(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項3に記載の素子において、前記透明材料(50)は、Si−H、Si−OH又はアルキレン−OHを有する群から選択される、前記ポリマー材料(PM)の官能基Yが、前記ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体の架橋性基又は脱離基FGと反応することにより、前記充填材粒子(60)と前記ポリマー材料(PM)との架橋により得られていて、かつ前記ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体が、式Ia及び/又はIbにより表される構造を有する、素子。
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明材料を有する放射線を発する素子、及び透明材料自体、透明材料用の架橋性充填材粒子、及び放射線を発する素子、透明材料及び充填材粒子の製造方法に関する。
【0002】
放射線を発する素子、例えばLED中では、有害な環境の影響から保護しかつ放射線を均質に出射するため、放射源が透明なプラスチック注型材で取り囲まれていることが多い。プラスチックとしてはシリコーンを使用することが多い、それというのもこのシリコーンは容易に加工できるためである。もちろん、このプラスチックは、通常では、低い熱伝導率(約0.15〜0.20W/mK)を有するだけであるため、例えば素子を大電流で稼働させる場合に、この素子中で過熱又は蓄熱が生じることがある。このような過熱は、プラスチックの早期の劣化を引き起こすことがあり、この劣化は例えば黄変又は亀裂として現れ、これは早期の劣化から素子の故障までを引き起こすことがある。往々にして、注型材の熱伝導率又は光学特性を変更するために、透明なプラスチックには充填材が添加される。しかしながら、この慣用の充填材は、プラスチック注型の仕上げの際に堆積するか又は凝集する傾向があるため、この充填材はプラスチック中で均一に分配されていない。これは、素子の放射特性に不利になりかねない。
【0003】
従って、解決すべき課題は、上述の欠点を低減しかつ充填材粒子を有する改善された透明材料を有する、放射線を発する素子を提供することにある。他の課題は、透明材料自体、透明材料用の充填材粒子、並びに放射線を発する素子、透明材料及び充填材粒子の製造方法を提供することである。
【0004】
これらの課題の少なくとも1つは、独立請求項による放射線を発する素子、透明材料、充填材粒子、並びに放射線を発する素子、透明材料及び充填材粒子の製造方法によって解決される。従属請求項は、好ましい態様を示す。
【0005】
放射線を発する素子が挙げられる。本発明の少なくとも1つの実施態様の場合には、放射線を発する素子は、
− 放射源;
− 素子の光路中に配置された、ポリマー材料及び充填材粒子を有する透明材料;
を有し、
その際、この充填材粒子は、無機充填材料とその表面に結合したホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を有し、このホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を介して充填材粒子はポリマー材料と架橋している。
【0006】
放射線を発する素子を、以後、「素子」ともいう。稼動時に、この素子は、電磁放射線、特に可視スペクトル領域(約400〜800nmの波長)の光を放射する。この発せられる放射線は、CIEダイヤグラム中での任意の色度座標、例えば白色を有することができる。
【0007】
本願の場合に、例えば説明の目的で、ポリマー材料について省略して「PM」を、無機充填材料について省略形「F」を使用する。この無機充填材料は、「充填材料」ともいう。
【0008】
「素子の光路」とは、放射源からの放射線が、素子から外に達するか又は出射することができる可能な経路であると解釈される。本願の場合に、「光路」及び「素子の光路」の概念は同義で使用される。
【0009】
本願の場合に、「結合する」及び「架橋する」とは、第1の材料、第1の分子、第1の分子部分又は第1の原子が、共有結合を介して第2の材料、第2の分子、第2の分子部分又は第2の原子に結合することであると解釈される。共有結合の同義語は、原子結合(Atombindung)又は電子対結合(Elektronenpaarbindung)である。分子部分の同義語は、モチーフ、フラグメント又は原子団であることができる。例えばファン・デル・ワース相互作用、水素結合、イオン性又は双極性の相互作用のような非共有相互作用は、本願の場合には「結合」又は「架橋」とはいわない。非共有相互作用は、一般に共有結合より弱い。しかしながら、この共有結合の他に、付加的に1つ又は複数の非共有相互作用が存在していても良い。
【0010】
従って本願の場合に、透明材料又は充填材粒子では、ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体が、少なくとも1つの共有結合を介して充填材粒子に結合している。同様に、透明材料では、ポリマー材料が充填材粒子と、少なくとも1つの共有結合によって、ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を介して架橋している。特に、ホスホン酸誘導体は充填材粒子と結合することができる、それというのもこのホスホン酸誘導体は、相応するリン酸誘導体よりも分解に対してより安定であるためである。複数のホスホン酸誘導体及び/又はリン酸誘導体を充填材粒子に結合させることができる。
【0011】
透明材料は、素子から発せられる放射線に対して少なくとも部分的に透過性である。相対的な透過率は、少なくとも50%、特に少なくとも70%であることができる。一般に、透明材料の透過率は、80%よりも大きい。透明材料は、光学素子の一部であるか、又は光学素子の全体を構成することもできる。このような光学素子又は透明材料は、例えばレンズとして形成されていてもよい。
【0012】
充填材粒子のポリマー材料との架橋により、この充填材粒子は透明材料中に(相対的に)固定される。好ましくは、透明材料中での充填材粒子の極めて均質な分配を達成することができる。この極めて均質な分配は、例えば、充填材粒子を透明材料の製造の間にポリマー材料と架橋させることにより生じさせることができる。従って、透明材料中で充填材粒子の堆積又は凝集は、明らかに低下するか又は抑制される。好ましくはこの効果は、充填材粒子のサイズとは無関係であってもよい、それというのも、この充填材粒子はサイズが増大すると共に、より多くの結合したホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を有することができるためでもある。つまり、極めて小さな充填材粒子(例えばナノメータ領域)も、大きな充填材粒子(例えばマイクロメータ領域)も、透明材料中に均質に分配されて存在することができる。充填材粒子の特別な特徴、例えば光散乱作用及び/又は熱導出作用は、従って、全体の透明材料にわたって特に均質に分配される。従って、光散乱性の充填材粒子の場合には、素子から発せられる放射線にとって特に均質な放射特性を達成することができる。更に、CIEダイヤグラム中での安定な色度座標を得ることができる。伝熱性充填材粒子によって熱をより均質に分配及び導出することができるため、過熱又は蓄熱は低減されるか又は抑制される。それにより、特に素子の耐久性及び寿命が改善される。
【0013】
他の実施態様の場合には、素子は、発光ダイオード(LED)又は有機発光ダイオード(OLED)であるか又はこれらのダイオードを含むことができる。素子は、特にLEDであるか又はLEDを含むことができる。
【0014】
他の実施態様の場合には、素子は、放射源が中に配置されているハウジングを有する。このハウジングは、例えば平坦な基板であるか、任意に傾斜した、反射性の側壁を有する凹所を有することもできる。このハウジングは、支持体基板と結合されているか又は支持体基板を有していてもよい。更に、この素子は、放射源と接続させるために、導電性端子、例えばリードフレーム、ボンディングパッド、ボンディングワイヤ又は電極を有していてもよい。この放射源は、特にハウジングの凹所内に配置されていてもよい。
【0015】
他の実施態様の場合には、放射源は、半導体材料を含むチップを有するか又はこのチップからなる。このようなチップは、例えば薄層発光ダイオードチップであることができる。薄層発光ダイオードチップの例は、EP 0905797 A2及びWO 02/13281 A1に記載されていて、この開示内容は、これに関する限りでは引用によって取り入れられる。薄層発光ダイオードチップは、ラムベルトの表面放射体に良好に近似していて、従って、例えば照明のため又は投光器、例えば車両ヘッドライトでの適用のために良好に適している。
【0016】
他の実施態様の場合には、透明な材料は、放射源を少なくとも部分的に取り囲む注型材である。放射源は、つまり部分的に又は完全に、透明材料により直接取り囲まれていてもよい。放射源がハウジングの凹所中に配置されている場合には、この凹所は透明材料で部分的又は完全に満たされていてもよい。
【0017】
この実施態様の他の形態の場合には、透明材料は放射源と伝熱的に接続されている。従って、放射源の稼動時に生じる熱は、透明材料を介して搬出することができる。架橋によって、つまり充填材粒子のポリマー材料との直接的な結合によって、慣用のプラスチック材料(この慣用のプラスチック材料中では、相応する充填材料だけがこのような結合なしに分散されている)と比較して透明材料の熱伝導率を高めることができる、それというのもこの直接的な結合によって改善された熱搬送が可能であるためである。一般に、無機充填材料は、ポリマー材料よりも高い熱伝導率を有する。
【0018】
他の実施態様の場合に、この透明材料は、式Ia及び/又はIb
【化1】
[式中、
n=0又は1、
Xは、スペーサー基であり、
R=H、アルキル、アリール、アリールアルキル又はシリルであり、及び
FGは、架橋性基又は脱離基である]により表される構造を有するホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体とポリマー材料との反応を行うことにより、充填材粒子とポリマー材料との架橋により得られる。式Ia及び/又はIbの複数の誘導体を有する組合せが存在していてもよい。ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体は、特に式Iaの構造を有することができる。式Ia又はIbにより表される構造を有するホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体は、この場合、多様な充填材粒子(の面又はの側)に結合されていてもよい。例えば、このホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を縮合反応により充填材料と結合させることも可能である。この場合、式Iaのホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を、完全な縮合により、及び式Ibのホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を部分的な縮合により形成させることができる。特に完全な縮合を行うことができ、それにより式Iaによるより安定なホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体が生成される。式Ibによる誘導体は、例えば式Iaによる誘導体の部分的な加水分解によっても生成させることができる。
【0019】
「スペーサー基」とは、本願の場合に、1つの原子及び特に複数の原子の群(原子団)を指し、このスペーサー基を介してリン原子が官能基FGと結合されている。この場合、スペーサー基によりリン原子に対する共有結合も、FGに対する共有結合も行われる。このスペーサー基は、無機充填材料に対するポリマー材料の移行部を調和させるために、間隔保持の機能を担うことができる。それにより、透明材料中での均質性を高めることができかつこの材料中での応力を低減させることができる。
【0020】
官能基FGは、ポリマー材料の充填材粒子との架橋のために必要とされる。その際、本願の場合には、「架橋性基」は、生じた透明材料中でのポリマー材料との反応により官能基が、例えば変性された形で維持されることを意味する。この架橋は、例えば透明材料の製造と同時に行うことができる。「脱離基」の名称は、この基が透明材料中でもはやホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体に結合されておらず、ポリマー材料との反応の際に脱離することを意味する。これは、例えば置換反応によって起こることがある。
【0021】
他の実施態様の場合に、式Ia及びIbにおいて、P−[X]
n−フラグメント中のXは、アルキレン、アリールアルキレン、アルキルアリーレン、アリーレン、アルキレン−O−アルキレン、O−アルキレン、O−アリールアルキレン、O−アルキルアリーレン、O−アリーレン及びO−アルキレン−O−アルキレンを有する群から選択される。
【0022】
「フラグメント」の名称は、この場合、式Ia及び/又はIbによるホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体の一部であることを表す。フラグメントについての別の表現は、モチーフ、分子部分、基又は原子団である。Xは、P−[X]
n−フラグメント中に組み込まれているような配置で示されている。つまり、例えば、X=O−アルキレンである場合、P−Xについて配置P−O−アルキレンを意味している。同様な形で、この記載様式は以後、他の原子又は原子団についても用いられる。
【0023】
他の実施態様の場合に、式Ia及びIbにおいて、P−[X]
n−フラグメントのXは、C1〜C12−アルキレン、フェニレン
【化2】
を有する群から選択される。
【0024】
上述の構造式中で、リン原子又はFGに対する結合箇所は、文字の書かれていない結合線によって暗示されている。この記載様式は、以後、同様の形で他の原子団についても用いられる。
【0025】
他の実施態様の場合に、式Ia及びIbにおいて、P−[X]
n−フラグメントのXは、O−アルキレン、O−アリーレン及びこれらの組合せを有する群から選択される。このP−[X]
n−フラグメント中で、Xは、特に
【化3】
及びこれらの組み合わせを有する群から選択することができる。この実施態様の化合物は、特に簡単に製造することができる。アルキレン基及び/又はアリーレン基によって透明材料の特性に影響を及ぼすことができ、かつポリマーとの架橋のための立体的な利点が生じる。
【0026】
他の実施態様の場合に、式Ia及びIbにおいて、P−[X]
n−フラグメントのXは、C1〜C12−アルキレン、フェニレン
【化4】
を有する群から選択される。つまり、特に、ホスホン酸誘導体は充填材粒子に結合することができる、それというのもこのホスホン酸誘導体は、相応するリン酸誘導体よりも分解に対してより安定であることができるためである。
【0027】
他の実施態様の場合に、式Ia及びIbにおいて、P−[X]
n−FG−フラグメントのFGは、ビニル、エポキシエチル、グリシジル、O−ビニル、O−アリル、O−アルケニル、O−エポキシアルキル、O−グリシジル、O−アルキル、O−アリール、S−アルキル、S−アリール及びハロゲンを有する群から選択される。ハロゲンは、この場合、F、Cl、Br及びIから選択され、その際、ハロゲンは特にClであることができる。FG=Clであることができる、それというのもこれは良好な脱離基であるためである。
【0028】
オレフィン系C−C二重結合又はエポキシ官能基を有する上述の基の要素は、架橋性基であることができ、O−アルキル、O−アリール、S−アルキル、S−アリール及びハロゲンの要素は一般に脱離基であることができる。このことは、「架橋性基」及び「脱離基」の上述の定義と一致している。
【0029】
他の実施態様の場合に、式Ia及びIbにおいて、P−[X]
n−FG−フラグメントのFGは、ビニル、エポキシエチル、グリシジル、O−ビニル、O−アリル、O−グリシジル、O−フェニル及び
【化5】
を有する群から選択される。
【0030】
他の実施態様の場合に、Ia及びIbにおいて、P−[X]
n−FG−フラグメント中の[X]
n−FGは、ビニル、アリル、エポキシエチル、グリシジル、O−ビニル、O−グリシジル、
【化6】
を有する群から選択される。
【0031】
他の実施態様の場合に、式Ia及びIbにおいて、P−[X]
n−FG−フラグメントの[X]
n−FGは、ビニル、アリル、エポキシエチル、グリシジル、
【化7】
を有する群から選択される。特に、ホスホン酸誘導体が充填材粒子に結合されていることができる。
【0032】
上述の基の要素は、全体で、架橋性基である1つの官能基FGを有することができる。使用した記載様式の説明のために、例えば、[X]
n−FG=ビニルについてn=0であり、従ってスペーサー基が存在しないことが言及される。例えば、[X]
n−FG=アリルについて、n=1及びX=メチレン、つまりアルキレンである。
【0033】
これらの原子団[X]
n−FGを介して、ポリマー材料は特に良好に充填材粒子と架橋することができる。この架橋は、例えばオレフィン系C−C二重結合又はエポキシ官能基への付加反応により生じることができる。好ましくは、ポリマー材料との架橋は透明材料の製造と同時に、例えば共通する1つの硬化工程において行うことができる。
【0034】
他の実施態様の場合に、ポリマー材料は、シリコーン、エポキシ樹脂、シリコーン−エポキシド−ハイブリッド材料又はこれらの組合せを有するか又はこれらからなることができる。シリコーン−エポキシド−コポリマー又はシリコーン−エポキシド−ブロックコポリマーは、本願の場合に、シリコーン−エポキシド−ハイブリッド材料に数えられる。このポリマー材料を用いて、特にLEDチップの注型のために適した透明材料を得ることができる。このポリマー材料は、特にシリコーンであることができる。
【0035】
この実施態様の他の形態の場合には、Si−H、Si−OH又はアルキレン−OHを有する群から選択される、ポリマー材料の官能基Yが、ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体の架橋性基又は脱離基FGと反応し、このホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体が、式Ia及び/又はIbにより表される構造を有することにより、透明材料は充填材粒子とポリマー材料との架橋により得られる。
【0036】
官能基Yは、特にホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体の官能基FGに合わせられている。オレフィン系C−Cに重結合を有するFGとの架橋は、例えばヒドロシリル化において官能基Y=Si−Hと行うことができる。ヒドロシリル化のために、当業者に自体公知である白金触媒を使用することができる。官能基YとしてのSi−OH基又はアルキレン−OH−基は、例えばエポキシ官能基を有する官能基FGとの架橋のために適している。更に、この官能基Yは、ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体から脱離基が排除される置換反応のためにも適している。
【0037】
官能基Y並びに官能基FGは、特に、これらの官能基がポリマー材料のその他の特性と良好に調和して、有効な架橋及びポリマー材料中での充填材粒子の特に均質な分配が行われるように選択される。
【0038】
他の実施態様の場合に、透明材料中に、ポリマー材料を充填材粒子と架橋させているホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体が、式IIa及び/又はIIb
【化8】
[式中、
n=0又は1、
Xは、スペーサー基であり、
R=H、アルキル、アリール、アリールアルキル又はシリルであり、かつFG′は、ポリマー材料がホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体の[X]
n−P−フラグメントと架橋している1つの原子又は原子団である]により表される構造を有する。FG′は、特に、式Ia及び/又はIbにより表される構造を有するホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体の架橋性基又は脱離基FGと、ポリマー材料の官能基Yとの反応により形成することができる。スペーサー基Xは、本願の場合の他の実施態様の場合と同様に選択することができる。ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体は、特に式IIaの構造を有することができる。
【0039】
この実施態様の他の形態の場合に、式IIa及びIIbにおけるP−[X]
n−FG′−フラグメント中のFG′は、アルキレン、O−アルキレン、
【化9】
を有する群から選択されていて、前記式中、R′=H又はポリマー材料である。R′=ポリマー材料である場合には、FG′は、他の箇所で酸素原子を介してポリマー材料と結合していることを意味する。原子団FG′は、つまり第2の箇所でポリマー材料と結合していてもよい。FG′中には、ここでは、官能基Yの部分だけが含まれていてもよい。Yの他の部分は、更にポリマー材料に属するか又は反応の工程において脱離される。例えば、ヒドロシリル化において、Si−H−官能基はビニル基に付加され、かつアルキレン、正確にエチレンが、FG′として形成されることができ、その際、Si原子は更にポリマー材料に属する。同様のことが、エポキシ基との反応についても通用する。FG′は、特にエチレンであることができる。
【0040】
他の実施態様の場合に、無機充填材料は、拡散体、伝熱性金属酸化物、変換材料又はこれらの組み合わせ、特に拡散体及び/又は伝熱性金属酸化物を有するか又はこれらからなることができる。拡散体又は変換材料は、特に酸素含有であることができるため、例えば式Ia又はIb中に表されているようなホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体は、この充填材料の表面に結合することができる。このホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体は、好ましくは充填材料、特に金属酸化物に対して高い親和性を有する。
【0041】
伝熱性金属酸化物とは、少なくとも1.5W/mK、特に少なくとも10W/mKの熱伝導率を有する金属酸化物であると解釈される。この伝熱性金属酸化物は、例えば、結晶性ZrO
2、結晶性SiO
2(クリストバライト)、結晶性TiO
2(ルチル、アナターゼ)及び結晶性Al
2O
3を有する群から選択することができる。これらの変態は、場合により拡散体としても使用することができる。ポリマー材料の屈折率は、この充填材に合わせることができるため、極めて透明な材料も、良好な熱伝導性の透明な材料も得ることができる。
【0042】
変換材料によって、放射源から発せられた放射線は少なくとも部分的により長波長に変換することができる。変換材料の選択は本願の場合には制限はなく、ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体との結合のために、特に酸素含有の変換材料を使用することができる。適切な変換材料は、例えばWO98/12757 A1に記載されていて、この内容は、これに関する限りでは引用により取り入れられる。
【0043】
他の実施態様の場合には、無機充填材料は、TiO
2、ZrO
2、Al
2O
3、SiO
2及びこれらの組合せを有する群から選択される。この場合、組合せは、例えば、多様な充填材料が多様な充填材粒子の形で又は同種の充填材粒子の形で含まれていてもよいことを意味する。例えば、粒子はTiO
2からなるコアを有し、このコアがAl
2O
3で取り囲まれていてもよく、それにより、例えばポリマー材料のチタン触媒作用による分解を回避することができる。
【0044】
この充填材料は、一方で、良好な拡散体であり、かつポリマー材料と比較して高い熱伝導率も有する。従って、素子の光路中に配置されている本願による透明材料によって、素子の発せられた放射線は効率的に散乱することができる、それというのも無機充填材料は透明材料中に特に均質に分配されているためである。充填材粒子の凝集又は望ましくない堆積は、本願による透明材料中でのポリマー材料との架橋によって好ましくは低減又は抑制することができる。充填材粒子の均質な分配によって、過剰の熱エネルギーも透明材料を通して良好にかつ特に均質に搬出することができる。
【0045】
他の実施態様の場合に、透明材料は、ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を介してポリマー材料と架橋されていない変換材料を有していてもよい。この変換材料は、透明材料中で分散して存在することができる。このような透明材料は、例えばバルク変換(Volumenkonversion)のために使用することができる。この場合、短波長の放射線をより長波長の放射線に変換する際に生じる変換熱は、充填材粒子と架橋されている透明材料を介して搬出することができる。これにより、変換材料又は放射線を発する素子の効率の改善が達成される。素子中での過熱又は蓄熱は、好ましくは、一般に良好な伝熱性充填材粒子に基づいて低減又は抑制することができる。
【0046】
他の実施態様の場合には、素子は変換エレメントを有する。このような変換エレメントは、例えば放射源、例えばLEDチップ上に小板の形で配置することができる。一般に、変換エレメントの形の変換材料は、ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体とは架橋されていない。
【0047】
ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体と架橋されていない変換材料の選択は、本願の場合には制限はない。これについての例は、WO98/12757 A1に指摘されていて、この内容は、これに関する限りでは引用によって取り入れられる。
【0048】
他の実施態様の場合には、透明材料は、充填材粒子を40体積%まで、特に5〜35体積%(体積%=体積百分率)で含有する。透明材料は、例えば充填材粒子20〜35体積%を含有することができる。高い充填材粒子含有率は、特に熱伝導率を高めるために使用される。透明材料は、充填材粒子5〜20体積%を含有することができる。このような充填材粒子含有率は、特に放射特性の調節のため、例えば拡散体と一緒に使用される。
【0049】
他の実施態様の場合には、充填材粒子は、結合したホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を30質量%(質量%=質量百分率)まで有する。この充填材粒子は、特にホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を5〜25質量%、例えば20質量%有することができる。この数値は、充填材粒子の全質量を基準とする。
【0050】
他の実施態様の場合には、充填材粒子は、1nm〜30μmの平均直径を有する。この直径は、ふるい分け法により決定される。
【0051】
この実施態様の他の形態の場合には、充填材粒子は、1〜200nmの平均直径を有する。この充填材粒子は、10〜100nm、特に10〜40nmの平均直径を有することができる。このサイズの充填材粒子は、可視光をほとんど散乱しないか又は全く散乱しない。この充填材粒子は、特に熱伝導率を高めるために使用することができる。
【0052】
この実施態様の更に他の形態の場合には、充填材粒子は、200nm〜30μm、特に300nm〜5μmの平均直径を有する。このサイズの充填材粒子は、特に光の散乱のために使用することができる。ポリマーは、この充填材料の屈折率に、素子の稼働温度で屈折率の差異が僅かに測定可能であるか全く測定できないように合わせることができる。この透明なボディは、充填材粒子の高い含有率で高い透過率並びに改善された熱伝導率を有することができる。
【0053】
ポリマー材料の屈折率は、まずポリマー材料の種類に依存する、それというのもエポキシ樹脂は、例えば一般にシリコーンよりも高い屈折率を有するためである。シリコーンの場合に、屈折率は置換基の選択によって調節することができる。ポリ(ジメチルシロキサン)は、例えば1.41の屈折率を示す。置換基としてより高級のアルキル基及びフェニル基の割合が高まると共に、シリコーンの屈折率も向上する。ポリ(ジシクロヘキシルシロキサン)は、約1.48の屈折率を示し、ポリ(ジフェニルシロキサン)は約1.54の屈折率を示す。ポリマー材料の混合又は置換基の組合せによって、このポリマー材料の屈折率を比較的正確に調節することができる。
【0054】
本願の他の態様として、透明材料の製造方法が挙げられる。実施態様の少なくとも1つの場合に、この方法は、次の
A) ポリマー材料を準備する工程;
B) 無機充填材料及びその表面に結合したホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を有する充填材粒子を準備する工程;
C) 前記ポリマー材料及び前記充填材粒子を有する混合物を製造する工程;
D) 前記混合物を硬化させ、その際、前記ポリマー材料を充填材粒子と、結合したホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を介して架橋させ、それにより透明材料を得る工程
を有する。
【0055】
しかしながら、これらの方法工程A)〜D)は、ここに記載された順序で実施する必要はない。これらの方法工程のいくつかは、同時に行うことも、又はその順序を交換することもできる。例えば、工程A)及びB)は任意の順序で行うことができる。往々にして、例えば工程C)及びD)は少なくとも部分的に同時に行うことができる。
【0056】
ポリマー材料及び/又は充填材粒子は、純粋な形で又は媒体中で、特に溶剤中で準備されていてもよい。混合物を製造するために、ポリマー材料及び充填材粒子は同じ媒体中に、つまり同じか又は少なくとも類似する溶剤中に存在することができ、このことは混合及び架橋を促進する。場合により工程C)中で溶剤を添加することができる。更に、混合物の製造のために、工程C)において、例えばいわゆるスピードミキサー(Speedmixer)、つまり高速撹拌機を用いて混合することができる。存在する溶剤は、工程D)において除去することができる。
【0057】
透明材料、ポリマー材料、充填材粒子、充填材料及び/又はその表面に結合したホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体は、本願の他の態様の実施態様について上述又は後述されているように、同じ材料及びエレメントに関している。これは相応する特性についても当てはまる。
【0058】
本願明細書のこれらの実施態様は、従って、透明材料の製造方法にも通用する。同様のことが、本願の他の方法及び態様にも当てはまる。ポリマー材料として、当業者に公知の、慣用の化合物を使用することができる。シリコーンについて、例えば二成分シリコーンを使用することができる。
【0059】
方法工程D)における硬化のために、例えば加熱及び/又は放射線の照射を行うことができる。放射線として、この場合、例えばUV線を使用することができる。硬化の際に、例えばポリマー材料の分子は相互に並びに充填材粒子と、結合しているホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を介して架橋することができる。
【0060】
この方法の他の実施態様の場合に、硬化のために少なくとも80℃、特に少なくとも100℃の温度に加熱する。
【0061】
好ましくは、ポリマー材料の分子同士の架橋並びにポリマー分子と充填材粒子との架橋は同じ方法工程で行うことができる。つまり、ポリマー材料と充填材粒子との架橋は、ポリマー材料の分子同士の架橋と同じ反応条件下で行うことができる。このことは、例えば充填材粒子に結合するホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体がポリマー材料分子の一部と同じ又は類似の官能基を有することにより可能にすることができる。
【0062】
ポリマー材料と充填材粒子との架橋は、短い期間の間に行うことができる。大抵は、充填材粒子は、その結合したホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体の一部を介してポリマー材料と架橋することで十分であり、その結果、これらの充填材粒子はもはや不所望に沈殿又は凝集することはできない。完全な架橋又は十分に完全な架橋(少なくとも80%)は、次いで、場合により、より長い期間の硬化、例えば120℃を超える、特に140℃を超える温度で数時間の硬化により得ることができる。
【0063】
この硬化は、例えば透明材料中での応力及び気泡形成を避けるために、複数の温度段階で行うことができる。
【0064】
本願の場合の方法により、好ましくは、分散された充填材を有する慣用の透明なプラスチックの製造のために必要な、特に時間のかかる別個の混合プロセスを避けることができる。慣用の製造方法の場合に、ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を介してポリマーと架橋することができない充填材粒子は、プラスチック材料と強力に混合しなければならず、それによりプラスチック材料中にできる限り良好に分配されて存在する。それにもかかわらず、一般に慣用のプロセスの場合には、望ましくない沈殿又は凝集を避けることができない。これらの欠点は、透明材料の製造方法のための本願の方法によって少なくとも部分的に克服される。
【0065】
透明材料の製造方法の他の実施態様の場合には、混合物に他の添加物を添加することができる。この添加物は、例えば架橋添加物、脱気剤、カップリング剤、チキソトロピー調節剤及びこれらの組み合わせを有する群から選択することができる。これらの添加物は、当業者に自体公知の、慣用の化合物から選択することができる。
【0066】
チキソトロピー調節剤として、例えば30〜40nmの直径を有する、例えば非晶質のSiO
2粒子を使用することができる。シリコーン用に適切なカップリング剤は、例えばシランである。架橋剤添加物として、例えばジビニルシロキサンが用いることができる。
【0067】
他の実施態様の場合には、混合物は変換材料を有する。この変換材料は、架橋可能なホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を有する必要はない。
【0068】
他の実施態様の場合に、工程B)において、充填材粒子は、その表面上に結合している、式Ia及び/又はIb
【化10】
[式中、
n=0又は1、
Xは、スペーサー基であり、
R=H、アルキル、アリール、アリールアルキル又はシリルであり、及び
FGは、架橋性基又は脱離基である]により表される構造を有するホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を有する。ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体は、特に式Iaの構造を有することができる。
【0069】
他の実施態様の場合に、工程D)において、透明材料が製造され、この透明材料中で、ポリマー材料は式IIa及び/又はIIbにより表される構造を有するホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を介して充填材粒子と架橋されている。ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体は、特に式IIaの構造を有することができる。
【0070】
他の実施態様の場合に、充填材粒子の準備は、工程B)において、次の下位工程を有する:
B1) 無機充填材料を準備する工程;
B2) 無機充填材料に組成物を適用する工程、その際、前記組成物は溶剤並びにホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を有し、前記ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体は式III
【化11】
[式中、
n=0又は1、
Xは、スペーサー基であり、
FGは、架橋性基又は脱離基であり、及び
Z=O−R又はハロゲンであり、その際、Rは、相互に無関係に、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、シリル又はカチオンから選択される]により表される構造を有し;
B3) 溶剤を除去し、充填材粒子の表面に結合する、式Ia及び/又はIbにより表される構造を有するホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を有する充填材粒子を形成する工程。
【0071】
ハロゲンは、この場合、F、Cl、Br及びIから選択され、その際、ハロゲンは特にClであることができる。スペーサー基Xは、他の態様又は実施形態について記載されたような群から選択することができる。
【0072】
下位工程B1)〜B3)は、特に記載された順序で実施することができる。例えばB2)及びB3)は時間的に重なり合っていてもよい。原則として、工程B2)及び/又はB3)は、結合されたホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を有する充填材粒子を準備するために、複数回、例えば連続して実施することができる。工程B2)及びB3)の間に、例えばいわゆるスピードミキサー(Speedmixer)を用いて混合することができる。更に、工程B3)中で、エネルギーを、例えば熱及び/又は超音波の形で供給し、それによりこの結合を容易にすることができる。
【0073】
結合されたホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を有する充填材粒子の準備は、好ましくは極めて簡単に実施される。この充填材粒子は別個に製造され、かつ長期間にわたり貯蔵することができる。例えば、準備された充填材粒子は、ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体のさしたる分解を引き起こさずかつ官能基FGの架橋も引き起こさずに、数週間乾燥した状態で貯蔵することができる。
【0074】
これとは別の実施態様の場合に、充填材粒子の準備は、工程B)において、次の下位工程を有する:
B1) 無機充填材料を準備する工程;
B2) 無機充填材料に組成物を適用する工程、その際、前記組成物は溶剤並びにホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を有し、前記ホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体は式III
【化12】
[式中、
n=0又は1、
Xは、スペーサー基であり、
FGは、架橋性基又は脱離基であり、及び
Z=O−R又はハロゲンであり、その際、Rは、相互に無関係に、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、シリル又はカチオンから選択されている]により表される構造を有し;
B3′) エネルギーを供給し、充填材粒子の表面に結合する、式Ia又はIbにより表される構造を有するホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を有する充填材粒子を形成する工程。
【0075】
溶剤は、工程B3′)において、除去されないか又は部分的にのみ除去されるため、充填材粒子は溶剤と一緒に存在する。
【0076】
工程B3′)に直接引き続いて工程C)を行うことができる。つまり、充填材粒子を単離する必要がなく、この充填材粒子を溶剤と一緒に準備することができる。工程C)として、例えば純粋なポリマー材料、溶剤中のポリマー材料の溶液又は分散液を添加し、この混合物を引き続き硬化させることができる。溶剤は、この場合、工程B2)からの溶剤と一致することができる。この溶剤は、一般に、少なくとも同じ群の溶剤から選択される。
【0077】
これらの工程、例えばB2)、B3)、B3′)又はC)の1つ又はいくつかの間に、混合を行うことができる。これは、例えばいわゆるスピードミキサー(Speedmixer)を用いて行うことができる。工程3B′)において、エネルギーは、熱及び/又は超音波の形で供給することができる。熱は結合を促進し;超音波は凝集体の形成を抑制する。
【0078】
無機充填材料は、例えば大抵の酸化物系の無機材料がそうであるように、ヒドロキシ基及び/又は提供可能な酸素原子をその表面上に有することができ、それにより式IIIによるホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体のリン原子に方法工程B3又はB3′)で反応する。このことは、例えば縮合反応の経路においても可能である。この場合、形式的には1つ又は2つの分子のROH及び/又はハロゲン化水素が遊離されてもよく、これは部分的な又は完全な縮合に相当する。特に完全な縮合を行うことができる。従って、それにより、式Ia又はIb、特に式Iaによる結合されたホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を形成することができる。
【0079】
他の実施態様の場合には、溶剤は、水、アルコール、エーテル、エステル、ハロゲン化アルカン、アルカン、DMF、DMSO、芳香族炭化水素及びこれらの組合せを有する群から選択される。溶剤は、特に、式IIIによるホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を良好に溶解することができるように選択される。この溶剤は、特に、アルコール、アルコールの混合物又はトルエンであることができる。アルコールの例は、イソプロパノールである。
【0080】
他の実施態様の場合には、下位工程B2)において、前記組成物を、浸漬、吹付又は流し掛けにより無機充填材料に適用する。吹付の例は、いわゆるスプレーコーティングあり、これは充填材料の極めて正確な薄層の濡れを可能にする。従って、好ましくは吹付が極めて経済的である。
【0081】
他の実施態様の場合には、下位工程B3)において、溶剤の除去のために、少なくとも40℃、特に少なくとも60℃に加熱される。この加熱により、溶剤が迅速に除去されかつ充填材料の表面上にホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体の結合が促進されることにより、この下位工程B3)は促進される。同様に、形成されたROH又はハロゲン化水素も良好に除去することができる。工程B3′)において、これらの温度の1つに加熱することもでき、その際、この溶剤は完全には除去されない。
【0082】
更なる実施態様の場合には、下位工程B3)において、溶剤の除去のために減圧が使用される。減圧とは、本願の場合に、1.0barよりも低い圧力であると解釈される。使用された減圧は、1〜900mbar、特に10〜500mbarにあることができる。この減圧により、溶剤及び生成されたROH又はハロゲン化水素の除去は簡素化されるか又は促進される。
【0083】
他の実施態様の場合には、工程B)において、充填材粒子の準備は、充填材粒子を洗浄工程で清浄化する更なる下位工程B4)を有する。この下位工程B4)は、特に工程B3)に引き続いて行うことができる。洗浄のために、この場合、例えば、上述された溶剤の1つを使用することができる。それにより、好ましくは、例えば充填材粒子の表面へのホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体の結合の際に生じる残留物又は副生成物を除去することができる。このような残留物は、例えば塩又は難揮発性の溶剤であることができる。この工程B4)は、例えばB3)による洗浄のために使用された溶剤の除去を内容とすることができ、工程B4)は、場合により、数回、工程B)の間又は工程B)の終了時に行うことができる。
【0084】
本発明による実施態様による透明材料の製造方法の例を、次に記載する。まず、式IIIによるホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体及び無機充填材料としてのSiO
2粒子(クリストバライト)のイソプロパノール中の分散液を製造する(工程B1)及びB2))。これをスピードミキサーを用いて混合し、エネルギーを超音波の形で導入し、その結果、凝集体は形成されなかった(工程B3′))。この場合、少なくとも、無機充填材料への部分的な結合が行われ、それにより式Ia及び/又はIbによるホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体が形成される。更に、ポリマー材料、例えば二成分シリコーンを導入し、混合物を製造し、このために同様に混合される(工程C))。引き続き、複数の異なる温度段階で特に気泡不含に硬化させる。この場合、溶剤も除去され、充填材粒子とポリマー材料との架橋が行われ(工程D)、その結果、透明な材料が得られる。
【0085】
本願の更なる態様として、次の工程を有する放射線を発する素子の製造方法が挙げられる、
A0) 放射源を準備する工程、及び
B0) 素子の光路中に透明材料を作製する工程、
その際、前記透明材料は、本願による透明材料の製造方法の少なくとも1つの実施態様により作製される。工程B0)は、従って上述の工程A)〜D)を有する。
【0086】
この放射線を発する素子の製造方法により、特にここで記載された実施態様の少なくとも1つによる素子を得ることができる。好ましくは、この素子は、充填材粒子が特に均質の分配されている透明材料を有する。この充填材粒子の望ましくない沈殿又は凝集は、十分に又は完全に回避することができる。好ましい特性は、この製造方法から直接生じることができる。従って、本願の他の態様として、上述の方法により製造可能な放射線を発する素子が挙げられる。
【0087】
本願の他の態様として充填材粒子が挙げられる。少なくとも1つの実施態様の場合に、この充填材粒子は、無機材料及び、この無機材料の表面に結合された、式Ia及び/又はIb
【化13】
[式中、
n=0又は1、
Xは、スペーサー基であり、
R=H、アルキル、アリール、アリールアルキル又はシリルであり、及び
FGは、架橋性基又は脱離基である]により表される構造を有するホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を有する。
【0088】
この充填材粒子は、本願の場合の実施態様の少なくとも1つによる透明材料又は素子の製造のために使用することができる。
【0089】
本願の他の態様として、本願の場合の実施態様の少なくとも1つによる工程B1)〜B3)を有する充填材粒子の製造方法が挙げられる。この方法により、工程B)において準備することができるような充填材粒子が得られる。
【0090】
本発明による更なる態様の場合に、この方法は付加的工程B4)を有する。
【0091】
本願の更なる態様として、上述の方法の実施態様の少なくとも1つにより製造可能である充填材粒子が挙げられる。
【0092】
本願の他の態様として、ポリマー材料及び充填材粒子を有し、この充填材粒子は、無機充填材及びその表面に結合したホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を有し、このホスホン酸誘導体又はリン酸誘導体を介して前記充填材粒子は前記ポリマー材料と架橋されている透明材料が挙げられる。
【0093】
更に、本願の実施態様の少なくとも1つによる透明材料の製造方法により得られる透明材料が挙げられる。
【0094】
次に、本発明を図面に関して、特に実施例を用いて詳細に説明する。この場合、同じ、同種の又は同じ作用のエレメントは、同じ符号を備えている。図中に示されたエレメントの図及び縮尺は相互に原寸の通りとは見なされない。むしろ、個々のエレメントは、表示の改善のため及び/又は理解しやすくするために、極端に大きく及び/又は簡素化して示されていてもよい。