特許第6012745号(P6012745)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6012745液体製品の起泡を減じかつ除去するためのソノトロードおよびデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012745
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】液体製品の起泡を減じかつ除去するためのソノトロードおよびデバイス
(51)【国際特許分類】
   B01D 19/02 20060101AFI20161011BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20161011BHJP
   A23L 3/30 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   B01D19/02
   A23L2/00 A
   A23L3/30
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-540511(P2014-540511)
(86)(22)【出願日】2012年11月13日
(65)【公表番号】特表2014-534067(P2014-534067A)
(43)【公表日】2014年12月18日
(86)【国際出願番号】EP2012072458
(87)【国際公開番号】WO2013072296
(87)【国際公開日】20130523
【審査請求日】2015年8月25日
(31)【優先権主張番号】11189063.8
(32)【優先日】2011年11月14日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512116871
【氏名又は名称】テルソニック・ホールディング・アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】TELSONIC HOLDING AG
(73)【特許権者】
【識別番号】314012663
【氏名又は名称】カビタス ソリューションズ プロプライアタリ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一
(72)【発明者】
【氏名】バッティカー アルバート
(72)【発明者】
【氏名】ケラー ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ベイツ ダレン
【審査官】 神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭56−011730(JP,A)
【文献】 実開平01−146929(JP,U)
【文献】 特表2009−533991(JP,A)
【文献】 特表2009−502466(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/040993(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 19/00−19/04
A23L 2/00
A23L 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業生産工程で小型一体型ソノトロードの本体を用いて液体製品の起泡を減じかつ除去するための超音波場を生成するソノトロード(10)において、
前記ソノトロード(10)は、高周波ジェネレータに接続する接続手段を有するとともに、消泡される製品(3)の所望の箇所または部位に前記超音波場を向ける前面(2)を有する本体部(1)を備え、
前記本体部(1)は、小型ブロック要素の形状を有することと、
前記超音波場が、非集束超音波と比べて集中した形態で処理される製品の泡沫(3)の特定の部位に集束され、向けられるように、前記前面(2)は、製品表面に対し凹んだ形状であることと、
前記本体部(1)は、前記前面(2)側に縮小径部(41)を有する矩形ブロック様形状(40)であって、前記前面(2)は、前記縮小径部(41)よりも拡大されていることと、
を特徴とする、ソノトロード(10)。
【請求項2】
1ミクロンと150ミクロンの間のピーク・ツー・ピークの変位の超音波振幅が供給されることを特徴とする、請求項1に記載のソノトロード(10)。
【請求項3】
前記本体部(1)と集束された前記超音波場を生成する前記前面(2)との間に、前記前面(2)の長手方向軸(L)に沿って丸い横方向のくぼみを有するネック様部分が設けられ、この軸(L)は前記ソノトロード(10)の長手方向軸(S)に略垂直であることを特徴とする、請求項1または2に記載のソノトロード(10)。
【請求項4】
前記前面(2)が、長手方向軸(L)の方向に丸い凹み(21)を有する矩形形状を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のソノトロード(10)。
【請求項5】
前記前面(2)の前記凹み(21)が、半径がr=2cm以上の円弧のように形成されていることを特徴とする、請求項4に記載のソノトロード(10)。
【請求項6】
前記ソノトロードが鋼、アルミニウム、ニッケル、チタンまたはこれらの材料の合金でできていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のソノトロード(10)。
【請求項7】
前記本体部(1)と前記前面(2)が、同一材料で実現化され一体形成されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のソノトロード(10)。
【請求項8】
前記ソノトロード(10)が、超音波の強度が10dbから200dbの間になるような形状と構成であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のソノトロード(10)。
【請求項9】
ブロック形の前記本体部(1)が、超音波ジェネレータに接続する円形中央接続部分(5)を備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のソノトロード(10)。
【請求項10】
工業生産工程における液体製品を消泡するデバイス(20)であって、
超音波ジェネレータと、冷却ユニットを有するコンバータと、1つまたは複数のソノトロード(10)を前記超音波ジェネレータに接続する少なくとも1本の高周波ケーブルとを備え、
前記デバイスは、請求項1から9のいずれか一項に記載のブロック形高振幅比ソノトロード(10)を少なくとも1つ備えていることを特徴とする、デバイス(20)。
【請求項11】
1ミクロンと150ミクロンの間のピーク・ツー・ピーク変位の超音波振幅の範囲の超音波を生成する手段を特徴とする、請求項10に記載のデバイス(20)。
【請求項12】
消泡効果を向上させるために前記前面(2)の両方の長手方向軸Lが互いに平行になり、両方の超音波場が処理される製品(3)の部位で合わされるように、共通のマザー・ソノトロード(4)上に取り付けられた少なくとも2つのソノトロード(10)が設けられていることを特徴とする、請求項10または11に記載のデバイス(20)。
【請求項13】
前記ソノトロード(10)の前記前面(2)の超音波放射表面が、0.1mmから1000mmの間の距離にあるように、前記ソノトロード(10)が、処理される製品(3)から離れて配置されていることを特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載のデバイス(20)。
【請求項14】
前記ソノトロード(10)の前記前面(2)から放射される超音波エネルギーが、通過する泡沫を直接破るような形で、前記少なくとも1つのソノトロード(10)が、泡沫、または泡沫および液体、または泡沫、液体および固体の流動性材料を含むパイプ、開放溝、閉じたまたは開いたタンク、槽、容器などに組み込まれ得るような形と寸法に形成されることを特徴とする、請求項10から13のいずれか一項に記載のデバイス(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理中に製品上面に起泡を生じる、液体製品を処理する化学処理または食品関連処理などの工業生産工程において、超音波場を生成するソノトロードに関する。本発明はまた、消泡のためのそのようなソノトロードを1つまたは複数含むデバイスにも関する。
【背景技術】
【0002】
様々な工業分野において、処理される製品の泡沫生成は固有の問題である。例えば飲料工業の分野では、主としてコーラやビールなどの炭酸製品だけでなく果汁などの非炭酸製品でも、製品が大量の泡沫を生成するという問題が、生産工程中のみならず製品を瓶などに充填する間も存在する。泡沫が生じると、しばしば望ましくない製品ロスにつながり、製品が充填される容器の汚染は、これらの工業界における大きな問題である。充填工程中に泡沫が過剰生成されると、容器の密封に関する問題が生じ、さらには充填ライン工程が製品上部の泡沫のせいで著しく遅くなる。しかし、他の工業界でも、液体製品の泡沫生成は問題である。他の工業界の例は、化学品、石油、医薬品および鉱業である。泡沫は、製品が充填されるタンク、開放槽または容器もしくは瓶内で形成し得る。泡沫に起因して、槽の容量/容積、ならびにポンプ、ホモジナイザ、殺菌機、充填ラインおよび濾過装置などの下流処理装置に関する問題もある。
【0003】
従来技術においては、過剰な泡沫生成を減ずるまたは対処するために使用されている一般的技術は、この数年、消泡化学物質の使用を伴ってきた。しかし、食品工業界では化学物質の使用は不可能であり、他の工業界ではそのような泡沫生成を減ずる化学物質の使用はかえってコストがかかる。また、化学物質は、生産ラインで処理される液体製品の特性を変化させ得る。
【0004】
さらに、従来技術では、例えばビールまたはコーラを瓶に充填する間、泡沫の生成を制限するための機械的破泡装置が提案されている。このタイプの問題のさらなる解決法は、超音波を用いて液体製品上部の泡沫を破壊する消泡デバイスにある。例えば、国際公開第2004/024317A1号パンフレットでは、大きい容器内の泡沫生成を除去するための超音波デバイスが開示されている。この既知のデバイスは、回転デバイス上に取り付けられた丸いプレート形状の共振器を用い、製品の方向にこのデバイスの共振器プレートの処理表面の角度を変える手段を備えている。プレート形状の共振器の角度の変化と2つのデバイスの回転により超音波場が製品容器の表面の特定の箇所に集束される。このシステムはかなり大きな構成であり、既存の充填ラインに大幅な変形なしで組み込むことは困難である。さらに、この既知の超音波デバイスは、超音波場の生成の制御と集束された超音波場の放射角の永続的調節に複雑な手段を要する。
【0005】
国際公開第2007/118285A1号パンフレットでは、本体部と、その端部に液体処理表面とを有するソノトロードを有する、さらなる超音波トランスデューサシステムが開示されている。このソノトロードの泡沫処理表面は、複数のホーン形状の空洞を備えている。複数の空洞により、より強力な超音波場が放射され得る。しかし、このタイプの超音波処理デバイスも、特定用途、例えば飲料を瓶または容器に充填する充填ラインなどにおける泡沫生成を除去する可能性という点では欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の解決法の上述の欠点に鑑み、本発明は、既存の生産ラインでの使用に関し、
また様々な生産工程における泡沫除去および泡沫低減に関し、より効率的かつよりフレキシブルなソノトロード、および少なくとも1つのソノトロードを有する超音波デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この問題は、請求項1に記載の特徴をもつソノトロードにより、および請求項11に記載の特徴による超音波場を生成するデバイスにより解決される。本発明の好ましい実施形態と特徴は、それぞれの従属請求項に開示される。
【0008】
本発明による請求項1に記載のソノトロードは、ソノトロードを高周波ジェネレータに接続する接続手段を有する本体部を有するとともに、消泡される製品の所望の箇所もしくは部位または製品の上部に超音波場を向ける前面を有する。本発明によるソノトロードは、本体部が小型ブロック要素の形状を有することと、処理される製品の泡沫の特定部位に、超音波場が非集束超音波よりも集中した形態で集束されて向けられるように、前面が製品表面に対し凹んだ形状であることを特徴とする。前面が凹形なので、超音波場は、平坦または凸形の前面よりも集中される。本発明による前面の空洞(凹み)は、液体製品の消泡効果が向上されるように形成されている。本発明によるソノトロードの凹形前面は、具体的には最適化された曲線を有する丸みのある溝またはチャネルとして形成され得る。接続部によりソノトロードに導入される超音波の高振幅周波数は、ブロック形状の本体部により凹形前面に効果的に伝達され、その結果として液体製品の処理中に泡沫生成が効果的に除去され減じられ得る。
【0009】
本発明の有利な実現形態によると、ソノトロードは、高出力、特には1ワットと10,000ワットの間、2ワットと1000ワットの間、好ましくは5ワットから1ワットから800ワット、より好ましくは10ワットから700ワット、さらに好ましくは20ワットから600ワットの間の、空気中への超音波出力を供給される。
【0010】
本発明の有利な実現形態によると、ソノトロードは、高振幅比、特には1ミクロンと150ミクロンの間、好ましくは5ミクロンから140ミクロン、より好ましくは10ミクロンから120ミクロン、さらに好ましくは30ミクロンから120ミクロンのピーク・ツー・ピークの変位の超音波振幅が供給される。広範な研究から、発明者らは、これらの範囲の高振幅比により、非常に効果的な泡沫破壊および減少が可能であることを見出した。驚くべきことに、液体製品の消泡目的ではこれらの高周波数比がもっとも効果的であることが判明した。
【0011】
本発明のさらなる有利な実現形態によると、本体部は矩形のブロック様の形状であり、前面の側に前面よりも拡大された縮小径部を有する。このことは、ソノトロードが、その上部領域にソノトロードを高周波ジェネレータに接続する手段を有する小型のブロック形状部を有することを意味する。しかし、製品の泡沫に超音波場を向けるように設けられた下部、すなわち前面に近い部分には、ソノトロードが断面で木のような形状を有するように縮小径の部位が設けられている。この形状は、小型かつ、第1の視点から、かなり簡易に形成されるソノトロードを用いて高周波数の超音波場を生成するのにもっとも有効である。ブロック様体部と前面との間の縮小径の前面の拡大部分は、大量の高周波数超音波ビームを処理される製品に伝達するのに優れていることが示されている。したがって、消泡効果は、本発明によるこのタイプのソノトロードにより大幅に増大する。
【0012】
本発明のさらなる有利な実現形態によると、ソノトロードの本体部と高振幅の集束された超音波場を生成するための前面との間に、凹形前面の長手方向軸Lに沿って丸い横方向のくぼみのあるネック様部分が設けられており、該長手方向軸Lはソノトロード自体の長手方向軸Sに略垂直である。
【0013】
本発明のさらなる有利な実現形態によると、ソノトロード・デバイスは、空気とのインピーダンス整合を向上させ、結果として、ソノトロードの前面の放射表面からの距離:0.1mm〜1000mm、好ましくは0.2mm〜500mm、より好ましくは1mmと250mmの間、もっとも好ましくは10mmと100mmの間で泡沫を潰すのに十分なエネルギーにより超音波エネルギーの出力効率および空気中の侵入距離を向上させる。
【0014】
本発明のさらなる有利な実現形態によると、ソノトロード・デバイスは、泡沫、または泡沫および液体、または泡沫、液体および固体の流動性材料ならびに超音波を含むパイプ、開放溝、閉じたまたは開いたタンク、槽、容器(鋼、プラスチック、ガラス、金属製)に組み込まれ得、ソノトロード表面または凹形前面から放射されたエネルギーが、通過する泡沫を破るような様式の形と寸法である。
【0015】
本発明のさらなる好ましい実現形態によると、ソノトロードの前面は、長手方向Lに丸い凹みを有する矩形形状を有する。
【0016】
本発明のさらなる有利な実現形態によると、ソノトロードは、半径がr=2cmからr=∝の円弧様に形成された凹みを前面に有する。
【0017】
本発明によるソノトロードは、好ましくは、鋼(ステンレス鋼)、アルミニウム、ニッケル、チタンまたはこれらのタイプの材料の合金などの金属材料で作られている。最良の消泡結果は、高度な引っ張り強さ弾性力を有する金属(例えば、チタン合金)からできているソノトロードを用いて得られている。
【0018】
本発明のさらなる有利な実現形態によると、ブロックタイプのソノトロードは、超音波の強度が10dbから200dbの間、好ましくは50dbから190db、より好ましくは70dbから180db、もっとも好ましくは100dbから175dbになるような形と構成である。これらの超音波の強度の値は、飲料(コーラ、ダイエット・コーラ、ダイエット炭酸フルーツ飲料、砂糖ベースの炭酸フルーツ飲料、非炭酸フルーツ飲料、ジンジャービア、ルートビア、乳製品、乳/フルーツ飲料、ビール、全ての炭酸飲料、非炭酸飲料、発酵ブロス、乳タンパク系流体、大豆タンパク系流体、ホエータンパク系流体、油系流体など)、ならびに化学品または医薬品などの非常に多様な種類の液体製品の消泡において非常に良好な結果を示している。
【0019】
本発明によるソノトロードのさらに有利な特徴によると、ブロック形状の本体部は、超音波ジェネレータに接続する円形の接続部分を備えている。この構成法により、ソノトロードのブロック要素はその上部表面にディスク様の中央接続部が形成されており、このことは、高周波数の超音波を処理される製品表面に放射する前面に高周波ジェネレータから高振幅超音波場を導入し配分させるのに非常に効果的であることが判明している。
【0020】
本発明は、請求項11に記載の特徴によると、化学品、医薬品または飲料関連の処理などの工業生産工程で液体製品を消泡するデバイスであって、超音波ジェネレータ、冷却ユニットを有するコンバータ、および1つまたは複数のソノトロードをジェネレータに接続する少なくとも1つの高周波ケーブルを備えるデバイスにも関する。本発明によると、デバイスは、請求項1から10のいずれか一項に記載のブロック形高振幅比ソノトロードを少なくとも1つ備えていることを特徴とする。
【0021】
ある好ましい実現形態によると、デバイスは、両方の前面の長手方向軸Lが実質的に互いに平行になるように、共通のマザー・ソノトロードに取り付けられた2つのソノトロードを備えている。これにより、消泡効果が増大し、製品のより大きい面積が同時に処理できる。
【0022】
本発明による消泡デバイスのさらなる1つの態様によると、ソノトロードは、その前面が、処理される製品の生産ラインの輸送方向に沿うように配置される。このことは、前面の長手方向軸が、生産ラインの製品または瓶の輸送と同方向であることを意味する。この方法によりかなり長い超音波場が放射される。
【0023】
あるいは、ソノトロードは、その前面が、処理される製品の生産ラインの輸送方向に対しある角度をなすように配置される。好ましくは、長手方向軸Lと製品処理の方向との間の角度は、α=90°またはより好ましくはα=45°であってよい。一部の特定の用途における製品表面に対し、このように横方向に超音波場が作用することにより、この処理が驚くほどに、さらに効果的であることが示されている。
【0024】
実現形態のさらなる利点、特徴を以下の本発明のいくつかの実施形態の詳細な記述において付属の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明によるソノトロードの第1の実現例の斜視図である。
図2a】2つのソノトロードが製品処理に沿っている、本発明によるソノトロード・デバイスの実現例の斜視図である。
図2b】2つのソノトロードが製品処理と比べある角度に配置されている、本発明によるソノトロード・デバイスの実現例の斜視図である。
図2c】2つのソノトロードが製品処理に対し90°の角度をなしている、本発明によるソノトロード・デバイスのさらなる実現例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明によるソノトロードの第1実現例の斜視図を示す。ソノトロード10は、概して、2つの別々の部品を含む:第1に、上側に、本体部1が設けられ、第2に、下部に、処理される液体製品に向けられる部分でもある前面2があり、本発明によると製品の方向に凹みを有する(図1の底部)。ここで、本体部1は矩形または正方形の小型のブロック様要素40を有する。この実現例によるソノトロード10は、本体部1の上側端部に、ソノトロード10と同じ材料でこれと一体に作製されたディスク形状部の形を有する円形の中央接続部分を備えている。この実現例では、本体部2の上側の縁はわずかに丸くされており、側部の縁は面取りされている。ソノトロード10の下半分には縮小径部41が設けられ、これは断面図では丸くされた横方向のくぼみを有するY字形であり、処理される製品の方向に凹み21を有する矩形の前面2を形成するようにソノトロード10の底端部に向けて拡大されている。凹み21は、ソノトロード10およびその本体部1の全体的な長手方向軸Sに垂直な長手方向軸Lを有する。
【0027】
縮小径部41を介して本体部1に接続されている凹形前面2により、超音波ジェネレータから前面2に高振幅比の超音波周波数が良好に伝達され、この前面2から、例えば生産槽内の液体製品の上部表面に発生する製品の泡沫の上に、超音波場が、集束した態様で放射される。
【0028】
前面2の凹みは、好ましくは半径がr=2cm以上で形成される。これにより、超音波場の集束は、液体製品の消泡目的に鑑み最適化される。前面2の凹み形により、さらに集束され、したがって高集中の超音波が生成される。このことにより、泡沫生成を除去する効果が大きくなる。本発明のソノトロードの有利な実施形態によると、高振幅比、特には1ミクロンと150ミクロンの間、好ましくは5ミクロンから140ミクロン、より好ましくは10ミクロンから120ミクロン、さらに好ましくは30ミクロンから120ミクロンのピーク・ツー・ピーク変位の超音波振幅が供給される。これらの値は、ほとんどの液体製品において、特にコーラまたはビールなどの飲料において、泡沫を除去するのに最良の値である。
【0029】
本発明によるソノトロード(10)は、超音波の強度が、およそ10dbから200dbの間、好ましくは50dbから190db、より好ましくは70dbから180db、もっとも好ましくは100dbから175dbになるような形と構成である。これらの範囲の強度により、ソノトロード10は最良の結果を得、泡沫の生成が回避される。
【0030】
図2aから図2cには、合体した2つのソノトロードを有する、本発明によるソノトロード・デバイスの3つの異なる実現例が示されている。これらのデバイス20はそれぞれ、共通のマザー・ソノトロード4または共通の基部要素上に取り付けられた2つのソノトロード10を有する。マザー・ソノトロード4は、高周波ケーブルおよび超音波ジェネレータ(図示せず)に接続され、周波数を直接両方のソノトロード10に送る。これらのソノトロード10は、図1との関連で記載された実現形態と本質的に同じ形状、同じ特徴を有する。
【0031】
実現例(図2aから図2c)のマザー・ソノトロード4は、I字形の断面、すなわち拡大された端部分と中央区分の縮小径とを有する矩形のブロック要素である。マザー・ソノトロード4の中央部分は、ここでは重量を軽減するとともに、より多量の超音波を両ソノトロード10に送るための2つの長手方向貫通孔を備えている。したがって、両ソノトロード10は、同じおよび増量された超音波により作動される。
【0032】
図2aは、ソノトロード10の長手方向軸Lが、処理される製品の生産ラインの輸送方向(図2aの矢印を参照)に沿っているか、または平行である実現例を示す。
【0033】
図2bでは、類似の超音波デバイス20が示されているが、違いは、2つの並列ソノトロード10が製品3の輸送方向に沿っておらず、およそ45°(角度α=45°)の角度に回転されていることである。一部の用途分野では、この配置がはるかに良好な結果をもたらす。
【0034】
図2cによるさらなる実現例は、製品3または瓶の輸送方向に比して90°の角度にされているソノトロード10を示す。これによって、超音波集中場の幅が広がる。ソノトロードの数は3つ以上に増やすことができる。さらに、ソノトロード10とマザー・ソノトロード4の形状は、ソノトロード10の前面2が凹みを備え、添付の特許請求の範囲で特定されるように集束効果を増大させる限り、変更してよい。
【0035】
本発明によるソノトロード10またはデバイス20により消泡される製品3または液体は、槽、容器などに入っていてもよい(図2aから図2cでは概略のみ示す)。または、製品は充填ラインで別々の瓶などに充填される。本発明のソノトロードとデバイスは、その新規のソノトロード設計と高集束超音波場により両方の用途に特に適合する。したがって、用途分野のフレキシビリティーと多様性は、泡沫を生成する液体に関する多様な工業生産工程で大きく向上する。
図1
図2a
図2b
図2c