(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012850
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】投写型映像表示装置
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20161011BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20161011BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20161011BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20161011BHJP
G03B 21/00 20060101ALN20161011BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20161011BHJP
【FI】
G03B21/14 A
H04N5/74 A
F21S2/00 330
F21V8/00 310
!G03B21/00 E
F21Y101:00 300
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-507874(P2015-507874)
(86)(22)【出願日】2013年3月29日
(86)【国際出願番号】JP2013059549
(87)【国際公開番号】WO2014155675
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2015年4月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】日立マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 浩二
【審査官】
田辺 正樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−131647(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/064559(WO,A1)
【文献】
特開2008−145838(JP,A)
【文献】
特開2003−043411(JP,A)
【文献】
特開2005−024963(JP,A)
【文献】
特開2001−056451(JP,A)
【文献】
特開2006−208955(JP,A)
【文献】
特開2007−101711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B21/00−21/30、33/00−33/16
H04N5/66−5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色光を放射する光源と、
前記光源からの白色光を入射して照度が均一に分散された光を出射する、断面が方形状のロッドレンズと、
前記ロッドレンズの出射面の近傍に配置され、当該ロッドレンズからの出射する光を入射光として画像信号に応じて変調し、表示映像を形成する光変調素子と、
前記光変調素子で変調された表示映像を拡大投射する投射レンズとを備えた投写型映像表示装置において、
前記ロッドレンズは、
前記ロッドレンズを、その方形断面の長辺で二分するように、光学軸に沿って分割されて形成され、かつ、互いに対向する面の周辺の一部に薄膜が形成された一対のみのロッドと、
前記一対のロッドの外周を覆い、当該一対のロッドが、互いに対向する面に形成した前記薄膜により僅かに離隔されて対向するように保持すると共に、前記ロッドレンズの入射側と出射側に開口部を形成したカバー部とを備え、
前記カバー部は、前記一対のロッドの外周を覆う外壁と、当該外壁の内面から枠状に突出して前記一対のロッドの外周に当接する複数の保持枠部とを備え、更に、前記カバー部の入射側の開口部は、当該開口部側からロッドレンズを見た場合、前記一対のロッドの対向面に形成した前記薄膜が、当該開口部の外部に位置するように方形状に形成されていることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載した投写型映像表示装置において、前記ロッドレンズを構成する前記一対のみのロッドの対向する面に形成した前記薄膜は、前記一対のみのロッドの一方のロッドの対向面の角部に形成されていることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記請求項2に記載した投写型映像表示装置において、前記薄膜をSiまたは金属薄膜により形成したことを特徴とする投写型映像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投写型映像表示装置に関し、特に、その光源部から液晶表示素子までの間に配置される光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
光源からの白色光を集光して発光面を形成し、当該発光面の近傍に回転型色フィルタを配置し、当該色フィルタからの出射光を集光して一枚の光変調素子に入射し、当該光変調素子で形成された画像を投射レンズによりスクリーン上に投射する投写型映像表示装置は、既に、以下の特許文献1等により知られている。また、かかる投写型映像表示装置(又は、液晶表示装置)において、光源からの光を表示パネルの表示領域に効率良く照射させるため、断面形状が表示パネルの表示領域と相似形の方形状のロッドレンズを採用し、その光源部から映像表示素子までの光路長を短くし、もって、装置全体の小型化を図るため、ロッドレンズを、その光軸を中心に複数(4個)に分割された分割ロッドの集合体で構成することも、以下の特許文献2により既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4716528号
【特許文献2】特開平9−222603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
即ち、ロッドレンズで十分な照度分布の効果を得るためには、その長さを、断面形状の一辺に対して所定の値の倍数にする必要があり、そのため、大型の表示パネルの採用などによりロッドレンズの断面が大きくなった場合には、その長さも大きくなり、そのため、装置全体が大型化する問題があるが、上記特許文献2に開示された4個の分割ロッドの集合体で構成されたロッドレンズによれば、その長さを大きくすることなく装置全体の小型化を図ることが可能となるが、しかしながら、以下にも述べるように、なお、投写型映像表示装置、特に、大量の発熱を伴う光学系における実装構造については、十分な考慮がなされていなかった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来技術になる投写型映像表示装置に鑑みて成されたものであり、その目的は、実際に投写型映像表示装置に実装するに適したロッドレンズと当該ロッドレンズを実装した投写型映像表示装置の構成を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明によれば、白色光を放射する光源と、前記光源からの白色光を入射して照度が均一に分散された光を出射する、断面が方形状のロッドレンズと、前記ロッドレンズの出射面の近傍に配置され、当該ロッドレンズからの出射する光を入射光として画像信号に応じて変調し、表示映像を形成する光変調素子と、前記光変調素子で変調された表示映像を拡大投射する投射レンズとを備えた投写型映像表示装置において、前記ロッドレンズは、前記ロッドレンズを、その方形断面の長辺で二分するように、光学軸に沿って分割されて形成され、かつ、互いに対向する面の周辺の一部に薄膜が形成された一対のみのロッドと、前記一対のロッドの外周を覆い、当該一対のロッドが、互いに対向する面に形成した前記薄膜により僅かに離隔されて対向するように保持すると共に、前記ロッドレンズの入射側と出射側に開口部を形成したカバー部とを備えている投写型映像表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
上述した本発明によれば、近年における光源の発光強度の増大に伴う極めて強い光の照射される光学系においても実装に適したロッドレンズと当該ロッドレンズを実装した投写型映像表示装置の構成が提供されるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態になる投写型映像表示装置の要部構成の一例を示した上面及び側面図である。
【
図2】上記投写型映像表示装置におけるロッドレンズ部の詳細構造を示す一部断面を含む斜視図である。
【
図3】上記ロッドレンズ部を構成する一対のロッドの構造を示す正面、側面、裏面図である。
【
図4】上記一対のロッドの接合部分を含む一部拡大斜視図である。
【
図5】上記ロッドレンズ部とこれを保持するカバー部との位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態について、添付の図を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
まず、
図1は、本発明の一実施の形態になる投写型映像表示装置の要部構成の一例を示す上面図(
図1(A))、及び、側面図(
図1(B))であり、ここでは、各図中には、ローカル右手直角座標系が導入されている。即ち、
図1(A)では、多重反射素子(ロッドレンズ)の長手方向をZ軸、当該Z軸に直交する面内において紙面に平行な軸をX軸、そして、当該紙面の裏から表に向かう軸をY軸とする。また、
図1(B)では、上記Z軸に直交する面内において前記紙面に平行な軸をY軸とし、そして、当該紙面表から裏に向かう軸をX軸としている。即ち、
図1(A)は投写型映像表示装置をY軸方向から見た上面図、そして、
図1(B)は投写型映像表示装置をX軸方向から見た側面図である。
【0011】
これらの図において、放電ランプ1とリフレクタ2は、白色光を放射するための光源を構成している。なお、放電ランプ1としては、例えば、超高圧水銀ランプ等を使用することができる。即ち、超高圧水銀ランプは白色光を効率良く放射し、かつ、その輝度(強度)は極めて高く、その放射光は。集光性に優れたリフレクタ2である鏡面により、効率良く集光することができる。より具体的には、このリフレクタ2は、第一焦点(短焦点)と第二焦点(長焦点)を持つ楕円(但し、半円)を回転した楕円回転面により構成されており、その内表面には、赤外線を透過すると共に可視光を効率良く反射する誘電体の多層膜を形成しており、第一焦点(短焦点)に配置された放電ランプ1から放射される光のうち、可視光成分を第二焦点(長焦点)に向けて反射する。
【0012】
また、上述した光源のZ軸方向の後方には、集光光学素子である多重反射素子、即ち、ロッドレンズ3が配置されており、上記放電ランプ1から射出した光は、リフレクタ2で捕獲・集光され、ロッドレンズ3に入射する。このロッドレンズ3は、その構成は以下に詳述するが、その入射面(図の左端部)は、上記楕円面鏡2の第二焦点(長焦点)、即ち、リフレクタで反射された可視光成分が集光する位置の近傍に配置されると共に、その射出面は、X軸方向に長く、Y軸方向に短い形状をしており、そのアスペクト比は、以下に述べる光変調素子である反射型映像表示素子10のアスペクト比と同一となるように設定されている。即ち、ロッドレンズ3の射出面のX軸方向の長さを「C」、Y軸方向の長さを「D」、反射型映像表示素子10のX軸方向の長さを「E」、Y軸方向の長さを「F」とすると、C/D=E/Fを満たす。これにより、ロッドレンズ3内で複数回反射した光線は、その射出面では、液晶反射型映像表示素子10に相似で均一な強度の光分布となる。
【0013】
また、本例では、ロッドレンズ3の射出面近傍には、回転式の色フィルタであるカラーホイール4が配置されている。このカラーホイール4は、それぞれ、R(赤)、G(緑)、B(青)、C(シアン)、Y(黄)、W(白)の光のみを透過する6種類の扇状の透過型のカラーフィルタを、円周(回転)方向に順番に配置して構成され、かつ、その回転制御が可能な円盤状の色フィルタである。また、このカラーホイール4は、上記の6種類のカラーフィルタに代え、R(赤)、G(緑)、B(青)からなる3種類のカラーフィルタでも実現することが出来る。
【0014】
即ち、上述したカラーホイール4を回転することで、光源から出射した白色光は、時系列的に6色(R(赤)、G(緑)、B(青)、C(シアン)、Y(黄)、W(白))の光に分解される。その後、このカラーホイール4から射出した光は、当該射出光を集光する照明光学要素を構成するリレーレンズ5〜8、更には、TIRプリズム9を介して、反射型映像表示素子10上に照射される。
【0015】
ここで、上記照明光学要素を構成するリレーレンズ5〜8の働きについて述べると、これらのリレーレンズは、ロッドレンズ3から射出してカラーホイール4を透過した光を集光することで、光の発散を防ぐ働きをする。また、リレーレンズは、カラーホイール4の射出面で均一になった光分布を、反射型映像表示素子10の面上に拡大する働きをする。更に、リレーレンズは、光を略平行にする働きを持っている。そして、TIRプリズム9は、入射した光を全反射し、もって、反射型映像表示素子10へと導く。
【0016】
反射型映像表示素子10は、個々のセルを制御できる2次元の光変調素子であり、これらセルにより形成された映像が、投写レンズ11を介して、例えば、スクリーン等の上に拡大投写されることとなる。
【0017】
この反射型映像表示素子10は、図に符号100で示す制御装置(例えば、マイコンやメモリにより構成される)により、上述したカラーホイール4の回転と同期が取られており、これにより、カラーホイール4の各色光毎に画像信号に基づいた画像を表示すると共に、TIRプリズム9から入射した光を投写レンズ11の方向へ反射する。即ち、反射型映像表示素子10で反射した後の光線は、TIRプリズム9の全反射角を満たさない角度となるため、TIRプリズム9を透過し、投写レンズ11に入射する。尚、ここでは、光がカラーホイール4を射出した後、TIRプリズム9を透過して反射型映像表示素子10の表面に至るまでの光学系を、照明光学系という。
【0018】
続いて、上述したロッドレンズ3の詳細について、以下に、添付の
図2〜5を参照しながら説明する。
【0019】
なお、近年では、投写画像の輝度を上げて表示性能を向上するため、光源の発光強度の増大が図られているが、しかしながら、これに伴い、極めて強い光が照射される光学系、特に、光源からの白色光を入射して照度が均一に分散された光を出射するロッドレンズでは、かかる強度の極めて高い放射光に対する対策が必要となる。加えて、上記従来技術でも述べたが、光変調素子である液晶表示パネルの大型化に伴うロッドレンズ(特に、その長さ方向)の大型化にする対策も必要となる。
【0020】
そこで、発明者等は、種々の検討を試みたが、即ち、上記特許文献2に例示されるように、ロッドレンズを、その断面を四等分するように形成された4個のロッドの集合体で形成した場合には、こられ4個のロッドを接合するために接合面に施された接着剤が高熱に晒されることとなり、劣化してしまい、装置の故障等にもつながり、製品寿命を短くする大きな原因ともなることが分かった。
【0021】
そこで、本発明は、特に、投写型映像表示装置に実際に実装した場合における問題点に鑑みてなされたものであり、大量の発熱を伴う光学系におけるロッドレンズの実装構造を提供するものである。
【0022】
図2は、上述したロッドレンズ3の全体構成を示すための一部断面を含めた斜視図であり、この図からも明らかなように、ロッドレンズ3は、その入射面(図の左側)を、通常の光源から放射される円形の入射光を効率的に集光するよう、例えば、正方形に形成され、そして、その出射面を、上述したように、光変調素子である反射型映像表示素子10のアスペクト比と同一となるよう、即ち、長方形に形成されている。
【0023】
そして、ロッドレンズ3は、その出射側の長方形断面をその長辺で二分するように、即ち、縦方向に、その光学軸に沿って分割されて形成された2個(一対のみ)のロッド31と32により構成されている。なお、ロッドレンズ3を構成するこれら一対のロッド31、32の入射側の正面図が、添付の
図3(A)に、その側面図が、
図3(B)に、そして、その出射側の裏面図が、
図3(C)に、それぞれ、示されている。
【0024】
また、これら一対のロッド31、32は、互いに対向する光軸方向に伸びた面を、以下にも述べる表面の薄膜や、カバー部40の以下の構造により、僅かに離隔された状態で、互いに平行になるように保持されている。これにより、一対のロッド31、32の間には極めて薄い空気層が形成され、各ロッド内を伝搬する光は、それらの隔離面である境界面で反射されることから、これらロッド31、32の間を確実に分離することが可能となる。
【0025】
即ち、添付の
図4は、上述した一対のロッド31、32の接合部分の一部を拡大して示す斜視図であり、この図からも明らかなように、一対のロッド31、32の対向面の一方の面の一部(角部)、より具体的には、対向面を形成する方形の四隅の角部には、例えば、Siや金属薄膜(Ti、Mgなど)等の薄膜33(例えば、厚さ(d=5〜20μm)が、真空蒸着等により形成されている。すなわち、対向面の一部にかかる薄膜33を形成することによれば、一対のロッド31、32は、僅かに離隔された状態で、互いに平行になるように保持されることとなる。この薄膜の厚さはロッド31,32の接合面の平坦(平面)度が高ければ小さくできることは言うまでも無い。
【0026】
更に、再び上記の
図2に戻り、上述したカバー部40は、上記一対のロッド31、32を覆うように設けられた4面の外壁41(図には、2面のみを示す)と、光源側(即ち、入射側)に配置された、開口部を有する枠部42と、出射側(即ち、反射型映像表示素子側)に配置された、開口部を有する枠部43と、そして、当該外壁の内面から枠状に突出して形成された複数の枠部とを備えている。なお、入射側に配置された枠部42は、光源側からの断面円形のロッドレンズ3への入射光の絞りとしての機能を有している。また、外壁41の内面から突出して形成された複数の保持枠部44は、それぞれ、その先端部が一対のロッド31、32の外周と接触すると共に、その先端が細くなるように形成されている。即ち、複数の保持枠部44は、これにより、一対のロッド31、32を、その外周から線接触により所定に位置に保持する。
【0027】
上記の
図4、更には、
図5には、上述した一対のロッド31、32の正面と、上記カバー部40の光源側(入射側)に配置された枠部42との位置関係が示されている。即ち、図からも明らかなように、ロッドレンズ3をカバー部40(図に破線で示す)の開口部側から(即ち、上記の入射側の枠部42を介して)見た場合、その一対のロッド31、32の対向面に形成した薄膜33が、当該枠部42により隠れる(即ち、その開口部の外部に位置する)ようになっている。このことによれば、光源から放射してリフレクタにより集光された極めて強い光が、その入射面に近接する位置に形成された薄膜33に、直接、照射することなく、そのため、当該薄膜33が高熱に晒されることによる劣化により、装置が故障し、製品寿命を短くする原因ともなることを防止することが出来る。なお、このカバー部40は、例えば、アルミ(Al)やマグネシュウム(Mg)等の金属を鋳造することにより上述した形状に製造することができる。
【0028】
即ち、上述した本実施例によれば、近年における光源の発光強度の増大に伴う極めて強い光の照射される光学系においても実装に適したロッドレンズと当該ロッドレンズを実装した投写型映像表示装置の構成が提供される。より具体的には、従来の対角0.7インチサイズの反射型映像表示素子(比率=4:3)を1.0インチサイズの反射型映像表示素子にした場合、又は、従来に0.53インチサイズの反射型映像表示素子(比率=16:9)を0.97インチサイズの反射型映像表示素子にした場合、即ち、ロッドレンズの断面を増大した場合にも、当該ロッドレンズの長さを増大(即ち、大型化)することなく、従来と同様の長さでも、十分な照度分布をもつ(即ち、均一な)出射光を得ることが出来た。
【0029】
なお、以上に詳述した本発明の実施の形態になる投写型映像表示装置では、カラーホイール4からの各色光により所望の画像を形成するための光変調素子として反射型映像表示素子を採用した構成について述べたが、本発明は、これに限定されることなく、これに代えて、種々の投写型映像表示装置にも適用することが可能であり、例えば、強誘電性液晶パネルであり、ON/OFFの2つの状態をスイッチする双安定素子である液晶パネルを使用することも可能であり、なお、その場合には、照明光学系の一部を構成するTIRプリズム9は不要となろう。加えて、上述した投写型映像表示装置では、回転式の色フィルタであるカラーホイール4として、複数の透過型のカラーフィルタから構成されたものについて説明したが、本発明は、これに限定されることなく、これに代えて、例えば、反射型の色フィルタを用いることも可能である。
【0030】
なお、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細を説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成と置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成を追加し、これを削除し、置換することも可能である。
【符号の説明】
【0031】
1…放電ランプ、2…リフレクタ、4…カラーホイール、5〜8…リレーレンズ、9…TIRプリズム、10…反射型映像表示素子、11…投写レンズ、3…ロッドレンズ、31、32…ロッド、33…薄膜、40…カバー部、41…、42、43…枠部、44…保持枠部。