHJP
   C09J 163/00 20060101ALI20161011BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   H01L21/78 M
   H01L21/78 Q
   C09J7/02 Z
   C09J133/00
   C09J163/00
   H01L21/52 E
【請求項の数】13
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-525608(P2013-525608)
(86)(22)【出願日】2012年5月29日
(86)【国際出願番号】JP2012063763
(87)【国際公開番号】WO2013015012
(87)【国際公開日】20130131
【審査請求日】2014年11月28日
(31)【優先権主張番号】特願2011-161947(P2011-161947)
(32)【優先日】2011年7月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】田矢 直紀
(72)【発明者】
【氏名】上田 公史
(72)【発明者】
【氏名】市川 功
(72)【発明者】
【氏名】古館 正啓
【審査官】 内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−189755(JP,A)
【文献】 特開2008−153586(JP,A)
【文献】 特開2008−004836(JP,A)
【文献】 特開2009−123915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
C09J 7/02
C09J 133/00
C09J 163/00
H01L 21/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単層又は複層の樹脂層からなる半導体加工シート用基材フィルムであって、
前記樹脂層の少なくとも1層が、樹脂密度が0.870〜0.900g/cm、融解ピークにおける熱流量が2.5W/g以下のオレフィン系樹脂を10〜70質量%含有する樹脂組成物からなる樹脂層(A)であり、
基材フィルムと、前記基材フィルムの片面に積層された接着剤層とを備える半導体加工用シートの、前記基材フィルムに用いられる
ことを特徴とする半導体加工シート用基材フィルム。
【請求項2】
前記樹脂層(A)と、
前記樹脂層(A)を構成する前記樹脂組成物以外の材料からなる樹脂層(B)と
の2層からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体加工シート用基材フィルム。
【請求項3】
前記オレフィン系樹脂の融解熱量ΔHが、85.0J/g以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体加工シート用基材フィルム。
【請求項4】
前記樹脂層(A)を構成する前記樹脂組成物は、前記オレフィン系樹脂と、前記オレフィン系樹脂以外のオレフィン系樹脂とからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体加工シート用基材フィルム。
【請求項5】
前記樹脂層(A)の軟化温度は、90〜120℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体加工シート用基材フィルム。
【請求項6】
前記樹脂層(B)は、エチレン−(メタ)アクリル酸共重体を主成分とする樹脂組成物からなることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の半導体加工シート用基材フィルム。
【請求項7】
前記樹脂層(B)のエチレン−(メタ)アクリル酸共重体における構成成分としての(メタ)アクリル酸の含有量は、5〜20質量%であることを特徴とする請求項6に記載の半導体加工シート用基材フィルム。
【請求項8】
前記接着剤層は、アクリル重合体、エポキシ樹脂及び硬化剤を含有する接着剤組成物から構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の半導体加工シート用基材フィルム。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか一項に記載の半導体加工シート用基材フィルムと、
前記半導体加工シート用基材フィルムの片面に積層された接着剤層と
を備えた半導体加工シート。
【請求項10】
前記接着剤層は、アクリル重合体、エポキシ樹脂及び硬化剤を含有する接着剤組成物から構成されることを特徴とする請求項に記載の半導体加工シート。
【請求項11】
前記半導体加工シート用基材フィルムにおける前記樹脂層(A)は、前記接着剤層と接していることを特徴とする請求項又は10に記載の半導体加工シート。
【請求項12】
基材フィルムと、前記基材フィルムの片面に積層された接着剤層とを備えた半導体加工シートの前記接着剤層を介して、前記半導体加工シートを半導体ウェハに貼付した後、前記半導体ウェハを半導体チップに切断する工程と、
前記半導体加工シート用基材フィルムと前記接着剤層との界面で両者を剥離し、前記接着剤層付きのチップにする工程と、
前記接着剤層付きのチップを、前記接着剤層を介して回路付き基板に接着する工程と
を含む半導体装置の製造方法に用いられる半導体加工シートであって、
前記基材フィルムが、請求項1〜のいずれか一項に記載の半導体加工シート用基材フィルムであることを特徴とする半導体加工シート。
【請求項13】
請求項11のいずれか一項に記載の半導体加工シートを、前記接着剤層を介して半導体ウェハに貼付した後、前記半導体ウェハを半導体チップに切断する工程と、
前記半導体加工シート用基材フィルムと前記接着剤層との界面で両者を剥離し、前記接着剤層付きのチップにする工程と、
前記接着剤層付きのチップを、前記接着剤層を介して回路付き基板に接着する工程と
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の加工、例えばダイシング及びダイボンディングに使用される半導体加工シート、当該半導体加工シートに用いられる基材フィルム、並びにそれらを使用した半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シリコン、ガリウムヒ素などの半導体ウェハ及び各種パッケージ類(以下、これらをまとめて「被切断物」と記載することがある)は、大径の状態で製造され、これらは素子小片(以下、「チップ」と記載する)に切断分離(ダイシング)されるとともに個々に剥離(ピックアップ)された後に、次の工程であるマウント工程に移される。この際、半導体ウェハ等の被切断物は、あらかじめ粘着シートに貼着された状態で、ダイシング、洗浄、乾燥、エキスパンディング、ピックアップ及びマウンティングの各工程に付される。
【0003】
従来より、被切断物のダイシング工程からピックアップ工程に至る工程では、半導体加工シートとして、基材フィルム上に粘着剤層が形成されてなるダイシングシートが用いられている。具体的には、被切断物は、粘着剤層を介してダイシングシートに固定された状態でダイシングに付され、ダイシング後のチップは、ダイシングシートの粘着剤層からピックアップされる。
【0004】
一方、ピックアップ工程及びマウンティング工程のプロセスを簡略化するために、ダイシング機能とチップを接着するための機能とを同時に兼ね備えた半導体加工シートとして、ダイシング・ダイボンディングシートが用いられることもある。このようなシートを用いる場合、被切断物は、接着剤層を介して基材フィルムに固定された状態でダイシングに付され、ダイシング後のチップは、基材フィルムから接着剤層とともにピックアップされる。次いで、チップに付着した接着剤層は、当該チップを基板等に接着(マウンティング)するのに使用される。このようなダイシング・ダイボンディングシートとしては、例えば特許文献1〜3に開示されるものが挙げられる。
【0005】
上記のようなダイシング・ダイボンディングシートにおいて、接着剤層付きのチップをピックアップするには、基材フィルムと接着剤層との剥離性が良好であることが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2−32181号公報
【特許文献2】特開2006−156754号公報
【特許文献3】特開2007−012670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のダイシング・ダイボンディングシートでは、特に、シートを長期保管した場合など、経時により接着剤層と基材フィルムとが密着し、その結果、基材フィルムと接着剤層との剥離性が低下して、チップのピックアップを良好に行うことができなくなることがあった。
【0008】
特に、近年は半導体装置の小型化・薄型化に伴い、当該半導体装置に搭載される半導体チップも薄型化が進んでいるため、上記のように基材フィルムと接着剤層との剥離性が低下すると、チップのピックアップが困難となるだけでなく、場合によっては、チップが割れたり欠けたりする等の不具合が発生する。
【0009】
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであり、良好なピックアップ性能を有し、かつ当該ピックアップ性能の経時的な低下を抑制することのできる半導体加工シート用基材フィルム及び半導体加工シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、第1に本発明は、単層又は複層の樹脂層からなる半導体加工シート用基材フィルムであって、前記樹脂層の少なくとも1層が、樹脂密度が0.870〜0.900g/cm、融解ピークにおける熱流量が2.5W/g以下のオレフィン系樹脂を10〜70質量%含有する樹脂組成物からなる樹脂層(A)であることを特徴とする半導体加工シート用基材フィルムを提供する(発明1)。
【0011】
本発明に係る半導体加工シートは、特にダイシング・ダイボンディングシートとして好ましく使用することができるが、これに限定されるものではない。なお、本発明に係る半導体加工シートには、リングフレームを貼付するための別の基材及び粘着剤層を有するものも含まれるものとする。さらに、本発明における「シート」には、「テープ」の概念も含まれるものとする。
【0012】
上記発明(発明1)に係る半導体加工シート用基材フィルムは、上記樹脂組成物からなる樹脂層(A)を備えることにより、良好なピックアップ性能を有し、かつ当該ピックアップ性能の経時的な低下を抑制することができる。
【0013】
上記発明(発明1)に係る半導体加工シート用基材フィルムは、前記樹脂層(A)と、前記樹脂層(A)を構成する前記樹脂組成物以外の材料からなる樹脂層(B)との2層からなってもよい(発明2)。
【0014】
上記発明(発明1,2)においては、前記オレフィン系樹脂の融解熱量ΔHが、85.0J/g以下であることが好ましい(発明3)。
【0015】
上記発明(発明1〜3)において、前記樹脂層(A)を構成する前記樹脂組成物は、前記オレフィン系樹脂と、前記オレフィン系樹脂以外のオレフィン系樹脂とからなることが好ましい(発明4)。
【0016】
上記発明(発明1〜4)において、前記樹脂層(A)の軟化温度は、90〜120℃であることが好ましい(発明5)。
【0017】
上記発明(発明2〜5)において、前記樹脂層(B)は、エチレン−(メタ)アクリル酸共重体を主成分とする樹脂組成物からなることが好ましい(発明6)。
【0018】
上記発明(発明6)において、前記樹脂層(B)のエチレン−(メタ)アクリル酸共重体における構成成分としての(メタ)アクリル酸の含有量は、5〜20質量%であることが好ましい(発明7)。
【0019】
上記発明(発明1〜7)に係る半導体加工シート用基材フィルムは、基材フィルムと、前記基材フィルムの片面に積層された接着剤層とを備える半導体加工用シートの、前記基材フィルムに用いられることが好ましい(発明8)。
【0020】
上記発明(発明8)において、前記接着剤層は、アクリル重合体、エポキシ樹脂及び硬化剤を含有する接着剤組成物から構成されることが好ましい(発明9)。
【0021】
第2に本発明は、前記半導体加工シート用基材フィルム(発明1〜9)と、前記半導体加工シート用基材フィルムの片面に積層された接着剤層とを備えた半導体加工シートを提供する(発明10)。
【0022】
上記発明(発明10)において、前記接着剤層は、アクリル重合体、エポキシ樹脂及び硬化剤を含有する接着剤組成物から構成されることが好ましい(発明11)。
【0023】
上記発明(発明10,11)において、前記半導体加工シート用基材フィルムにおける前記樹脂層(A)は、前記接着剤層と接していることが好ましい(発明12)。
【0024】
第3に本発明は、基材フィルムと、前記基材フィルムの片面に積層された接着剤層とを備えた半導体加工シートの前記接着剤層を介して、前記半導体加工シートを半導体ウェハに貼付した後、前記半導体ウェハを半導体チップに切断する工程と、前記半導体加工シート用基材フィルムと前記接着剤層との界面で両者を剥離し、前記接着剤層付きのチップにする工程と、前記接着剤層付きのチップを、前記接着剤層を介して回路付き基板に接着する工程とを含む半導体装置の製造方法に用いられる半導体加工シートであって、前記基材フィルムが、前記半導体加工シート用基材フィルム(発明1〜9)であることを特徴とする半導体加工シートを提供する(発明13)。
【0025】
第4に本発明は、前記半導体加工シート(発明10〜12)を、前記接着剤層を介して半導体ウェハに貼付した後、前記半導体ウェハを半導体チップに切断する工程と、前記半導体加工シート用基材フィルムと前記接着剤層との界面で両者を剥離し、前記接着剤層付きのチップにする工程と、前記接着剤層付きのチップを、前記接着剤層を介して回路付き基板に接着する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する(発明14)。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る半導体加工シート用基材フィルム及び半導体加工シートは、良好なピックアップ性能を有し、かつ当該ピックアップ性能の経時的な低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体加工シートの断面図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係る半導体加工シートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体加工シートの断面図の一例である。図1に示すように、本実施形態に係る半導体加工シート1は、基材フィルム2と、基材フィルム2の片面(図1では上面)に積層された接着剤層3とを備えている。なお、半導体加工シート1の使用前には、接着剤層3を保護するために、接着剤層3の露出面(図1では上面)に剥離可能な剥離シートを積層しておくことが好ましい。この半導体加工シート1は、テープ状、ラベル状など、あらゆる形状をとりうる。
【0029】
本実施形態における基材フィルム2は、単層の樹脂層(A)からなる。この樹脂層(A)は、樹脂密度が0.870〜0.900g/cmであり、融解ピークにおける熱流量が2.5W/g以下であるオレフィン系樹脂(以下「オレフィン系樹脂D」ということがある。)を10〜70質量%含有する樹脂組成物を成形してなるものである。
【0030】
ここで、本明細書における樹脂密度は、JIS K7112に準じて測定して得られる値とする。また、本明細書において、融解ピークにおける熱流量は、示差走査熱量計(DSC)(試験例では、ティー・エイ・インスツルメント社製、型番:Q2000を使用)によって得られる値とする。本実施形態では、DSCを用い、試料を−40℃から250℃まで、速度20℃/minで昇温し、−40℃まで急速冷却を行い、再度、速度20℃/minで250℃まで昇温し、250℃で5分間保持した後、速度20℃/minで−40℃まで降温させることで、融解ピークを示す融解曲線を得て、得られた融解曲線から、融解ピークにおける熱流量及び後述する融解熱量ΔHを算出する。
【0031】
上記のように樹脂密度及び融解ピークにおける熱流量が規定されたオレフィン系樹脂Dを所定量含有する樹脂組成物を成形した樹脂層(A)からなる基材フィルム2を用いることで、半導体加工シート1は、基材フィルム2と接着剤層3との間で良好な剥離性、すなわち良好なピックアップ性能を有するものとなり、かつ当該ピックアップ性能の経時的な低下を抑制し得るものとなる。このような効果が得られる理由については必ずしも明らかではないが、樹脂組成物中に含まれる、密度及び融解ピークにおける熱流量を規定したオレフィン系樹脂Dの結晶性が寄与していると考えられる。
【0032】
本実施形態におけるオレフィン系樹脂Dの密度は、上記の通り0.870〜0.900g/cmであり、好ましくは0.890〜0.900g/cmであり、特に好ましくは0.895〜0.900g/cmである。オレフィン系樹脂Dの密度が0.870g/cm未満では、オレフィン系樹脂Dを含有する樹脂組成物にタックが生じるため、樹脂組成物を成形する時にホッパー部分で詰まりを生じたり、成形したフィルムを巻きとると、フィルム同士がブロッキングしてしまうなどの支障が生じてしまう。一方、オレフィン系樹脂Dの密度が0.900g/cmを超えると、経時により基材フィルム2と接着剤層3との剥離性が低下して、接着剤層3の基材フィルム2に対するピックアップ力が上昇し、上記の良好なピックアップ性能及びその継続性の効果が得られない。
【0033】
本実施形態において、オレフィン系樹脂Dの融解ピークにおける熱流量は、上記の通り2.5W/g以下であり、好ましくは2.3W/g以下である。融解ピークにおける熱流量が2.5W/gを超えると、良好なピックアップ性能が得られない。また、本実施形態におけるオレフィン系樹脂Dの融解ピークにおける熱流量の下限は、1.0W/gであることが好ましい。融解ピークにおける熱流量が1.0W/g以下であると、樹脂層(A)の表面がべたつき始め、樹脂組成物を成形加工する時や、成形した基材フィルム2に接着剤層形成用の塗布液を塗布して接着剤層3を形成する時に、ハンドリング性が著しく低下することがある。
【0034】
上記のような効果が得られる理由については必ずしも明らかではないが、融解ピークにおける熱流量が2.5W/g以下であれば、オレフィン系樹脂Dの分子量分布がある程度広くなることにより、樹脂層(A)の結晶化度が抑えられ、また接着剤層3との間に低分子量成分が移行することとなり、良好なピックアップ性能が発現すると考えられる。
【0035】
また、本実施形態におけるオレフィン系樹脂Dの融解熱量ΔHは、85.0J/g以下であることが好ましく、特に83.0J/g以下であることが好ましく、さらには80.0J/g以下であることが好ましい。オレフィン系樹脂Dの融解熱量ΔHが85.0J/gを超えると、良好なピックアップ性能が得られないおそれがある。なお、融解熱量ΔHの下限値は、密度との関係や各樹脂の骨格でおのずと定まるが、理論上は0であることが好ましい。
【0036】
オレフィン系樹脂Dとしては、密度及び融解ピークにおける熱流量が上記範囲内である、オレフィン単量体から選ばれる1種又は2種以上を重合した単独重合体又は共重合体が好ましい。オレフィン単量体としては、炭素数2〜18のオレフィン単量体、炭素数3〜18のα−オレフィン単量体等が挙げられる。このようなオレフィン単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、2−ブテン、オクテン等の炭素数2〜8のオレフィン単量体;プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン等のα−オレフィン単量体などが挙げられる。これらオレフィン単量体の単独重合体又は共重合体であるオレフィン系樹脂Dは、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0037】
上記オレフィン系樹脂Dとしては、エチレンの単独重合体又は共重合体が好ましく、エチレンとα−オレフィン単量体との共重合体がさらに好ましい。α−オレフィン単量体としては、上述のものが挙げられる。上記オレフィン系樹脂Dの中でも、単量体単位としてエチレンを60〜100質量%、特に70〜99.5質量%含有する、エチレンの単独重合体又は共重合体(以下、「ポリエチレン」ということがある。)が好ましい。
【0038】
なお、本明細書においては、密度が0.870g/cm以上、0.910g/cm未満のポリエチレンを超低密度ポリエチレン(VLDPE)という。本実施形態においては、当該超低密度ポリエチレンの中でも密度が0.870〜0.900g/cmのものをオレフィン系樹脂Dとして選択することが好ましい。かかる超低密度ポリエチレンは、上記の条件を満たすオレフィン系樹脂Dとして入手しやすい。
【0039】
樹脂層(A)を構成する樹脂組成物は、上記オレフィン系樹脂Dを8〜70質量%含有し、好ましくは10〜65質量%含有し、特に好ましくは10〜50質量%含有する。上記オレフィン系樹脂Dの含有量が8質量%未満では、上記の良好なピックアップ性能及びその継続性の効果が得られない。また、上記オレフィン系樹脂Dの含有量が70質量%を超えると、得られる基材フィルム2の弾性率が下がってしまうため、二次加工などを行う際に、ハンドリング性に関して問題が生じてしまう。さらに、上記オレフィン系樹脂Dの含有量が70質量%を超えると、オレフィン系樹脂Dの密度の低さから、巻き重なった基材フィルム2にてブロッキングが発生し、基材フィルム2の表面に跡が付くとともに、基材フィルム2又は半導体加工シート1をロールから巻き出す時などにおけるハンドリング性が悪くなるおそれがある。
【0040】
樹脂層(A)は、前述した通り、オレフィン系樹脂Dを8〜70質量%含有するが、当該オレフィン系樹脂D以外の成分として、オレフィン系樹脂D以外のオレフィン系樹脂(以下、「オレフィン系樹脂E」ということがある。)を含有することが好ましい。
【0041】
すなわち、オレフィン系樹脂Eは、樹脂密度が0.870〜0.900g/cmの要件、及び融解ピークにおける熱流量が2.5W/g以下の要件の一方又は両方を満たさない樹脂である。オレフィン系樹脂Eとしては、例えば、ポリエチレン(単量体単位としてエチレンを60〜100質量%、特に70〜99.5質量%含有する、エチレンの単独重合体又は共重合体)、プロピレン−ブテン共重合体等であって、密度が0.910g/cm以上、0.920g/cm未満であるものが好ましい。エチレンの共重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等が好ましい。これらの中でも、特に密度が0.915〜0.918g/cmのポリエチレン(以下、「低密度ポリエチレン」ということがある。)がより好ましい。かかる低密度ポリエチレン等のオレフィン系樹脂Eは、上記オレフィン系樹脂Dとの相溶性が高いという利点がある。
【0042】
基材フィルム2の厚さは、通常20〜500μmであり、好ましくは30〜200μm、より好ましくは40〜150μmである。
【0043】
基材フィルム2は、常法によって製造することができ、例えば、オレフィン系樹脂Dとオレフィン系樹脂Eとを混練し、その混練物から直接、又は一旦ペレットを製造した後、押出し等により製膜することができる。混練する際の温度は、180〜230℃が好ましい。
【0044】
基材フィルム2を構成する樹脂組成物(本実施形態では樹脂層(A))は、軟化温度が90〜120℃であることが好ましく、特に100〜115℃であることが好ましい。樹脂層(A)の軟化温度が90℃以上であることで、基材フィルム2はブロッキングが発生しにくいものとなり、基材フィルム2又は半導体加工シート1の良好なハンドリング性を確保することができる。また、樹脂層(A)の軟化温度が120℃以上であると、ダイシング後のエキスパンド工程において、基材フィルム2がネッキングしてしまい、均一にチップ間隔を拡張することができなくなるおそれがある。
【0045】
ここで、本明細書における軟化温度は、高化式フローテスター(試験例では、島津製作所社製、型番:CFT−100Dを使用)によって得られた値とする。具体的には、荷重9.81Nとし、穴形状がφ2.0mm、長さが5.0mmのダイを使用し、昇温速度10℃/分で測定した際に、ストロークに変化が生じ始めた温度を軟化温度と規定する。
【0046】
接着剤層3を構成する材料としては、ウェハ固定機能とダイ接着機能とを兼ね備えるものであれば、特に制限はなく使用することができる。このような接着剤層3を構成する材料としては、熱可塑性樹脂と低分子量の熱硬化性接着成分とからなるものや、Bステージ(半硬化状)の熱硬化型接着成分からなるもの等が用いられる。熱可塑性樹脂としては、アクリル重合体、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミドなどが挙げられるが、中でも、粘着性および造膜性(シート加工性)の点からアクリル重合体が好ましい。熱硬化性接着成分としては、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、シアネート系樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アリル化ポリフェニレンエーテル樹脂(熱硬化性PPE)、ホルムアルデヒド系樹脂、不飽和ポリエステルまたはこれらの共重合体などが挙げられるが、中でも、接着性の点からエポキシ系樹脂が好ましい。接着剤層3を構成する材料としては、特に、アクリル重合体(a)、エポキシ系樹脂(b)及び硬化剤(c)を含有する材料が好ましい。
【0047】
アクリル重合体(a)としては、特に制限はなく、従来公知のアクリル重合体を用いることができる。アクリル重合体(a)の重量平均分子量(Mw)は、1万〜200万であることが好ましく、10万〜150万であることがより好ましい。アクリル重合体(a)のMwが低過ぎると、接着剤層3と基材フィルム2との剥離性が低下し、チップのピックアップ不良が起こることがある。アクリル重合体(a)のMwが高過ぎると、被着体の凹凸に接着剤層3が追従できないことがあり、ボイドなどの発生要因になることがある。なお、本明細書における重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。
【0048】
アクリル重合体(a)のガラス転移温度(Tg)は、−60〜70℃であることが好ましく、−30〜50℃であることがより好ましい。アクリル重合体(a)のTgが低過ぎると、接着剤層3と基材フィルム2との剥離性が低下し、チップのピックアップ不良が起こることがある。アクリル重合体(a)のTgが高過ぎると、ウェハを固定するための接着力が不充分となるおそれがある。
【0049】
アクリル重合体(a)を構成するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルモノマー又はその誘導体が挙げられ、より具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチルなどのアルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレートなどの環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。また、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などのカルボキシル基を含有する不飽和単量体を用いてもよい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0050】
アクリル重合体(a)を構成するモノマーとして、上記の中では、エポキシ系樹脂(b)との相溶性の点から、少なくとも水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを用いることが好ましい。この場合、アクリル重合体(a)において、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位は、1〜20質量%の範囲で含まれることが好ましく、3〜15質量%の範囲で含まれることがより好ましい。アクリル重合体(a)として、具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が好ましい。
【0051】
また、アクリル重合体(a)は、本発明の目的を損なわない範囲で、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレンなどのモノマーを共重合させてもよい。
【0052】
エポキシ系樹脂(b)としては、従来公知の種々のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素変性エポキシ樹脂や、これらのハロゲン化物などの、構造単位中に2つ以上の官能基が含まれるエポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0053】
エポキシ樹脂のエポキシ当量は特に限定されないが、150〜1000(g/eq)であることが好ましい。なお、エポキシ当量は、JIS K7236:2008に準じて測定される値である。
【0054】
エポキシ系樹脂(b)の含有量は、アクリル重合体(a)100質量部に対して、1〜1500質量部が好ましく、3〜1000質量部がより好ましい。エポキシ系樹脂(b)の含有量が上記範囲を下回ると、充分な接着力が得られないおそれがあり、エポキシ系樹脂(b)の含有量が上記範囲を上回ると、造膜性が低下し、接着剤層3を形成することが困難になるおそれがある。
【0055】
硬化剤(c)は、エポキシ系樹脂(b)に対する硬化剤として機能する。硬化剤(c)としては、エポキシ基と反応しうる官能基を分子中に2個以上有する化合物が挙げられ、その官能基としては、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基などが挙げられる。これらの中では、フェノール性水酸基、アミノ基および酸無水物基が好ましく、フェノール性水酸基およびアミノ基がより好ましい。
【0056】
硬化剤(c)の具体例としては、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂、アラルキルフェノール樹脂などのフェノール性熱硬化剤;DICY(ジシアンジアミド)などのアミン系熱硬化剤が挙げられる。硬化剤(c)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0057】
硬化剤(c)の含有量は、エポキシ系樹脂(b)100質量部に対して、0.1〜500質量部が好ましく、1〜200質量部がより好ましい。硬化剤(c)の含有量が上記範囲を下回ると、充分な接着力を有する接着剤層3が得られないことがある。硬化剤(c)の含有量が上記範囲を上回ると、接着剤層3の吸湿率が高まり、半導体パッケージの信頼性が低下することがある。
【0058】
接着剤層3を構成する材料(接着剤組成物)には、上記以外に、所望により、硬化促進剤、カップリング剤、架橋剤、エネルギー線重合性化合物、光開始剤、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、顔料、染料、無機充填剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。これらの各添加剤は、1種が単独で含まれてもよいし、2種以上が組み合わせられて含まれてもよい。
【0059】
硬化促進剤は、接着剤組成物の硬化速度を調整するために用いられる。硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノール性水酸基やアミン等との反応を促進し得る化合物が好ましい。かかる化合物としては、具体的には、3級アミン類、2−フェニル−4,5−ジ(ヒドロキシメチル)イミダゾール等のイミダゾール類、有機ホスフィン類、テトラフェニルボロン塩等が挙げられる。
【0060】
カップリング剤は、接着剤組成物の被着体に対する接着性・密着性を向上させる機能を有する。また、カップリング剤を使用することで、接着剤組成物を硬化して得られる硬化物の耐熱性を損なうことなく、当該硬化物の耐水性を向上させることができる。カップリング剤は、上記アクリル重合体(a)およびエポキシ系樹脂(b)が有する官能基と反応する基を有する化合物であることが好ましい。このようなカップリング剤としては、シランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤としては特に制限はなく、公知のものが使用できる。
【0061】
架橋剤は、接着剤層3の凝集力を調節するためのものである。上記アクリル重合体(a)の架橋剤としては、特に制限はなく使用することができ、例えば、有機多価イソシアナート化合物、有機多価イミン化合物等が挙げられる。
【0062】
エネルギー線重合性化合物は、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合硬化する化合物である。エネルギー線重合性化合物をエネルギー線照射によって硬化させることで、接着剤層3と基材フィルム2との剥離性が向上するため、ピックアップがしやすくなる。
【0063】
エネルギー線重合性化合物としては、アクリレート系化合物が好ましく、分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有するものが特に好ましい。そのようなアクリレート系化合物としては、具体的には、ジシクロペンタジエンジメトキシジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシ変性アクリレート、ポリエーテルアクリレート、イタコン酸オリゴマーなどが挙げられる。
【0064】
アクリレート系化合物の重量平均分子量は、通常、100〜30000であり、好ましくは300〜10000程度である。
【0065】
接着剤組成物がエネルギー線重合性化合物を含有する場合、エネルギー線重合性化合物の含有量は、アクリル重合体(a)100質量部に対して、通常1〜400質量部、好ましくは3〜300質量部、より好ましくは10〜200質量部である。
【0066】
光開始剤は、接着剤層3が上記エネルギー線重合性化合物を含む場合に、エネルギー線の照射により重合硬化するにあたって、重合硬化時間およびエネルギー線の照射量を少なくすることができるものである。光開始剤としては、公知のものを使用することができる。
【0067】
接着剤層3の厚さは、通常は3〜100μm、好ましくは5〜80μm程度である。
【0068】
上記のような半導体加工シート1は、常法によって製造することができる。例えば、接着剤層3を構成する材料と、所望によりさらに溶媒とを含有する塗布剤を調製し、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、エアナイフコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等の塗工機によって基材フィルム2の片面に塗布して乾燥させ、接着剤層3を形成することにより製造することができる。あるいは、上記塗布剤を、所望の剥離シートの剥離面に塗布して乾燥させ、接着剤層3を形成した後、その接着剤層3に基材フィルム2を圧着することにより製造することもできる。
【0069】
以上の半導体加工シート1においては、基材フィルム2と接着剤層3との間で良好な剥離性、すなわち良好なピックアップ性能を有するとともに、かつ当該ピックアップ性能の経時的な低下が抑制される。
【0070】
本実施形態に係る半導体加工シート1は、ダイシング工程及びダイボンディング工程に使用されるダイシング・ダイボンディングシートとして好ましく使用することができる。
【0071】
〔第2の実施形態〕
図2は、本発明の第2の実施形態に係る半導体加工シート10の断面図である。
【0072】
図2に示すように、本実施形態に係る半導体加工シート10は、2層の樹脂層からなる基材フィルム20と、基材フィルム20の片面(図2では上面)に積層された接着剤層3とを備えている。
【0073】
本実施形態における基材フィルム20は、接着剤層3と接する側に位置する樹脂層(A)と、接着剤層3と接しない側に位置する樹脂層(B)とから構成される。樹脂層(A)は、上記第1の実施形態に係る半導体加工シート1における樹脂層(A)と同様の材料からなる。ただし、本実施形態における樹脂層(A)の厚さは、10〜120μmであることが好ましく、20〜100μmであることがより好ましく、30〜80μmであることが特に好ましい。
【0074】
本実施形態における樹脂層(B)は、基材フィルム20にエキスパンド性能を付与するためのものである。すなわち、樹脂層(A)と樹脂層(B)とからなる基材フィルム20は、良好なピックアップ性能を有するとともに、かつエキスパンド性にも優れる。
【0075】
樹脂層(B)は、伸長性に優れた樹脂からなるものであればよく、特に限定されない。このような樹脂としては、例えば、オレフィン単量体と、アクリル系モノマーから選ばれる1種又は2種以上とを重合した共重合体が挙げられる。
【0076】
樹脂層(B)は、特に、伸長性に優れたエチレン−(メタ)アクリル酸共重体を主成分とする樹脂組成物からなるものであることが好ましい。エチレン−(メタ)アクリル酸共重体中の特にエチレン成分は、樹脂層(B)に対し良好な伸長性・エキスパンド性能を付与する。なお、「エチレン−(メタ)アクリル酸共重体」は、エチレン−アクリル酸共重合体であってもよいし、エチレン−メタクリル酸共重合体であってもよく、またエチレン−アクリル酸−メタクリル酸共重合体であってもよい。
【0077】
上記エチレン−(メタ)アクリル酸共重体における構成成分としての(メタ)アクリル酸含有量は、3〜20質量%であることが好ましく、4〜15質量%であることがより好ましく、5〜12質量%であることが特に好ましい。エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体中における(メタ)アクリル酸の含有量が3質量%未満であると、樹脂層(B)の結晶性が高くなり、ダイシング後のエキスパンド時に基材フィルム20がネッキングしてしまい、チップ間隔が均一に拡張しにくくなるおそれがある。一方、(メタ)アクリル酸の含有量が20質量%を超えると、樹脂層(B)自体にベタツキが発生することがあり、装置を用いてダイシングを行う際に、半導体加工シート10を搬送できなくなってしまうおそれがある。
【0078】
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体において、アクリル酸及び/又はメタクリル酸から導かれる構成単位以外の部分は、基本的にはエチレンから導かれる構成単位であるが、本実施形態に係る半導体加工シート10の目的を損なわない範囲で、エチレン以外のオレフィン単量体として、プロピレン等のα−オレフィン、(メタ)アクリル酸以外のアクリル系モノマーとして、メチル(メタ)アクリル酸エステル、エチル(メタ)アクリル酸エステル、アルキルビニルエステル等から導かれる構成単位が含まれていてもよい。このような他のモノマーから導かれる構成単位は、上記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体中に、10質量%未満の割合で含まれていてもよい。
【0079】
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。また、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の分子量は、重量平均分子量(Mw)で10,000〜1,000,000であることが好ましく、特に50,000〜500,000であることが好ましい。
【0080】
樹脂層(B)を構成する樹脂組成物の主成分は、1種類のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体であってもよいし、2種類以上のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体をブレンドしたものであってもよい。
【0081】
樹脂層(B)を構成する樹脂組成物は、上記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体以外にも、本実施形態に係る半導体加工シート10の目的を損なわない範囲で、エチレン−ブチルアクリレート、エチレン−ビニルアセテート、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等を含有してもよい。これらの樹脂の含有量は、当該樹脂組成物中、30質量%以下であることが好ましく、特に10質量%以下であることが好ましい。
【0082】
なお、樹脂層(B)は、上記の材料に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル等のエチレン共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリウレタン;ポリ塩化ビニル;ポリアミドなどから構成されてもよい。樹脂層(B)がこれらの材料からなる場合には、基材フィルム2又は半導体加工シート10のハンドリング性を向上させることができる。
【0083】
樹脂層(B)の厚さは、40〜120μmであることが好ましく、特に50〜100μmであることが好ましい。また、樹脂層(B)の厚さは、樹脂層(A)の厚さよりも厚いことがより好ましい。樹脂層(B)の厚さが上記の範囲にあることで、基材フィルム20に良好なエキスパンド性能を付与することができる。
【0084】
基材フィルム20は、共押出し等により樹脂層(A)及び樹脂層(B)を製膜すると同時に積層することによって製造してもよいし、各々の樹脂層(A),(B)を製膜した後、それら樹脂層(A)及び樹脂層(B)を接着剤等によって積層することによって製造してもよい。
【0085】
本実施形態における基材フィルム20の破断伸度は、100%以上であることが好ましく、特に200%以上であることが好ましい。破断伸度が100%以上である基材フィルム20は、エキスパンド工程の際に破断しにくく、被切断物を切断して形成したチップを離間し易いものとなる。
【0086】
また、本実施形態における基材フィルム20の引張弾性率は、80〜160MPaであることが好ましい。引張弾性率が80MPa未満であると、半導体加工シート10にウェハを貼着し、リングフレームに固定した場合、基材フィルム20が柔らかいために弛みが発生し、搬送エラーの原因となることがある。一方、引張弾性率が160MPaを超えると、エキスパンド工程時に加わる荷重を大きくしなければならないため、リングフレームから半導体加工シート10自体が剥がれたりするなどの問題が発生するおそれがある。
【0087】
以上の半導体加工シート10においては、樹脂層(A)を備えることで、基材フィルム20と接着剤層3との間で良好な剥離性、すなわち良好なピックアップ性能を有するとともに、かつ当該ピックアップ性能の経時的な低下が抑制される。また、基材フィルム20が上記のように樹脂層(A)及び樹脂層(B)からなることで、本実施形態に係る半導体加工シート10は、良好なエキスパンド性を有するものとなる。
【0088】
本実施形態に係る半導体加工シート10は、ダイシング工程、エキスパンド工程及びダイボンディング工程に使用されるダイシング・ダイボンディングシートとして好ましく使用することができる。
【0089】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0090】
例えば、基材フィルム2,20は、3層以上の樹脂層からなるものであってもよい。この場合、接着剤層3に接触する樹脂層が、樹脂層(A)と同様の材料からなる。
【実施例】
【0091】
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0092】
〔実施例1〕
オレフィン系樹脂Dとして、超低密度ポリエチレン(住友化学社製,エクセレンEUL731,密度:0.895g/cm,融解ピークにおける熱流量:1.4W/g,融解熱量:69.5J/g)10質量部と、オレフィン系樹脂Eとして、低密度ポリエチレン(住友化学社製,スミカセンL705,密度0.918g/cm,融解ピークにおける熱流量:5.5W/g,融解熱量ΔH:126.0J/g)90質量部とを、二軸混練機(東洋精機製作所社製,ラボプラストミル)にて溶融混練し、樹脂層(A)用の押出用原材料を得た。
【0093】
また、樹脂層(B)用の押出用原材料として、エチレン−メタクリル酸共重体を主成分とする樹脂組成物(三井デュポンポリケミカル社製,ニュクレルN0903HC,メタアクリル酸含有量:9.0質量%)を準備した。
【0094】
次いで、樹脂層(A)用の押出用原材料と、樹脂層(B)用の押出用原材料とを、小型Tダイ押出機(東洋精機製作所社製,ラボプラストミル)によって押出成形し、厚さ40μmの樹脂層(A)と、厚さ60μmの樹脂層(B)とからなる2層構造の基材フィルムを得た。
【0095】
一方、下記成分を配合して接着剤層形成用の塗布液を調整した。なお、各成分の数値(質量%)は、固形分換算の質量%を示し、本明細書において固形分とは溶媒以外の全成分をいう。
[アクリル重合体(a)]
・n−ブチルアクリレートを主体とするアクリル系共重合体(日本合成化学工業社製,製品名「コーポニールN2359−6」,Mw:約80万,固形分濃度34質量%):14質量%
[エポキシ系樹脂(b)]
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製,製品名「JER828」,エポキシ当量189g/eq):18質量%
・DCPD型エポキシ樹脂(大日本インキ化学社製,製品名「EPICLON HP−7200HH」,エポキシ当量265〜300g/eq,軟化点75〜90℃):55質量%
[硬化剤(c)]
・ジシアンジアミド(旭電化社製,製品名「アデカハードナー3636AS」:1.6質量%
[硬化促進剤]
・2−フェニル−4,5−ジ(ヒドロキシメチル)イミダゾール(四国化成工業社製,製品名「キュアゾール2PHZ」):1.5質量%
[シランカップリング剤]
・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを付加させたシリケート化合物(三菱化学社製,製品名「MKCシリケートMSEP2」):0.5質量%
[エネルギー線重合性化合物]
・ジシクロペンタジエンジメトキシジアクリレート(日本化薬社製,製品名「カラヤッドR684」):9.1質量%
[光重合開始剤]
・α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製,製品名「イルガキュア184」):0.3質量%
【0096】
得られた接着剤層形成用の塗布液を、上記樹脂層(A)の表面に、乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥させて接着剤層を形成し、半導体加工シートを作製した。
【0097】
〔実施例2〕
実施例1において、樹脂層(A)の押出用原材料中のオレフィン系樹脂Dの配合量を30質量部、オレフィン系樹脂Eの配合量を70質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして半導体加工シートを製造した。
【0098】
〔実施例3〕
実施例1において、樹脂層(A)の押出用原材料中のオレフィン系樹脂Dの配合量を50質量部、オレフィン系樹脂Eの配合量を50質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして半導体加工シートを製造した。
【0099】
〔実施例4〕
実施例3において、押出用原材料中のオレフィン系樹脂Dを、超低密度ポリエチレン(住友化学社製,エクセレンVL−200,密度0.900g/cm,融解ピークにおける熱流量:2.0W/g,融解熱量ΔH79.1J/g)に変更する以外は、実施例3と同様にして半導体加工シートを製造した。
【0100】
〔実施例5〕
実施例2において、樹脂層(B)の押出用原材料を、エチレン−メタクリル酸共重体(三井デュポンポリケミカル社製,ニュクレルAN4225C,メタクリル酸含有量:5.0質量%)に変更する以外は、実施例2と同様にして半導体加工シートを製造した。
【0101】
〔実施例6〕
実施例2において、樹脂層(B)の押出用原材料を、エチレン−メタクリル酸共重体(三井デュポンポリケミカル社製,ニュクレルN1207C,メタクリル酸含有量:12.0質量%)に変更する以外は、実施例2と同様にして半導体加工シートを製造した。
【0102】
〔実施例7〕
実施例1において、樹脂層(A)の押出用原材料中のオレフィン系樹脂Dの配合量を60質量部、オレフィン系樹脂Eの配合量を40質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして半導体加工シートを製造した。
【0103】
〔実施例8〕
実施例2において、樹脂層(B)の押出用原材料を、エチレン−メタクリル酸共重体(三井デュポンポリケミカル社製,ニュクレルAN4214C,メタクリル酸含有量:4.0質量%)に変更する以外は、実施例2と同様にして半導体加工シートを製造した。
【0104】
〔実施例9〕
実施例2において、樹脂層(B)の押出用原材料を、エチレン−メタクリル酸共重体(三井デュポンポリケミカル社製,ニュクレルN1525,メタクリル酸含有量:15.0質量%)に変更する以外は、実施例2と同様にして半導体加工シートを製造した。
【0105】
〔実施例10〕
実施例2において、樹脂層(B)を押し出さず、樹脂層(A)単層のみで厚み100μmの基材フィルムを形成し、次いで、この基材フィルム上に実施例1と同様にして接着剤層を形成し、半導体加工シートを製造した。
【0106】
〔比較例1〕
実施例1において、樹脂層(A)の押出用原材料中のオレフィン系樹脂Dの配合量を0質量部、オレフィン系樹脂Eの配合量を100質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして半導体加工シートを製造した。
【0107】
〔比較例2〕
実施例1において、樹脂層(A)の押出用原材料中のオレフィン系樹脂Dの配合量を5質量部、オレフィン系樹脂Eの配合量を95質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして半導体加工シートを製造した。
【0108】
〔比較例3〕
実施例2において、オレフィン系樹脂Dとして、超低密度ポリエチレン(東ソー社製,ルミタック43−1,密度0.905g/cm,融解ピークにおける熱流量:2.4W/g,融解熱量ΔH88.9J/g)を使用する以外は、実施例2と同様にして半導体加工シートを製造した。
【0109】
〔比較例4〕
実施例2において、オレフィン系樹脂Dとして、超低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製,エボリューSP90100,密度0.890g/cm,融解ピークにおける熱流量:2.8W/g,融解熱量ΔH87.8J/g)を使用する以外は、実施例2と同様にして半導体加工シートを製造した。
【0110】
〔比較例5〕
比較例1において、樹脂層(B)の押出用原材料を、エチレン−メタクリル酸共重体(三井デュポンポリケミカル社製,ニュクレルN4214C,メタクリル酸含有量:4.0質量%)に変更する以外は、比較例1と同様にして半導体加工シートを製造した。
【0111】
〔試験例1〕(ピックアップ性能の評価)
実施例及び比較例で製造した半導体加工シートを25mm×250mmに裁断し、試験片を作製した。この試験片を#2000シリコンウェハ(200mm径,厚さ350μm)の研削面に貼り付けて、2kgのゴムロールを1往復することにより両者を圧着した。この状態で23℃、50%RHの条件下に20分以上放置した後、万能型引張試験機(オリエンテック社製,テンシロン)を使用して300mm/minの速度で180°剥離を行い、接着剤層と基材フィルム間の剥離力を測定し、その値を(初期値:f1(mN/25mm))とした。
【0112】
一方、半導体加工シートを40℃の条件下(40℃の恒温槽)で24時間加熱した後、室温に戻し、上記と同様の方法で接着剤層と基材フィルム間の剥離力の測定を行い、その値(促進後の値:f2(mN/25mm))とした。この両値を下記の式に導入し、剥離力の変化率:R(%)を算出した。ピックアップ性能は、Rが50%以下であれば○、Rが50%超、100%以下であれば△、Rが100%超であれば×とした。結果を表1に示す。
R=(f2−f1)×100/f1
【0113】
〔試験例2〕(軟化温度測定試験)
実施例1に示す二軸混練機(東洋精機製作所社製,ラボプラストミル)にて溶融混練した樹脂層(A)用の押出用原材料について、軟化温度の測定を行った。具体的には、高化式フローテスター(株式会社島津製作所社製,型番:CFT−100D)を用いて、穴形状がφ2.0mm、長さ5.0mmのダイを使用し、サンプル量4g、荷重9.81N、昇温速度10℃/分の条件で測定を行い、ストロークに変化が生じ始めた温度を軟化温度とした。結果を表1に示す。
【0114】
〔試験例3〕(エキスパンド性試験)
実施例及び比較例で製造した半導体加工シートの接着剤層に6インチウェハを貼付した後、当該半導体加工シートをフラットフレームに装着し、20μm厚のダイヤモンドブレードにより、ウェハを5mm角のチップにフルカットした。次に、エキスパンディング冶具(NECマシナリー社製,ダイボンダーCSP−100VX)を用いて、半導体加工シートを速度300mm/分で10mm引き落とした。このときのウェハ全体の拡張状態を目視で確認した。その結果、問題なく拡張でき、チップが全体的に均一に並んでいる場合は○、拡張はできるが、チップの並びに不均一な部分がある場合は△、拡張時に半導体加工シートが破断した場合には×と判定した。結果を表1に示す。
【0115】
〔試験例4〕(ハンドリング性評価)
実施例及び比較例で製造した基材フィルムを、3インチ径、330mm幅のプラスチック管に100m巻き取り、評価サンプルを作製した。このサンプルを40℃雰囲気下で1週間保管した後、再度巻き返しを行った際の状態を、下記の基準で評価した。結果を表1に示す。
○:抵抗なく巻き出すことができる。
△:巻き出すことができるが、部分的にブロッキングが生じており、シート表面に跡が残る。
×:部分的又は全体的にブロッキングが生じ、巻き出すことができない。
【0116】
【表1】
【0117】
表1から明らかなように、樹脂層(A)が本発明の要件を満たす実施例1〜10の半導体加工シートは、良好なピックアップ性能が促進後においても維持された。また、本発明の要件を満たす樹脂層(A)と、樹脂層(B)との2層からなる実施例1〜9の半導体加工シートは、ピックアップ性に加え、エキスパンド性にも優れることが確認された。さらに、樹脂層(A)におけるオレフィン系樹脂Dの含有量が10〜50質量%であり、樹脂層(B)におけるエチレン−メタクリル酸共重体中のメタクリル酸含有量が5.0〜12.0質量%である実施例1〜6の半導体加工シートは、ピックアップ性に加え、ハンドリング性及びエキスパンド性の全てにおいて、特に優れることが確認された。
【0118】
これに対し、樹脂層(A)が本発明の要件を満たさない比較例の半導体加工シートでは、促進後にピックアップ力が上昇し、良好なピックアップ性能が得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明に係る半導体加工シート用基材フィルム及び半導体加工シートは、特にダイシング・ダイボンディングシートに使用するのに好適である。
【符号の説明】
【0120】
1,10…半導体加工シート
2,20…基材フィルム
3…接着剤層
図1
図2