特許第6012747号(P6012747)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングの特許一覧

特許6012747走行支援システムおよび走行支援システムにおける方法及びコンピュータプログラム
<>
  • 特許6012747-走行支援システムおよび走行支援システムにおける方法及びコンピュータプログラム 図000002
  • 特許6012747-走行支援システムおよび走行支援システムにおける方法及びコンピュータプログラム 図000003
  • 特許6012747-走行支援システムおよび走行支援システムにおける方法及びコンピュータプログラム 図000004
  • 特許6012747-走行支援システムおよび走行支援システムにおける方法及びコンピュータプログラム 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012747
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】走行支援システムおよび走行支援システムにおける方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 15/93 20060101AFI20161011BHJP
   G01S 7/40 20060101ALI20161011BHJP
   G01S 7/524 20060101ALI20161011BHJP
   G01S 7/526 20060101ALI20161011BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20161011BHJP
   B60R 21/00 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   G01S15/93
   G01S7/40 113
   G01S7/524 R
   G01S7/526 K
   G08G1/16 C
   B60R21/00 624E
   B60R21/00 628A
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-541582(P2014-541582)
(86)(22)【出願日】2012年10月4日
(65)【公表番号】特表2015-502534(P2015-502534A)
(43)【公表日】2015年1月22日
(86)【国際出願番号】EP2012069579
(87)【国際公開番号】WO2013072133
(87)【国際公開日】20130523
【審査請求日】2014年5月14日
(31)【優先権主張番号】102011086244.7
(32)【優先日】2011年11月14日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ヘルムレ
【審査官】 ▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−059032(JP,A)
【文献】 特開2005−134231(JP,A)
【文献】 特開2008−065418(JP,A)
【文献】 特開平10−300493(JP,A)
【文献】 特表2010−500590(JP,A)
【文献】 特開2008−097089(JP,A)
【文献】 特表2007−514171(JP,A)
【文献】 特開2004−239792(JP,A)
【文献】 特開2002−257922(JP,A)
【文献】 特開2000−322698(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02056235(EP,A1)
【文献】 米国特許第06226226(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 − G01S 7/64
G01S 13/00 − G01S 17/95
G08G 1/16
B60R21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(10)の少なくとも1つのセンサ(14)を含んでいる走行支援システム(12)における方法であって、
a)メモリベースの測定データを含んでいる周辺環境マップを準備するステップ(42)であって、前記メモリベースの測定データは、前記車両(10)の周辺環境内の既に識別された対象物についての前記センサ(14)による測定データ及び/又は車両に組み込まれた別のセンサの測定データであり、前記周辺環境マップは、前記既に識別された対象物の位置データをさらに含むデジタルマップで表される、ステップ(42)と、
b)前記センサ(14)によって、前記車両(10)の現在の周辺環境条件に関する現在の測定データを得るステップ(44)と、
c)前記現在の測定データと、対応する前記メモリベースの測定データとに基づいて制御信号を生成するステップ(46)であって、前記制御信号は、前記既に識別された対象物に関する、前記現在の測定データと前記メモリベースの測定データとの比較に基づいて生成される、ステップ(46)と、
d)前記生成した制御信号に基づいて前記センサ(14)の少なくとも1つのパラメータを適合化し、これにより前記パラメータを現在の前記周辺環境条件に応じて変更するステップ(48)と、
を含んでおり、
前記現在の測定データを得るステップ(44)では、前記メモリベースの測定データの品質を、前記対象物毎に決定し、前記品質に基づいて、前記制御信号の生成に用いる前記識別された対象物選択る、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセンサ(14)は、前記走行支援システム(12)における距離測定のためのセンサを含む、請求項1載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサ(14)は超音波センサおよび光学的センサを含み、前記メモリベースの測定データは、前記超音波センサおよび前記光学的センサによって得られる、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記超音波センサと前記光学的センサとによって、重畳する測定領域内で一緒に識別された前記対象物が相互に比較される、請求項記載の方法。
【請求項5】
前記周辺環境マップは恒常的に更新される、請求項1からいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記現在の測定データは、前記車両(10)の種々異なる位置に組み込まれた別のセンサ(22)のメモリベースの測定データと比較される、請求項1からいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記比較に基づいて、欠陥のあるセンサ(14)のための検査が行われる、請求項記載の方法。
【請求項8】
前記センサ(14)のパラメータは、前記センサ(14)の少なくとも1つの閾値及び/又は送信電力に該当している、請求項1からいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
コンピュータプログラムをプログラミング可能なコンピュータデバイス上で実行させるときに、請求項1からいずれか1項記載の方法を実施するためのコンピュータプログラム。
【請求項10】
車両(10)における少なくとも1つのセンサ(14)を含んでいる走行支援システム(12)であって、
i)メモリベースの測定データを有する周辺環境マップを提供するための少なくとも1つの第1の構成要素であって、前記メモリベースの測定データは、前記車両(10)の周辺環境内の既に識別された対象物についての前記センサ(14)による測定データ及び/又は車両に組み込まれた別のセンサの測定データであり、前記周辺環境マップは、前記既に識別された対象物の位置データをさらに含むデジタルマップで表される、少なくとも1つの第1の構成要素と、
ii)前記センサ(14)によって、前記車両(10)の現在の周辺環境条件に関する現在の測定データを得るための少なくとも1つの第2の構成要素と、
iii)前記現在の測定データと、対応する前記メモリベースの測定データとに基づいて、制御信号を生成するための少なくとも1つの第3の構成要素であって、前記制御信号は、前記識別された対象物に関する、前記現在の測定データと前記メモリベースの測定データとの比較に基づいて生成される、少なくとも1つの第3の構成要素と、
iv)前記生成された制御信号に基づいて前記センサ(14)の少なくとも1つのパラメータを適合化し、これにより前記パラメータを現在の前記周辺環境条件に応じて変更するための少なくとも1つの第4の構成要素と、
を備えており、
前記少なくとも1つの第2の構成要素は、前記メモリベースの測定データの品質を、前記対象物毎に決定し、前記品質に基づいて、前記制御信号の生成に用いる前記識別された対象物が選択される、
ことを特徴とする走行支援システム(12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行支援システムにおける周辺環境識別のためのセンサを動作させるための方法に関する。さらに本発明は、車両の走行支援システムの一部としてのセンサにも関する。
【背景技術】
【0002】
走行支援システムは、車両のガイド中に運転者を支援すべく車両に追加装備された装置である。この種の走行支援システムは、典型的には、ドライバー情報提供システムや予防安全システムのような異なるサブシステムを含んでいる。このような異なるサブシステムには、道路上の潜在的な障害物であり得る物体を検出するためにも、車両の周囲を監視する一連のセンサ系が必要とされる。それに関連して様々なセンサ、例えば超音波センサやレーダーセンサあるいは光学的センサなどが個別に若しくは組み合わせて使用されている。
【0003】
典型的な周辺環境識別センサ系には、例えば車両周囲の対象物までの距離をパルスエコー法に基づいて測定する距離センサ等が含まれる。この場合は、1つの測定周期内で送信信号が送出され、それが対象物から反射されている。このエコー信号は、検出装置内に到達し、そこにおいて、送信信号が送信されてからエコー信号が受信されるまでの間の時間間隔から対象物までの距離が確定される。これらの測定は、駐車支援、死角監視、及び/又は車線監視のための基準として用いられるデータをもたらす。
【0004】
信号の伝搬時間から一義的な間隔距離を導出するために、そのような距離センサは一義的な領域で動作する。このことは、測定周期の長さが送信パルスの推定される最大伝搬時間に応じて決定されることを意味する。例えば、5mの測定範囲を実現するためには、毎秒343mの音速のもとで、約30msの測定周期が維持される必要がある。この種の測定データには、付加的にノイズが重畳されている。そのためそれらの測定の補正のために、推定されるノイズレベルの上方にある閾値特性曲線が設けられる。独国特許出願公開第19645339A1公報からは、例えば、定常的閾値特性曲線が複数の閾値基準閾値によって定められる、間隔距離測定方法が公知である。測定の際には、受信した信号の振幅値が比較器を用いて閾値と比較される。前記振幅値が閾値を超えて初めて、センサは当該受信信号を信号評価ユニットに送信する。
【0005】
それ故に、広い間隔を関連付けられるようにするためには、できるだけノイズレベルに適応した閾値特性曲線を予め設定し、外部状況に応じて送信電力を設定する必要がある。さらにまた、ノイズレベルの高さについては、センサが動作している動的環境が重要な役割を果たしている。そのため、反射されたエコーの振幅は、空気温度、空気圧及び湿度に大きく左右される。またこれらのセンサは、例えば、雨のときの水しぶきや水煙によって、あるいは高速でのローリングノイズや空気流によって様々な障害を受ける。これらの障害は、実際には存在しないがセンサによって誤認識されてしまう「ゴーストオブジェクト」を生成する可能性があり、そのようなゴーストオブジェクトは対象物として識別され、システムの誤動作を引き起こす。さらに、前述したような周辺環境の影響によって、逆に、既存の対象物の識別が困難となったり、妨げられたりする可能性もある。この種の障害を克服するためには、センサパラメータをそのつどのノイズ状況に動的に適合化させる必要がある。
【0006】
発明の開示
本発明による、車両の走行支援システムにおける周辺環境識別のためのセンサの動作方法は、複数のステップを含んでおり、詳細には、
a)メモリベースの測定データを含んでいる周辺マップを作成するステップと、
b)現在の周辺環境に基づいて前記センサの現在の測定データを検出するステップと、
c)現在の測定データと、対応するメモリベースの測定データとに基づいて制御信号を生成するステップと、
d)生成した制御信号に基づいて前記センサの少なくとも1つのパラメータを適合化するステップとを含んでいる。
【0007】
前記センサは、例えば駐車支援システム、死角監視システム、又はアダプティブクルーズコントロール(ACC)システムなど、様々なサブシステムを有する走行支援システムの周辺環境識別センサの一部であってもよい。前記走行支援システムの周辺環境センサ系は、車両周囲の周辺環境を監視するために用いられており、そこでは超音波センサ、レーダーセンサ、赤外線センサ、ライダーセンサ、又は光学センサなどを使用することができる。とりわけ走行支援システムにおいては距離測定用のセンサが使用可能であるため、この距離測定に対して特に超音波センサが用いられるならば、車両周辺環境内の対象物までの距離が信号エコー法の原理に従って検出される。
【0008】
本発明による方法の有利な実施形態によれば、前記メモリベースの測定データは、車両周辺環境内で識別された対象物又は特徴を示している。この種の対象物又は特徴は、動作させるべきセンサ自体の測定データに基づいて、及び/又は、有利に車両に組み込まれた別のセンサの測定データに基づいて、特徴付けられる。動作させるべきセンサが超音波センサの場合には、前記メモリベースの測定データには、例えば時間的に先行する時点で受け入れたレーダーセンサ、ライダーセンサまたはカメラのような光学的センサからの測定データを含んでいてもよい。
【0009】
前記周辺環境マップは、特に、記憶された測定データのデータベースを提供するデジタルマップで表すことができる。これらのデータは、装置で読取り可能な記憶媒体、例えば永久的記憶媒体若しくは書き換え可能な記憶媒体に局所的に記憶されていてもよい。さらに付加的または代替的に、前記メモリベースの測定データを、例えばインターネットのようなデータネットワークや電話回線若しくは無線接続のような通信リンクを介して、サーバなどの装置にダウンロードのために提供してもよい。
【0010】
前記センサのメモリベースの測定データは、周辺環境マップ内でさらに基準データと関連付けられてもよい。これらの基準データは、例えば、周辺環境内で検出された対象物又は特徴の位置データを含むものであってもよい。そのような位置データは、例えばGPSセンサのような測位システムを用いた実際の測定データの検出の際に確定され得る。代替的若しくは付加的に、走行支援システムの周辺環境センサ系のさらなるセンサは次のようなデータを提供するものであってもよい。すなわち、センサのメモリベースの測定データを周辺環境内の所定の対象物または特徴に対応付けさせ得るデータを提供するものであってもよい。それにより、例えば超音波センサのメモリベースの測定データを、例えばカメラのような光学的センサの測定データと関連付けさせることが可能になる。ここでは例えば超音波センサとカメラとによって重畳する測定領域内で一緒に識別された対象物が相互に比較され対応付けられる。この共通する検出は、時間的にずらされて行われてもよい。すなわちある対象物が時点t1においては車載の超音波センサによって測定され、後続の時点t2においては車載カメラによって測定されるようにしてもよい。ここで重要な役割を演じるのは周辺環境マップ内の不変の対象物であり、それらは周辺環境の新たな測定の際にも既知の場所において確実に再検出され得るものである。例えばそれらは、建物、橋、ガレージの入口、中央分離帯又はその他の拡張性のある対象物であり得る。このような基準データによって測定対象物は一義的な対応付けが可能となり、場合によっては分類も可能になる。
【0011】
本発明による方法の別の実施形態によれば、周辺環境マップは恒常的に更新され、その際には現在の測定データが周辺環境マップ内に取り込まれる。その際現在の測定データが、既に識別された対象物又は特徴のメモリベースの測定データに対応付けられる。既に識別されている対象物又は特徴に対応しない現在の測定データも追加データとして周辺環境マップ内に記憶させることが可能である。付加的又は代替的に、前記記憶された測定データは、制御信号の生成に用いる識別された対象物の選択に利用してもよい。例えばここでは、メモリベースの測定データの品質をそのつどの対象物毎に決定してもよい。この場合の品質は、複数のメモリベースの測定データが存在する統計にほぼ則ったものであってもよい。
【0012】
さらに、現在の測定データが車両の様々な位置に組み込まれている他のセンサと比較されてもよい。このようにして様々なセンサ間で支障のあるセンサを示唆する妥当性検査が実施され得る。
【0013】
前記センサの現在の測定データと、前記センサのメモリベースの測定データとから、当該センサの測定品質が測定時点で確定される。それに対して現在の測定データと周辺環境マップ内のメモリベースの測定データとが比較される。そのような比較において例えば現在の測定データが、周辺環境内で既に識別された対象物又は特徴に関して比較的小さな振幅及び/又は比較的大きなノイズレベルを有しているならば、先行の測定時点に比べて悪化している測定品質が推定される。それとは反対に例えば前記振幅が比較的高いか又はノイズレベルが比較的低い場合には、測定品質の向上が、現在の測定データと周辺環境マップ内のメモリベースの測定データとの間の比較によって示される。周辺環境マップ上で既知の対象物は、新たな測定のもとでは現在のセンサ品質の評価を可能にし、別のステップでは、既知の対象物が所定の信号レベル若しくは所定の信号対雑音比で検出されるようにセンサ感度を制御するのにも使用される。さらにこの分析は、現在の測定品質の評価のために使用することも可能である。
【0014】
現在の測定データと、対応するメモリベースの測定データとに基づいて、制御信号が生成され、その場合には、現在の測定データとメモリベースの測定データとが周辺環境マップ内の識別された対象物または特徴に基づいて相互に比較される。この比較は、例えば制御ユニット内で比較器を用いて行うことが可能である。その際には生成された制御信号がセンサに伝達され、そこにおいて当該センサの少なくとも1つのパラメータの適合化が行われる。これは例えば超音波信号の場合には、どの音波強度から対象物の識別が認識されるかを定める比較器閾値であってもよい。それにより、検出閾値は、特に検出閾値を下げることによって、過去に識別された対象物を再び登録し得るように適合化させることができる。
【0015】
適合化されたセンサのパラメータは、センサの少なくとも1つの閾値及び/又は送信電力であってもよい。この閾値は、実際の信号とノイズ信号との間を区別する受信チャネル内の特性曲線を定める。センサの送信電力は、例えば超音波センサの場合には、超音波の励起を開始する印加電圧によっては調整することができる。センサをそのつどの周辺条件に適合化させるさらなる手段には、パルス長の制御、測定周期期間の適合化又は受信強度の切り替えが含まれる。
【0016】
生成された制御信号に基づくセンサパラメータの適合化により、センサの測定特性が周辺環境条件に適合化される。例えば、汚れや、雪、雨、その他の気象条件は、センサ特性に著しく大きな影響を与える。特に、超音波センサの場合には、空気の湿度、空気の圧力又は温度がセンサの測定品質に著しく大きな影響を与える。吸収の増加を引き起こす空気湿度の増加がある場合には、超音波センサの送信電力が高められる。付加的又は代替的に、出力側チャネル内の閾値を低減することで、受信感度を増加させてもよい。
【0017】
さらに本発明によれば、上述した方法に従って動作する、車両の走行支援システムにおける周辺環境識別のためのセンサも提案されている。
【0018】
さらに本発明によれば、プログラミング可能なコンピューター装置上でコンピュータプログラムを実行させるときに、前述したような方法を実行するためのコンピュータプログラムも提案されている。ここでのコンピュータデバイスとは、例えば、車両において走行支援システム若しくはそのサブシステムを実現するためのECUであってもよい。前記コンピュータプログラムは、機械読取可能な記憶媒体上、例えば永久的または書き換え可能な記憶媒体上に直接か若しくはコンピュータデバイスに対応付けられて格納されていてもよいし、あるいは取り外し可能なCD−ROM、DVD、若しくはUSBメモリに格納されていてもよい。さらに付加的又は代替的に前記コンピュータプログラムは、サーバのようなコンピュータデバイスにおいて、例えばインターネットなどのデータネットワーク、あるいは電話回線、無線接続などの通信リンクを介してダウンロードによって提供することができる。
【0019】
さらに本発明によれば、車両における周辺環境識別のためのセンサを含んでいる走行支援システムが提案されており、このシステムは以下の構成要素、すなわち、
i)周辺環境マップをメモリベースの測定データと共に提供するための少なくとも1つの構成要素と、
ii)システムの現在の環境に基づいて前記センサの現在の測定データを提供するため少なくとも1つの構成要素と、
iii)現在の測定データと対応するメモリベースの測定データとに基づいて制御信号を生成するための少なくとも1つの構成要素と、
iv)前記生成された制御信号に基づいて前記センサの少なくとも1つのパラメータを適合化するための少なくとも1つの構成要素とを含んでいる。
【0020】
本発明による走行支援システムは有利には前述した方法を実施するように構成されている。その場合の個々の構成要素は、機能的な構成要素又はルーチンを表し、それらは例えばコンピュータプログラムの枠内では、プログラミング可能なコンピュータデバイス上で実行される。この場合のプログラミング可能なコンピュータデバイスは、走行支援システムの制御ユニット(ECU)であってもよい。
【0021】
前記走行支援システムのセンサは、例えば、超音波センサ、レーダーセンサ、赤外線センサ、ライダーセンサとして構成されてもよいし、現在の周辺環境に基づいて現下の測定データを検出する他の光学センサとして構成されてもよい。
【0022】
記憶された周辺環境マップと検出したデータは、制御装置(ECU)に提供することができ、この制御装置は比較器によって制御信号を生成し、センサと通信する。この制御信号は、センサに送信される。前記制御信号は、センサの少なくとも1つのパラメータを整合化する。特にこの制御信号は、超音波センサのような距離センサの場合には、少なくとも1つの閾値及び/又はセンサの送信電力の適合化を引き起こす。この場合少なくとも1つの閾値が受信特性を決定し、送信電力はセンサの送信特性を決定する。
【0023】
発明の利点
本発明は、センサを現在の周辺条件に依存して動作させることを可能にする。それによりセンサの測定特性を直接適合化することができ、質の高いデータを提供することができる。また、センサの測定データの精度と信頼性を高めることができる。さらにセンサの現在の測定品質が、測定信号の大きさの評価により、記憶されている周辺環境マップを介して分類可能な不変の対象物毎に評価され得る。この特性は、生じ得る無分別な識別の評価のために使用することができる。また寿命に関するセンサの劣化を検出し、評価することも可能である。
【0024】
特に、現在の測定データを用いた周辺環境マップの恒常的な更新によって、センサの測定品質を継続的に監視し、動的に適合化させる測定データの統計的な調査が構築される。さらに付加的に周辺環境マップ内の誤った対応付けが不変の周辺環境のもとで回避される。そのため例えば超音波センサを用いた距離測定の場合には、対象物が確実に検出され、この測定に基づいて走行支援システムの応答が開始される。このようにして有効値と相応の走行支援システムの受け入れが高められる。さらに付加的に、車両に組み込まれた異なるセンサのメモリベースの測定データが、欠陥のあるセンサを識別し得る妥当性検査を可能にする。
【0025】
走行支援システムのセンサ系が運転者の支援に係わるデータを提供する状況が頻繁に発生すると、本発明による走行支援システムは、ドライバーのための改善された支援に寄与する。さらにまたセンサパラメータの動的な適合化は、追加のハードウェア構成要素を必要とすることなくソフトウェアの更新によって実現され、これは低コストで容易な実現を可能にしている。
【0026】
実施形態の説明
本発明のさらなる態様及び利点は、以下の明細書で添付の図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】例示的な走行状況における本発明に係る走行支援システムを装備した車両を示した図
図2図1による車両を可変の周辺環境条件を伴う走行状況において示した図
図3】距離測定のための完全な測定周期毎の信号経過を概略的に示した図
図4図1及び図2の走行支援システムの動作状態をフローチャートの形態で示した図
【0028】
本発明の実施例の説明
図1には、車両10が概略的に示されており、この車両10はその前方に障害物18、例えば壁が存在している走行状況に置かれている。この障害物18の周りでうまく操縦するために、このドライバーは本発明による走行支援システム12から距離情報を転送される支援を受けている。それに対して本発明による走行支援システム12は、超音波センサ14を備えており、このセンサ14は超音波を送信し、信号エコー法に基づいて、当該車両10と障害物18との間の距離を検出している。本発明による走行支援システム12は、この超音波センサ14の他にもさらなるセンサ系を含んでおり、このセンサ系は図1には示されていない。前記超音波センサ14によって検出された距離データから前記前記走行支援システム12は、ECU16においてドライバーに送出するための情報を生成する。これらの情報は、例えば音響的、触覚的又は光学的形態で当該走行支援システム12のヒューマンマシンインターフェース(HMI)に送出される。
【0029】
超音波センサ14を動作させるために、当該超音波センサ14は、前記走行支援システム12のECU16から受けるデジタル送信パルス又は送信コマンドを受信する。それにより、前記超音波センサ14は、特にアルミニウム薄を振動すべく矩形波パルスで励起される。この超音波センサ14は、所定の時間の間超音波パルス19を送信し、ここでは減衰期間の間は受信ができない。前記障害物18から反射された音波は、時間をずらして、再び静かになった超音波センサ14のアルミニウム薄を再び振動させる。この振動は超音波センサ14によって電気信号に変換され、センサ電子回路によって継続処理される。検出された測定データは、最終的にECU16に供給され、走行支援システム12の他の構成要素の制御のために、例えばHMIへの警報送出のために使用される。
【0030】
図1の走行状況においてはセンサ14の受信特性に、参照番号20で示される様々なエコーが障害物18に含まれているのに対して、図2では、変化した周辺環境条件を伴う走行状況が示されている。それにより、図2の走行状況においては、例えば湿度が増加しているか又はセンサが汚れによって感度を落としている。そのようなケースでは、超音波センサ14から送信された超音波パルスが空気中に強く吸収される。その結果、超音波センサ14の受信特性は、障害物18からの僅かなエコーパルス20しか含まなくなる。このような状況では、前記超音波センサ14は、品質の低いデータしか準備できず、このことは当該走行支援システム12の応答特性の信頼性を低下させてしまう。
【0031】
そのような走行支援システム12の信頼性の低下を回避するために、本発明によれば、超音波センサ14のパラメータが次のように適合化される。すなわち、最適な品質の測定データが存在するように適合化される。このために、超音波センサ14の現在の測定データは、周辺環境マップのメモリベースの測定データと比較される。
【0032】
この周辺環境マップは、超音波センサ14の「記憶域」を形成しており、この場合前記車両10の周辺環境において既に識別された対象物18又は特徴に関連して、当該超音波センサ14の複数の測定データが当該周辺環境マップ内にファイルされる。車両10が、既知の周辺環境を走行した場合には、例えば当該車両10の現在の周辺環境内にどのような対象物又は特徴が存在しているかが、車両10の位置情報に基づいて決定される。これに対して前記周辺環境マップは、既に識別された対象物又は特徴の他に、次のような基準データも含んでいる。すなわち、メモリベースの測定データを他のセンサからの位置データ若しくは測定データと関連付けるような基準データである。これの最も簡単な実現性は、GPSデータとの関連付けである。そのため、例えばECU16は、超音波センサ14の現在の測定データを、GPS受信機22からの位置データと組み合わせて周辺環境マップ内に記憶する。この周辺環境マップはデジタルマップを表し、それは例えばECU16のメモリ内に記憶されてもよいし、サーバ22上にファイルされてもよい。このサーバ22へのアクセスは、典型的にはインターネットなどのデータネットワークを介して行われる。
【0033】
現在の測定データとメモリベースの測定データとの比較からは最終的に、周辺環境条件に依存した超音波センサ14の測定品質を特徴付けるような値が得られる。この比較に基づいて、前記ECU16は、前記超音波センサ14のパラメータを周辺環境条件に適合化させる制御信号を算出する。
【0034】
超音波センサ14の場合には、送信チャネル内の送信電力も、受信チャネル内の特性曲線も調整することが可能である。そのため例えば、高い湿度が存在する場合には、増加する信号吸収性を相殺するために、超音波センサ14の送信電力が高められる。またこの場合は特性曲線を適合化することで、閾値を低下させて、超音波センサ14の受信感度を高めるようにしてもよい。
【0035】
図3には、超音波センサ14を用いた距離測定のために、完全な第1の測定周期ΔΤが示されている。この測定周期ΔTは、送信パルス30で開始され、さらなる送信パルス30′まで続く。前記測定周期ΔT内では、当該超音波センサ14が受信準備するための時間間隔が定義されている。図3のダイヤグラムでは、電圧Uの2つの信号経過がボルト単位で、秒単位の時間軸tに沿って概略的にプロットされている。ここでは実線で示した経過が、メモリベースの測定データから平均化された信号経過に相応し、波線で示した経過は、例えば図2の不変の周辺環境条件のもとで受け入れた現在の測定データに相応する。前記測定周期内では、2つの信号経過において、一定の電圧VRをめぐってノイズ31が観察される。このノイズの他にも、前記測定周期ΔΤ内では、エコーに起因する個々の極大値32,36が識別される。
【0036】
図3のダイヤグラムに示されている破線は、悪化した周辺環境条件下での測定周期を示している。この場合の周辺環境条件は、例えば湿度の上昇によって若しくは気温の上昇によって、超音波センサ14の測定データに悪影響を与える。そのため、この悪化した周辺環境条件化でのエコー信号36の振幅は、通常の周辺環境条件下でのエコー信号32のものよりも著しく低い。これらの2つの信号の比較からは、ECU16が、超音波センサ14の測定品質を確定し、さらに、センサパラメータの適合化のための制御信号が確定される。
【0037】
図4には、図1及び図2による本発明による走行支援システム12の構成要素の相互作用を表すフローチャート40が示されている。ステップ42では、例えば超音波センサ14のメモリベースのデータを用いた周辺環境マップが準備される。それに対してECU16は、記憶された測定データと位置データとを有するデジタルマップにアクセスする。この場合これらのデータは、ローカルメモリかまたはサーバ上に格納されていてもよい。
【0038】
続いてステップ44においては、例えば超音波センサ14の現在の測定データが、車両10の現在の周辺環境に基づいて検出される。これらのデータもまた前記ECU16に転送され、周辺環境マップのメモリベースの測定データと比較される。現在の測定信号を周辺環境マップ内に記憶されている基準値と比較することによって、現在のセンサ感度が評価され、場合によっては制御される。データベース情報からは、既知の対象物に対して、これが当該の場所に恒久的に存在しているのか否かを決定することができ、それに伴って、この対象物が現在の測定位置にて検出可能であるべきか否かが分類される。ステップ46では、制御信号が生成される。この制御信号は、車両10の周辺環境内で識別された対象物18に関し現在の測定データとメモリベースの測定データとの比較に基づいて確定される。前記生成された制御信号は、最終的にステップ48において、センサパラメータの適合化に用いられる。それにより超音波センサ14の特に送信電力及び/又は特性曲線は周辺環境条件に応じて変更可能である。
【0039】
前記超音波センサ14の測定特性を決定するパラメータは、当該超音波センサ14のメモリベースの測定データに基づき現在の周辺環境条件に依存して設定可能である。そのため前記超音波センサ14の測定特性は直接適合化可能である。このようにして、高品質なデータを得ることができ、このことは、当該超音波センサ14の測定データの精度と信頼性が高める。
図1
図2
図3
図4