(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
駆動輪(13)と、原動機から前記駆動輪(13)に駆動力を伝達する駆動軸(3a、3b、4a、4b、5a、5b、12)と、前記駆動軸(3a、3b、4a、4b、5a、5b、12)を相互に接続する少なくとも2つの差動装置(6、7、8、9)とを有する車両の差動装置制御システムであって、
前記差動装置制御システム(1)は、
前記差動装置(6、7、8、9)がそれぞれ少なくともロックしたあるいはロック解除した状態に操作される異なるロック設定へと前記差動装置(6、7、8、9)を操作するための差動ロック装置と、
前記差動ロック装置を制御する制御装置(17)とを備え、
前記差動装置制御システム(1)が、
− 少なくとも一つの軸(X−X’)の回りで自由に回転しかつ前記差動装置(6、7、8、9)のロック設定に関して予め定められた位置を持たない、手動で操作可能な第1の制御部材(14)と、
− 前記差動装置(6、7、8、9)をロックしたあるいはロック解除した状態に操作するために、前記制御装置(17)に送信されて前記差動ロック装置を制御する信号へと前記第1の制御部材(14)の回転を変換する、前記第1の制御部材(14)に接続されたエンコーダ(16)と、を更に備えることを特徴とする差動装置制御システム。
前記第1の制御部材(14)、前記エンコーダ(16)及び前記制御装置(17)は、前記第1の制御部材(14)の手動による回転が一つのロック設定を選択するとともに前記第1の制御部材(14)の更なる回転が新しいロック設定を選択するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の差動装置制御システム。
前記第1の制御部材(14)、前記エンコーダ(16)及び前記制御装置(17)は、前記第1の制御部材(14)の回転が予め定められた角度振幅閾値を超えた場合にのみ、新しいロックしたあるいはロック解除した状態又は新しいロック設定を実行できるように構成されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の差動装置制御システム。
前記制御装置(17)は、先のロック設定の選択に続く予め定められた期間の後にのみ、新しいロック設定の実行を許可するように構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の差動装置制御システム。
前記第1の制御部材(14)、前記エンコーダ(16)及び前記制御装置(17)は、予め定められた速度閾値より低い回転速度で前記第1の制御部材(14)が回転される場合にのみ、新しいロック設定を実行できるように構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の差動装置制御システム。
前記第1の制御部材(14)の一方向への回転が増加側のロック設定を許容するとともに前記第1の制御部材(14)の他方向の回転が減少側のロック設定を許容する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の差動装置制御システム。
前記第1の制御部材(14)の現在の角度位置に関わらずロック設定を変更するために、前記制御装置(17)が前記差動ロック装置を制御する自動モードにおいて作動可能である、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の差動装置制御システム。
前記自動モードにおいて、前記制御装置(17)は、車両パラメータおよび/または道路状態パラメータおよび/または気象状態パラメータの少なくとも一つに応じて新しいロック設定の実行を拒否するように構成されている、ことを特徴とする請求項8に記載の差動装置制御システム。
前記車両パラメータが少なくとも前記車両の速度を含み、前記制御装置(17)は、前記車両の速度が速度閾値を上回っている場合に新しい設定の実行を拒否する、ことを特徴とする請求項9に記載の差動装置制御システム。
前記自動モードにおいて、前記制御装置(17)は、車両パラメータおよび/または道路状態パラメータおよび/または気象状態パラメータの少なくとも一つに応じて新しいロック設定を自動的に作動させることができる、ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の差動装置制御システム。
前記第2の制御部材(19)は、その手動操作がデフォルト設定を実行するように前記制御装置(17)に接続されている、ことを特徴とする請求項16に記載の差動装置制御システム。
前記第2の制御部材(19)は、前記第2の制御部材(19)の手動操作が前記第1の制御部材(14)を回転方向に係止するように前記第1の制御部材(14)に連結されている、ことを特徴とする請求項16に記載の差動装置制御システム。
各差動装置(6、7、8、9)のロックしたあるいはロック解除した状態についてドライバーに報知する表示装置(20)もまた備える、ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の差動装置制御システム。
【背景技術】
【0002】
従来、車両あるいはトラックにおいては、駆動輪が差動装置によって相互に接続されて駆動され、駆動輪の間の相対速度を許容し、例えば道路のカーブに沿って粘着作用の損失なしにより容易に車両が旋回できるようにし、かつ燃費を節約するようになっている。
【0003】
車両の車軸および差動装置の配置に応じ、差動装置の数は一つから最大で6つ、時にはより多くに及ぶ。
【0004】
4WD車両のようないくつかの車両あるいはいくつかの過酷な使用に耐えるトラックにおいては、付随する差動ロック装置により少なくとも差動装置のいくつかをロックすることができる。各差動装置のロックあるいはロック解除は、2つの位置を有する専用のプッシュボタンまたはノブによって制御され、かつ差動装置をロックする付随の差動ロック装置を制御するべくドライバーが手動で操作することができる。そのようなロック手段は、また例えば1つの車輪が車輪スリップ状態にあるときに、駆動輪の間の速度差を無くしてドライバービリティの低下を回避するために、非常に役立つものである。
【0005】
各差動装置をロックしあるいはロック解除するプッシュボタンの使用は、別々にロックしあるいはロック解除しなければならない差動装置が多過ぎないならば、使用が容易なインタフェースである。独立した差動装置が多い場合、ダッシュボードに多くのプッシュボタンが設けられ得ることとなり、差動装置をロックする設定を選択するためにドライバーがより長い時間を必要とすることになる。そのような配置による他の結果は、ドライバーが混乱するリスク及び間違った差動装置をロックするリスクを高めることである。
【0006】
これらの問題を解決するために、例えば特許文献1から公知なことは、差動装置をロックしあるいはロック解除する設定のどちらかを選択するために、中心軸の回りに回転できる手動操作可能なスイッチボタンを使用することである。
【0007】
そのようなシステムは、いくつかのプッシュボタンより使いやすい簡単なヒューマンインタフェースを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、この解決策の不利な点は、スイッチボタンの物理的な位置が取り返しのつかないほどにロック設定に関連付けられるとともに、実行されるロック設定の状態をスイッチボタンが意味しており、従って、車両の車軸及び差動装置の所定の配置に所定のスイッチボタンが取り返しのつかないほどに関連付けられることにある。
【0010】
そのような解決策の結果として、差動装置をロックしかつロック解除する多くの設定がある場合には、一つのあるいは他の設定を選択するためのスイッチボタンの異なる位置を360度の回転にわたって展開しなければならず、それらが互いにかなり接近することになり、ユーザが間違った設定を選択するリスクを高める。
【0011】
更にまた、このスイッチボタンは、車軸および差動装置の一つの配置についての専用品であって容易に変更することができず、異なる車軸配置を有する他の車両に簡単に使用することができないようになっている。
【0012】
特許文献1に開示されているシステムの更に不利な点は、一つあるいは複数の差動装置をロックさせるべくドライバーがスイッチボタンの回転を決めたときに生じる。ドライバーがそうするときに、ドライバーは選択した設定に対応する表示にスイッチボタンの位置を視覚的に合致させなければならないからである。従って、ドライバーの視野の範囲内に制御部材が配置されていない場合、ドライバーは道路から目をそらしあるいは差動装置をロックするために車両を停止させなければならない。
【0013】
従って、いくつかの観点からは、車両の差動装置のロック/ロック解除位置を制御できるようにするシステムを改良する余地があるように見える。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この技術的な状態において、本発明の目的は、差動装置のロックあるいはロック解除の位置を制御するシステムを改善し、従来技術のシステムの欠点を解決することにある。
【0015】
このため、本発明は、駆動輪と、原動機から駆動輪へと駆動力を伝達する駆動軸と、駆動軸を相互に接続する少なくとも一つの差動装置とを備える車両の差動装置制御システムに関する。
【0016】
この差動装置制御システムは、
● 少なくともロックしたあるいはロック解除した状態に差動装置を操作することが可能な少なくとも一つの差動ロック装置と、
● この差動ロック装置を制御する制御装置と、
● 少なくとも一つの軸の回りで両方向に自由に回転する、手動操作可能な制御部材と、
● 差動装置を少なくともロックしたあるいはロック解除した状態に操作するために制御装置に送信されて差動ロック装置を制御する信号へと制御部材の回転を変換する、制御部材(14)に接続されたエンコーダと、を備える。
【0017】
また、差動ロック装置のタイプによっては、完全にロックした状態と完全にロック解除した状態との間の中間状態へと差動装置を操作することができる。
【0018】
「自由に」という副詞は、制御部材の角度位置が、それ自体によってロックしたあるいはロック解除した状態を特定しない、または以下に定めるロック設定を特定しないことを意味する。それはまた、制御部材が角度方向の末端位置を有しないこと、及び回転軸の回りに何回か完全に回転操作できることを意味する。
【0019】
エンコーダは、制御部材と制御装置の間に配置することができるし、または制御部材にあるいは制御装置に組み込むこともできる。
【0020】
また、本発明は少なくとも二つの差動装置を備える車両に関し、その場合、各差動装置が少なくともロックしたあるいはロック解除した状態に操作される異なるロック設定へと差動装置を操作するために、この差動装置制御システムは、制御装置によって制御される差動ロック装置を備える。
【0021】
本発明によれば、同じロック設定について、一つまたはいくつかの差動装置をロックした状態に操作することができ、それに対して一つまたはいくつかの他の差動装置をロック解除した状態に操作することができることが理解される。また、一つのロック設定は、全ての差動装置がロック解除される設定とすることができるものと理解される。
【0022】
制御部材が自由に回転することができ、したがってロックしたあるいはロック解除した状態またはロック設定に対し予め定められた位置を有しないという事実は、制御部材の実際の位置を現在のロック設定から分離することを可能にする。従って、車両の差動装置のロック設定をスイッチの位置が調整する従来のスイッチとは異なり、ロック設定は制御部材の位置によっては拘束されない。
【0023】
実行される差動装置のロック設定を示す一連の参照数字に隣接して制御部材が回転する従来の差動装置制御システムとは異なり、本発明の制御システムは、所定のロック設定を実行するために制御部材の角度位置に依存することがない。その結果、本発明によると、制御部材の角度位置を示す参照数字または任意の他の表示を使用する必要がない。本発明の他の利点は、制御部材の位置をドライバーが視覚的に確かめる必要がないことである。本発明の制御システムの操作は、従来システムよりかなり容易であり、かつよりユーザフレンドリーであることが判る。
【0024】
更なる利点は、車軸と差動装置の異なる配置を有する異なる車両に、同じ制御部材を使用できることである。車両メーカにとって、同じ部品または予備の部品を異なる車両に組み付け得ることの可能性はサプライチェーンにとって大きな利点である。
【0025】
他の利点は、差動装置の異なるロック設定の選択を、制御部材の360度には限定されない回転範囲にわたって分散させ得ることにある。
【0026】
有利ではあるが選択的な特徴によると、それら自身の又は技術的に実行可能なあらゆる組合せが考えられる。
【0027】
本発明の好ましい形態において、制御部材、エンコーダ及び制御装置は、制御部材の手動による回転が一つのロック設定を選択するとともに制御部材の更なる回転が新しいロック設定を選択するように構成される。
【0028】
本発明において、制御装置は、エンコーダから受信した好ましくは制御部材の手動回転の角度振幅に対応する電気的なあるいは電子的な信号に応じて、新しい設定を実行する。
【0029】
本発明の一実施形態において、制御部材、エンコーダ及び制御装置は、制御部材の回転が予め定められた角度振幅閾値を超えた場合にのみ、新しいロックあるいはロック解除状態又は新しいロック設定を実行できるように構成される。
【0030】
そのような角度振幅閾値は、好ましくは車両がエンドユーザによって使用される前に決定され、かつ車両メーカ自体によって決定されることができる。そのような予め定められた角度振幅閾値は、10度と180度の間とし、好ましくは30度と60度の間とすることができる。
【0031】
ここで想定できることは、予め定められた角度振幅閾値が、選択される新しいロック設定に応じて異なることである。
【0032】
本発明の他の実施形態において、制御装置は、先のロック設定の選択に続く予め定められた期間の後にのみ、新しいロック設定の実行を許可するように構成される。
【0033】
そのような予め定められた期間は、好ましくは車両がエンドユーザによって使用される前に決定されるとともに、車両メーカ自体によって決定することができ、かつ1秒と5秒の間とすることができる。
【0034】
本発明の更なる実施形態において、制御部材、エンコーダ及び制御装置は、予め定められた速度閾値より低い回転速度で制御部材が回転された場合にのみ、新しいロック設定を実行できるように構成される。
【0035】
そのような予め定められた速度閾値は、好ましくは車両がエンドユーザによって使用される前に決定されるとともに、車両メーカ自体によって決定することができ、かつ1ラジアン/秒と6ラジアン/秒の間とすることができる。
【0036】
本発明の好ましい実施形態においては、制御部材の一方向への回転が増加側のロック設定を可能にし、かつ制御部材の他方向の回転が減少側のロック設定を可能にする。
【0037】
本発明の他の好適な態様において、差動装置制御システムは自動モードで作動することができる。この場合、制御部材の現在の角度位置に関わらずロック設定を変更するために、制御装置は差動ロック装置を制御する。
【0038】
ここで想定できることは、自動モードにおいて、車両パラメータおよび/または道路状態パラメータおよび/または気象状態パラメータの少なくとも一つに応じて、制御装置が新しいロック設定の実行を拒否するように構成することである。特に制御装置は、新しいロック設定の実行を安全なやり方で操作できない場合、新しいロック設定の実行を拒否するように構成することができる。
【0039】
車両パラメータは少なくとも車両速度を含むことができ、かつ制御装置は車両速度が速度閾値を上回っている場合に新しい設定の実行を拒否することができる。そのような速度閾値は、車両メーカ自体によって決定することができ、および/または許可された専門家によって後から変更することができる。
【0040】
ここで想定できることは、自動モードにおいて、車両パラメータおよび/または道路状態パラメータおよび/または気象状態パラメータの少なくとも一つに応じて、制御装置が新しいロック設定を自動的に操作できることである。
【0041】
車両パラメータは少なくとも車両速度を含み、かつ制御装置は車両速度が速度閾値に達したときに少なくとも一つの差動装置を自動的にロック解除する。この新しい予め定められた速度閾値は、先のものと同じ(約30km/h)としあるいは異なるものとすることができ、かつ車両速度が速度閾値に達したときに制御装置は好ましくは全ての差動装置をロック解除する。
【0042】
本発明の他の実施形態において、差動装置制御システムは、各駆動輪の速度を測定するべく車両に配置された回転速度センサを備える。回転速度センサは、向かい合っている駆動輪の間の相対速度を決定するべく駆動輪の回転速度を比較するCPUに、速度データを送信する。この場合、制御装置は、対応する駆動輪の間の相対速度が予め定められた回転速度閾値を上回るときに、差動装置の少なくとも一つをロックするように構成される。
【0043】
CPUは制御装置から独立した専用のものとすることができるし、あるいは制御装置のCPUとすることができる。
【0044】
予め定められた回転速度閾値は、好ましくは車両がエンドユーザによって使用される前に決定され、車両メーカ自体によって決定することができる。
【0045】
主電気回路も備える車両では、自動モードにおいて、主電気回路がスイッチオフされたときにあるいは主電気回路がスイッチオフされた後でモータが再始動されたときに、制御装置がデフォルト設定を実行するように構成することもまた想定できる。デフォルト設定は、例えば全ての差動装置がロック解除状態にある設定とすることができる。
【0046】
好ましくは、自動モードにおいて、制御装置は、主電気回路がスイッチオフされたときには予め設定された期間の間は現在のロック設定を維持し、次いで予め設定された期間の後に主電気回路がスイッチオンされたときに、制御装置は、差動ロック装置を例えば全ての差動装置がロック解除状態に操作され得るデフォルト設定に制御するように構成される。
【0047】
ここで想定できることは、差動装置制御システムが手動操作可能な第2の制御部材を備えることである。この第2の制御部材は、第1の制御部材の中央に配置することができるとともに、第1の制御部材とは異なる方向に移動可能とすることができる。第2の制御部材の起動は、システムの更なる機能の指令を可能にする。
【0048】
本発明の特定の実施形態では、第2の制御部材の手動操作がデフォルト設定を実行するように、第2の制御部材が制御装置に接続される。デフォルト設定は、例えば全ての差動装置がロック解除状態にある設定とすることができる。
他の特定の実施形態においては、第2の制御部材の手動操作が第1の制御部材を回転方向に係止するように、第2の制御部材が第1の制御部材に連結される。
【0049】
前述した差動装置制御システムのいずれかは、各差動装置のロックあるいはロック解除の状態をドライバーに知らせる表示装置を備える。
【発明を実施するための形態】
【0051】
差動装置制御システム1は車両の一部であり、その車両は原動機と、駆動輪と、少なくとも一つの差動装置によって互いに接続された駆動軸を介して原動機から駆動輪に駆動力を伝達するべく適合された動力伝達装置とを備えている。限定されるものではないが、この車両は4WD車両またはトラックとすることができ、かつ原動機は内燃機関または電機または両方の組合せとすることができる。
【0052】
従来、2つの駆動輪を備える車両においてはその車両に一つの差動装置を装備し、かつ少なくとも4つの駆動輪を備える車両においてはその車両に少なくとも2つの差動装置を装備することができる。
【0053】
図1に示されている車軸と差動装置の配置において、車両2は、3つの駆動車軸3、4、5に取り付けられた6つの駆動輪13と、各差動装置が差動ロック装置(図示せず)を含む4つの差動装置6〜9とを備えている。
また、前側駆動車軸3は操舵軸である。各駆動車軸は、差動装置6、7、8によって相互に接続された2つの端部駆動軸3a、3b;4a、4b;5a、5bを有している。原動機(図示せず)が発生する動力は、ギアボックス(図示せず)、主プロペラ駆動軸10(部分的に図示)、トランスファギヤボックス11及び副プロペラ駆動軸12を介して端部駆動軸3a、3b;4a、4b;5a、5bに伝達される。
図1に示されているように、差動装置9は、2本のプロペラ駆動軸12c、12dの間に介装できるとともに、本発明の差動装置制御システム1によって操作することができる。また、トランスファギヤボックス11は、差動装置と、付随する差動ロック装置とを含むことができる。
【0054】
もちろん、本発明の使用は、
図1の車軸および差動装置の配置には限定されない。限定されるものではないが、ここで想定できることは、
図3に示されているような異なる配置、例えば2つの駆動軸と2つの差動装置の配置(
図3a)、2つの駆動軸と3つの差動装置の配置(
図3b)、3つの駆動軸と4つの差動装置の配置であって1つの駆動軸が操舵軸である配置(
図3cおよび
図1)、または4つの駆動軸と6つの差動装置の配置であって2つの駆動軸が操舵軸である配置(
図3d)に本発明を使用することである。
【0055】
図1の実施形態において、各差動装置6〜9は、差動装置制御システム1の一つの差動ロック装置(図示せず)に関連付けられている。各差動ロック装置は、少なくともロックしたあるいはロック解除した状態に差動装置6〜9を操作することができる。ロック解除状態において、差動装置6〜9は、その出力軸の間の相対速度を許容する。言い換えると、ロック解除状態において、差動装置6〜9は、同一の差動装置6、7、8、9に連結されている駆動軸3a、3b;4a、4b;5a5b;12の間の異なる回転速度を許容する。それとは反対に、差動装置がロック状態にあるときに、駆動軸の間には相対速度が存在しない。
【0056】
使用する差動ロック装置のタイプによっては、完全にロックした状態と完全にロック解除した状態との間の中間状態に差動装置6〜9を操作することもできる。中間状態は、例えば差動ロック装置として摩擦ブレーキを使用することによって得ることができる。そのようなブレーキ装置は、二つの端部位置の間での摩擦スライドを許容する。
【0057】
差動ロック装置は、異なるロック設定に差動装置を操作することを可能にする。
図1の例示的な実施形態において、異なるロック設定は以下とすることができる:
− 設定1:全ての差動装置6〜9をロック解除状態に操作するために全ての差動ロック装置を制御する。
− 設定2:後側の差動装置7および8をロック状態に操作するために後側の差動ロック装置だけを制御する。
− 設定3:後側の差動装置7、8、9をロック状態に操作するために後側の差動ロック装置を制御するのに対し、前側の差動装置6をロック解除状態に操作するために前側の差動ロック装置を制御する。
− 設定4:全ての差動装置6〜9をロック状態に操作するために、トランスファギヤボックス11に含めることができるものを含む全ての差動ロック装置を制御する。
【0058】
図1および
図2に模式的に示すように、差動装置制御システム1は、少なくとも一つの軸の回りで自由に回転できる制御部材14を備える。この制御部材14は、時計方向並びに反時計方向に手動で回転させることができるが、回転に関しては如何なる端部位置も有していない。制御部材14は、ドライバー(または任意の他のユーザ)の手が容易に届くように、車両の(部分的に示す)ダッシュボード15上に適切に配置することができる。制御部材14の回転は滑らかでかつ連続したものとすることができるが、好ましくは、ドライバーが制御部材を回転させるときに低い抵抗力で抵抗する別々の切欠が設けられる。
【0059】
一つの実施形態において、制御部材14は、車輪の形の円柱状とすることができるが、ドライバーにとって便利であり得る任意の他の形状とすることができる。
【0060】
ドライバーによって制御部材14に伝達される回転は、適切なエンコーダ16によって電気的なおよび/または電子的な信号に変換され、かつこの電気的なおよび/または電子的な信号は差動ロック装置を制御する制御装置17に送信される。制御装置17は、好ましくはCPU(中央演算処理装置)とROM(読出し専用メモリ)のような不揮発メモリとを含む。また制御装置17は、例えばRAM(ランダムアクセスメモリ)のような揮発性メモリ、入力インタフェース回路、出力インタフェース回路などの他の従来部品を含むことができる。CPUは、前述したもののような予め定められた異なるロック設定(設定1〜4)で差動装置6〜9を操作するべく、差動ロック装置を制御するためにプログラムすることができる。
【0061】
好ましくは、エンコーダ16によって制御装置17に送信される電気的なまたは電子的な信号は、制御部材14の変位を表すものとすることができる。
【0062】
異なるロック設定は、予め定められた設定のリストとして、好ましくは制御装置17の不揮発メモリに格納される。ロック設定は、リスト内で順序付けられるとともに、各設定に帰する順位にしたがってリスト内で順序付けることができる。順位は、前述したような設定1、設定2、設定3および設定4にそれぞれ対応する、1、2、3、4とすることができる。このリストは、車両メーカ自体によって、または許可された専門家によって定めることができる。
【0063】
例示的な実施形態では、制御部材14の時計方向あるいは反時計方向の回転は、エンコーダ16により、制御装置17の揮発性メモリに格納できる起動信号に変換される。
制御部材14の時計方向の回転は、現在の順位を一つあるいは複数の単位で増加させることにより、制御装置17にリスト内の新しい設定を選択させることができる。従って、制御部材14の引き続く時計方向の回転または制御部材14の連続する時計方向の回転は、ドライバーが直接的にまたは段階的に設定1から設定4までロック設定を増加させることができるようにする。それとは反対に、制御部材14の反時計方向の一回転または反時計方向の数回転は、差動装置のロック設定を現在の設定から設定1まで減少させることができる。
【0064】
差動装置のロック設定の増加あるいは減少(例えば設定2〜設定3への増加)に対応する制御部材の(時計方向あるいは反時計方向の)回転の角度振幅は、車両の設定に従って設定することができ、例証としては10度から180度、好ましくは30度から60度までの角度が設定の変更を具体化することができる。
【0065】
本発明の変形例において、設定の変更に必要な制御部材の回転の角度振幅は、実行しなければならない新しいロック設定に応じて異なるものとすることができる。
【0066】
例えば、設定1から設定2及び設定2から設定3への変化に必要な角度振幅は45度以上とすることができるのに対し、設定3から(全ての差動装置をロックする)設定4への変化に対する最後の増加は、制御部材14をより大きな角度振幅で回転させるによってドライバーから要求することができる。例えば、そのようなより大きな角度振幅は60度以上、好ましくは90度以上である。
【0067】
異なる設定を実行するためにそのような角度に違いを持たせることは明らかな利点であり、かつ車両の操舵挙動の予想外の変化によってドライバーを驚かせ得る間違った設定をドライバーが誤ってセットすることを回避することにより、例えば安全性を改善できるようにする。
【0068】
更にまた、制御装置17は、制御部材14の手動による一つの回転がすぐ次の設定ではなくその後に続く設定を直接実行できるように構成することができる。例えば、新しいロック設定を実行するための最小限の角度振幅が45度であるときに、90度を超える角度振幅での制御部材の連続した回転はロック設定を設定1〜設定3へと直接的に増加させることができるようにし、かつ回転120度を超える回転はロック設定を設定1〜設定4へと直接的に増加させることができるようにする。
【0069】
それとは反対に、制御装置17は、ドライバーによる先のロック設定の選択の後に続く予め定められた期間の後においてのみ、新しいロック設定のセットを許可するように構成することができる。予め定められた期間は、例えば1〜5秒とすることができる。そのような制御は、制御部材の素早い回転の場合に、ユーザが誤った設定を選択することを回避できるようにする。例えば、そのような追加の制御が設けられないときには、制御部材14を素早く回転させた場合、差動装置7および8だけがロックされなければならない設定(設定2)を実行することがドライバーの最初の意図であったのに対して、ユーザは全ての差動装置6〜9がロックされる(設定4)差動装置のロック設定を選択することになる。
【0070】
制御部材14、エンコーダ16および制御装置17はまた、予め定められた閾値速度より低い速度で制御部材14が回転された場合にのみ、新しいロック設定をセットできるように構成することができる。そのような予め定められた閾値速度は、1ラジアン/秒と6ラジアン/秒との間とすることができ、好ましくは約3ラジアン/秒とすることができる。そのような追加の制御により、例えば制御部材の不注意な回転が差動装置のロック設定の増加または減少に至ることが回避される。
【0071】
先の追加の制御は、制御部材14の位置が実際のロック設定から独立していることにより可能になる。この利点により、制御部材14の回転が不適切で新しい設定の実行に結びつかない場合、その最後の位置に関係なく制御部材14を再び回転させることの可能性をユーザは常に保持する。
【0072】
前述したように、制御部材14が自由に回転でき、かつ差動装置のロック設定に関して予め定められた位置を持たないという事実は、制御部材14の現在の位置を現在のロック設定とは無関係なものにできるようにする。この利点により、制御装置17は、少なくとも車両パラメータおよび/または道路状態パラメータに応じて、かつ制御部材14の現在の位置とは無関係に、ロック設定を自動的に処理することができる。本発明においては、制御部材14の角度位置を示すために参照数字あるいは任意の他の表示を使用する必要がないので、制御部材14の位置は、自動的に実行されるロック設定についてドライバーを混乱させ得る矛盾した情報を反映しない。
【0073】
自動モードにおいては、車両の主回路(図示せず)がスイッチオフされたときに、あるいはドライバーが主回路をスイッチオフした後で原動機を再始動したときに、制御装置がデフォルト設定を自動的に実行するように構成することができる。そのようなデフォルト設定は、全ての差動装置6〜9がロック解除される設定(設定1)とすることができる。
【0074】
あるいは、制御装置17は、車両の主回路がスイッチオフされたときに、予め設定された期間の間は現在のロック設定を維持するように構成することができる。次いで、予め設定された期間の後で主回路がスイッチオンされたときに、制御装置17は、例えば全ての差動装置6〜9をロック解除できるデフォルト設定(設定1)を自動的に実行することができる。
【0075】
言い換えると、予め設定された期間内にユーザが主電気回路をスイッチオンしたときは差動装置のロック設定は不変のままであり、かつ予め設定された期間の後でユーザが主電気回路をスイッチオンしたときは制御装置17が差動ロック装置をデフォルト設定に制御する。
【0076】
従って本発明は、ユーザによって先に選択された差動装置のロック設定を一定の時間の間は制御装置17に保持できるようにする。この独創的なシステムは、車両の主電気回路が短い期間の間にスイッチオフされたときに特に有利であることが判る。予め設定された期間は5分と20分の間とすることができる。
【0077】
差動装置のロック設定が制御装置17によって自動的に変更されあるいは実行されるにもかかわらず、ドライバーは、以下に説明するように安全なやり方で実行することができるならば、自動的な選択を無効にして制御部材14の最後の位置に関わらず新しい差動装置のロック設定を選択することができる。
【0078】
このことは、制御部材の位置が現在実行されているロック設定とは無関係であることによって可能となる。更なる理由は、特許文献1に記載されているような、どの設定が実行されているかを示すために通常は使用される任意のマークあるいは参照指示から、本発明による制御部材が解放されていることにある。
【0079】
制御装置17はまた、制御部材によりユーザが手動で選択した新しいロック設定を安全なやり方で操作できない場合に、新しいロック設定の操作を拒絶するように構成することができる。例えば、30km/hとすることができる速度閾値に車速が達しあるいは超えた場合、制御装置17は全ての差動装置のロック(設定4)を拒絶することができる。
【0080】
本発明の他の変形例においては、車速、道路の種類(高速道路、補助道路、都市道路)、車両が走っている道路の傾斜およびカーブ、温度、その他といった、少なくとも一つの車両パラメータおよび/または一つの道路状態パラメータおよび/または一つの気象状態パラメータに応じて、新しい差動装置のロック設定を自動的に操作するべく制御装置17を構成することができる。
【0081】
車両がハイウェイ上にあるのか、都市交通内にあるのか、道路のカーブあるいは直線部分上にあるのか、あるいはそのような道路またはそのような部分にかかりそうであるかどうかを決定するために、制御装置は測位システムあるいはナビゲーションシステム18からデータを受信して処理することができる。
【0082】
このシステム1はまた、駆動輪の回転速度を測定するために車両に配置された回転速度センサを含むことができる。回転速度センサによって測定される速度データは、駆動輪の間の相対速度を決定するために向かい合わせの駆動輪の回転速度を比較する制御装置17に送信される。
【0083】
あるいは、回転速度センサによって測定された速度データは、本発明のシステムの制御装置とは異なる、車両の専用の制御装置に送信することもできる。この場合、その制御装置は、向かい合わせの駆動輪の回転速度を比較するとともに駆動輪の間の相対速度を決定する専用の制御装置である。
【0084】
専用の制御装置あるいは速度センサは、CANバス(Controller Area Network Bus)あるいはLINバス(Local Interconnect Network Bus)または車両の装備に応じた他の通信装置を介して、本発明のシステム1の制御装置17と通信することができる。
【0085】
制御装置17が専用コントローラにより直接的にまたは間接的に相対速度が予め定められた回転速度閾値を上回っていると決定した場合、車両の安全性および/またはその部品の耐久性を損なうことなしにロックすることができるならば、制御装置17は対応する差動装置をロックするために対応する差動ロック装置を自動制御することができる。
【0086】
上で説明したように、制御部材の現在の位置と現在実行されているロック設定との間には関係がない。そのため、自動モードにおいては、特許文献1に開示されているようにどの設定が作動しているかをその角度位置が決定する制御部材14の位置から生じ得る矛盾する情報によってドライバーを妨げることなしに、制御装置17は差動装置のロック設定を自動的に増加させ、減少させあるいは禁止することができる。
【0087】
自動モードは、制御装置17によって自動的に起動しかつ停止することができ、又は例えば専用のプッシュあるいはスイッチボタンを使用することができ、あるいは第1の制御部材の中央に配置することができるとともに第1の制御部材14の回転とは異なる動きにしたがって移動可能な追加の制御部材19を使用することができるドライバーによって手動で起動しおよび停止することができる。
【0088】
上述したように、このシステムには、好ましくは第1の制御部材14(
図2参照)の中心に配置されるとともに第1の制御部材14とは異なる方向にしたがって移動可能な第2の制御部材19を設けることができる。
【0089】
自動モードを手動で起動させあるいは停止させるために使用することに代えて、この第2の制御部材は、手動による一つの動作によって予め定められたロック設定を直接的に実行するために使用する押しボタン19とすることができる。例えば、押しボタンの起動は全ての差動装置をロック解除することができる。この押しボタン19は、第1の制御部材14の回転軸X〜X′に沿って平行に移動可能であるとともに休止位置と押圧された位置との間で移動可能である。プッシュボタン19の中央配置は特に有利な配置である。緊急事態が生じた場合に、ドライバーが全ての差動装置を直観的にかつ自然発生的にロック解除できるようにするからである。そのような非常事態は、道路状態または気象状態の予想外の悪化の場合に発生し得る。この実施形態において、第2の制御部材19は、差動装置のロック設定の先の全ての選択を無効にできる緊急押しボタンとして使用される。
【0090】
第2の制御部材19はまた、第1の制御部材14を回転方向にロックしあるいはロック解除するために、または制御部材14の如何なる回転をも無視するべく制御部材14の回転を物理的にまたは論理的にエンコーダ16から分離するために使用することができる。この利点により、制御部材14がドライバーにより誤ってあるいは思いがけないやり方で操作されたときには、新しいロック設定の実行を回避することができる。
【0091】
自動モードを手動で起動させあるいは停止させるためにすでに使用している同じプッシュボタン(第2の制御部材19)は、休止位置と押圧された位置との間に少なくとも中間位置を設けることにより、第1の制御部材14の回転をロックしかつロック解除するために使用することができる。この場合、第2の制御部材19は2つの異なる機能を作動させることができるとともに、制御部材19の中間位置は第1の制御部材14を回転方向にロックするために使用される。
【0092】
異なる実施形態において、第1の制御部材14の中心および/または第2の制御部材19の上に配置することができる第3の制御部材(図示せず)を、第1の制御部材14の回転をロックしかつロック解除するために使用することができる。この第3の制御部材は、第1および第2の制御部材14、19の起動動きに比較すると異なる起動動きによって操作することができる。
【0093】
他の実施形態において、第1の制御部材14の回転をロックしかつロック解除するためにまたは更なる機能を作動させるために、第1の制御部材14は、第1の制御部材14の例えば垂直方向あるいは水平方向の動きとすることができるX〜X′軸に沿った第2の起動動きにしたがって移動可能である。
【0094】
本発明の更なる利点は、差動装置のロック設定がドライバーによって選択されたときに、制御部材14についての視覚的な制御が必要でないことである。従って、制御部材14はドライバーの視覚の範囲内に配置する必要がない。ドライバーの視野の内側に制御部材14を配置することが多くの場合困難であるので、それは有利である。
【0095】
選択的に、各差動装置6〜9のロックまたはロック解除状態をドライバーに知らせるために、車両のダッシュボード15上に配置された表示装置20(
図1)に制御装置20を接続することができる。この表示装置20は、専用の装置としあるいは車両の現在のディスプレイ装置を使用することができる。好ましくは、ディスプレイ装置は、同時に道路上に集中しながら、差動装置6〜9のどれがロックされどれがロック解除されているかをドライバーが容易に確かめることができるように、ドライバーの視野の内側に配置される。
【0096】
よりユーザフレンドリーであるために、表示装置20は、車両の車軸及び差動装置の配置の模式的な表現21を使用することができる。この模式的な表現では、ロックされている差動装置は特定の色22(
図1では黒色)で現れることができ、かつロック解除された差動装置は他の色23(
図1では白色)で現れることができる。
【0097】
例えば、
図1の表示装置では、後側の差動装置7、8、9がロック状態にあるのに対し、前側の差動装置6がロック解除状態にあることがはっきりと見える。そのため、
図1の差動装置のロック設定は、上で詳述した設定3に対応している。
【0098】
またディスプレイ装置は、特有な光信号24、25により、システムが作動しているのがマニュアルモードなのか自動モードなのかを表示することができる。
【0099】
また制御装置17は車両のオーディオシステムに接続することができ、第1の制御部材14が予め設定された角度振幅にしたがって回転されたときに、差動装置のロック設定が増加したのか減少したのかを意味する音声信号を発することができる。
【0100】
本発明の変形例においては、制御装置17に接続されたヒューマンインタフェース(図示せず)により、許可された専門家は制御装置17に格納されているロック設定のリストを変更することができる。
【0101】
本発明の更なる変形例においては、予め定められたロック設定のいくつかの異なるリストを制御装置17の不揮発性メモリに格納することができる。この場合、各リストは、一方のリストから他方のリストへと異なる一組の設定に対応する。制御装置17は、少なくとも車両パラメータ及び/又は道路状態パラメータ及び/又は気象状態パラメータに応じ、どちらか一方のリストを自動的に実行することができる。
【0102】
例えば、制御装置17によって、車速度が低いとき(<30km/h)に第1のリストを実行することができるのに対し、車速が通常のときには第2のリストを実行することができる。
【0104】
第1のリストに予め定められている設定それ自体を第2のリストに定められている設定とは異なるものとし得ることが、表1に示されている実施形態から明らかに判る。言い換えると、第1のリストの設定は第2のリストと等しくないものとすることができる。
【0105】
各リストに予め定められている設定は、制御部材16における同一の連続した操作が同じロック設定を実行しないように、同じものではあるが各リストの間で順序が異なるものとすることができる。
【0106】
従って、制御装置17よって選択されるリストにより、制御部材14の引き続く回転は同じロック設定を実行しない。そのため、異なる状態下においても論理的なままでありかつドライバーにとって最適な順序でロック設定を実行することができる。
【0107】
他の変形例においては、制御装置の不揮発性メモリに一つのリストだけが格納される。制御装置17は、少なくとも車両パラメータおよび/または道路状態パラメータおよび/または気象状態パラメータに応じて適切なロック設定を選択するとともに、ドライバーが制御部材14を回転させるときに、ロック設定を実行する順序がドライバーにとって論理的な順序のままであるようにそれらを順序付ける。
【0108】
ここで理解されるべきことは、本発明が、非限定的な実施例として上に記載した実施形態には限定されず、それとは反対にその全ての実施形態を含むことである。