(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012615
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】容器封鎖体
(51)【国際特許分類】
B65D 47/24 20060101AFI20161011BHJP
B65D 47/26 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
B65D47/24 Z
B65D47/26 K
【請求項の数】16
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-539014(P2013-539014)
(86)(22)【出願日】2012年1月13日
(65)【公表番号】特表2013-545683(P2013-545683A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】US2012021265
(87)【国際公開番号】WO2012097265
(87)【国際公開日】20120719
【審査請求日】2013年5月9日
【審判番号】不服2015-12291(P2015-12291/J1)
【審判請求日】2015年6月30日
(31)【優先権主張番号】61/433,052
(32)【優先日】2011年1月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/433,062
(32)【優先日】2011年1月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/433,068
(32)【優先日】2011年1月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/433,072
(32)【優先日】2011年1月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/433,079
(32)【優先日】2011年1月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/432,698
(32)【優先日】2011年1月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(72)【発明者】
【氏名】アルフレッド ペイガン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ−チ フアン
(72)【発明者】
【氏名】ジーン マイケル アルトネン
(72)【発明者】
【氏名】ス−ヨン マコンビル
(72)【発明者】
【氏名】ウィダルズ ルツ デソト−バート
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン デービッド アンドレス
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン アレクシス ヴィオラ−プリオーリ
【合議体】
【審判長】
久保 克彦
【審判官】
蓮井 雅之
【審判官】
井上 茂夫
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭53−48208(JP,Y2)
【文献】
特開平11−342967(JP,A)
【文献】
特開平7−232756(JP,A)
【文献】
特表2010−531781(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3125422(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D47/24
B65D47/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の出口開口用の封鎖体であって、
a.出口開口に組み立てられて出口開口にシールを提供する第1の構成要素であって、ねじにより前記封鎖体の第2の構成要素に係合される、第1の構成要素と、
b.分配開口部を備える第2の構成要素であって、ねじにより前記第1の構成要素に係合される、第2の構成要素と、
c.前記容器の本体の開口部分に直接隣接して位置付けられた前記分配開口部と、を含み、
前記第2の構成要素は、前記第2の構成要素が前記第1の構成要素に対して動かされるときに前記第1の構成要素と係合して前記開口部の動作を可能にし、かつ前記第1の構成要素が、前記容器とのシールと、前記第2の構成要素とのシールとを含み、これらシールは、これらシールが前記容器の前記出口の平面内又はこの平面より下にある特定の並置状態にあり、前記第2の構成要素は、円柱形状の本体と、前記本体から前記本体の径方向に突出されたレバー部とを有しており、前記封鎖体と前記封鎖体に接続された容器とが利用者の片手で保持され、かつ前記片手の1本の指で前記レバー部を前記本体の周方向に沿って押すことによって前記第2の構成要素が回転されて前記分配開口部が開かれる、封鎖体。
【請求項2】
前記封鎖体が少なくとも2つの材料からなる、請求項1に記載の封鎖体。
【請求項3】
前記第2の構成要素が前記第1の構成要素の周りに同心運動で動く、請求項1に記載の封鎖体。
【請求項4】
前記封鎖体が容器本体に組み込まれている、請求項1に記載の封鎖体。
【請求項5】
前記容器の本体の上部には、凸状の容器肩部と、前記容器肩部に隣接して設けられた凹部とが設けられており、前記封鎖体は、前記凹部を埋めるように前記容器の本体の上部に一体化される、請求項4に記載の封鎖体。
【請求項6】
前記封鎖体が、一方の構成要素を他方の構成要素に対して一時的に停止させることで封鎖体を確実に閉じたまま、又は開いたままにしておく機構を含む、請求項1に記載の封鎖体。
【請求項7】
前記第1の構成要素が、封鎖体構成要素を前記容器の前記出口開口に対して特定の配列とすることができる配列機構を含み、前記配列機構が配列アセンブリ又は位置合わせアセンブリを有する、請求項1に記載の封鎖体。
【請求項8】
前記封鎖体が、前記第2の構成要素の側面に設けられた凹凸からなる触覚特徴部を含む、請求項1に記載の封鎖体。
【請求項9】
前記封鎖体が前記第2の構成要素の上面に設けられた曲線状パターンからなる可視特徴部を含む、請求項1に記載の封鎖体。
【請求項10】
前記封鎖体が、前記利用者に前記封鎖体の操作方法の説明を提供する、前記可視特徴部を含む、請求項9に記載の封鎖体。
【請求項11】
前記封鎖体が、前記利用者に前記封鎖体の操作方法に関する説明を提供する前記触覚特徴部を含む、請求項8に記載の封鎖体。
【請求項12】
前記封鎖体が可聴音機構を含む、請求項1に記載の封鎖体。
【請求項13】
前記封鎖体が循環型材料からなる、請求項1に記載の封鎖体。
【請求項14】
前記第1の構成要素には、前記第2の構成要素の筒状体が挿入される環状溝と、前記環状溝の壁面と前記筒状体との間の隙間を埋めるように前記壁面から突出された固定リブとが設けられている、請求項1に記載の封鎖体。
【請求項15】
前記循環型材料が、非石油系資源からなるバイオポリマー類、生分解性ポリマー類、再生樹脂類、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の封鎖体。
【請求項16】
前記非石油系資源が、生物由来のポリエチレン、生物由来のポリプロピレン、生物由来のポリエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項15に記載の封鎖体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器の出口開口用封鎖体に関し、この封鎖体は、出口開口上に組み立てられて出口開口をシールする第1の構成要素を含み、この第1の構成要素は、ねじにより前記封鎖体の第2の構成要素に係合され、第2の構成要素は、この第2の構成要素が第1の構成要素に対して動かされるときに第1の構成要素と係合して開口部の動作を可能にする。具体的には本発明は、1つ以上の要素を含む第1の構成要素に関し、この1つ以上の要素が、この要素の1つ以上について小さい高さ及び低プロファイル又は狭プロファイルを可能にする特定の並置状態にあって、シール、及び封鎖体の動作を維持する機械的特徴部が、容器出口の平面内又はこの平面より下にある。
【背景技術】
【0002】
家庭用品、パーソナルケア用品、及びその他の製品用として、分配パッケージ又は容器をはじめとする様々なパッケージが開発されている。現在、数種類の封鎖体設計品が市販されている。これらは、ディスク又は軸トップ、プッシュトゥオープン(押して開ける)、フリップトップ(引き口金式)、プッシュアンドプル(押して引く)、ツイストトゥオープン(捻って開ける)、その他各種と、様々である。これらの封鎖体全てに共通する現在の欠点は、使いやすさ、可聴信号又は触覚信号、直感、及び消費者を喜ばせる人間工学的特徴に対して配慮がなされていないことである。本発明で開発される設計では、消費者インサイトが考慮される。いずれの封鎖体もロック構造が組み込まれ、開閉位置が明確に示される片手操作による。本発明はまた、パッケージの直立又は倒立状態での使用を可能にする。各封鎖体は、直感的操作、開閉の明示、人間工学的操作、及び操作に役立つ全ての感覚的(可聴性、触知性、及び可視性)手掛りを実現するために統合的に設計される。更に本発明は、使用経験から効率が上がる消費者インサイトを拡張する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、大部分の封鎖体は容器の外形を補完することから、容器の外形に釣り合った封鎖体寸法が要求される。本発明の一実施形態では、封鎖体の寸法が最小化されることにより、いくつかの利点が得られる。利点の1つは、封鎖体の重量を、要求される密閉機能性を実現するために必要最小限の樹脂重量まで減少させることである。このことは、業界が現在、十分に確立されたポリプロピレンのリサイクルシステムをもたないことから、環境にとって有益である。パッケージ全体に対して封鎖体の重量が低減されることにより、容器のリサイクル性が向上する。これによってまた、樹脂、加工、金型、射出成形(IM)圧力選択、その他に関連する費用を含む封鎖体の総原価が削減される。封鎖体寸法の最小化による別の利点は、封鎖体が設計の中心的存在から離れることであり、これによって、同一の封鎖体を1つのプランド内の異なる容器設計に使用することが容易となり、更には同一の封鎖体を異なるブランドファミリー又は形状ファミリーに使用することさえも可能となる。このため最適化及び効率化が進み、このことで更に原価が低減される。これによって更に、封鎖体を適合させるための容器肩部及び角部のような特徴部を加えることなしに、釣り合いのとれた尺度の形状輪郭とすることが可能となる。
【0004】
封鎖体の寸法を最小化することによる別の利点は、封鎖体を容器形状内に組み込むことが可能となることである。容器が倒立方向にある場合、一体設計であれば、容器の上面を用いることによって、大きい封鎖体を必要とする場合に対して安定性を増すことができる。これにより容器設計及び開発における尺度が決まることから、これは有利な点である。これによってまた、形状を差別化(例えばシャンプーとコンディショナー)して消費者が探している製品を識別しやすくすることが容易となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、容器の出口開口のための封鎖体を目的とするもので、この封鎖体は、出口開口に組み立てられて出口開口をシールする第1の構成要素であって、ねじにより封鎖体の第2の構成要素に係合される第1の構成要素と、第2の構成要素であって、第2の構成要素の分配開口部を含み、ねじにより第1の構成要素に係合される第2の構成要素と、容器本体の開口部分に直接隣接して位置付けられた分配開口部と、を含み、第2の構成要素が、この第2の構成要素が第1の構成要素に対して動かされるときに第1の構成要素と係合して開口部の動作を可能にし、第1の構成要素が1つ以上の要素特徴部又は1つ以上の機械的特徴部を含み、この1つ以上の要素特徴部又は1つ以上の機械的特徴部が、この第1の構成要素の機械的特徴部又は機械的要素の1つ以上(大部分)について小さい高さ又は低プロファイル又は狭プロファイルを可能にする特定の並置状態にあって、シール、及び封鎖体の動作を維持する機械的特徴部が、容器出口の平面内又はこの平面より下にある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】開方向を表す矢印を付した、封鎖体の等角図。
【
図1B】開方向を表す矢印を付した、封鎖体の等角図。
【
図5】容器の2つの肩部の内部に組み込まれた封鎖体の等角図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明によれば、容器の出口開口のための封鎖体(1)は、出口開口に組み立てられて出口開口をシールする第1の構成要素を含み、この第1の構成要素が、ねじにより封鎖体の第2の構成要素に係合される。第1の構成要素は、第2の構成要素を容器に接続する。これにより、容器及び第1の構成要素のためのシール機構、並びに第1及び第2の構成要素間のシールが可能となる。シール機構の非限定的実施例としては、プラグシール、伸縮シール、膜シール、カニばさみ型シール(crab claw seal)、シリコーン膜シール、スピン溶接又は超音波溶接、糊接着、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本発明の一実施形態では、容器及び第1の構成要素のためのシール機構はプラグシール(9)であり、第1及び第2の構成要素間のシールは伸縮シール(8)である。伸縮シール(8)は第1及び第2の構成要素間の動的シールを可能にし得る。伸縮シールは、利用者が封鎖体を操作する又は作動させる間、シールを維持する。
【0008】
第1の構成要素は、封鎖体の動作を可能にするための雄ねじ機構又は雌ねじ機構と、雄型リブ(21)を備えた第2の構成要素に対して封鎖体の動作中に安定性をもたらすための雌型傾斜路(20)と、を含み得る。更なる実施形態では、ねじ機構は、らせん経路状に設計された機械的雌ねじ山又は機械的雄ねじ山を含むことによって、第2の構成要素が第1の構成要素に対して垂直運動できるようにし得る。
【0009】
また、第1の構成要素(3)は、封鎖体の自由な動きを妨げるための回転防止雌型特徴部(22)及び可聴機構のためのカウンターパート(23)を含む。回転防止特徴部により、第1の構成要素が容器頸部開口に対して自由にスピンするのを防ぐことができる。また、第1及び第2の構成要素間に、連動継手機構(機械的連動継手であってよい)のような第2の回転防止特徴部があり、これは一実施形態では雌型機構(14)であるが、別の実施形態では雄型機構(15)であり得る。可聴機構は、封鎖体が閉じ又は開いたことを利用者に知らせることができる。本発明の更なる実施形態では、第1の構成要素はスナップリング(24)を備えてよく、これにより、第1の構成要素が容器頸部にしっかりと取り付けられる。
【0010】
本発明の一実施形態では、第2の構成要素が分配開口部を含み、この第2の構成要素がねじによって第1の構成要素に係合される。第2の構成要素は、ユーザーインターフェースを向上させる特徴部を含んでもよい。このような構成要素は、色差別化又は形状差別化、並びに触覚特徴部(13)及び人間工学直感的設計の構成要素を含む。このような構成要素はまた、可聴物のためのカウンターパート機構、伸縮シール、分配開口部、雌ねじ機構又は雄ねじ機構、傾斜路特徴部又は軌道安定化特徴部、及び回転防止特徴部を有する。
【0011】
本発明の一実施形態では、分配開口部(5)が容器本体の開口部分に直接隣接して位置付けられ、第2の構成要素は、この第2の構成要素が第1の構成要素に対して動かされるときに第1の構成要素と係合して開口部の動作を可能にし、第1の構成要素が1つ以上の要素特徴部又は1つ以上の機械的特徴部を含み、この1つ以上の要素特徴部又は1つ以上の機械的特徴部が、この第1の構成要素の機械的特徴部又は機械的要素の1つ以上(大部分)について小さい高さ又は低プロファイル又は狭プロファイルを可能にする特定の並置状態にあって、シール、及び封鎖体の動作を維持する機械的特徴部が、容器出口(26)の平面内又はこの平面より下にある。第1の構成要素内の大部分の特徴部は、容器の開口出口の平面(25)、又はそれより下に位置する。これにより、これらの特徴部を、一般的にデッドスペースとみなされる位置に配置できるようになる。このため、一般的な封鎖体よりも著しく小さい高さを有する設計が可能となる結果、封鎖体全体の重量の大幅な低減が達成される。これにより、平均的封鎖体に比較して半分又はそれ以下の時間で製造可能で小さな成型品重量の封鎖体を開発することで、製造原価を大幅に削減できるばかりでなく、持続可能性の向上も得られる(エネルギー消費がより少なくなることによる)。
【0012】
本発明の一実施形態では、第1の構成要素が1つ以上の要素又は1つ以上の機械的特徴部を含み、この1つ以上の要素又は1つ以上の機械的特徴部が、容器開口の直径にかかわらず小さい高さ又は低プロファイル又は狭プロファイルを可能にする特定の並置状態にある。
【0013】
本発明の一実施形態では、この特定の並置状態の高さ及び間隔は容器開口の直径寸法にかかわらず一定であり得る。例えば、小さい容器開口に必要とされる低プロファイルを、より大きい容器開口についてもそのまま変えずに維持し得る。
【0014】
本発明の一実施形態では、第1の構成要素(3)は1つ以上のシール領域、例えば、容器の頸部上端上に位置し、若しくは頸部上面を超えて、若しくは頸部上面又は頸部表面及び容器頸部の内部に延在するか、又は、容器頸部の高さ内、若しくは容器頸部の下方に位置する、プラグシール(9)及び伸縮シール(8)を含むことがあり、これによって、第1の構成要素の機械的特徴部又は機械的要素について小さな高さ若しくは低プロファイル若しくは狭プロファイル、又は同一の平面が可能となる。
【0015】
本発明の更なる実施形態では、第1の構成要素(3)は、容器の頸部出口の上端領域又は上端区域によって画定される平面又はそれより下方に位置する1つ以上の要素を含むことがあり、これによって、第1の構成要素の全ての機械的特徴部又は機械的要素について小さな高さ若しくは低プロファイル若しくは狭プロファイル、又は同一の平面が可能となる。
【0016】
本発明の一実施形態では、容器の出口開口のための封鎖体(1)が提供され、この封鎖体は、出口開口(26)に組み立てられて出口開口にシールを提供する第1の構成要素(3)であって、ねじにより封鎖体の第2の構成要素(4)に係合される第1の構成要素と、第2の構成要素(4)であって、この第2の構成要素(4)の分配開口部(5)を含み、ねじにより第1の構成要素(3)と係合される第2の構成要素(4)と、容器本体の開口部分に直接隣接して位置付けられた分配開口部(5)と、を含み、第2の構成要素(4)は、この第2の構成要素が第1の構成要素(3)に対して動かされるときに第1の構成要素(3)と係合して開口部の動作を可能にし、第1の構成要素(3)と第2の構成要素(4)との全アセンブリが、少なくとも1つの材料、また更なる実施形態では少なくとも2つの材料を含む。
【0017】
本発明の一実施形態では、利用者がパッケージの分配開口部(5)を露出できるようにするために、封鎖体(1)は様々に異なるタイプの動きを用いるものとして設計され得る。封鎖体(1)は、軸の周りの回転運動、斜め方向運動、水平方向運動、垂直方向運動、捻り運動、上昇運動、摺動運動、及びこれらの組み合わせによって動いて分配開口部を露出し得る。
【0018】
上に述べた方向の動きを達成するために、本発明の一実施形態では、封鎖体内に次のような機械的特徴部が設計され得る。すなわち、雌ねじインターフェース又は雄ねじインターフェース、伸縮機構を備え得る流路、円筒形、楕円形、正方形、若しくは三角形の形態、回転軸、旋回ヒンジタイプ機構、及びこれらの組み合わせである。
【0019】
本発明の一実施形態では、第1の構成要素(3)は雄ねじ(6)を備えることで第2の構成要素(4)に係合し、第2の構成要素(4)は、封鎖体のカウンターパート特徴部の構成要素である雌ねじ(7)を備える。本発明の更なる実施形態では、第1の構成要素(3)は雌型構成要素を備えることで第2の構成要素(4)に係合し、第2の構成要素(4)は、封鎖体のカウンターパート特徴部の構成要素である雄型構成要素を備える。更なる構成要素では、第1の構成要素は雌雄の構成要素の組み合わせを含むことがあり、第2の構成要素もまた、雌雄の構成要素の組み合わせを含むことがある。
【0020】
雌ねじ(7)及び雄ねじ(6)によって、2つの構成要素を1つの構成要素のように合わせたままにしておくことができる。雌ねじ(7)及び雄ねじ(6)によってまた、低位置から高位置への封鎖体動きが可能となる。これにより、利用者が分配開口部(5)を露出させて液体を分配できるようになる。
【0021】
本発明の一実施形態では、第2の構成要素(4)は第1の構成要素(3)の周りに、同心運動、直線運動、軸方向運動、半径方向運動、共通半径方向運動、偏心運動、らせん運動、及びこれらの組み合わせで動かされる。
【0022】
分配開口部(5)は違う方法によって露出されることも可能である。例えば、回して又は捻って開ける封鎖体(1)では、分配開口部(5)は、第1の構成要素(3)がその回転軸内で第2の構成要素(4)と同心状に回転する又はスピンする、雌ねじ又は雄ねじの相互作用を介して開けられる。
【0023】
本発明の更なる実施形態では、封鎖体は容器本体に組み込まれる(
図7及び
図8)。機能的に可能な限り小さくした封鎖体を備えることにより、封鎖体が中心に位置するか又は一方に片寄り、容器肩部が封鎖体上面と平らになるようにすることができる。また、封鎖体を容器(1)の肩部(10)内に、また更なる実施形態では容器(1)の肩部(10)内に、完全に組み込むことも可能である。
【0024】
本発明の一実施形態では、
図5及び8に示すように封鎖体(1)が容器本体に組み込まれ、封鎖体の外形が容器本体の輪郭を補完する機能を果たしている。更なる実施形態では、封鎖体が埋め込めこまれていることから、倒立方向において容器肩部を用いる場合に、容器上部にフルサイズの封鎖体を必要とする場合に対して安定性を増すことが可能となる。
【0025】
本発明の更なる実施形態では、封鎖体の外形が、封鎖体を操作するのに最適なてこ作用のための表面を提供する。封鎖体(1)は利用者の片手又は利用者の両手によって操作される。封鎖体は、人間工学的に強化された特徴部、例えばハンドル、レバー、代替材料、質感、特定形状の輪郭、及びこれらの組み合わせを有してよい。濡れた手でも乾いた手でも容易に使用できるようにするために、これらの特徴部が戦略的に用いられる。例えば、本発明の一実施形態において、雌ねじ又は雄ねじを用い、捻り又は回転によって開ける封鎖体(1)では、加圧面積が同じであれば、回転のためのレバー又はポイントが回転軸より遠くなるほど、封鎖体を開けることが容易となる。換言すれば、このような実施形態では、回転軸からの距離が大きくなるほど、特定のトルクで封鎖体を開けるために消費者が必要とする力は小さくなる。封鎖体の設計は、利用しやすくするために隔壁を強化した設計か、又は人間工学的に取り入れられたレバー(11)若しくは人間工学的に(egonomically)取り入れられたレバー(19
)のいずれかを有することが可能である。
【0026】
本発明の一実施形態では、封鎖体(1)は、封鎖体を確実に閉じたまま、又は開いたままにしておくために、一方の構成要素を他方の構成要素に対して一時的に停止させる機構を含み得る。封鎖体を開けるための捻り運動又は回転運動に寄与するものとして、第1の構成要素及び/又は第2の構成要素は、雌ねじ(7)又は雄ねじ(6)に、封鎖体が開けられているときに閉まり、又は閉められているときに開いてしまうのを防ぐ、突起又は突出部(12)を有してよい。雄ねじ(6)が突出部(12)又は突起の上を通過すると、封鎖体は定位置に固定されるため、第2の構成要素(4)が勝手に開き、又は閉まることはできなくなる。
【0027】
本発明の更なる実施形態では封鎖体は、第1の構成要素(3)が容器の出口開口に対して特定の配列となるようにする配列機構を備えた、第1の構成要素(3)を含む。この実施形態では、封鎖体は配列機構として機能する雄型機構又は雌型機構(22)のいずれかを有し、この機構が容器の雄型機構(30)又は雌型機構(22)と相互作用することで自由回転を防ぎ、封鎖体が適切な封鎖体動作のための配列となるようにする。
【0028】
本発明の一実施形態では、封鎖体(1)は、第2の構成要素(4)が第1の構成要素(3)に対して特定の配列となるようにする配列機構を備えた、第1の構成要素(3)を含む。この実施形態では、第1の構成要素の雌型軌道を利用して第2の構成要素とともに雌型機構形態又は雄型機構形態を形成し、第1の構成要素(3)と第2の構成要素(4)との間で位置決めをして両者間の更なる回転を防ぐ設計を含む。この実施形態では、雌型機構(14)及び雄型機構(15)が連動継手の形に設計され、これによって、第1の構成要素(3)及び第2の構成要素(4)間のより強固で安定な係合が形成され得る。
【0029】
本発明の一実施形態では、封鎖体(1)が軸の周りに、開及び閉位置の間で回転する。
【0030】
捻り又は回転によって開ける封鎖体では、第2の構成要素(4)を軸の周りに回転させることによって、第2の構成要素(4)を第1の構成要素(3)に対して低及び上昇位置の間で動かし、利用者が第2の構成要素(4)の分配開口部(5)を露出できるようにする。
【0031】
本発明の更なる実施形態では、封鎖体(1)は利用者に封鎖体の操作方法を示すものとなる触覚特徴部(13)及び/又は可視特徴部(16)を備える。この封鎖体(1)では、利用者に、どこを圧締めし又は押し又は抑え、またどの方向に力を加える必要があるのかが分かるように示し又は伝える、触覚特徴部(13)及び可視特徴部(16)が取り入れられる。
【0032】
本発明の一実施形態では、封鎖体は可聴音機構を備える。一実施形態では封鎖体は、利用者が封鎖体を開位置から閉位置に、及び/又は閉位置から開位置に操作する際に音を出す、カンチレバー特徴部(17)又は類似の機械的特徴部を有し得る。これにより利用者に、封鎖体が完全に開いたこと及び封鎖体が完全に閉まったことが伝わる。
【0033】
本発明の更なる実施形態では、第1の構成要素(3)が固定リブ(27)を備えることで、第2の構成要素(4)を第1の構成要素に対して安定させ得る。
【0034】
第1の構成要素(3)又は第2の構成要素(4)のいずれかに固定リブ(27)を有することで、アセンブリの一体性が増し、したがってより安定なアセンブリとなる。これは、固定リブ(27)によって、第1の構成要素(3)に対する第2の構成要素(4)の左右の動き(揺れ)が制限され得ることによる。
【0035】
本発明の更なる実施形態では、第1の構成要素(3)に固定リブ(27)を備えることで、封鎖体を除去する際に第1の構成要素(3)及び第2の構成要素(4)が損なわれないようにし得る。
【0036】
第1の構成要素(3)又は第2の構成要素(4)のいずれかに固定リブ(27)を有することで、アセンブリの一体性が増し、したがってアセンブリの係合がより強固となる。これは、固定リブ(27)によって第2の構成要素の左右の動き(揺れ)が制限される結果、第1の構成要素(3)に対する第2の構成要素(4)の保持力が増すことによる。固定リブ(27)によって保持特徴部の係合が強化され、第2の構成要素(4)が第1の構成要素(3)から離れないようにすることができる。本発明の更なる実施形態では、第1の構成要素(3)又は第2の構成要素(4)は、計量投与のための多段階開口突起部を備え得る。多段階開口封鎖体を有することで、消費者は封鎖体を異なる高さに開けること、したがって分配開口部の開口寸法を制御することができるようになる。これにより、消費者は容器から所望の量を分配することができるようになるが、これは、消費者が容器から分配する量について限定された形でしか制御できない既存の封鎖体と(existing closures were)異なるところである。本発明によれば、消費者に毎回、常に同じ精確な量を服用させることができるようになる。
【0037】
多段階開口封鎖体を有することで、消費者は封鎖体を異なる高さで開けること、したがって分配開口部の開口寸法を制御することができるようになる。これにより、消費者が所望の量を容器から分配できるようになる。これは、消費者が容器から分配する量について限定された形でしか制御できない現状(today were they have)と異なるところである。本発明によれば、消費者は毎回、常に同じ精確な量を得ることができるようになる。
【0038】
本発明の更なる実施形態では、封鎖体が循環型材料からなる。封鎖体全体を循環型材料から作製してもよいし、第1の構成要素(3)又は第2の構成要素(4)のいずれかのみを循環型材料としてもよい。こうすることで、より再生利用可能な封鎖体を実現し得る。利用可能な材料としては、PCR,HDPE,LDPE,竹,再生可能樹脂類(石油ではなく植物又はバイオマスを出発原料とする、PLA(ポリ乳酸)、PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)、及びバイオポリオレフィン類(bio−PE、bio−PP、bio−PET)を含む);廃棄物から転用されて再処理及び/又は再利用される樹脂類である、PP PCR(消費財廃棄物からの粉砕再生材)及びPIR(産業廃棄物からの粉砕再生材)等の再生及び再生可能樹脂類;並びに天然充填剤(ミネラル類(例えばCaCO3),木,パルプ,紙,竹,ガラス,ケナフ,ホタルイ属植物,及びその他の、プラスチックに含有させるために粉砕、切断、破壊、若しくは粉状化された天然植物類を含む);石油ではなく植物又はバイオマスを出発原料とする、PLA(ポリ乳酸),PHA(ポリヒドロキシアルカノエート),及びバイオポリオレフィン類(bio−PE、bio−PP、bio−PET)を含む再生可能な樹脂類;廃棄物から転用されて再処理及び/又は再利用される樹脂類である、PP PCR(消費財廃棄物からの粉砕再生材)及びPIR(産業廃棄物からの粉砕再生材)等の再生及び再生可能樹脂類などが挙げられ、廃棄された貨幣(例えば米ドル札)を含む、その他各種の再生材料にも充填剤として利用し得るものがある。
【0039】
本発明の更なる実施形態では、本発明によって作製される容器であって、当該容器は、ポリグリコール酸(PGA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、テレフタル酸系脂肪族−芳香族コポリエステル、テレフタル酸を高度に含有する芳香族コポリエステル、熱可塑化デンプン(TPS)、セルロース、又はこれらの混合物からなる群から選択される生分解性ポリマー材料から形成される。
【0040】
循環型材料としては、非石油系資源、生分解性ポリマー類、再生樹脂類、及びこれらの混合物から作製されるバイオポリマー類を挙げることができる。このような用途に利用可能な有望なバイオポリマー類としては、竹、紙、及び草が挙げられる。非石油系資源は、生物由来のポリエチレン、生物由来のポリプロピレン、生物由来のポリエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。このような循環型材料のいくつか又は全ては、外観又は性能を変化させるために、着色剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、又はその他の少量の添加剤を含んでもよい。
【0041】
本発明の一実施形態では、封鎖体は少なくとも2つの材料を含み得る。封鎖体は、硬質材料(18)(例えばポリプロピレン(PP)のような樹脂)及び軟質材料(19)を用いて成形され得る。本発明の更なる実施形態では、このような硬質材料は、ポリエチレンPE及びポリプロピレンPPなどのポリオレフィン樹脂類、ポリメチルアクリレートPMAなどのアクリレート類、ポリカーボネートPCなどのカーボネート類、ポリカーボネートPCなどのカーボネート類、ポリメタクリル酸メチルPMMAなどのメタクリレート、ナイロン6などのアミド類、アセタール、アクリロニトリルブタジエンスチレン−ABSなどのコポリマー類、ポリ塩化ビニルPVCなどの塩素化ポリマー類、ポリスチレンPSなどのスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートPETなどのエステル類、PETGなどの変性エステル類、Delrinなどのポリホルムアルデヒド、ポリメタクリル酸メチルPMMAなどのメタクリレート、ナイロン6などのアミド類、アセタール、アクリロニトリルブタジエンスチレン−ABSなどのコポリマー類、ポリ塩化ビニルPVCなどの塩素化ポリマー類、ポリスチレンPSなどのスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートPETなどのエステル類、PETGなどの変性エステル類、並びにDelrinなどのポリホルムアルデヒド等の、硬質樹脂類であり得る。
【0042】
更なる実施形態では、封鎖体は軟質材料(19)を用いて成形され得る。このような軟質材料(19)としては、軟質の射出成形可能な樹脂類、スチレン系(SEBS及びSBS)及びオレフィン系(TPO PPエラストマー)を含む熱可塑性エラストマーTPE、熱可塑性ポリウレタン(eurothanes)TPU、溶融加工可能ゴムMPR、熱可塑性加硫ゴムTPV、及びポリ塩化ビニル、並びにこれらの混合物が挙げられる。本発明の一実施形態では、柔らかい感じの材料を用いることにより、封鎖体を開けたり閉めたりする際に、その柔らかな触感で消費者を喜ばせることが可能である。
【0043】
本発明の更なる実施形態では、射出成形によらない軟質樹脂類、例えばシリコーン及びウレタンゴムなどを用いることも可能である。
【0044】
本発明の更なる実施形態では、封鎖体は、機能性能(シール性、人間工学性、貯蔵安定性表面、利用者のための視覚的補助、容器耐久性、利用者に対する触覚信号及び可聴信号のカスタム化、及びこれらの組み合わせ)を高める得る材料を含んでもよい。TPE又はシリコーンのような材料を用いることにより、分配開口部(5)とスパッド(2)の設計間のシール性を強化することが可能となる。このような適用例では、柔らかめの材料(19)がスパッド(2)の設計の形状に自らを合わせる傾向を有することから、PP製の構成要素相互間の場合に比較してより高いシール性が得られる。
【0045】
このような封鎖体ではまた、第1の構成要素(3)と第2の構成要素(4)とで異なる材料を取り入れることによって、両構成要素間の摩擦係数を低下させることも可能である。使用可能な材料の組み合わせとしては、PP/PP、HDPE/PP、LDPE/PP、アセタール(Acetel)/PP、竹/PP及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0046】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきでない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法はそれぞれ、記載された値及びその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0047】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に援用するが、いずれの文献の引用もそうした文献が本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0048】
以上、本発明の特定の実施形態を例示、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行いうる点は、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲に含まれるそのような全ての変更及び改変を添付の特許請求の範囲において網羅するものとする。