(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ビークルは、胴体(110)と、翼アセンブリ(120)と、尾部(130)とを含み、前記複数のスチフナは、前記胴体、前記翼アセンブリ、及び前記尾部のうちの少なくとも1つに含まれる、請求項1から5のいずれか1項に記載のビークル。
【背景技術】
【0002】
ストリンガ及び外板パネルは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のような繊維複合材から形成することができる。CFRPは、特に比較的軽い重量、及び高い機械強度が望ましい用途において、金属の代わりに使用されている。CFRPは、従来の金属合金よりも特定の強度及び剛性について著しい向上を図ることができる。特定の強度及び剛性が向上すると、重量を節約することができることになり、これにより、燃料を節約することができ、かつ運転コストを下げることができることになる。
【0003】
複合材ストリンガは、複数枚の強化繊維プライから製造される。複合材積層板の製造の設計を明確にする規定があり、この規定によって、個々のプライ配向角を、従来の4つの軸:0/+45/−45/90度の軸を用いて指定し、この場合、0度は通常、主荷重方向に一致する。この規定は更に、試験片に、そして結果として得られる複合材積層板許容強度、及び産業用強度最適化分析法に取り入れられる。
【0004】
数枚のプライは、ストリンガの主荷重軸に対して0度の角度で配向する強化繊維を有する。これらの繊維は、一軸方向の荷重を分散させる。他のプライは、±45度及び90度の角度で配向する強化繊維を有することにより、せん断荷重、横荷重、及び面圧荷重を分散させる。各プライによって重量がストリンガに加わる。また、全プライのうちの高い割合のプライの繊維配向方向が単一の主荷重方向であると、ストリンガの強度が主荷重方向以外の方向に低下してしまい、このような強度低下によって、例えばストリンガによる主荷重伝達方向に早期のクラックまたは分断が生じる。当該影響によって、プライを追加しないでストリンガ剛性を高める能力が低く抑えられてしまう。
【0005】
複合材ストリンガの特定の強度及び剛性を高めることが望ましい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び2を参照するに、
図1及び2は、民間航空機100を示している。航空機100の主要アセンブリは、胴体110と、翼アセンブリ120と、そして尾部130とを含む。1つ以上の推進ユニット140を航空機100の翼アセンブリ120、または胴体110、或いは他の部分に接続する。
【0011】
主要航空機アセンブリ110,120,及び130は、外板パネル210と、そしてスチフナとを含む。これらのスチフナは、主要アセンブリ110,120,及び130が、座屈するのを防止して、外板パネル210の曲げ荷重を分散させ、そして外板パネル210を補強して、これらのパネル210が荷重を受けて座屈することがないように機能する。これらのスチフナは、
図2に示す主要航空機アセンブリ110,120,及び130に限定されない。これらのスチフナは、補強を必要とする全ての航空機構造物に使用することができる。
【0012】
本明細書において記載されるように、ストリンガ220とは、或る種類のスチフナである。
【0013】
胴体110のストリンガ220は、一軸引張荷重及び圧縮荷重、及び面外座屈荷重を主として受ける。胴体ストリンガ220は更に、せん断荷重及び面圧荷重を含む従荷重を受ける。
【0014】
各翼アセンブリ120は、上部ストリンガ及び下部ストリンガ220を含む。上部ストリンガ220が、一軸圧縮荷重を主として受けるのに対し、下部ストリンガ220は、一軸引張荷重を主として受ける(主として受ける荷重は、上部ストリンガ及び下部ストリンガで逆になる場合がある)。上部ストリンガ及び下部ストリンガ220は更に、せん断荷重、面圧荷重、及び横荷重を含む従荷重を受ける。
【0015】
尾部130は、水平尾翼及び垂直尾翼を含む。これらの尾翼のストリンガ220は、翼アセンブリ120と同じ主荷重及び従荷重を受ける。
【0016】
圧縮荷重を受けるストリンガ220は、捻れ易く、破損し易く、そして座屈し易い。ストリンガ220は、圧縮及び引張に対する強度、及び捻れ、破損、及び座屈に対する安定性を付与する。
【0017】
次に、
図3を参照するに、
図3は、外板パネル210に締結されるストリンガ220の1つの実施形態を示している。
図3のストリンガ220はI字梁構造を有する。このようなストリンガ220は、ウェブ14を第1フランジ16と第2フランジ18との間に含む。ウェブ14は、印加荷重に対する所望の耐性を発現する深さDを有する。
【0018】
第1フランジ16及び第2フランジ18は略平板状の部材である。キャップ16と表記される第1フランジ16は幅W
1を有する。ベース18と表記される第2フランジ18は幅W
2を有する。
【0019】
ウェブ14、キャップ16、及びベース18は、X方向に、X軸(X軸は、図面の用紙に垂直である)に沿って延在する。X軸は、主荷重軸である。ウェブ、キャップ16、及びベース18は、X方向に沿って一定幅を有することができる、またはウェブ、キャップ16、及びベース18は、X方向に沿って連続的に変化することができる、または非連続的に変化することもできる。
【0020】
図3は更に、ウェブ14(X−Y
W−Z
W)、キャップ16(X−Y
C−Z
C)、及びベース18(X−Y
b−Z
b)の各々に対応する座標系を示している。これらの座標系は、背中合わせのC字溝により形成されるI字形梁に対応させることができる。以下に説明するように、全ての強化繊維の配向角は、X方向を基準にして測定される。
【0021】
ストリンガ220は本明細書においては、
図3に示すI字梁構造に限定されない。他の使用可能な構造として、これらには限定されないが、Z字形梁、ブレード(blades)、C字溝、及びハット型梁を挙げることができる。これらの構造を有するストリンガは全て、少なくとも1つのウェブ及びベースを含む。ハット型梁構造410、Z字梁構造420、及びC字溝構造430の例を
図4に示す。
【0022】
厚さT
1を有する外板パネル210はベース18に接続される。幾つかの実施形態では、ベース18は、外板パネル210に接着接合することができる。他の実施形態では、ベース18は外板パネル210と同時硬化させることができる。
【0023】
図3に示す実施形態では、ベース18は外板パネル210にファスナー22で締め付けることができる。これらのファスナー22は、外板パネル210及びベース18の開口を貫通して延在する。これらのファスナー22には、ナット24が螺合して、所定の圧縮力を外板パネル210及びベース18に加える。これらのファスナー22は、接着接合手段の代わりに、または接着接合手段に加えて用いることができる。
【0024】
これらのストリンガ220を外板パネル210に締め付けるファスナーは、ボルト22及びナット24に限定されない。他のファスナーとして、これらには限定されないが、ステープル(staples)、z−ピン、リベット、カシメファスナー、及びヒゲ状突起(barbs)を挙げることができる。ボルト22のようなファスナーは、ストリンガベース及び外板パネル210を厚さ方向全体に亘って貫通して延在するのに対し、ステープル、z−ピン、及びヒゲ状突起のようなファスナーは、外板パネルの内部に部分的に入り込んで延在することができる。ステープル、z−ピン、及びヒゲ状突起のようなファスナーは、ストリンガベースと一体的に形成することができる。
【0025】
ファスナーの別の例が縫合である。複数枚の繊維プライを縫合して合体させることができる。縫合糸を、乾燥複合材プライの積層板の孔に通すことができる。次に、樹脂を構造物内で溶融させ、そして当該構造物を硬化させる。
【0026】
外板パネル210は、マトリクス中に分散させた強化繊維からなるプライの積層板を含む。異なるプライは、0,+45,−45,及び90度の配向角を有することができる。幾つかの実施形態は、擬似等方性積層板を有することにより、0,+45,−45,及び90度の配向角を有するプライを等しい枚数かつ割合で用いる。他の実施形態では、異なるプライは、0,−55,+100,及び−35度の角度で配向する、または他の或る角度、或いはこれらの角度を組み合わせた角度で配向する強化繊維を含むことができる。外板パネル210のこれらの強化繊維は、40MSIの中間弾性率を有する炭素繊維とすることができる。プライ剛性(すなわち、炭素繊維に樹脂を加えた場合の剛性)が高い外板パネル210は、22〜25MSIの弾性率を有することができる。0度の角度に沿った積層板剛性は、10〜12MSIとすることができる。
【0027】
ストリンガ220は、マトリクス中に分散させた強化繊維からなる複数枚のプライを含む。強化繊維及びマトリクスは、何れの特定の組成物にも限定されない。繊維の例として、これらには限定されないが、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、及びチタン繊維を挙げることができる。当該マトリクスの例として、これらには限定されないが、プラスチックマトリクス及び金属マトリクスを挙げることができる。第1の例として、炭素繊維をプラスチックマトリクス中に分散させる。第2の例として、炭素繊維をチタンマトリクス中に分散させる。幾つかの実施形態では、炭素繊維は、40MSIの中間弾性率を有することができ、そしてプライ剛性は、22〜25MSIとすることができる。
【0028】
次に、
図5aを参照するに、
図5aは、ストリンガ220のウェブ14、ベース18、またはキャップを構成するプライ500a〜500dの積層板500を示している。
図5aに示す積層板500は、X軸に対して+α度の角度で配向する繊維を有する第1プライ500aと、−α度の角度で配向する繊維を有する第2プライ500bとを含む。±α度の角度で配向するこれらの繊維は、X軸に沿った引張強度及び圧縮強度を付与することができる。
【0029】
プライ構造は更に、βを50〜85度(例えば、±50、±60、±70、±80)とした場合に、+βの角度で配向する繊維を有する第3プライ500cと、そして−βの角度で配向する繊維を有する第4プライ500dとを含む。幾つかの実施形態では、βの範囲を狭くして、50〜75度の範囲とする。繊維を±βの角度で配向させると、せん断強度、横方向強度、及び面圧強度が上昇する。例えば、±β度の角度で配向する繊維を加えることにより、ファスナーを用いて締結ジョイントを形成する、またはジョイントを補修する領域における面圧強度を上昇させることができる。同じ横方向強度及び面圧強度(すなわち、90度、+45度、及び−45度の角度で配向する繊維を基準にして)を実現するためには、±βの配向角を有するプライが、より少ない枚数しか必要にならないので、結果として得られる構造は更に、可用性が高く、調整可能性が高く、より効率的であり、より軽量である。
【0030】
繊維配向を選択することができるので、せん断強度、せん断剛性、横方向強度、横方向剛性、面圧強度、及び面圧剛性という6つの特性のうち任意の特性を調整することができる。せん断強度を大きくすることが望ましい場合、50度に近いβが選択される。横方向強度を大きくすることが望ましい場合、85度に近いβが選択される。面圧強度を大きくすることが望ましい場合、65〜70度に近いβが選択される。
【0031】
従来の0/+45/−45/90度の角度で配向する硬質ラミネートと同様の面圧強度レベルを実現するためには、±α及び±βの角度で配向する全繊維の中で、±βの角度で配向する全繊維の20〜30%のみが必要となる。硬質ラミネートでは、ゼロ度の配向角を有するプライの割合は40〜100%である。
【0032】
幾つかの実施形態では、±β度の角度で配向
された繊維からなるプライと、±α度の角度で配向
された繊維からなるプライを混在させることができる。混在させる一方向プライの例について考察する。これらのプライは、
+α/−α/+β/+α/−α/−β/+α/−α/...
の順番で配置することができる。プライを混在させる構成は、ウェブ14、キャップ16、及びベース18に用いることができる。
但し、他の実施形態では、ウェブ14
においては、β配向繊維からなるプライは、ウェブの外側表面に向かって
偏らせられる。
【0033】
次に、
図6を参照するに、
図6は、中央平面14aから離れる方向に
偏らせられ、かつ外側表面14bに向かって
偏らせられたβ配向繊維からなるプライを有するウェブ14を示している。すなわち、β配向繊維からなるプライの密度は、
方向ZWにおいて外側表面14bに向かって
増大する。例えば、α配向繊維からなるプライは、ウェブ14のコアを形成し、β配向繊維からなるプライは、ウェブ14の外側表面14bを形成する。β配向繊維からなるプライを外側表面14bに向かって
偏らせると、座屈及び横方向曲げに対する剛性が高くなる。
【0034】
図5aは、4枚の強化繊維プライ500a〜500dしか示していないが、ストリンガ220は、この枚数に限定されない。±α度の角度で配向する強化繊維からなる追加のプライを設けて、軸Lに沿った引張強度及び圧縮強度を高めることができる。他の角度(以後、±βと表記する)で配向する強化繊維からなる追加のプライを設けて、せん断強度、横方向強度、及び面圧強度、及び/又は剛性のうちの少なくとも1つを高めることができる。
【0035】
異なる構造は、グループにまとめることができる。例えば、ストリンガは、複数の繊維グループを含むことができる。各グループのプライは、異なる角度で配向する繊維からなる1つの構造に対応する。これらのグループは、任意の所望の組み合わせとして適用することができ、そして任意の所望の角度になるように繰り返すことができる。
【0036】
好適には、積層板のプライの少なくとも50%は、±αの角度で配向する繊維を有する。しかしながら、ストリンガの幾つかの実施形態では、繊維の100%を±αの角度で配向させる。
【0037】
図5bは、X軸に対して±αの角度でのみ配向する繊維からなるプライを有するストリンガの1つの実施形態を示している。
図5bでは、4枚のプライ550a〜550dを有する積層板500を示している。
【0038】
積層板500及び550では、±α度の角度で配向する強化繊維は、引張強度及び圧縮強度をX軸に沿って付与することができる。X軸に対して0度の角度で配向する強化繊維は、最大強度をX軸に沿って付与することができる。X軸に対して2〜12度の角度αで配向する強化繊維は、最大強度を付与しないが、これらの強化繊維は、ストリンガ220に、X軸に沿った一軸方向の荷重が加わる場合(例えば、ストリンガが、一軸方向に圧縮されて配置される場合)に、プライの分断を抑制する、または遅らせる。
【0039】
ファスナー孔はプライに直交し、かつベース18を構成するプライを貫通して延在している。繊維が2〜12度の角度αで配向すると、2〜12度の角度αで配向しない場合に、ベース18を貫通して延在するこれらの孔によって引き起こされるプライの分断を抑制する、または遅らせることができる。プライの分断は、繊維の大部分がα=ゼロ度の角度で配向する構成のラミネートに対して10〜100倍抑制される、または遅れる。耐分断性が1〜3桁大きくなることにより、このようなラミネートの実用性を著しく高めることができる。
【0040】
次に、
図7a及び7bを参照するに、
図7a及び7bは、プライの分断を抑制する、または遅らせる様子を示している。
図7aは、マトリクス720中に分散させた6本の繊維712〜717を有する1枚のプライ710を示している。繊維712〜717は、X軸に対して0度の角度で配向している。繊維714及び715を、孔730をドリルで開けることにより切断する。引張荷重TをX軸に沿って加えると、切断されていない繊維712,713,716,及び717が荷重を受けて伸びる。切断された繊維714及び715は荷重を受けないので伸びず、そしてマトリクス720からせん断分離される。これによって今度は、切断された繊維714と切断されていない繊維713との間の樹脂が脆くなる。細長いクラック740(破線で表わされる)が、切断された繊維714と切断されていない繊維713との間のマトリクス720に形成される。このクラック740は、プライ710の長さ全体に沿って進行してしまう。クラック740は、構造物が1枚のプライ、5枚のプライ、数十枚のプライ、またはそれ以上の枚数のプライを有しているかどうかに関係なく生じ得る。クラック740によって、ストリンガの強度が著しく低下する。
【0041】
図7bは、αを2〜12度とした場合のX軸に対して−α度の角度で配向する繊維752a〜756a、及びX軸に対して+α度の角度で配向する繊維752b〜756bからなる層750を示している。層750は、繊維752a〜756a、及び752b〜756bを有する1枚のプライ、または2枚の一方向プライ(繊維752a〜756aを有する一方の一方向プライ、及び繊維752b〜756bを有する他方の一方向プライ)を含むことができる。繊維754a、756a、754b、及び756bが孔770で切断される場合、微小クラック780が層750に形成されることになる。しかしながら、クラック780は、制御不能に広がることはない。そうではなく、クラック780の広がりは遅く、かつ直ちに停止することにより、ストリンガの強度は保持される。更に、繊維が2〜12度の角度αで配向しているので、クラック780が進行するために必要な荷重は、極めて大きくなる(斜めに配向させたアングル繊維は、エネルギーをクラック先端に拡散させることが分かっている)。プライの分断は従って、抑制される、または遅くなる。
【0042】
角度αを2〜8度の範囲にすると、強度及び分断抑制の良好な組み合わせが得られる。角度が2度未満の場合、プライの分断が急速に進む。角度が8度を超える場合、軸方向強度が急激に低下する。しかしながら、幾つかの用途では、最大角度12度までであれば、許容可能な強度が得られる。
【0043】
幾つかの実施形態では、角度αを3〜5度の範囲にすると、強度及び分断抑制/遅れの更に良好な組み合わせが得られ、そして更に、α=2度未満で、そしてα=8度超の場合に発生し得る強度低下を防止するための誤差マージンを確保することができる(繊維制御が製造中に不十分である場合、かなりの本数の繊維が2度未満の角度で、または8度超の角度で配向する可能性がある)。角度αが3度の場合に圧縮強度を1〜2%大きくするので、角度αが3度の場合、ずっと良好な組み合わせが得られることが判明している。
【0044】
これらの繊維をバランス良くすることができる、またはこれらの繊維を僅かにアンバランスにすることができる。バランス良くする繊維の一例として、1つのストリンガは、+αの角度で配向する繊維からなるN枚のプライと、−αの角度で配向する繊維からなるN枚のプライを混在させる構成を有する。繊維を僅かにアンバランスにする一例として、1つのストリンガは、+αの角度で配向する繊維からなるN枚のプライと、−α度の角度で配向する繊維からなる(N−1)枚のプライを混在させる構成を有することができる。
【0045】
幾つかの実施形態では、全てのプライが、同じ+α値、及び同じ−α値を有することができる。他の実施形態では、これらのプライは、異なるα値を有することができる。例えば、α=3度及びα=5度の配向角を有する強化繊維からなるプライを積層させることができる。
【0046】
幾つかの実施形態では、1枚のプライは、異なる角度で配向する繊維を有することができる。例えば、1枚のプライは、−3度、+7度、−7度、及び+2度の角度で配向する繊維を含むことができる。幾つかの実施形態では、1枚のプライは、+α度の角度で配向する繊維、及び−α度の角度で配向する繊維の両方の繊維を有することができる。
【0047】
αの最適値は普通、幾つかの要素の関数となる。これらの要素として、これらには限定されないが、繊維、マトリクス、繊維とマトリクスとの間の境界接合強度、繊維密度、繊維長などを挙げることができる。これらの要素として更に、繊維配向を制御する能力を挙げることができる。
【0048】
この最適化は従来、主荷重方向の一軸方向プライの最大割合に制限を課して当該最大割合を通常、50〜60%として、プライの分断を防止することにより行なわれてきた。
【0049】
ゼロ度から外れたプライ配向を用いるこの新規の方法によって、最大剛性を僅かに低下させるだけで、かつ軸方向強度に対するせん断強度の余裕率を更に狭くすることなく、本質的なプライ分断抑制が可能になる。これにより、せん断荷重を低減する構成のプライを、100%を最大として有効に一軸方向に積み重ねることができる。固有の許容可能な限界値を定義して、任意の特定の最適化分析に適用するためには試験を行なう必要がある。
【0050】
複合材スチフナについて、航空機に関連して上に説明してきた。しかしながら、本明細書における複合材スチフナは、上記説明に限定されない。本明細書における複合材スチフナは、ヘリコプター、宇宙船、及び他の航空宇宙ビークルの構造物に剛性を付与することができる。本明細書における複合材スチフナは、航空宇宙ビークルにさえも限定されない。これらの複合材スチフナは、剛性を必要とする任意の軽量構造物に用いることができる。
【0051】
記載される方法を用いて定義することができる他の実施形態は、これに限定されないが、
【0052】
引張強度及び圧縮強度を付与する強化繊維は、αを2〜12度、または2〜8度、或いは3〜5度とした場合に、主荷重軸に対して±αの角度で配向する構成を含む。