特許第6012796号(P6012796)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012796
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】ポール素子集合体およびタープ
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/34 20060101AFI20161011BHJP
   E04H 15/26 20060101ALI20161011BHJP
   E04H 15/58 20060101ALI20161011BHJP
   E04H 15/60 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   E04H15/34 A
   E04H15/26
   E04H15/58 Z
   E04H15/60
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-44334(P2015-44334)
(22)【出願日】2015年3月6日
(65)【公開番号】特開2016-164333(P2016-164333A)
(43)【公開日】2016年9月8日
【審査請求日】2015年8月5日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年9月10日から平成26年9月12日にかけて、ベルサール新宿グランド(東京都新宿区西新宿8−17−3)にて行われた展示会において公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年12月25日に、自社ウェブサイトのhttp://www.coleman.co.jp/products/catalog2015/、http://ec.coleman.co.jp/item/IS00060N04091.html、http://ec.coleman.co.jp/item/IS00060N04092.html、http://ec.coleman.co.jp/item/IS00060N04093.html、http://ec.coleman.co.jp/item/IS00060N04094.htmlに掲載
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年1月31日に大阪府箕面市船場東1−5−13にて北斗スポーツ株式会社に販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年2月13日に千葉県野田市泉1−1−6にてメガスポーツ株式会社に販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年2月13日に愛知県一宮市丹陽町九日市場63−1スリーエス物流内にてメガスポーツ株式会社に販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年2月5日に埼玉県久喜市下早見大谷1662番地にて株式会社eSPORTSに販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年2月20日に大阪府泉大津市小津島町4−12にて株式会社ナニワに販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年2月2日に大阪府大阪市住之江区南港中7−1−43にてナチュラム・イーコマース株式会社に販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年2月24日に大阪府箕面市船場東1−5−13にて北斗スポーツ株式会社に販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年1月31日に大阪市住之江区南港中7−1−43にてナチュラム・イーコマース株式会社に販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年2月12日に新潟県新潟市西区流通センター5−6−1新潟運輸内にて株式会社ナニワに販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年2月14日に大阪府大阪市住之江区南港中7−1−43にてナチュラム・イーコマース株式会社に販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年2月23日に滋賀県大津市におの浜1−1−3にて株式会社アヤハディオに販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年2月20日に新潟県新潟市西区流通センター5−6−1にて株式会社ナニワに販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年2月18日に静岡県榛原郡吉田町川尻1013−1にて角利産業株式会社に販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年2月24日に埼玉県深谷市畠山字天神沢1500アイリスオーヤマ埼玉工場内にて株式会社ユニリビングに販売
(73)【特許権者】
【識別番号】593107454
【氏名又は名称】ザ・コールマン・カンパニー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】THE COLEMAN COMPANY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000811
【氏名又は名称】特許業務法人貴和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井 孝俊
【審査官】 河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭50−66410(JP,U)
【文献】 実公昭11−2821(JP,Y1)
【文献】 実公昭29−4447(JP,Y1)
【文献】 特開平11−93462(JP,A)
【文献】 特開2008−101375(JP,A)
【文献】 仏国特許発明第1075933(FR,A)
【文献】 実公昭40−18858(JP,Y1)
【文献】 実公昭29−1552(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 15/34
E04H 15/26
E04H 15/58
E04H 15/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に直列に連結可能な複数のポール素子を備え、
すべてのポール素子を軸方向に直列に連結することで、布設営物設置用の1本のメインポールを構成可能であり、
前記ポール素子のうち、何れか1個のポール素子単独で、または、一部のポール素子を軸方向に直列に連結することで、布設営物設置用の1本のサブポールを構成すると共に、残りのポール素子単独で、または、残りのポール素子を軸方向に直列に連結することで、布設営物設置用の別の1本のサブポールを構成することができ、かつ、
前記ポール素子のうち、前記メインポールおよび前記サブポールを構成した場合に、それぞれの最も軸方向片側に連結されるポール素子の軸方向片端部に、前記布設営物を構成する布構造を支承するための支承部が設けられている、
ポール素子集合体。
【請求項2】
前記ポール素子のうち、少なくとも、前記メインポールを構成した場合に、最も軸方向片側に連結されるポール素子を除くポール素子のそれぞれは、前記軸方向片端部に設けられた小径部と、中間部乃至他端部に設けられた筒状部と、該小径部と該筒状部とを連続させる段差部とを少なくとも備え、該ポール素子のうち、前記サブポールを構成した場合に、最も軸方向片側に連結されるポール素子の前記小径部の軸方向端部には、前記筒状部に収納可能であり、かつ、前記布設営物を構成する布構造を支承するための支承部が設けられている、請求項1に記載のポール素子集合体。
【請求項3】
前記支承部が、前記天幕に形成された通孔に挿通するためのピン部である、請求項1または2に記載のポール素子集合体。
【請求項4】
天幕と、該天幕を支承する2本のメインポールと、前記天幕に張力を付与する2本以上のロープとを備え、前記2本のメインポールのうち、少なくとも1本は、請求項1〜3のいずれかに記載のポール素子集合体により構成される、タープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャンプなどの野外活動時に日除けや雨除けなどの目的で使用される簡易なタープを設置するためのポールを構成するポール素子集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
キャンプなどの野外活動時に日除けや雨除けなどの目的で使用される簡易なタープとしては、ウイング型、ヘキサゴン型、スクエア型などの種々の形態のものがある(例えば特許文献1参照)。これらのタープの基本的な構造は、矩形や六角形からなる天幕と、該天幕を支承する2本のメインポールと、前記天幕に張力を付与する2本以上のロープとにより構成される。このようにタープは非常に簡易な構造を有するため、その部品数を少なく抑え、かつ、容易にその設営作業をすることができる。また、その設営状態では、タープは、非常にシンプルですっきりとしたデザインを有し、かつ、周囲が開いていて風通しが良く、横風に強く、開放感が得られるといった特徴を有する。
【0003】
このようなタープをテントと連結して設置すれば、雨天の際に雨具を使用しなくても、雨に濡れることなく、タープとテントとを行き来することができて、かつ、広い空間を確保できて、便利である。タープとテントとを連結する場合には、例えば、タープを構成する天幕の長さ方向(長手方向)片側縁部を、テントのフライシートなどに重畳させた状態で、前記天幕の長さ方向片側縁部を、ロープや金具などにより、テントに支承(連結)する。また、前記天幕の長さ方向他側縁部のうち、幅方向(短手方向)中央部を、1本のメインポールに支承すると共に、幅方向両端部にそれぞれ、ロープの一端を取り付けて、このロープの他端を地面にペグなどによって固定する。
【0004】
ここで、前記天幕の長さ方向他側縁部の幅方向両端部をそれぞれ、メインポールよりも短いポール(サブポール)により持ち上げて支承すれば、より広い空間の確保が可能になる。ただし、メインポールと長さの異なるサブポールを別途準備する必要があり、面倒である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−93462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、タープなどの布設営物を単独で設置する際には、1本の長尺なポール(メインポール)として使用することができ、タープなどの布設営物をテントなどの他の布設営物と連結して設置する際には、2本の短尺なポール(サブポール)として使用することができるポールの構造を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のポール素子集合体は、軸方向に直列に連結可能な複数のポール素子を備える。そして、すべてのポール素子を軸方向に直列に連結することで、タープなどの布設営物設置用の1本のメインポール(長尺なポール)を構成することができる。一方、前記ポール素子のうち、何れか1個のポール素子単独で、または、一部のポール素子を軸方向に直列に連結することで、タープなどの布設営物設置用の1本のサブポール(短尺なポール)を構成すると共に、残りのポール素子単独で、または、残りのポール素子を軸方向に直列に連結することで、タープなどの布設営物設置用の別の1本のサブポールを構成することができる。
【0008】
前記メインポールおよび前記サブポールを構成するポール素子のうち、それぞれの最も軸方向片側に連結されるポール素子の軸方向片端部に、タープなどの布設営物を構成する天幕などの布構造を支承するための支承部が設けられる。
【0009】
より具体的には、前記ポール素子のうち、少なくとも、前記メインポールを構成した場合に、最も軸方向片側に連結されるポール素子を除くポール素子のそれぞれは、前記軸方向片端部に設けられた小径部と、中間部乃至他端部に設けられた筒状部と、該小径部と該筒状部とを連続させる段差部とを少なくとも備え、該ポール素子のうち、前記サブポールを構成した場合に、最も軸方向片側に連結されるポール素子の前記小径部の軸方向端部には、前記筒状部に収納可能であり、かつ、前記布設営物を構成する布構造を支承するための支承部が設けられる。
【0010】
前記支承部は、前記天幕などの布構造に形成された通孔に挿通するためのピン部により構成することが好ましい。
【0011】
本発明のタープは、天幕と、該天幕を支承する2本のメインポールと、前記天幕に張力を付与する2本以上のロープとを備え、前記2本のメインポールのうち、少なくとも1本は、上記した本発明のポール素子集合体により構成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明のポール素子集合体は、ポール素子集合体の組み合わせ状態を変更することにより、1本のメインポールとして使用することもできるし、2本のサブポールとして使用することもできる。例えば、タープを単独で設置する場合には、1本のメインポールとして使用する。これに対して、タープをテントと連結して設置する場合には、2本のサブポールとして使用することで、より広い居住空間の確保が可能になる。この場合にも、メインポールと長さの異なるサブポールを別途準備する必要がなく、便利である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施の形態の1例にかかるポール素子集合体を示す側面図である。
図2図2は、1本のメインポールとして組み立てた状態を示す側面図である。
図3図3は、2本のサブポールとして組み立てた状態を示す側面図である。
図4図4は、タープを単独で設置した状態を示す斜視図である。
図5図5は、タープをテントと連結して設置した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図3は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例のポール素子集合体1は、第1ポール素子2と、第2ポール素子3と、第3ポール素子4と、第4ポール素子5とを備える。これらの第1ポール素子2、第2ポール素子3、第3ポール素子4および第4ポール素子5はそれぞれ、ガラス繊維若しくは炭素繊維、または、アルミニウム合金やマグネシウム合金などの軽合金若しくは炭素鋼などの鉄系合金により、略円筒状に造られている。
【0015】
第1ポール素子2は、片端部(図1の右端部)に設けられた小径部6aと、中間部乃至他端部(図1の左端部)に設けられた筒状部7aと、小径部6aと筒状部7aとを連続させる段差部8aとを備える。
【0016】
第2ポール素子3は、片端部に設けられた小径部6bと、中間部乃至他端部に設けられた筒状部7bと、小径部6bと筒状部7bとを連続させる段差部8bと、小径部6bの片端面にこの片端面から軸方向に突出する状態で設けられたピン部9aとを備える。
【0017】
第3ポール素子4は、片端部に設けられた小径部6cと、中間部乃至他端部に設けられた筒状部7cと、小径部6cと筒状部7cとを連続させる段差部8cとを備える。
【0018】
第4ポール素子5は、筒状部7dと、筒状部7dの片端面に、この片端面から軸方向に突出する状態で設けられたピン部9bとを備える。
【0019】
これらの第1ポール素子2、第2ポール素子3、第3ポール素子4および第4ポール素子5は、軸方向に直列に連結可能に構成されている。具体的には、第1ポール素子2と第2ポール素子3とが、第1ポール素子2の小径部6aを第2ポール素子3の筒状部7bに内嵌することにより軸方向に直列に連結可能に構成され、第2ポール素子3と第3ポール素子4とが、第2ポール素子3の小径部6bを第3ポール素子4の筒状部7cに内嵌することにより軸方向に直列に連結可能に構成され、第3ポール素子4と第4ポール素子5とが、第3ポール素子4の小径部6cを第4ポール素子5の筒状部7dに内嵌することにより、軸方向に直列に連結可能に構成されている。
【0020】
第1ポール素子2と第2ポール素子3との間には、第1ポール素子2と第2ポール素子3とを連結した状態、すなわち、第1ポール素子2の小径部6aを第2ポール素子3の筒状部7bに内嵌し、この筒状部7bの他端面を第1ポール素子2の段差部8aに突き当てた状態で保持するためのロック機構10aが設けられている。このロック機構10aは、ばねなどの弾性部材により径方向外方に向いた弾力を付与させた状態で、その先端部を第1ポール素子2の小径部6aの外周面から突出させた軸杆11aと、第2ポール素子3の筒状部7bのうち、第1ポール素子2と第2ポール素子3とを連結した状態で、軸杆11aと整合する部分に形成された係合孔12aとにより構成されている。すなわち、これらの軸杆11aと係合孔12aとの係合により、第1ポール素子2と第2ポール素子3とが連結された状態で保持される。第1ポール素子2と第2ポール素子3とを分解する場合には、軸杆11aを弾性部材の弾力に抗して、径方向内方に、軸杆11aと係合孔12aとの係合が外れるまで押し込む。この状態で、第1ポール素子2と第2ポール素子3とを、軸方向に関して互いに離れる方向に相対変位させ、これらの第1ポール素子2と第2ポール素子3とを分解する。
【0021】
第2ポール素子3と第3ポール素子4との間には、第2ポール素子3と第3ポール素子4とを連結した状態、すなわち、第2ポール素子3の小径部6bおよびピン部9aを第3ポール素子4の筒状部7cに内嵌し、この筒状部7cの他端面を第2ポール素子3の段差部8bに突き当てた状態で保持するためのロック機構10bが設けられている。このロック機構10bは、弾性部材により径方向外方に向いた弾力を付与させた状態で、その先端部を第2ポール素子3の小径部6bの外周面から突出させた軸杆11bと、第3ポール素子4の筒状部7cのうち、第2ポール素子3と第3ポール素子4とを連結した状態で、軸杆11bと整合する部分に形成された係合孔12bとにより構成されている。すなわち、軸杆11bと係合孔12bとの係合により、第2ポール素子3と第3ポール素子4とが連結した状態で保持される。第2ポール素子3と第3ポール素子4とを分解する場合には、軸杆11bを弾性部材の弾力に抗して、径方向内方に、軸杆11bと係合孔12bとの係合が外れるまで押し込む。この状態で、第2ポール素子3と第3ポール素子4とを、軸方向に関して互いに離れる方向に相対変位させ、これらの第2ポール素子3と第3ポール素子4とを分解する。
【0022】
第3ポール素子4と第4ポール素子5との間には、第3ポール素子4と第4ポール素子5とを連結した状態、すなわち、第3ポール素子4の小径部6cを第4ポール素子5の筒状部7dに内嵌し、この筒状部7dの他端面を第3ポール素子4の段差部8cに突き当てた状態で保持するためのロック機構10cが設けられている。このロック機構10cは、弾性部材により径方向外方に向いた弾力を付与させた状態で、その先端部を第3ポール素子4の小径部6cの外周面から突出させた軸杆11cと、第4ポール素子5の筒状部7dのうち、第3ポール素子4と第4ポール素子5とを連結した状態で、軸杆11cと整合する部分に形成された係合孔12cとにより構成されている。すなわち、これらの軸杆11cと係合孔12cとの係合により、第3ポール素子4と第4ポール素子5とが連結した状態で保持される。第3ポール素子4と第4ポール素子5とを分解する場合には、軸杆11cを弾性部材の弾力に抗して、径方向内方に、軸杆11cと係合孔12cとの係合が外れるまで押し込む。この状態で、第3ポール素子4と第4ポール素子5とを、軸方向に関して互いに離れる方向に相対変位させ、これらの第3ポール素子4と第4ポール素子5とを分解する。
【0023】
上述のように構成する本例のポール素子集合体1は、図2に示すように、第1ポール素子2、第2ポール素子3、第3ポール素子4および第4ポール素子5のすべてを軸方向に直列に連結することで、長尺な1本のメインポール13を構成することができる。また、ポール素子集合体1は、図3に示すように、短尺な2本のサブポール14a、14bを構成することもできる。すなわち、第1ポール素子2と第2ポール素子3とを軸方向に直列に連結することで、1本のサブポール14aを構成すると共に、第3ポール素子4と第4ポール素子5とを軸方向に直列に連結することで、別の1本のサブポール14bを構成することができる。
【0024】
したがって、図4に示すように、タープ15を単独で(テントと連結せず)設置する場合には、2組のポール素子集合体1を何れも、メインポール13として組み合わせ、メインポール13の片端部(上端部)に設けられたピン部9bを、天幕16の長さ方向(長手方向)両側縁部の幅方向(短手方向)中央部に形成された通孔(グロメット)に挿通して、天幕16を支承する。そして、複数本のロープ17により、天幕16に張力を付与する。
【0025】
一方、図5に示すように、タープ15をテント18と連結して設置する、すなわち、天幕16の長さ方向片側縁部を、ロープや金具などにより、テント18に対し支承(連結)した状態で設置する場合には、2組のポール素子集合体1のうち、一方を1本のメインポール13として組み合わせ、他方を2本のサブポール14a、14bとして組み合わせる。そして、メインポール13の片端部に設けられたピン部9bを、天幕16の長さ方向他側縁部の幅方向中央部に形成された通孔に挿通して、この幅方向中央部を支承する。さらに、サブポール14a、14bの片端部に設けられたピン部9a、9bを、天幕16の長さ方向他側縁部の幅方向両端部に形成された通孔に挿通することで、これら幅方向両端部を持ち上げる。これにより、サブポール14a、14bを使用しない場合に比べて広い居住空間を確保することができる。また、このようなサブポール14a、14bは、1本のメインポール13としても使用可能なポール素子集合体1を構成する、第1ポール素子2、第2ポール素子3、第3ポール素子4および第4ポール素子5の組み合わせを変更することで構成することができる。したがって、メインポール13と長さの異なるサブポール14a、14bを別途準備する必要がなく、部品点数の増加を防止できる。
【0026】
なお、本発明のポール素子集合体を構成するポール素子の本数は、4個に限らず、2個以上であれば何個でも良い。ただし、2本のサブポールの長さは互いに同じであることが好ましく、ポール素子集合体を構成するポール素子の本数は偶数であることが好ましい。また、各ポール素子の断面形状は、円形に限らず、多角形や楕円形などとすることもできる。また、タープの天幕を支承するための支承部は、通孔に挿通するためのピン部に限らず、円筒部に収容可能である限り他の任意の接続構造、例えば、天幕に結合したロープを結び付けるためのリング状の金具を用いることもできる。
【0027】
なお、天幕と組み合わせる2本のポールセットを、何れも本発明のポール素子集合体とする必要はなく、一方のポールセットを本発明のポール素子集合体とすれば足りる。また、サブポールを構成するポール素子の組合せについては、これらを非接続状態でも分離しないようにするための伸縮性または非伸縮性の紐状部材により連結してもよい。さらに、本発明のポール素子集合体は、主としてタープの設営に適しているが、シート、幕、その他の布設営物の設置に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 ポール素子集合体
2 第1ポール素子
3 第2ポール素子
4 第3ポール素子
5 第4ポール素子
6a〜6c 小径部
7a〜7d 筒状部
8a〜8c 段差部
9a、9b ピン部
10a〜10c ロック機構
11a〜11c 軸杆
12a〜12c 係合孔
13 メインポール
14a、14b サブポール
15 タープ
16 天幕
17 ロープ
18 テント
図1
図2
図3
図4
図5