(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性を一次関数で定義し、当該反射輝度の特性を定義した一次関数における傾き成分及び切片成分を算出するステップと、
前記第2反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性を一次関数で定義し、当該反射輝度の特性を定義した一次関数における傾き成分及び切片成分を算出するステップとを実行する
ことを特徴とする、請求項1に記載のウエーハ検査装置の検査条件データ生成方法。
前記第1反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性を一次関数で定義し、当該反射輝度の特性を定義した一次関数における傾き成分及び切片成分を算出する手段と、
前記第2反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性を一次関数で定義し、当該反射輝度の特性を定義した一次関数における傾き成分及び切片成分を算出する手段とを備えた
ことを特徴とする、請求項3に記載のウエーハ検査装置の検査条件データ生成システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図11は、従来技術における装置毎の明るさ設定値の補正の様子を示す概念図である。従来の技術では、所定の反射率のある部位で明るさ設定値を変化させ、装置間の機差補正を行っていた。
【0008】
つまり、既に設定されている検査条件データと、機差補正データに基づいて、他のウエーハ検査装置の検査条件データを生成(いわゆる、検査条件データを共有化)して検査する形態において、明るさ補正に着目すると、検査対象領域の1つの反射面における反射率を、全体の代表値として取り扱われていた。そのため、従来技術による明るさ補正では、各検査対象部位の反射率の違いに関わらず、画一的な明るさ補正が行われていた。そして、各検査対象部位の良否判定を行う上では、この様な形態でも問題はなかった。
【0009】
しかし、反射率の異なる各検査対象部位が混在する場合、従来の様な明るさ補正(つまり、画一的な明るさ補正)をしてしまうと、反射率の補正に誤差が生じる。
【0010】
図12は、従来技術における装置毎の明るさ設定値の補正の様子を示す概念図であり、反射率の高い部位と、反射率の低い部位とで、補正特性が僅かながら異なっている様子が示されている。
【0011】
つまり、複数のウエーハ検査装置を用いた場合、当該検査対象部位の良否判定をより正しく行うためには、反射率に応じた補正が必要となる。
【0012】
そこで、本発明は、複数のウエーハ検査装置を用いる場合でも、反射率の異なる各検査対象部位について輝度情報に含まれる誤差を少なくし、各検査装置の検査条件データが共有化できる、検査条件データ生成方法及び検査条件データ生成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以上の課題を解決するために、本発明に係る第1の態様は、
先に稼働している他のウエーハ検査装置と同じ検査条件で検査を行う一のウエーハ検査装置の検査条件データを生成する検査条件データ生成方法及び検査条件データ生成システムであって、
前記他のウエーハ検査装置及び前記一のウエーハ検査装置を用い、各々
に対して、
第1の反射率の成膜が施された第1反射部を備えたサンプルと、当該第1の反射率とは異なる第2の反射率の成膜が施された第2反射部を備えたサンプルを準備し、
前記第1反射部に向けて照明光を第1の明るさ設定値に設定して照射し、当該第1反射部から反射される光の強度を、第1反射部における第1の明るさ設定値に対する反射輝度として取得し、
前記第1反射部に向けて照明光を第2の明るさ設定値に設定して照射し、当該第1反射部から反射される光の強度を、第1反射部における第2の明るさ設定値に対する反射輝度として取得し、
前記第2反射部に向けて照明光を第1の明るさ設定値に設定して照射し、当該第2反射部から反射される光の強度を、第2反射部における第1の明るさ設定値に対する反射輝度として取得し、
前記第2反射部に向けて照明光を第2の明るさ設定値に設定して照射し、当該第2反射部から反射される光の強度を、第2反射部における第2の明るさ設定値に対する反射輝度として取得し、
前記第1反射部における第1の明るさ設定値に対する反射輝度及び
前記第1反射部における第2の明るさ設定値に対する反射輝度に基づいて、
第1反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性を算出し、
前記第2反射部における第1の明るさ設定値に対する反射輝度及び
前記第2反射部における第2の明るさ設定値に対する反射輝度に基づいて、
第2反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性を算出し、
前記第1反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性及び
前記第2反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性に基づいて、
任意の明るさ設定値における任意の反射率の検査対象部位に対する反射輝度の特性を算出し、
前記一のウエーハ検査装置を用い、
当該一のウエーハ検査装置で算出した任意の明るさ設定値における任意の反射率の検査対象部位に対する反射輝度の特性及び
前記他のウエーハ検査装置で算出した任意の明るさ設定値における任意の反射率の検査対象部位に対する反射輝度の特性に基づいて、
当該一のウエーハ検査装置における検査対象部位に対する反射輝度が、当該他のウエーハ検査装置における検査対象部位に対する反射輝度と同じになる様に、検査対象部位の反射率の異なる部位毎に反射輝度レベルを合わせる。
【0014】
この構成によれば、これから稼働させようとする一のウエーハ検査装置は、ウエーハ内に反射率の異なる各検査対象部位が混在する場合であっても、先に稼働している他のウエーハ検査装置を用いて検査した場合と同じ検査結果を得ることができる、検査条件データを生成することができるようになる。
【0015】
また、第2の態様は、第1の態様に加えて、
前記第1反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性を一次関数で定義し、当該反射輝度の特性を定義した一次関数における傾き成分及び切片成分を算出し、
前記第2反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性を一次関数で定義し、当該反射輝度の特性を定義した一次関数における傾き成分及び切片成分を算出する。
【0016】
また、第3の態様は、第1の態様又は第2の態様における、一のウエーハ検査装置である。
【0017】
また、第4の態様は、第1の態様又は第2の態様における、他のウエーハ検査装置である。
【発明の効果】
【0018】
複数のウエーハ検査装置を用いる場合でも、反射率の異なる各検査対象部位について輝度情報に含まれる誤差が少なくし、各検査装置が検査条件データを共有化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を実施するための形態について、図を用いながら説明する。
図1は、本発明を具現化に用いる他のウエーハ検査装置の一例を示す概念図である。
図1には、撮像画像に基づく検査を行うと共に検査条件データを生成するウエーハ検査システムに用いるウエーハ検査装置A1について、各構成機器の斜視図と、画像取得して検査に必要な構成のブロック図が複合的に記載されている。なお、各図においては、直交座標系の3軸をX、Y、Zとし、XY平面を水平面、Z方向を鉛直方向とする。特にZ方向は矢印の方向を上とし、その逆方向を下と表現する。
【0021】
本発明を具現化する形態の一例に係るウエーハ検査装置A1は、載置テーブルA20と、移動ステージ部A2と、照明部A3と、撮像部A4と、画像処理部A5と、画像取得部A6と、検査部A7と、照明強度調節部A8と、数値演算部A9と、制御部A10を含んで構成されている。さらに、ウエーハ検査装置A1には、必要に応じて、登録部A11,入力部A12,表示部A13などが備えられている。
【0022】
載置テーブルA20は、検査対象となる基板Wを載置するものであり、XY方向に平坦な面をなしている。載置テーブルA20は、検査対象となる基板が載置される部分に溝や細孔が形成されている。さらに当該溝や細孔は、開閉バルブを経由して、真空源や圧空源に接続されている。
【0023】
移動ステージ部A2は、載置テーブルA20をXY平面の任意の位置に移動させるものである。移動ステージ部A2は、X軸ステージ部A21と、Y軸ステージ部A22と、θ軸テーブルA23とを含んで構成されている。X軸ステージ部A21は、装置フレームA18の上に取り付けられており、X方向に延びるガイドレールと、このガイドレール上を所定の速度で移動し、任意の位置で静止することができる、X軸スライダー(不図示)とを備えている。Y軸スライダーA22は、このX軸スライダーの上に取り付けられており、Y方向に延びるガイドレールと、このガイドレール上を所定の速度で移動し、任意の位置で静止することができる、Y軸スライダー(不図示)とを備えている。θ軸テーブルA23は、このY軸スライダー上に取り付けられており、θ軸テーブルA23に取り付けられた載置テーブルA20を、z軸を回転軸とするθ方向に回転させたり静止させたりすることができる。
【0024】
この様な構成をしているため、移動ステージ部A2は、載置テーブルA20をX方向,Y方向,θ方向に独立して或いは複合的に所定の速度で移動・回転させ、任意の位置・角度で静止させることができる。
【0025】
照明部A3は、検査対象となる基板Wに向けて光を照射するものであり、光源部A31を含んで構成されている。光源部A31は、後述する照明強度調節部8と接続されている。そして、光源部A31は、照明強度調節部8から送られる電圧・電流の大小に応じて、基板Wに向けて照射する光の強度が変化する。
【0026】
光源部A31は、鏡筒A40に取り付けられており、光源部A31から放出された光A32は、鏡筒A40に組み込まれたハーフミラーA41で反射され、対物レンズA44aを通過して基板Wに照射される。
【0027】
具体的には、光源部A31は、LEDや蛍光灯、水銀ランプ、メタルハライドランプ、白熱ランプ、レーザダイオードなどが例示でき、後述する撮像部A4の撮像素子A46の受光感度に応じた波長・強度の光を放射するものであれば良い。また、光源部A31は、連続点灯するもの、点滅するもの、外部からの制御信号により適宜発光するもの(いわゆる、ストロボ照明)が例示できる。ここではストロボ照明を用いた例で説明する。
【0028】
当該ストロボ照明は、移動ステージ部A2のX軸スライダーA21やY軸スライダーA22の移動と連携して、所定の送りピッチ毎に発光を繰り返す様に構成される。なお、光源部A31は、鏡筒A40に直接取り付ける形態に限られず、別の場所に設置した光源からライトガイドを用いて導光する形態のものでも良い。
【0029】
撮像部A4は、検査対象となる基板W上のパターンを撮像するものであり、鏡筒A40と、ハーフミラーA41と、対物レンズA44aと、撮像カメラA45とを含んで構成されている。撮像カメラA45は、受光素子A46を含んで構成されており、基板Wに照射された光A35のうち、基板W上の観察領域Vで反射された光A42が、対物レンズA42a、ハーフミラーA41、鏡筒A43を通過して、受光素子A46に照射された画像を、外部に画像データとして出力する。
【0030】
具体的には、撮像カメラA45は、前記ストロボ照明の発光と同時に撮像を行い、撮像した画像の映像信号や画像データを外部へ出力する。このとき、ストロボ照明の発光時間は極めて短いため、移動中に撮像された画像であっても、静止画の様な状態で撮像される。
【0031】
画像処理部A5は、撮像カメラA45から出力された検査対象の画像を取得し、予め設定された手順に則って、いわゆる画像処理を行い、判定や検査を行うものであり、後述の画像取得部A6と検査部A7を含んで構成されている。
【0032】
具体的には、画像処理部A5は、いわゆる画像処理装置と呼ばれる機器(ハードウェア)とその実行プログラム(ソフトウェア)とを用いて構成されている。より具体的には、この画像処理装置は、画像処理機能を有するユニット型の形態のものや、画像処理ボードと呼ばれる基板をパソコンやワークステーションなどに組み込んで使用する形態ものが例示できる。
【0033】
画像取得部A6は、撮像カメラA45の受光素子A46で撮像された基板W上の観察領域Vに含まれるパターンを画像データとして取得するものである。具体的には、画像処理部A5を構成するハードウェアの映像入力ポートや画像データ入力ポートが例示できる。
【0034】
検査部A7は、検査対象となる撮像画像に対して良否判定を行うものである。具体的な撮像画像の良否判定については、種々の形態が例示できる。例えば、撮像画像に対して所定の画像処理を行い、輝度値や分散値、CV値などに基づいて良否判定を行ったり、予め登録された検査基準画像や隣接画像と比較して良否判定を行ったりする形態などが例示できる。
【0035】
照明強度調節部A8は、照明部A3の発光強度を調節するものである。具体的には、照明強度調節部8は、ランプ電源と呼ばれるユニットが例示でき、外部機器(
図1の構成では制御部A10)から送られる制御信号やデータに応じて、照明部A3へ供給する電圧・電流の大きさを調節することができる構成をしている。
【0036】
数値演算部A9は、予め登録されたプログラムや後述する検査条件データに基づいて、接続された各部から送られてくる信号やデータに対して、所定の演算処理を行い、演算処理結果に応じて、接続された各部に対して信号やデータを出力するものである。
【0037】
具体的には、数値演算部A9は、パソコンやワークステーション(ハードウェア)とその実行プログラム(ソフトウェア)とを含んで構成されている。そして、詳細は後述するが、この実行プログラムは、本発明を具現化するために必要な一連のステップ(s11〜s19)が実行できるようにプログラミングされている。
【0038】
制御部A10は、予め登録されたプログラムの動作パターンや後述する検査条件データに基づいて、接続された各部の機器を制御するものである。ここで例示するウエーハ検査装置A1の場合、制御部A10は、移動ステージ部A2、検査部A7、照明強度調節部8、数値演算部A9、登録部A11,入力部A12,表示部A13などと接続されている。
【0039】
具体的には、制御部A10は、パソコンやワークステーションに搭載された制御ボード、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、モーションコントローラなどの制御用機器が例示できる。
【0040】
登録部A11は、検査条件データ、数値演算部A9における演算処理結果、取得画像や画像処理後の画像、各反射部における反射輝度の特性、各種情報、各種データなどを登録するものである。具体的には、登録部A11は、ハードディスク、半導体メモリーなどが例示できる。
【0041】
入力部A12は、ウエーハ検査装置A1の稼働に必要な情報を、作業者が入力するためのものである。具体的には、入力部A12は、キーボード、マウス、タッチパネル、スイッチなどの、文字・数字入力、位置指定、ON/OFF選択などを行う入力用デバイスが例示できる。
【0042】
表示部A13は、ウエーハ検査装置A1の稼働状況、検査結果、ステータス、その他準備・稼働のために必要な情報を、作業者に通知するためのものである。具体的には、表示部A13は、液晶モニタやランプなどの、表示用デバイスが例示できる。なお、上述のウエーハ検査装置A1は、表示部A13に替えて、若しくは表示部A13と併用して、ブザーやスピーカーなどの音声出力部を備えた構成としても良い。
【0043】
ウエーハ検査装置A1は、上記の様な構成をしているので、検査対象となる基板Wを載置した載置テーブルA20を所定の速度で移動させながら連続撮像して、検査対象パターンに対応する画像データを取得することができる。さらに取得した撮像画像に基づく検査を行うことができる。なお、ウエーハ検査装置1Aに用いる、検査条件データの生成については、詳細を後述する。
【0044】
図2は、本発明を具現化に用いる一のウエーハ検査装置の一例を示す概念図である。
図2には、撮像画像に基づく検査を行うと共に検査条件データを生成するために用いるウエーハ検査装置B1の各機器の斜視図と、画像取得して検査に必要な構成のブロック図が複合的に記載されている。
【0045】
本発明を具現化する形態の一例に係るウエーハ検査装置B1は、載置テーブルB20と、移動ステージ部B2と、照明部B3と、撮像部B4と、画像処理部B5と、画像取得部B6と、検査部B7と、照明強度調節部B8と、制御部B9を含んで構成されている。さらに、ウエーハ検査装置B1には、登録部B10,入力部B12,表示部B13などが備えられている。なお、ウエーハ検査装置B1の各構成の詳細については、上述のウエーハ検査装置1Aと同様であるため、説明を省略する。なお、ウエーハ検査装置1Bに用いる、検査条件データの生成については、詳細を後述する。
【0046】
なお、これ以外に、ウエーハ検査装置A1,B1と同様の構成の、ウエーハ検査装置C1があっても良い。この場合、本発明を適用する上では、ウエーハ検査装置C1が一のウエーハ検査装置に対応し、ウエーハ検査装置A1,B1が他のウエーハ検査装置に対応する。
【0047】
(ウエーハと撮像の様子)
図3は、本発明を具現化する形態の一部であるウエーハの一例を示す平面図である。
ウエーハW上には、所定の大きさのチップD(1)〜D(52)が所定の間隔でマトリクス状に配列されている。これらチップD(1)〜D(52)は、成膜、露光、現像、エッチングなどによるパターニング工程が複数回行われて形成される。そのため、配線パターンの材質やその上の成膜の材質、それらの膜厚の違いなどにより、チップ内の部位毎に異なる反射率となる。
【0048】
なお、ここでは説明を簡素にするために、各チップについてはイメージ図で表し、各チップには第1の反射率r1の部位Ws1、第2の反射率r2の部位Ws2、第3の反射率r3の部位Ws3が存在する様子を示す。また、本発明に用いるサンプルは、実際の半導体デバイスの製造工程で製造された内から抜き出されたものであっても良いし、特別に作られた異なる反射率の部位を備えたウエーハ(いわゆる、基準ワーク)であっても良い。なお、本発明に用いるサンプルとしては、少なくとも2水準の異なる反射率r1,r2を備えた部位(Ws1,Ws2)があれば良い。
【0049】
図4は、本発明を具現化する形態の一例における撮像の様子を示す概念図である。
図4には、撮像カメラA45,B45が、ウエーハW上の各チップの内、1番目のチップD(1)〜4番目のチップD(4)を順次撮像していく様子が示されている。撮像カメラA45,B45は、ウエーハWに対して、矢印Vsの方向に相対的に移動している。
図4に示す時刻において、撮像カメラA45,B45は、3番目のチップD(3)を撮像している。さらにこの時、レンズなどの光学部品は図示を省略するが、受光素子46には、当該チップD(3)よりもやや広く設定された観察領域Vの範囲が投影されている。
【0050】
なお、本発明を具現化する上で、上述の様にストロボ撮像する形態に限定されず、撮像部は、ラインセンサを用いて連続的に撮像する形態であっても良い。この場合、照明部は、ストロボ発光する形態ではなく、連続的に光を照射する形態としておく。
【0051】
[検査条件データ生成フロー]
以下に、先に稼働しているウエーハ検査装置A1と、これから稼働しようとするウエーハ検査装置B1とにおける、代表的な検査条件データ生成フローについて説明する。
図5は、本発明を具現化する形態の一例におけるフロー図であり、検査条件データを生成するための一連のフローが、ステップ毎に示されている。ウエーハ検査装置A1,B1は、下記一連の手順が、自動的に或いは作業者が介在して半自動的に行うことができるよう、数値演算部A9,B9、制御部A10,B10などが予めプログラミングされており、必要な各種情報、各種データなどが登録部A11,B11などに予め登録されている。
【0052】
(サンプル準備)
まず、上述のウエーハ検査装置A1とウエーハ検査装置B1とで共通使用するサンプル基板である、上述のウエーハWを準備する(ステップs1)。
つまり、このウエーハWには、第1の反射率r1の部位である第1反射部Ws1と、第2の反射率r2の部位である第2反射部Ws2と、第3の反射率r3の部位である第3反射部Ws3が含まれている。
【0053】
(ウエーハ検査装置A1における反射輝度特性算出)
次に、このウエーハWを、先に稼働しているウエーハ検査装置A1の載置テーブルA20に載置し(ステップs10)、以下の作業を行う。
【0054】
まず、ウエーハWの第1反射部Ws1に向けて、照明光A32を照射する。このとき、照明強度調節部8では、光源部A31に対して第1の明るさ設定値x1に設定しておく。この状態で、第1反射部から反射される光A42の強度を、第1反射部における第1の明るさ設定値x1に対する反射輝度g1として取得する(ステップs11)。
【0055】
次に、照明強度調節部8で、光源部A31に対して第2の明るさ設定値x2に設定し、引き続きウエーハWの第1反射部Ws1に向けて照明光A32を照射する。この状態で、第1反射部から反射される光A42の強度を、第1反射部における第2の明るさ設定値x2に対する反射輝度g2として取得する(ステップs12)。
【0056】
次に、ウエーハWの第2反射部Ws2に向けて、照明光A32を照射する。このとき、照明強度調節部8では、光源部A31に対して第1の明るさ設定値x1に設定しておく。この状態で、第2反射部から反射される光A42の強度を、第2反射部における第1の明るさ設定値x1に対する反射輝度g3として取得する(ステップs13)。
【0057】
次に、照明強度調節部8で、光源部A31に対して第2の明るさ設定値x2に設定し、引き続きウエーハWの第2反射部Ws2に向けて照明光A32を照射する。この状態で、第1反射部から反射される光A42の強度を、第2反射部における第2の明るさ設定値x2に対する反射輝度g2として取得する(ステップs14)。
【0058】
なお、上述のステップs11〜s14は、逐次時系列的に処理を行っても良いが、第1反射部Ws1と第2反射部Ws2に向けて同じ強さの光を同時に照射し、第1反射部Ws1と第2反射部Ws2が撮像カメラA45にて同時に撮像できる場合であれば、以下の順序としても良い。つまり、照明光を第1の明るさ設定値x1に設定して、第1反射部Ws1と第2反射部Ws2へ同時に照射し、各部の反射輝度g1,g3を取得する(ステップs11,s13を実施)。その後、照明光を第2の明るさ設定値x2に設定して、第1反射部Ws1と第2反射部Ws2へ同時に照射し、各部の反射輝度を取得する(ステップs12,s14を実施)。或いは、ステップs12,s14を先に行い、その後にステップs11,s13を行っても良い。
【0059】
次に、第1反射部Ws1における第1の明るさ設定値x1に対する反射輝度g1及び第1反射部Ws1における第2の明るさ設定値x2に対する反射輝度g3に基づいて、第1反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性を算出する(ステップs15)。
同様に、第2反射部Ws1における第1の明るさ設定値x1に対する反射輝度及び前記第2反射部における第2の明るさ設定値に対する反射輝度に基づいて、第2反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性を算出する(ステップs16)。
【0060】
ここで、上述ステップs11〜s14で取得した各部の反射輝度g1,g2,g3,g4、明るさ設定値x1,x2、反射率r1,r2から、反射輝度の特性を導く概念を説明する。
【0061】
図6は、反射率と明るさ設定値毎の反射輝度特性を示す概念図であり、反射率r1の第1反射部Ws1と反射率r2の第2反射部Ws2それぞれについて、明るさ設定値を変化させたときに実際の反射輝度がどの様に変化するか、互いの関係性を図示したものである。
【0062】
例えば、第1反射部Ws1では、明るさ設定値x1,x2のときに、それぞれ輝度g1,g2を通る一次直線で近似する数式(1)で定義することができ、数式(2),(3)の様に表すことができる。
【0066】
つまり、数式(3)は、本発明における「第1反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性」の一類型に相当する。
【0067】
同様に、第2反射部Ws2では、明るさ設定値x1,x2のときに、それぞれ輝度g3,g4を通る一次直線で近似する数式(4)で定義することができ、数式(5),(6)の様に表すことができる。
【0071】
つまり、数式(6)は、本発明における「第2反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性」の一類型に相当する。
【0072】
そして、反射率r1,r2に対する反射輝度特性を図式化すると、
図7の様になる。
図7は、明るさ設定値と反射率毎の反射輝度特性を示す概念図であり、明るさ設定値x1,x2それぞれについて、反射率を変化させたときに実際の反射輝度がどの様に変化するか、互いの関係性を図示したものである。
【0073】
例えば、明るさ設定値x1では、反射率r1,r2のときに、それぞれ輝度g1,g3を通る一次直線で近似する数式(7)で定義することができる。また、明るさ設定値x2では、反射率r1,r2のときに、それぞれ輝度g2,g4を通る一次直線で近似する数式(8)で定義することができる。
【0076】
さらに、任意の明るさ設定値x
nとし、反射率r1,r2のときの反射輝度g
n,g’
nを定義すると、数式(9),(10)の様に表すことができる。また、これら反射率r1,r2のときの反射輝度g
n,g’
nを通る一般式として、任意の反射率rに対する一次直線で近似する数式(11)を定義することができ、数式(12),(13)の様に表すことができる。
【0082】
よって、数式(12),(13)から、数式(14)〜(17)を導くことができる。
【0087】
そのため、既知の反射率r1,r2、取得した反射輝度g1,g2,g3,g4に基づいて、数式(16)(17)、数式(11)を算出することができる。
【0088】
つまり、第1反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性及び第2反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性に基づいて、
任意の明るさ設定値X
nにおける任意の反射率rの検査対象部位に対する反射輝度の特性を算出することができる(ステップs17)。
【0089】
(ウエーハ検査装置B1における反射輝度特性算出)
上述ではウエーハ検査装置A1を用いて行う一連の手順(ステップs10〜s17)を示したが、同様の一連の手順を、ウエーハ検査装置B1を用いて行う(ステップs20〜s27)。
【0090】
(ウエーハ検査装置B1における反射輝度レベル合わせ処理)
次に、ウエーハ検査装置B1を用いて、以下に示す反射輝度レベル合わせ処理を行う(ステップs30)。
つまり、反射輝度レベル合わせ処理では、
ウエーハ検査装置B1で算出した任意の明るさ設定値における任意の反射率の検査対象部位に対する反射輝度の特性及び
ウエーハ検査装置A1で算出した任意の明るさ設定値における任意の反射率の検査対象部位に対する反射輝度の特性に基づいて、
ウエーハ検査装置B1における検査対象部位に対する反射輝度が、ウエーハ検査装置A1における検査対象部位に対する反射輝度と同じになる様に、検査対象部位の反射率の異なる部位毎に反射輝度レベルを合わせる処理が行われる。
【0091】
図8は、本発明を具現化して検査を行う基板の外観イメージ図であり、この基板W1には、検査対象となるチップDb(1)〜Db(52)がパターニングされており、各チップにはそれぞれ、反射率の異なる検査対象部位Wb1〜Wb3が含まれている。実際に検査対象となる基板では、検査対象部位の反射率は多数(つまり、多段階で)存在するが、ここでは簡素に説明を行うため、それぞれ異なる反射率rb1,rb2,rb3の3水準の場合を例示して説明する。
【0092】
図9A,
図9Bは、本発明を具現化するための反射輝度レベル合わせ処理に関する概念図であり、
図8における検査対象部位Wb1(反射率rb1)での反射輝度レベル合わせ処理を、図式化したものである。
【0093】
先に稼働しているウエーハ検査装置A1が、明るさ設定値Xaに設定されており、反射率rの検査対象部位は、反射輝度gaとなる。また、これと同じ検査条件で検査を行うウエーハ検査装置B1が、明るさ設定値Xbに設定されており、反射率rの検査対象部位は、反射輝度gbとなる。
そして、反射率rのときの反射輝度gbから反射輝度gaへと変換する処理を行う。この様な処理を、他の反射率の異なる検査対象部位Wb2(反射率rb2)、Wb3(反射率rb3)についても行う。
【0094】
そうすることで、検査対象部位の反射率の異なる部位毎に、ウエーハ検査装置B1における検査対象部位に対する反射輝度が、ウエーハ検査装置A1における検査対象部位に対する反射輝度と同じになる様に反射輝度レベルを合わせることができる。
【0095】
なお、上述の反射輝度レベルを合わせる処理としては、いわゆるルックアップテーブル処理と呼ばれる手法を適用することができる。この処理は、ある反射率rでの反射輝度ga,gbがそれぞれ対応しており(いわゆる、紐付けされており)、検査対象部位の異なる反射率毎にこれら反射輝度が対応する数値変換テーブルして登録されている。そのため、ウエーハ検査装置B1における反射輝度gbは、即座にウエーハ検査装置A1における反射輝度gaに変換される。
【0096】
これにより、ウエーハ検査装置A1,B1で検査する際に、検査対象部位の反射率の異なる部位毎に反射輝度が異なっていても、ウエーハ検査装置B1を用いて取得した検査対象部位を、ウエーハ検査装置A1を用いて同じ反射輝度で取得した検査対象部位として取り扱うことができる。そのため、異なる装置において異なる明るさ設定値で取得した画像であっても、同じ検査装置において同じ明るさ設定値で検査した場合と同等の検査結果を得ることができる。なお、反射輝度レベル合わせステップは、上記の様なルックアップテーブル処理に限定されず、互いの対応関係を線形関数などで定義し、演算処理により算出できる構成としても良い。
【0097】
なお、ウエーハ検査装置A1,B1には、上述のステップs11〜s30に対応して、各ステップの動作・処理を実行するための手段として、当該動作・処理を行うプログラムが備えられている。そして、ウエーハ検査装置B1には、これらを用いて検査条件データを生成する手段として、検査条件データを生成するためのプログラムが備えられている。
【0098】
なお、上述では説明を簡素化するために、明るさ設定値を2水準(x1,x2)、反射率を2水準(r1,r2)とし、それぞれ反射輝度特性を一次直線で近似させる場合を例示したが、さらに水準数を増やし、二次、三次以上の多項式で近似させても良い。或いは、明るさ設定値や反射率の特性に合わせて、対数近似、累乗近似、指数近似としても良い。
【0099】
この様な構成をしているため、これから稼働させようとするウエーハ検査装置B1は、検査対象部位の反射率がウエーハ毎に異なっても、先に稼働しているウエーハ検査装置A1を用いて検査した場合と同じ明るさで撮像することができる、検査条件データを生成することができる。そして、ウエーハ検査装置B1は、その検査条件データを用いて、ウエーハ検査装置A1と同様の検査結果を得ることができる。
【0100】
そのため、複数のウエーハ検査装置を用いる場合でも、反射率の異なる各検査対象部位について輝度情報に含まれる誤差が少なくし、各検査装置が検査条件データを共有化することができるようになる。
【0101】
[別の形態]
なお、上述のステップs15,s16,s25,s26では、
第1反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性と、第2反射部における任意の明るさ設定値に対する反射輝度の特性を、それぞれ、一次関数で定義し、当該一次関数における傾き成分(いわゆる、比例係数)及び切片成分(いわゆる、オフセット値)を算出する手順を示した。この様にすれば、上述のステップs30における反射輝度レベルを合わせる処理が迅速に行えるため、好ましい形態と言える。
【0102】
そうすることで、これから稼働させようとするウエーハ検査装置B1において、検査条件データの生成が容易になる。
【0103】
さらに、より高精度な反射輝度レベル合わせ処理を行う場合、これら反射輝度の特性を2次関数以上の多次関数や、指数関数、対数関数、その他の数式などで定義しても良い。そして、この様な場合についても、ウエーハ検査装置A1,B1において、これら定義された反射輝度の特性の変数成分や切片成分を算出するために、所定のステップの動作・処理を実行するための手段(つまり、処理プログラム)を備えた構成としておく。
【0104】
そうすることで、これから稼働させようとするウエーハ検査装置B1において、先に稼働しているウエーハ検査装置A1との再現性の高い、検査条件データの生成が可能となる。