(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、古くから重油を燃料としたディーゼルエンジンが幅広く利用されているが、昨今の重油価格の高騰やシェールガス革命による天然ガス価格の下落の中で、天然ガスを使用燃料とするガスエンジンにも注目が集まっている。
また、例えば船舶に推進力を付与するための舶用主機エンジンなどでは、昨今のNOx規制強化の流れの中で、液化天然ガス(LNG)を燃料としたガスエンジンや、重油に加えて天然ガスも燃料として利用できる所謂デュアルフュエルエンジンと呼ばれるエンジンも実用化されている。
【0005】
以上のように、水素や天然ガスを燃料とするエンジンにおいて、より一層のNOx排出量の低下や、さらなる熱効率の向上が期待されている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、NOx排出量を抑制することができる作動ガス循環型エンジンシステム及びその運転方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、熱効率に優れた作動ガス循環型エンジンシステム及びその運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の作動ガス循環型エンジンシステム及びその運転方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる作動ガス循環型エンジンシステムは、アルゴンを主成分とするガスを作動ガスとするエンジンと、該エンジンの排気部と給気部とを接続して作動ガスを循環させる循環経路と、前記エンジンに酸素を供給する酸素供給装置と、を備えた作動ガス循環型エンジンシステムであって、前記酸素供給装置は、空気を深冷分離する深冷分離装置とされていることを特徴とする。
【0008】
作動ガスは、アルゴンを主成分としており、空気に比べて窒素の含有量を少なくしているので、エンジンから発生するNOx量を低減することができる。なお、作動ガス中の窒素の含有量は、定常の運転状態では15%以下、好ましくは2%以下、さらに好ましくは0%である。
エンジンでの燃焼に用いる酸化剤として酸素が用いられる。酸素は、酸素供給装置からエンジンへと供給される。酸素供給装置として、例えばPSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)式を用いると、酸素中に窒素が混入してしまいエンジンに多くの窒素が供給されてしまうおそれがある。そこで、本発明では、酸素供給装置として空気を深冷分離する深冷分離装置を用いることとし、PSA式等に比べて純度の高い酸素を製造し、エンジンに窒素が供給されてしまうことを可及的に少なくすることができる。これにより、エンジンから発生するNOx量をさらに抑制することができる。特に、本発明のエンジンシステムでは、作動ガスを循環させるため循環ガス中に窒素が蓄積されてしまうおそれがあるので、酸素供給装置として深冷分離装置を用いるのが有効である。
エンジンに供給される燃料としては、天然ガス等の炭化水素ガス燃料や、水素を用いることができる。
深冷分離装置は、1台でもよいし複数台としてもよい。複数台の場合には、エンジンの部分負荷時には運転台数を減らすことによって対応することができる。
【0009】
さらに、本発明の作動ガス循環型エンジンシステムでは、前記循環経路には、前記エンジンから排気された排気ガスから水分を除去する吸着式除湿装置が設けられ、前記深冷分離装置にて分離された窒素を取り出す第1窒素供給ラインを備え、該第1窒素供給ラインから導かれた窒素を、前記吸着式除湿装置の吸着剤の再生ガスとして用いることを特徴とする。
【0010】
エンジンにて燃焼が行われると排気ガス中に水分が含まれることになる。排気ガス中に含まれる水分は、循環経路に設けた吸着式除湿装置によって除去され、水分が除去された作動ガスはエンジンへと送られて循環する。
吸着式除湿装置では、吸着剤に排気ガス中の水分を吸着させることによって水分を除去する。本発明では、水分を吸着した吸着剤を再生させる際に、深冷分離装置にて分離された窒素を用いることとした。深冷分離装置では、深冷分離する前に空気中の水分を除去しているので、深冷分離装置にて分離された窒素は乾燥窒素となる。この乾燥窒素を用いて吸着式除湿装置の吸着剤の再生をするので、吸着剤の再生性能が向上し、除湿性能を高めることができる。
【0011】
さらに、本発明の作動ガス循環型エンジンシステムでは、前記エンジンに供給される燃料は、炭素含有燃料とされ、前記循環経路には、前記エンジンから排出される排気ガスによって駆動されるタービン及び該タービンの動力を得て前記作動ガスを圧縮するコンプレッサを有する過給機と、該過給機の前記コンプレッサの下流側に設けられ前記排気ガスから二酸化炭素を除去する吸着式二酸化炭素除去装置と、が設けられていることを特徴とする。
【0012】
エンジンに供給される燃料が炭素含有燃料とされているので、エンジンにて燃焼された排気ガス中には二酸化炭素が含まれる。この二酸化炭素を除去するために二酸化炭素除去装置が用いられる。本発明では、二酸化炭素除去装置として吸着式を用い、吸着剤によって二酸化炭素を排気ガスから除去する。そして、吸着式二酸化炭素除去装置を、過給機のコンプレッサの下流側に配置し、コンプレッサによって加圧された後の排気ガスが導かれるようにした。これにより、吸着剤を収容する吸着塔のサイズを低減することができる。
燃料として用いる炭素含有燃料としては、典型的には炭素数が1〜4の炭化水素ガスが挙げられ、より具体的にはメタン(CH
4)、エタン(C
2H
6)、プロパン(C
3H
8)、ブタン(C
4H
10)等である。
なお、吸着剤は低温ほど吸着力が上昇するので、コンプレッサで加圧されて昇温した排気ガスを冷却する冷却器を設けると好適である。このような冷却器としては、海水等の水と熱交換する熱交換器が挙げられる。
また、深冷分離装置にて分離された窒素を吸着式除湿装置に導く前にコンプレッサで加圧された排気ガスと熱交換させても良い。これにより、排気ガスの圧縮熱によって吸着式除湿装置に導く前の窒素を昇温させることができる。これにより、吸着式除湿装置の吸着剤の再生性能を向上させることができる。また、窒素ガスで排気ガスを冷却することによって排気ガス中の水分をドレンとして除去することができ、吸着式除湿装置の負荷を低減することができる。
【0013】
さらに、本発明の作動ガス循環型エンジンシステムでは、前記深冷分離装置にて分離された窒素を取り出す第2窒素供給ラインを備え、該第2窒素供給ラインから導かれる窒素を用いて、前記エンジンに供給される前記作動ガス及び前記酸素を冷却する熱交換器が設けられていることを特徴とする。
【0014】
第2窒素供給ラインから導かれる窒素を熱交換器に導くことにより深冷分離装置で得られる冷熱を利用し、エンジンに供給される前の作動ガス及び酸素を冷却することによってガス密度を上げることにより、エンジンの性能向上を図ることができる。また、冷却された作動ガス及び酸素をエンジンに供給することになるので、筒内の圧縮開始温度を低下させることができ、エンジンのサイクル効率を向上させることができる。また、筒内の最高温度が低減されるので、エンジンの熱負荷を軽減させることができる。
なお、上述した第1窒素供給ラインと、本発明の第2窒素供給ラインとを共通化して兼用してもよい。
【0015】
さらに、本発明の作動ガス循環型エンジンシステムでは、前記深冷分離
装置にて分離された窒素を窒素ガス圧縮機により加圧した後に取り出す第3窒素供給ラインを備え、該第3窒素供給ラインから供給された窒素によってタービンが駆動されて発電する発電装置が設けられていることを特徴とする。
【0016】
深冷分離装置にて分離された窒素を用いて発電装置にて発電することとしたので、深冷分離装置にて分離された窒素を有効利用できるとともに、システム全体としてのエネルギー効率を向上させることができる。
【0017】
さらに、本発明の作動ガス循環型エンジンシステムでは、前記エンジンに供給される燃料は、液化ガスとされ、前記深冷分離装置は、前記液化ガスが前記エンジンに供給される前に該液化ガスから冷熱を得る熱交換器を備えていることを特徴とする。
【0018】
深冷分離装置は、液化ガスから冷熱を得る熱交換器を備えているので、深冷分離装置の動力を低減させることができる。
また、上述の発明のように深冷分離装置にて分離された窒素を窒素ガス圧縮機によって加圧する場合には、加圧後の窒素ガスを冷却するアフタークーラーとしての冷熱源として用いることができる。
液化ガスとしては、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化プロパンガス)等が挙げられる。
【0019】
さらに、本発明の作動ガス循環型エンジンシステムでは、
前記深冷分離装置にて分離された窒素を取り出す第4窒素供給ラインを備え、該第4窒素供給ラインから供給された窒素と前記液化ガスの貯蔵タンクから発生したボイルオフガスとを熱交換させて該ボイルオフガスを冷却液化する熱交換器を備えていることを特徴とする。
【0020】
深冷分離装置にて分離された窒素を用いてボイルオフガスを液化することとしたので、ボイルオフガスを再液化するための専用の深冷分離装置が不要となる。
【0021】
また、本発明の作動ガス循環型エンジンシステムの運転方法は、エンジンの排気部と給気部とを接続
した循環経路によってアルゴンを主成分とする作動ガスを循環させる作動ガス循環型エンジンシステムの運転方法であって、前記エンジンに対して、空気を深冷分離した酸素を供給
し、前記循環経路には、前記エンジンから排気された排気ガスから水分を除去する吸着式除湿装置が設けられ、空気を深冷分離した窒素を、前記吸着式除湿装置の吸着剤の再生ガスとして用いることを特徴とする。
【0022】
作動ガスは、アルゴンを主成分としており、空気に比べて窒素の含有量を少なくしているので、エンジンから発生するNOx量を低減することができる。なお、作動ガス中の窒素の含有量は、定常の運転状態では15%以下とされている。
エンジンでの燃焼に用いる酸化剤として酸素が用いられる。酸素を供給する際に、例えばPSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)式を用いると、酸素中に窒素が混入してしまいエンジンに多くの窒素が供給されてしまうおそれがある。そこで、本発明では、空気を深冷分離した酸素を用いることとし、PSA式等に比べて純度の高い酸素を製造し、エンジンに窒素が供給されてしまうことを可及的に少なくすることができる。これにより、エンジンから発生するNOx量をさらに抑制することができる。特に、本発明では、作動ガスを循環させるため循環ガス中に窒素が蓄積されてしまうおそれがあるので、酸素を供給する際に深冷分離を用いるのが有効である。
【発明の効果】
【0023】
酸素供給装置として空気を深冷分離する深冷分離装置を用いることとし、純度の高い酸素を製造してエンジンに窒素が供給されることを可及的に少なくすることとしたので、エンジンから発生するNOx量を抑制することができる。
また、深冷分離装置から導かれる窒素を用いて冷熱を熱交換器に供給し、エンジンに供給される作動ガス及び酸素を冷却することとしたので、エンジンの熱効率を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、
図1及び
図2を用いて説明する。
図1には、作動ガス循環型エンジンシステム(以下、単に「エンジンシステム」という。)1Aの概略が示されている。このエンジンシステム1Aは、アルゴンを主成分とするガスを作動ガスとするものであり、例えば船舶に推進力を与える舶用主機エンジンなどに適用される。
【0026】
エンジンシステム1Aは、エンジン3と、エンジン3の排気部3aと給気部3bとを接続して作動ガスを循環させる循環経路5とを備えている。
【0027】
エンジン3は、例えば低速2ストロークサイクルディーゼル機関とされている。エンジン3のシリンダには、LNG(液化天然ガス)を昇圧してガス化したCNG(圧縮天然ガス)が燃料として噴射される。シリンダ内に噴射されるCNGは、例えば温度が32℃、圧力が30MPaとされる。
【0028】
循環経路5には、過給機7と、凝縮器9と、吸着式除湿装置11と、吸着式二酸化炭素除去装置13とが設けられている。
【0029】
過給機7は、エンジン3から排出される排気ガスによって駆動されるタービン7aと、タービン7aの動力を得て作動ガスを圧縮するコンプレッサ7bとを備えている。タービン7aとコンプレッサ7bとは共通の回転軸7cによって接続されており、タービン7aの回転力がコンプレッサ7bに伝達されるようになっている。
【0030】
凝縮器9は、タービン7aの下流側に設けられている。凝縮器9内の伝熱管9aには、冷却媒体として海水が導かれるようになっており、凝縮器9内に導かれた排気ガスが冷却されるようになっている。凝縮器9によりエンジン3から排出された排気ガスが冷却されることにより、排気ガス中の水分が凝縮される。凝縮された水分(LH
2O)は、ドレン配管9bを介して系外(循環経路5外)へと排出される。
【0031】
吸着式除湿装置11は、コンプレッサ7bの下流側に配置され、排気ガス中の水分を除去する。吸着式除湿装置11の上流側には、深冷分離装置(酸素供給装置)15から窒素を取り出す低圧窒素供給ライン(第1窒素供給ライン)17によって導かれる窒素によってコンプレッサ7bで圧縮された排気ガスを冷却する第1熱交換器19と、この第1熱交換器19の下流側に設けられ冷却媒体としての海水によって排気ガスを冷却する第2熱交換器21とが設けられている。これら第1熱交換器19及び第2熱交換器21によって冷却された排気ガスが吸着式除湿装置11へと導かれる。なお、第1熱交換器19及び第2熱交換器21によって冷却されて凝縮した排気ガス中の水分は、図示しないドレン配管から系外(循環経路5外)へと排出されるようになっている。
【0032】
吸着式除湿装置11は、PSA(Pressure Swing Adsorption)やTSA(Temperature Swing Adsorption;温度変動吸着)式とされており、アルミナやシリカゲル等の吸着剤を担持されたデシカントロータが用いられる。排気ガス中の水分を吸着した吸着
剤を再生(すなわち吸着
剤から水分を脱着させ、元の吸着可能な状態に戻すこと)するための加熱ガスとしては、低圧窒素供給ライン17から導かれて第1熱交換器19にて排気ガスを冷却して加熱された窒素ガスが用いられる。
【0033】
吸着式除湿装置11にて水分が除去された排気ガスは、循環経路5を通り吸着式二酸化炭素除去装置13へと導かれる。
吸着式二酸化炭素除去装置13は、PSA(Pressure Swing Adsorption;圧力変動吸着)式とされており、排気ガス中に含まれる二酸化炭素を除去する。
【0034】
図2には、吸着式二酸化炭素除去装置13の詳細が示されており、上流側と下流側に2つの吸着塔23a,23bを有している。各吸着塔23a,23bには、ゼオライト系等の所定の吸着剤が充填されている。上流側の第1吸着塔23a及び下流側の第2冷却等23bは、バッチ処理を行うため、それぞれ複数とされている。第1吸着塔23aの上流側には、
図2において左側から循環経路5を介して導かれた排気ガスを昇圧する第1圧縮機25aと、この第1圧縮機25aの下流側に配置された第1冷却器27aとが設けられている。第1吸着塔23a内には、二酸化炭素を吸着した吸着剤を再生するための第1加熱器29aが設けられている。第1吸着塔23aには出口配管31が接続されており、この出口配管31から二酸化炭素が除去された後の排気ガスが循環経路5へと導かれる。出口配管31から排出される排気ガスは、既に二酸化炭素および水分が除去されているので、アルゴンを主成分とする作動ガスとなっている。
【0035】
第1吸着塔23aには、第1脱着用配管33aを介して第1サージタンク35aが接続されている。第1脱着用配管33aには、第1真空ポンプ37aが設けられている。上述した第1加熱器29aによって加熱するとともに、第1真空ポンプ37aによって第1吸着塔23a内を減圧することによって吸着剤に吸着された二酸化炭素を脱着させる。
【0036】
第1サージタンク35aは、第2圧縮機25b及び第2冷却器27bを介して第2吸着塔23bに接続されている。第2吸着塔23b内には、二酸化炭素を吸着した吸着剤を再生するための第2加熱器29bが設けられている。第2吸着塔23bには、第1戻り配管39a及び第2戻り配管39bが接続されている。
【0037】
第1戻り配管39aは、第1冷却器27aの下流側でかつ第1吸着塔23aの上流側に接続されている。第1戻り配管39aには、第3圧縮機25c及び第3冷却器27cが設けられている。第1戻り配管39aによって、第2吸着塔23bにて二酸化炭素が吸着された後のガスを第1吸着塔23aへと戻すようになっている。これにより、二酸化炭素に随伴するアルゴンガスを系外へと排出することなく再利用できるようになっている。
【0038】
第2戻り配管39bは、第1サージタンク35aに接続されている。第2戻り配管39bには、減圧機25d及び第3加熱器27dが設けられている。第2戻り配管39bによって、第2吸着塔23b内を置換したガスを第1サージタンク35aへ戻すようになっている。
【0039】
第2吸着塔23bは、第2脱着用配管33bを介して第2サージタンク35bに接続されている。第2脱着用配管33bには、第2真空ポンプ37bが設けられている。上述した第2加熱器29bによって加熱するとともに、第2真空ポンプ37bによって第2吸着塔23b内を減圧することによって吸着剤に吸着された二酸化炭素を脱着させる。脱着されたガスは、第2サージタンク35bにて一時的に貯留された後、二酸化炭素排出配管41から系外へと排出される。排出される二酸化炭素の濃度は約99%である。
第2サージタンク35bは、第3戻り配管39cを介して、第2吸着塔23bと接続されている。第3戻り配管39cには、第5圧縮機25e及び第4冷却器27eが設けられている。第3戻り配管39cから導かれたガス(主として二酸化炭素)は、第2吸着塔23b内を置換するガスとして用いられる。
【0040】
第1吸着塔23aから出口配管31を介して排出された作動ガスは、
図1に示すように、循環経路5を介してエンジン3へと戻される。
【0041】
深冷分離装置15は、系外の空気から酸素、アルゴン及び窒素を分離するものである。深冷分離装置15は、系外から取り込まれた空気から水分及び二酸化炭素を除去する吸着塔46と、水分及び二酸化炭素が除去された空気を圧縮する圧縮機および圧縮された空気を膨張させる膨張タービンを備えた冷凍機48と、冷凍機48から導かれた低温空気を深冷分離する精留塔50とを備えている。
【0042】
精留塔50にて深冷分離された酸素は、酸素用液体ポンプ52にて昇圧された後に、酸素供給経路54を通りエンジンへ3と供給される。エンジン3へと供給された酸素は、CNGを燃焼させるための酸化剤として用いられる。
精留塔50にて深冷分離された窒素は、低圧窒素供給ライン17を通り第1熱交換器19へと導かれる。低圧窒素供給ライン17から導かれた窒素は、深冷分離装置15の吸着塔46にて水分が除去されているので、乾燥窒素とされる。第1熱交換器19にて、コンプレッサ7bから導かれた排出ガスを冷却した窒素は、吸着式除湿装置11へと導かれ再生ガスとして用いられた後に、系外へと排出される。
また、図示されていないが、精留塔50にて分離されたアルゴンも、循環経路5内を流れる作動ガス中のアルゴンの不足分を補うように、エンジン3へと供給されるようになっている。
【0043】
次に、上述したエンジンシステム1Aの動作について説明する。なお、以下に示す温度、圧力および組成比は、あくまでも一例である。
エンジン3に対して、深冷分離装置15にて系外の空気から深冷分離された酸素が供給され、循環経路5を介してアルゴンを主成分とする作動ガスが供給される。また、エンジンに対して、燃料であるCNGが図示しないLNG貯蔵タンクから供給される。
【0044】
エンジン3に対して供給されたCNG、酸素及び作動ガスにより、エンジン3の筒内で燃焼が行われる。エンジン3に供給されるCNGの温度は32℃、CNGの圧力は30MPa、酸素の温度は32℃、酸素の圧力は225kPaG(ゲージ圧;以下同じ)、作動ガスの温度は25℃、作動ガスの圧力は225kPaGとされる。また、作動ガスの組成比は、アルゴン76.0%、酸素23.8%、窒素0.2%とされる。なお、ガスの組成比を百分率で表す場合は体積%を意味する(以下同じ)。
【0045】
エンジン3にて燃焼を終えた燃焼ガスは、排気部3aから排気ガスとして排出される。排気部3aから排出された排気ガスの温度は330℃、圧力は183kPaGとされる。
排気部3aから排出された排気ガスは、過給機7のタービン7aへと導かれて膨張される。膨張後の排気ガスの温度は170℃、圧力は0kPaGとされる。タービン7aにて得られた回転力は、回転軸7cを介してコンプレッサ7bを回転駆動する。
【0046】
タービン7aにて膨張した排気ガスは、凝縮器9へと導かれ、25℃の海水によって冷却されて、排気ガス中の水分が凝縮される。凝縮器9を出た後の排気ガスの温度は32℃、圧力は0kPaGである。
凝縮器9を出た後の排気ガスは、過給機7のコンプレッサ7bへと導かれ、昇圧される。昇圧後の排気ガスの温度は255℃、圧力は225kPaGとされる。
【0047】
コンプレッサ7bによって昇圧された後の排気ガスは、第1熱交換器19にて深冷分離装置15から低圧窒素供給ライン17を介して導かれた窒素によって冷却される。第1熱交換器19で熱交換する前の窒素の温度は32℃、圧力は0kPaGとされ、熱交換した後の窒素の温度は200℃、圧力は0kPaGとされる。
【0048】
第1熱交換19にて冷却された後の排気ガスは、さらに第2熱交換21によって冷却される。第2熱交換21では、25℃の海水によって冷却され、これにより排気ガスは25℃まで冷却される。排気ガスは、第1熱交換19及び第2熱交換21によって冷却されることにより、排気ガス中の水分がドレン水として除去される。ドレン水は、図示しない配管を介して系外へと排出される。
【0049】
第1熱交換19及び第2熱交換21によって冷却された後の排気ガスは、さらに水分を除去するために吸着式除湿装置11へと導かれる。排気ガス中の水分は、吸着式除湿装置11のデシカントロータに導かれ、デシカントロータに設けられた吸着剤によって除去される。デシカントロータに設けられた吸着剤の再生には、第1熱交換19にて200℃まで加熱された窒素ガスが用いられる。吸着式除湿装置11を出た後の排気ガスの温度は25℃、圧力は225kPaGとされる。
【0050】
吸着式除湿装置11にて排気ガス中の水分が除去された排気ガスは、循環経路5を通り吸着式二酸化炭素除去装置13にて二酸化炭素が除去される。
【0051】
図2に示すように、吸着式二酸化炭素除去装置13に導かれた排気ガスは、第1圧縮機25aによって昇圧された後に第1冷却器27aによって冷却され、第1吸着塔23aへと導かれる。第1吸着塔23aにて、第1吸着塔23a内に充填された吸着剤によって排気ガス中の二酸化炭素を吸着し、排気ガス中から二酸化炭素を除去する。二酸化炭素が除去された後の排気ガスは、出口配管31を通り
図1に示した循環経路5へと導かれる。出口配管31から導かれる排気ガスは、水分および二酸化炭素が除去されているので、アルゴンを主成分とする作動ガスとなる。
【0052】
第1吸着塔23aの脱着を行う場合は、第1真空ポンプ37aで第1吸着塔23a内を減圧するとともに第1加熱器29aで第1吸着塔23a内を加熱する。これにより、吸着剤に吸着された二酸化炭素を脱着させ、脱着された二酸化炭素は第1脱着用配管33aを通り第1サージタンク35aへと導かれる。第1サージタンク35aへと導かれた第1脱着ガスは二酸化炭素を主成分とするが、アルゴンガスが少量ながら含まれているので、以下の操作によってアルゴンガスを脱着ガスから取り出す。
【0053】
第1サージタンク35a内の第1脱着ガスは、第2圧縮機25bによって昇圧された後に第2冷却器27bによって冷却され、第2吸着塔23bへと導かれる。第2吸着塔23bにて、第2吸着塔23b内に充填された吸着剤によって第1脱着ガス中の二酸化炭素を吸着し、第1脱着ガス中から二酸化炭素を除去する。二酸化炭素が除去された後のガスはアルゴンが主成分とされ、第1戻り配管39aを通り第3圧縮機25cで昇圧された後に第3冷却器27cによって冷却され、第1吸着塔23aの上流側へと戻される。これにより、第1脱着ガス中で二酸化炭素に随伴するアルゴンガスが系外に排気されるのを低減することができる。
【0054】
第2吸着塔23bにて吸着工程が行われた後に、第2吸着塔23b内のガス置換が行われる。具体的には、第2サージタンク35b内に貯留された第2脱着ガスを、第3戻り配管39cを介して第5圧縮機25eで昇圧した後に第4冷却器27eで冷却して第2吸着塔23bへと導く。このようにして第2吸着塔23b内に導かれた第2脱着ガスによって第2吸着塔23b内をガス置換し、ガス置換後のガスは第2戻り配管39bを通り減圧機25dで減圧した後に第3加熱器27dで加熱して第1サージタンク35aへと戻す。
【0055】
ガス置換工程が行われた後に、第2吸着塔23bの脱着が行われる。すなわち、第2真空ポンプ37bで第2吸着塔23b内を減圧するとともに第2加熱器29bで第2吸着塔23b内を加熱する。これにより、吸着剤に吸着された二酸化炭素を脱着させ、脱着された二酸化炭素は第2脱着用配管33bを通り第2サージタンク35bへと導かれる。第2サージタンク35bへと導かれた第2脱着ガスは、二酸化炭素排出配管42を通り系外へと排出される。第2脱着ガスの二酸化炭素濃度は99%とされる。
【0056】
このように吸着式二酸化炭素除去装置13にて二酸化炭素が除去された作動ガスは、
図1に示すように、循環経路5を通りエンジン3の給気部3bへと導かれる。
【0057】
以上の通り、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
エンジン3へ酸素を供給する酸素供給装置として、系外の空気を深冷分離する深冷分離装置15を用いることとした。深冷分離装置は、純度の高い酸素を製造することができるので、エンジンに窒素が供給されることを可及的に少なくすることができ、エンジンから発生するNOx量を抑制することができる。これに対して、酸素供給装置として例えばPSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)式を用いることとすると、酸素中の窒素濃度が深冷分離装置比べて高いので、エンジンに窒素が供給されてしまうおそれがある。特に、本実施形態のエンジンシステム1Aでは、作動ガスを循環させるため循環ガス中に窒素が蓄積されてしまうおそれがあるので、酸素供給装置として深冷分離装置15を用いるのが有効である。
【0058】
吸着式除湿装置11の吸着剤を再生させる際に、深冷分離装置15にて分離された窒素を用いることとした。深冷分離装置15では、深冷分離する前に空気中の水分を吸着塔46にて除去しているので、深冷分離装置15にて分離された窒素は乾燥窒素となる。この乾燥窒素を用いて吸着式除湿装置11の吸着剤の再生をするので、吸着剤の再生性能が向上し、除湿性能を高めることができる。
さらに、深冷分離装置15にて分離された窒素を吸着式除湿装置11に導く前にコンプレッサ7bで加圧された排気ガスと第1熱交換器19にて熱交換させることとした。これにより、排気ガスの圧縮熱によって吸着式除湿装置11に導く前の窒素を昇温させることができ、吸着剤の再生性能をさらに向上させることができる。
また、第1熱交換器19にて窒素ガスで排気ガスを冷却することによって排気ガス中の水分をドレンとして除去することができるので、吸着式除湿装置11の負荷を低減することができる。
【0059】
吸着式二酸化炭素除去装置13を、過給機7のコンプレッサ7bの下流側に配置し、コンプレッサ7bによって加圧された後の排気ガスが導かれるようにした。これにより、吸着剤を収容する吸着塔のサイズを低減することができる。
【0060】
吸着剤は低温ほど吸着力が上昇するので、コンプレッサ7bで加圧されて昇温した排気ガスを第1熱交換器19及び第2熱交換器21によって冷却した後に吸着式二酸化炭素除去装置13に導くこととした。これにより、吸着式二酸化炭素除去装置13での吸着性能を向上させることができる。
【0061】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、
図3及び
図4を用いて説明する。本実施形態は、第1実施形態に対していくつかの構成を付加している点で相違する。したがって、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付しその説明を省略する。
図3に示されているように、本実施形態のエンジンシステム1Bは、エンジン3に供給する酸素および作動ガスを冷却する給気冷却熱交換器56を備えている。
給気冷却熱交換器56には、被冷却側として酸素供給経路54及び循環経路5が接続されており、冷却側として低圧窒素供給ライン(第2窒素供給ライン)17及び高圧窒素供給ライン(第2窒素供給ライン)18が接続されている。
低圧窒素供給ライン17からは、温度が−40℃、圧力が0kPaGとされた窒素が導かれ、高圧窒素供給ライン18からは、温度が−40℃、圧力が199kPaGとされた窒素が導かれる。なお、低圧窒素供給ライン17及び高圧窒素供給ライン18から得られる窒素の温度は、深冷分離装置15の冷凍機48の冷凍能力によって調整される。
酸素及び作動ガスは、給気冷却熱交換器56によって0℃まで冷却され、エンジン3へと供給される。
【0062】
低圧窒素供給ライン17によって導かれた窒素は、給気冷却熱交換器56によって−10℃まで昇温された後に、第1熱交換器19へと導かれる。低圧窒素供給ライン17を通る窒素が第1熱交換器19へと導かれた後に、吸着式除湿装置11の再生ガスとして用いられる点は第1実施形態と同様である。
【0063】
高圧窒素供給ライン(第3窒素供給ライン)18によって導かれた窒素は、給気冷却熱交換器56によって−10℃まで昇温された後に、第3熱交換器22へと導かれる。第3熱交換器22によって循環経路5を通る排気ガスを冷却した後の窒素は、冷熱発電装置60へと導かれる。冷熱発電装置60は、深冷分離装置15から得られた冷熱を回収して発電するものであり、発電用タービン60aと、発電用タービン60aによって駆動される発電機60bとを備えている。高圧窒素供給ライン18によって導かれた窒素は、発電用タービン60aを駆動する。
【0064】
高圧窒素供給ライン18に導かれる窒素は、深冷分離装置15に設けられた窒素ガス圧縮機62によって昇圧される。窒素ガス圧縮機62によって昇圧された窒素は、窒素ガス冷却器64によって冷却される。窒素ガス冷却器64の冷熱源としては、図示しないLNGタンクからLNG供給配管66を介して導かれるLNGが用いられる。LNG供給配管66によって深冷分離装置15に導かれたLNGは、窒素ガス冷却器64にて冷熱を与えた後に、図示しない装置によって昇温されてCNGとされ、CNG供給配管68を通りエンジン3へと導かれる。
【0065】
図4には、
図3に示した深冷分離装置15の詳細が示されている。
深冷分離装置15は、系外から取り込んだ空気からダスト等を取り除くフィルター70と、空気を圧縮するメイン空気圧縮機72とを備えている。メイン空気圧縮機72にて圧縮された空気は、空気冷却器74によって冷却された後に吸着塔46へと導かれる。吸着塔46にて空気中の水分と二酸化炭素が除去される。水分及び二酸化炭素が除去された空気の一部は、サブ空気圧縮機48aへと導かれて圧縮され、その他の空気は空気バイパス流路76を通り熱交換器78へと導かれる。サブ空気圧縮機48aにて圧縮された空気は、熱交換器78にて冷却された後に、膨張弁80にて減圧され、空気バイパス流路76の空気と合流されるようになっている。合流した空気は、精留塔50の下部塔50aへと導かれる。
【0066】
空気バイパス流路78を流れる空気の一部は、膨張空気用配管82を通り冷凍機48の膨張タービン48bへと導かれる。膨張タービン48bにて膨張されて極低温(例えば−186℃)となった空気は、精留塔50の上部塔50bへと導かれる。
精留塔50では、空気から酸素、アルゴン及び窒素が分離される。精留塔50の下部塔50aの底部には液体空気が貯留され、精留塔50の上部塔50bの下部には液体酸素が貯留される。窒素コンデンサ84にて凝縮した液体窒素(例えば−193℃)は、精留塔50の上部塔50bの上方へと導かれて塔内を冷却する。
【0067】
精留塔50の上部塔50aの頂部から低圧窒素供給ライン17によって取り出された窒素ガスは、上述した給気冷却熱交換器56(
図3参照)へと導かれる。
精留塔50の上部塔50aの頂部から高圧窒素供給ライン18によって取り出された窒素ガスは、窒素ガス圧縮機62によって昇圧された後に、窒素ガス冷却器64にてLNGによって冷却される。窒素ガス冷却器64によって冷却された窒素は、高圧窒素供給ライン18を通り、上述した給気冷却熱交換器56(
図3参照)へと導かれる。
【0068】
精留塔50の上部塔50bの下部に貯留された液体酸素は、液体のまま取り出されて酸素用液体ポンプ52にて昇圧された後に、酸素供給経路54を通り、上述した給気冷却熱交換器56(
図3参照)へと導かれる。
【0069】
以上の通り、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
低圧窒素供給ライン17及び高圧窒素供給ライン18から導かれる窒素を給気冷却熱交換器56に導くことにより深冷分離装置15で得られる冷熱を利用し、エンジン3に供給される前の作動ガス及び酸素を冷却することとした。これにより、作動ガス及び酸素のガス密度を上げることで、エンジン3の性能向上を図ることができる。また、冷却された作動ガス及び酸素をエンジン3に供給することになるので、筒内の圧縮開始温度を低下させることができ、エンジン3のサイクル効率を向上させることができる。また、筒内の最高温度が低減されるので、エンジン3の熱負荷を軽減させることができる。なお、給気冷却熱交換器56の冷熱源として、低圧窒素供給ライン17または高圧窒素供給ライン18のいずれか一方を利用することとしてもよい。
【0070】
深冷分離装置15にて窒素ガス圧縮機62によって高圧窒素を得て、高圧窒素供給ライン18を介して高圧窒素を冷熱発電装置60へ供給して発電することとした。これにより、エンジンシステム1B全体としてのエネルギー効率を向上させることができる。また、精留塔50から取り出した低温の窒素を窒素ガス圧縮機62で圧縮することとしているので、窒素ガスの圧縮動力を低減することができる。
【0071】
また、エンジン3の燃料として用いるLNGを窒素ガス冷却器64に導き、窒素ガス圧縮機62によって昇温された窒素ガスを冷却することとした。これにより、LNGが有する冷熱を有効に利用することができ、エンジンシステム1B全体としてのエネルギー効率を向上させることができる。なお、LNGが有する冷熱は、深冷分離装置15の他の部分にも利用することができ、例えば圧縮空気を冷却する熱交換器78の冷熱源として用いてもよい。
【0072】
また、精留塔50から液体酸素を液体のまま取り出して酸素用液体ポンプ52で昇圧することとした。これにより、ガス状の酸素を圧縮するよりも圧縮動力を低減することができる。
【0073】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、
図5及び
図6を用いて説明する。本実施形態は、第2実施形態に対してボイルオフガスを液化する装置を備えている点で相違する。したがって、第2実施形態と共通する構成については同一符号を付しその説明を省略する。
【0074】
図5に示されているように、本実施形態のエンジンシステム1Cは、ボイルオフガスを液化するBOG液化装置85を備えている。BOG液化装置85は、図示しないLNG貯蔵タンクにて発生したボイルオフガスを液化し、LNG貯蔵タンクに返送するものである。BOG液化装置85は、BOG液化タンク87と、BOG液化熱交換器89とを備えている。
【0075】
BOG供給配管91を介して、BOG液化タンク87の気相部に、LNG貯蔵タンクから導かれたボイルオフガスが導入される。BOG液化タンク87内に導かれたボイルオフガスは、BOG取出配管93を通りBOG液化熱交換器89へと導かれる。BOG液化熱交換器89にて、低温窒素供給ライン(第4窒素供給ライン)95から導かれた例えば−170℃とされた窒素ガスによって、ボイルオフガスが冷却されて液化する。液化したBOG(すなわちLNG)は、LNG返送配管97を通りBOG液化タンク87へと返送される。窒素ガスは、
図6に示されているように、精留塔50の頂部から取り出されるようになっている。BOG液化熱交換器89にてボイルオフガスを冷却液化した後の窒素ガスは、窒素ガス圧縮機62へと導かれ、第2実施形態で説明したように給気冷却熱交換器56及び冷熱発電装置60に用いられる。
BOG液化タンク87の底部に貯留されたLNGは、図示しない配管によってLNG貯蔵タンクへと導かれる。
【0076】
以上の通り、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
深冷分離装置15にて分離された低温の窒素を用いてBOG液化熱交換器89にてボイルオフガスを液化することとしたので、ボイルオフガスを再液化するための専用の深冷分離装置が不要となる。したがって、エンジンシステム1C全体としてのエネルギー効率を向上させることができる。
【0077】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではない。上述した各実施形態では、エンジン3に供給する燃料としてLNGを用いることとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、LNGに代えて、水素を用いることとしても良いし、他の炭素含有燃料、例えばメタン(CH
4)、エタン(C
2H
6)、プロパン(C
3H
8)、ブタン(C
4H
10)等の炭素数が1〜4の炭化水素ガスを用いることとしても良い。
また、上述した各実施形態では、深冷分離装置15を1台用いることとしたが、本発明はこれに限定されず、複数台用いることとしてもよい。複数台の深冷分離装置15を用いる場合には、エンジン3の部分負荷時には運転台数を減らすことによって対応することができる。