(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1から6までのいずれか1項に記載の化合物を含む、喘息およびアレルギー性疾患、炎症性胃腸疾患、好酸球性疾患、慢性閉塞性肺疾患、病原性微生物による感染症、リウマチ様関節炎、ならびにアテローム性動脈硬化症を治療するための薬剤。
請求項1から6までのいずれか1項に記載の化合物に加えて、β模倣薬、抗コリン薬、コルチコステロイド、PDE4阻害剤、LTD4拮抗剤、EGFR阻害剤、CRTH2阻害剤、5−LO阻害剤、ヒスタミン受容体拮抗剤、CCR9拮抗剤およびSYK阻害剤、NE阻害剤、MMP9阻害剤、MMP12阻害剤、さらには2種または3種の有効物質の組合せからなる群から選択される薬学上有効な化合物を含む医薬組成物。
DPPIの活性阻害剤が治療上の効用を有する非ヒト動物の疾患の治療または予防方法であって、それを必要とする前記非ヒト動物に、治療または予防有効量の請求項1から6までのいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
DPPIの活性阻害剤が治療上の効用を有する疾患の治療または予防用薬剤の製造のための、治療または予防有効量の請求項1から6までのいずれか1項に記載の化合物の使用。
【発明を実施するための形態】
【0007】
式Iの化合物またはその塩。
【化1】
[式中、
nは、0、1、2、3または4であり、
R
1は、C
1−6−アルキル−、ハロゲン、HO−、C
1−6−アルキル−O−、H
2N−、C
1−6−アルキル−HN−、(C
1−6−アルキル)
2N−、C
1−6−アルキル−C(O)HN−であり、
R
2は、H、ハロゲン、または
・それぞれ、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいC
1−6−アルキル−、C
2−6−アルケニル−、C
2−6−アルキニル−、C
3−6−シクロアルキル−、またはC
3−6−シクロアルケニル−、
・1つまたは2つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよい単環式C
5−7−ヘテロシクリル−、
・1つ、2つ、3つまたは4つ、好ましくは1つまたは2つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよい二環式C
8−10−ヘテロシクリル−、
・1つ、2つ、3つまたは4つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が芳香族性である、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいC
5−10−ヘテロアリール−、
・互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいアリール−、好ましくはフェニル−、
・互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいアリール−(O)C−HN−、好ましくはフェニル−(O)C−HN−、からなる群から選択され、
【0008】
R
2.1は、ハロゲン、C
1−6−アルキル−、C
3−6−シクロアルキル−、HO−、O=、C
1−6−アルキル−O−、C
1−6−アルキル−(O)C−、C
1−6−アルキル−O(O)C−、C
1−6−アルキル−HN−、(C
1−6−アルキル)
2N−、C
1−6−アルキル−S−、C
1−6−アルキル−(O)S−、C
1−6−アルキル−(O)
2S−、C
1−6−アルキル−(O)
2SO−、(C
1−6−アルキル)
2N(O)C−、C
1−6−アルキル−HN(O)C−、C
1−6−アルキル−(O)CHN−、C
1−6−アルキル−(O)C(C
1−6−アルキル)N−、C
3−6−シクロアルキル−HN−、C
3−6−シクロアルキル−(O)C−、HO−C
1−6−アルキル−、MeO−C
1−6−アルキル−、NC−、(C
1−6−アルキル)
2N(O)
2S−、C
1−6−アルキル−HN(O)
2S−、(C
1−6−アルキル)
2(HO)C−またはR
2.1.1−、R
2.1.1−C
1−6−アルキル−O(O)C−、R
2.1.1−C
1−6−アルキルであり、
R
2.1.1は、それぞれ1つ、2つまたは3つのハロゲン、HO−、NC−、C
1−6−アルキル−、C
1−6−アルキル−O−で置換されていてもよいC
3−6−シクロアルキル−、フェニル−、ナフチル−、C
5−10−ヘテロアリール−、または二環式C
8−10−ヘテロシクリルである]
【0009】
好ましい実施形態
好ましいのは、式中の、
R
2が、H、ハロゲン、または
・それぞれ、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいC
1−6−アルキル−、C
2−6−アルケニル−、C
2−6−アルキニル−、C
3−6−シクロアルキル−、またはC
3−6−シクロアルケニル−、
・1つまたは2つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよい単環式C
5−7−ヘテロシクリル−、
・1つ、2つ、3つまたは4つ、好ましくは1つまたは2つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよい二環式C
8−10−ヘテロシクリル−、
【0010】
・1つ、2つまたは3つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が芳香族性である、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいC
5−10−ヘテロアリール−、
・互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいアリール−、好ましくはフェニル−、
・互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいアリール−(O)C−HN−、好ましくはフェニル−(O)C−HN−、からなる群から選択され、
R
2.1が、ハロゲン、C
1−6−アルキル−、C
3−6−シクロアルキル−、O=、C
1−6−アルキル−O−、C
1−6−アルキル−(O)C−、C
1−6−アルキル−O(O)C−、C
1−6−アルキル−HN−、C
1−6−アルキル−S−、C
1−6−アルキル−(O)S−、C
1−6−アルキル−(O)
2S−、C
1−6−アルキル−(O)
2SO−、(C
1−6−アルキル)
2N(O)C−、C
1−6−アルキル−HN(O)C−、C
3−6−シクロアルキル−HN−、C
3−6−シクロアルキル−(O)C−、MeO−C
1−6−アルキル−、NC−、(C
1−6−アルキル)
2N(O)
2S−、C
1−6−アルキル−HN(O)
2S−、(C
1−6−アルキル)
2(HO)C−またはR
2.1.1−、R
2.1.1−C
1−6−アルキル−O(O)C−、R
2.1.1−C
1−6−アルキル−であり、
【0011】
R
2.1.1が、それぞれ1つ、2つまたは3つのハロゲン、HO−、NC−、C
1−6−アルキル−、C
1−6−アルキル−O−で置換されていてもよいフェニル−、ピリジニル−、C
3−6−シクロアルキル−である、前記の式Iの化合物またはその塩である。
【0012】
好ましいのは、式中の、
nが、0、1、2、3または4であり、
R
1が、C
1−4−アルキル−、F−、HO−、C
1−4−アルキル−O−、C
1−4−アルキル−HN−、(C
1−4−アルキル)
2N−であり、
R
2が、ハロゲン、C
1−6−アルキル−、C
2−6−アルケニル−、C
3−6−シクロアルキル−、C
3−6−シクロアルケニル−、または
・1つまたは2つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよい単環式C
5−7−ヘテロシクリル−、
・1つ、2つ、3つまたは4つ、好ましくは1つまたは2つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されており、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよい二環式C
8−10−ヘテロシクリル−、
・1つ、2つまたは3つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が芳香族性であり、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいC
5−10−ヘテロアリール−、
・互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいアリール−、好ましくはフェニル−、
・互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいアリール−(O)C−HN−、好ましくはフェニル−(O)C−HN−、からなる群から選択される環系からなる群から選択され、
【0013】
R
2.1が、ハロゲン、C
1−4−アルキル−、C
3−6−シクロアルキル−、O=、C
1−4−アルキル−O−、C
1−4−アルキル−(O)C−、C
1−4−アルキル−O(O)C−、C
1−4−アルキル−HN−、C
1−4−アルキル−S−、C
1−4−アルキル−(O)S−、C
1−4−アルキル−(O)
2S−、C
1−4−アルキル−(O)
2SO−、(C
1−4−アルキル)
2N(O)C−、C
1−4−アルキル−HN(O)C−、C
3−6−シクロアルキル−HN−、C
3−6−シクロアルキル−(O)C−、MeO−C
1−4−アルキル−、NC−、(C
1−4−アルキル)
2N(O)
2S−、C
1−4−アルキル−HN(O)
2S−、(C
1−4−アルキル)
2(HO)C−またはR
2.1.1−、R
2.1.1−C
1−4−アルキル−O(O)C−、R
2.1.1−C
1−4−アルキル−であり、
R
2.1.1が、それぞれ1つ、2つまたは3つのハロゲン、HO−、NC−、C
1−4−アルキル−、C
1−4−アルキル−O−で置換されていてもよいフェニル−、ピリジニル−、C
3−6−シクロアルキル−である、前記の式Iの化合物またはその塩である。
【0014】
好ましいのは、式中の、
nが、0、1、2、3または4であり、
R
1が、Me−、F−、HO−、MeO−、H
2N−であり、
R
2が、ハロゲン、C
1−6−アルキル−、C
2−6−アルケニル−、C
3−6−シクロアルキル−、C
3−6−シクロアルケニル−、または
・1つまたは2つの炭素原子が、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、互いに独立に、1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよい単環式C
5−7−ヘテロシクリル−、
・1つ、2つ、3つまたは4つ、好ましくは1つまたは2つの炭素原子が、−S−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、互いに独立に、1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよい二環式C
8−10−ヘテロシクリル−、
・1つ、2つまたは3つの炭素原子が、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が芳香族性である、互いに独立に、1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいC
5−10−ヘテロアリール−、
・互いに独立に、1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいアリール−、好ましくはフェニル−、
・互いに独立に、1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいアリール−(O)C−HN−、好ましくはフェニル−(O)C−HN−、からなる群から選択される環系からなる群から選択され、
【0015】
R
2.1が、ハロゲン、C
1−4−アルキル−、C
3−6−シクロアルキル−、O=、C
1−4−アルキル−O)C−、C
1−4−アルキル−(O)
2S−、C
1−4−アルキル−(O)
2SO−、(C
1−4−アルキル)
2N(O)C−、C
1−4−アルキル−HN(O)C−、C
3−6−シクロアルキル−(O)C−、フェニル−C
1−4−アルキル−、MeO−C
1−4−アルキル−、NC−、(C
1−4−アルキル)
2N(O)
2S−、C
1−4−アルキル−HN(O)
2S−、(C
1−4−アルキル)
2(HO)C−、またはC
1−4−アルキル−O−で置換されていてもよいフェニル−である、前記の式Iの化合物またはその塩である。
【0016】
好ましいのは、式中の、
nが、0、1、2または3であり、
R
1が、F−、HO−であり、
R
2が、ハロゲン、C
1−6−アルキル−、C
2−6−アルケニル−、C
3−6−シクロアルキル−、C
3−6−シクロアルケニル−、または
・1つまたは2つの炭素原子が、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、互いに独立に、1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよい単環式C
5−7−ヘテロシクリル−、
・1つ、2つ、3つまたは4つ、好ましくは1つまたは2つの炭素原子が、−S−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、互いに独立に、1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよい二環式C
8−10−ヘテロシクリル−、
・互いに独立に、1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいアリール−、好ましくはフェニル−、
・1つ、2つまたは3つの炭素原子が、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が芳香族性である、互いに独立に、1つまたは2つのR
2.1で置換されていてもよいC
5−10−ヘテロアリール−、からなる群から選択される環系からなる群から選択され、
【0017】
R
2.1が、Me−、F
2HC−H
2C−、O=、Me(O)C−、Et(O)C−、iPr(O)C−、nPr(O)C−、Me(O)
2S−、Et(O)
2S−、iPr(O)
2S−、Me(O)
2SO−、Me
2N(O)C−、EtHN(O)C−、iPrHN(O)C−、シクロプロピル−(O)C−、フェニル−H
2C−、MeO(CH
2)
3−、NC−、F−、Me
2N(O)
2S−、MeHN(O)
2S−、MeOH
2C−、Me
2(HO)C−、シクロプロピル−、またはMeO−で置換されていてもよいフェニル−である、前記の式Iの化合物またはその塩である。
【0018】
好ましいのは、式中の、
nが、0、1、2または3であり、
R
1が、F−、HO−であり、
R
2が、ハロゲン、C
1−4−アルキル−、C
2−4−アルケニル−、C
3−6−シクロアルキル−、C
3−6−シクロアルケニル−、または
・1つまたは2つの炭素原子が、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、Me−、F
2H−CH
2C−、O=、Me(O)C−、Et(O)C−、iPr(O)C−、nPr(O)C−、Me(O)
2S−、Et(O)
2S−、iPr(O)
2S−、Me
2N(O)C−、EtHN(O)C−、iPrHN(O)C−、シクロプロピル−(O)C−、フェニル−H
2C−からなる群から互いに独立に選択される1つまたは2つの残基で置換されていてもよい単環式C
5−7−ヘテロシクリル−、
・1つ、2つ、3つまたは4つ、好ましくは1つまたは2つの炭素原子が、−S−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、Me−、O=、MeO(CH
2)
3−からなる群から互いに独立に選択される1つまたは2つの残基で置換されていてもよい二環式C
8−10−ヘテロシクリル−、
・NC−、F−、Me(O)
2S−、Et(O)
2S−、Me(O)
2SO−、Me
2N(O)
2S−、MeHN(O)
2S−からなる群から互いに独立に選択される1つまたは2つの残基で置換されていてもよいフェニル−、
・それぞれNC−、MeOH
2C−、Me
2(HO)C−、シクロプロピル−、もしくはMeO−で置換されていてもよいフェニル−からなる群から互いに独立に選択される1つまたは2つの残基で置換されていてもよいピリジニル、オキサゾリル、または1,2,3−トリアゾール−、からなる群から選択される、前記の式Iの化合物またはその塩である。
【0019】
好ましいのは、式中の、
nが、0、1、2または3であり、
R
1が、F−、HO−であり、
R
2が、それぞれ、Me−、F
2HC−H
2C−、O=、Me(O)C−、Et(O)C−、iPr(O)C−、nPr(O)C−、Me(O)
2S−、Et(O)
2S−、iPr(O)
2S−、Me
2N(O)C−、EtHN(O)C−、iPrHN(O)C−、シクロプロピル−(O)C−、フェニル−H
2C−からなる群から互いに独立に選択される1つまたは2つの残基で置換されていてもよいエチル−、エテニル−、i−プロペニル−、2−メチル−n−プロピル−、2−メチル−n−1−プロペニル−、シクロヘキシル−、シクロヘキセニル−、I−、テトラヒドロ−ピラニル−、3−6−ジヒドロ−ピラニル−、オクタヒドロ−ピロロ[1,2a]ピラジニル−、ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2a]ピラジン−6−オニル−、4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[3,2c]ピリジニル−または
・ピペリジニル−、ピペラジニル−、1,4−ジアゼパニル−、テトラヒドロピラニル−、テトラヒドロフラニル−、ジオキサニル−、モルホリニル−、チオモルホリニル−、1,1−ジオキソ−1λ
6−チオモルホリニル−、ピロリジニル−;好ましくはピペリジニル−、ピペラジニル−、1,4−ジアゼパニル−、
【0020】
・それぞれMe−、MeO(CH
2)
3−からなる群から互いに独立に選択される1つ、2つ、3つまたは4つの残基で置換されていてもよいインドリル−、インダゾリル−、キノリニル−、イソキノリニル−、イソキノロニル−、キノロニル−、インドリン−2−オニル−、イソインドリン−1−オニル−、イサチニル−、ベンゾオキサゾール−2−オニル−;ピロリジノピラジノニル−、ピロリジノピラジニル−、テトラヒドロチエノピリジニル−好ましくはインドール−2−オニル−、イソインドール−1−オニル−、ベンゾオキサゾール−2−オニル、ピロリジノピラジノニル−、ピロリジノピラジニル−、テトラヒドロチエノピリジニル−、
・NC−、F−、Me(O)
2S−、Et(O)
2S−、Me(O)
2SO−、Me
2N(O)
2S−、MeHN(O)
2S−からなる群から互いに独立に選択される1つまたは2つの残基で置換されていてもよいフェニル−、
・それぞれNC−、MeOH
2C−、Me
2(HO)C−、シクロプロピル−、またはMeO−で置換されていてもよいフェニル−からなる群から互いに独立に選択される1つまたは2つの残基で置換されていてもよいピロリル−、ピラゾリル−、イミダゾリル−、イソオキサゾリル−、ピラジニル−、ピルジニル−、トリアゾリル−、オキサゾリル−、チアゾリル−、オキサジアゾリル−、チアジアゾリル−;好ましくはピルジニル、1、2、3−トリアゾリル−、オキサゾリル−;好ましくはピルジニルまたは1、2、3−トリアゾリル−、からなる群から選択される、前記の式Iの化合物またはその塩である。
【0021】
好ましいのは、式中の、
nが、0、1、2または3であり、
R
1が、F−、HO−であり、
R
2が、エチル−、エテニル−、i−プロペニル−、2−メチル−n−プロピル−、2−メチル−n−1−プロペニル−、シクロヘキシル−、シクロヘキセニル−、I−、テトラヒドロ−ピラニル−、3−6−ジヒドロ−ピラニル−、オクタヒドロ−ピロロ[1,2a]ピラジニル−、ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2a]ピラジン−6−オニル−、4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[3,2c]ピリジニル−または
・それぞれ、Me−、F
2HC−H
2C−、O=、Me(O)C−、Et(O)C−、iPr(O)C−、nPr(O)C−、Me(O)
2S−、Et(O)
2S−、iPr(O)
2S−、Me
2N(O)C−、EtHN(O)C−、iPrHN(O)C−、シクロプロピル−(O)C−、フェニル−H
2C−からなる群から互いに独立に選択される1つまたは2つの残基で置換されていてもよいピペリジニル−、ピペラジニル−、1,4−ジアゼパニル−、
【0022】
・それぞれ、Me−、MeO(CH
2)
3−からなる群から互いに独立に選択される1つまたは2つの残基で置換されていてもよいインドール−2−オニル−、イソインドール−1−オニル−、ベンゾオキサゾール−2−オニル−、
・NC−、F−、Me(O)
2S−、Et(O)
2S−、Me(O)
2SO−、Me
2N(O)
2S−、MeHN(O)
2S−からなる群から互いに独立に選択される1つまたは2つの残基で置換されていてもよいフェニル−、
・双方とも、NC−、MeOH
2C−、Me
2(HO)C−、シクロプロピル−またはフェニル−(MeO−で置換されている)からなる群から互いに独立に選択される1つまたは2つの残基で置換されていてもよいピリジニルまたは1,2,3−トリアゾール−、からなる群から選択される、前記の式Iの化合物またはその塩である。
【0023】
好ましいのは、式中の、
nが、0、1、2または3であり、
R
1が、F−、HO−であり、
R
2が、
【0024】
【化2】
【化3】
からなる群から選択される、前記の式Iの化合物またはその塩である。
【0025】
前に挙げた基R
2のなかでも、R
2の好ましい意味は、R
2が、Hまたはハロゲン(好ましくはBr、I)からなる群から選択されるか、あるいは以下からなる群の1つから選択されることである:
A0:それぞれ1つまたは2つのR
2.1、好ましくはメチル−、エチル−、エテニル−、i−プロピル−、n−プロピル−、i−プロペニル−、n−プロペニル−、2−メチル−n−プロピル−、2−メチル−n−1−プロペニル−;好ましくはエチル−、エテニル−、i−プロペニル−、2−メチル−n−プロピル−、2−メチル−n−1−プロペニルで互いに独立に置換されているC
1−6−アルキル−、C
2−6−アルケニル−;好ましくはメチル−、エチル−、エテニル−、i−プロピル−、n−プロピル−、i−プロペニル−、n−プロペニル−、2−メチル−n−プロピル−、2−メチル−n−1−プロペニル−;好ましくはエチル−、エテニル−、i−プロペニル−、2−メチル−n−プロピル−、2−メチル−n−1−プロペニル;または
【0026】
A1:C
3−6−シクロアルキル−、C
3−6−シクロアルケニル−;好ましくはシクロペンチル、シクロペンテニル−、シクロヘキシル−、シクロヘキセニル−;好ましくはシクロヘキシル−、シクロヘキセニル;または
【0027】
A2:1つまたは2つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている単環式C
5−7−ヘテロシクリル−;好ましくはピペリジニル−、ピペラジニル−、1,4−ジアゼパニル−、テトラヒドロピラニル−、テトラヒドロフラニル−、ジオキサニル−、モルホリニル−、チオモルホリニル−、1,1−ジオキソ−1λ
6−チオモルホリニル−、ピロリジニル−;好ましくはピペリジニル−、ピペラジニル−、1,4−ジアゼパニル;または
A3:1つ、2つ、3つまたは4つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている二環式C
8−10ヘテロシクリル−;好ましくはインドリル−、インダゾリル−、キノリニル−、イソキノリニル−、イソキノロニル−、キノロニル−、インドリン−2−オニル−、イソインドリン−1−オニル−、イサチニル−、ベンゾオキサゾール−2−オニル−;ピロリジノピラジノニル−、ピロリジノピラジニル−、テトラヒドロチエノピリジニル−、好ましくはインドール−2−オニル−、イソインドール−1−オニル−、ベンゾオキサゾール−2−オニル、ピロリジノピラジノニル−、ピロリジノピラジニル−、テトラヒドロチエノピリジニル−;または
【0028】
A4:1つ、2つまたは3つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が芳香族性であるC
5−6−ヘテロアリール−;好ましくは、1つ、2つまたは3つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が芳香族性である単環式C
5−6−ヘテロアリール−;好ましくはピロリル−、ピラゾリル−、イミダゾリル−、イソオキサゾリル−、ピラジニル−、ピリジニル−、トリアゾリル−、オキサゾリル−、チアゾリル−、オキサジアゾリル−、チアジアゾリル−;好ましくはピリジニル、1,2,3−トリアゾリル−、オキサゾリル−;好ましくはピリジニルまたは1,2,3−トリアゾリル−
A5:アリール−、好ましくはフェニル−;または
A6:アリール−(O)C−HN−、好ましくはフェニル−(O)C−HN−、
ここで、グループA0〜A6の各メンバーは、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で互いに独立に置換されていてもよい。
【0029】
好ましいのは、群
・それぞれ1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で互いに独立に置換されていてもよいA1、A2、A3、A4、A5;
・それぞれ1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で互いに独立に置換されていてもよいA1、A2、A3、A4、A6;
・それぞれ1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で互いに独立に置換されていてもよいA1、A2、A3、A5、A6;
・それぞれ1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で互いに独立に置換されていてもよいA1、A2、A4、A5、A6;
・それぞれ1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で互いに独立に置換されていてもよいA1、A3、A4、A5、A6;
・それぞれ1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で互いに独立に置換されていてもよいA2、A3、A4、A5、A6
の環である。
【0030】
前に挙げた基R
2.1のなかでも、R
2.1の好ましい意味は、R
2.1が、Hまたはハロゲン、C
1−6−アルキル−、C
3−6−シクロアルキル−、HO−、O=、C
1−6−アルキル−O−、C
1−6−アルキル−(O)C−、C
1−6−アルキル−O(O)C−、C
1−6−アルキル−HN−、(C
1−6−アルキル)
2N−、C
1−6−アルキル−S−、C
1−6−アルキル−(O)S−、C
1−6−アルキル−(O)
2S−、C
1−6−アルキル−(O)
2SO−、C
1−6−アルキル−O(O)C−HN(O)
2S−、(C
1−6−アルキル)
2N(O)C−、C
1−6−アルキル−HN(O)C−、C
3−6−シクロアルキル−HN−、C
3−6−シクロアルキル−(O)C−、HO−C
1−6−アルキル−、MeO−C
1−6−アルキル−、NC−、(C
1−6−アルキル)
2N(O)
2S−、C
1−6−アルキル−HN(O)
2S−、(C
1−6−アルキル)
2(HO)C−またはR
2.1.1−、R
2.1.1−C
1−6−アルキル−O(O)C−、R
2.1.1−C
1−6−アルキルからなる群B1から選択され;好ましくは、ハロゲン、NC−、C
1−6−アルキル−、C
1−6−アルキル−(O)
2S−、C
1−6−アルキル−(O)
2SO−、MeO−、C
1−6−アルキル−O−、MeO−C
1−6−アルキル−で置換されていてもよいフェニルからなる群B2から選択されることである。
【0031】
前に挙げた基R
2.1.1のなかでも、R
2.1.1の好ましい意味は、R
2.1.1が、それぞれ1つ、2つまたは3つのハロゲン、HO−、NC−、C
1−6−アルキル−、C
1−6−アルキル−O−で置換されていてもよいフェニル−、ピリジニル−、C
3−6−シクロアルキル−からなる群から選択され;好ましいのは、1つ、2つまたは3つのハロゲン、HO−、NC−、C
1−6−アルキル−、C
1−6−アルキル−O−で置換されていてもよいフェニル−である群C1であり;好ましいのは、1つ、2つまたは3つのハロゲン、HO−、NC−、C
1−6−アルキル−、C
1−6−アルキル−O−で置換されていてもよいピリジニル−である群C2であり;好ましいのは、1つ、2つまたは3つのハロゲン、HO−、NC−、C
1−6−アルキル−、C
1−6−アルキル−O−で置換されていてもよいC
3−6−シクロアルキルである群C3であることである。
【0032】
・好ましいのは、それぞれ群B1、好ましくはB2から選択される1つまたは2つの残基で互いに独立に置換されていてもよい群A0からの置換基であり、B1またはB2中のR
2.1.1はC1、C2またはC3の意味を有する。
・好ましいのは、それぞれ群B1、好ましくはB2から選択される1つまたは2つの残基で互いに独立に置換されていてもよい群A1からの置換基であり、B1またはB2中のR
2.1.1はC1、C2またはC3の意味を有する。
・好ましいのは、それぞれ群B1、好ましくはB2から選択される1つまたは2つの残基で互いに独立に置換されていてもよい群A2からの置換基であり、B1またはB2中のR
2.1.1はC1、C2またはC3の意味を有する。
・好ましいのは、それぞれ群B1、好ましくはB2から選択される1つまたは2つの残基で互いに独立に置換されていてもよい群A3からの置換基であり、B1またはB2中のR
2.1.1はC1、C2またはC3の意味を有する。
・好ましいのは、それぞれ群B1、好ましくはB2から選択される1つまたは2つの残基で互いに独立に置換されていてもよい群A4からの置換基であり、B1またはB2中のR
2.1.1はC1、C2またはC3の意味を有する。
・好ましいのは、それぞれ群B1、好ましくはB2から選択される1つまたは2つの残基で互いに独立に置換されていてもよい群A5からの置換基であり、B1またはB2中のR
2.1.1はC1、C2またはC3の意味を有する。
・好ましいのは、それぞれ群B1、好ましくはB2から選択される1つまたは2つの残基で互いに独立に置換されていてもよい群A6からの置換基であり、B1またはB2中のR
2.1.1はC1、C2またはC3の意味を有する。
【0033】
・好ましいのは、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で互いに独立に置換された群A3の環であり;R
2.1は、C
1−6−アルキル−、C
3−6−シクロアルキル−、HO−、O=、C
1−6−アルキル−O−、C
1−6−アルキル−(O)C−、C
1−6−アルキル−O(O)C−、C
1−6−アルキル−HN−、(C
1−6−アルキル)
2N−、C
1−6−アルキル−S−、C
1−6−アルキル−(O)S−、C
1−6−アルキル−(O)
2S−、C
1−6−アルキル−(O)
2SO−、C
1−6−アルキル−O(O)C−HN(O)
2S−、(C
1−6−アルキル)
2N(O)C−、C
1−6−アルキル−HN(O)C−、C
3−6−シクロアルキル−HN−、C
3−6−シクロアルキル−(O)C−、HO−C
1−6−アルキル−、MeO−C
1−6−アルキル−、NC−、(C
1−6−アルキル)
2N(O)
2S−、C
1−6−アルキル−HN(O)
2S−、(C
1−6−アルキル)
2(HO)C−またはR
2.1.1−、R
2.1.1−C
1−6−アルキル−O(O)C−、R
2.1.1−C
1−6−アルキルからなる群から選択され;好ましくは、ハロゲン、NC−、C
1−6−アルキル−、C
1−6−アルキル−O−、C
1−6−アルキル−(O)
2S−、C
1−6−アルキル(O)
2SO−からなる群から選択される。
【0034】
・好ましいのは、1つ、2つ、3つまたは4つのR
2.1、好ましくは1つまたは2つのR
2.1で互いに独立に置換されたグループA5の環であり;R
2.1は、C
1−6−アルキル−、C
3−6−シクロアルキル−、HO−、O=、C
1−6−アルキル−O−、C
1−6−アルキル−(O)C−、C
1−6−アルキル−O(O)C−、C
1−6−アルキル−HN−、(C
1−6−アルキル)
2N−、C
1−6−アルキル−S−、C
1−6−アルキル−(O)S−、C
1−6−アルキル−(O)
2S−、C
1−6−アルキル−(O)
2SO−、C
1−6−アルキル−O(O)C−HN(O)
2S−、(C
1−6−アルキル)
2N(O)C−、C
1−6−アルキル−HN(O)C−、C
3−6−シクロアルキル−HN−、C
3−6−シクロアルキル−(O)C−、HO−C
1−6−アルキル−、MeO−C
1−6−アルキル−、NC−、(C
1−6−アルキル)
2N(O)
2S−、C
1−6−アルキル−HN(O)
2S−、(C
1−6−アルキル)
2(HO)C−またはR
2.1.1−、R
2.1.1−C
1−6−アルキル−O(O)C−、R
2.1.1−C
1−6−アルキルからなる群から選択され;好ましくは、ハロゲン、NC−、C
1−6−アルキル−、C
1−6−アルキル−O−、C
1−6−アルキル−(O)
2S−、C
1−6−アルキル−(O)
2SO−からなる群から選択される。
【0035】
好ましいのは、エナンチオマーとして純粋な式I’形態の前記式Iの化合物である:
【化4】
(式中、n、R
1およびR
2は、前に述べた意味を有する)。
【0036】
使用される用語および定義
本明細書中で特別に定義されない用語は、本開示および文脈に照らして当業者がそれらの用語に付与する意味を有するものとする。しかし、本明細書中で使用する場合、そうでないことを特記しない限り、次の用語は、指摘した意味を有し、次の慣行を厳守する。以下で定義される基、ラジカルまたは部分において、炭素原子の数は、しばしば基の前に置いて指定され、例えば、C
1−6−アルキルは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基またはラジカルを意味する。
一般に、HO、H
2N、OS、O
2S、NC(シアノ)、HOOC、F
3Cなどの単独基において、当業者は、該基の分子への結合箇所(単数または複数)をその基自体の自由原子価から判断することができる。2つ以上の下位基を含む組合せ基では、最後に名称を示した下位基が、その基の結合箇所であり、例えば、「アリール−C
1−3−アルキル−」は、アリール基がC
1−3−アルキル−基に結合されており、後者の下位基が、コアまたはその置換基が結合される基に結合される。
【0037】
本発明の化合物が、化学名の形でおよび式として示される場合であって、何らかの不一致が存在する場合には、式が優先するものとする。星印は、下位式中で、規定されたようなコア分子へ連結される結合を指摘するために使用することができる。
本明細書中で使用される、表現「予防」、「防御」、「防御治療」または「予防治療」は、特に、前記状態または対応する既往症に関するリスクの上昇、例えば、糖尿病、肥満などの代謝性障害または本明細書中で言及される別の障害を発症するリスクの上昇を有する患者における、前に言及した状態を発症するリスクを低減する意味で、同義と理解されたい。したがって、表現「疾患の予防」は、本明細書中で使用する場合、疾患の臨床的開始に先立つ、疾患を発症する危険にさらされている個体の管理およびケアを意味する。本発明の目的は、疾患、状態または障害の発症と闘うことであり、症状または合併症の開始を予防または遅延させるための、および関連する疾患、状態または障害の発症を予防または遅延させるための有効化合物の投与を含む。前記予防治療の成功は、この状態の危険にさらされている患者集団内での、予防治療なしの同等の患者集団に比較した、前記状態の発生率の低下によって統計的に表される。
【0038】
表現「治療」または「療法」は、明白な急性または慢性形態の1種以上の前記状態を既に発症している患者の治療処置を意味し、特定の前兆の症状を軽減するための対症療法、あるいは状態を反転もしくは部分的に反転するための、またはその状態および重症度に応じて前兆の進行を可能な限り遅延させるための原因療法を包含する。したがって、表現「疾患の治療」は、本明細書中で使用する場合、疾患、状態または障害を発症している患者の管理およびケアを意味する。治療の目的は、疾患、状態または障害と闘うことである。治療は、疾患、状態または障害を除去またはコントロールするために、ならびに疾患、状態または障害に付随する症状または合併症を緩和するために、有効化合物を投与することを含む。
【0039】
特記しない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲を通して、付与された化学式または化学名は、その互変異性体、すべての立体、光学および幾何異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、E/Z異性体など)、そのラセミ化合物、ならびに別々のエナンチオマーの様々な比率の混合物、ジアステレオマーの混合物、このような異性体およびエナンチオマーが存在する前記形態のいずれかの混合物、加えて、その薬学上許容される塩、および、例えば遊離化合物の溶媒和物または化合物の塩の溶媒和物を含めた水和物などの溶媒和物を含む塩を包含するものとする。
【0040】
用語「ハロゲン」は、一般に、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
句「薬学上許容される」は、本明細書中で、健全な医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題もしくは合併症を伴わないで、かつ妥当な利益/リスク比と釣り合った、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適した化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すのに採用される。
【0041】
本明細書中で使用する場合、「薬学上許容される塩」は、その親化合物が、その酸塩または塩基塩を形成することによって修飾されている、開示化合物の誘導体を指す。薬学上許容される塩の例には、限定はされないが、アミンなどの塩基性残基の無機または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩などが含まれる。例えば、このような塩としては、アンモニア、L−アルギニン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン(2,2’−イミノビス(エタノール))、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、2−アミノエタノール、エチレンジアミン、N−エチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン(2,2’,2’’−ニトリロトリス(エタノール)、トロメタミン、水酸化亜鉛、酢酸、2,2−ジクロロ−酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、4−アセトアミド−安息香酸、(+)−カンファー酸、(+)−カンファー−10−スルホン酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、デカン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、エチレンジアミン四酢酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、D−グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸、グリシン、グリコール酸、ヘキサン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イソ吉草酸、DL−乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、リシン、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ガラクタル酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オクタン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸(エンボン酸)、リン酸、プロピオン酸、(−)−L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、およびウンデシレン酸に由来する塩が挙げられる。薬学上許容されるさらなる塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの金属に由来するカチオンを用いて形成することができる(また、Pharmaceutical salts, Berge, S. M. et al., J. Pharm. Sci., (1977), 66, 1-19を参照されたい)。
【0042】
本発明の薬学上許容される塩は、通常的な化学的方法により、塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成することができる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離の酸または塩基形態を十分な量の適切な塩基または酸と、水中、またはエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリル、あるいはこれらの混合物中で反応させることによって調製することができる。
例えば本発明の化合物を精製または単離するのに有用である、上に挙げた酸以外の酸の塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)も、本発明の一部を構成する。
【0043】
単独または別の基と連結された用語「C
1−n−アルキル」(ここでnは4または6である)は、1〜4個または1〜6個の炭素原子を有する非環式で飽和の分枝または直鎖状炭化水素基を意味する。例えば、用語C
1−6−アルキルは、基H
3C−、H
3C−CH
2−、H
3C−CH
2−CH
2−、H
3C−CH(CH
3)−、H
3C−CH
2−CH
2−CH
2−、H
3C−CH
2−CH(CH
3)−、H
3C−CH(CH
3)−CH
2−、H
3C−C(CH
3)
2−、H
3C−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、H
3C−CH
2−CH
2−CH(CH
3)−、H
3C−CH
2−CH(CH
3)−CH
2−、H
3C−CH(CH
3)−CH
2−CH
2−、H
3C−CH
2−C(CH
3)
2−、H
3C−C(CH
3)
2−CH
2−、H
3C−CH(CH
3)−CH(CH
3)−およびH
3C−CH
2−CH(CH
2CH
3)−を包含する。用語「C
1−n−アルキル」は、また、1つまたは複数の水素原子が、フッ素で置き換えられていてもよく、それゆえ、例えば、F
3C、F
2HC、F
2HC−H
2C、F
3C−H
2Cを包含する。
【0044】
用語「C
2−n−アルケニル」は、「C
1−n−アルキル」の定義中で定義したような基であって、少なくとも2つの炭素原子を有し、前記基の炭素原子の少なくとも2つが互いに二重結合で結合されている場合に使用される。
用語「C
2−n−アルキニル」は、「C
1−n−アルキル」の定義中で定義したような基であって、少なくとも2つの炭素原子を有し、前記基の炭素原子の少なくとも2つが互いに三重結合で結合されている場合に使用される。
【0045】
単独または別の基と連結された用語「C
3−6−シクロアルキル」は、6個の炭素原子を有する環状で飽和の非分枝炭化水素基を意味する。例えば、用語「C
3−7−シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルを包含する。
単独または別の基と連結された用語「C
3−6−シクロアルケニル」は、6個の炭素原子を有し、環状で非置換ではあるが、非芳香族の非分枝炭化水素基を意味し、その炭素原子の少なくとも2つは、互いに二重結合で結合されている。例えば、用語「C
3−6−シクロアルケニル」は、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、およびシクロヘキサジエニルを包含する。
【0046】
単独のまたは別の基と連結された用語「アリール」は、本明細書中で使用する場合、芳香族性、飽和または不飽和であってよい第2の5または6員の炭素環式基にさらに縮合されていてもよい、6個の炭素原子を含む炭素環式芳香族単環式基を意味する。アリールは、限定はされないが、フェニル、インダニル、インデニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル、およびジヒドロナフチルを包含する。
【0047】
用語「単環式C
5−7−ヘテロシクリル」は、N、OまたはS(O)
r(r=0、1または2)から選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含み、5〜7個の環原子から構成される飽和または不飽和の非芳香族単環式環系を意味する。用語「単環式C
5−7−ヘテロシクリル」は、すべての考え得る異性形態を包含すると解釈される。
【0048】
したがって、用語「単環式C
5−7−ヘテロシクリル」は、適切な原子価が維持される限り、共有結合を介してそれぞれの形態を任意の原子へ結合することができるので、以下の典型的構造(基としては表していない)を包含する:
【化5】
【0049】
用語「C
5−10−ヘテロアリール」は、N、OまたはS(O)
rから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含み、5〜10個の環原子、好ましくは単環式環では5〜6個の環原子、二環式環では7〜10個の環原子から構成され、少なくとも1つのヘテロ原子が芳香族環の一部である、単環式または二環式環系を意味する。用語「C
5−10−ヘテロアリール」は、すべての考え得る異性形態を包含すると解釈される。したがって、用語「C
5−10−ヘテロアリール」は、適切な原子価が維持される限り、共有結合を介してそれぞれの形態を任意の原子に結合することができるので、以下の典型的構造(基としては表していない)を包含すると解釈される:
【0051】
用語「二環式C
8−10−ヘテロシクリル」は、N、OまたはS(O)
rから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含み、8〜10個の環原子から構成され、そのヘテロ原子が芳香族環の部分であってもよい、芳香族環系を含む部分飽和または不飽和の二環式環系を意味する。用語「二環式C
8−10−ヘテロシクリル」は、すべての考え得る異性形態を包含すると解釈される。したがって、用語「二環式C
8−10−ヘテロシクリル」は、適切な原子価が維持される限り、共有結合を介してそれぞれの形態を任意の原子に結合することができるので、以下の典型的構造(基としては表していない)を包含する:
【0053】
調製
一般的合成方法
本発明は、また、式Iの化合物の調製方法を提供する。すべての方法において、特記しない限り、以下の式中のR
1、R
2およびnは、本明細書中で前に記載した本発明の式I中のR
1、R
2およびnの意味を有するものとする。
【0054】
最適な反応条件および反応時間は、使用される個々の反応物に応じて異なり得る。特記しない限り、溶媒、温度、圧力、およびその他の反応条件は、当業者が容易に選択できる。合成例の部では、具体的な手順が提供される。典型的には、反応の進行は、薄層クロマトグラフィー(TLC)または所望ならLC−MSで監視することができ、中間体および生成物は、シリカゲルでのクロマトグラフィー、HPLCによって、および/または再結晶によって精製することができる。以下の例は、例示であって、当業者が認識するように、個々の試薬または条件は、過度の実験なしで、個々の化合物に必要とされるように修正することができる。以下の方法中で使用される出発材料および中間体は、購入可能であるか、または購入可能な材料から当業者によって容易に調製される。
【0055】
式V、VIIおよびIXの化合物は、スキーム1に概略を示す方法によって調製することができる:
【化8】
【0056】
スキーム1に示したように、アミドを形成するための標準的な文献法を使用して、式IIの化合物(式中、PGは保護基(例えば,tert−ブトキシカルボニル)を表す)をアンモニア水と、例えば、N−メチル−モルホリンまたはN−エチル−モルホリンなどの塩基、およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)またはO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)などの活性化剤の存在下に反応させることができる。反応は、N,N−ジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中で好適に実施される。これらの合成では、当技術分野で公知の標準的なペプチドカップリング反応を採用することができる(例えば、M. Bodanszky, 1984, The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlagを参照されたい)。
【0057】
式IIIまたは式IXの化合物中などのアミドの、対応する式IVまたはVIIのニトリルへの脱水は、ジクロロメタン(DCM)などの適切な溶媒中で、(メトキシカルボニルスルファモイル)トリエチルアンモニウムヒドロキシドなどの脱水剤を使用することによって実施することができる。
式VIの酸を式VまたはVIIIのアミンと、アミドを形成するための標準的な文献法を使用し、例えば、適切な溶媒中、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)などの塩基およびHATUまたはTBTUなどの活性化剤の存在下で反応させると、式VIIまたはIXの化合物が得られる。これらの合成では、当技術分野で公知の標準的なペプチドカップリング反応を採用することができる(例えば、M. Bodanszky, 1984, The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlagを参照されたい)。
【0058】
官能基の保護および脱保護は、「Protective Groups in Organic Synthesis」T. W. Greene and P. G. M. Wuts, Wiley-Interscience中に記載されている。例えば、tert−ブトキシカルボニルを脱保護するには、水、DCMまたはジオキサンなどの適切な溶媒中で、ギ酸、トリフルオロ酢酸またはHClなどの酸を使用することができる。
【0060】
スキーム2に示したように、式VIIまたはIX(式中、AはIまたはBrである)の化合物の(遷移)金属で触媒される反応により、式XまたはXIの化合物が得られる。例えば、アセトニトリルなどの適切な溶媒中、1,1−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリドなどの適切な触媒およびK
2CO
3などの適切な塩基の存在下での、ボロン酸または対応するボロン酸エステルとの反応により、式XまたはXIの化合物が得られる。別法として、式VIIまたはIX(式中、AはIまたはBrである)の化合物をトリブチル(ビニル)錫試薬と、ジメチルホルムアミド(DMF)などの適切な溶媒中、ビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリドなどの適切な触媒の存在下に、かつ所望ならテトラブチルアンモニウムクロリドなどの添加剤の存在下に反応させると、式XまたはXIの化合物が得られる。さらに、式VIIまたはIX(式中、AはIまたはBrである)の化合物をアミンと、Cu(I)などの適切な触媒、炭酸セシウムなどの適切な塩基、およびL−プロリンなどの適切な反応促進剤の存在下に反応させると、式XまたはXIの化合物が得られる。
さらに、スキーム2に示したように、式VIIまたはIX(式中、AはN
3である)の化合物をアルキンと、ジメチルスルホキシド(DMSO)/水などの適切な溶媒中、硫酸銅(II)五水和物などの適切な触媒、およびL−アスコルビン酸などの適切な還元剤の存在下に反応させると、式XまたはXIの化合物が得られる。
式X、XIおよびIの化合物のさらなる変形体を使用し、当技術分野で公知の、および後記の例中で例示する方法により、本発明のさらなる化合物を調製することができる。
式XIのアミドの対応する式Xのニトリルへの脱水は、DCMなどの適切な溶媒中、(メトキシカルボニルスルファモイル)トリエチルアンモニウムヒドロキシドなどの脱水剤を使用することによって実施することができる。
【0062】
スキーム3に示したように、式V(式中、AはIまたはBrである)の化合物の(遷移)金属で触媒される反応により、式XIIの化合物が得られる。例えば、ボロン酸または対応するボロン酸エステルとの、アセトニトリルなどの適切な溶媒中、1,1−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリドなどの適切な触媒およびK
2CO
3などの適切な塩基の存在下での反応により、式XIIの化合物が得られる。
式VIの酸を式XIIのアミンと、アミドを形成するための標準的な文献法を使用し、例えば、適切な溶媒中、DIPEAなどの塩基、およびHATUまたはTBTUなどの活性化剤の存在下で反応させることができる。これらの合成では、当技術分野で公知の標準的なペプチドカップリング反応を採用することができる(例えば、M. Bodanszky, 1984, The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlagを参照されたい)。官能基の脱保護は、「Protective Groups in Organic Synthesis」T. W. Greene and P. G. M. Wuts, Wiley-Interscience中に記載されている。例えば、tert−ブトキシカルボニルを脱保護するには、水、DCMまたはジオキサンなどの適切な溶媒中で、ギ酸、トリフルオロ酢酸またはHClなどの酸を使用することができ、粗品のアミドカップリング生成物に対して実施して、式Iの化合物を得ることができる。
【0063】
合成例
以下は、本発明の代表的化合物であり、それらは、一般的合成スキーム、例、および当技術分野で公知の方法により調製できる。下記の化合物に関する液体クロマトグラフィー−質量分析法(LCMS)の保持時間、および実測のm/zデータは、次の方法の1つにより得られる。
【表1】
【0064】
分取逆相HPLCによる精製法では、いずれにおいても、0〜100%アセトニトリル(またはメタノール)/水、および調節剤としてTFAまたは水酸化アンモニウムを使用する。
【0065】
出発材料および試薬は購入可能であるか、あるいは化学文献に記載の方法を使用して当業者が調製できる。
【0066】
次は、一般的合成スキーム、例、および当技術分野で公知の方法によって調製できる本発明の代表的な化合物である。
【0067】
中間体の調製
(1R,3S,4S)−3−((S)−1−シアノ−2−(4−ヨードフェニル)エチルカルバモイル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸tert−ブチル(中間体I−1.4)
【化11】
【0068】
ステップ1:中間体I−1.1の合成
R1(9.9g、25.3ミリモル)をDMF(50mL)に溶解し、N−エチルモルホリン(4.8mL、38ミリモル)およびTBTU(8.1g、25ミリモル)を添加する。反応混合物を室温で30分間撹拌する。反応混合物を0℃まで冷却した後、35%アンモニア水(2.6mL、46ミリモル)を滴加する。反応物を、一夜撹拌し、水(500mL)で希釈し、沈殿物を濾過し、水で洗浄し、50℃のオーブン中で乾燥する。収率95%。m/z=391[M+H]
+、m/z=389[M+H]
−、保持時間(rt)=1.40分、LC−MSは方法a。
【0069】
ステップ2:中間体I−1.2の合成
I−1.1(7.4g、19ミリモル)をDCM(200mL)に懸濁し、R2(9.8g、41ミリモル)のDCM(39mL)溶液を添加し、反応混合物を一夜撹拌する。反応混合物を1%酢酸水(170mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、濾過する。有機層を、乾燥、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル(EA)=75/25の溶媒混合物を使用)で精製して、I−1.2を得る。収率81%。
【0070】
ステップ3:中間体I−1.3の合成
I−1.2(1.7g、4.6ミリモル)に4M HCl/ジオキサン(20mL)を添加し、反応物を室温で3時間撹拌する。所望の生成物および加水分解された副生物(ニトリルからアミドへ)の形成を検出するために、HPLC−MSで反応を追跡する。反応中に白色沈殿物が生成した。反応混合物にジエチルエーテルを添加し、固体生成物I−1.3を濾過し、エーテルで洗浄する。収率75%。m/z=273/274[M+H]
+、rt=0.45分、LC−MSは方法b。
【0071】
ステップ4:中間体I−1.4の合成
DCM(20mL)中のR3(452mg、1.87ミリモル)に99%トリエチルアミン(1.1mL、7.84ミリモル)およびHATU(750mg、1.97ミリモル)を添加し、反応混合物を10分間撹拌する。次いで、I−1.4を添加し、混合物を1時間撹拌する。生じた混合物を、10%NaHCO
3水溶液、水(50mL)+5滴の酢酸、およびブラインで洗浄し、乾燥、濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EA=75/25の溶媒混合物を使用)で精製して、I−1.4を得る。収率58%。m/z=486/487[M+H]
+、rt=0.80分、LC−MSは方法b。
【0072】
(1R,3S,4S)−3−((S)−1−アミノ−3−(4−ヨードフェニル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバモイル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸tert−ブチル(中間体I−1.6)の合成
【化12】
【0073】
ステップ1:中間体I−1.5の合成
I−1.1(5.0g、12.79ミリモル)、DCM(10mL)およびトリフルオロ酢酸(5mL)を室温で2時間撹拌する。反応混合物を濃縮して、I−1.5を得る。収率100%。
【0074】
ステップ2:中間体I−1.6の合成
DMF(5mL)中のR3(716mg、2.97ミリモル)に、DIPEA(2.14mL、12.37ミリモル)およびTBTU(874mg、2.72ミリモル)を添加し、反応混合物を15分間撹拌する。I−1.5(1.0g、2.47ミリモル)を添加し、反応物を一夜撹拌する。生じた混合物を、そのまま、分取HPLCで精製する。収率79%。m/z=514[M+H]
+、rt=1.14分、LC−MSは方法d。
【0075】
(1R,3S,4S)−3−((S)−2−(4−アジドフェニル)−1−シアノエチルカルバモイル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸tert−ブチル(中間体I−2.4)の合成
【化13】
【0076】
ステップ1:中間体I−2.1の合成
DMF(5mL)中のR4(500mg、1.63ミリモル)に、N−メチルモルホリン(0.270mL、2.46ミリモル)およびHATU(622mg、1.64ミリモル)を添加し、反応混合物を室温で30分間撹拌する。反応混合物を0℃まで冷却した後、32%アンモニア水(0.180mL、2.98ミリモル)を滴加する。反応物を一夜撹拌し、DCMで希釈し、有機層を、1M HCl溶液、10%NaHCO
3水溶液、およびブラインで洗浄し、乾燥、濃縮する。収率89%。m/z=306[M+H]
+、rt=1.35分、LC−MSは方法a。
ステップ2:中間体I−2.2の合成
I−2.1(441mg、1.44ミリモル)に4M HCl/ジオキサン(2mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌する。反応混合物にジエチルエーテルを添加し、固体生成物I−2.2を濾過し、エーテルで洗浄する。収率91%。m/z=206[M+H]
+、rt=0.30分、LC−MSは方法b。
【0077】
ステップ3:中間体I−2.3の合成
DMF(2mL)中のR3(320mg、1.33ミリモル)に、DIPEA(1.2mL、6.98ミリモル)およびHATU(600mg、1.58ミリモル)を添加し、反応混合物を10分間撹拌する。I−2.2(319mg、1.32ミリモル)を添加し、反応物を一夜撹拌する。生じた混合物を、DCMで希釈し、10%NaHCO
3水溶液、1M HCl溶液およびブラインで洗浄し、乾燥、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=96:4)で精製して、I−2.3を得る。収率100%。m/z=429[M+H]
+、rt=0.76分、LC−MSは方法b。
【0078】
ステップ4:中間体I−2.4の合成
I−2.3(643mg、1.50ミリモル)のDCM(10mL)溶液にR2(750mg、3.15ミリモル)を添加し、反応混合物を3時間撹拌し、次いでDCMで希釈し、1%酢酸水およびブラインで洗浄する。有機層を、乾燥、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EA=2:1の溶媒混合物を使用)で精製して、I−2.4を得る。収率73%。m/z=411[M+H]
+、rt=0.77分、LC−MSは方法b。
【0079】
1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(中間体I−3.3)の合成
【化14】
【0080】
ステップ1:中間体I−3.1の合成
アセトニトリル(15mL)中のR4(500mg、2.21ミリモル)に、MeI(0.303mL、4.87ミリモル)およびK
2CO
3(1.2g、8.68ミリモル)を添加し、反応混合物を60℃で45分間撹拌する。DCMおよび水を添加し、水層をDCMで2回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥、濃縮する。収率65%。m/z=240/242[M+H]
+、rt=0.49分、LC−MSは方法b。
【0081】
ステップ2:中間体I−3.2の合成
I−3.1(397mg、1.65ミリモル)およびヒドラジン水和物(1mL、20.6ミリモル)を100℃で1時間および125℃で1時間加熱する。冷えた反応混合物にDCMおよび水を添加し、水層をDCMで2回抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥、濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EA=3:1の溶媒混合物を使用)で精製する。収率65%。m/z=226[M+H]
+、m/z=224[M+H]
−、rt=0.58分、LC−MSは方法b。
【0082】
ステップ3:中間体I−3.4の合成
無水ジオキサン(8mL)中のI−3.2(91mg、0.40ミリモル)に、R5(155mg、0.61ミリモル)および酢酸カリウム(120mg、1.22ミリモル)を添加する。混合物をアルゴンでパージし、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(PdCl
2(dppf))(33mg、0.040ミリモル)を添加し、80℃に1.5時間加熱する。反応混合物をEAおよび水で希釈し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥、濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EA=1:1)で精製する。収率100%。m/z=274[M+H]
+、rt=0.71分、LC−MSは方法b。
【0083】
3−(3−メトキシ−プロピル)−5−(4,4,5,5,−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(中間体I−3.5)の合成
【化15】
【0084】
ステップ1:中間体I−3.4の合成
アセトニトリル(10mL)中のR6(530mg、2.48ミリモル)、R7(473mg、2.81ミリモル)およびK
2CO
3(1g、7.24ミリモル)を70℃に3時間加熱する。冷えた反応混合物をEAおよび水で希釈し、水層をEAで3回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥、濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EA=3:1)で精製する。収率30%。m/z=286/288[M+H]
+、rt=0.66分、LC−MSは方法b。
【0085】
次の中間体を、適切な中間体から同様の方式で合成した:
【化16】
【0086】
ステップ2:中間体I−3.5の合成
無水ジオキサン(8mL)中のI−3.4(92mg、0.32ミリモル)に、R5(130mg、0.51ミリモル)および酢酸カリウム(100mg、1.02ミリモル)を添加する。混合物をアルゴンでパージし、PdCl
2(dppf)(27mg、0.033ミリモル)を添加し、80℃に3時間加熱する。反応混合物をEAおよび水で希釈し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥、濃縮する。粗生成物をそのまま次の反応に使用する。m/z=334[M+H]
+、rt=0.78分、LC−MSは方法b。
【0087】
次の中間体を、適切な中間体から同様の方式で合成した:
【化17】
【0088】
5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン(中間体I−3.6)の合成
【化18】
【0089】
無水ジオキサン(8mL)中のR8(100mg、0.47ミリモル)に、R5(180mg、0.71ミリモル)および酢酸カリウム(140mg、1.43ミリモル)を添加する。混合物をアルゴンでパージし、PdCl
2(dppf)(40mg、0.049ミリモル)を添加し、80℃に1.5時間加熱する。反応混合物をEAおよび水で希釈し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥、濃縮する。粗生成物をそのまま次の反応に使用する。m/z=260[M+H]
+、rt=0.64分、LC−MSは方法b。
【0090】
次の中間体を、適切な中間体から同様の方式で合成した:
【化19】
【0091】
6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[d]イソチアゾール1,1−ジオキシド(中間体I−3.7)の合成
【化20】
【0092】
中間体I−3.7の合成
無水THF(130mL)中のR8(4.5g、17.2ミリモル)に、NaBH
4(6.8g、179ミリモル)を添加し、反応混合物を−8℃に冷却する。三フッ化ホウ素ジエチルエテラート(25mL、197ミリモル)を15分間にわたって滴加する。−8℃でさらに10分間保持した後、反応混合物を2時間加熱還流し、次いで室温まで冷却し、氷水(30mL)を添加する。6M NaOH溶液を、pHが塩基性になるまで添加し、溶液を酢酸エチルで抽出する。有機溶液をNaOH溶液で3回抽出した。合わせて冷却した水層に6M HCl溶液を、pHが酸性になるまで添加する。水層を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥、濃縮する。粗生成物をそのまま次の反応に使用する。m/z=246/148[M+H]
+、rt=0.76分、LC−MSは方法b。
【0093】
(1R,3S,4S)−3−((S)−2−(4−ブロモフェニル)−1−シアノエチルカルバモイル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸tert−ブチル(I−12.4)、および(1R,3S,4S)−3−((S)−1−シアノ−2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)エチルカルバモイル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸tert−ブチル(I−12.5)の合成
【化21】
【0094】
ステップ1:中間体I−12.1の合成
(S)−3−(4−ブロモフェニル)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸(R11)(20.0g、58.1ミリモル)をDMF(135mL)に溶解し、N−メチルモルホリン(9.59mL、87.1ミリモル)およびTBTU(18.7g、58.1ミリモル)を添加する。反応混合物を室温で45分間撹拌する。反応混合物を0℃に冷却した後、32%アンモニア水(6.4mL、105.2ミリモル)を滴加する。反応物を72時間撹拌し、水(700mL)で希釈し、沈殿物を濾過し、水で洗浄し、65℃のオーブン中で乾燥する。収率96%。m/z=343[M+H]
+、保持時間(rt)=1.39分、LC−MSは方法g。
【0095】
ステップ2:中間体I−12.2の合成
I−12.1(10.0g、29.1ミリモル)をDCM(60mL)に溶解し、98%トリフルオロ酢酸水(20mL)を添加する。溶液を3時間撹拌する。溶媒を真空下で除去し、残留物を水/アセトニトリルに溶解し、凍結乾燥する。収率100%。
【0096】
ステップ3:中間体I−12.3の合成
DCM(150mL)中のR3(7.28g、29.3ミリモル)に、ジイソプロピルエチルアミン(13.8mL、79.8ミリモル)およびHATU(11.1g、29.3ミリモル)を添加し、反応混合物を20分間撹拌する。次いで、DCM(150mL)に溶解した中間体I−12.2(9.5g、26.6ミリモル)を添加し、混合物を3時間撹拌する。生じた混合物を、10%KHSO
4水溶液、10%KHCO
3水溶液、水(50mL)で2回洗浄する。有機相を乾燥、濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=95/5の溶媒混合物を使用)で精製して、中間体I−12.3を得る、収率78%、m/z=466[M+H]
+、rt=1.47分、LC−MSは方法g。
【0097】
ステップ4:中間体I−12.4の合成
I−12.3(13.0g、27.9ミリモル)をDCM(200mL)中に懸濁し、R2(13.3g、55.9ミリモル)のDCM(100mL)溶液を添加し、反応混合物を3.5時間撹拌する。有機相を、2M Na
2CO
3水溶液およびNaCl飽和溶液で2回洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮する。反応混合物にジエチルエーテルを添加し、固体の中間体I−12.4を濾過し、エーテルで洗浄する。収率92%。m/z=448[M+H]
+、rt=1.52分、LC−MSは方法g。
ステップ5:中間体I−12.5の合成
I−12.4(4.0g、8.9ミリモル)、R5(4.5g、17.8ミリモル)およびKOAc(3.5g、35.6ミリモル)を乾燥DMF(70mL)中に懸濁し、アルゴンで脱気する。1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン−パラジウムジクロリド(1.2g、1.8ミリモル)を添加し、反応混合物を100℃で40分間撹拌する。反応混合物を、水およびEtOAc上に注ぎ入れ、有機相を分離し、乾燥、濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン=50/50の溶媒混合物を使用)で精製して、中間体I−12.5を得る。収率43%、m/z=496[M+H]
+、rt=1.10分、LC−MSは方法i。
【0098】
方法A
(1R,3S,4S)−N−((S)−1−シアノ−2−(4−(1−メチル−2−オキソインドリン−6−イル)フェニル)エチル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキサミド(表1の例7)の合成
【化22】
【0099】
ステップ1:中間体I−4.1の合成
アセトニトリル(8mL)中のI−1.4(100mg、0.202ミリモル)、I−3.6(72mg、0.264ミリモル)、2M K
2CO
3溶液(0.40mL、0.400ミリモル)をアルゴンでパージし、PdCl
2(dppf)(14mg、0.021ミリモル)を添加し、反応混合物を80℃に一夜加熱する。反応混合物を濃縮し、DCMおよび水を添加し、水層をDCMで抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥、濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EA=3:1)で精製する。収率57%。m/z=415[M+H−Boc]
+、rt=0.75分、LC−MSは方法b。
【0100】
次の中間体を、適切な試薬から同様の方式で合成した:
【化23】
【0101】
I−4.5については、ボロン酸エステルの代わりにトリフルオロボロン酸カリウムを、K
2CO
3の代わりに3当量のNa
2CO
3を使用し、かつ触媒として1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)を使用する。
【0102】
ステップ2:例7の化合物の合成
I−4.1(59mg、0.115ミリモル)、ギ酸(2mL)および水(0.2mL)を室温で2時間撹拌する。アンモニアおよび水を添加し、水層をDCMで抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し乾燥、濃縮する。残留物をHPLCで精製する。収率61%。
【0103】
次の化合物を、適切な中間体から同様の方式で合成した:表1の、例8、例13、例14、例16、例40、例41、例42、例120〜122、例125、例127、例129、例131、例134、例139〜140。
表1の例40〜42、126、128、130、132、133、135、136、138については、ステップ1の粗生成物を、そのままギ酸で処理してBoc保護基を除去したので、Bocで保護されたカップリング生成物を単離しなかった。
表1の例52〜73、96〜102については、ステップ1において、I−1.4を使用し、かつ触媒として1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン−パラジウムジクロリドを使用する。ステップ2で、反応時間は、40℃で10〜15分とした。
【0104】
表1の例123、124の場合、適切なボロン酸エステルは、中間体I−3.5の合成に従って調製されるが、反応混合物から単離しない。後処理に代わって、反応混合物を室温まで冷却し、不活性条件下でこの反応混合物に、I−1.4(1〜1.1当量)、PdCl
2(dppf)(0.03〜0.1当量)およびNa
2CO
3またはK
2CO
3(3.6〜5当量)を添加し、80℃に加熱する。方法Aのステップ1について記載のように後処理を行い、最後に、方法Aのステップ2について記載のように、例123、124の化合物に変換する。
【0105】
方法B
(1R,3S,4S)−N−((S)−1−シアノ−2−(4’−シアノ−3’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキサミド(表1の例1)の合成
【化24】
【0106】
ステップ1:I−5.1の合成
このステップは、適切な試薬を用い、方法Aのステップ1について報告した手順に従って実施する。収率65%。m/z=507[M+H]
+、rt=1.43分、LC−MSは方法a。
【0107】
次の中間体を、適切な試薬から同様の方式で合成した:
【化25】
【0108】
ステップ2:I−4.6の合成
I−5.1(96mg、0.19ミリモル)をDCM(1mL)中に懸濁し、R2(113mg、0.47ミリモル)の溶液を添加し、反応混合物を一夜撹拌する。生じた混合物を濃縮し、粗生成物を精製なしで次の反応にそのまま使用する。m/z=489[M+H]
+、rt=0.83分、LC−MSは方法b。
【0109】
次の中間体を、適切な試薬から同様の方式で合成した:
【化26】
【0110】
ステップ3:例1の化合物の合成
このステップは、適切な試薬を用い、方法Aのステップ2について報告した手順に従って実施する。収率38%。
【0111】
適切な中間体から同様の方式で、次の中間体:表1の例4、例5、例6、例11を合成した。
【0112】
方法C
(1R,3S,4S)−N−((S)−1−シアノ−2−(4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フェニル)エチル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキサミド(表1の例3)の合成
【化27】
【0113】
ステップ1:I−5.8の合成
I−5.2(150mg、0.319ミリモル)および10%Pd/C(30mg)をメタノール(10mL)中で、水素(50psi)下に室温で2時間撹拌する。反応混合物を濾過し、濃縮する。粗生成物をそのまま次の反応で使用する。m/z=372[M+H−Boc]
+、rt=1.45分、LC−MSは方法c。
【0114】
次の中間体を、適切な試薬から同様の方式で合成した:
【化28】
【0115】
I−5.12は、I−5.7の還元で主要生成物として(>80%)生じるが、I−5.11は少量生成物(約10%)である。
【0116】
ステップ2:I−4.11の合成
このステップは、適切な試薬を用い、方法Bのステップ2について報告した手順に従って実施される。粗生成物をそのまま次の反応に使用した。m/z=354[M+H−Boc]
+、rt=1.50分、LC−MSは方法c。
【0117】
次の中間体を、適切な試薬から同様の方式で合成した:
【化29】
【0118】
ステップ3:例3の化合物の合成
このステップは、適切な試薬を用い、方法Aのステップ2について報告した手順に従って実施される。収率25%(I−5.2から)。
【0119】
適切な中間体から同様の方式で次の化合物:表1の例2、例9、例30を合成した。
方法D
(1R,3S,4S)−N−((S)−1−シアノ−2−(4−ビニルフェニル)エチル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキサミド(表1の例10)の合成
【化30】
【0120】
ステップ1:I−4.15の合成
I−1.4(100mg、0.202ミリモル)、テトラエチルアンモニウムクロリド(60mg、0.362ミリモル)、トリブチル(ビニル)錫(0.071mL、0.246ミリモル)およびDMF(2mL)をアルゴンでパージし、ビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド(8mg、0.011ミリモル)を添加し、反応混合物を80℃に1.5時間加熱する。冷えた混合物に水を添加し、水層をEAで2回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥、濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EA=3:1)で精製した。収率100%。m/z=396[M+H]
+、rt=0.77分、LC−MSは方法b。
【0121】
次の中間体を、適切な試薬から同様の方式で合成した:
【化31】
【0122】
ステップ2:例10の化合物の合成
このステップは、適切な試薬を用い、方法Aのステップ2について報告した手順に従って実施される。収率44%。
【0123】
適切な中間体から同様の方式で次の化合物:表1の例18を合成した。
方法E
(1R,3S,4S)−N−((S)−1−シアノ−2−(4−エチルフェニル)エチル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキサミド(表1の例12)の合成
【化32】
【0124】
ステップ1:I−4.17の合成
このステップは、適切な試薬を用い、反応をメタノール/テトラヒドロフラン(THF)(1:1)中で行うこと以外は、方法Cのステップ1について報告した手順に従って実施される。粗生成物をそのまま次の反応に使用した。m/z=398[M+H]
+、rt=0.80分、LC−MSは方法b。
【0125】
次の中間体を、適切な試薬から同様の方式で合成した。
【化33】
【0126】
ステップ2:例12の化合物の合成
このステップは、適切な試薬を用い、方法Aのステップ2について報告した手順に従って実施される。収率50%。
【0127】
適切な中間体から同様の方式で次の化合物:表1の例19を合成した。
【0128】
方法F
(1R,3S,4S)−N−((S)−1−シアノ−2−(4−ヨードフェニル)エチル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキサミド(表1の例17)の合成
【化34】
このステップは、適切な試薬を用い、方法Aのステップ2について報告した手順に従って実施される。収率62%。
【0129】
方法G
(1R,3S,4S)−N−((S)−1−シアノ−2−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)エチル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキサミド(表1の例15)の合成
【化35】
【0130】
ステップ1:I−6.1の合成
DMSO(1.5mL)中のI−1.6(200mg、0.39ミリモル)、L−プロリン(13.5mg、0.117ミリモル)をアルゴンでパージし、Cu(I)I(15.2m、0.080ミリモル)および炭酸セシウム(171mg、0.526ミリモル)を添加する。反応混合物を90℃に一夜加熱する。生じた混合物にMeOHを添加し、混合物をそのままHPLCで精製する。収率26%。m/z=486[M+H]
+、rt=0.99分、LC−MSは方法d。
【0131】
次の中間体を、適切な試薬から同様の方式で合成した:
【化36】
【0132】
ステップ2:I−6.1の合成
このステップは、適切な試薬を用い、方法Bのステップ2について報告した手順に従って実施される。粗生成物をそのまま次の反応に使用した。
【0133】
次の中間体を、適切な試薬から同様の方式で合成した:
【化37】
【0134】
ステップ3:例15の化合物の合成
このステップは、適切な試薬を用い、方法Aのステップ2について報告した手順に従って実施される。収率50%。
【0135】
適切な中間体から同様の方式で次の化合物:表1の例20、例21、例22、例23、例24、例25、例26、例27を合成した。
方法H
(1R,3S,4S)−N−((S)−1−シアノ−2−(4−(4−メトキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)エチル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキサミド(表1の例28)の合成
【化38】
【0136】
ステップ1:I−4.13の合成
DMSO(0.50mL)中のR10(0.040mL、0.474ミリモル)に、I−2.4(124mg、302ミリモル)および硫酸銅(II)五水和物(7.6mg、0.030ミリモル)とL−アスコルビン酸ナトリウム塩(32mg、0.162ミリモル)との水(0.50mL)溶液を添加し、反応物を室温で一夜撹拌する。10%NaHCO
3水溶液を添加し、水層をDCMで抽出する。有機層をブラインで洗浄し、乾燥、濃縮する。収率84%、m/z=481[M+H]
+、rt=0.65分、LC−MSは方法b。
【0137】
次の中間体を、適切な試薬から同様の方式で合成した:
【化39】
【0138】
ステップ2:例28の化合物の合成
このステップは、適切な試薬を用い、方法Aのステップ2について報告した手順に従って実施される。収率56%。
【0139】
適切な中間体から同様の方式で次の化合物:表1の例29、例31、例32、例33、例39、例51、例103、例105〜113、例117を合成した。
【0140】
方法I
(1R,3S,4S)−N−((S)−1−シアノ−2−(4−(1−(イソプロピルスルホニル)ピペリジン−4−イル)フェニル)エチル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキサミド(表1の例34)の合成
【化40】
【0141】
ステップ1:I−5.13の合成
DCM(2mL)中のI−5.12(100mg、0.212ミリモル)およびトリエチルアミン(0.088mL、0.637ミリモル)に、0℃でイソプロピルスルホニルクロリド(0.036mL、0.319ミリモル)を添加し、反応物を室温で一夜撹拌する。反応混合物を水で洗浄し、DCMで抽出し、合わせた有機層を乾燥、濃縮する。粗生成物を、精製なしで次の反応にそのまま使用する。収率65%。m/z=477[M+H−Boc]
+、rt=1.47分、LC−MSは方法c。
【0142】
適切な試薬から同様の方式で次の中間体を合成した:
【化41】
【0143】
I−5.16およびI−5.21は、DCM(2mL)をTHF(5mL)に代え、スルホニルクロリドを適切なイソシアネート(1.2当量)に代え、かつ反応物を50℃で2時間撹拌することによって合成される。I−5.17、I−5.18、I−5.19およびI−5.22は、スルホニルクロリドを適切な酸クロリド(23mg、0.212ミリモル)に代え、かつ、0.033mL(0.234ミリモル)だけのトリエチルアミンを使用することによって合成される。I−5.20は、アセトニトリル(5mL)中、塩基としてK
2CO
3(42mg、0.303ミリモル)を使用し、トリフルオロメタンスルホン酸2,2−ジフルオロエチル(39mg、0.184ミリモル)でI−5.12を変換することによって合成される。
【0144】
ステップ2:I−4.19の合成
このステップは、適切な試薬を用い、方法Bのステップ2について報告した手順に従って実施される。収率99%。m/z=459[M+H−Boc]
+、rt=1.52分、LC−MSは方法c。
【0145】
適切な試薬から同様の方式で次の中間体を合成した:
【化42】
【0146】
ステップ3:例34の化合物の合成
このステップは、適切な試薬を用い、方法Aのステップ2について報告した手順に従って実施される。収率41%。
【0147】
適切な中間体から同様の方式で次の化合物:表1の例35、例36、例37、例38、例43、例44、例45、例46、例47を合成した。
【0148】
方法J
rac−(1S,3S,4R,5S)−N−((S)−1−シアノ−2−(4’−シアノ−3’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキサミド(表1の例48)の合成
【化43】
【0149】
ステップ1:I−9.1の合成
このステップは、適切な試薬を使用し、方法Aのステップ1について報告した手順に従って実施される。収率89%。
【0150】
ステップ2:I−10.1の合成
このステップは、適切な試薬を使用し、方法Aのステップ2について報告した手順に従って実施される。収率73%。m/z=266[M+H]
+、rt=0.55分、LC−MSは方法b。
ステップ3:例48の化合物の合成
このステップは、出発材料としてI−10.1およびrac−(1S,3S,4R,5S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボン酸(ラセミ体、WUXIAPPTEX社から購入)を使用し、中間体I−1.4の合成に従って実施される。粗生成物からのBocの脱保護は、方法Aのステップ2について報告した手順に従って実施される。
【0151】
適切な中間体(Boc保護アミノ酸はWUXIAPPTEC社から購入し、例49、50、119についてはラセミ体である)から同様の方式で次の化合物:表1の例49、例50、例119、例137を合成した。
方法K
(1R,3S,4S)−N−((S)−1−シアノ−2−(3’−シアノ−4’フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキサミド(例74)の合成
【化44】
【0152】
ステップ1:中間体I−12.6の合成
5−ブロモ−2−フルオロベンゾニトリル(24.0mg、0.12ミリモル)をMeCN(125μL)に溶解し、2M K
2CO
3溶液(125μL)を添加する。中間体I−12.5(49.5mg、0.1ミリモル)のMeCN(1.5mL)溶液および固体の1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン−パラジウムジクロリド(11.5mg、0.018ミリモル)を逐次的に添加する。反応混合物を80℃で20時間撹拌する。粗混合物を、塩基性酸化アルミナを通して濾過し、9:1のDMF/MeOH(3×1mL)で溶出させる。溶液を濃縮し、I−12.6を逆相HPLCで精製する。収率27%。m/z=489.4[M+H]
+、rt=0.33分、LC−MSは方法h。
【0153】
適切な試薬から同様の方式で次の中間体を合成した:
【化45】
【0154】
ステップ2:例74の化合物の合成
このステップは、適切な試薬を使用し、方法Aのステップ2について報告した手順に従って、40℃で10〜15分の反応時間で実施される。収率83%。m/z=376[M+H]
+、rt=1.17分、LC−MSは方法g。
【0155】
適切な中間体から同様の方式で次の化合物:表1の例75〜95、例104を合成した。
【0156】
方法L
(1R,3S,4S)−N−((S)−1−シアノ−2−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル)エチル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキサミド(例116)の合成
【化46】
【0157】
ステップ1:中間体I−13.1の合成
(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−シアノフェニル)プロパン酸(R13)(2.5g、8.6ミリモル)をDMF(20mL)に溶解し、N−メチルモルホリン(2.37mL、21.5ミリモル)およびTBTU(2.77g、8.6ミリモル)を添加する。反応混合物を室温で90分間撹拌する。反応混合物を0℃に冷却した後、32%アンモニア水(2.08mL、34.4ミリモル)を滴加する。反応物を24時間撹拌し、水(100mL)で希釈し、沈殿物を濾過し、水で洗浄し、60℃のオーブン中で乾燥する。収率71%。m/z=288[M−H]
−、保持時間(rt)=0.75分、LC−MSは方法i。
ステップ2:中間体I−13.2の合成
I−13.1(0.85g、2.9ミリモル)をDCM(7mL)に溶解し、98%トリフルオロ酢酸水(5mL)を添加する。溶液を2時間撹拌する。溶媒を真空下で除去し、残留物を水/アセトニトリルに溶解し、凍結乾燥する。収率100%。m/z=190[M+H]
+、保持時間(rt)=0.45分、LC−MSは方法o。
【0158】
ステップ3:中間体I−13.3の合成
DCM(15mL)中のR3(0.62g、2.6ミリモル)に、ジイソプロピルエチルアミン(1.78mL、10.3ミリモル)およびHATU(0.98g、2.6ミリモル)を添加し、反応混合物を45分間撹拌する。次いで、DCM(5mL)に溶解した中間体I−13.2(0.56g、2.9ミリモル)を添加し、混合物を24時撹拌する。生じた混合物を、10%NaHCO
3水溶液、10%酒石酸水溶液で、3回洗浄する。有機相を乾燥、濃縮して、中間体I−13.3を得る。収率100%。m/z=413[M+H]
+、保持時間(rt)=0.83分、LC−MSは方法i。
【0159】
ステップ4:中間体I−13.4の合成
中間体I−13.3(0.60g、1.5ミリモル)に、Hunig塩基(0.50mL、2.9ミリモル)、50%ヒドロキシルアミン水(0.13mL、2.2ミリモル)およびエタノール(22mL)を添加し、反応混合物を80℃で3.5時間撹拌する。さらなる50%ヒドロキシルアミン水(0.045mL)を添加し、反応物を50℃で一夜撹拌する。溶媒を真空下で除去する。残留物をDMFに溶解し、カラムクロマトグラフィー(ACN/水/アンモニアの混合溶媒を使用)で精製する。生成物を凍結乾燥して中間体I−13.4を得る。収率70%。m/z=446[M+H]
+、保持時間(rt)=0.62分、LC−MSは方法i。
【0160】
ステップ5:中間体I−13.5の合成
酢酸(32.1μL、0.6ミリモル)をDMF(3mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(241.4μL、1.4ミリモル)およびTBTU(180.2mg、0.6ミリモル)を添加する。反応混合物を20分間撹拌する。次いで、中間体I−13.4(125.0mg、0.3ミリモル)を添加し、反応混合物を2時間撹拌する。反応混合物をカラムクロマトグラフィー(ACN/水/アンモニアの溶媒混合物を使用)で精製する。生成物を凍結乾燥して中間体I−13.5を得る。収率71%。m/z=370[M+H−Boc]
+、保持時間(rt)=0.86分、LC−MSは方法i。
【0161】
ステップ6:例116の化合物の合成
I−13.5(93.6mg、0.2ミリモル)を乾燥DCM(2mL)に溶解し、Burgess試薬(R2)(95.0mg、0.4ミリモル)を添加する。反応混合物を24時間撹拌する。溶媒を真空下で除去する。残留物をギ酸(2mL)に溶解し、40℃で15分間撹拌する。反応混合物をDMFで希釈し、カラムクロマトグラフィー(ACN/水/TFAの溶媒混合物を使用)で精製する。生成物を凍結乾燥して例116の化合物を得る。収率100%。m/z=352[M+H]
+、保持時間(rt)=1.22分、LC−MSは方法k。
【0162】
適切な中間体から同様の方式で次の化合物:表1の例114、例115を合成した。
方法M
(1R,3S,4S)−N−((S)−1−シアノ−2−(4−(1−メチル−1H−インドール−5−イル)−フェニル)エチル−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキサミド(例118)の合成
【化47】
【0163】
ステップ1:I−11.1の合成
このステップは、適切な試薬を使用し、方法Aのステップ1について報告した手順に従って実施される。収率89%。m/z=499[M+H]
+、rt=1.52分、LC−MSは方法b。
ステップ2:例118の化合物の合成
アセトニトリル(3mL)中で、I−11.1(180mg、0.361ミリモル)、クロロトリメチルシラン(137μL、1.083ミリモル)およびNaI(162mg、1.083ミリモル)を室温で1.5時間撹拌する。メタノールを添加し、混合物を室温で15分間撹拌する。溶媒を蒸発させた後、生成物をHPLCで単離する。収率26%。m/z=347[M+H]
+、rt=0.28分、LC−MSは方法n。
【実施例】
【0164】
【表2】
【0165】
本発明のその他の特徴および利点は、例を通して本発明の原理を説明する以下のより詳細な例から明らかとなる。
【0166】
ヒトDPPI(カテプシンC)の阻害:
材料:マイクロタイタープレート(Optiplate−384F)(製品番号6007270)は、PerkinElmer社から購入した。基質Gly−Arg−AMC(製品番号808756カスタムペプチド)はBiotrend社から、ウシ血清アルブミン(BSA;製品番号A3059)およびジチオトレイトール(DTT;製品番号D0632)はSigma社から購入した。TagZyme緩衝液(製品番号04269)はRiedel−de−Haen社から、NaCl(製品番号1.06404.1000)はMerck社から、モルホリノエタンスルホン酸(MES)(製品番号29834)はServa社から購入した。DPPI阻害剤Gly−Phe−DMK(製品番号03DK00625)はMP Biomedicals社から購入した。組換えヒトDPPIはProzymex社から購入した。すべてのその他の材料は、購入可能な最高級のものとした。
【0167】
次の緩衝液を使用した:
MES緩衝液:25mM MES、50mM NaCl、5mM DTT、pH6.0に調整、0.1%BSAを含む;
TAGZyme緩衝液:20mM NaH
2PO
4、150mM NaCl、HClでpH6.0に調整。
アッセイ条件:組換えヒトDPPIを、TAGZyme緩衝液で1U/mL(それぞれ38.1μg/mL)に希釈し、次いで、2mMシステアミン水溶液と1:2の比率で混合すること、および室温で5分間インキュベートすることによって活性化した。
【0168】
二段蒸留水(4%のDMSOを含む、最終DMSO濃度1%)中の試験化合物(最終濃度0.1nM〜100μM)5μLを、10μLのDPPI/MES緩衝液(最終濃度0.0125ng/μL)と混合し、10分間インキュベートした。次いで5μLの基質/MES緩衝液(最終濃度50μM)を添加した。次いでマイクロタイタープレートを室温で30分間インキュベートした。次いで、10μLのGly−Phe−DMK/MES緩衝液(最終濃度1μM)を添加することによって反応を停止した。ウェル中の蛍光を、Molecular Devices SpectraMax M5蛍光読取り機(Ex360nm、Em460nm)またはEnvision蛍光読取り機(Ex355nm、Em460nm)を使用して測定した。
【0169】
各アッセイのマイクロタイタープレートには、非阻害酵素活性に関する参照としてのビヒクル対照(1%DMSO/二段蒸留水+0.075%BSA)を含むウェル(100%対照;高値)、およびバックグラウンド蛍光に関する対照としての阻害剤(Gly−Phe−DMK/二段蒸留水+1%DMSO+0.075%BSA、最終濃度1μM)を含むウェル(0%対照;低値)を含めた。データの解析は、次の式を使用して、バックグラウンド蛍光を控除した後に、試験化合物の存在下での蛍光のビヒクル対照の蛍光と比較した比率を計算することによって実施した:
(RFU(サンプル)−RFU(バックグラウンド))×100/(RFU(対照)−RFU(バックグラウンド))。
これらの計算からのデータを使用して、それぞれDPPIの阻害に関するIC
50値を求めた。
【0170】
ヒトカテプシンKの阻害
材料:マイクロタイタープレート(Optiplate−384F)(製品番号6007270)は、PerkinElmer社から購入した。基質Z−Gly−Pro−Arg−AMC(製品番P−142)はBiomol社から、L−システイン(製品番号168149)はSigma社から、酢酸ナトリウム(製品番号6268.0250)はMerck社から、EDTA(製品番号03680)はFluka社から、阻害剤E−64(製品番号E3132)はSigma社から購入した。組換えヒトカテプシンKプロ酵素(製品番号SE−367)はBiomol社から購入した。すべてのその他の材料は、購入可能な最高級のものとした。
【0171】
次の緩衝液を使用した:
活性化緩衝液:32.5mM酢酸ナトリウム、HClでpH3.5に調整;
アッセイ緩衝液:150mM酢酸ナトリウム、4mM EDTA、20mM L−システイン、HClでpH5.5に調整。
アッセイ条件:プロ酵素を活性化するため、5μLのプロカテプシンKを1μLの活性化緩衝液と混合し、室温で30分間インキュベートした。
【0172】
5μLの試験化合物/二段蒸留水(4%のDMSOを含む、DMSO最終濃度1%)(最終濃度0.1nM〜100μM)を10μLのカテプシンK/アッセイ緩衝液(最終濃度2ng/μL)と混合し、10分間インキュベートした。次いで、5μLの基質/アッセイ用緩衝液(最終濃12.5μM)を添加した。次いでプレートを室温で60分間インキュベートした。次いで、10μLのE64/アッセイ緩衝液(最終濃度1μM)を添加することによって反応を停止した。ウェル中の蛍光を、Molecular Devices SpectraMax M5蛍光読取り機(Ex360nm、Em460nm)を使用して測定した。
【0173】
各アッセイのマイクロタイタープレートには、非阻害酵素活性に関する参照としてのビヒクル対照(1%DMSO/二段蒸留水)を含むウェル(100%対照;高値)、およびバックグラウンド蛍光に関する対照としての阻害剤(E64/二段蒸留水+1%DMSO、最終濃度1μM)を含むウェル(0%対照;低値)を含める。データの解析は、バックグラウンド蛍光を控除した後に、試験化合物の存在下での蛍光のビヒクル対照の蛍光と比較した比率を計算することによって実施した:
(RFU(サンプル)−RFU(バックグラウンド))×100/(RFU(対照)−RFU(バックグラウンド))。
これらの計算からのデータを使用して、DPPIの阻害に関するIC
50値をそれぞれ求めた。
【0174】
【表3】
【0175】
組合せ
一般式Iの化合物は、単独で、または本発明による式Iのその他の有効物質と組み合わせて使用することができる。また、一般式Iの化合物を、その他の薬理学的有効物質と組み合わせることができる。これらの物質としては、β2−アドレナリン受容体作動薬(短期および長期作用性)、抗コリン薬(短期および長期作用性)、抗炎症性ステロイド(経口および局所コルチコステロイド)、クロモグリケート、メチルキサンチン、解離性グルココルチコイド模倣薬、PDE3阻害剤、PDE4阻害剤、PDE7阻害剤、LTD4拮抗剤、EGFR阻害剤、ドーパミン作動薬、PAF拮抗剤、リポキシンA4誘導体、FPRL1調節薬、LTB4受容体(BLT1、BLT2)拮抗剤、ヒスタミンH1受容体拮抗剤、ヒスタミンH4受容体拮抗剤、ヒスタミンH1/H3デュアル受容体拮抗剤、PI3キナーゼ阻害剤、例えばLYN、LCK、SYK、ZAP−70、FYN、BTKまたはITKのような非受容体チロシンキナーゼの阻害剤、例えば、p38、ERK1、ERK2、JNK1、JNK2、JNK3またはSAPのようなMAPキナーゼの阻害剤、例えば、IKK2キナーゼ阻害剤、iNOS阻害剤、MRP4阻害剤のようなNF−κBシグナル伝達経路の阻害剤、例えば、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤、cPLA2阻害剤、ロイコトリエンA4ヒドロラーゼ阻害剤またはFLAP阻害剤のようなロイコトリエン生合成阻害剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、CRTH2拮抗剤、DPI受容体調節薬、トロンボキサン受容体拮抗剤、CCR3拮抗剤、CCR
4拮抗剤、CCR1拮抗剤、CCR5拮抗剤、CCR6拮抗剤、CCR7拮抗剤、CCR8拮抗剤、CCR9拮抗剤、CCR30拮抗剤、CXCR
3拮抗剤、CXCR
4拮抗剤、CXCR
2拮抗剤、CXCR
1拮抗剤、CXCR5拮抗剤、CXCR6拮抗剤、CX3CR
3拮抗剤、ニューロキニン(NK1、NK2)拮抗剤、スフィンゴシン1−リン酸受容体調節薬、スフィンゴシン1リン酸リアーゼ阻害剤、例えば、A2a作動薬のようなアデノシン受容体調節薬、例えば、P2X7阻害剤のようなプリン作動性受容体(rezeptor)の調節薬、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)活性化薬、ブラジキニン(BK1、BK2)拮抗剤、TACE阻害剤、PPARγ調節薬、Rhoキナーゼ阻害剤、インターロイキン1−β変換酵素(ICE)阻害剤、トール様受容体(TLR)調節薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、VLA−4拮抗剤、ICAM−1阻害剤、SHIP作動薬、GABAα受容体拮抗剤、ENaC阻害剤、プロスタシン阻害剤、マトリプターゼ阻害剤、メラノコルチン受容体(MC1R、MC2R、MC3R、MC4R、MC5R)調節薬、CGRP拮抗剤、エンドセリン拮抗剤、TNFα拮抗剤、抗TNF抗体、抗GM−CSF抗体、抗CD46抗体、抗IL−1抗体、抗IL−2抗体、抗IL−4抗体、抗IL−5抗体、抗IL−13抗体、抗IL−4/IL−13抗体、抗TSLP抗体、抗OX40抗体、粘液調整薬、免疫療法薬、抗気道腫脹性化合物、抗咳性化合物、VEGF阻害剤、NE阻害剤、MMP9阻害剤、MMP12阻害剤、さらには2種または3種の有効物質の組合せが挙げられる。
【0176】
好ましいのは、β模倣薬、抗コリン薬、コルチコステロイド、PDE4阻害剤、LTD4拮抗剤、EGFR阻害剤、CRTH2阻害剤、5−LO阻害剤、ヒスタミン受容体拮抗剤およびSYK阻害剤、NE阻害剤、MMP9阻害剤、MMP12阻害剤、さらには2種または3種の有効物質の組合せ:すなわち
・β模倣薬の、コルチコステロイド、PDE4阻害剤、CRTH2阻害剤またはLTD4拮抗剤との組合せ、
・抗コリン薬の、β模倣薬、コルチコステロイド、PDE4阻害剤、CRTH2阻害剤またはLTD4拮抗剤との組合せ、
・コルチコステロイドの、PDE4阻害剤、CRTH2阻害剤またはLTD4拮抗剤との組合せ、
・PDE4阻害剤の、CRTH2阻害剤またはLTD4拮抗剤との組合せ
・CRTH2阻害剤の、LTD4拮抗剤との組合せ、である。
【0177】
適応症
本発明の化合物およびそれらの薬学上許容される塩は、医薬としての、とりわけジペプチジルペプチダーゼI活性の阻害剤としての活性を有し、したがって、以下の治療で使用できる:
【0178】
1.気道:気道の閉塞性疾患、例えば、気管支性、アレルギー性、内因性、外因性、運動誘発性、薬物誘発性(アスピリンおよびNSAID誘発性を含む)を含む喘息、および粉塵誘発性喘息(双方とも、すべての重症度の間欠性および持続性の)、ならびにその他の原因の気道過剰反応;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性および好酸球性気管支炎を含む気管支炎を含む気管支炎;肺気腫;α1−アンチトリプシン欠乏症、気管支拡張症;嚢胞性線維症、サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏性肺炎;特発性線維化肺胞炎、特発性間質性肺炎を含む肺線維症;線維症併発性抗腫瘍薬療法、および結核およびアスペルギルス症およびその他の真菌感染症を含む慢性感染症;肺移植の合併症;肺血管系の血管性および血栓性障害および肺高血圧;気道の炎症および分泌状態に付随する慢性咳、および医原性咳の治療を含む鎮咳活性;薬剤性鼻炎および血管運動性鼻炎を含む急性および慢性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む通年性および季節性アレルギー性鼻炎;鼻ポリープ症;感冒を含む急性ウイルス感染症、および呼吸器合胞体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)およびアデノウイルスによる感染症。
【0179】
2.皮膚:乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎またはその他の湿疹性皮膚疾患、および遅延型過敏反応;植物−および光線皮膚炎;脂漏性皮膚炎、発疹性皮膚炎、扁平苔癬、硬化性委縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管性浮腫、血管炎、中毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型脱毛症、スィート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅疹、蜂巣炎(感染性および非感染性の双方)、皮下脂肪組織炎、皮膚リンパ腫、非黒色腫皮膚がんおよびその他の形成異常病変、固定薬疹を含む薬物誘導性障害。
3.眼:眼瞼炎;通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む結膜炎;虹彩炎;前および後ブドウ膜炎;脈絡膜炎;網膜に影響を及ぼす自己免疫性、変性または炎症性障害;交感性眼炎を含む眼炎;サルコイドーシス;ウイルス性、真菌性および細菌性を含む感染症。
4.泌尿生殖器:間質性腎炎および糸球体腎炎を含む腎炎;ネフローゼ症候群;急性および慢性(間質性)膀胱炎およびハンナー潰瘍を含む膀胱炎;急性および慢性の尿道炎、前立腺炎、副睾丸炎、卵巣炎、卵管炎;外陰膣炎;ペーロニ病;勃起不全(男性および女性の双方)。
【0180】
5.同種移植拒絶:例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚または角膜の移植に続く、あるいは輸血に続く急性および慢性の拒絶;あるいは慢性の移植片対宿主病。
6.リウマチ様関節炎を含むその他の自己免疫性およびアレルギー性障害、過敏性腸症候群、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、橋本甲状腺炎、グレーヴス病、アジソン病、糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質症候群およびセザリー(Sazary)症候群。
7.腫瘍学:前立腺、乳房、肺、卵巣、膵臓、腸結腸、胃、皮膚、および脳の腫瘍を含む一般的ながん、ならびにホジキンおよび非ホジキンリンパ腫などの、骨髄(白血病を含む)およびリンパ球増殖系に影響を及ぼす悪性腫瘍の治療;転移性疾患および腫瘍再発および腫瘍随伴性症候群の予防および治療を含む。
【0181】
8.感染性疾患:生殖器ゆうぜい、尋常性ゆうぜい、足底ゆうぜい、B型肝炎、C型肝炎、単純ヘルペスウイルス、伝染性軟属腫、天然痘、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、帯状疱疹ウイルス(VZV)、ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザ、パラインフルエンザなどのウイルス性疾患;結核およびマイコバクテリウム・アビウム、ハンセン病などの細菌性疾患;真菌性疾患、クラミジア、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス髄膜炎、カリニ肺炎、クリプトスポリジウム症、ヒストプラズマ症、トキソプラズマ症、トリパノソーム感染症およびリーシュマニア症などのその他の感染性疾患。
【0182】
9.疼痛:カテプシンC欠損マウスからの最近の文献データは、疼痛感覚におけるカテプシンCの調節的役割を指摘している。したがって、カテプシンCの阻害剤は、種々の形態の慢性疼痛、例えば炎症性または神経障害性疼痛の臨床設定において有用である可能性がある。
【0183】
上記の疾患および状態の治療に関して、治療有効用量は、本発明の化合物の投与量ごとに、一般に、約0.01mg〜約100mg/kg体重、好ましくは約0.1mg〜約20mg/kg体重の範囲にある。例えば、70kgの者に投与する場合、投与量範囲は、本発明の化合物の投与量ごとに、約0.7mg〜約7000mg、好ましくは約7.0mg〜約1400mgの範囲にある。最適な投与レベルおよびパターンを決めるために、ある程度の定型的な用量最適化が必要とされることもある。有効成分は、1日に1〜6回投与することができる。
【0184】
実際の薬学的有効量または治療投与量は、もちろん、患者の年齢および体重、投与経路、および疾患の重症度などの、当業者に公知の因子に依存する。いずれにせよ、有効成分は、患者特有の状態に基づいて薬学的有効量が送達されることを可能にする、投与量および方式で投与される。
本発明は、更に、以下の態様であり得る。
〔1〕式Iの化合物またはその塩。
【化1】
[式中、
nは、0、1、2、3または4であり、
R1は、C1-6−アルキル−、ハロゲン、HO−、C1-6−アルキル−O−、H2N−、C1-6−アルキル−HN−、(C1-6−アルキル)2N−、C1-6−アルキル−C(O)HN−であり、
R2は、H、ハロゲン、または
・互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR2.1で置換されていてもよい、C1-6−アルキル−、C2-6−アルケニル−、C2-6−アルキニル−、C3-6−シクロアルキル−、またはC3-6−シクロアルケニル−、
・1つまたは2つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR2.1で置換されていてもよい単環式C5-7−ヘテロシクリル−、
・1つ、2つ、3つまたは4つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR2.1で置換されていてもよい二環式C8-10−ヘテロシクリル−、
・1つ、2つ、3つまたは4つの炭素原子が、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が芳香族性である、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR2.1で置換されていてもよいC5-10−ヘテロアリール−、
・互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR2.1で置換されていてもよいアリール−、
・互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR2.1で置換されていてもよいアリール−(O)C−HN−
からなる群から選択され、
R2.1は、ハロゲン、C1-6−アルキル−、C3-6−シクロアルキル−、HO−、O=、C1-6−アルキル−O−、C1-6−アルキル−(O)C−、C1-6−アルキル−O(O)C−、C1-6−アルキル−HN−、(C1-6−アルキル)2N−、C1-6−アルキル−S−、C1-6−アルキル−(O)S−、C1-6−アルキル−(O)2S−、C1-6−アルキル−(O)2SO−、(C1-6−アルキル)2N(O)C−、C1-6−アルキル−HN(O)C−、C1-6−アルキル−(O)CHN−、C1-6−アルキル−(O)C(C1-6−アルキル)N−、C3-6−シクロアルキル−HN−、C3-6−シクロアルキル−(O)C−、HO−C1-6−アルキル−、MeO−C1-6−アルキル−、NC−、(C1-6−アルキル)2N(O)2S−、C1-6−アルキル−HN(O)2S−、(C1-6−アルキル)2(HO)C−またはR2.1.1−、R2.1.1−C1-6−アルキル−O(O)C−、R2.1.1−C1-6−アルキルであり、
R2.1.1は、それぞれ1つ、2つまたは3つのハロゲン、HO−、NC−、C1-6−アルキル−、C1-6−アルキル−O−で置換されていてもよいフェニル−、ピリジニル−、C3-6−シクロアルキル−である]
〔2〕nが、0、1、2、3または4であり、
R1が、Me−、F−、HO−、MeO−、H2Nであり、
R2が、ハロゲン、C1-6−アルキル−、C2-6−アルケニル−、C3-6−シクロアルキル−、C3-6−シクロアルケニル−、または
・1つまたは2つの炭素原子が、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR2.1で置換されていてもよい単環式C5-7−ヘテロシクリル−、・1つ、2つ、3つまたは4つの炭素原子が、−S−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR2.1で置換されていてもよい二環式C8-10−ヘテロシクリル−、
・1つ、2つまたは3つの炭素原子が、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が芳香族性であり、互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR2.1で置換されていてもよいC5-10−ヘテロアリール−、
・互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR2.1で置換されていてもよいアリール−、
・互いに独立に、1つ、2つ、3つまたは4つのR2.1で置換されていてもよいアリール−(O)C−HN−
からなる群から選択される環系、
からなる群から選択され、
R2.1が、ハロゲン、C1-4−アルキル−、C3-6−シクロアルキル−、O=、C1-4−アルキル−(O)C−、C1-4−アルキル−(O)2S−、C1-4−アルキル−(O)2SO−、(C1-4−アルキル)2N(O)C−、C1-4−アルキル−HN(O)C−、C3-6−シクロアルキル−(O)C−、フェニル−C1-4−アルキル−、MeO−C1-4−アルキル−、NC−、(C1-4−アルキル)2N(O)2S−、C1-4−アルキル−HN(O)2S−、(C1-4−アルキル)2(HO)C−、またはC1-4−アルキル−O−で置換されていてもよいフェニル−である、前記〔1〕に記載の式Iの化合物またはその塩。
〔3〕nが、0、1、2または3であり、
R1が、F−、HO−であり、
R2が、ハロゲン、C1-6−アルキル−、C2-6−アルケニル−、C3-6−シクロアルキル−、C3-6−シクロアルケニル、または
・1つまたは2つの炭素原子が、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、互いに独立に、1つまたは2つのR2.1で置換されていてもよい単環式C5-7−ヘテロシクリル−、
・1つ、2つ、3つまたは4つの炭素原子が、−S−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、互いに独立に、1つまたは2つのR2.1で置換されていてもよい二環式C8-10−ヘテロシクリル−、
・互いに独立に、1つまたは2つのR2.1で置換されていてもよいアリール−、
・1つ、2つまたは3つの炭素原子が、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が芳香族性である、互いに独立に、1つまたは2つのR2.1で置換されていてもよいC5-10−ヘテロアリール−
からなる群から選択される環系、
からなる群から選択され、
R2.1が、
Me−、F2HC−H2C−、O=、Me(O)C−、Et(O)C−、iPr(O)C−、nPr(O)C−、Me(O)2S−、Et(O)2S−、iPr(O)2S−、Me(O)2SO−、Me2N(O)C−、EtHN(O)C−、iPrHN(O)C−、シクロプロピル−(O)C−、フェニル−H2C−、MeO(CH2)3−、NC−、F−、Me2N(O)2S−、MeHN(O)2S−、MeOH2C−、Me2(HO)C−、シクロプロピル−、またはMeO−で置換されていてもよいフェニル−である、前記〔1〕または〔2〕に記載の式Iの化合物またはその塩。
〔4〕nが、0、1、2または3であり、
R1が、F−、HO−であり、
R2が、ハロゲン、C1-4−アルキル、C2-4−アルケニル−、C3-6−シクロアルキル−、C3-6−シクロアルケニル−、または
・1つまたは2つの炭素原子が、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、Me−、F2H−CH2C−、O=、Me(O)C−、Et(O)C−、iPr(O)C−、nPr(O)C−、Me(O)2S−、Et(O)2S−、iPr(O)2S−、Me2N(O)C−、EtHN(O)C−、iPrHN(O)C−、シクロプロピル−(O)C−、フェニル−H2C−からなる群から互いに独立に選択される1つまたは2つの残基で置換されていてもよい単環式C5-7−ヘテロシクリル−、
・1つ、2つ、3つまたは4つの炭素原子が、−S−、−O−または−N−から選択されるヘテロ原子で置き換えられており、かつ環が、完全にまたは部分的に飽和されている、Me−、O=、MeO(CH2)3−からなる群から互いに独立に選択される1つまたは2つの残基で置換されていてもよい二環式C8-10−ヘテロシクリル−、
・NC−、F−、Me(O)2S−、Et(O)2S−、Me(O)2SO−、Me2N(O)2S−、MeHN(O)2S−からなる群から互いに独立に選択される1つまたは2つの残基で置換されていてもよいフェニル−、
・それぞれ、互いに独立に、NC−、MeOH2C−、Me2(HO)C−、シクロプロピル−、もしくはMeO−で置換されていてもよいフェニル−からなる群から選択される1つまたは2つの残基で置換されていてもよいピリジニル、オキサゾリル、または1,2,3−トリアゾール−
からなる群から選択される、前記〔1〕から〔3〕までのいずれか1項に記載の式Iの化合物またはその塩。
〔5〕nが、0、1、2または3であり、
R1が、F−、HO−であり、
R2が、
【化2】
【化3】
からなる群から選択される、前記〔1〕から〔4〕までのいずれか1項に記載の式Iの化合物またはその塩。
〔6〕式I'の化合物。
【化4】
(式中、n、R1およびR2は、前記〔1〕から〔5〕までのいずれか1項に記載の意味を有する)
〔7〕薬剤として使用するための、前記〔1〕から〔5〕までのいずれか1項に記載の式Iの化合物。
〔8〕喘息およびアレルギー性疾患、炎症性胃腸疾患、好酸球性疾患、慢性閉塞性肺疾患、病原性微生物による感染症、リウマチ様関節炎、ならびにアテローム性動脈硬化症を治療するための薬剤として使用するための、前記〔1〕から〔5〕までのいずれか1項に記載の式Iの化合物。
〔9〕前記〔1〕から〔5〕までのいずれか1項に記載の式Iの化合物またはその薬学上有効な塩の1種またはは複数種を含むことを特徴とする、医薬組成物。
〔10〕DPPIの活性阻害剤が治療上の効用を有する疾患の治療または予防方法であって、それを必要とする患者に、治療または予防有効量の前記〔1〕から〔7〕までのいずれか1項に記載の式Iの化合物を投与することを含む、前記方法。
〔11〕前記〔1〕から〔6〕までのいずれか1項に記載の式Iの化合物に加えて、β模倣薬、抗コリン薬、コルチコステロイド、PDE4阻害剤、LTD4拮抗剤、EGFR阻害剤、CRTH2阻害剤、5−LO阻害剤、ヒスタミン受容体拮抗剤、CCR9拮抗剤およびSYK阻害剤、NE阻害剤、MMP9阻害剤、MMP12阻害剤、さらには2種または3種の有効物質の組合せからなる群から選択される薬学上有効な化合物を含む医薬組成物。