特許第6012777号(P6012777)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6012777経由地点設定装置及び経由地点設定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012777
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】経由地点設定装置及び経由地点設定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/00 20060101AFI20161011BHJP
   G01C 21/20 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   G08G5/00 A
   G01C21/20
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-6337(P2015-6337)
(22)【出願日】2015年1月16日
(65)【公開番号】特開2016-133854(P2016-133854A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2015年8月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】富士重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】水谷 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】簗瀬 靖彦
【審査官】 高田 基史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0306680(US,A1)
【文献】 特開2015−001377(JP,A)
【文献】 米国特許第08874356(US,B1)
【文献】 国際公開第2013/132517(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00−99/00
G01C 21/00−21/36
23/00−25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の第一地点から第二地点までの飛行経路中に経由地点を設定する経由地点設定装置であって、
少なくとも前記第一地点及び前記第二地点を含む地図情報を、水平面内で格子状の複数のセルに分割する格子分割手段と、
前記格子分割手段により格子分割された地図情報上で、前記第一地点から前記第二地点までの連続する複数のセルからなるセル経路を設定するセル経路設定手段と、
前記セル経路上の各セルにおける当該セル経路の屈曲角を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された各セルの前記屈曲角を、当該セルと前記セル経路上で前後に隣接する2つのセルにおける前記屈曲角と比較し、当該セルにおける前記屈曲角θnが以下の式を満たす場合に、当該セルを経由地点として設定する経由地点設定手段と、
を備えることを特徴とする経由地点設定装置。
θn-1≧θn<θn+1
(但し、前記セル経路上を前記第一地点及び前記第二地点の一方から他方に向かう方向において、当該セルの始点側に隣接するセルにおける前記屈曲角をθn-1とし、当該セルの終点側に隣接するセルにおける前記屈曲角をθn+1とする
【請求項2】
前記経由地点設定手段は、
各セルにおける前記屈曲角の比較を、前記セル経路に沿って前記第一地点または前記第二地点から順次行い、
当該比較が行われるセルにおける前記屈曲角が、所定回数以上連続してその直前の順番のセルにおける前記屈曲角よりも小さくなっている場合に、当該比較が行われるセルを経由地点として設定することを特徴とする請求項1に記載の経由地点設定装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記セル経路上の各セルについて、当該セルから前記セル経路上を所定セル数だけ前後に移動した2つのセルまでの2つのベクトルを求め、当該2つのベクトルがなす角度を前記屈曲角として算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の経由地点設定装置。
【請求項4】
所定の第一地点から第二地点までの飛行経路中に経由地点を設定する経由地点設定プログラムであって、
コンピュータ
少なくとも前記第一地点及び前記第二地点を含む地図情報を、水平面内で格子状の複数のセルに分割する格子分割手段と、
前記格子分割手段により格子分割された地図情報上で、前記第一地点から前記第二地点までの連続する複数のセルからなるセル経路を設定するセル経路設定手段と、
前記セル経路上の各セルにおける当該セル経路の屈曲角を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された各セルの前記屈曲角を、当該セルと前記セル経路上で前後に隣接する2つのセルにおける前記屈曲角と比較し、当該セルにおける前記屈曲角θnが以下の式を満たす場合に、当該セルを経由地点として設定する経由地点設定手段
として機能させることを特徴とする経由地点設定プログラム。
θn-1≧θn<θn+1
(但し、前記セル経路上を前記第一地点及び前記第二地点の一方から他方に向かう方向において、当該セルの始点側に隣接するセルにおける前記屈曲角をθn-1とし、当該セルの終点側に隣接するセルにおける前記屈曲角をθn+1とする
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機の飛行経路中に経由地点を設定する経由地点設定装置及び経由地点設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機の飛行経路設定においては、所定の出発地点と到達地点との間に経由地点を設定し、この経由地点を経由するように飛行経路が設定される。
例えば特許文献1に記載の方法では、複数のウェイポイントとポイント間経路とが記録されたデータベースに基づいて、出発地点から到達地点までの候補ウェイポイント間の全てのポイント間経路に対する評価値を求め、この評価値の積算値が最も小さくなるように経由すべきウェイポイントが選択されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3557445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、航空機の飛行経路設定においては、格子分割された地図データ上で複数のセル(格子)の連なりとして飛行経路を設定・表示する場合がある。このような場合、単純に飛行経路のセルの連なりに沿った進路を取ろうとすると、当該進路はセルの分割方向に沿った角張ったものとなり、頻繁に操縦操作が必要なものとなってしまう。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、格子状の飛行経路上に好適に経由地点を設定することによって、より実際の飛行に即した滑らかな線状の飛行経路を設定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、所定の第一地点から第二地点までの飛行経路中に経由地点を設定する経由地点設定装置であって、
少なくとも前記第一地点及び前記第二地点を含む地図情報を、水平面内で格子状の複数のセルに分割する格子分割手段と、
前記格子分割手段により格子分割された地図情報上で、前記第一地点から前記第二地点までの連続する複数のセルからなるセル経路を設定するセル経路設定手段と、
前記セル経路上の各セルにおける当該セル経路の屈曲角を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された各セルの前記屈曲角を、当該セルと前記セル経路上で前後に隣接する2つのセルにおける前記屈曲角と比較し、当該セルにおける前記屈曲角θnが以下の式を満たす場合に、当該セルを経由地点として設定する経由地点設定手段と、
を備えることを特徴とする。
θn-1≧θn<θn+1
(但し、前記セル経路上を前記第一地点及び前記第二地点の一方から他方に向かう方向において、当該セルの始点側に隣接するセルにおける前記屈曲角をθn-1とし、当該セルの終点側に隣接するセルにおける前記屈曲角をθn+1とする
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の経由地点設定装置において、
前記経由地点設定手段は、
各セルにおける前記屈曲角の比較を、前記セル経路に沿って前記第一地点または前記第二地点から順次行い、
当該比較が行われるセルにおける前記屈曲角が、所定回数以上連続してその直前の順番のセルにおける前記屈曲角よりも小さくなっている場合に、当該比較が行われるセルを経由地点として設定することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の経由地点設定装置において、
前記算出手段は、前記セル経路上の各セルについて、当該セルから前記セル経路上を所定セル数だけ前後に移動した2つのセルまでの2つのベクトルを求め、当該2つのベクトルがなす角度を前記屈曲角として算出することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、所定の第一地点から第二地点までの飛行経路中に経由地点を設定する経由地点設定プログラムであって、
コンピュータ
少なくとも前記第一地点及び前記第二地点を含む地図情報を、水平面内で格子状の複数のセルに分割する格子分割手段と、
前記格子分割手段により格子分割された地図情報上で、前記第一地点から前記第二地点までの連続する複数のセルからなるセル経路を設定するセル経路設定手段と、
前記セル経路上の各セルにおける当該セル経路の屈曲角を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された各セルの前記屈曲角を、当該セルと前記セル経路上で前後に隣接する2つのセルにおける前記屈曲角と比較し、当該セルにおける前記屈曲角θnが以下の式を満たす場合に、当該セルを経由地点として設定する経由地点設定手段
として機能させることを特徴とする。
θn-1≧θn<θn+1
(但し、前記セル経路上を前記第一地点及び前記第二地点の一方から他方に向かう方向において、当該セルの始点側に隣接するセルにおける前記屈曲角をθn-1とし、当該セルの終点側に隣接するセルにおける前記屈曲角をθn+1とする
【発明の効果】
【0010】
請求項1,4に記載の発明によれば、格子状のセル経路上の各セルにおける当該セル経路の屈曲角が算出され、算出されたセルの屈曲角θnが当該セルとセル経路上で前後に隣接する2つのセルにおける屈曲角θn-1,θn+1に対してθn-1≧θn<θn+1の関係を満たす場合に、当該セルが経由地点として設定される。
これにより、セル経路の進行方向を相対的に大きく変化させるセルが、方向変換すべき経由地点として設定され、第一地点(出発地点),第二地点(到達地点)及び当該経由地点をセル経路に沿って直線的に結ぶことで、より滑らかな線状の飛行経路を設定することができる。
したがって、格子状の飛行経路上に好適に経由地点を設定することができ、ひいては、より実際の飛行に即した滑らかな線状の飛行経路を設定することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、各セルにおける屈曲角の比較がセル経路に沿って順次行われ、当該比較が行われるセルにおける屈曲角が、所定回数以上連続してその直前の順番のセルにおける屈曲角よりも小さくなっている場合に、当該比較が行われるセルが経由地点として設定される。
これにより、算出された屈曲角が進行方向を適切に表していないセル経路であっても、屈曲角が一定の傾向を保って順次変化していることを確認することによって、経由地点が過度に設定されてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態における航空機の機能構成を示すブロック図である。
図2】経由地点設定処理の流れを示すフローチャートである。
図3】経由地点設定処理を説明するための図である。
図4】経由地点設定処理を説明するための図である。
図5】経由地点設定処理を説明するための図である。
図6】経由地点設定処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
[構成]
まず、本発明に係る経由地点設定装置の構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明に係る経由地点設定装置を適用した航空機10の機能構成を示すブロック図である。
【0015】
航空機10は、所定の出発地点PSから到達地点PEまでの飛行を行うものであり(図3参照)、図1に示すように、飛行機構11と、操作部13と、表示部14と、記憶部15と、制御部18等とを備えている。
【0016】
飛行機構11は、航空機10を飛行させるための機構であり、主に、飛行に必要な揚力を発生させる回転翼(メインローター)と、推進力を発生させる内燃機関(例えばジェットエンジン)とで構成されている。
操作部13は、操縦桿や各種操作キー等を備えており、これら操縦桿や各種操作キー等の操作状態に対応する信号を制御部18に出力する。
表示部14は、ディスプレイを備えており、制御部18から入力される表示信号に基づいて各種情報をディスプレイに表示する。
【0017】
記憶部15は、航空機10の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するとともに、作業領域としても機能するメモリである。本実施形態においては、記憶部15は、本発明に係る経由地点設定プログラム150と、地図データ155等とを記憶している。
【0018】
経由地点設定プログラム150は、後述の経由地点設定処理(図2参照)を制御部18に実行させるためのプログラムである。
地図データ155は、山や河川などの地形情報に加え、道路や鉄道,建造物,田畑などの土地の利用状態に関する情報も含めた総合的な地理情報を有するものである。また、この地図データ155は、少なくとも出発地点PS及び到達地点PE図3参照)を含む所定範囲のものであればよい。
【0019】
制御部18は、航空機10の各部を中央制御する。具体的に、制御部18は、操作部13に対するパイロットの操作に基づいて、飛行機構11等の動作を制御したり、記憶部15に記憶されているプログラムの中から指定されたプログラムを展開し、展開されたプログラムと協働して各種処理を実行したりする。
【0020】
[動作]
続いて、航空機10が経由地点設定処理を実行する際の動作について、図2図6を参照して説明する。
図2(a),(b)は、経由地点設定処理の流れを示すフローチャートであり、図3図6は、経由地点設定処理を説明するための図である。
【0021】
経由地点設定処理は、後述するように、格子分割された地図データ上でのセル状の飛行経路上に経由地点であるウェイポイントPW図6参照)を設定することで、より実際の飛行に即した線状の飛行経路を設定する処理である。
この経由地点設定処理は、パイロットの操作等により当該経由地点設定処理の実行指示が入力されたときに、制御部18が記憶部15から経由地点設定プログラム150を読み出して展開することで実行される。
【0022】
図2(a)及び図3に示すように、経由地点設定処理が実行されると、まず制御部18は、少なくとも出発地点PS及び到達地点PEを含む所定範囲内の地図データ155を記憶部15から読み出して、水平面内で格子状の複数のセルC,…に分割する(ステップS1)。本実施形態では、制御部18は、南北及び東西に沿った各分割線によって、50m四方の正方格子状の複数のセルC,…を生成する。
なお、各セルの形状は、格子状であれば正方格子状でなくともよく、例えば菱形格子状や六角格子(ハニカム)状などであってもよい。
【0023】
次に、制御部18は、ステップS1で格子分割された地図データ155上で、出発地点PSから到達地点PEまでの連続する複数のセルC,…からなるセル状のセル経路Rcellを設定する(ステップS2)。このセル経路Rcellは、例えば、図示しない経路探索プログラムを用いて地形条件等に基づいて探索・設定されることとしてもよいし、パイロットや地上設備のオペレータ等によって入力されることなどとしてもよい。
なお、以下の説明では、セル経路Rcell上で出発地点PSからn(=1,2,…)番目のセルCを符号Cnで表し、当該セル経路Rcell上の各セルCを識別することとする。
【0024】
ここから制御部18は、セル経路Rcell上の各セルCに対し、当該セルCをウェイポイントPWとして設定すべきか否かについて、セル経路Rcellに沿って順次評価していく。
本実施形態においては、制御部18は、まずn=2として、出発地点PSから2番目のセルC2から評価を開始する(ステップS3)。但し、後述するように、セルC3以降のセルCから評価を開始することとしてもよい。
【0025】
次に、制御部18は、セルCnにおけるセル経路Rcellの屈曲角θnを算出する(ステップS4)。
この屈曲角θnの算出では、図2(b)及び図4(a)に示すように、まず制御部18は、セルCnからセル経路Rcell上をM個(図4では3個)進んだセルCn+MまでのベクトルAnを算出するとともに(ステップS41)、セルCnからセル経路Rcell上をM個戻ったセルCn-MまでのベクトルBnを算出する(ステップS42)。ここで、Mは任意の正の整数であり、格子分割のサイズ等に応じて適宜設定することができる。
そして、制御部18は、ベクトルAnとベクトルBnとのなす角度として屈曲角θnを算出する(ステップS43)。
【0026】
なお、ベクトルBnの算出にあたっては、当該セルCnの手前側に、Mの値に対応した数量のセルCが必要となる。また、後述のステップS5ではセルCn-1における同様のベクトルBn-1の算出が行われることから、その分の1つのセルCが当該セルCnの手前側にさらに必要となる。そのため、上述のステップS3におけるnの初期値は、Mの値の設定に応じてベクトルBn,Bn-1の算出が可能なように設定される。但し、Mの値はセル経路Rcell中で一定でなくともよく、随時変化させてもよい。
また、後述のステップS5では、セルCnとセル経路Rcell上の前方に隣接するセルCn+1の屈曲角θn+1が算出される。したがって、セルCnの屈曲角θnがその直前のnにおけるセルCn+1の屈曲角θn+1として既に算出されている場合には、再計算することなくその値をそのまま流用してもよい。
【0027】
次に、制御部18は、図2(a)に示すように、セルCnとセル経路Rcell上で前後に隣接する2つのセルCn-1、Cn+1それぞれについて、セルCnのときと同様にして、当該2つのセルCn-1、Cn+1における2つの屈曲角θn-1、θn+1を算出する(ステップS5)。つまり、制御部18は、セルCn-1におけるベクトルAn-1とベクトルBn-1を算出してこれらのなす角度として屈曲角θn-1を算出するとともに(図4(b))、セルCn+1におけるベクトルAn+1とベクトルBn+1を算出してこれらのなす角度として屈曲角θn+1を算出する(図4(c))。
なお、セルCn-1の屈曲角θn-1がその直前のnにおけるセルCnの屈曲角θnとして既に算出されている場合には、再計算することなくその値をそのまま流用してもよい。
【0028】
次に、制御部18は、セルCnの屈曲角θnが以下の式1を満たすか否かを判定する(ステップS6)。
θn-1≧θn<θn+1 …(式1)
そして、屈曲角θnが式1を満たしていないと判定した場合(ステップS6;No)、制御部18は、n=n+1としてnを更新したうえで(ステップS7)、上述のステップS4へ移行する。つまり、この場合には、セルCnをウェイポイントPWとして設定することなく、当該セルCnの次のセルCについての評価に移ることとなる。
【0029】
このステップS6において、セルCnの屈曲角θnが上記式1を満たしていると判定した場合には(ステップS6;Yes)、制御部18は、屈曲角θnがN回以上連続してその直前のnにおける屈曲角θn(つまり、当該段階のnにおける屈曲角θn-1)よりも小さくなっている(つまり、θn<θn-1を満たす)か否かを判定する(ステップS8)。ここで、Nは任意の正の整数である。
【0030】
そして、ステップS8において、セルCnの屈曲角θnがN回以上連続してその直前のnにおける屈曲角θnよりも小さくなってはいないと判定した場合には(ステップS8;No)、制御部18は、n=n+1としてnを更新したうえで(ステップS7)、上述のステップS4へ移行する。つまり、この場合には、セルCnをウェイポイントPWとして設定することなく、当該セルCnの次のセルCについての評価に移ることとなる。
【0031】
また、ステップS8において、セルCnの屈曲角θnがN回以上連続してその直前のnにおける屈曲角θnよりも小さくなっていると判定した場合には(ステップS8;Yes)、制御部18は、当該セルCnの位置をウェイポイントPWとして設定する(ステップS9)。
【0032】
したがって、セルCnは、ステップS6,S8の両判定により、その屈曲角θnがθn-1≧θn<θn+1を満たし、且つ、当該屈曲角θnがN回以上連続してその直前のnにおける屈曲角θnよりも小さくなっている場合に、ウェイポイントPWとして設定されることとなる。
このうち、ステップS6の判定(屈曲角θnがθn-1≧θn<θn+1を満たすか否かの判定)では、セル経路Rcellの進行方向が比較的に大きく変化する、いわばセル経路Rcell上の頂点が、ウェイポイントPWに設定されるべきセルCとして探索されている。
但し、ステップS6においてセル経路Rcell上の頂点と判定されたセルCであっても、例えば図5(a)〜(c)に示すように、ベクトルAn、Bnが進行方向を適切に表せていないセル経路Rcellであった場合には、ウェイポイントPWが過度に設定されてしまうケースが起こり得る。
そこで、ステップS8の判定(屈曲角θnがN回以上連続して直前の屈曲角θnよりも小さくなっているか否かの判定)では、屈曲角θnが一定の傾向を保って順次変化していることを確認することで、ウェイポイントPWが過度に設定されてしまうことを抑制している。
【0033】
次に、制御部18は、図2(a)に示すように、セル経路Rcell上の各セルCに対するウェイポイントPW設定の評価が、当該セル経路Rcellの最後まで終了したか否かを判定する(ステップS10)。そして、ウェイポイントPW設定の評価がセル経路Rcellの最後まで終了していないと判定した場合には(ステップS10;No)、制御部18は、n=n+1としてnを更新したうえで(ステップS7)、上述のステップS4へ移行する。つまり、当該セルCnの次のセルCについての評価に移行する。
【0034】
また、ステップS10において、ウェイポイントPW設定の評価がセル経路Rcellの最後まで終了したと判定した場合には(ステップS10;Yes)、制御部18は、図6に示すように、出発地点PS,到達地点PE及びウェイポイントPWをセル経路Rcellに沿って順次直線で結んだ線状の飛行経路Rlineを設定し(ステップS11)、必要に応じて表示部14のディスプレイに表示などさせて、経由地点設定処理を終了する。
【0035】
[効果]
以上のように、本実施形態によれば、セル経路Rcell上の各セルCnにおける当該セル経路Rcellの屈曲角θnが算出され、算出されたセルCnの屈曲角θnが当該セルCnとセル経路Rcell上で前後に隣接する2つのセルCn-1,Cn+1における屈曲角θn-1,θn+1に対してθn-1≧θn<θn+1の関係を満たす場合に、当該セルCnがウェイポイントPWとして設定される。
これにより、セル経路Rcellの進行方向を相対的に大きく変化させるセルCが、方向変換すべきウェイポイントPWとして設定され、出発地点PS,到達地点PE及びウェイポイントPWをセル経路Rcellに沿って直線的に結ぶことで、より滑らかな線状の飛行経路Rlineを設定することができる。
したがって、格子状のセル経路Rcell上に好適にウェイポイントPWを設定することができ、ひいては、より実際の飛行に即した滑らかな線状の飛行経路Rlineを設定することができる。
【0036】
また、各セルCnにおける屈曲角θnの比較がセル経路Rcellに沿って順次行われ、当該比較が行われるセルCnにおける屈曲角θnが、所定回数以上連続してその直前の順番のセルCnにおける屈曲角θnよりも小さくなっている場合に、当該比較が行われるセルCnがウェイポイントPWとして設定される。
これにより、算出された屈曲角θnが進行方向を適切に表していないセル経路Rcellであっても、屈曲角θnが一定の傾向を保って順次変化していることを確認することによって、ウェイポイントPWが過度に設定されてしまうことを抑制することができる。
【0037】
[変形例]
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0038】
例えば、上記実施形態では、セル経路Rcell上の各セルCに対するウェイポイントPWとして設定すべきか否かの評価を、出発地点PSからセル経路Rcellに沿って順次行うこととしたが、セル経路Rcellに沿っていれば到達地点PEから順次行うこととしてもよい。
【0039】
また、本発明に係る経由地点設定装置を航空機10に適用した例について説明したが、本発明に係る経由地点設定装置はこれに限定されず、例えば航空機10と通信を行う地上設備内に設けられるものなどとしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10 航空機
15 記憶部
150 経由地点設定プログラム
155 地図データ(地図情報)
18 制御部(格子分割手段、セル経路設定手段、算出手段、経由地点設定手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6