(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
従って、本発明は、NK1レセプターのアンタゴニストを必要とする病理の治療用の、下記式(I)のスピロ−アミノ化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0019】
式中、
Aは、1〜3個の窒素原子を含んでいる、5または6員の芳香族環および5または6員の芳香族複素環から選択され:
Xは、(C
1〜C
3)アルキルおよびハロゲンからなる群より選択される置換基であり、
Yは、ハロゲンおよびトリフルオロメチルからなる群より選択される置換基である。
【0020】
好ましくは、Aは、ピリミジニル基、ピリジニル基およびトリアゾリル基からなる群より選択され、さらに好ましくはピリミジニル基である。
【0021】
好ましくは、Xは、塩素基、フッ素基またはメチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
【0022】
好ましくは、Yは、塩素基またはトリフルオロメチル基、さらに好ましくは塩素基である。
【0023】
本発明では、式(I)の化合物は、Sエナンチオマーである。
【0024】
本発明の使用での好ましい化合物は、以下の群より選択される。:
(S)−(5−クロロ−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル)(5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)メタノン(化合物1);
(S)−(5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)(5−メチル−2−(ピリジン−2−イル)フェニル)メタノン(化合物2);
(S)−(5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)(5−フルオロ−2−(ピリジン−2−イル)フェニル)メタノン(化合物3);
(S)−(5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)(5−フルオロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル)メタノン(化合物4);
(S)−(5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル)(5−(((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)メタノン(化合物5);
(S)(5−((5−クロロピリジン−2−イルアミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)(5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル)メタノン(化合物6);
(S)−(5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル)(5−(((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)メタノン(化合物7);
(S)−(5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)(5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル)メタノン(化合物8);および
(S)−(5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)(5−フルオロ−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル)メタノン(化合物9)。
【0025】
本発明のさらなる態様は、式(II)の新規な化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0027】
別の態様では、本発明は、式(II)の化合物および薬学的に許容される担体を含んでいる、薬学的組成物に関する。
【0028】
さらなる態様では、本発明は、医薬としての式(II)の化合物に関し、詳細には、本発明は、NK1レセプターのアンタゴニストを必要とする病理の治療における使用のための、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0029】
式(II)の化合物をそれ自体で、またはそれらの薬学的に許容される塩を、医薬中で、具体的には、NK1レセプターのアンタゴニストとして用いてもよい。これを、薬学的に許容される担体および必要に応じて、適切な賦形剤と組み合わせて用いて、薬学的組成物を得てもよい。「薬学的に許容される担体」という用語は、本発明の化合物の投与に用いられる溶媒、担体剤、希釈剤などを意味する。このような薬学的組成物は、非経口的投与、経口投与、口腔内投与、舌下投与、経鼻投与、直腸投与、局所投与または経皮投与によって投与され得る。経口投与に適切な式(II)の化合物を含む本発明の組成物は、好都合な別個の単位、例えば、錠剤、カプセル、カシェ(cachet)、粉末もしくはペレット、または液体懸濁物としてである。この錠剤はまた、アルファ化デンプン、微結晶性セルロース、グリコール酸デンプンナトリウム、滑石、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、スクロース、ステアリン酸、マンニトールのような、薬学の分野で慣用的に用いられる適切な賦形剤を含んでもよい。非経口投与のための組成物は好都合には、滅菌調製物を含む。
【0030】
式(II)の化合物を含む局所投与のための組成物は、クリーム、ペースト、オイル、軟膏、エマルジョン、フォーム、ゲル、ドロップ、スプレー溶液、および経皮パッチとして好都合に処方され得る。
【0031】
式(I)または式(II)の化合物は、NK1レセプターのアンタゴニストの使用を必要とする病理の治療に用いられ得る。
【0032】
式(I)もしくは式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩は、以下の障害の治療に用いられ得る:
抑うつおよび気分障害;神経性拒食症(Anorexia Nervosa)、神経性過食症(Bulimia Nervosa)などの摂食障害;気晴らし喰い障害(Binge Eating Disorder);性欲障害を含む性機能障害;喘息、インフルエンザ、慢性気管支炎、および関節リウマチなどの炎症性障害;蕁麻疹などの皮膚のアレルギー障害および鼻炎などの気道のアレルギー障害を含むアレルギー疾患;嘔吐(emesis)、すなわち、悪心、嘔気および嘔吐(vomiting)(例えば、嘔吐は、癌の化学療法剤のような薬物によって誘導され得る);過敏性腸症候群、胃食道逆流炎(GERD)などの胃腸障害;乾癬、掻痒および日焼けなどの皮膚障害;疼痛(「疼痛」という用語は、以下を包含する:慢性炎症性疼痛;筋骨格系疼痛;腰部および首の疼痛;神経障害性疼痛;交感神経依存性疼痛;筋炎;癌および線維筋痛と関連した疼痛;片頭痛と関連した疼痛;群発性疼痛および慢性日常性頭痛と関連した疼痛;インフルエンザまたは他のウイルス性感染症(例えば、風邪)と関連した疼痛;リウマチ熱;非潰瘍性消化不良のような機能性腸障害、非心臓性胸痛および過敏性腸症候群と関連した疼痛;心筋虚血と関連した疼痛;術後痛;頭痛;歯痛;月経困難症;神経痛;線維筋痛症候群;複合性局所疼痛症候群(I型およびII型のCRPS);神経障害疼痛症候群(例としては、糖尿病性ニューロパシー;化学療法誘導性神経障害痛;坐骨神経痛;非特異的腰痛;多発性硬化症疼痛;HIV関連ニューロパシー;ヘルペス後神経痛;三叉神経痛);ならびに身体外傷、切断術、癌、毒素または慢性炎症性状態から生じる疼痛。
【0033】
従って、NK1レセプターのアンタゴニストを求める状態の治療において、式(I)もしくは式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する本発明は、有益である。
【0034】
本発明は、本発明の使用における化合物の調製、およびNK1レセプターに対するそれらの活性の評価に関連する以下の詳細な説明および実施例によって、ここで詳述される。
【0035】
以下の手順では、出発材料の後、記載の参照が特異的に供される。この出発材料は、必ずしも言及される説明から調製されるものではない場合もある。実施例の立体化学は、絶対配置の中心が保持されるという仮定の上で特定されたものである。
【0036】
以下の実施例で用いられる試薬は、種々の供給業者(例えば、Sigma−Aldrich、AcrosまたはApollo scientific)から市販されており、さらに精製することなく用いた。溶媒は、乾燥型で用いた。無水環境での反応は、陽圧の乾燥N
2下で行った。
【0037】
マイクロ波反応は、Biotage社Initiator2.5装置で行った。
【0038】
プロトン核磁気共鳴(
1H NMR)スペクトルは、Bruker Avance 400MHz装置で記録した。化学シフトは、内部標準として残留溶媒線を用いてppm(δ)で報告する。分かれたパターンは以下のとおり指定する:s,一重項;d,二重項;t,三重項;q,四重項;m,多重項;b,ブロードシグナル。2つ以上の配座異性体が検出された場合、最も豊富な配座異性体の化学シフトが通常は報告される。
【0039】
質量スペクトル(MS)は、正のES(+)および負のES(−)イオン化モードで作動する、イオントラップサーモ(Ion Trap Thermo)LCQクラシック分光計で行った。
【0040】
HPLCスペクトルは、Waters社Alliance2965装置およびUV−Vis検出器Waters2996を用いて行った。クロマトグラフィー法(Phenomenex Luna C18、150
*4.6、5μを用いる)は以下の通りとした:30℃で35分の溶出、異なるアセトニトリル/メタノール/KH
2PO
4(20mM pH2.5)混合物から構成される移動相、0.6ml/分の流速。
【0041】
キラル純度決定のためのHPLCスペクトルは、Agilent1200装置およびUV検出器DADG1315Dを用いて行った。クロマトグラフィー方法(Phenomenex LUX 5u セルロース−1、250
*4.6mmを用いる)は以下の通りとした:30℃で30分の溶出、移動相は90%のn−ヘキサン10%エタノール+0.1%のDEA、0.5ml/分の流速。
【0042】
UPLCスペクトルは、Acquity UPLC−BEH C18カラム(1.7μΜ,50×2.1mm)を用いるWaters社Acquity UPLC−SQD装置で行った。
【0043】
フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーは、シリカゲル230−400メッシュ(Merck社(ドイツ・ダルムシュタット市)が供給)で行い;多数の調製物では、Biotage自動フラッシュクロマトグラフィーシステム(Sp1およびIsoleraシステム)を、Biotageシリカカートリッジを用いて行った。
【0044】
薄層クロマトグラフィーは、Merck社TLCプレートKieselgel60F−254を用いて行い、UV光、過マンガン酸塩水溶液、ヨード蒸気で可視化した。
【0045】
本明細書中で用いられる略号:
DCM ジクロロメタン
DMSO−d6 ジメチルスルホキシド
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
EDC・HCl 1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミドハイドロクロライド
HOBT ヒドロキシベンゾトリアゾール
MeOH メタノール
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
T3P プロピルホスホン酸無水物
AcOH 酢酸
ETP 石油エーテル
AcOEt 酢酸エチル
【0046】
説明1:中間体1の調製物
(S)−N−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−5−イルメチル)−5−クロロピリジン−2−アミン
【0048】
(S)−tert−ブチル5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−カルボキシレート(1当量)を、ジクロロメタン(10ml/mmol)に溶解して、0℃まで冷却し、次いでトリフルオロ酢酸(2ml/mmol)を添加した。0℃で1時間、および室温で2時間置いた後、その溶液をエバポレートし、ジクロロメタン中に再溶解したその残渣を、飽和NaHCO
3水溶液で洗浄した。その有機層を乾燥して(Na
2SO
4)減圧下で濃縮した。その粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl
3/MeOH=8/2)によって精製して、表題の化合物を淡黄色の油状物として98%の収率で得た。
【0049】
1HNMR(CDCl3)δppm7.94(d,1H)7.32(m,1H)6.48(d,1H)6.22(m,1H)3.74(m,1H)3.37−3.50(m,3H)2.95(m,1H)2.25(m,1H)2.08−2.66(m,1H)1.23(m,1H)1.07(m,1H)0.41−0.55(m,4H)。
MS ESI+m/z254[M+1]+
【0050】
説明2:中間体2の調製
(S)−N−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−5−イルメチル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
【0052】
(S)−tert−ブチル5−(((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−カルボキシレート(1当量)をジクロロメタン(10ml/mmol)に溶解して、0℃まで冷却し、次いでトリフルオロ酢酸(2ml/mmol)を添加した。0℃で1時間、および室温で2時間置いた後、その溶液をエバポレートして、その残渣をジクロロメタン中に再溶解して、飽和NaHCO
3水溶液で洗浄した。その有機層を乾燥して(Na
2SO
4)、減圧下で濃縮した。その粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl
3/MeOH=8/2)によって精製して、表題の化合物を淡黄色の油状物として、90%の収率で得た。
ESI+m/z287[M+1]+。
【0053】
説明3:中間体3の調製
(S)−(2−ブロモ−5−クロロフェニル)(5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)メタノン
【0055】
ジクロロメタン(4ml)中に溶解された中間体1(100mg;1当量);HOBT(60mg;1.1当量)、EDCl.(85mg;1.1当量)、TEA(0.11ml;2当量)および5−クロロ−2−ブロモ−安息香酸(104mg;1.1当量)を25℃で撹拌した。18時間後、その混合物をHCl水溶液中に注いで、ジクロロメタンで抽出した。有機物を、NaHCO
3の飽和溶液および水で洗浄し、乾燥して、エバポレートして、155mgの表題の化合物をベージュ色の固体として得た。
ESI+m/z468−475。
【0056】
説明4:中間体4の調製物
(S)−(5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)(5−フルオロ−2−ヨードフェニル)メタノン
【0058】
(S)−tert−ブチル5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−カルボキシレート(1当量)を、無水(乾燥)ジクロロメタン(10ml/mmol)中に0℃でTEA(3当量)と共に溶解し、乾燥ジクロロメタンに溶解した、相当する2−ヨード塩化ベンゾイルを添加した。2時間置いた後、その混合物をNaHCO
3水溶液に注いで、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を合わせて、乾燥し(Na
2SO
4)、減圧下で濃縮して;粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt 9/1)によって精製して、表題の化合物を98%の収率で得た。
【0059】
1HNMR(CDCl3)δppm8.04−8.06(m,1H)、7.69−7.85(m,1H)、7.32−7.41(m,1H)、6.70−7.01(m,2H)、6.23−6.47(m,1H)、5.19(m,1H)、4.41−4.93(m,1H)、3.79−4.12(m,1H)、3.03−3.65(m,3H)、2.23−2.38(m,1H)、1.85−1.92(m,1H)、1.07−1.28(m,1H)、0.80−1.02(m,1H)、0.34−0.61(m,4H)
ESI+m/z500[M+1]+。
【実施例1】
【0060】
化合物1の調製
(S)−(5−クロロ−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル)(5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)メタノン
【0061】
【化9】
【0062】
中間体3(75mg;1当量)を乾燥(無水)DMF(2ml)に溶解し、次いでCsF(49mg;2当量)、Cul(6mg;0.2当量)、[Ph
3P]
4Pd(19mg;0.1当量)および2−ピリミジルトリブチルスタンナン(90mg;1.5当量;Eur.J.Org.Chem.2003,1711−1721によって調製)を添加した。その混合物を、130℃で、25分間(マイクロ波)で温め、次いでNH
4Cl飽和水溶液に注ぎ、DCMで抽出した。その有機層を合わせて、水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、減圧下で濃縮し;粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/AcOEt 9/1〜AcOEt)によって、次いでSCXカートリッジ(5g)によって精製して13mgの表題の化合物を得た。
【0063】
MS(ESI)m/z 468−470;
1HNMR(CDCl
3)δppm8.80−8.94(m,1H)、8.66(d,1H)、8.22−8.43(m,1H)、7.86−8.07(m,1H)、7.12−7.52(m,4H)、6.22−6.74(m,1H)、4.98−5.22(m,1H)、4.32−4.81(m,1H)、3.08−3.97(m,4H)、1.90−2.40(m,2H)、0.65−1.65(m,2H)、0.15−0.65(m,4H)
【実施例2】
【0064】
化合物2の調製
(S)−(5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)(5−メチル−2−(ピリジン−2−イル)フェニル)メタノン
【0065】
【化10】
【0066】
ジクロロメタン(5ml/mmol)中に溶解した5−メチル−2−(ピリジン−2−イル)安息香酸(1当量;WO2008147518に従って調製)、HOBT(1当量)およびEDCl・HCl(1.5当量)を25℃で0.5〜2時間撹拌し、次いでジクロロメタン中に溶解された中間体1(1当量)を添加した。18時間後、その混合物をNaHCO
3の飽和水溶液中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。その粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM〜DCM/MeOH=9/1)によって精製して、表題の化合物を、76%の収率で得た。
【0067】
1HNMR(CDCl3)δppm8.65−8.70(m,1H)、8.03−8.40(m,1H)、6.99−7.82(m,6H)、6.50.6.75(m,1H)、6.02−6.23(m,1H)、5.05(m,1H)、4.2−4.75(m,1H)、3.50−3.85(m,2H)、2.85−3.20(m,1H)、1.50−2.10(m,2H)1.50−2.35(m,2H)、0.76−1.15(m,2H)、0.05−0.65(m,4H)
MS=ESI+m/z 447[M+H]+。
【実施例3】
【0068】
化合物3の調製
(S)−(5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)(5−フルオロ−2−(ピリジン−2−イル)フェニル)メタノン
【0069】
【化11】
【0070】
ジクロロメタン(5ml/mmol)に溶解された5−フルオロ−2−(ピリジン−2−イル)安息香酸(1当量;WO2008147518によって調製)、HOBT(1当量)およびEDCl・HCl(1.5当量)を、25℃で0.5〜2時間撹拌し、次いでジクロロメタン中に溶解された中間体1(1当量)を添加した。18時間後、その混合物をNaHCO
3の飽和水溶液に注いで、ジクロロメタンで抽出した。その粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM〜DCM/MeOH=9/1)によって精製して、表題の化合物を54%の収率で得た。
【0071】
1HNMR(CDCl3)δppm8.70(m,1H)、8.03−8.41(m,1H)、7.66−7.93(m,3H)、7.05−7.40(m,3H)、6.46−6.83(m,1H)、6.01−6.21(m,1H)、5.05(m,1H)、4.20−4.70(m,2H)、3.48−3.81(m,2H)、2.90−3.30(m,2H)1.50−2.35(m,2H)、0.76−1.20(m,2H)、0.05−0.60(m,4H)
MS=ESI+m/z 451[M+H]+
【実施例4】
【0072】
化合物4の調製
(S)−(5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)(5−フルオロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル)メタノン
【0073】
【化12】
【0074】
ジクロロメタン(5ml/mmol)に溶解された、5−フルオロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(1当量;WO2008147518によって調製)、HOBT(1当量)およびEDCl・HCl(1.5当量)を、25℃で0.5〜2時間攪拌し、次いで、ジクロロメタンに溶解された中間体1(1当量)を添加した。18時間置いた後、その混合物を、NaHCO
3の飽和水溶液中に注いで、ジクロロメタンで抽出した。その粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM〜DCM/MeOH=9/1)によって精製して、表題の化合物を56%の収率で得た。
【0075】
1HNMR(CDCl3)δppm8.05−8.07(m,1H)、7.70−7.93(m,3H)、7.39−7.41(m,1H)、7.08−7.25(m,2H)、6.53(m,1H)、5.10(m,1H)、3.75−3.89(m,2H)、3.08−3.40(m,2H)、1.90−2.28(m,2H)、1.05−1.45(m,2H)0.15−0.65(m,4H)。
MS=ESI+m/z 441[M+H]+。
【実施例5】
【0076】
化合物5の調製
(S)−(5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル)(5−(((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)メタノン
【0077】
【化13】
【0078】
ジクロロメタン(5ml/mmol)に溶解された5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(1当量;WO2008147518によって調製)、HOBT(1当量)およびEDCl・HCl(1.5当量)を、25℃で0.5〜2時間撹拌し、次いでジクロロメタンに溶解された中間体2(1当量)を添加した。18時間置いた後、その混合物をNaHCO
3の飽和水溶液中に注いで、ジクロロメタンで抽出した。その粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM〜DCM/MeOH=9/1)によって精製して、表題の化合物を、52%の収率で得た。
【0079】
1HNMR(CDCl3)δppm8.22−8.38(m,1H)、7.94−8.14(m,1H)、7.79−7.86(m,1H)、7.69(m,1H)、7.50−7.62(m,1H)、7.28−7.37(m,1H)、7.0−7.24(m,1H)、6.48−6.66(m,1H)、5.20(m,1H)、4.34−4.84(m,1H)、3.89−4.0(m,1H)、3.65−3.75(m,1H)、3.21−3.44(m,2H)、3.01−3.11(m,1H)、2.26−2.46(m,3H)、1.89−2.17(m,1H)、1.02−1.28(m,1H)、0.19−0.63(m,4H)。
MS=ESI+m/z 439[M+H]+。
【実施例6】
【0080】
化合物6の調製
(S)(5−((5−クロロピリジン−2−イルアミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)(5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル)メタノン
【0081】
【化14】
【0082】
無水ジクロロメタン(2ml)中の、ヒドロキシベンゾトリアゾール(12.9mg、0.095mmol)およびO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートHCl(23mg,0.12mmol)の溶液に、5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(19.4mg、0.095mmole)を添加して、得られた溶液を、室温で1時間撹拌した。(±)N−(6アザスピロ[2.5]オクタン−5−イルメチル)−5−クロロピリジン−2−アミン(中間体1、20mg、0.08mmol)を添加して、得られた混合物を、同じ温度で一晩撹拌した。その混合物をNaHCO
3飽和溶液(3×5ml)で洗浄した。Na
2SO
4での乾燥および濾過の後、その有機相を減圧下でエバポレートして、その残渣を、DCM:MeOH混合物(ジクロロメタンからDCM:MeOH 98:2)によるSPE−Siカートリッジ(2g)溶出によって精製して、29mgの表題の化合物を得た。
【0083】
MS(ESI);m/z 436[MH]
+
1HNMR(CDCl
3)δppm8.08−8.07(d,1H)7.95−7.92(m,1H)7.85−7.79(m,2H)7.7(s,2H)7.35−7.33(d,1H)6.40−6.38(d,1H)5.61−5.60(d,1H)5.21−5.14(m,1H)3.90−3.84(m,1H)3.66−3.59(m,1H)3.41−3.32(m,1H)3.11−3.01(m,1H)2.45(s,3H)2.29−2.21(dd,1H)1.99−1.85(m,1H)1.19−1.16(d,1H)0.75−0.68(d,1H)0.58−0.27(m,4H)
【実施例7】
【0084】
化合物7の調製
(S)−(5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル)(5−(((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)メタノン
【0085】
【化15】
【0086】
5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)安息香酸(1当量;WO2008147518によって調製)、中間体2(1当量)およびDIPEA(2当量)を、0℃でジクロロメタン(5ml/mmol)に溶解し、次いでT3P(ジクロロメタン中で50%、1.2当量)を添加した。その混合物を、3〜5時間還流下で、次いで室温で一晩撹拌する。その反応物を1MのNaOHおよび水で洗浄し、乾燥して(Na
2SO
4)、エバポレートした。その粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM〜DCM/MeOH=9/1)によって精製して、表題の化合物を、44%の収率で得た。
【実施例8】
【0087】
化合物8の調製
(S)−(5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)(5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル)メタノン
【0088】
【化16】
【0089】
化合物8は、以下の手順によって得た:5−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)安息香酸(428mg、2mmol;WO2008147518によって調製)、中間体1(500mg、2mmol)およびDIPEA(0.65ml)を、DCM(5ml)中に0℃で溶解し、次いでT3P(DCM中に50%、1.5g)を添加した。その混合物を還流下で8時間、次いでRT(室温)で一晩撹拌する。その反応物を1MのNaOHおよび水で洗浄し、乾燥して(Na
2SO
4)、エバポレートした。その粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM〜DCM/MeOH=95/05)によって精製して、180mgの表題の化合物を得た。
【0090】
MS(ESI);m/z 446[MH]
+
1HNMR(CDCl
3)δppm8.80−8.77(m,1H)8.64−8.6(d,1H)8.36−8.31(d,1H)8.08−8.04(m,1H)7.43−7.17(m,3H)7.08−7.03(t,1H)6.36−6.31(d,1H)5.79(bs,1H)5.19−5.11(m,1H)4.00−3.89(m,1H)3.71−3.62(m,1H)3.50−3.39(m,1H)3.37−3.21(m,1H)2.45(s,3H)2.31−2.24(dd,1H)1.99−1.88(dt,1H)1.25−1.19(d,1H)0.75−0.68(d,1H)0.60−0.13(m,4H)。
【実施例9】
【0091】
化合物9の調製
(S)−(5−(((5−クロロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)(5−フルオロ−2−(ピリミジン−2−イル)フェニル)メタノン
【0092】
【化17】
【0093】
中間体4(1当量)を、乾燥(無水)DMF(20ml/mmol)に溶解し、次いでCsF(2当量)、Cul(0.2当量)、[Ph
3P]
4Pd(0.1当量)および2−(トリブチルスタンニル)ピリミジン(1.5当量;Eur.J.Org.Chem.2003,1711〜1721によって調製)を添加した。その混合物を、130℃で10分間加熱し(マイクロ波)、次いでNH
4Clの飽和水溶液に注ぎ、AcOEtで抽出した。その有機層を、合わせて、乾燥して(Na
2SO
4)、減圧下で濃縮し;粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM〜DCM/MeOH 9/1)によって精製し、表題の化合物を、15%の収率で得た。
【0094】
1HNMR(CDCl3)δppm8.80−8.93(m,1H)、8.64(d,1H)、8.24−8.50(m,1H)、7.83−8.08(m,1H)、6.89−7.40(m,4H)、6.17−6.56(m,1H)、5.11−5.25(m,1H)、4.3−4.9(m,1H)、3.6−4.0(m,2H)、3.01−3.47(m,2H)、1.92−2.38(m,1H)、1.45−1.8(m,1H)、0.65−1.12(m,1H)、0.17−0.59(m,4H)。
ESI+m/z474[M+Na]+。
【実施例10】
【0095】
本発明の化合物の効果の評価
本発明による化合物のNK1レセプターのアンタゴニストとしての有用性は、当業者に周知の方法論によって決定した。
【0096】
U373細胞中で内因的に発現されたヒトNK1レセプターに対する化合物のアンタゴニスト活性の評価は、蛍光定量検出方法を用いてアゴニスト誘導細胞質Ca
2+イオン流動に対するそれらの効果を測定することによって決定した。
【0097】
細胞をDMEM緩衝液(Invitrogen)中に懸濁し、次いでマイクロプレート中に1・10
4細胞/ウェルの密度で分配した。20mMのHepes(Invitrogen)(pH7.4)を補ったHBSS緩衝液(Invitrogen)中でプロベニシド(probenicid)と混合した蛍光プローブ(Fluo4 NW,Invitrogen)を次に、各々のウェルに添加し、細胞と37℃で60分間、次いで22℃で15分間平衡化した。その後、それらのアッセイプレートをマイクロプレートリーダー(CellLux,PerkinElmer)中に配置し、これを、試験化合物、参照アンタゴニストまたはHBSS緩衝液、次いで5分後、3nM[Sar9,Met(O2)11]−SPまたはHBSS緩衝液(基底のコントロール)の添加の、および遊離の細胞質Ca
2+イオン濃度に対して比例して変化する蛍光強度の変化の測定のために用いた。
【0098】
DMSOに溶解され、培地中で希釈された化合物は、1nΜ〜1μΜの濃度の範囲(各濃度を2連で)で分析した。本発明の化合物のNK1レセプターに対するアンタゴニスト活性は、pKb(改変チェン・プルソフ(Cheng Prusoff)式を用いることによって算出した見かけの解離定数の余対数)として、または10μMの化合物濃度での3nM[Sar
9,Met(O
2)
11]−SPに対するコントロールの応答の阻害のパーセントとして表現された。
【0099】
標準の参照アンタゴニストは、L733,060であって、これは、各々の実験でいくつかの濃度で試験して、濃度−応答曲線を作成し、これからそのIC
50値を算出する。
【0100】
書誌参照:EISTETTER,H.R.、MILLS,A.、BREWSTER,R.、ALOUANI,S.、RAMBOSSON,C.およびKAWASHIMA,E.(1992)、Functional characterization of neurokinin−1 receptor on human U373MG astrocytoma cells,Glia,6:89。
【0101】
本実施例によって試験された以下の実施例の化合物によって以下のような結果が得られた:
【0102】
化合物 pKb NK1 NK1 %inh @10μΜ
1 8.6
2 87
3 65
4 61
5 67
6 61
7 87
8 8.3
9 8.6
【0103】
表に示すとおり、本発明の化合物では、NK1レセプターに対する驚くべき活性が得られた。
【0104】
特に化合物1は、pKb=8.6という、h−ΝΚ1レセプターの強力な機能的拮抗作用を示した。