【文献】
F.Huee et al.,Extended ptychography in the transmission electron microscope: Possibilities and limitations,Ultramicroscopy,2011年 2月25日,Vol.111,pp.1117-1123
【文献】
A.M.Maiden et al.,An annealing algorithm to correct positioning errors in ptychography,Ultramicroscopy,2012年 6月13日,Vol.120,pp.64-72
【文献】
Andrew M.Maiden et al.,An improved ptychographical phase retrieval algorithm for diffractive imaging,Ultramicroscopy,2009年 9月,Vol.109 No.10,pp.1256-1262
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記オフセットベクトルは、前記方法の第1の反復時に、前記プローブ位置に適用される、または、前記オフセットベクトルは、前記方法の第2以降の反復時に、前記プローブ位置に初めて適用される、
請求項9に記載の方法。
前記オフセットベクトルは、前記各処理の第1の反復時に、前記プローブ位置に適用される、または、前記オフセットベクトルは、前記各処理の第2以降の反復時に、前記プローブ位置に初めて適用される、
請求項24に記載の装置。
前記オフセットベクトルは、前記各処理の反復が増加するにつれて、前記ベクトルの大きさが減少するように、スケーリング因子に従って、少なくとも部分的に決定される、
請求項18から27のいずれか1項に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係る装置100を示す。本装置は、物体の画像データを提供するのに好適であり、これに限定されるものではないが、物体の少なくともある領域の画像を生成するために使用され得る。
【0031】
放射源は、
図1には示していないが、一つ以上のレンズ等の収束装置(a focusingarrangement)20に当たって対象物30についてのある領域を照らす放射10の源である。放射という用語は、広く解釈すべきであることを理解されたい。放射という用語は、各種の波面を含む。放射には、放射源からのエネルギーが含まれる。これには、電子等の粒子を放射させた、X線を含む電磁波が含まれる。他の種類の放射として、音波等の音響放射が含まれる。このような放射は、波動関数Ψ(r)によって表すことができる。この波動関数は、当業者には明らかなように、実部と虚部を含む。これは、波動関数の絶対値(modulus)と位相とによって表すことができる。Ψ(r)*は、Ψ(r)の複素共役であって、Ψ(r)Ψ(r)*=|Ψ(r)|
2であり、ここで、|Ψ(r)|
2が波動関数に関して測定される強度である。
【0032】
レンズ20は、調査する対象物20についてのある領域が選択されるように構成されているプローブ関数P(r)を形成する。プローブ関数は、分析する物体の出射波の一部を選択する。P(r)は、物体40の平面で計算されるこの波動場の複素定常値(complex stationary value)である。
【0033】
当然のことながら、目標40上への弱収束(又は実際には強収束)の照明ではなく、非収束の放射が、目標後方の開口と共に使用可能である。開口は対象物の後方に配置されているため、これにより、調査のための目標の、ある領域が選択される。開口は、その開口が「サポート」を画定するように、マスク内に形成される。サポートとは、関数がゼロではないところの関数のエリアのことである。言い換えれば、サポートの外側では、関数はゼロとなる。サポートの外側では、マスクは、放射の透過を阻止する。開口という用語は、放射の局所的な透過関数を説明している。これは、0と1との間の絶対値を有する二次元の複素変数によって表される。一例は、透過率が変化する物理的な開口領域を有するマスクである。
【0034】
従って、入射放射は、対象物30の上流側に当たり、また、伝達されるにつれて対象物30によって散乱される。対象物30は、入射放射に対して少なくとも部分的に透明であるべきである。対象物30は、いくつかの繰り返し構造を有していてもよく、有していなくてもよい。また、対象物30は、散乱パターンが反射された放射に基づいて計測される場合には、全体的または部分的に反射するものであってもよい。
【0035】
従って、試料波O(r)は、物体30との相互作用の後、放射線の出射波動関数として形成される。このように、O(r)は、二次元の複素関数(complex function)を表しており、O(r)における各点が複素数と関連しており、ここで、rは二次元座標を示す。O(r)は、平面波によって照らされた物体から発する出射波を物理的に表す。例えば、電子散乱の場合、O(r)は、対象となる物体を通過した結果として入射波に導入される位相および振幅の変化を表すことになる。プローブ関数P(r)(又は透過関数)は、分析する物体の出射波動関数の一部を選択する。当然のことながら、開口を選択するのではなく、透過回折格子やその他のこのようなフィルタ関数を物体関数の下流側に配置してもよい。プローブ関数P(r−R)は、開口が位置Rにある場合の開口透過関数である。プローブ関数は、絶対値および位相によって与えられる複素数を備えた複素関数として表せる。絶対値および位相は、プローブによってそれに入射する完全平面波に導入された、絶対値および位相の変化を表す。また当然のことながら、プローブおよび試料関数の両方は、三次元の複素関数、P(s)およびO(s)であってもよく、P(s)およびO(s)における各点は、複素数と関連しており、sは三次元座標を示す。
【0036】
出射波動関数ψ(r,R)は、それが物体30を出るときの放射の出射波動関数である。この出射波ψ(r,R)は、回折面において回折パターンΨ(u)を形成する。ここで、rは、実空間でのベクトル座標であり、uは、回折空間でのベクトル座標である。
【0037】
当然のことながら、開口が形成された実施形態、及び、開口を有しない実施形態の両方があれば、散乱放射が検出される回折面が試料または物体30に近い方へと移動した場合には、フーリエ回折パターンではなくフレネル回折パターンが検出されるであろう。このような場合、出射波ψ(r,R)から回折パターンΨ(u)への伝播関数は、フーリエ変換ではなくフレネル変換となる。また、当然のことながら、出射波ψ(r,R)から回折パターンΨ(u)への伝播関数は、他の変換を用いてシミュレーションされてもよい。
【0038】
光が照射される、またはプローブされる、対象物30の領域を選択するため、レンズ20または開口は、物体30に対するプローブ関数の動きを可能にするx/y移動ステージ上に搭載されてもよい。当然のことながら、物体30は、レンズまたは開口に対して移動されてもよい。プローブ関数20は、格子状に配置された複数位置の中で、移動ステージによって移動されてもよい。グリッドは、20×20の複数の位置を備えるが、他の数の位置が使用されてもよく、更に、xおよびy方向の両方で、グリッドは、等しい数の位置を含まなくてもよい。所定のオフセット量が、各グリッド位置の場所に導入されてもよい。例えば、グリッド位置のピッチが30μmである場合、オフセット量は±5μmであってもよい。これにより、当業者には明らかなように、「ラスターグリッドパソロジー(raster grid pathology)」に関連する問題を回避するのに有利である。
【0039】
検出器40は、回折パターンを記録することが可能なCCDカメラ等の好適な記録装置である。検出器40により、回折面内の回折パターンの検出が可能となる。検出器40は、例えばCCDにおいて、アレイ状の検出素子を備えてもよい。
【0040】
上記に開示の方法のような方法において、物体および/または放射源、レンズ20、あるいは、開口が、複数の位置の間を移動する。幾つかの実施形態において、複数位置のうちのいくつかは、プローブ関数を、他のプローブ位置のものと少なくとも部分的に重複させる。回折パターンは、各プローブ位置で記録される。なお、プローブ位置が決定される精度は、画像データの精度を制限する可能性があり、その結果、画像データを用いて生成された画像の解像度を制限することになる。この問題は、X線または電子線放射等の比較的短い波長を有する放射に関して特に深刻であるが、本発明は、これらの種の放射の使用に限定されない。このような放射に関して、目標解像度は、50nm未満であってもよく、そのような精度に対して、プローブ位置を正確に決定することは困難である。
【0041】
図2は、本発明の実施形態に係る方法200を示す図である。
図2に示した方法200は、プローブ関数の推定値および物体関数の推定値の両方を同時に、ステップごとに更新する工程を含む。しかし、当然ながら、例えば、本発明の実施形態では、WO2005/106531に開示された方法および装置のように、物体関数のみを更新し、既知のプローブ関数を用いる。更に、本発明の別の実施形態では、既知の物体関数が使用されてもよく、さらに、その方法が、プローブ関数を決定してもよい。また当然ながら、物体関数および/またはプローブ関数は、他の方法によって更新されてもよい。
【0042】
この方法では、J個の回折強度の集合s(j)、又は、検出器40によって記録された回折パターンI
j(u)を利用する。J個の回折パターンの各々は、異なるプローブ位置に関連していてもよい。当該方法の各繰り返しの間、プローブおよび物体関数についての推定値は、検出器40によって測定されるJ個の回折パターンの各々に対して更新される。J個の測定強度のそれぞれを考慮する順番が選択される。順番は、数字の順番、即ち、j=1,2,3…Jであってもよい。この場合、回折パターンs(j)で開始して、s(J)まで進むと、プローブP
1’(r)...P
J’(r)および物体O
1’(r)...O
J’(r)についての更新推定値が生成される(ダッシュは、これらの関数が真のプローブおよび物体関数の推定値であることを示す)。しかし、(一行に各パターンが連続し、かつ各行が連続する)ラスター形式の回折パターンを考慮すると、本方法の間、特にプローブ関数推定値の変動(drifting)に関連した問題を引き起こす可能性がある。従って、幾つかの実施形態では、回折パターンは、ランダムまたは疑似ランダムな順番に考慮されてもよい。しかし、説明の目的で、集合s(j)について連続する順が考慮される。
【0043】
各回折パターンに関し、プローブの位置が記録される。説明された実施形態において、プローブ関数の移動は、物体30の移動によって実現されるものとして説明される。しかし、レンズ20または開口が代替的に移動されて、物体30に対するプローブの場所を変更してもよいことは想定される。J番目の回折パターンに対するプローブの位置はR
jとして示され、ここでR
j=(R
x,j,R
y,j)である。R
x,jおよびR
y,jは、それぞれ、J番目の回折パターンに対して、XおよびY軸におけるプローブの位置である。上述のように、R
jは、少なくとも、ある程度は不正確である可能性があり、そのように想定される。本発明の幾つかの実施形態において、プローブ位置の不正確さについて限界(bounds)を決定することは有用であるが、これはすべての実施形態に対して必要なわけではない。
【0044】
本発明の実施形態において、補正ベクトルは、少なくとも複数のプローブ位置に対して、または、各プローブ位置に対して、決定される。各プローブ位置に対する補正ベクトルは、プローブ関数に対するオフセットベクトルVの試行錯誤の適用に基づいて、決定される。幾つかの実施形態において、J個の各プローブ位置のそれぞれに対する補正ベクトルは、一連のJ個の補正ベクトル(現在の最善の補正(Current Best Correction))CBC
jとして決定される。各補正ベクトルは、それぞれのプローブ位置に関連していてもよい。各補正ベクトルは、関連する誤差メトリック(error metric)に対して決定される。幾つかの実施形態では、一連のJ個の誤差メトリック(現在の最善の誤差)CBE
jが決定される。このことは以下に説明する。
【0045】
本方法の開始時に、第1(k=1)の反復に先立って、初期プローブP
0’(r)201および物体O
0’(r)202の関数が決定される。下付き文字の指数(index)0は、これらの関数が、より厳密に真の関数を表すために本本法によって改良された初期推定値であることを示す。初期のプローブおよび物体の関数201,202は、初期推測値、即ち事前に計算された近似値、およびランダムな分布等の所定の初期値であってもよく、もしくは、他の初期測定値または事前の計算に基づくものであってもよい。関数201、202は、多数の標本点でシミュレーションされ、また、行列で表される。このような行列は、コンピュータまたはその他の処理装置によって格納および操作することができる。適切に、標本点は等間隔であり、矩形状配列を形成する。
【0046】
ステップ203では、初期オフセットベクトルVが決定される。初期オフセットベクトルVは、初期推測値、即ち事前に計算された近似値に基づくもの等の、所定の初期値であってもよく、もしくは、他の初期測定値または事前の計算に基づくものであってもよい。幾つかの実施形態において、初期オフセットベクトルVは、少なくとも部分的に、ランダムまたは疑似ランダムに決定される。初期オフセットベクトルは、幾つかの実施形態において、ランダムに決定されたベクトルV=c(randomx,randomy)である。当然のことながら、決定された用語randomxおよびrandomyは、疑似ランダムの確率変数と、疑似ランダムに値を決定する方法とを包括する。値randomx及びrandomyは、ランダムに分布された数字のプール(a pool of number)から選択されてもよい。幾つかの実施形態において、本方法の性能を改善するために、限界は、ランダムな数字のプール内に配置されてもよく、または、プール内の数字は、何らかの方法で限定されて、その結果、最善のCBC
jを見つける方法が改善されるようにしてもよい。限界は、数字の最大の大きさ(magnitude)であってもよく、数字が正(positive)および負(negative)の両方であってもよいことを想定する。値cは、幾つかの実施形態において、定数であるスケーリング因子値である。しかし、他の実施形態において、cは、本方法の反復が進むにつれて、少なくとも定期的に更新されてもよい。値cは、反復の数が増加するにつれて線形的に、または、段階的に減少するように構成されてもよい。幾つかの実施形態において、cは、本方法のk=1の反復に対して、1に設定されてもよく、kが増加するにつれて0に向けて減らされてもよい。反復の数が増加するにつれてcを減少させるための多様なスキームが想定される。さらに、cは、k=1の反復に対して、1に設定されてもよいが、cは、また、プローブ関数がベクトルVによってオフセットされる第1の反復に対して、1に設定されてもよく、それは、k=1の反復であってもよいし、なくてもよい。幾つかの実施形態において、オフセットベクトルVによるプローブ関数のオフセット、および、補正ベクトルの決定は、本方法を所定の回数の反復した後、例えば、k=100の反復の後のみに始まってもよく、ここで、点cが1に設定されてもよい。しかし、容易に説明するため、実施形態は、第1(k=1)の反復において、プローブ関数を用いてオフセットベクトルVが使用される場合を説明する。
【0047】
ステップ210において、J番目の回折パターンを生成した出射波ψ’
j(r)の推定値は、現在のプローブ201および物体202についての推定値を乗ずることにより決定される。本方法の第1(k=1)の反復に対しては、第1のプローブ位置s(1)に関し、第1の出射波ψ’
1(r)を決定するために、初期物体推定値O’
0(r)には、P
0’(r+R
j+V)を適用した初期オフセットベクトルVを有するプローブ推定値が掛け合わせられる。本方法の以降の反復に対しては、現在の出射波ψ’
j(r)を決定するために、J番目のプローブ位置に対して、プローブおよび物体の関数についての現在選択されている推定値、即ち、P’
j(r+R
j+V)O
j(r)が掛け合わされる。
【0048】
ステップ220では、出射波ψ’
j(r)が検出器40の測定平面に伝播される。伝播は、検出器40の平面で波面の推定値Ψ’
j(u)を生成する。式1に示すように、出射波ψ’
j(r)は、適切な変換Tにより測定平面に伝播される。幾つかの実施形態において、変換Tは、フーリエ変換であってもよいが、別の実施形態では、フレネル自由空間プロパゲータ(Fresnel free space propagator)であってもよい。本方法の特定の用途に適した別の変換が使用されてもよいことが想定されている。
【0050】
ステップ230では、検出器40の平面における波面Ψ’
j(u)の一部が、測定された回折パターンI
s(j)(u)235に基づいて更新される。幾つかの実施形態では、全体、即ち、波面の全領域または範囲が、更新されてもよく、一方、他の実施形態では、波面の一部の範囲のみが更新されてもよい。先行技術文献で説明されているように、Ψ’
j(u)が複素数値であるとき、式2で示すように表される。
【0052】
幾つかの実施形態において、検出器40の平面における波面Ψ’
j(u)は、dM×dNの画素に渡って広がるものと考慮される。ここで、dは定数値であり、例えば、dは4に等しく、中心のM×N画素が検出器40のエリアに対応する。波面のこの中心領域の絶対値は、式3により置換されてもよい。
【0054】
一方、残りの、画素または行列位置の値は、変更させずにおく。即ち、残りの、行列位置または画素の値は、「フロート」(float)状態としておく。他の実施形態において、波面の全体の領域の絶対値は、式3からの絶対値で置換されてもよい。
【0055】
ステップ250において、j番目の回折パターンΨ’
j(u)を生成した波面の修正された推定値は、物体40の平面に戻るよう逆伝播される。逆伝播は、ステップ220で使用された変換を逆にすることにより行なわれる。幾つかの実施形態において、ステップ250で使用された変換は、逆フーリエ変換であるが、先に説明したように他の変換を用いてもよい。逆変換は、式4に従って実行される。
【0057】
ステップ251,252では、プローブおよび物体関数が更新される。この更新は、プローブP’
j+1(r)および物体O’
j+1(r)の改善された推量を提供する。この更新は、援用した文献WO201/064051に記載されるように実行されてもよく、別の任意の方法で行ってもよい。WO201/064051と同様であるが、オフセットベクトルVをまた含み、物体関数が、式5に従って更新され、プローブ関数が、式6に従って更新されてもよい。
【0059】
パラメータαは、物体推量の変化率を調節する。この値が高いと、更新後の物体推量が不安定となりうるので、この値は、0から2の間に調整する。本発明の実施形態によれば、プローブ関数は、物体関数とほとんど同じ方法で再構築される。適切に、プローブ関数推量が、物体推量の更新と同時に実行されるとよい。(当然のことながら、プローブ関数は、必要に応じて、物体関数より頻繁に、または、少ない頻度で、更新されてもよい)。
【0061】
この更新関数の結果は、プローブ関数用の動的推定値を生成する。パラメータβは、プローブ推量の変化率を調節する。この値が高いと、更新後のプローブ推量が不安定となりうるので、この値は、0から2の間に調整する。
【0062】
ステップ220で検出器40の平面へ出射波を伝播した後、ステップ240において、J番目のプローブ位置に関する誤差値Eが決定される。誤差値Eは、出射波と、測定された回折パターンとの差の指標を与える。誤差値は、式7に従って決定されてもよい。ここで、ψ’
jは、変換Tによって変換された測定平面に対する出射波であり、I
jは、検出器40の測定平面において測定された強度である。
【0064】
当然のことながら、検出器40において測定された回折パターンに関し、推定された出射波ψ’
j(r)の精度を示す他の誤差メトリックの式が使用されてもよい。
【0065】
オフセットベクトルが適用される本方法の第1の反復(説明する目的のためk=1とする)において、各補正ベクトル(CBC)は、(0,0)等、所定の値に設定される。プローブ関数をオフセットしない(0,0)のCBCは、それぞれのプローブ位置に対する補正ベクトルがまだ決定されていないことを示す。各CBCに関連した対応する誤差メトリックCBEは、また、所定の初期値に設定してもよい。所定の値は、幾つかの実施形態において、誤差メトリックが本方法の反復によって増加(減少)されてもよいことを示す比較的大きい値である。幾つかの実施形態において、各CBEは、最初は∞に設定されてもよいが、当然のことながら、他の値が選ばれてもよい。従って、一実施形態において、k=1の反復に関し、CBC
j=(0,0)であり、CBE
j=∞である。
【0066】
ステップ241では、現在のプローブ位置に対して決定された誤差メトリックEが、J番目のプローブ位置に対する現在の最善の誤差値を格納するCBE
jと比較される。第1(k=1)の反復において、CBE
j=∞の場合には、決定された誤差メトリックEは常にCBE
jより少ないが、CBE
jの他の初期値を用いた場合には、当然ながら、このことは常に真であるとは限らない。
【0067】
E<CBE
jの場合、ステップ242では、プローブ位置に対する現在の最善の補正ベクトルであるCBC
jが更新される。CBC
jは、プローブ位置に適用されたオフセットベクトルVに基づいて更新される。ステップ242において、補正ベクトルCBC
jは、Vに等しくなるように設定されてもよい。なぜなら、このオフセットベクトルは、誤差Eを改善するために見つけられたからである。ある実施形態における第1(k=1)の反復に対し、CBE
j=∞の初期値を用いると、対応するベクトルCBC
jは、常にVに設定されるが、当然のことながら、このことは、最初に選ばれたCBE
jの値によってきまる。これは、
図3において、J番目のプローブ位置に対して、精度を改善する第1の補正ベクトルCBC
j310を選択するものとして示されている。
【0068】
ステップ243では、関連した誤差CBE
jが、また、決定された誤差値Eに更新される。このように、ステップ241−243の結果、もし、誤差Eが、ベクトルVの使用によって改善された場合には、そのプローブ位置に対する現在の最善の補正ベクトルおよび関連する誤差が更新される。そうでなければ、もし改善がない場合、ベクトルVは破棄される。
【0069】
当然のことながら、ステップ242および243の順番は重要ではなく、これらのステップ242および243は、いずれかの順番で、または、同時に実行されてもよい。
【0070】
ステップ260では、現在の反復に関して、全てのプローブ位置が処理されたかどうかが判断される。言い換えると、幾つかの実施形態において、j=Jかどうかが判断される。現在のプローブ位置が現在の反復の最終プローブ位置でない場合には、次のプローブ位置が選択される。次のプローブ位置は、ステップ270において、j=j+1とすることにより選択される。また、当然のことながら、次のプローブ位置がランダムに選択されてもよい。しかし、現在のプローブ位置が現在の反復に関する最終プローブ位置であれば、本方法は、ステップ280に移動する。
【0071】
ステップ280では、チェック条件を満たすかどうかが判断される。幾つかの実施形態において、チェック条件は、現在の反復番号kが、k=100等のように所定の値であるかどうかを判断するものであり、すなわち、所定回数の反復が行われたかどうかを判断するものである。このチェックは、計算的に簡単であるが、画像データの精度は考慮していない。従って、幾つかの実施形態において、チェック条件は、回折パターンの現在の推定値を、検出器50によって記録されたものと比較する。この比較は、式7のような二乗誤差の和(sum squared error:SSE)を考慮して行ってもよい。
【0073】
本方法は、SSEが、所定の値を下回るような、一つ以上の所定の基準を満たす場合に、終了する。
【0074】
所定の基準が満たされない場合には、その後、本方法は、次の反復(k=k+1)に備えてステップ290に移動する。ここで、プローブ位置はリセットされる。即ち、j=1のように、第1のプローブ位置が再度選択される。
【0075】
ステップ275では、オフセットベクトルVは、考慮される次のプローブ位置に備えて更新され、次のプローブ位置は、次のk+1の反復についての第1のプローブ位置、または、現在の反復についての次のプローブ位置j+1であってもよい。オフセットベクトルは、考慮される次のプローブ位置に対する現在の最善の補正ベクトル(CBC)に基づいて更新され、ステップ270または290において、既に適切に選択されている。オフセットベクトルVは、式8に従って更新されてもよい。
【0077】
cはスケーリング因子であり、また、randomx,randomyはランダムに選択された値であり、初期オフセットベクトルがステップ203において決定されたときと同様に所定の限界の内側にあってもよい。従って、当然ながら、考慮される次のオフセットベクトルVは、それぞれのプローブ位置に対して見つけられた現在の最善の補正ベクトルCBCに、少なくとも部分的に基づいている。更新されたオフセットベクトルVに基づいて、その後、オフセットベクトルについてランダムに決定されたさらなるエレメントが、誤差メトリックEを改善するかどうかが考慮される。このようにして、現在の最善の補正ベクトルは、出射波決定の精度を改善するベクトルに向かって、徐々に道をたどり、改善された、物体および/またはプローブ関数推量に至る。
【0078】
再度
図3を参照すると、本方法の後続の反復において、特定のプローブ位置CBC
jに対する現在の最善の補正ベクトル(CBC)が、最適な補正ベクトルを徐々に求める方法が示されている。補正ベクトルは、第1(k=1)の反復において、上記のように、第1の補正ベクトル310を用いて、更新されてもよい。第1の反復における更新に続いて、補正ベクトルは、本方法の各反復において更新されなくてもよい。ベクトルVの適用が、プローブ位置において、関連する誤差CBE
jを改善しない場合、補正ベクトルCBC
jは当該反復において更新されない。
図3は、一連の補正ベクトル310,320,330,340,350を示す。各補正ベクトルは、本方法の反復が連続的である必要は無いが、それぞれが連続的にプローブ位置決定の精度を改善する。補正ベクトルが、改良された補正ベクトルを徐々に目指して更新される様子、特に、オフセットベクトルVについてのランダムに決定されたエレメントの大きさが徐々に減少されるために、スケーリング値cが、徐々に減少する場合の様子が理解できる。
【0079】
図4は、本発明の実施形態により生成される画像データの解像度の改善を示す。
図4(a)は、解像度テストパターンの画像であり、ここでは、試料の位置が、よく表れている。即ち、低い位置誤差になる既知の位置にある。
図4(b)は、同じデータから再構築された画像であり、ここでは、ランダムな誤差が、測定された試料位置に導入されており、不完全な位置付けの精度を示す。観測されるように、結果として得られる画像は、
図4(a)よりも質が低い。
図4(c)は、本発明の一実施形態を使用して、
図4(b)に存在するこれらの位置誤差を補正した後の画像である。なお、
図4(c)の画像の解像度は、最小の視認できる線特徴によって示されており、
図4(a)に示す最適な結果の解像度と一致しているが、しかしながら、幾つかのさらなるノイズが、
図4(c)に示す画像に残っていてもよい。
【0080】
図5(a)は、タイコグラフィックの実験的な方法によって得られた蜂の後肢の画像を示す。この画像を結果として得る実験を行うために、精度の悪い移動ステージが用いられ、その結果、蜂の肢の右側の画像がない領域に斑点がついたノイズパターンが見られ、脚自体の中の毛等の特徴が明瞭にならないという結果につながった。
図5(b)は、本発明の一実施形態を使用して、同じデータから再構築された画像である。画像がない領域および蜂の肢の構造の両方が、
図5(b)において著しく改善されたことが観測できる。
【0081】
図6(a)は、がたつきの問題を抱えるオプティカルベンチに支持された対象物(ゆりの花粉)を用いて得られた画像データを使用して生成された画像を示す。この実験のオプティカルアライメントは不完全であった。
図6(b)は、本発明の一実施形態による位置補正後、同じ対象物について生成された画像を示し、ここでは、画像の質が改善されたことがわかる。
【0082】
図7を参照すると、乏しくアラインされたシステムと、目立ったがたつきを有する電動の移動ステージとを使用して、オプティカルベンチで実験が行われた。ステージは、10x10の位置のラスタグリッド上を移動するようにプログラムが組まれており、このラスタグリッドは、図において、「測定された位置」の(点線の)プロットを形成するために使用された。光学部品の不完全なアライメントおよび移動ステージのがたつきは、これらの位置において、ePIE法がひどく変形した再構築を生成するような、精度の不正確さ引き起こす。その絶対値が
図6(a)に示されている(再構築の位相の部分が同様に変形している)。同じデータを本発明の一実施形態に入力することによって、図に示す「補正された位置」の(実線の)プロットに示すような補正された移動位置が生成された。これらの位置の分析は、これらの位置が、測定された位置に対して回転されて調整されており、従って、光学部品の不完全なアラインメントから予期される誤差を補正することを示し、また、これらの位置が、ゆがみ(skew)を示し、ステージのがたつきを補正していることを示す。これらの補正された位置が生成する、顕著に改善された再構築が、
図6(b)に示される(絶対値が示される−位相の画像が同様に改善されている)。
【0083】
先に説明した実施形態では、オフセットベクトルVが決定され、それに基づいて、波面へオフセットベクトルを適用した効果が、そのプローブ位置CBC
jに対する現在の最善の補正ベクトルと、比較される。しかし、本発明の幾つかの実施形態では、本方法についての各プローブ位置および反復に対して、一つより多いオフセットベクトルが決定され、それぞれの数の波面が、各オフセットベクトルに基づいて計算される。各反復の間、各プローブ位置に対して一つより多いオフセットベクトルを考慮することにより、本方法は、有利に、正確な現在の最善の補正ベクトルをより速く決定することができる。
【0084】
これらの実施形態において、ステップ203では、複数の初期オフセットベクトルを備える集合が決定される。この集合は、m=1...Mである初期オフセットベクトルV
mを備えてもよい。この集合の各ベクトルは、
図2を参照して先に説明したように決定されてもよい。
【0085】
ステップ210では、出射波の複数の推定値が決定される。推定された出射波は、集合の各オフセットベクトルに対して決定される。従って、M個の出射波は、各プローブ位置に対して、下記の式により決定される。
【0087】
ステップ220では、複数の出射波のそれぞれが検出器40の測定平面に向かって前方に伝播され、先に説明したように、Ψ
j,m’(u)=T[ψ’
j,m(r)]により、検出器40上に入射する波面についてのM個の推定値を提供する。
【0088】
ステップ240において、各Ψ
j,m’(u)の絶対値は、先に説明した式7にあるような、以下の式
と比較され、適用されたそれぞれのベクトルを有する波面と、測定平面における測定された強度との差を各々が示す、誤差Emの集合が提供される。誤差の集合が一旦決定されると、当該集合における最も低い誤差が決定される。E
mの最小値の指数は、nであり、nは下記の数式のとおりである。
【0090】
最も低い誤差Emは、その後、ステップ241に示すように、当該プローブ位置CBE
jに対する現在の最善の誤差と比較され、ステップ242、243において、現在の最善の補正ベクトルであるCBC
jおよび現在の最善の誤差CBE
jが更新されるべきかどうかを決定してもよい。
【0091】
最も低く関連する誤差メトリックを有する波面が一旦決定されると、検出器の平面において推定された波面の一部であって、最も低い誤差を有する部分が、上記ステップ230に示すように、測定された回折パターンに基づいて更新される。
【0092】
このようにして、各反復の間、複数(M個)の潜在的な補正ベクトルが、各プローブ位置に対して考慮され、M個の補正ベクトルのうち最善なものについての結果が、当該プローブ位置に対する現在の最善の補正ベクトルCBCと比較される。この結果、現在の最善の補正ベクトルについての所定レベルの精度について、より早い決定をもたらす。
【0093】
本発明の実施様態において、また、全体的位置付け誤差を補正してもよい。全体的位置付け誤差は、例えば、位置付けステージおよび検出器についての相対的な回転、スケーリング誤差を引き起こす試料―検出器間の距離の不正確な測定、または、データ取得時の線形変動によって起こり得る。この意味では、「全体的(global)」という用語は、全プローブ位置に適用される誤差として理解されるが、各プローブ位置は、また、先に説明したように、当該プローブ位置に特有の「局地的な(local)」誤差であってもよい。
【0094】
本発明のこのような実施形態において、先に説明したオフセットベクトルVは、V
l,jと称し、ここで、下付き文字lは、ベクトルがプローブ位置jに関連する局地的誤差の補正のためのものであることを示す。さらに、補正スカラーC
rおよびC
sのうちのいずれか又はその両方が、導入される。ここで、C
rは回転補正因子であり、C
sはスケーリング補正因子である。先に述べた実施形態にあるように、例えば、k=1の反復等、オフセットベクトルおよび補正因子が導入される第1の反復に対して、オフセットベクトルおよび補正因子は、最初は所定の値に設定される。この値はゼロであってもよい。本方法の結果として、全体的回転およびスケーリングの両方に対する補正を含む一実施形態において、C
rは、全体的回転を補正する角度を表し、この角度はラジアンで格納されてもよく、C
sは、スケーリング因子を示し、V
l,jは、各プローブ位置に対する補正ベクトルである。
【0095】
本発明の実施形態は、各反復の間、単一群の補正ベクトルV
l,jおよび補正因子C
rおよびC
sのみが、各プローブ位置に対して考慮される場合に、想定されてもよい。しかし、説明の目的のために、実施形態では、M個の群のベクトルV
l,jの集合および補正因子C
rおよびC
sが考慮される場合を説明する。組合せられたオフセット(combined offset)、
が、以下の式によって試行錯誤によって決定される。
【0097】
先の実施形態との比較のため、オフセットベクトルV=c(randomx,randomy)であることを思い出されたい。上記式において、c
lは、先に説明したオフセット値cであり、Δ
l,mは、2つのランダムな数字のベクトル(randoxm,randomy)である。c
lΔ
l,mは、例えば、±1の範囲のように、所定の範囲内の値を有してもよい。変数c
l,c
r,およびc
sは、スケーリング値であり、先に説明したように、本方法の反復が進行するにつれて、線形的に、または、段階的に、減少されてもよい。スケーリング値は、独自に、即ち、異なる数の反復、および/または、比率に従って、小さい値、または、ゼロ値になるように減少してもよい。幾つかの実施形態において、ベクトルR
jは、0に等しい平均のxおよびy値を有する。もし、位置グリッドが、別の値を中心にする場合、回転およびスケーリングは、物体およびプローブ関数を不必要に表す行列の寸法を増加させる大きな全体的移動になってもよい。このように、組み合わせられたオフセット
は、局地的プローブ位置誤差、全体的回転、および全体的スケーリングに対する補正を含む。
【0098】
したがって、M個の波面は、下記に従って計算される。
【0100】
本方法は、先に述べたように進行して、最も低い誤差を有するM個のオフセットの集団についての組み合わせられたオフセット
を見つける。もし、誤差が、そのプローブ位置に対する現在の最善の補正ベクトルCBC
jよりも低い場合には、ステップ242において、CBC
jと全体的スカラーC
rおよびC
sとが、次のように更新される。
【0102】
本発明の実施形態は、全体的変動等の他の全体的誤差に対する補正因子を決定するものが想定されてもよい。これらの実施形態において、さらに、C
d等のスカラーは、組み合わせられたオフセット
の、例えば、下記の式に従った計算に含まれてもよい。
【0104】
上記の数式における因子J/2は、変動が、物体およびプローブ関数を不必要に表す行列の寸法を増加させる大きな全体的移動を導入しないことを保証する。幾つかの実施形態において、J/2という用語は、省略されてもよく、または、異なる値であってもよい。
【0105】
図8は、本発明の実施形態による、位置誤差の補正を示す。
【0106】
図8(a)は、先行技術のePIEの実施形態の性能を示し、
図8(a)では回折パターン誤差として示され、局地的位置誤差のみが補正される実施形態と、全体的回転およびスケーリングも補正される実施形態とに対するものである。理解できるように、局地的位置誤差のみの補正によって、先行技術のePIE法が改善され、一方、回転およびスケーリングに対する追加の補正がさらに改善する。
【0107】
性能は、本方法の500の反復にわたって、プロットされている。局地的誤差のみの補正は、先行技術のePIE法に対して、約20−25%、誤差レベルを減少させる。急上昇および急下降している箇所によって示される、局地的および全体的誤差の両方の補正に関連する誤差は、最初に増加し、50の反復の後、一旦、誤差補正が導入されると、250の反復の後にC
rおよびC
sの値が0に減るまで、後に、誤差レベルの大きな変動が続くことが観測される。誤差レベルの変動は、本発明の実施形態に有益である。なぜなら、アルゴリズムの収束は、局地的最小値をエスケープすることができ、全体的誤差を補正することができるからである。
【0108】
図8(b)は、局地的および全体的位置補正の両方を含む本発明の一実施形態の複数の運転(オペレーション)についての性能を示す。10回の運転に関し、各運転では、100の位置のそれぞれに対する10の補正ベクトルを計算し、プロットは、これらの10組の補正とそれらの平均値とを比較し、10回の運転のそれぞれに対して、同じ位置が、60nm(0.04ピクセル)内に判定されることを示す。
【0109】
図8(c)は、プローブ位置になされる補正についてのグラフを示し、回転、スケーリング、および、がたつきの誤差がどのように補正されるかを示す。がたつきは、例えば、左から右へ又は上から下へのような、移動ステージの方向の変化が原因である位置付け誤差である。
【0110】
図9は、本発明の実施形態に係る装置700を示す。装置700は、物体の画像データを決定するために配置される。画像データは、幾つかの実施形態において、物体の可視画像を生成するために使用される。可視画像は、例えば、表示装置に出力される。
【0111】
装置700は、装置に当たる放射の強度を検出するための検出器710を備える。検出器710は、
図1に示される検出器50に相当し、対象物によって散乱された放射によって形成される回折パターンを記録するよう構成される。検出器は、複数の検出素子を備えてもよく、各検出素子は、検出素子に当たった放射の強度を示す信号を出力可能である。検出器は、CCD装置、または同等のものである。検出器710は、処理ユニット720と通信可能に連結しており、処理ユニット720は、検出器710によって検出された放射の強度に基づいて画像データを決定するよう構成される。処理ユニット720は、メモリ730とCPU等のデータ処理装置740とを備える。
図7には、一つのメモリを備える処理ユニット720を示しているが、処理ユニット720は二つ以上のメモリを備えてもよい。さらに、一つのデータ処理装置を備えるものとして図示されているが、処理ユニット720は、一つより多くのデータ処理装置740を備えてもよく、各データ処理装置は、一つ以上の処理コアを備える。メモリ730は、複数のプローブ位置に対応する測定された放射強度データI
s(j)(u)を格納するよう構成されてもよい。データ処理装置740が、
図2に示され、かつ、先に述べたような、本発明の実施形態に係る方法を実現してもよい。データ処理装置は、決定した画像データをメモリ730に格納する。
【0112】
当然のことながら、本願発明の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせの形態において実現され得る。かかるソフトウェアのいずれもが、消去可能であるか若しくは書き換え可能であるかにかかわらず、例えば、ROM等の記憶装置等の揮発性または不揮発性の記憶装置の形態で記憶されるか、例えば、RAM、メモリチップ、デバイス、または集積回路等のメモリの形態で記憶されるか、または、例えば、CD、DVD、磁気ディスク、若しくは磁気テープ等の光学または磁気可読媒体に記憶される。当然のことながら、記憶装置および記憶媒体は、実行された時、本発明の実施形態を実現するプログラムまたは複数のプログラムを記憶するのに適した機械可読記憶装置の実施形態である。従って、実施形態は、先のいずれかの請求項に記載されたシステムまたは方法を実現するコードを含むプログラムと、そのようなプログラムを記憶する機械読込可能な記憶装置とを提供する。さらに、本発明の実施形態は、有線または無線接続で伝達される通信信号等の任意の媒体を介して電子的に伝達され、実施形態はこれを適切に包含し得る。
【0113】
(添付した特許請求の範囲、要約、および図面のすべてを含む)本明細書で開示された特徴のすべて、および/または、開示された任意の方法又は処理のステップのすべては、そのような特徴および/またはステップのうち少なくともいくつかが互いに排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わされ得る。
【0114】
(添付した特許請求の範囲、要約、および図面のすべてを含む)本明細書で開示された各々の特徴は、特に明記しない限り、同一、同等、または類似の目的に有益である代替的特徴によって置換されてもよい。従って、特に明記しない限り、開示された各特徴は、包括的な一連の均等または類似の特徴の一例である。
【0115】
本発明は、前述のいかなる実施形態の詳細にも限定されない。本発明は、(添付した特許請求の範囲、要約、および図面のすべてを含む)本明細書で開示された特徴の任意の新規なもの、または任意の新規な組合せ、もしくは、開示された任意の方法および処理のステップの、任意の新規なもの、または任意の新規な組合せに及ぶ。特許請求の範囲は、上記の実施形態のみに及ぶだけでなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内の任意の実施形態にも及ぶものと、解釈されるべきである。