(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の網において通信を行う2つの端末のうち一方の端末が前記第1の網と異なる第2の網にハンドオーバした際に、前記2つの端末間のデータを転送するネットワークノードであって、
前記一方の端末が前記第1の網で使用していた第1のコーデック、及び、前記一方の端末が前記第2の網で使用する第2のコーデックを検出する検出手段と、
前記第1のコーデックが前記第2のコーデックとの間の互換モードを有するコーデックである場合、前記一方の端末から送信されるデータのコーデックを、前記第1のコーデックの前記互換モードに切り替えることにより、他方の端末向けのデータを生成する生成手段と、
前記他方の端末向けのデータを、前記他方の端末へ送信する送信手段と、
を具備するネットワークノード。
前記送信手段は、前記第1のコーデックが前記第2のコーデックとの間の互換モードを有するコーデックである場合、前記一方の端末から送信されるデータを、前記第1のコーデックのフォーマットを用いて、前記互換モードで送信する、
請求項1記載のネットワークノード。
前記送信手段は、前記生成手段において前記一方の端末から送信されるデータのコーデックが切り替えられた場合、前記他方の端末が送信するデータに対する前記互換モードへの切替要求を、前記他方の端末へ送信する、
請求項1記載のネットワークノード。
第1の網において通信を行う2つの端末のうち一方の端末が前記第1の網と異なる第2の網にハンドオーバした際に、前記2つの端末間のデータを転送する通信方法であって、
前記一方の端末が前記第1の網で使用していた第1のコーデック、及び、前記一方の端末が前記第2の網で使用する第2のコーデックを検出し、
前記第1のコーデックが前記第2のコーデックとの間の互換モードを有するコーデックである場合、前記一方の端末から送信されるデータのコーデックを、前記第1のコーデックの前記互換モードに切り替えることにより、他方の端末向けのデータを生成し、
前記他方の端末向けのデータを、前記他方の端末へ送信する、
通信方法。
【背景技術】
【0002】
従来、3GPP(Third Generation Partnership Project)の移動通信方式における音声通話は、3GPPの回線交換(CS:Circuit Switching)網を用いて行われていた。近年では、3GPPのパケット交換(PS:Packet Switching)網を用いた音声通話であるVoLTE(Voice over Long Term Evolution)サービスが行われつつある。
【0003】
しかし、VoLTEサービスが受けられるエリアは当面の間限られる。このため、VoLTEによる音声通話(以下、VoLTE通話という)中にVoLTEサービスエリアの外に出た場合、従来の回線交換方式を用いた通話に切り替える必要がある。この切替を可能にする技術として、非特許文献1に記載のSRVCC(Single Radio Voice Call Continuity)がある。以下、
図1及び
図2を用いて、SRVCCによるハンドオーバの動作について説明する。
【0004】
図1は3GPPの移動通信ネットワーク構成の一部を示す。
図1に示す移動通信ネットワークは、e−UTRAN(evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)、e−UTRANの基地局(e−nodeB)、PS網、CS網、CS網の基地局サブシステム、及びIMS(IP Multimedia Subsystem)から構成される。
【0005】
具体的には、
図1において、e−UTRANは、VoLTEサービスを提供可能な無線アクセス網である。PS網は、VoLTEサービスを提供し、P−GW(Packet Data Network Gateway)、S−GW(Serving Gateway)及びMME(Mobility Management Entity)から構成される。CS網は、MSC(Mobile Switching Center)、MGW(Media GateWay)から構成される。CS網の基地局サブシステムは、RNC(Radio Network Controller)及びnodeBから構成される。IMSは、呼制御等を行い、CSCF(Call Session Control Function)及びSCC AS(Service Centralization and Continuity Application Server)から構成される。なお、
図1及び
図2では、MSCとMGWとを一つのノード(MSC/MGW110)として表しているが、これらは別々のノードとして表してもよい。
【0006】
図1において、移動通信端末(UE:User Equipment)であるUE100及びUE102は、最初PS網にそれぞれ接続されているとする(ただし、UE102側の無線アクセス網、基地局及びPS網は図示せず)。つまり、UE100とUE102とでVoLTE通話が行われているとする。このとき、通話の途中でUE100がCS網にハンドオーバ(HO:Hand Over)することを仮定する。
【0007】
図1の実線で示されたPath A、Path B及びPath Cは、通話データが通る経路を示す。また、
図1の破線で示された200、202、204及び206は、SRVCCハンドオーバ処理におけるシグナリングが通る経路を示す。
【0008】
図2は、SRVCCハンドオーバ処理の動作を示すシーケンスチャートである。UE100及びUE102は最初PS網(e−UTRAN)にそれぞれ接続されており、UE100とUE102との間の通話データはPath Aを通って送受信されている。UE100がe−UTRANのカバーエリアから遠ざかろうとすると、e−nodeBは、これを検知し、MME、MSC/MGW110経由でRNC/nodeBとの間でシグナリングをやり取りする(
図1に示すシグナリング200。
図2に示すステップ(以下、「ST」という)200)。ST200において、nodeBとMSC/MGW110との間にCS網でのデータ経路が準備され、準備が終わると、MMEからe−nodeB経由で、UE100に対し、UTRAN(CS網)側にハンドオーバするよう命令が出される。
【0009】
ST200の処理と同時に、MSC/MGW110は、CSCF/SCC AS経由でUE102とシグナリングをやり取りする(
図1に示すシグナリング202。
図2に示すST202)。これにより、UE102の通話データの送受信先を、UE100からMSC/MGW110に切り替えるよう命令が出され、Path Bが確立される。
【0010】
UE100は、UTRANにハンドオーバした後、RNC/nodeB経由でMSC/MGW110とシグナリングをやり取りする(
図1に示すシグナリング204。
図2に示すST204)。これにより、Path Cが確立される。
【0011】
Path C確立後、MSC/MGW110は、MME経由でP−GW/S−GWとシグナリングをやり取りする(
図1に示すシグナリング206。
図2に示すST206)。これにより、Path Aは削除される。
【0012】
以上、SRVCCハンドオーバの動作について説明した。
【0013】
また、SRVCCを改良し、データ経路切替にかかる時間を短縮する方式として、非特許文献3に記載の、ATCF(Access Transfer Control Function)エンハンスメントを用いたSRVCC方式(eSRVCC:enhanced-SRVCC)がある。このeSRVCCの動作の一例について、以下、
図3及び
図4を用いて説明する。
【0014】
図3は、eSRVCCを可能にする、3GPPの移動通信ネットワーク構成の一部を示す。
図3に示す移動通信ネットワークは、
図1と同様、e−UTRAN、e−nodeB、PS網、CS網、CS網の基地局サブシステム、及びIMSから構成される。ここでIMSには、CSCF及びSCC ASの他、ATCF(Access Transfer Control Function)及びATGW(Access Transfer GateWay)が存在する。なお、
図3及び
図4では、ATCFとATGWとを一つのノード(ATCF/ATGW320)として表しているが、これらは別々のノードとして表してもよい。
【0015】
図3において、UE100及びUE102は、最初PS網にそれぞれ接続されているとする(ただし、UE102側の無線アクセス網、基地局及びPS網は図示せず)。つまり、UE100とUE102とでVoLTE通話が行われているとする。このとき、通話の途中でUE100がCS網にハンドオーバ(HO:Hand Over)することを仮定する。
【0016】
図3の実線で示されたPath A、Path B、Path C及びPath Dは、通話データが通る経路を示す。また、
図3の破線で示された300、302、304及び306は、eSRVCCハンドオーバ処理におけるシグナリングが通る経路を示す。
【0017】
図4は、eSRVCCハンドオーバの動作を示すシーケンスチャートである。UE100及びUE102は最初PS網(e−UTRAN)にそれぞれ接続されている。eSRVCCハンドオーバを実現するシステムでは、ATCF/ATGW320において、ATCFはIMSのシグナリング(IMSシグナリング)をアンカーし、ATGWは通話データをアンカーする。つまり、UE100とUE102との間の通話開始時において、通話開始のIMSシグナリングはATCFで中継され、ATCFがATGWでの通話データのアンカーが必要と判断した場合、通話データのアンカーポイントとしてATGWが割り当てられる。これにより、UE100とUE102との間の通話データは、Path A及びPath Bを通って送受信される。
【0018】
UE100がe−UTRANのカバーエリアから遠ざかろうとすると、e−nodeBは、これを検知し、MME、MSC/MGW110経由でRNC/nodeBとの間でシグナリングをやり取りする(
図3に示すシグナリング300。
図4に示すST300)。ST300において、nodeBとMSC/MGW110との間にCS網でのデータ経路が準備され、準備が終わると、MMEからe−nodeB経由で、UE100に対し、UTRAN(CS網)側にハンドオーバするよう命令が出される。
【0019】
ST300の処理と同時に、MSC/MGW110は、ATCFにシグナリングを送る。これによりATCFからATGWに経路切替の指示が出され、ATGWの通話データ送受信先がUE100からMSC/MGW110に切り替わる(
図3に示すシグナリング302。
図4に示すST302)。すなわち、Path Cが確立される。また、ATGWへの経路切替処理が完了すると、ATCFは、SCC−ASに通知シグナリングを送信する(
図3に示すシグナリング302。
図4に示すST302)。
【0020】
UE100は、UTRANにハンドオーバした後、RNC/nodeB経由でMSC/MGW110とシグナリングをやり取りする(
図3に示すシグナリング304。
図4に示すST304)。これにより、Path Dが確立される。
【0021】
Path D確立後、MSC/MGW110は、MME経由でP−GW/S−GWとシグナリングをやり取りする(
図3に示すシグナリング306。
図4に示すST306)。これにより、Path Bは削除される。
【0022】
以上、eSRVCCハンドオーバの動作について説明した。
【0023】
CS網で利用される音声コーデックとして、広帯域(WB:Wideband)コーデックであるAMR−WB(Adaptive Multi-Rate Wideband)コーデックがある。AMR−WBは、パケット交換方式で利用可能であるため、PS網(VoLTE)での利用も考えられている。
【0024】
また、例えば、非特許文献4に記載のEVS(Enhanced Voice Service)のように、PS網(VoLTE)で利用される、AMR−WB以外の他のコーデックとして、AMR−WB互換モードをサポートするコーデックもある。AMR−WB互換モードは、通常AMR−WBコーデックをサポートするレガシー端末との間でAMR−WBコーデックとして使用されることを想定している。このため、PS網(VoLTE)で当該コーデックが利用される際には、非特許文献2に記載のAMR−WBコーデックのRTPペイロードフォーマットが用いられることが考えられる。
【0025】
なお、従来技術において、狭帯域(NB:Narrowband)コーデックとは、8kHzでサンプリングされたデジタル音響信号の符号化及び復号処理を行うコーデックである。なお、狭帯域コーデックでは、一般的に300Hz〜3.4kHzの周波数帯域を有するが、周波数帯域はこれに限らず0〜4kHzの範囲内であればよい。また、広帯域コーデックとは、16kHzでサンプリングされたデジタル音響信号の符号化及び復号処理を行うコーデックである。なお、広帯域コーデックでは、一般的に50Hz〜7kHzの周波数帯域を有するが、周波数帯域はこれに限らず0〜8kHzの範囲内であればよい。また、超広帯域(SWB:Super Wideband)コーデックとは、32kHzでサンプリングされたデジタル音響信号の符号化及び復号処理を行うコーデックである。超広帯域コーデックでは、一般的に50Hz〜14kHzの周波数帯域を有するが、周波数帯域はこれに限らず0〜16kHzの範囲内であればこれに限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
以下の説明では、「帯域幅」とはコーデックの入出力となる信号の帯域幅のことを指す。
【0037】
また、以下の説明では、PS網及びCS網の双方において利用可能なコーデックを「コーデックA」と表す。コーデックAは、専用のペイロードフォーマットを持つ。コーデックAは、例えば、AMR−WB又はAMR−NBである。
【0038】
また、PS網において利用可能なコーデックを「コーデックB」と表す。コーデックBは、コーデックAに対する、非互換モード(コーデックA非互換モード)と互換モード(コーデックA互換モード)とを有する。ただし、コーデックBはCS網で利用されてもよい。コーデックBは、例えば、EVS又は非特許文献7に記載のG.718である。
【0039】
(実施の形態1)
図5は、コーデックBのペイロードフォーマット(RTPペイロードフォーマット)の一例を示す。
図5に示すように、ペイロードフォーマットは、データ部とヘッダ部とにより構成される。データ部にはエンコーダによりエンコードされたデータが含まれ、ヘッダ部にはデコーダがデータ部のデータをデコードするために必要な情報が含まれる。
【0040】
本実施の形態におけるコーデックBのペイロードフォーマットは、データ部にコーデックA非互換モードのデータが含まれるのか、コーデックA互換モードのデータが含まれるのかをペイロード受信側で識別できる構成を持つ。例えば、
図5に示すように、ヘッダ部には、「コーデックタイプ」フィールドと「ビットレート」フィールドが含まれる。「コーデックタイプ」には、コーデックA非互換モード又はコーデックA互換モードのいずれであるかを示す情報が含まれる。「ビットレート」には、コーデックA非互換モード、コーデックA互換モードのそれぞれでサポートしているビットレートのうち、どのビットレートでエンコードされたデータであるかを示す情報が含まれる。
【0041】
また、
図5に示すように、上記フィールドの他に、ペイロード受信側である相手端末に対してコーデックタイプ又はビットレートの切替要求指示を行うフィールド(「コーデックタイプ・ビットレート切替要求」フィールド)を含んでもよい。なお、このフィールドは、フレーム毎に含まれる必要はなく、必要な時にだけ含まれてもよい。
【0042】
なお、
図5に示すコーデックBのペイロードフォーマットにおいて、データ部にコーデックA非互換モードのデータが含まれるのか、コーデックA互換モードのデータが含まれるのかをペイロード受信側で識別できる構成を取るためのフィールド(「コーデックタイプ」フィールド、「ビットレート」フィールド)、及び、相手端末に対して、コーデックタイプ又はビットレートの切替要求指示を行うフィールド(「コーデックタイプ・ビットレート切替要求」フィールド)を、ヘッダ部に明示的に含める方法を示した。しかし、必ずしも
図5に示す方法でなくてもよい。また、
図5に示すペイロードフォーマットの一例では、ペイロードフォーマットがヘッダ部とデータ部とから構成される例を示したが、ヘッダ部が無くてもペイロードを受け取った受信側の端末が正しくデータをデコードできる場合には、ペイロードフォーマットにおいてヘッダ部は無くてもよい。
【0043】
また、コーデックBのペイロードフォーマットは
図5に示す一例に限らず、例えば、非特許文献7に記載のG.718のペイロードフォーマットのように、各レイヤの組み合わせ(ビットレート相当)が、別々の値として記述されていてもよい。
【0044】
次に、
図6は、通話開始時のセッション折衝において端末間でやり取りされる、SDP(Session Description Protocol)オファー及びSDPアンサーの一例を示す。
【0045】
ここでは、通話を行う双方のUEがコーデックBをサポートしており、かつ、通話開始時に共にPS網に接続していると仮定する。
【0046】
図6に示すように、コーデックBをサポートするUEは、コーデックAをサポートしていない場合においても、コーデックA及びコーデックBをSDPオファーに記述する。これは、相手端末が、コーデックAをサポートしているがコーデックBをサポートしていなかった場合、コーデック折衝においてコーデックAを選択し、コーデックBのコーデックA互換モードをコーデックAのRTPペイロードフォーマットを用いて使用する事を可能にするためである。
図6では、SDPオファーを受け取ったUEは、コーデックBを選択し、選択したコーデックBをSDPアンサーに記述する。
【0047】
なお、このSDPオファー及びSDPアンサーの中に、コーデックBを選択した場合に優先されるモード(コーデックA非互換モード又はコーデックA互換モード、ビットレート、帯域幅等)が記述されていてもよい。優先されるモードは、通信サービスを行うオペレータによって予め決められ、ソフトウェアの形式等でUEに組み込まれていてもよい。本実施の形態では、コーデックBが選択された場合、コーデックA非互換モードを優先モードとして使用すると仮定する。
【0048】
次に、本実施の形態に係る移動通信ネットワーク(
図1)について説明する。
【0049】
まず、
図1に示すUE100,102について説明する。
【0050】
図7は、本実施の形態に係るUE100,102(端末)の構成を示すブロック図である。UE100,102は、受信部700、送信部702、コーデック折衝部704、RTPペイロード解析部706、RTPペイロード生成部708及びコーデック通知部710を有して構成される。
【0051】
図7に示すUE100,102において、受信部700は、通信データ(RTPペイロードを含む)及びシグナリング等を受信する。例えば、受信部700は、MSC/MGW110から送信されるRTPペイロード(例えば
図5参照)を受信すると、受信したRTPペイロードをRTPペイロード解析部706に出力する。
【0052】
送信部702は、通信データ(RTPペイロードを含む)及びシグナリング等を送信する。
【0053】
コーデック折衝部704は、端末(UE100,UE102)間の通信に使用するコーデックを折衝する。具体的には、コーデック折衝部704は、SDPオファー又はSDPアンサーを作成し(例えば
図6参照)、コーデック折衝を行う。この際、コーデック折衝部704は、SDPオファーを作成する際、前述の通り、端末がコーデックBをサポートするがコーデックAをサポートしていない場合においても、
図6のようにコーデックAをSDPオファーに含める。またコーデック折衝部704は、折衝においてコーデックBが選択された場合、前述のようにSDPオファー及びアンサーの中に記述された情報、又はあらかじめソフトウェア等に組み込まれた情報に従い、優先されるモード(コーデックA非互換モード又はコーデックA互換モード、ビットレート、帯域幅等)を選択し、RTPペイロード生成部708に出力する。
【0054】
RTPペイロード解析部706は、受信部700から受け取ったRTPペイロードのヘッダ部を解析して、RTPペイロードのデータ部に含まれるデータに関する情報(例えば、コーデックタイプ、ビットレート等)を特定する。RTPペイロード解析部706は、特定した情報及びデータ部に含まれるデータをデコーダ(図示せず)に出力する。また、RTPペイロード解析部706は、受信部700から受け取ったRTPペイロードに「コーデックタイプ・ビットレート切替要求」の指示が含まれる場合には、当該指示をエンコーダ(図示せず)及びRTPペイロード生成部708に出力する。エンコーダは、RTPペイロード解析部706からの情報及び指示に基づいてデータをエンコードする。
【0055】
RTPペイロード生成部708は、エンコーダから受け取ったデータ及びコーデック折衝部704から受け取った当該データに関する情報(例えば、コーデックタイプ、ビットレート等)を含むRTPペイロード(例えば、
図5参照)を生成する。この際、RTPペイロード生成部708は、RTPペイロード解析部706から、「コーデックタイプ・ビットレート切替要求」の指示が入力される場合には、当該指示に基づいてRTPペイロードを生成する。生成されたRTPペイロードは、送信部702を介して送信される。
【0056】
コーデック通知部710は、自機がPS網からCS網へハンドオーバする際、自機がPS網で使用しているコーデックをPS網のネットワークノード(例えばMME等)に通知する。通知されたコーデックは、PS網のネットワークノード(MME)を介して、MSC/MGW110に通知される。
【0057】
次いで、
図1に示すMSC/MGW110について説明する。
図8は、本実施の形態に係るMSC/MGW110(ネットワークノード)の構成を示すブロック図である。MSC/MGW110は、受信部800、送信部802、コーデック検出部804、コーデック折衝部806、RTPペイロード生成部808及びRTPペイロード解析部810を有して構成される。
【0058】
図8に示すMSC/MGW110において、受信部800は、通信データ(RTPペイロードを含む)、シグナリング等を受信する。例えば、受信部800は、UE102から送信されるRTPペイロード(例えば
図5参照)を受信すると、受信したRTPペイロードをRTPペイロード解析部810に出力する。
【0059】
送信部802は、通信データ(RTPペイロードを含む)、シグナリング等を送信する。
【0060】
コーデック検出部804は、PS網からCS網にハンドオーバした端末(
図1ではUE100)がCS網で使用するコーデックを検出する。また、コーデック検出部804は、PS網からCS網にハンドオーバした端末(
図1ではUE100)がPS網で使用していたコーデックを検出する。端末(UE100)がPS網で使用していたコーデックを検出する方法としては、非特許文献5に開示されているように、UE100(コーデック通知部710)がCS網にハンドオーバする際にPS網のネットワークノード(MMEなど)から通知される方法でもよい。または、端末(UE100)がPS網で使用していたコーデックを検出する方法としては、例えば、SCC AS等の他のネットワークノードから取得する方法でもよい。また、端末(UE100)がCS網で使用しているコーデックを検出する方法としては、UE100がCS網にハンドオーバした際に、UE100とCS網内のネットワークノード(RNC及びMSC/MGW110)との間で送受信されるシグナリングにより折衝された情報を利用する方法がある。コーデック検出部804は、コーデックの検出結果をRTPペイロード生成部808に出力する。
【0061】
コーデック折衝部806は、例えば、RTPペイロード生成部808からの指示に従って、UEとの間で使用するコーデックを折衝する。例えば、コーデック折衝部806は、PS網からCS網にハンドオーバした端末(
図1ではUE100)の通信相手である端末(
図1ではUE102)との間で使用するコーデックを折衝(再折衝)する。
【0062】
RTPペイロード生成部808は、コーデック検出部804から入力されるコーデックの検出結果に基づいて、端末(
図1ではUE100)から受け取ったデータを用いて、当該端末の通信相手(
図1ではUE102)向けのデータ(RTPペイロード)を生成する。例えば、RTPペイロード生成部808は、PS網からCS網へハンドオーバした端末がCS網で使用するコーデックがコーデックAであり、当該端末がPS網で使用していたコーデックがコーデックBである場合、当該端末から受け取ったデータ(コーデックAのデータ)のコーデックを、コーデックBのコーデックA互換モードに切り替える。すなわち、MSC/MGW110は、当該端末から受け取ったコーデックAのデータを、コーデックBのRTPペイロードフォーマット(
図5参照)を用いて、コーデックBのコーデックA互換モードとして、送信部802を介して送信する。
【0063】
また、コーデック検出部804から入力されるコーデックの検出結果が上記以外の場合には、RTPペイロード生成部808は、例えば、コーデック折衝部806に対して、受け取ったデータの送信先である通信相手(
図1ではUE102)との間のコーデックの折衝(再折衝)を指示する。そして、RTPペイロード生成部808は、ハンドオーバした端末から受け取った通信データを折衝結果に基づいて必要であればトランスコーディングし、折衝結果に基づくコーデックモードに切り替える。コーデック切替後のデータ(生成されたRTPペイロード)は、送信部802を介して送信される。
【0064】
RTPペイロード解析部810は、端末(UE102)から送信されるRTPペイロードのヘッダ部を解析して、RTPペイロードのデータ部に含まれるデータに関する情報(例えば、コーデックタイプ、ビットレート等)を特定する。RTPペイロード解析部810は、特定した情報をコーデック検出部804に出力する。
【0065】
次いで、
図9を用いて、MSC/MGW110(
図8)におけるコーデック処理の詳細について説明する。なお、ここでは、
図1に示すように、UE100とUE102とが共にPS網に接続されて通話を行っている途中に、UE100がPS網からCS網にハンドオーバした場合について説明する。すなわち、MSC/MGW110は、PS網において通信を行う2つの端末(UE100,102)のうち一方のUE100がCS網にハンドオーバした際に、2つの端末間のデータを転送するネットワークノードである。
【0066】
図9に示すST900において、RTPペイロード生成部808は、コーデック検出部804での検出結果に基づいて、UE100がCS網で使用するコーデックがコーデックAであるか否かを判断する。
【0067】
UE100がCS網で使用するコーデックがコーデックAである場合(ST900:YES)、ST902において、RTPペイロード生成部808は、コーデック検出部804での検出結果に基づいて、UE100がPS網で(ハンドオーバ前に)使用していたコーデックがコーデックBであるか否かを判断する。
【0068】
UE100がPS網で使用していたコーデックがコーデックBである場合(ST902:YES)、ST904において、RTPペイロード生成部808は、UE100から送信されたデータ(コーデックA)のコーデックを、コーデックBのコーデックA互換モードに切り替える。つまり、RTPペイロード生成部808は、UE100から送信されたコーデックAのデータを、コーデックBのRTPペイロードフォーマットを用いてコーデックBのコーデックA互換モードとして、送信部802を介してUE102へ送信する。
【0069】
これにより、コーデックBを使用するUE102は、MSC/MGW110からUE102へ送信されるデータを、コーデックBのデータ(コーデックBのコーデックA互換モード)として扱うことが可能となる。
【0070】
一方、UE100がCS網で使用するコーデックがコーデックAではない場合(ST900:NO)、又は、UE100がPS網で使用していたコーデックがコーデックBではない場合(ST902:NO)、ST906において、コーデック折衝部806は、UE102との間でセッション再折衝を行って、コーデックを決定する。そして、RTPペイロード生成部808は、決定されたコーデックのRTPペイロードを生成する。
【0071】
または、ST906において、MSC/MGW110は、UE100から送信されたデータに対してトランスコーディングを行い、トランスコーディング後のデータ(UE102向けのデータ)をUE102に送信してもよい。
【0072】
このようにして、MSC/MGW110は、一方のUEのコーデックの変更が検出された場合、当該UEの変更後のコーデックと、当該UEの変更前のコーデックとに基づいて、他方のUE向けデータのコーデックを切り替えることが可能であるか否かを判断する。
【0073】
次に、本実施の形態におけるUE100,102(
図7)、及び、MSC/MGW110(
図8)の動作の一例について説明する。
【0074】
以下の説明では、
図1及び
図2において、UE100及びUE102の双方ともにPS網に接続され、通話を開始する。ここでは、UE100からUE102へ発呼を行うと仮定する。
【0075】
通話開始の際、UE100とUE102との間で使用するコーデックの折衝が行われる。例えば、UE100(コーデック折衝部704)は、SDPオファー(例えば
図6参照)を生成し、UE102に送信する。これに対して、UE102(コーデック折衝部704)は、SDPアンサー(例えば、
図6参照。
図6ではコーデックBを選択)を生成し、UE100に送信する。この通話開始に伴う一例の動作が完了すると、UE100,102は、コーデックBのコーデックA非互換モード(コーデックBを選択した場合に優先されるモード)を用いて通話を行う(
図2:Speech Session over PS)。
【0076】
次いで、
図1に示すように、UE100がPS網からCS網へハンドオーバする(
図2に示すST200及びST204)。ここでは、UE100がCS網で使用するコーデックをコーデックAとする。
【0077】
UE100のハンドオーバ処理と同時に、MSC/MGW110(コーデック検出部804)は、UE100がCS網にハンドオーバした際に使用するコーデックを検出する。また、MSC/MGW110(コーデック検出部804)は、UE100がPS網で使用していたコーデックを検出する。上述したように、MSC/MGW110は、UE100がCS網で使用するコーデックがコーデックAであり、UE100がPS網で使用していたコーデックがコーデックBであることを検出する(つまり、
図9に示すST900:YESかつST902:YES)。
【0078】
この場合、MSC/MGW110(RTPペイロード生成部808)は、UE100から送信されたデータ(コーデックA)のコーデックを、コーデックBのコーデックA互換モードに切り替えることにより、UE102向けのRTPペイロードを生成する。つまり、MSC/MGW110は、UE100から送信されたコーデックAのデータを、コーデックBのRTPペイロードフォーマットを用いて、コーデックBのコーデックA互換モードとしてUE102へ送信する。
【0079】
また、この際、MSC/MGW110は、RTPペイロード生成部808においてUE100から送信されるデータのコーデックが切り替えられた場合、コーデックA非互換モードからコーデックA互換モードへの切替要求を、UE100の通信相手であるUE102へ送信してもよい。例えば、MSC/MGW110(RTPペイロード生成部808)は、コーデックBのRTPペイロードフォーマット(例えば
図5参照)において、コーデックA非互換モードからコーデックA互換モードへの切替指示をヘッダ部(「コーデックタイプ・ビットレート切替要求」フィールド)に含めてもよい。
【0080】
一方、UE102(RTPペイロード解析部706)は、MSC/MGW110から受け取るデータに含まれる情報(RTPペイロードのヘッダ部の情報)から、RTPペイロードのデータ部に含まれるデータがコーデックA(コーデックA互換モードとして扱うことができるコーデック)であることを判断し、当該情報及びデータをデコーダに渡す。これにより、UE102のデコーダは、受け取ったデータのコーデックがコーデックA(コーデックBのコーデックA互換モード)であると認識して、当該データをデコードする。
【0081】
また、UE102(例えば、RTPペイロード解析部706)は、受信したRTPペイロードに、コーデックA非互換モードからコーデックA互換モードへの切替要求が含まれている場合、当該切替要求をエンコーダ(図示せず)及びRTPペイロード生成部708に出力する。これにより、UE102は、自機から送信するデータに対してもコーデックBのコーデックA互換モードを用いることを決定する。すなわち、UE102(RTPペイロード生成部708)は、エンコーダより受け取ったコーデックA互換モードのデータを、コーデックBのペイロードフォーマットに格納して、MSC/MGW110へ送信する。
【0082】
このように、本実施の形態では、MSC/MGW110において、コーデック検出部804は、UE100がPS網で使用していたコーデック、及び、UE100がCS網で使用するコーデックを検出し、RTPペイロード生成部808は、UE100がPS網で使用していたコーデックが、UE100がCS網で使用するコーデックとの間の互換モードを有するコーデックである場合、UE100から送信されるデータのコーデックを、UE100がPS網で使用していたコーデックの互換モードに切り替えることにより、UE102向けのデータを生成する。すなわち、MSC/MGW110は、UE100がPS網で使用していたコーデックが、UE100がCS網で使用するコーデックとの間の互換モードを有するコーデックである場合、UE100から送信されるコーデックAのデータを、コーデックBのRTPペイロードフォーマットを用いてコーデックA互換モードで送信する。これにより、コーデックBを使用するUE102は、自機のコーデックを変更することなく、UE100からのデータを受け取ることができる。
【0083】
つまり、MSC/MGW110においてUE100からのハンドオーバ後のコーデックのデータをハンドオーバ前のコーデックの一部(ハンドオーバ前のコーデックのモードの一つ)に切り替えることで、UE100及びUE102との間では、コーデックを変更するためのシグナリングが不要となるので、通話が途切れる時間が長くなることを防ぐことができる。また、MSC/MGW110において、UE100とUE102との間のコーデックのデータの変更を行わず、コーデックのモードだけを切り替えることで、トランスコーディングのように通話品質の劣化が生じることを防ぐことができる。よって、本実施の形態によれば、通信中の端末の一方が使用していたコーデックが変更される場合でも、通話品質の劣化を生じさせることなく、かつ、通話が途切れる時間を抑えて通信を継続することができる。
【0084】
また、本実施の形態では、MSC/MGW110は、一方の端末(UE100)から送信されるデータのコーデックが切り替えられた場合、他方の端末(UE102)が送信するデータに対する互換モードへの切替要求を、当該他方の端末(UE102)へ送信する。そして、UE102は、MSC/MGW110からのコーデックA互換モードへの切替要求に従ってコーデックA互換モードのデータを送信する。これにより、MSC/MGW110及びUE100は、UE102から送信されるデータ(コーデックBのコーデックA互換モード)をコーデックAのデータとして扱うことができる。
【0085】
なお、UE102に対する、コーデックA非互換モードからコーデックA互換モードへの切替要求の通知は、必ずしもMSC/MGW110からUE102へのRTPペイロードに含まれる必要はない。例えば、当該切替要求は、
図2に示すST202において、MSC/MGW110から送信されるINVITE with SDP−MGWのSDPの中に、
図10に示すSDPオファーとしてUE102に通知されてもよい。また、非特許文献6に記載のRTCP−APPを用いてMSC/MGW110からUE102に上記切替要求を通知してもよい。
【0086】
また、UE102がコーデックAのデータをコーデックBのRTPペイロードフォーマットで受け取った場合、UE102は、当該データの受信後、UE102からのデータ(送信データ)もコーデックA互換モードでエンコードすべきと判断してもよい。この場合、上記切替要求は不要となる。
【0087】
(実施の形態2)
図3及び
図4用いて、本実施形態について説明する。なお、以下の説明では、実施の形態1と同様、UE100及びUE102は最初PS網でコーデックBを用いて通話を行っており、UE100のみがPS網からCS網にハンドオーバしたとする。また、UE100がCS網で使用するコーデックをコーデックAとする。
【0088】
図3及び
図4に示すATCF/ATGW320は、単なるデータのアンカーポイントである。よって、
図3及び
図4に示すATCF/ATGW320がUE100からUE102へのデータ又はUE102からUE100へのデータをフォワードしている場合において、MSC/MGW110(
図8)及びUE100、UE102(
図7)の機能は、実施の形態1(
図5〜
図9)と同一である。ただし、MSC/MGW110において、UE102へのコーデック切替要求(コーデックA非互換モードからコーデックA互換モードへの切替要求)の通知の際、
図2に示すST202のINVITE with SDPを使うことができない点のみが実施の形態1と異なる。
【0089】
また、ATCF/ATGW320が、UE100が
図3に示すPath Bで使用するコーデック、及び、UE102が
図3に示すPath Aで使用するコーデックの情報を保有、若しくは、他のノードから当該情報を得る手段を具備していたとする。
【0090】
この場合、MSC/MGW110のコーデック検出部804が、UE100がPS網(
図3に示すPath B)で使用していたコーデックの情報を予め保有していなかった場合でも、ATCF/ATGW320は、UE100がPS網で使用していたコーデックの情報を、
図4に示すST302のINVITE with SDP−MGWの返信メッセージとして、MSC/MGW110に通知することができる。
【0091】
これにより、MSC/MGW110(RTPペイロード生成部808)は、UE100(ハンドオーバした端末)がPS網で使用するコーデックを即座に特定することができる。すなわち、MSC/MGW110は、UE100(ハンドオーバした端末)がPS網で使用するコーデックに基づいて、UE100から送信されるデータを、コーデックBのRTPペイロードフォーマットを用いて、コーデックA互換モードとして、UE102に即座に送信することができる。同様に、MSC/MGW110は、UE102への切替要求を、UE102に即座に送信することができる。
【0092】
よって、本実施の形態によれば、eSRVCC方式の場合でも、実施の形態1と同様、通信中の端末の一方が使用していたコーデックが変更される場合でも、通話品質の劣化を生じさせることなく、かつ、通話が途切れる時間を抑えて通信を継続することができる。
【0093】
(実施の形態3)
本実施の形態では、PS網からCS網にハンドオーバした端末(
図1ではUE100)がPS網に再び戻ってきた場合について説明する。
【0094】
図11は、本実施の形態に係るUE100,102(端末)の構成を示すブロック図である。なお、
図11において、実施の形態1(
図7)と同一の構成部には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0095】
図11に示すUE100,102において、端末位置特定部1100は、自機が接続している網(PS網又はCS網)、つまり、自機の位置を特定する。これにより、自機のハンドオーバが検出可能となる。端末位置特定部1100は、自機の位置を、接続先(例えば、e−nodeB又はnodeB)の基地局IDから判断してもよく、PSコア網でのコネクション確立によって判断してもよい。
【0096】
例えば、PS網からCS網にハンドオーバしたUE100がPS網に再び戻ってきたとする。また、UE100は、CS網でコーデックAを使用しているとする。このとき、端末位置特定部1100は、自機がPS網に接続したことを特定する。
【0097】
端末位置特定部1100でPS網に接続したことを特定したUE100は、UE100のコーデックを、コーデックAからコーデックB(コーデックA非互換モード)に切り替える。そして、UE100のRTPペイロード生成部708は、コーデックBのペイロードフォーマットを用いてRTPペイロードを生成する。このRTPペイロードは、送信部702を介してUE102に送信される。
【0098】
一方、UE102のRTPペイロード解析部706は、UE100から受け取ったデータのコーデックがコーデックA互換モードからコーデックA非互換モードに切り替わったことを検知する。そして、RTPペイロード解析部706は、UE100のコーデックが切り替わったことを示す情報及びデータをデコーダに渡す。これにより、UE102のデコーダは、UE100から受け取るデータを、コーデックBのコーデックA非互換モードでデコードする。
【0099】
また、UE102のRTPペイロード解析部706は、受信したRTPペイロードにコーデックA互換モードからコーデックA非互換モードへの切替要求が含まれている場合、この切替要求をエンコーダ及びRTPペイロード生成部708に渡す。これにより、UE102は、自機から送信するデータに対してもコーデックBのコーデックA非互換モードを用いることを決定する。すなわち、UE102のRTPペイロード生成部708は、エンコーダより渡されたコーデックA非互換モードのデータを、コーデックBのペイロードフォーマットに格納し、UE100へ送信する。
【0100】
なお、UE102に対する、コーデックA互換モードからコーデックA非互換モードへの切替要求の通知は、必ずしもUE100からUE102へのRTPペイロードに含まれる必要はない。例えば、非特許文献8に記載のIMSメッセージに当該切替要求を含めてもよい。また、非特許文献6に記載のRTCP−APPを用いてMSC/MGW110からUE102に当該切替要求を通知してもよい。
【0101】
また、UE102がコーデックA非互換モードのデータをコーデックBのRTPペイロードフォーマットで受け取った場合、UE102は、当該データの受信後、UE102にからのデータ(送信データ)もコーデックA非互換モードでエンコードすべきと判断してもよい。この場合、上記切替要求は不要となる。
【0102】
こうすることで、PS網からCS網にハンドオーバした端末がPS網に再び戻ってきた場合でも、当該端末が自機の現在位置に基づいてコーデックを変更することで、通話品質の劣化を生じさせることなく、かつ、通話が途切れる時間を抑えて通信を継続することができる。
【0103】
以上、本発明の各実施の形態について説明した。
【0104】
なお、上記各実施の形態では、ATCF/ATGW320、MSC/MGW110、SCC AS/CSCFをそれぞれ一つのノードとして説明した。しかし、ATCF/ATGW320、MSC/MGW110、SCC AS/CSCFは、互いにインタフェースによって接続される2つ以上の別々のノードで構成されてもよい。すなわち、ATCFとATGWとの間、MSCとMGWとの間、及び、SCC ASとCSCFとの間のそれぞれにおいて、上述した機能を複数のノードに分散させてもよい。
【0105】
また、上記各実施の形態では、主に音声に関するコーデックを用いて説明した。しかし、これに限らず、音楽、音響、画像等に関しても、本発明は適用可能である。
【0106】
また、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。
【0107】
また、上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0108】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0109】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)または、LSI内部の回路セルの接続若しくは設定を再構成可能なリコンフィギュラブル/プロセッサを利用してもよい。
【0110】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0111】
2011年11月30日出願の特願2011−261617の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。