(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記絶縁層が、実質的に一定の直径を有する一定部分を備え、前記テーパ部分が変動直径を有し、前記変動直径が前記実質的に一定の直径より大きい、請求項1に記載の半導体ウェハ。
前記導電材料が、実質的に一定の直径を有する第1の部分と、前記テーパ部分の前記変動直径に対応して変動する直径を有する第2の部分とを備える、請求項2に記載の半導体ウェハ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付の図面に関する下記の詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書で説明される概念が実施され得る唯一の構成を表すように意図されているわけではない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解をもたらす目的で、具体的な詳細を含んでいる。しかしながら、これらの概念はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかであろう。場合によっては、そのような概念を曖昧にするのを回避する目的で、周知の構造および構成要素がブロック図の形式で示されている。本明細書の説明では、「および/または」という用語の使用は、「包含的論理和」を表すことを意図し、「または」という用語の使用は、「排他的論理和」を表すことを意図する。
【0016】
本開示の様々な態様は、基板貫通ビア(TSV)を集積回路(IC)における中間工程層に組み込むための技法を実現する。集積回路(IC)の半導体製造のプロセスフローは、基板工程(FEOL: front−end−of−line)プロセス、中間工程(MOL: middle−of−line)プロセス、および配線工程(BEOL: back−end−of−line)プロセスを含み得る。「層」という用語は、膜を含み、特に指定のない限り、縦または横の厚さを示すものと解釈されるべきではない。本開示の一態様によれば、絶縁層は、基板貫通ビア(TSV)の導電性部分を、ウェハの基板(たとえば、シリコン)から、またウェハの層間誘電体層から分離する。一構成では、絶縁層は、ウェハの誘電体層に実質的に近接したテーパ部分を備える。絶縁層はまた、ウェハの基板の水平長に沿って配設された実質的に一定の部分を備える。別の構成では、基板貫通ビアの絶縁層は、第1の実質的に一定の直径を有する第1の部分と、より大きな実質的に一定の直径を有する第2の部分とを有する。さらなる構成では、多層キャップが、基板貫通ビアを充填する導電材料から絶縁層を分離する。
【0017】
本開示の一態様では、方向性反応性イオン(DRI: directional reactive ion)エッチングにより、テーパ付けされた絶縁層の部分が得られる。本開示のこの態様では、DRIエッチングにより、CMP(化学機械研磨)の前にウェハの水平面から層の一部分を実質的に除去し、したがって、CMPオーバー研磨により除去する絶縁層の量が少なくなる。本開示のこの態様では、DRIエッチングが、TSV形成プロセスの前にウェハの水平面上に形成される絶縁層の厚さを実質的に減らす。本開示の別の態様では、TSV形成プロセスに続いて、ICデバイスを完成するために配線工程(BEOL)相互接続層がウェハ上に作製される。
【0018】
有利なことに、TSV充填プロセス中にウェハ上に配置されたすべての層を除去するCMPオーバー研磨は、DRIエッチングを使用することによって削減される。すなわち、DRIエッチングがウェハの水平面から層のほとんどを除去するので、(TSV充填プロセス中に配置された)ウェハ上の残りの層を除去するために必要なCMPオーバー研磨プロセスが低減する。また、DRIエッチングは、TSVの側壁内に堆積された層のいくつかを除去して、テーパが付いた絶縁層をもたらす。除去の大部分はTSVの最上部付近である。CMPオーバー研磨を削減することによって、ウェハの中間工程(MOL)層がCMPオーバー研磨中により良く保存/保護される。TSVは、導電材料(たとえば金属)レベル(たとえばBEOL相互接続層)のようにMOL層より上に挿入することも可能である。
【0019】
図1Aは、本開示の一態様による、能動デバイス112〜126を含む集積回路(IC)デバイス100を示す断面図を示す。典型的には、ICパッケージ100は、シャロートレンチアイソレーション(STI)領域104を有する基板(たとえば、シリコンウェハ)102を含む。STI領域104および基板102の上に、層間誘電体(IDL)層106がある。また、(FEOL)相互接続層110も設けられる。また、中間工程(MOL)層120も設けられる。IDL層106は、FEOL相互接続層110の能動デバイス112〜116、およびMOL層120の導電素子(たとえば、ビア)121〜128を、後の処理による損傷から保護する。この構成では、ILD層106は、MOL層120の導電素子121〜128間の短絡を防止するために酸化ケイ素または他の同様の材料で形成される。代替構成では、ILD層106は低誘電率誘電体または他の同様の材料である。
【0020】
図1Aに示すように、TSVキャビティ134は、本開示の一態様による1つまたは複数の絶縁層およびTSV(基板貫通ビア)導電材料を収容するために拡大された寸法(たとえば、10〜100ミクロンの深さ)を有する。
図1Aに示すように、研磨ストップ層130を、ILD層106の表面上、および導電素子121〜128を含むMOL層120の表面上に堆積した後、リソグラフィが、最終的なTSVの実際の導電性部分より若干大きいTSVキャビティ134を画成する(
図4および
図5参照)。この構成では、TSVのサイズは1マイクロメートル(μm)〜20マイクロメートル程度である。さらに、研磨停止層130は、炭化ケイ素、窒化ケイ素、SiCON、または他の同様の保護材料で形成されてよい。
【0021】
図1Aは、本開示の一態様による絶縁層140を示す。この構成では、エッチングおよび/またはリソグラフィプロセスが、ILD層106、および基板102のSTI領域104をエッチングする。このプロセスがTSVキャビティ134を形成する。エッチングの完了後、絶縁堆積により、研磨停止層130、側壁、およびTSVキャビティ134の底部上に絶縁層140が形成される。保護誘電体層140は、非フッ素化石英ガラス(USG)、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、酸化ケイ素、窒化ケイ素、または酸化物層もしくは電気的絶縁膜を形成するための他の同様の前駆体の層として形成されてよい。絶縁層140は、20〜1000ナノメートル(nm)の範囲の厚さを有することができる。
【0022】
図1Bおよび
図1Cは、本開示の一態様による絶縁層140上に配設されたフォトレジスト180を含む、
図1AのICデバイスを示す断面図を示す。典型的には、フォトレジスト180は、研磨停止層130上に形成される絶縁層140の上面に堆積される。この構成では、フォトレジスト180は、TSVキャビティ134内の絶縁層140上にも堆積される。フォトレジスト180の薄層が、この構成ではTSV134の側壁の上部分に堆積される。
【0023】
図1Cは、研磨停止層130上に形成された絶縁層140の上部水平面に堆積されたフォトレジスト180の部分を除去するためのエッチバックプロセス(たとえば、O2プラズマプロセス)を示す。この構成では、TSVキャビティ134の底部の絶縁層140上に形成されたフォトレジスト180の部分が完全には除去されない。この構成では、TSVキャビティ134の側壁の上部分のフォトレジスト180は完全に除去される。本開示のこの態様では、フォトレジスト180が、TSVキャビティ134の底部分上に堆積された絶縁層140の部分を保護する。この構成では、TSVキャビティ134の底部分上に堆積された完全な絶縁層140が、TSV134内の導電性充填材料(
図3A〜
図6B)と基板102との間の接触を防止する。
【0024】
図2Aは、本開示の一態様によるTSVキャビティ134内に形成された絶縁層140のテーパ部分142を含む、ICデバイス200を示す断面図を示す。
図2Aに示すように、絶縁層140の方向性反応性イオン(DRI)エッチング136が行われる。DRIエッチング136は、研磨停止層130上に形成された絶縁層140の部分を削減して、削減された絶縁層146をもたらす。その上、この構成では、DRIエッチング136は、
図2Aに示すようにテーパ付けされている、側壁上に形成された絶縁層140の部分をもたらす。言い換えれば、TSVの側壁上に形成された絶縁層140の最上部分(すなわち、DRIエッチングプロセスに最も近接したTSVの側壁上の絶縁層140の部分)が、TSVの側壁上に形成された絶縁層140の下方部分と比べて減少した水平幅を有する。絶縁層140の一部分の水平幅の減少は、段階的または漸減的である。
【0025】
TSVキャビティ134の上部の絶縁層140のテーパ部分142のテーパ形状は、TSVの上部の鋭角隅部の高電界を低減し得る。絶縁層140の(たとえば、垂直軸に沿った)テーパ部分142の長さは、トランジスタ技術に応じて決定され得る基板102内へ延びるデバイス(たとえば、能動デバイス112〜116)の深さに基づく。DRIエッチング136が、絶縁層140の(たとえば、テーパ付けされない、減少しない)一定部分144に大きく影響しないことは理解されよう。その上、フォトレジスト180は、DRIエッチング236中にTSVキャビティ134の底部上の絶縁層140の部分を保護する。
【0026】
図2Bは、テーパ付けされている絶縁層140の部分をもたらす絶縁層のDRIエッチングを示す、ICデバイス200の断面図を示す。この例示的な構成では、
図1B、
図1C、および
図2Aに示した例示的な構成で設けられたフォトレジスト180が設けられない。言い換えれば、
図2Bの例示的な構成は、
図2Aの例示的な構成が得られたプロセスに類似するプロセスによって得られるが、フォトレジスト層180を追加するプロセスが省かれている。TSVキャビティ134の底部に位置する絶縁層140を保護するためのフォトレジスト層がないので、絶縁層140のその部分は、DRIエッチング136によって削減される。いくつかの構成では、DRIエッチング136のプロセスパラメータが、DRIエッチング136がTSVキャビティ134の底部に到達するのを防止するように調整される。これらの構成では、TSVキャビティ136の底部の絶縁層140は、フォトレジスト180の堆積なしに保護される。
【0027】
図2Aおよび
図2Bに示すように、DRIエッチング136プロセスは、TSVキャビティ134の外側の基板102上の水平領域から絶縁層の一部を除去する。
図2Bでは、TSVキャビティ134の内側の絶縁層140の一部も除去される。
図2Aおよび
図2Bに示すように、削減された絶縁層146は、CMPオーバー研磨の削減を可能にする。その後、CMPオーバー研磨が行われて、残りの削減された絶縁層146および研磨停止層130を除去し、中間工程プロセスによって形成されたMOL層120の導電素子121〜128を露出する。本開示のこの態様では、削減された絶縁層146をエッチングすることで生じる誤り(すなわち、MOL層の潜在的除去)が、より厚い層をエッチングすることで生じる潜在的誤りより小さいので、CMPオーバー研磨の削減によって、基板102のMOL層120に対する影響が減少する。
【0028】
図2Cは、本開示の一態様による絶縁層140上の多層キャップ層250の形成を示す、
図2BのICデバイス200の断面図を示す。典型的には、キャップ堆積が、絶縁層140上に多層キャップ層250を形成する。多層キャップ層250は、DRIエッチング136が後続する第1のキャップ層252の堆積によって形成され得る。DRIエッチング136は、削減された絶縁層146上に形成された第1のキャップ層252の部分を削減する。この構成では、DRIエッチング136は、テーパ付けされている(側壁上に形成された)第1のキャップ層252の部分がもたらす。すなわち、TSVの側壁上に形成された第1のキャップ層252の最上部分(すなわち、DRIエッチングプロセスに最も近接したTSVの側壁上の第1のキャップ層252の部分)が、TSVの側壁上に形成された第1のキャップ層252の底部分と比べて減少した水平幅を有する。第1のキャップ層252の一部分の水平幅の減少は、段階的または漸減的である。
【0029】
図2Cにさらに示されるように、キャップ堆積およびDRIエッチングが第2のキャップ層254を形成するように繰り返される。この構成では、TSVの側壁上に形成された第2のキャップ層254の最上部分が、TSVの側壁上に形成された第1のキャップ層252の底部分と比べて減少した水平幅を有する。多層キャップ層250は、2つの層を有するように示されているが、単一膜を含む任意の数の層を備えることができる。さらに、多層キャップ層250は、テーパ部分を含むように示されているが、DRIエッチング136を省略して一定の水平幅で形成されてもよい。多層キャップ層250は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、ポリイミド、もしくは同様の他の絶縁膜、または窒化チタン、窒化タンタル、タングステン、タンタル、もしくは他の同様の導電性膜を含むがこれらに限定されない、誘電体膜または導電性膜の複数の層を使用して形成され得る。多層キャップ層250は、2〜1000ナノメートル(nm)の範囲の厚さを有することができる。
【0030】
図3Aは、本開示の一態様によるTSVバリアシードおよび導電材料充填プロセスの後の
図2BのICデバイス200を示す断面図を示す。
図3Aに示すように、ICデバイス300は、ICデバイス200上に導電材料338を堆積するためのTSVバリアシードおよび導電材料充填プロセスを受ける。
図3Aに示す導電材料338は、削減された絶縁層146を覆い、またTSVキャビティ134を充填する。絶縁層140のテーパ部分142および一定部分144は、TSVキャビティ134内の充填材料が基板102に接触するのを防止する。導電材料338は、銅、タングステン、または他の同様の導電材料を含み得るが、これらに限定されない。図示されていないが、フォトレジストは、TSVキャビティ134の底部分に位置する絶縁層140の部分上に残る場合、あるいはTSVキャビティ134を導電材料で充填する前に除去される場合がある。
【0031】
図3Bは、本開示の一態様によるTSVバリアシードおよび銅充填プロセスの後の
図2CのICデバイス200を示す断面図を示す。
図3Bに示すように、ICデバイス300は、ICデバイス200上に導電材料338を堆積するためのTSVバリアシードおよび導電材料充填プロセスを受ける。
図3Aに示す導電材料338は、削減された絶縁層146上の多層キャップ層250を覆い、また、絶縁層140上の第1のキャップ層252および第2のキャップ層254を含むTSVキャビティ134を充填する。
【0032】
図4Aは、本開示の一態様による
図3AのICデバイス300に化学機械研磨(CMP)プロセス470が適用された後のICデバイス400を示す断面図を示す。
図4Aに示すように、CMPプロセス470は、基板102の表面から導電材料338を除去する。たとえば、CMPプロセス470は、
図3Aに示した研磨停止層130上に位置する導電材料338を除去する。
図4Aに示すように、削減された絶縁層146および研磨停止層130は、CMPプロセス470後に基板102の表面上に残る。これらの層は、たとえば、
図5Aに示すように、CMPオーバー研磨プロセッサによって除去される。
【0033】
図4Bは、本開示の一態様による
図3BのICデバイス300に化学機械研磨(CMP)プロセス470が適用された後のICデバイス400を示す断面図を示す。
図4Bに示すように、CMPプロセス470は、基板102の表面から導電材料338を除去する。たとえば、CMPプロセス470は、
図3Bに示したような削減された絶縁層146上の多層キャップ層250上に位置する導電材料338を除去する。
図4Bに示すように、多層キャップ層250の削減された部分、削減された絶縁層146、および研磨停止層130は、CMPプロセス470後に基板102の表面上に残る。これらの層は、たとえば、
図5Bに示すように、CMPオーバー研磨プロセッサによって除去される。
【0034】
図5Aは、本開示の一態様による絶縁層140によって囲まれたTSV560を含む、ICデバイス500を示す断面図を示す。
図5Aに示すように、CMPオーバー研磨プロセス580は、基板102の表面504上の層の残りの部分を除去して、MOL層120の導電素子121〜128を露出する。たとえば、CMPオーバー研磨プロセス580は、基板102のMOL層120の導電素子121〜128に損傷を与えずに、削減された絶縁層146および研磨停止層130(
図4A参照)を除去する。すなわち、CMPオーバー研磨プロセス580の期間がより短く、したがって、
図2A〜
図4Bに示すような削減された絶縁層146による基板102の下層のMOL層120に対する影響がより小さい。
【0035】
図5Aに示すように、CMPオーバー研磨プロセス580がTSV560の形成を完了すると、TSV560では、その導電材料の直径が、TSVキャビティ134内の絶縁層140のテーパ部分142および一定部分144に応じて異なっている。典型的には、CMPオーバー研磨プロセス580は、
図6Aに示すように、配線工程相互接続層の形成に備えて、削減された絶縁層146および研磨停止層130(
図4A参照)を除去するために行われる。本開示のこの態様では、基板102は、ILD層106からTSV560を露出するためのプロセス(たとえば、研削)を受ける。
【0036】
図5Bは、本開示の一態様によるICデバイス500の能動面近くでテーパ部分を有する絶縁層140上の多層キャップ層250によって囲まれたTSV560を有する、
図4CのICデバイス400を示す断面図を示す。典型的には、CMPオーバー研磨プロセス580は、
図6Bに示すように、配線工程相互接続層の形成に備えて、多層キャップ層250、削減された絶縁層146および研磨停止層130(
図4B参照)を除去するために行われる。
【0037】
図6Aは、本開示の一態様による相互接続層を作製するために使用される配線工程(BEOL)プロセスの後のICデバイス600を示す断面図を示す。典型的には、TSV処理が完了した後、相互接続層690がBEOLプロセスによって基板102上に作製され、ICデバイス600の形成が完了する。この構成では、相互接続層690は、コンタクトレベルを含むように形成される。追加または代替の相互接続層がBEOLプロセスによって形成されてもよい。相互接続層690は、ICデバイス600を別のICデバイス(図示せず)に電気的および/または熱的に結合する機構を提供する。
【0038】
図6Bは、ICデバイス600を形成するための配線工程(BEOL)スタック作製の後の
図5BのICデバイス500を示す断面図を示す。この構成では、ICデバイス600は、本開示の一態様によるICデバイス500の能動面近くでテーパ部分を有する絶縁層140上の多層キャップ層250によって囲まれたTSV560を備える。相互接続層690は、ICデバイス600を別のICデバイス(図示せず)に電気的および/または熱的に結合する機構を提供する。
【0039】
図7は、本開示の一態様による、基板貫通ビア(TSV)を介して先端CMOS(相補型金属酸化膜半導体)ノードに組み込むための方法700を示すブロック図である。ブロック710で、TSVキャビティ134が、たとえば、
図1A〜
図5Bに示すように、基板、および基板上の誘電体層(たとえば、層間誘電体層(ILD))を介して画成される。本明細書ではシリコン基板について述べているが、ガラス、サファイア、または任意の他の適切な材料を含む他の基板材料も企図される。ブロック712では、絶縁層が、たとえば、
図1A〜
図1Cに示すように、TSVキャビティ内および研磨停止層上に堆積される。
【0040】
図7を再び参照すると、ブロック714では、絶縁層が、能動デバイスの上方に位置する絶縁層の部分(たとえば、停止研磨層上に位置する絶縁層の部分が除去される)を除去するためにエッチングされる。エッチングにより、テーパされている絶縁層の部分がもたらされる。たとえば、
図2Aおよび
図2Bに示すように、絶縁層140の方向性反応性イオン(DRI)エッチングが、TSVキャビティ134の側壁上の絶縁層140のテーパ部分142を生成する。ブロック716では、たとえば、
図2A〜
図5Bに示すように、TSVキャビティ134が導電材料によって充填される。本明細書では銅充填材について述べているが、他の導電材料も企図される。
【0041】
一構成では、ICデバイス600が、誘電体層および基板を通って伝導するための手段を備える。伝導手段は、導電性充填材料を有する。本開示の一態様では、伝導手段は、伝導手段によって列挙される機能を実行するように構成された
図5A〜
図6BのTSV560である。一構成では、ICデバイス600はまた、基板から伝導手段を絶縁するための手段を備える。絶縁するための手段は、導電材料を囲むことができ、ILD層に実質的に近接したテーパ部分を備える。本開示の一態様では、絶縁手段は、絶縁手段によって列挙される機能を実行するように構成された
図4A〜
図6Bのテーパ部分142および一定部分144を含む絶縁層140である。別の態様では、上記の手段は、上記の手段によって列挙される機能を実行するように構成されたデバイスまたは任意の層であってよい。
【0042】
図8は、別のプロセスが採用されるICデバイス800を示す断面図を示す。本開示の一態様によれば、絶縁層の堆積の後、フォトレジスト870が、TSVキャビティ834内に、またTSVキャビティ834を覆って形成される。別の構成では、フォトレジストは、TSVキャビティ834を部分的に充填することができる。
図8に示すように、絶縁層840とTSVキャビティ834上のフォトレジスト870とのエッチング836が行われる。エッチング836プロセスは、フォトレジスト870下ではない絶縁層840の一部(たとえば、
図9に示すようなTSVキャビティ834の外側の絶縁層)を除去する。TSVキャビティ834の側壁上の絶縁層840は、フォトレジスト870によって保護される。
【0043】
図9は、本開示の一態様による削減された絶縁層946を形成する、
図8に示したような絶縁層840の部分的エッチングおよびフォトレジスト870の除去の後のICデバイス900を示す断面図を示す。
図9に示すように、TSVキャビティ834内ではない絶縁層が基板102の表面上で削減されて、削減された絶縁層946を形成する。本開示の一態様では、削減された絶縁層946により、削減された絶縁層946および研磨停止層130を基板102の表面から除去するときにCMPオーバー研磨の削減が可能になる。本開示のこの態様では、CMPオーバー研磨の削減により、基板102の中間工程(MOL)層120の導電素子121〜128に対する影響が限定される。
【0044】
図10は、本開示の一態様によるTSVバリアシードおよび導電材料充填プロセスの後のICデバイス1000を示す断面図を示す。
図10に示すように、TSVバリアシードおよび導電材料充填プロセスは、TSVキャビティ834を導電材料338で充填する。図示の例では、導電材料338は、削減された絶縁層946上にも形成される銅である。絶縁層840は、TSVキャビティ834内の導電材料338が基板102に接触するのを防止する。充填材料は、銅、タングステン、または他の同様の導電材料を含み得るが、これらに限定されない。
【0045】
図11は、本開示の一態様による化学機械研磨(CMP)プロセス1160の後のICデバイス1100を示す断面図を示す。
図11に示すように、CMPプロセス1160は、基板102の表面から導電材料338を除去する。
図11に示すように、削減された絶縁層946および研磨停止層130は、基板102の表面上に残る。これらの層は、たとえば、
図12に示すように、CMPオーバー研磨プロセスによって除去される。
【0046】
図12は、本開示の一態様による絶縁層840によって囲まれたTSV1250を含む、
図11のICデバイス1200を示す断面図を示す。
図12に示すように、CMPオーバー研磨プロセス1270は、基板102の表面1204上の絶縁層の残りの部分を除去する。典型的には、CMPオーバー研磨プロセス1270は、基板102のMOL部分に損傷を与えずに、削減された絶縁層946および研磨停止層130(
図11参照)を除去する。すなわち、CMPオーバー研磨プロセス1270はより短く、したがって、
図9〜
図11に示すような削減された絶縁層946による基板102のMOL層120の導電素子121〜128に対する影響がより小さい。
【0047】
図12に示すように、CMPオーバー研磨プロセス1270はTSV1250の形成を完了し、TSV1250は、TSVキャビティ834の上へまたILD層106上に延びるTSV部分1252を含む。典型的には、研磨停止部分1232、およびTSV1250の絶縁層部分1248は、TSVキャビティ834の外へ延びる。CMPオーバー研磨プロセス1270は、たとえば、
図6Aに示したようなBEOLプロセスを通して形成される相互接続層の形成に備えて、削減された絶縁層946および研磨停止層130(
図11参照)を、基板102の表面1204から除去する。
【0048】
図13は、本開示の一態様による、基板貫通ビア(TSV)を介して先端CMOS(相補型金属酸化膜半導体)ノードに組み込むための方法1300を示すブロック図である。ブロック1310で、TSVキャビティ834が、たとえば、
図8〜
図12に示すように、基板およびILDを介して画成される。本明細書ではシリコン基板について述べているが、他の適切な材料も企図される。ブロック1312では、絶縁層が、たとえば、
図8に示すように、TSVキャビティ内および研磨停止層上に堆積される。
【0049】
図13を再び参照すると、ブロック1314では、半導体基板がパターニングされて、基板貫通ビアキャビティだけを覆うフォトレジストを堆積させる。たとえば、
図8に示すように、フォトレジスト870は、TSVキャビティ834の上へ、およびTSVキャビティ384の側壁上に位置する絶縁層840を覆って形成される。ブロック1316では、TSVキャビティの外側の絶縁層の部分がエッチングされて、削減された絶縁層部分を形成する。たとえば、
図9に示すように、エッチングが絶縁層840の一部分を除去して、削減された絶縁層946を形成する。ブロック1318では、TSVキャビティを覆うフォトレジストが除去される。ブロック1320では、たとえば、
図10に示すように、TSVキャビティ834が導電材料838によって充填される。
【0050】
図13を再び参照すると、ブロック1322では、化学機械オーバー研磨がウェハの表面に対して行われて、MOLプロセスによって生成された層を露出する。化学機械オーバー研磨は、
図11および12に示すように、ウェハの基板の表面から、導電材料、絶縁層、および研磨停止層を除去する。たとえば、
図11に示すように、導電材料、バリアシード、およびCMPプロセス1160のエッチング停止が行われる。
図12に見られるように、CMPオーバー研磨プロセス1270が行われ、絶縁層部分1248、研磨停止部分1232、およびTSV1250のTSV部分1252が残り、TSVキャビティ834の外側に突き出る。
【0051】
一構成では、ICデバイス1200が、研磨停止層、層間誘電体(IDL)層、および基板を通って伝導するための手段を備える。伝導手段は導電材料を有する。本開示の一態様では、伝導手段は、伝導手段によって列挙される機能を実行するように構成された
図12の基板貫通ビア1250である。一構成では、ICデバイス1200はまた、半導体基板から伝導手段を絶縁するための手段を備える。この絶縁するための手段は、導電材料を囲み、研磨停止層の一部分を部分的に覆うことができる。本開示の一態様では、絶縁手段は、絶縁手段によって列挙される機能を実行するように構成された
図12の研磨停止部分1232および絶縁層部分1248を含む絶縁層840である。別の態様では、上記の手段は、上記の手段によって列挙される機能を実行するように構成されたデバイスまたは任意の層であってよい。
【0052】
図14は、本開示の構成が有利に採用され得る例示的なワイヤレス通信システム1400を示すブロック図である。例示のために、
図14は、3つの遠隔ユニット1420、1430および1450、ならびに2つの基地局1440を示す。ワイヤレス通信システムがこれよりも多くの遠隔ユニットおよび基地局を有してもよいことが認識されよう。遠隔ユニット1420、1430、および1450は、ICデバイス1425A、1425B、および1425Cを備え、これらのICデバイスは、テーパ付けされた絶縁層/付加的研磨停止部分/絶縁層部分を有する本開示の基板貫通ビア(TSV)を備える。基地局、スイッチングデバイス、およびネットワーク機器を含む、ICを含む任意のデバイスは、本明細書で開示するテーパ付けされた絶縁層/追加的研磨停止部分/絶縁層部分によって囲まれたTSVも含み得ることが認識されよう。
図14は、基地局1440から遠隔ユニット1420、1430および1450への順方向リンク信号1480、ならびに遠隔ユニット1420、1430および1450から基地局1440への逆方向リンク信号1490を示す。
【0053】
図14では、遠隔ユニット1420は携帯電話として示され、遠隔ユニット1430はポータブルコンピュータとして示され、遠隔ユニット1450はワイヤレスローカルループシステム内の固定ロケーション遠隔ユニットとして示される。たとえば、遠隔ユニットは、携帯電話、ハンドヘルドパーソナル通信システム(PCS)ユニット、携帯情報端末などのポータブルデータユニット、GPS対応デバイス、ナビゲーションデバイス、セットトップボックス、音楽プレーヤ、ビデオプレーヤ、娯楽ユニット、メータ読取り機器などの固定ロケーションデータユニット、またはデータもしくはコンピュータ命令の記憶もしくは取り出しを行う任意の他のデバイス、またはそれらの任意の組合せであり得る。
図14は、本開示の教示によるリモートユニットを示すが、本開示は、これらの例示的に示されたユニットには限定されない。本開示の態様は、テーパ付けされた絶縁層/追加的研磨停止部分/絶縁層部分によって囲まれたTSVを含む任意のデバイスにおいて好適に採用され得る。
【0054】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアの実装形態の場合、これらの方法を、本明細書に記載された機能を実行するモジュール(たとえば、プロシージャ、関数など)で実装することができる。本明細書に記載された方法を実装する際に、命令を有形に具現化する任意の機械可読媒体を使用することができる。たとえば、ソフトウェアコードはメモリに記憶され、プロセッサユニットにより実行され得る。メモリは、プロセッサユニット内に実装されてよく、またはプロセッサユニットの外部に実装されてよい。本明細書で使用される場合、「メモリ」という用語は、長期メモリ、短期メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、または他のメモリのいずれかの種類を指し、メモリのいかなる特定の種類またはいかなる特定の数にも、あるいはメモリが記憶される媒体のいかなる特定の種類にも限定されない。
【0055】
本開示およびその利点が詳細に記載されたが、添付の特許請求の範囲によって規定される本開示の技術から逸脱することなく、本明細書において様々な変更、代用および改変が行われ得ることを理解されたい。たとえば、「上」および「下」などの関係用語が、基板または電子デバイスに関して使用される。もちろん、基板または電子デバイスが反転した場合、上は下に、下は上になる。加えて、横向きの場合、上および下は、基板または電子デバイスの側面を指す場合がある。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、物質組成、手段、方法、およびステップの特定の実施形態に限定されるものではない。当業者が本開示から容易に諒解するように、本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか、または実質的に同じ結果を実現する、既存または今後開発されるプロセス、機械、製造、物質組成、手段、方法、またはステップが、本開示に従って利用され得る。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、機械、製造、物質組成、手段、方法、またはステップをそれらの範囲内に含むものとする。