(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
自動ドア装置は、ドアの外部側及び内部側にそれぞれ設けた外部センサ及び内部センサにより、人などの物体が検出されたときに、その検知信号をマイクロコンピュータに入力させてモータを正逆転させて、ドアの開閉制御を行っている。
このような自動ドア装置の設置に当たっては、一般に、市販の自動ドア用アルミフロントを予め設置してあり、この市販の自動ドア用アルミフロントに自動ドアを設置する取付ベースと自動ドアを開閉移動するモータを取り付ける内蔵タイプのものと、市販の自動ドア用アルミフロントが設置されておらず、既設あるいは新設の鴨居やフロント無目に取付ベースを用いて取り付ける後付けタイプのものとがある。
【0003】
従来の自動ドア装置100は、
図7に示す如く、ドア110と、ドア110を開閉するための駆動機構120とを備えて構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
駆動機構120は、既知構成のものであり(特開2002−115448号公報参照)、フロント無目に取り付けられる取付用横向ベース130に設けられており、駆動源としてのモータ140と、伝達機構150とを備えて構成されている。そして、モータ140からの駆動力が伝達機構150を介してドア110に伝達されてドア110の開閉が行われるようになっている。
【0004】
前記モータ140は、例えば、ブラシレスDCモータで構成されており、前記取付用横向ベース130に取り付けられた取付部材160に取り付けられている。
前記伝達機構150は、ベルト機構152と減速機構170とを有し、ベルト機構152が減速機構170に連結されて構成されている。
また、ベルト機構152は、歯付主動プーリ154と歯付従動プーリ156とを備え、これら歯付主動プーリ154と歯付従動プーリ156に、歯付ベルト158を巻き掛けて構成されている。すなわち、歯付主動プーリ154と歯付従動プーリ156とに渡って無端状の歯付ベルト158が巻き掛けられている。この歯付ベルト158には、下側に位置する下側部分158aと上側に位置する上側部分158bがある。
【0005】
前記減速機構170は、取付部材160に設けられている。前記モータ140が駆動して、減速機構170によって回転が減速されて歯付主動プーリ154に出力されると、歯付主動プーリ154が回転し歯付ベルト158を移動し、歯付ベルト158に取り付けられたドア110が移動するようになっている。
取付用横向ベース130に設けられるモータ140と、伝達機構150は、外部から見えないようにカバー210で覆われている。このカバー210は、モータ140、伝達機構150などの点検・修理の際に、作業者が開閉して作業が行えるように構成されている。
【0006】
このような自動ドア装置100は、ドア110に近づいた人などの物体をセンサ200によって検知し、ドア110の開閉を行っている。このドア110に近づいた人などの物体の検知を行うセンサ200は、
図8に示すように、自動ドア装置100の外側に設けられるカバー210に取り付けられている。
また、カバー210内には、コントローラが配設されており、自動ドア装置100の駆動機構120の駆動制御を行っている。
カバー210に取り付けられているセンサ200は、外部からセンサコード230を使って電源を供給して作動するようになっている。さらに、このセンサ200によってドア110に近づいた人などの物体の検知を行った際の検出信号も、センサコード230を使って、コントローラに送信するようになっている。
【0007】
このように、従来の自動ドア装置100においては、
図9に示す如く、カバー210の一端部からカバー210内に配設されるセンサ200から引き出されるセンサコード230を無端状の歯付ベルト158の下側部分158aと上側部分158bとの間を通して引き出して、センサコード230の先端をコントローラに接続している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように従来の自動ドア装置200は、カバー210の一端部からカバー210内に引き出されて配設されるセンサコード230を無端状の歯付ベルト158の下側部分158aと上側部分158bとの間を通して、コントロールボックスに接続する配線作業を行っている。このため、従来の自動ドア装置200を設置する作業を行うに当たって、作業者は、歯付ベルト158の下側部分158aと上側部分158bとに当たらないように配線を行っている。
しかしながら、自動ドア装置200を設置した際に、歯付ベルト158の張りが弱かったり、自動ドア装置200を設置した当初は歯付ベルト158の張りが強くても自動ドア装置200を使用している内に、経年変化によって歯付ベルト158の張りが弱くなったりして、ドア110の開閉動作した際に移動する歯付ベルト158の下側部分158aや上側部分158bに接触したり、歯付ベルト158に巻き込まれたりして破損し、短絡を起し、電源が漏洩するという問題点を有している。
【0010】
このように従来の自動ドア装置200は、センサ200がカバー210に取り付けられており、センサコード230を無端状の歯付ベルト158の下側部分158aと上側部分158bとの間を通すことにより、歯付ベルト158でセンサコード230が損傷するのを考慮し、センサコード230を歯付ベルト158の下側部分158aと上側部分158bとの干渉を避けるため歯付ベルト158の下側部分158aと上側部分158bとの間に通さずに上部側に回してからふたたび、内側に戻して結線する方法(特許文献2)が採られている。
しかしながら、センサコード230を上部側に回してからふたたび内側に戻すための作業が、予め設置してある市販の自動ドア用アルミフロントに自動ドアを設置する取付ベースとモータを取り付ける内蔵タイプのもの、あるいは既設あるいは新設の鴨居やフロント無目に取付ベースを用いて自動ドアを取り付ける後付けタイプのものでも、フロントの形状やサイズ等がサッシメーカーによって異なり、統一されていないため、自動ドア装置200を取り付ける取り付ける現場では手間が掛かり、作業がし難いという問題点を有している。
【0011】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、自動ドア装置を取り付ける取り付ける現場でのセンサコードの配線作業を容易にし、センサコードが歯付ベルト(タイミングベルト)の下側部分と上側部分とによって破損することのないコード保持具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明のコード保持具は、
帯状の平板がU字状に折り曲げられてなる板部材を構成する2つの平板辺が、タイミングベルトの輪の中を、各平板辺が前記タイミングベルトの輪の内側から前記タイミングベルトの張り方向に延びる部分に対向し、かつ、直交した状態で貫通挿入されており、前記2つの平板辺の間にコードが挿入されており、前記タイミングベルトが前記コードに向けた移動を前記2つの平板辺によって阻止されることによって、該コードが前記タイミングベルトに接触
されないようになっていることを特徴としている。
【0013】
本願請求項1に記載の発明によれば、歯付ベルト(タイミングベルト)の下側部分と上側部分との間にセンサコードを通すことにより自動ドア装置を取り付ける取り付ける現場でのセンサコードの配線作業を容易にし、帯状の平板をU字状に折り曲げて形成する板部材をタイミングベルトの間に該タイミングベルトと直交するように挿入し、板部材を構成する2つの辺の間にセンサコードを挿入し、センサコードが歯付ベルト(タイミングベルト)の下側部分と上側部分に接触しないようにすることでセンサコードが損傷・摩耗を防止することができる。
【0014】
上記課題を解決するためになされた請求項2に記載の本発明のコード保持具は、請求項1に記載のコード保持具の板部材をベース部材に固定してなることを特徴としている。
【0015】
本願請求項2に記載の発明によれば、コード保持具に取り付けられるセンサコードを安定的に固定することができる。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項3に記載の本発明のコード保持具は、
棒状の部材がU字状に折り曲げられてなるU字部材を構成する2つの棒材が、タイミングベルトの輪の中を、各棒材が前記タイミングベルトの輪の内側から前記タイミングベルトの張り方向に延びる部分に対向し、かつ、直交した状態で貫通挿入されており、前記2つの棒材の間にコードが挿入されており、前記タイミングベルトが前記コードに向けた移動を前記2つの棒材によって阻止されることによって、該コードが前記タイミングベルトに接触
されないようになっていることを特徴としている。
【0017】
本願請求項3に記載の発明によれば、歯付ベルト(タイミングベルト)の下側部分と上側部分との間にセンサコードを通すことにより自動ドア装置を取り付ける取り付ける現場でのセンサコードの配線作業を容易にし、棒状の部材を音叉状に折り曲げて形成するU字部材をタイミングベルトの間に該タイミングベルトと直交するように挿入し、U字部材を構成する2つの棒材の間にセンサコードを挿入し、センサコードが歯付ベルト(タイミングベルト)の下側部分と上側部分に接触しないようにすることでセンサコードが損傷・摩耗を防止することができる。
【0018】
上記課題を解決するためになされた請求項4に記載の本発明のコード保持具は、請求項3に記載のコード保持具のU字部材をベース部材に固定してなることを特徴としている。
【0019】
本願請求項4に記載の発明によれば、コード保持具に取り付けられるセンサコードを安定的に固定することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、自動ドア装置を取り付ける取り付ける現場でのセンサコードの配線作業を容易にし、センサコードが歯付ベルト(タイミングベルト)の下側部分と上側部分とによって破損することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るコード保持具の実施例について図面を用いて説明する。
【0027】
[実施例1]
図面の
図1,
図2には、本発明に係るコード保持具の第1の実施例が示されている。
図1は本発明に係るコード保持具の第1の実施例を示す図、
図2は
図1に図示のコード保持具の取り付けを説明するための図である。
【0028】
図1において、本例の自動ドア装置1は、レール装置2を有している。このレール装置2は、各アルミサッシメーカーが市販している自動ドア用アルミフロントに取り付けるドアを開閉するための駆動モータを取り付けるための内蔵式中芯吊りベースである。すなわち、このレール装置2は、いわゆるハンガーレールであって、自動ドア用アルミフロントの上枠A内に設けられるものである。
レール装置2は、上枠A内に固着されるベース部材3と、このベース部材3に取り付けられる上部レール部材4と、上部レール部材4に取り付けられる吊り金具装置5を備えている。
吊り金具装置5は、吊り金具6と、この吊り金具6をドア7の上端に固定する金具固定用ビス8と、吊り金具6に回転自在に設けられるハンガーローラ9と、その他のビス10等とを備えて構成されている。
【0029】
このようにベース部材3には、ドア7に上設されたハンガーローラー9を移動自在に支持するための上部レール部材4が取り付けられており、ベース部材3は、自動ドア取付枠としての上枠Aに固設されている。
【0030】
このベース部材3は、アルミニウム引き抜き材によるものであって、所定の長さで真っ直ぐにのびるように形成されており、上部レール部材4がこのベース部材3に一体に設けられている。
また、ベース部材3は、自動ドア用アルミフロントの上枠Aに固着される固着部分11と、中空構造となる強度確保部分12とを有して、
図1のような断面形状となるように形成されている。
【0031】
上部レール部材4は、逆L字状となる形状に形成されるレール上延部13を有している。そして、上部レール部材4には、縦設板部14を介して下側に連続するレール部15を有して、
図1のような断面形状となるように形成されている。
そして、このレール上延部13は、ハンガーローラ9の上方への移動を規制するために形成されている。このレール上延部13とレール部15は、ハンガーローラ9の直径に合わせて配置されている。このレール部15は、水平方向に沿って形成されている。
レール部15の上側には、凸条(ここでは断面視蒲鉾形状となる突条)となるレール16がベース部材3の延在方向に真っ直ぐに形成されている。
【0032】
ハンガーローラー9は、上部レール部材4のレール部15に移動自在に支持されており、レール部15のレール16上を転動するようになっている。
ベース部材3の端部には、自動ドア用アルミフロントの上枠Aにベース部材3を取り付けるための図示していない取付金具が取り付けられている。
このように取付金具は、ベース部材3と、ドア7の開閉を行う駆動モータ(図示していない)とを一緒に自動ドア用アルミフロントの堅枠Bに固定する金具である。
【0033】
駆動モータは、電動機(モーター)の回転力を間接的機構(ギアボックスなど)を介さずに直接、駆動対象に伝達するダイレクトドライブ・モータ(DDモータ)を用いている。
このDDモータは、損失、特にフリクションロス(ベルト、チェーン、歯車、減速機(ギアボックス)の摩擦による損失)を最小限にすることができ、シンプルな機構で、接触部が従来機構よりも減って、接触や振動を起こす部品が減っており、騒音を小さくすることができ、動作機構部品を減らすことができメンテナンスや交換の頻度が減らすことができるといった優れた特性を有している。
【0034】
また、駆動モータは、DDモータであるため、ベルトドライブのモータに比較して、小型のモータを用いることができ、モータの回転数をギアを使って低くする減速部を用いる必要が無く、部品点数を飛躍的に少なくすることができる。さらに、DDモータで構成する駆動モータは、簡単に取り付けることができる。
【0035】
自動ドア用アルミフロントの上枠Aには、カバー20が取付られている。このカバー20の外側には、ドア7の外部側に接近した人などの物体を検出するセンサ25が取り付けられている。このセンサ25からは、センサ25を駆動するための電源を供給する電源コードと、センサ25が人などの物体を検出したときの検出信号をコントローラに送信するセンサコードを併せたコード26が引き出されている。
このコード26は、カバー20の一端部からカバー20内に引き出されて配設されている。
【0036】
ベース部材3には、
図2に示す如く、コード保持具30が保持具固定用のボルト31とナット32によって取り付けられている。
このコード保持具30は、帯状の平板で形成される板部材33を長手方向の略中央でU字状に折り曲げて2つの平板辺34,35を形成して構成されている。この2つの平板辺34,35は、無端状の歯付ベルト(タイミングベルト)17の上側部分18と下側部分19との間に、歯付ベルト(タイミングベルト)17の上側部分18と、歯付ベルト(タイミングベルト)17の下側部分19と、平板辺34と、平板辺35とが平行に並ぶように差し込まれている。
このコード保持具30の平板辺34と平板辺35との間には、センサ25から引き出されているコード26が挟み込まれて配策されている。
【0037】
コード保持具30の平板辺34の側端部には、切込口を違えて長手方向に直交する方向にスリット36,37が形成されている。また、コード保持具30の平板辺35の側端部には、切込口を違えて長手方向に直交する方向にスリット38,39が形成されている。
これらスリット36,37,38,39は、コード保持具30の平板辺34と平板辺35との間に挟み込んで配策したコード26をコード保持具30の平板辺34と平板辺35との間から外に取り出すための挿通孔の役目を果たすためのものである。
【0038】
すなわち、コード保持具30の2つの平板辺34,35による開口側から、コード26をコード保持具30の平板辺34と平板辺35との間に挟み込んで配策し、コード26の先端を、平板辺34,35のいずれか下側に配置された平板辺に形成されているスリット36,スリット38のいずれかから引き出し、コントロールボックスに引き込む。
このようにコード26を配策するコード保持具30は、無端状の歯付ベルト(タイミングベルト)17の上側部分18と下側部分19との間に、歯付ベルト(タイミングベルト)17の上側部分18と、歯付ベルト(タイミングベルト)17の下側部分19と、平板辺34と、平板辺35とが平行に並ぶように差し込まれる。
【0039】
したがって、歯付ベルト(タイミングベルト)17の張りが弱かったり、当初歯付ベルト(タイミングベルト)17の張りが強くても経年変化によって歯付ベルト(タイミングベルト)17の張りが弱くなった場合、上側部分18あるいは下側部分19がコード保持具30の平板辺34あるいは平板辺35に接触する。
すなわち、歯付ベルト(タイミングベルト)17の張りが弱くなっても、コード26は、コード保持具30の平板辺34と平板辺35との間に挟み込んで配策してあるためコード保持具30の平板辺34と平板辺35によって保護され、コード26が、無端状の歯付ベルト(タイミングベルト)17の上側部分18あるいは下側部分19に直接接触することがなく、歯付ベルト(タイミングベルト)17の上側部分18あるいは下側部分19によって破損されるのを防止することができる。
【0040】
本実施例においては、コード保持具30を、帯状の平板で形成される板部材31を長手方向の略中央でU字状に折り曲げて2つの平板辺34,35を形成する構成として説明しましたが、帯状の平板の代わりに棒状の部材を用い、この棒状の部材を音叉状に折り曲げて2つの棒材を形成してU字部材を構成し、このU字部材を形成する2つの棒材をタイミングベルトの間に、該タイミングベルトと直交するように挿入し、2つの棒材の間には、センサ25から引き出されているコード26を絡ませて配策するのでもよい。
【0041】
[実施例2]
図面の
図3,
図4には、本発明に係るコード保持具の第2の実施例が示されている。
図3は本発明に係るコード保持具の第2の実施例を示す図、
図4は
図3に図示のコード保持具の取り付けを説明するための図である。
【0042】
図3において、本例の自動ドア装置40は、レール装置41を有している。このレール装置41は、各アルミサッシメーカーが市販している自動ドア用アルミフロントに取り付けるドアを開閉するための駆動モータを取り付けるための内蔵式中芯吊りベースである。すなわち、このレール装置41は、いわゆるハンガーレールであって、自動ドア用アルミフロントの上枠A内に設けられるものである。
レール装置41は、上枠A内に固着されるベース部材42と、このベース部材42に取り付けられる上部レール部材43と、上部レール部材43に取り付けられる吊り金具装置44を備えている。
吊り金具装置44は、吊り金具45と、この吊り金具45をドア46の上端に固定する金具固定用ビス47と、吊り金具45に回転自在に設けられるハンガーローラ48と、その他のビス49等とを備えて構成されている。
【0043】
このようにベース部材42には、ドア46に上設されたハンガーローラー48を移動自在に支持するための上部レール部材43が取り付けられており、ベース部材42は、自動ドア取付枠としての上枠Aに固設されている。
【0044】
このベース部材42は、アルミニウム引き抜き材によるものであって、所定の長さで真っ直ぐにのびるように形成されており、上部レール部材43がこのベース部材42に一体に設けられている。
また、ベース部材42は、自動ドア用アルミフロントの上枠Aに固着される固着部分50と、中空構造となる強度確保部分51とを有して、
図3のような断面形状となるように形成されている。
【0045】
上部レール部材43は、逆L字状となる形状に形成されるレール上延部52を有している。そして、上部レール部材43には、縦設板部53を介して下側に連続するレール部54を有して、
図3のような断面形状となるように形成されている。
そして、このレール上延部52は、ハンガーローラ48の上方への移動を規制するために形成されている。このレール上延部52とレール部54は、ハンガーローラ48の直径に合わせて配置されている。このレール部54は、水平方向に沿って形成されている。
レール部54の上側には、凸条(ここでは断面視蒲鉾形状となる突条)となるレール55がベース部材42の延在方向に真っ直ぐに形成されている。
【0046】
ハンガーローラー48は、上部レール部材43のレール部54に移動自在に支持されており、レール部54のレール55上を転動するようになっている。
ベース部材42の端部には、自動ドア用アルミフロントの上枠Aにベース部材42を取り付けるための図示していない取付金具が取り付けられている。
このように取付金具は、ベース部材42と、ドア46の開閉を行う駆動モータ(図示していない)とを一緒に自動ドア用アルミフロントの堅枠Bに固定する金具である。
【0047】
駆動モータは、電動機(モーター)の回転力を間接的機構(ギアボックスなど)を介さずに直接、駆動対象に伝達するダイレクトドライブ・モータ(DDモータ)を用いている。
このDDモータは、損失、特にフリクションロス(ベルト、チェーン、歯車、減速機(ギアボックス)の摩擦による損失)を最小限にすることができ、シンプルな機構で、接触部が従来機構よりも減って、接触や振動を起こす部品が減っており、騒音を小さくすることができ、動作機構部品を減らすことができメンテナンスや交換の頻度が減らすことができるといった優れた特性を有している。
【0048】
また、駆動モータは、DDモータであるため、ベルトドライブのモータに比較して、小型のモータを用いることができ、モータの回転数をギアを使って低くする減速部を用いる必要が無く、部品点数を飛躍的に少なくすることができる。さらに、DDモータで構成する駆動モータは、簡単に取り付けることができる。
【0049】
自動ドア用アルミフロントの上枠Aには、カバー60が取付られている。このカバー60の外側には、ドア46の外部側に接近した人などの物体を検出するセンサ65が取り付けられている。このセンサ65からは、センサ65を駆動するための電源を供給する電源コードと、センサ65が人などの物体を検出したときの検出信号をコントローラに送信するセンサコードを併せたコード66が引き出されている。
このコード66は、カバー60の一端部からカバー60内に引き出されて配設されている。
【0050】
ベース部材42には、
図4に示す如く、コード保持具70が保持具固定用のボルト71とナット72によって取り付けられている。
このコード保持具70は、帯状の平板の端部をL字状に折り曲げてベース部材42に固定する固定辺73と、コード66に装着するコード装着辺74とを備えるL字状板部材75を形成して構成されている。
このコード装着辺74は、無端状の歯付ベルト(タイミングベルト)67の上側部分68と下側部分69との間に、歯付ベルト(タイミングベルト)67の上側部分68、歯付ベルト(タイミングベルト)67の下側部分69と接触しないように歯付ベルト(タイミングベルト)67の上側部分68と下側部分69中間の位置に差し込まれている。
このコード保持具70のコード装着辺74には、センサ65から引き出されているコード66が絡ませて配策されている。
【0051】
コード保持具70のコード装着辺74の先端付近には、コード装着辺74の長手方向に直交する方向に長径がくるように、上面から下面に向かって楕円形状に貫通する貫通孔76が形成されている。また、コード保持具70のコード装着辺74の側端部には、長手方向に直交する方向に切込口を違え、所定間隔をおいて開口しコードを装着するスリット状の切欠77,78が形成されている。
この貫通孔76は、センサ65から引き出されているコード66を上から下へ、あるいは下から上に挿通するためのものである。また、切欠76,77は、貫通孔76を通したコード66を挟み込みコード装着辺74の下方に配策するためのものである。
【0052】
図3、
図4においては、センサ65から引き出されたコード66を貫通孔76に上から下に挿通し、このコード装着辺74の下方に配出されたコード66を切欠77に挟み込みコード装着辺74の上方に配出し、しかる後、コード装着辺74の上方に配出されたコード66を切欠78に挟み込みコード装着辺74の下方に配出して、コントロールボックスに誘導してある。
このようにコード保持具70のコード装着辺74の貫通孔76、切欠77、78は、センサ65から引き出されたコード66をコード保持具70のコード装着辺74に絡ませて外に取り出すための挿通孔の役目を果たすためのものである。
【0053】
すなわち、コード保持具70のコード装着辺74が、無端状の歯付ベルト(タイミングベルト)67の上側部分68と下側部分69との間に、歯付ベルト(タイミングベルト)67の上側部分68、歯付ベルト(タイミングベルト)67の下側部分69と接触しないように配置して、ベース部材42に保持具固定用のボルト71とナット72によって取り付ける。
このようにベース部材42に取り付けられたコード保持具70のコード装着辺74の貫通孔76にコード66を上から下に挿入し、コード装着辺74の上方から下方に引き出す。そして、コード装着辺74の下方に引き出されたコード66を、下方から上方にコード66が出るように切欠77に挟み込み、コード66をコード装着辺74の下方から上方に出す。さらに、このコード装着辺74の上方に出たコード66を、上方から下方にコード66が出るように切欠78に挟み込み、コード66を
図4に示すようにコード装着辺74の上方から下方に出し、図示しないコントロールボックスに誘導する。
このようにしてコード66は、コード保持具70のコード装着辺74に絡められてコード保持具70に配策される。
【0054】
したがって、歯付ベルト(タイミングベルト)67の張りが弱かったり、当初歯付ベルト(タイミングベルト)67の張りが強くても経年変化によって歯付ベルト(タイミングベルト)67の張りが弱くなった場合でも、コード66は、コード保持具70のコード装着辺74に絡めて固定されているので動くことがなく、上側部分68あるいは下側部分69と直接接触することがなく、歯付ベルト(タイミングベルト)67の上側部分68あるいは下側部分69によって破損されるのを防止することができる。
【0055】
[実施例3]
図面の
図5には、本発明に係るコード保持具の第3の実施例が示されている。
図5は本発明に係るコード保持具の第3の実施例を示す図である。
【0056】
図5に図示のコード保持具の第3の実施例が、
図3に図示のコード保持具の第2の実施例と異なる点は、
図3に図示のコード保持具の第2の実施例のコード保持具70のコード装着辺74の構成にある。
すなわち、コード保持具80は、帯状の平板の端部をL字状に折り曲げてベース部材42に固定する固定辺81と、コード66に装着するコード装着辺82とを備えるL字状板部材83を形成して構成されており、保持具固定用のボルト71とナット72によってベース部材42に取り付けられている。
このコード装着辺82は、無端状の歯付ベルト(タイミングベルト)67の上側部分68と下側部分69との間に、歯付ベルト(タイミングベルト)67の上側部分68、歯付ベルト(タイミングベルト)67の下側部分69と接触しないように歯付ベルト(タイミングベルト)67の上側部分68と下側部分69中間の位置に差し込まれている。
このコード保持具80のコード装着辺82には、センサ65から引き出されているコード66が絡ませて配策される。
【0057】
コード保持具80のコード装着辺82の先端付近には、コード装着辺82の長手方向に直交する方向に長径がくるように、上面から下面に向かって楕円形状に貫通する貫通孔84が形成されている。そして、この貫通孔84とコード装着辺82の先端部85とが連通する連通部86が形成されている。
また、コード保持具80のコード装着辺82の側端部には、長手方向に直交する方向に切込口を違え、所定間隔をおいて開口しコードを装着するスリット状の切欠87,88が形成されている。
この貫通孔84は、センサ65から引き出されているコード66を上から下へ、あるいは下から上に挿通するためのもので、連通部86は、コード66を貫通孔84に挿入するためのものである。また、切欠87,88は、貫通孔84を通したコード66を挟み込んで、コード66の先端をコード装着辺82の下方に配策するためのものである。
図中、89は、コード保持具80を持具固定用のボルト71とナット72によってベース部材42に取り付けるときのボルト71の通し孔である。
【0058】
このように構成することにより、コード保持具の第3の実施例によれば、
図3に図示のコード保持具の第2の実施例に較べ、コード66の貫通孔84への挿入が、コード66の先端から挿入する必要がなく、コード66のどこからでも連通部86に差し込むことでコード66を貫通孔84に挿入することができ、コード66の貫通孔84への挿入をし易くすることができる。
【0059】
[実施例4]
図面の
図6には、本発明に係るコード保持具の第4の実施例が示されている。
図6は本発明に係るコード保持具の第4の実施例を示す図である。
【0060】
図6に図示のコード保持具の第4の実施例が、
図5に図示のコード保持具の第3の実施例と異なる点は、
図5に図示のコード保持具の第3の実施例のコード保持具80のコード装着辺82の構成にある。
すなわち、コード保持具90は、帯状の平板の端部をL字状に折り曲げてベース部材42に固定する固定辺91と、コード66に装着するコード装着辺92とを備えるL字状板部材93を形成して構成されており、保持具固定用のボルト71とナット72によってベース部材42に取り付けられている。
このコード装着辺92は、無端状の歯付ベルト(タイミングベルト)67の上側部分68と下側部分69との間に、歯付ベルト(タイミングベルト)67の上側部分68、歯付ベルト(タイミングベルト)67の下側部分69と接触しないように歯付ベルト(タイミングベルト)67の上側部分68と下側部分69中間の位置に差し込まれている。
このコード保持具90のコード装着辺92には、センサ65から引き出されているコード66が絡ませて配策される。
【0061】
コード保持具90のコード装着辺92の先端付近には、コード保持具90のコード装着辺92の両側端部の相対向する位置に切込口が形成され、長手方向に直交する方向に、お互いが向かい合うようにスリット状に切り込まれる切欠94,95が形成されている。
また、コード保持具90のコード装着辺92の側端部の切欠94,95と離れた位置に、長手方向に直交する方向に切込口を違え、所定間隔をおいて開口しコードを装着するスリット状の切欠96,97が形成されている。
この切欠94,95は、センサ65から引き出されているコード66を上から下へ、あるいは下から上に挿通するためのものである。また、切欠96,97は、切欠94,95で挟み込んだコード66を挟み込んで、コード66の先端をコード装着辺92の下方に配策するためのものである。
図中、98は、コード保持具90を持具固定用のボルト71とナット72によってベース部材42に取り付けるときのボルト71の通し孔である。
【0062】
このように構成することにより、コード保持具の第4の実施例によれば、
図5に図示のコード保持具の第3の実施例に較べ、コード66を切欠94あるいは切欠95のいずれかに挟み込むだけで良いため、コード66のコード装着辺92への絡みつけを容易に行うことができる。
【0063】
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。