(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
画像形成装置と、前記画像形成装置の使用をサポートするサービススタッフにより使用されるスタッフ端末と、管理装置と、が通信可能に接続されたリモートサポートシステムであって、
前記管理装置は、
前記画像形成装置にエラーが発生したときに前記画像形成装置に対して行ったサポートの履歴を示すサポート履歴情報を記憶する記憶部と、
前記画像形成装置および前記スタッフ端末と通信するとともに、前記画像形成装置で発生したエラーの解消に必要なガイダンスを要求するためのガイダンス要求を前記画像形成装置から受信する通信部と、
前記管理装置の制御を行う制御部と、を含み、
前記記憶部は、前記画像形成装置で発生したエラーを解消するために前記画像形成装置と前記スタッフ端末との間で対話形式によりやり取りされた対話パターンを前記画像形成装置に対して行ったサポートの履歴として蓄積し、
前記ガイダンス要求を前記通信部が受信したとき、
前記制御部は、前記ガイダンス要求を発信した前記画像形成装置である要求元装置と前記スタッフ端末との間で過去に行われた対話形式でのサポート時の前記対話パターンを選択肢とする選択画面を前記スタッフ端末に表示させ、
前記スタッフ端末にて選択された前記対話パターンを示すデータが前記スタッフ端末から送信され、前記データを前記通信部が受信したとき、
前記制御部は、前記通信部に指示し、前記スタッフ端末にて選択された前記対話パターンである選択対話パターンをガイダンスとして表示するためのガイダンスデータを前記要求元装置へ送信させることにより、前記選択対話パターンをガイダンスとして前記要求元装置に表示させることを特徴とするリモートサポートシステム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<リモートサポートシステムの概要>
図1に示すように、本実施形態のリモートサポートシステムRSは、管理サーバー100、複合機200およびスタッフ端末300を含む。管理サーバー100、複合機200およびスタッフ端末300の各装置は、インターネットなどのネットワークを介して互いに通信し、各種データの送受信を行う。管理サーバー100は、サポートセンター側の装置であり、「管理装置」に相当する。複合機200は、クライアント側の装置であり、「画像形成装置」に相当する。スタッフ端末300は、複合機200の使用をサポートするサービススタッフが使用する端末であり、スマートフォンやタブレット、ノート型パーソナルコンピューターなどである。なお、リモートサポートシステムRSに含まれる画像形成装置の種類は特に限定されず、たとえば、プリンター装置やファクス装置であってもよい。また、リモートサポートシステムRSに含まれる画像形成装置の設置台数も特に限定されない。
【0013】
管理サーバー100は、複合機200に関する各種情報を管理するサーバーであり、複数台(1台でも可)の複合機200をサポート対象とし、サポート対象の複合機200と通信する。そして、複合機200のユーザーは、自機でエラーが発生すると、管理サーバー100(サポートセンター)に対して、エラーを解消するためのガイダンスを要求することができる。管理サーバー100へのガイダンスの要求は、複合機200から管理サーバー100に対してガイダンス要求を送信することによってなされる。
【0014】
管理サーバー100は、複合機200からガイダンス要求を受信すると、ガイダンス要求を発信した複合機200(以下、要求元装置200と称する場合がある)に関する情報と共に、その要求元装置200からガイダンス要求があった旨をスタッフ端末300に通知する。たとえば、管理サーバー200は、要求元装置200の装置名(スペック)、要求元装置200で発生したエラー内容、および、要求元装置200に対して行ったサポートの履歴などを示す情報をスタッフ端末300に送信する。これにより、サービススタッフによって、要求元装置200に提供すべきガイダンスの検討がなされる。そして、サービススタッフは、要求元装置200にガイダンスを提供するための作業を行う。なお、ガイダンスの提供方法については後述する。
【0015】
<リモートサポートシステムに含まれる各装置の構成>
図2に示すように、管理サーバー100は、管理制御部110、管理表示部120、管理操作部130、管理通信部140および管理記憶部150を備える。管理制御部110は「制御部」に相当し、管理通信部140は「通信部」に相当し、管理記憶部150は「記憶部」に相当する。
【0016】
管理制御部110は、管理サーバー100の全体制御を行う。管理表示部120は、たとえば、サーバー本体に接続される表示装置(LCDなどのディスプレイ)であり、各種画面を表示する。管理操作部130は、サーバー本体に接続される入力装置(ハードウェアキーボードなど)であり、各種入力を受け付ける。たとえば、サービススタッフは、スタッフ端末300を用いず、管理サーバー100に対して直接操作を行うことにより、要求元装置200にガイダンスを提供することもできる。
【0017】
管理通信部140は、管理制御部110により制御され、インターネット通信など各種通信を行う。たとえば、管理通信部140は、外部機器(複合機200やスタッフ端末300)との間で各種データを送受信する。管理記憶部150は、管理サーバー100を制御するためのプログラムやデータを記憶する。
【0018】
複合機200は、
図3に示すように、画像読取部201、印刷部202および操作パネル203を備える。
【0019】
画像読取部201は、原稿を読み取り、原稿の画像データを生成する。たとえば、画像読取部201の読み取りによって得られた原稿の画像データは、後述する複合機制御部210により各種画像処理が施される。そして、その画像データは、ファクシミリデータの基データとなる。あるいは、画像データは、印刷部202による印刷画像の基データとなる。
【0020】
印刷部202は、給紙部21、用紙搬送部22、画像形成部23および定着部24によって構成される。給紙部21は、用紙カセットPCに収容された用紙を用紙搬送路PPに供給する。用紙搬送部22は、用紙搬送路PPに沿って用紙を搬送する。画像形成部23は、感光体ドラム1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写ローラー5およびクリーニング装置6を含む。そして、画像形成部23は、画像データに基づきトナー像を形成し、そのトナー像を用紙に転写する。定着部24は、用紙に転写されたトナー像を加熱および加圧して定着させる。
【0021】
操作パネル203は、タッチパネル付きの表示パネル31を含む。表示パネル31は、各種設定などを受け付けるためのソフトキーやメッセージを表示する。また、操作パネル203には、スタートキー32やテンキー33などのハードキーが設けられる。
【0022】
また、複合機200は、
図4に示すように、複合機制御部210を備える。複合機制御部210は、画像データに対して各種画像処理(拡大/縮小、濃度変換およびデータ形式変換など)を行ったり、画像読取部201の読取動作や印刷部202の印刷動作などを制御したりする。この複合機制御部210には、複合機通信部220が接続される。複合機通信部220は、複合機制御部210により制御され、外部機器(管理サーバー100やスタッフ端末300)との間で各種データの送受信を行う。
【0023】
図2に戻って、スタッフ端末300は、端末制御部310、端末表示部320、端末操作部330、端末通信部340および端末記憶部350を備える。
【0024】
端末制御部310は、スタッフ端末300の全体制御を行う。端末表示部320は、各種画面を表示する。端末操作部330は、各種入力を受け付ける。たとえば、端末制御部310は、端末操作部330への入力操作を検知し、その検知結果に基づき、表示画面の切り替えを端末表示部320に行わせる。
【0025】
端末通信部340は、外部機器(管理サーバー100や複合機200)と通信可能に接続される。そして、端末通信部340は、端末制御部310により制御され、外部機器との間で各種データの送受信を行う。端末記憶部350は、スタッフ端末300を制御するためのプログラムやデータを記憶する。
【0026】
<対話形式でのサポート>
複合機200でエラーが発生すると、
図5に示すようなエラー画面ESが操作パネル203に表示され、複合機200でエラーが発生した旨の報知がなされる。たとえば、エラー画面ESには、複合機200で発生したエラーを解消するための作業手順が示される。これにより、複合機200のユーザーによって、エラーを解消するための作業がなされる。しかし、ユーザーによっては、エラー画面ESに示された作業手順を理解できない場合がある。あるいは、エラー画面ESに示された手順で作業を行っても、エラーが解消されない場合もある。
【0027】
そこで、エラー画面ESには、ヘルプキーHK(ソフトウェアキー)が配置される。ヘルプキーHKは、複合機200で発生したエラーに関するガイダンスの要求指示を受け付けるためのキーである。すなわち、複合機200のユーザーは、ヘルプキーHKに対するタッチ操作を行うことにより、ガイダンスの提供を受けることができる。
【0028】
複合機制御部210は、ヘルプキーHKに対するタッチ操作を検知すると、管理サーバー100へのガイダンス要求の送信を複合機通信部220に行わせる。ガイダンス要求には、要求元装置200の装置名を示す識別情報や、要求元装置200で発生したエラー内容を示すエラー情報などが含まれる。たとえば、エラー情報には、ジャム、用紙切れ、トナー切れ、および、システムエラー(ソフト的なエラー)などエラー種類を示す情報が含まれる。なお、ジャムエラーの場合には、ジャムの発生箇所を示す情報がエラー情報に含まれてもよい。
【0029】
管理サーバー100は、管理通信部140がガイダンス要求を受信すると、ガイダンス要求に含まれる情報に基づき、要求元装置200の装置名や、要求元装置200で発生したエラー内容を認識する。そして、管理サーバー100は、管理通信部140に指示し、ガイダンス要求があった旨をスタッフ端末300に通知させる。
【0030】
このとき、管理通信部140は、要求元装置200の装置名や型式を示す識別情報、要求元装置200に対して過去に行ったサポートの履歴を示すサポート履歴情報、要求元装置200で発生したエラー内容を示すエラー情報などをスタッフ端末300に送信する。たとえば、各情報は、複合機200の装置名と対応付けて管理記憶部150に記憶される。したがって、要求元装置200の装置名を判別することにより、要求元装置200に対応するサポート履歴情報を得ることができる。
【0031】
また、管理サーバー100は、管理通信部140がガイダンス要求を受信すると、管理通信部140に指示し、要求元装置200との間で対話形式のサポートを行うか否かの選択要求をスタッフ端末300に送信させる。この選択要求を受信したスタッフ端末300は、
図6に示すように、要求元装置200に関する各種情報を示す装置情報画面S110を表示する。
【0032】
装置情報画面S110には、要求元装置200の装置名、要求元装置200で発生したエラー内容(エラー種類)、要求元装置200に対して行った過去のサポートの履歴、および、要求元装置200から過去になされたガイダンス要求の回数などが示される。たとえば、サポート履歴には、サポート実行日、サポート実行時に発生していたエラー内容(エラー種類)、および、サポートの実行により問題が解決したか否かが示される。また、ガイダンス要求回数として、要求元装置200からのガイダンス要求の総回数(
図6では回数Aとする)、および、今回発生したエラーと同じエラーの発生に起因するガイダンス要求の回数(
図6では回数Bとする)が示される。なお、これら各項目を示す情報については、管理記憶部150に記憶される。そして、サービススタッフは、装置情報画面S110に示された内容に基づき、要求元装置200に関する各種情報を確認し、提供すべきガイダンスを検討する。
【0033】
ここで、装置情報画面S110には、要求元装置200との間で対話形式のサポートを行うか否かの選択をサービススタッフから受け付けるためのアイコン1aおよび1bが配置される。一方のアイコン1aは、対話形式のサポートを行う旨の指示を受け付けるためのものであり、他方のアイコン1bは、対話形式のサポートを行わない旨の指示を受け付けるためのものである。
【0034】
スタッフ端末300は、装置情報画面S110にてアイコン1aを選択する操作が行われると、対話形式のサポートを行う旨を管理サーバー100に通知する。この通知を受けた管理サーバー100は、
図7に示すような対話画面CS(CS1)を要求元装置200(操作パネル203)に表示させる。また、スタッフ端末300は、
図8に示すような対話画面CS(CS2)を表示する。
【0035】
要求元装置200およびスタッフ端末300は、対話画面CSを表示することにより、互いにリアルタイムコミュニケーションを行うことが可能となる。すなわち、要求元装置200のユーザーは、質問事項を対話画面CS1に入力し、サービススタッフは、要求元装置200のユーザーからの質問に対する回答を対話画面CS2に入力する。これにより、要求元装置200のユーザーとサービススタッフとの間で対話形式でのやり取りが可能となる。たとえば、
図7および
図8に示すように、要求元装置200のユーザーにより入力されたテキストは左寄りに配置され、サービススタッフにより入力されたテキストは右寄りにされる。
【0036】
<対話形式ではないサポート>
複合機200がガイダンス要求を発信しても、サービススタッフによる対話形式のサポートが困難な場合がある。たとえば、所定の複合機200がガイダンス要求を発信したとき、サービススタッフが別の複合機200に対してサポート作業を行っていれば、サービススタッフは所定の複合機200に対して対話形式のサポート作業を行えない。このため、
図6に示したように、スタッフ端末300に表示される装置情報画面S110には、対話形式のサポートを行わない旨の指示をサービススタッフから受け付けるためのアイコン1bが配置される。
【0037】
そして、装置情報画面S110にてアイコン1bを選択する操作が行われると、スタッフ端末300は、対話形式のサポートを行わない旨を管理サーバー100に通知する。この通知を受けた管理サーバー100は、
図9に示すような選択画面S120をスタッフ端末300に表示させる。
【0038】
選択画面S120には、要求元装置200とスタッフ端末300との間で過去に行われた対話形式でのサポート時の対話パターンを選択肢として示した一覧表2aが配置される。たとえば、各対話パターンの表記欄には、対応する対話パターンを一部抜粋したものが表示される。また、対話パターンごとに、サポート実行日などサポートに関する各種情報が示される。なお、選択画面S120内にはキャンセルアイコン2bが配置され、キャンセルアイコン2bに対する操作を行うことにより、装置情報画面S110に戻ることができる。
【0039】
このような選択画面S120を表示するため、管理記憶部150に記憶されるサポート履歴情報は、サポート対象となり得る複数台の複合機200ごとに分類される。また、各複合機200にそれぞれ対応するサポート履歴情報には、対応する複合機200に対するサポート実行日、および、そのサポート実行時に発生していたエラー内容(エラー種類)などを示すデータが含まれる。そして、管理記憶部150は、要求元装置200とスタッフ端末300との間で対話形式によるサポートが実行された場合、要求元装置200の装置名、エラー内容およびサポート実行日に対応付けて、サポートでやり取りされた対話パターンを示す対話データを蓄積していく。
【0040】
選択画面S120の一覧表2aから対話パターンを選択する操作が行われると、スタッフ端末300は、
図10に示すような確認画面S130を表示する。一例として、選択画面S120において一覧表2aの最上段の対話パターンが選択されたものとする。この確認画面S130では、選択画面S120にて選択された対話パターンの全部を確認することができる。また、確認画面S130には、確定アイコン3aおよびキャンセルアイコン3bが配置される。
【0041】
確認画面S130にてキャンセルアイコン3bに対する操作が行われると、スタッフ端末300は、表示画面を確認画面S130から選択画面S120に戻す。そして、スタッフ端末300は、選択画面S120にて対話パターンの選択の受け付けを再度行う。一方で、確認画面S130にて確定アイコン3aに対する操作が行われると、スタッフ端末300は、選択通知を管理サーバー100に送信する。なお、選択通知には、選択画面S120にて選択された対話パターンを示すデータが含まれる。以下、スタッフ端末300にて選択された対話パターンを選択対話パターンと称する場合がる。
【0042】
管理サーバー100は、選択対話パターンを示すデータを管理通信部140が受信すると、管理通信部140に指示し、選択対話パターン(スタッフ端末300にて選択された対話パターン)をガイダンスとして表示するためのガイダンスデータを要求元装置200へ送信させる。そして、要求元装置200(操作パネル203)は、ガイダンスデータを受信すると、
図11に示すように、選択対話パターン(スタッフ端末300にて選択された対話パターン)が示されたガイダンス画面GSを表示する。
【0043】
これにより、サービススタッフは、要求元装置200のユーザーと対話形式でのやり取りを行えなくても、要求元装置200のユーザーに対して、適切なガイダンスを提供することができる。また、要求元装置200のユーザーは、サービススタッフと対話形式でやり取りできなくても、サービススタッフから適切なガイダンスが提供されるので、そのガイダンスに基づき、エラーを解消するための作業を進めることができる。
【0044】
なお、要求元装置200にガイダンス画面GSを提供するとき、個人情報など特定のテキストをガイダンス画面GSから省略してもよい。たとえば、管理サーバー100は、各複合機200のユーザーから、非表示とすべきテキストの登録を予め受け付ける。この登録されたテキストは、管理記憶部150に記憶される。そして、管理サーバー100は、選択対話パターンと登録済みテキストとを比較し、選択対話パターンに登録済みテキストと合致する所定テキストが存在すれば、要求元装置200に選択対話パターンを表示させるときに、選択対話パターンから所定テキストを省略する。
【0045】
また、要求元装置200(操作パネル203)に表示されるガイダンス画面GSには、問題解決キーK1および未解決キーK2が配置される。そして、要求元装置200のユーザーは、問題解決キーK1および未解決キーK2を操作することにより、サービススタッフに対して、提供ガイダンスによってエラー解消に至ったか否かを通知する。なお、エラーの解消に至った場合には、問題解決キーK1に対する操作が行われ、エラーの解消に至らなかった場合には、未解決キーK2に対する操作が行われることになる。なお、要求元装置200(操作パネル203)に表示される対話画面CS(CS1)にも、問題解決キーK1に相当するキーK11および未解決キーK2に相当するキーK12が配置される。
【0046】
エラーの解消に至ったか否かの通知は、管理サーバー100が受信する。そして、エラーの解消に至らなかった場合(エラー未解消通知を要求元装置200から受けた場合)には、管理サーバー100は、装置情報画面S110をスタッフ端末300に再度表示させる。すなわち、スタッフ端末300は、要求元装置200との間で対話形式のサポートを行うか否かの選択をサービススタッフから再度受け付ける。そして、管理サーバー100は、要求元装置200との間で対話形式のサポートを行う旨の通知を受けると、選択画面S120をスタッフ端末300に再度表示させる。このとき、管理サーバー100は、従前の選択対話パターン以外の対話パターンを選択肢として設定する。
【0047】
一方で、エラーの解消に至った場合(エラー解消通知を要求元装置200から受けた場合)には、管理サーバー100は、その旨をスタッフ端末300に通知し、サポート処理を終了する。
【0048】
<推奨対話パターンの選択>
図9に示したように、選択画面S120には、要求元装置200とスタッフ端末300との間で過去に行われた対話形式でのサポート時の対話パターンを選択肢として示した一覧表2aが配置される。しかし、選択画面S120の一覧表2aに多数の選択肢(対話パターン)がリストアップされていると、その一覧表2aからガイダンスとして適切な対話パターンを選択するのに時間がかかる場合がある。
【0049】
このため、管理制御部110は、管理通信部140がガイダンス要求を受信したとき、ガイダンス要求で示されるエラーと同じエラーが要求元装置200で発生したときに行った過去のサポートでの対話パターンを抽出する。そして、管理制御部110は、
図12に示すように、抽出した対話パターンのみを選択肢として示した選択画面S120をスタッフ端末300に表示させる。一例として、要求元装置200で発生したエラーが用紙ジャムであれば、用紙ジャムを解消するために行ったサポート時の対話パターンが抽出され、抽出された対話パターンのみが選択肢として選択画面S120の一覧表2aにリストアップされる。
【0050】
ここで、管理制御部110は、要求元装置200からのエラー解消通知に基づき、対話パターンごとに、エラー解消に至った回数(エラー解消回数)を管理記憶部150に記憶させる。そして、管理制御部110は、選択画面S120をスタッフ端末300に表示させるとき、エラー解消回数が最も多い対話パターンを推奨する旨の情報を選択画面S120内に配置させる。なお、管理制御部110により抽出された対話パターンのうち、直近のサポートでの対話パターンを推奨対話パターンとして設定してもよい。
【0051】
たとえば、スタッフ端末300は、選択画面S120を表示するとき、推奨対話パターンを示す選択肢を一覧表2aの最上欄に配置する。また、推奨対話パターンに対応する欄内に推奨であることを示すテキスト(たとえば、「推奨」)を配置してもよい。あるいは、推奨対話パターンを示す選択肢の表示形態(表示色や表示サイズ、欄内の背景色など)を変えてもよい。また、選択画面S120の一覧表2aに、各対話パターンのエラー解消回数を示す欄を設けてもよい。
【0052】
なお、推奨対話パターンをガイダンスとして提供しても、エラー解消に至らない場合がある。すなわち、要求元装置200からエラー未解消通知を受信する場合がある。この場合、管理制御部110は、ガイダンス要求で示されるエラーと同じエラーが要求元装置200で発生したときに行った過去のサポートでの対話パターンのうちから、従前の推奨対話パターンを除く対話パターンを抽出する。そして、管理制御部110は、抽出した対話パターンのうち、従前の推奨対話パターンの次にエラー解消回数が多い対話パターンを新たな推奨対話パターンとして設定する。あるいは、管理制御部110は、抽出した対話パターン(従前の推奨対話パターンは除かれる)のうち、直近のサポートでの対話パターンを推奨対話パターンとして設定する。
【0053】
<リモートサポートの流れ>
以下、
図13に示すフローチャートを参照して、リモートサポートを行うときの制御の流れを説明する。なお、
図13に示すフローチャートのスタートは、管理サーバー100がガイダンス要求を受信したときである。すなわち、複合機200(要求元装置200)の操作パネル203においてヘルプキーHKに対するタッチ操作が行われたときである。
【0054】
ステップS1において、管理制御部110は、要求元装置200に関する各種情報(装置名、エラー内容およびサポート履歴など)を示す装置情報画面S110をスタッフ端末300に表示させる。これにより、スタッフ端末300では、対話形式のサポートを行うか否かの選択の受け付けが行われる。
【0055】
次に、ステップS2において、管理制御部110は、スタッフ端末300から対話形式のサポートを行う旨の通知が有ったか否かを判断する。その結果、スタッフ端末300から対話形式のサポートを行う旨の通知が有れば、ステップS3に移行する。
【0056】
ステップS3に移行すると、管理制御部110は、要求元装置200に指示し、対話画面CS(CS1)を表示させる。また、管理制御部110は、スタッフ端末300に指示し、対話画面CS(CS2)を表示させる。これにより、要求元装置200(そのユーザー)とスタッフ端末300(サービススタッフ)との間で対話形式でのやり取りが行われる。そして、管理制御部110は、ステップS8の判断を行う。
【0057】
また、ステップS2において、スタッフ端末300から対話形式のサポートを行う旨の通知が無ければ(スタッフ端末300から対話形式のサポートを行わない旨の通知が有れば)、ステップS4に移行する。ステップS4に移行すると、管理制御部110は、選択画面S120を表示するための選択画面データを生成する。
【0058】
具体的には、管理制御部110は、ガイダンス要求で示されるエラーと同じエラーが要求元装置200で発生したときに行った過去のサポートでの対話パターンを抽出する。また、管理制御部110は、抽出した対話パターンのうちから、エラー解消回数が最も多い対話パターンを判別する。そして、管理制御部110は、エラー解消回数が最も多い対話パターンを推奨する旨の情報を配置した選択画面S120をスタッフ端末300に表示させる。すなわち、管理制御部110は、管理通信部140に指示し、選択画面S120を表示するための選択画面データをスタッフ端末300に送信させる。なお、管理制御部110により抽出された対話パターンのうち、直近のサポートでの対話パターンを推奨対話パターンとしてもよい。
【0059】
続いて、ステップS5において、管理制御部110は、スタッフ端末300からの選択通知の有無を判断する。すなわち、管理制御部110は、選択画面S120にて選択された対話パターン(選択対話パターン)を示すデータを受信したか否かを判断する。たとえば、管理制御部110は、選択画面S120を表示するための選択画面データのスタッフ端末300への送信から、予め定められた時間(数秒〜数十秒)が経過してもスタッフ端末300から応答がなければ、スタッフ端末300からは選択通知がなされなかったと判断する。そして、スタッフ端末300からの選択通知が無ければ、ステップS6に移行する。
【0060】
ステップS6に移行すると、管理制御部110は、ガイダンス要求で示されるエラーと同じエラーが要求元装置200で発生したときに行った過去のサポートでの対話パターンを抽出するとともに、抽出した対話パターンのうち、エラー解消回数が最も多い対話パターンを選択対話パターンとして自動的に選択する。なお、管理制御部110により抽出された対話パターンのうち、直近のサポートでの対話パターンが選択対話パターンとして自動的に選択されるようになっていてもよい。その後、ステップS7に移行する。また、ステップS5において、スタッフ端末300からの選択通知が有った場合にも、ステップS7に移行する。
【0061】
ステップS7に移行すると、管理制御部110は、管理通信部140に指示し、選択画面S120にて選択された選択対話パターン、または、自機にて自動選択した選択対話パターンをガイダンスとして表示するためのガイダンスデータを要求元装置200へ送信させる。すなわち、管理制御部110は、選択対話パターンが示されたガイダンス画面GSを要求元装置200に表示させる。
【0062】
その後、ステップS8において、管理制御部110は、要求元装置200で発生したエラーが解消されたか否かを判断する。すなわち、管理制御部110は、要求元装置200からのエラー解消通知を管理通信部140が受信したか否かを判断する。その結果、エラーが解消されていなければ、ステップS1に移行し、エラーが解消されていれば、ステップS9に移行する。
【0063】
ステップS9に移行すると、管理制御部110は、サポート履歴情報を更新する。具体的に、対話形式のサポートが行われ、それによってエラーが解消した場合には、要求元装置200の装置名、エラー内容およびサポート実行日に対応付けて、サポートでやり取りされた対話パターンを示す対話データを管理記憶部150に記憶させる。また、ガイダンス画面GSによるサポートが行われ、それによってエラーが解消した場合には、そのサポートで提供した対話パターンに対応付けられたエラー解消回数をカウントアップする。
【0064】
本実施形態のリモートサポートシステムRSは、上記のように、複合機200(画像形成装置)と、複合機200の使用をサポートするサービススタッフにより使用されるスタッフ端末300と、管理サーバー100(管理装置)と、が通信可能に接続される。管理サーバー100は、複合機200にエラーが発生したときに複合機200に対して行ったサポートの履歴を示すサポート履歴情報を記憶する管理記憶部150(記憶部)と、複合機200およびスタッフ端末300と通信するとともに、複合機200で発生したエラーの解消に必要なガイダンスを要求するためのガイダンス要求を複合機200から受信する管理通信部140(通信部)と、管理サーバー100の制御を行う管理制御部110(制御部)と、を含む。ここで、管理記憶部150は、複合機200で発生したエラーを解消するために複合機200とスタッフ端末300との間で対話形式によりやり取りされた対話パターンを複合機200に対して行ったサポートの履歴として蓄積する。そして、ガイダンス要求を管理通信部140が受信したとき、管理制御部110は、ガイダンス要求を発信した複合機200である要求元装置200とスタッフ端末300との間で過去に行われた対話形式でのサポート時の対話パターンを選択肢とする選択画面S120をスタッフ端末300に表示させる。また、スタッフ端末300にて選択された対話パターンを示すデータがスタッフ端末300から送信され、そのデータを管理通信部140が受信したとき、管理制御部110は、管理通信部140に指示し、スタッフ端末300にて選択された対話パターンである選択対話パターンをガイダンスとして表示するためのガイダンスデータを要求元装置200へ送信させることにより、選択対話パターンをガイダンスとして要求元装置200に表示させる。
【0065】
本実施形態のリモートサポートシステムRSでは、複合機200からのガイダンス要求を管理サーバー100(管理通信部140)が受信したとき、要求元装置200とスタッフ端末300との間で過去に行われた対話形式でのサポート時の対話パターンを選択肢とする選択画面S120がスタッフ端末300に表示される。そして、選択画面S120にて対話パターンを選択すると、選択対話パターンがガイダンスとして要求元装置200に表示される。これにより、或る複合機200(以下、便宜上、第1装置と称する)に対するサポートを行っているときに、別の複合機200(以下、便宜上、第2装置と称する)からガイダンス要求を受けても、第2装置での発生エラーの解消に適した対話パターンを選択画面S120から選ぶだけで、対話形式のサポートと同等のサポートを第2装置に対して行うことができる。すなわち、同時期に複数台の複合機200からサポートの要請がなされた場合であっても、各装置に対するサポート作業を速やかに行うことができる。なお、第2装置のユーザーにとっては、サービススタッフによる第1装置に対するサポートの終了を待たなくても、対話形式のサポートと同等のサポートを受けることができ、利便性が良い。
【0066】
さらに、このサポートシステムRSでは、複合機200で発生したエラーを解消するために複合機200とスタッフ端末300との間で対話形式によりやり取りされた対話パターンが複合機200に対して行ったサポートの履歴として管理サーバー100(管理記憶部150)に蓄積される。そして、要求元装置200には、サービススタッフにより選択された対話パターン(管理サーバー100に蓄積された対話パターン)がガイダンスとして表示される。これにより、複合機200で発生し得るエラーに応じたガイダンスを予め作成しておく必要が無くなる。
【0067】
また、本実施形態では、上記のように、ガイダンス要求には、要求元装置200で発生したエラー内容を示すエラー情報が含まれる。そして、管理制御部110は、管理通信部140がガイダンス要求を受信したとき、ガイダンス要求で示されるエラーと同じエラーが要求元装置200で発生したときに行った対話形式でのサポート時の対話パターンを抽出し、抽出した対話パターンを選択肢とする選択画面S120をスタッフ端末300に表示させる。これにより、選択画面S120にて適切な対話パターンを選択するときに、選択肢が減る(不適切な対話パターンは選択肢とされない)ので、サービススタッフによる対話パターンの選択作業が容易になる。
【0068】
また、本実施形態では、上記のように、管理通信部140は、要求元装置200でエラーが解消されると要求元装置200から通知されるエラー解消通知を受信する。また、管理制御部110は、要求元装置200からのエラー解消通知に基づき、対話パターンごとに、エラー解消に至った回数であるエラー解消回数を管理記憶部150に記憶させる。そして、管理制御部110は、選択画面S120をスタッフ端末300に表示させるとき、エラー解消回数が最も多い対話パターンを推奨する旨の情報を選択画面S120内に配置させる。これにより、容易に、要求元装置200での発生エラーの解消に適した対話パターンを選択することができる。
【0069】
また、本実施形態では、上記のように、管理通信部140は、要求元装置200で発生したエラーが解消されなかったときに要求元装置200から通知されるエラー未解消通知を受信する。また、管理制御部110は、選択対話パターンをガイダンスとして要求元装置200に表示させた後、エラー未解消通知を管理通信部140が受信した場合、選択画面S120をスタッフ端末300に再表示させる。そして、管理制御部110は、選択画面S120をスタッフ端末300に再表示させるとき、従前の選択対話パターン以外の対話パターンを選択肢として設定する。これにより、エラー解消に至らなかったガイダンス(対話パターン)が要求元装置200に繰り返し表示されるのを抑制することができる。
【0070】
また、本実施形態では、上記のように、管理制御部110は、選択画面S120をスタッフ端末300に表示させるための画面データをスタッフ端末300に送信してから、予め定められた時間が経過してもスタッフ端末300から応答がなかったとき、ガイダンス要求で示されるエラーと同じエラーが要求元装置200で発生したときに行った対話形式でのサポート時の対話パターンを抽出し、抽出した対話パターンのうち、エラー解消回数が最も多い対話パターンを選択対話パターンとして自動的に選択する。これにより、サービススタッフによる対話パターンの選択作業がなされなかったとしても、要求元装置200に適切な対話パターンをガイダンスとして表示させることができる。
【0071】
また、本実施形態では、上記のように、管理通信部140は、ガイダンス要求を受信すると、要求元装置200との間で対話形式のサポートを行うか否かの選択要求をスタッフ端末300に送信する。そして、管理制御部110は、管理通信部140がスタッフ端末300から対話形式のサポートを行う旨の通知を受けた場合、対話形式のサポートを行うための対話画面CSの表示を要求元装置200およびスタッフ端末300に指示する一方、管理通信部140がスタッフ端末300から対話形式のサポートを行わない旨の通知を受けた場合、選択画面S120をスタッフ端末300に表示させる。これにより、サービススタッフに時間的な余裕が有れば、要求元装置200に対して対話形式のサポートも行うことができる。
【0072】
また、本実施形態では、上記のように、管理記憶部150は、予め登録された非表示とすべきテキストを記憶する。そして、管理制御部110は、選択対話パターンに登録済みテキストと合致する所定テキストが存在すれば、要求元装置200に選択対話パターンを表示させるときに、選択対話パターンから所定テキストを省略する。これにより、要求元装置200にて個人情報などが漏洩するのを抑制することができる。
【0073】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる