(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記成形品の前記表面には、前記電気ケーブルを収容するために、前記成形品の延在方向に沿って延在する溝部が設けられている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の絶縁チューブ付き撮像モジュール。
前記内蔵電気ケーブルは、内部導体、内部導体を被覆する一次被覆層、一次被覆層の周囲に設けられた外部導体及び外部導体を被覆する二次被覆層から構成される同軸ケーブルであり、
前記溝部は、前記内蔵電気ケーブルの先端において露出する前記内部導体、一次被覆層及び外部導体に沿って段差が設けられている請求項8に記載の絶縁チューブ付き撮像モジュール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術において、立体配線基体に形成された表面配線の電気絶縁を確保するめに、撮像モジュールは円筒状の絶縁チューブによって被覆されるが、撮像モジュールを絶縁チューブに挿入する際、立体配線基体の実装面の形状が円形であるため、実装面の外周全体が絶縁チューブの内面に引っかかって絶縁チューブに挿入しにくいという問題があった。また、上記従来技術では、固体撮像素子を正しい位置に実装するための目印としてアライメントマークを実装面の表面に設ける必要があるが、内視鏡の撮像モジュールに用いられる立体配線基体の実装面の大きさは大変小さいため、実装面にアライメントマークを設けることが大変困難である。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、固体撮像素子を絶縁チューブに挿入され易くなり、かつ、固体撮像素子を正しい位置に取り付けるためのアライメントマークを設けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第一態様の
絶縁チューブ付き撮像モジュールは、
撮像モジュールと、前記撮像モジュールを収容する絶縁チューブとを具備し、前記撮像モジュールは、電気ケーブルと、前記電気ケーブルの先端の軸線方向に直交する受光面を有する固体撮像素子と、前記軸線方向に延在する成形品の表面に配線が形成され、前記配線によって前記電気ケーブルと前記固体撮像素子との間を電気的に接続し、前記固体撮像素子を実装するための実装面が前記成形品の先端に設けられている立体配線基体とを具備し、前記実装面は、中心部を挟むように対向する2つの頂点を有し、前記2つの頂点間の距離が前記実装面の辺上における2点間の距離の内、最長となるように成形され、前記立体配線基体における前記実装面に平行な断面は前記実装面と同等または前記実装面より小さくなっており、前記固体撮像素子の平面視形状の辺上における最長となる2点間の距離が前記2つの頂点間の距離と等しいまたはより短くなって
おり、前記成形品は、前記実装面が形成された部分と、前記実装面が形成された部分の前記実装面とは反対の側に前記実装面が形成された部分に比べて前記軸線方向に垂直の方向の寸法を小さく形成され前記軸線方向に沿って伸びる直線部とを有し、前記電気ケーブルは前記配線のうち前記直線部の側周に位置する部分に電気的に接続されている。
【0007】
本発明の第一態様の
絶縁チューブ付き撮像モジュールにおいては、前記実装面は、六角形であることが好ましい。
【0008】
本発明の第一態様の
絶縁チューブ付き撮像モジュールにおいては、前記成形品は、前記成形品を挟むように位置する第1面及び第2面を有し、前記第1面及び前記第2面の各々に1本の電気ケーブルが設けられているが好ましい。
【0009】
本発明の第一態様の
絶縁チューブ付き撮像モジュールにおいては、前記成形品における延在方向に形成された屈曲部の角度は、直角よりも大きくなるように設けられていることが好ましい。
【0010】
本発明の第一態様の
絶縁チューブ付き撮像モジュールにおいては、前記実装面に前記固体撮像素子を固定する凹形状の収容部を備えていることが好ましい。
【0011】
本発明の第一態様の
絶縁チューブ付き撮像モジュールにおいては、前記成形品の前記表面には、前記電気ケーブルを収容するために、前記成形品の延在方向に沿って延在する溝部が設けられていることが好ましい。
【0012】
本発明の第一態様の
絶縁チューブ付き撮像モジュールにおいては、前記溝部は、前記成形品の前記表面と同一面上に位置し、前記電気ケーブルの径よりも小さい幅を有する溝開口部と、前記溝部の内部に形成され、前記溝開口部の幅よりも大きい幅を有し、前記電気ケーブルを収容する内部溝とを含むことが好ましい。
【0013】
本発明の第一態様の
絶縁チューブ付き撮像モジュールにおいては、前記電気ケーブルは、内部に複数の内蔵電気ケーブルを有し、複数の前記内蔵電気ケーブルの数に合わせた数の溝部が設けられていることが好ましい。
【0014】
本発明の第一態様の
絶縁チューブ付き撮像モジュールにおいては、前記溝部は、前記成形品の前記表面と同一面上に位置し、前記内蔵電気ケーブルの径よりも小さい幅を有する溝開口部と、前記溝部の内部に形成され、前記溝開口部の幅よりも大きい幅を有し、前記内蔵電気ケーブルを収容する内部溝とを含むことが好ましい。
【0015】
本発明の第一態様の
絶縁チューブ付き撮像モジュールにおいては、前記内蔵電気ケーブルは、内部導体、内部導体を被覆する一次被覆層、一次被覆層の周囲に設けられた外部導体及び外部導体を被覆する二次被覆層から構成される同軸ケーブルであり、前記溝部は、前記内蔵電気ケーブルの先端において露出する前記内部導体、一次被覆層及び外部導体に沿って段差が設けられていることが好ましい。
【0017】
本発明の第三態様のレンズ付き撮像モジュールは、上記第二態様の絶縁チューブ付き撮像モジュールの立体配線基体及び固体撮像素子を、前記固体撮像素子に対して固定されたレンズユニットとともにスリーブ状の金属枠部材に収容してなる。
【0018】
本発明の第四態様の内視鏡は、上記第三態様のレンズ付き撮像モジュールと、前記レンズ付き撮像モジュールを収容する挿入部とを具備する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の態様によれば、撮像モジュールが上述した構成を有するので、撮像モジュールを絶縁チューブに挿入する時、絶縁チューブが立体配線基体の2つの頂点と接するので、撮像モジュールが絶縁チューブに挿入され易くなる。また、本発明の態様によれば、実装面における2つの頂点をアライメントマークとして利用して、簡単に固体撮像素子を実装面上の正しい位置に取り付け可能である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本実施形態に係る撮像モジュールAは、内視鏡に用いられる小型の撮像装置であり、
図1A及び
図1Bに示すように、固体撮像素子1、立体配線基体2及び電気ケーブル3から構成されている。また、このような撮像モジュールAは、図示するように、絶縁チューブ7に収容されて、絶縁チューブ付き撮像モジュールBを構成している。また、上記絶縁チューブ付き撮像モジュールBは、図示するように、固体撮像素子1に固定されるカバー部材4、レンズユニット5(対物レンズユニット)及び円筒状等のスリーブ状の金属枠部材6と共にレンズ付き撮像モジュールCを構成している。
【0022】
固体撮像素子1は、CCD(Charge Coupled Device)チップやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)チップ等の半導体イメージセンサーであり、後述する立体配線基体2における成形品21の実装面21aに固定されている。このような固体撮像素子1は、外部の光を受光する受光部が搭載される表面(受光面)と、この表面とは反対の裏面とを有する。固体撮像素子1は、裏面に設けられた、該固体撮像素子1内部の電気回路と電気的に接続されたはんだバンプ、スタッドバンプまたはめっきバンプ等のバンプ12(端子)を備える。例えば、固体撮像素子1は、
図2に示すように、例えば、固体撮像素子1を板厚方向に貫通するスルーホール13内に形成されると共に固体撮像素子1の表裏両面に設けられた配線14、15に電気的に接続される貫通配線16(スルーホール配線)を含む。また、本実施形態で使用される固体撮像素子としては、裏面(りめん)照射型CMOSイメージセンサー(BSI:Back−side Illumination)を用いることができる。裏面照射型CMOSイメージセンサーにおいても、同様に、貫通配線により受光面とは反対側の面に配線を引き出すことが可能である。
【0023】
また、固体撮像素子1は、フリップチップ方式で、立体配線基体2の実装面21aに形成された端子21T(
図2参照)にバンプ12を接合固定される。固体撮像素子1は、後述する立体配線基体2における配線22a、22b、22c、22d、22e、22f、22gと電気的に接続され、立体配線基体2の実装面21a上に実装されている。
【0024】
立体配線基体2は、電子部品を立体的に実装するために用いられる配線基体であり、はんだ付けの際に発生する熱に対する耐熱性を有する樹脂(PEEK(polyetheretherketone)、LCP(Liquid Crystal Polymer)材)やセラミック等からなる成形品21及び成形品21の表面に形成された7本の配線22a、22b、22c、22d、22e、22f、22gから構成されている。なお、上述したはんだ付けは、配線22a、22b、22c、22d、22e、22f、22gと、電気ケーブル3とを接続する際に行われる。
【0025】
上記成形品21は、上述したように、はんだ付けの際に発生する熱に対する耐熱性を有する樹脂やセラミック(PEEK材あるいはLCP材)等からなり、金型等を用いて成形されている。このような成形品21は、後述する電気ケーブル3の先端から露出する内蔵電気ケーブル31の軸線方向(後述する実装面21aに対して鉛直方向)に延在した形状を有する。また、成形品21において、固体撮像素子1が実装される実装面21aは、
図3A及び
図3Bに示すように、六角形に成形されている。さらに、成形品21の表面には、
図4A〜
図4Cに示すように、後述する電気ケーブル3の内蔵電気ケーブル31を収容するために、成形品21の延在方向に沿って4つの溝部21bが設けられている。
【0026】
一方、7本の配線22a〜22gは、成形品21の表面に設けられている。このような配線22a〜22gの各々は、第一端及び第二端を有する。具体的に、実装面21aに設けられた一方の端(第一端)が固体撮像素子1に接続される端子21T(
図2)であり、他方の端(第二端)が、後述する電気ケーブル3の内蔵電気ケーブル31に接続される端子である。つまり、固体撮像素子1と電気ケーブル31とは、配線22a〜22gを介して電気的に接続されている。
また、配線22a〜22gにおいて、端子以外の箇所は、電気絶縁性を有する樹脂によって覆われている。なお、上述した成形品21及び配線22a〜22gを含む立体配線基体2の詳細については、後述する。
【0027】
電気ケーブル3は、図示しない外部装置(例えば、表示装置等)と固体撮像素子1とを電気的に接続するために用いられ、
図5に示すように、複数本(図示例では4本)の内蔵電気ケーブル31及び外被32を備えるケーブルユニットである。
内蔵電気ケーブル31は、同軸ケーブルであり、内部導体31a、内部導体31aを被覆する一次被覆層31c、金属細線によって形成され一次被覆層31cの周囲に設けられた外部導体31b及び外部導体31bを被覆する二次被覆層31dから構成されている。
このような内蔵電気ケーブル31は、電気ケーブル3の先端において外被32から露出する。また、外被32から露出した内蔵電気ケーブル31の先端では、
図1A及び
図1Bに示すように、内部導体31a、一次被覆層31c、外部導体31bは、露出している。
【0028】
このような4本の内蔵電気ケーブル31における内部導体31a及び外部導体31bは、上述した各配線22a〜22gのいずれかに接続されている。この結果、固体撮像素子1と電気ケーブル31とは、配線22a〜22gを介して電気的に接続される。なお、図示していないが、内蔵電気ケーブル31の内部導体31a及び外部導体31bと、配線22a〜22gとは、はんだ、または導電性接着剤によって接続されている。
一方、外被3は、所定の樹脂からなり、複数本の内蔵電気ケーブル31を一括被覆する。
【0029】
絶縁チューブ7は、配線22a〜22gと、内蔵電気ケーブル31における内部導体31a及び外部導体31bとを接続する接続部を、外部から電気的に絶縁するために設けられている。図示するように、絶縁チューブ7は、撮像モジュールAを収容する。また、絶縁チューブ7は、その内側に充填されて硬化された樹脂8によって、その内側に配置された固体撮像素子1、立体配線基体2及び内蔵電気ケーブル31に対して固定、一体化されている。この結果、配線22a〜22gと、内蔵電気ケーブル31における内部導体31a及び外部導体31bとを接続する接続部とは、金属枠部材6に接触して短絡しない。
【0030】
カバー部材4は、固体撮像素子1の受光部を覆う透明の板状部材である。例えば、カバー部材4は、ガラスや樹脂からなる透明な板状部材である。
レンズユニット5は、円筒状の鏡筒5a内に、対物レンズ(図示略)が組み込まれた構成を有する。このレンズユニット5は、固体撮像素子1の受光部の光軸に位置合わせされており、鏡筒5aの軸線方向における一端をカバー部材4に固定して設けられている。レンズユニット5は、カバー部材4の反対側から鏡筒5a内のレンズを介して導いた光を固体撮像素子1の受光部に結像させる。
【0031】
金属枠部材6は、金属枠部材6の内側に充填されて硬化された樹脂9によって絶縁チューブ7に接着固定されている。このような金属枠部材6は、撮像モジュールAにおける固体撮像素子1及び立体配線基体2だけでなく、内蔵電気ケーブル31も収容している。つまり、電気ケーブル1の外被3に覆われた部分は、金属枠部材6の外側に配置され、一方、電気ケーブル1の外被3から露出する内蔵電気ケーブル31は、金属枠部材6に引き込まれている。
【0032】
また、上述した絶縁チューブ付き撮像モジュールBは、絶縁チューブ付き撮像モジュールBを収容する挿入部50と共に内視鏡Dを構成している。上記内視鏡Dは、レンズ付き撮像モジュールBを収容した挿入部50におけるルーメン51(第1のルーメン)と、照光用(ライトガイド用)の光ファイバ52を収容したルーメン53(第2のルーメン)とを有する構成となっている。
レンズ付き撮像モジュールの具体例として、0.75mm角の平板状の固体撮像素子1、実装面21aの最大幅1.00mm以下の立体配線基体2、外径1.05mmのシリコーン製の絶縁チューブ7、外径1.2mmの円筒状の金属枠部材6を用いてレンズ付き撮像モジュールCを試作した。また、このレンズ付き撮像モジュールCを用いて試作した内視鏡Dの挿入部外径は5mmであった。
【0033】
次に、撮像モジュールAの立体配線基体2について詳細に説明する。
最初に立体配線基体2の製造工程について説明する。製造工程において、最初に、成形品21を作成する。つまり、成形品21を鋳造するための金型に、はんだ付けの際に発生する熱に対する耐熱性を有する樹脂(PEEK材あるいはLCP材)やセラミック等を流しこむことで、所定の形状を有する成形品21を作成する。その上で、成形品21の全面に銅(Cu)をめっきして、レーザーにて配線パターンを描写することで、立体配線基体2を製造する。
【0034】
上記製造工程を経て製造された本実施形態における立体配線基体2は、3つの特徴的な構成を有する。まず、1点目として以下の特徴を有する。固体撮像素子1が実装される立体配線基体2の実装面21aは、
図3A及び
図3Bに示すように、六角形に成形されている。このような実装面21aにおいて、六角形の6つの頂点の内、中心部を挟むように対向する2つの頂点P1、P2間の距離は、実装面21aの辺H1上における2点間の距離の内、最長となっている。つまり、頂点P1、P2間の線分L1は、その他の頂点間の対角線や、
図3Aに示す線分L1に直交する線分L2等の実装面21aに存在する線分の内、最長となっている。
【0035】
また、立体配線基体2における実装面21aに平行な断面は、実装面21aと同等または実装面21aより小さくなっている。すなわち、立体配線基体2は、実装面21aを先端として、実装面21aの鉛直方向に沿って延在する形状を有しており、実装面21aを平面視した場合に、立体配線基体2の周面が実装面21aの範囲から飛び出していない形状となっている。
【0036】
さらに、固体撮像素子1は、固体撮像素子1の平面視形状の辺H2上における最長となる2点間の距離が、実装面21aの2つの頂点P1、P2間と等しいまたはより短くなっている。つまり、
図3Bに示す固体撮像素子1の平面視形状(四角形)の頂点間の対角線L3は、実装面21aの2つの頂点P1、P2間と等しいまたはより短くなっている。
【0037】
上述したように、実装面21aは、中心部を挟むように対向する2つの頂点P1、P2を有し、2つの頂点P1、P2間が実装面21aにおける最長の線分となるように成形され、立体配線基体2における実装面21aに平行な断面は実装面21aと同等または実装面より小さく、固体撮像素子1の平面視形状における線分は、実装面21aの2つの頂点P1、P2間よりも短い。これによって、撮像モジュールAを絶縁チューブ7へ挿入する時、絶縁チューブ7が立体配線基体2の2つの頂点P1、P2と接する状態となる、つまり、絶縁チューブ7に接触する箇所が狭いので、撮像モジュールAが絶縁チューブ7に挿入され易くなる。
【0038】
続いて、立体配線基体2における2点目の特徴的な構成について説明する。
立体配線基体2における成形品21は、延在方向に沿って伸びる直線部21eと、直線部21eに対して傾斜する傾斜部21fとを有する。成形品21において、延在方向に形成された屈曲部21cの角度(直線部21eと傾斜部21fとの間の角度)は、直角よりも大きい。つまり、屈曲部21cは、90度以下となるような鋭角に形成されず、90度以上となるような緩やかな角度で形成されている。この結果、立体配線基体2の延在方向に沿って配置される配線22a〜22gは、直角以下となるような鋭い角度で屈曲されないので、断線を抑制できる。
【0039】
続いて、立体配線基体2における3点目の特徴的な構成について説明する。
成形品21の表面には、電気ケーブル3を収容するために成形品21の延在方向に沿って溝部21bが設けられている。つまり、溝部21bは、内蔵電気ケーブル31に合わせた数(4つ)だけ設けられている。また、溝部21bにおいては、
図4A〜
図4Cに示すように、内蔵電気ケーブル31の先端において露出する内部導体31aの形状と、一次被覆層31c及び外部導体31bの形状とに沿って段差21Dが設けられている。この結果、内蔵電気ケーブル31を立体配線基体2上の正しい位置に取り付けることが可能である。また、上記構成によって立体配線基体2に内蔵電気ケーブル31を容易に取り付けることができるので、取り付け時の手間を省くことができる。
【0040】
このような本実施形態においては、実装面21aは、中心部を挟むように対向する2つの頂点P1、P2を有し、2つの頂点P1、P2間が実装面21aにおける最長の線分となるように成形され、立体配線基体2における実装面21aに平行な断面は実装面21aと同等または実装面より小さく、固体撮像素子1の平面視形状における線分は、実装面21aの2つの頂点P1、P2間よりも短い。これによって、撮像モジュールAを絶縁チューブ7へ挿入する時、絶縁チューブ7が立体配線基体2の2つの頂点と接する状態となる、つまり、従来技術のように円筒形に成形された立体配線基体よりも絶縁チューブ7に接触する面積が小さいので、撮像モジュールAが絶縁チューブ7に挿入され易くなる。
【0041】
固体撮像素子1を立体配線基体2の実装面21aに位置精度よく実装するためには、実装面21aにアライメントマークを形成しておき、そのアライメントマークと固体撮像素子1との位置関係を調整しながら実装工程を行う必要がある。しかしながら、アライメントマークを実装面21aに設けると、アライメントマークを形成するためのスペースの分だけ立体配線基体2を大型化する必要があった。本実施形態によれば、実装面21aにおける2つの頂点P1、P2をアライメントマークとして利用することができる。したがって、実装面21aにアライメントマークを設けなくても、固体撮像素子1を実装面21a上の正しい位置に取り付け可能である。
【0042】
また、本実施形態によれば、成形品21において、延在方向に形成された屈曲部21cの角度は、直角よりも大きくなるように設けられていることによって、立体配線基体2の延在方向に沿って配置される配線22a〜22gは、直角以下となるような鋭い角度で屈曲されない。これによって、断線を抑制できる。
【0043】
さらに、本実施形態によれば、内蔵電気ケーブル31を収容するために成形品21の延在方向に沿って溝部21bが設けられている。この結果、内蔵電気ケーブル31を立体配線基体2上の正しい位置に取り付けることが可能であると共に、体配線基体2に内蔵電気ケーブル31を容易に取り付けることができるので、取り付け時の手間を省くことができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、例えば、以下のような変形が考えられる。
本発明に係る実施形態に係る内視鏡Dは、撮像モジュールAを、固体撮像素子1に固定したレンズユニット5とともにスリーブ状の金属枠部材6に収容している。撮像モジュールとしては、本発明に係る実施形態の撮像モジュールであれば特に限定はない。
【0045】
また、本実施形態において、実装面21aを六角形に成形したが、本発明はこれに限定されない。実装面21aは、上述した条件に適合するのであれば、六角形以外の多角形でもよいし、また、多角形以外の形状であってもよい。
また、本実施形態において、溝部21bに内部導体31a、一次被覆層31c及び外部導体31bの形状に沿って段差21Dを設けたが、段差21Dを設けなくてもよい。例えば、段差21Dが設けられていない溝部21bに、内部導体31a、一次被覆層31c及び外部導体31bを押し付けるようにして収容するようにしてもよい。また、溝部21bは、内蔵電気ケーブル31を収容する電気ケーブル3を収容するようにしてもよい。
【0046】
(変形例)
次に、
図7〜
図9Cを参照して上記実施形態の変形例について説明する。
図7〜
図9Cにおいて、上記実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
図7に示す変形例においては、実装面41aの形状が長方形であり、成形品41は板状に形成されている。具体的に、成形品41は、成形品41を挟むように位置する第1面42aと、第1面42aとは反対側に位置する第2面42bとを有する。第1面42a及び第2面42bの各々には、1本の電気ケーブルが設けられている。即ち、第1面42aには電気ケーブル43aが設けられ、第2面42bには電気ケーブル43bが設けられている。固体撮像素子のバンプは、
図2に示すように、実装面に形成された端子に接合固定される。固体撮像素子は、第1面42a及び第2面42bの各々に設けられた電気ケーブル43a,43bと電気的に接続され、実装面41a上に実装されている。なお、第1面42a及び第2面42bには、電気ケーブルの内蔵電気ケーブルを収容する溝部が、成形品41の延在方向に沿って設けられてもよい。
【0047】
図8に示す変形例においては、成形品45の実装面45aに固体撮像素子1を固定する凹形状の収容部46が設けられている。収容部46は、固体撮像素子1を囲うように実装面45aに設けられており、固体撮像素子1が収容部46の内側に配置されることで、固体撮像素子1が位置決めされ、実装面45aに形成された端子21Tと固体撮像素子1のバンプ12とが確実に接合される(
図2参照)。
なお、端子21Tから電気ケーブルに向けて延びる配線は、収容部46の表面に沿って形成されてもよいし、収容部46に部分的に設けられた切欠部を通じて電気ケーブルに接続されてもよい。
また、
図8においては、収容部46の一部(外面)が成形品45の外面を形成している構成が示されているが、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、
図3Bに示す配線22aと22bとの間、配線22bと22cとの間、配線22dと22eとの間、配線22fと22gの間に、実装面から突出するように収容部が形成されてもよい。換言すると、実装面上に形成された互いに隣り合う配線の間に収容部が形成されてもよい。この場合、少なくとも3ヶ所において固体撮像素子1と収容部とが接触し、固体撮像素子1が位置決めされることが好ましい。
【0048】
図9A〜
図9Cは、成形品21の延在方向に沿って設けられた溝部21bの変形例を示す。
以下に述べる変形例において、「幅」は溝部21bが延在する方向に直交する方向の寸法を意味し、「幅方向」は溝部21bが延在する方向に直交する方向を意味する。
溝部21bは、溝開口部21g及び内部溝21hを有し、成形品21の表面21dに形成されている。溝開口部21gは、成形品21の表面21dと同一面上に位置している。内部溝21hは、溝開口部21gにおいて開口し、溝部21bの内部に形成されている。溝開口部21gの幅21w(溝開口部21gの端部間の距離)は、電気ケーブル3の幅(径)3wよりも小さい。また、内部溝21hの幅21xは、溝開口部21gの幅21wよりも大きい。
ここで、溝開口部21gの幅21wは、電気ケーブル3が弾性変形によって幅方向に収縮した際の、電気ケーブル3の幅に設定されている。即ち、幅21wは、弾性変形によって縮径した際に得られる電気ケーブル3の幅に略等しい。
また、内部溝21hの幅21xは、溝部21bの内部にて電気ケーブル3を収容することができるように、電気ケーブル3の幅3wに応じて決定される。例えば、内部溝21hの幅21xは、弾性変形した電気ケーブル3が内部溝21hの内部で復元した後の幅3wと略同じであってもよい。また、内部溝21hによって電気ケーブル3を安定的に保持するため、幅21xは幅3wよりも若干小さくてもよい。
図9Aの斜視図及び
図9Bの断面図に示すように、溝開口部21gを通じて内部溝21hに電気ケーブル3が挿入される際には、電気ケーブル3は、溝部21bに対向するように、符号Qで示された方向に表面21dに押し付けられる。幅3wは幅21wよりも大きいため、電気ケーブル3が溝開口部21gの端部に接触して内部溝21hに向けて押圧されると、電気ケーブル3は溝開口部21gの端部に押圧されながら弾性変形し、幅3wは減少する。その後、電気ケーブル3は、溝開口部21gを通過し、内部溝21hに到達し、電気ケーブル3の弾性変形状態が解消される。
図9Cの断面図に示すように、内部溝21hにおいては、電気ケーブル3の形状は復元し、電気ケーブル3は内部溝21hに収容される。この状態では、電気ケーブル3の幅3wよりも溝開口部21gの幅21wが小さいため、電気ケーブル3が内部溝21hから抜けることが防止される。
上記変形例においては、
図9Cは、内部溝21h内に電気ケーブル3が収容された状態を示しているが、電気ケーブル3の保持状態が維持されながら電気ケーブル3の一部が溝開口部21gから突出してもよい。また、
図9B及び
図9Cに示すように、内部溝21hの形状は略円形(円が溝開口部21gによって切り欠かれた形状)であるが、この形状に限らず、矩形でもよい。内部溝21hの形状及び寸法は、電気ケーブル3の形状、寸法、或いは電気ケーブル3の保持状態に応じて適切に決定される。
また、内部溝21hの幅21xより小さい幅21wを有する溝開口部21gは、必ずしも溝部21bの形成部分の全てに設ける必要はない。即ち、溝部21bの形成箇所(延在方向)に沿って、複数の溝開口部21gが部分的に形成されていればよい。この場合、電気ケーブル3が内部溝21hから外れることを防止するように、複数の溝開口部21gが溝部21bの延在方向に沿って適切な位置に形成されてもよい。複数の溝開口部21gが形成される間隔は、等ピッチでもよい。更に、電気ケーブル3が溝部21bから外れやすい箇所に溝開口部21gが形成されてもよい。
【0049】
上記実施形態においては、溝部21bは、内蔵電気ケーブル31に合わせた数(4つ)だけ成形品21の延在方向に沿って設けられている。本発明は、このような構成に限定されず、
図9A〜
図9Cに示した溝開口部21g及び内部溝21hを有する溝部21bに内蔵電気ケーブル31が設けられてもよい。
この場合、
図9A〜
図9Cに示す電気ケーブル3に代えて、内蔵電気ケーブル31が溝開口部21gを通じて内部溝21hに挿入され、内蔵電気ケーブル31は内部溝21hによって保持される。ここで、内部溝21hは、溝開口部21gにおいて開口し、溝部21bの内部に形成されている。溝開口部21gの幅21w(溝開口部21gの端部間の距離)は、内蔵電気ケーブル31の幅(径)よりも小さい。また、内部溝21hの幅21xは、溝開口部21gの幅21wよりも大きい。この状態では、内蔵電気ケーブル31の幅よりも溝開口部21gの幅21wが小さいため、内蔵電気ケーブル31が内部溝21hから抜けることが防止される。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明し、上記で説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。