(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
(
本発明の前提となる技術)
以下、本発明の
前提となるプリント基板用作業装置の
一例を
図1〜6によって詳細に説明する。
ここではディスペンサについて説明する。ディスペンサとは、プリント基板に塗布液を塗布する装置をいう。塗布液は、クリーム半田や接着剤などである。クリーム半田は、電子部品の端子をプリント基板に実装するためのものである。接着剤は、電子部品のパッケージ部分をプリント基板に接着するためのものである。
【0012】
図1に示すプリント基板用作業装置1としてのディスペンサ2は、基台を構成するベース部材3に後述する各種の装置を搭載して構成されている。ベース部材3の上端部には、水平な支持面3aが形成されている。この上端部(支持面3a)は、板状の区画部材4によって構成されている。この明細書においては、
図1において左右方向をX方向といい、このX方向とは直交する水平方向をY方向という。また、
図1において下側(Y方向の一端側)を装置前側といい、
図1において上側(Y方向の他端側)を装置後側という。
【0013】
ベース部材3の上には、このベース部材3の上方を水平方向(X方向とY方向)および上方から覆うカバー部材5が設けられている。このカバー部材5は、ベース部材3の上に外部とは区画された作業空間6を形成するものである。
カバー部材5は、X方向の両端部に位置する第1の側壁5aおよび第2の側壁5bと、装置前側に位置する前壁5cと、装置後側に位置する後壁5dと、水平方向に延びる天井壁5eとによって構成されている。
前壁5cの一部と天井壁5eの一部は、開閉可能な一つの開閉扉7として形成されている。この開閉扉7は、天井壁部分の後端部を中心として上下方向に揺動し、開閉する。
カバー部材5の第1の側壁5aには、後述する送風装置8が設けられている。送風装置8は、後述するフィルタ9を備えている。
【0014】
ベース部材3の上には、プリント基板11を搬送したり保持するための基板搬送路12と、プリント基板11に塗布液を塗布するための塗布装置13とが設けられている。
この例においては、この
塗布装置13が「作業装置本体」に相当する。
基板搬送路12は、ベース部材3に支持された一対のコンベア14と、このコンベア14の近傍に設けられた基板保持装置(図示せず)とを備えている。コンベア14は、プリント基板11をベース部材3のX方向の一端側(
図1においては右端側)から他端側へ送るものである。コンベア14における搬送方向の上流側の端部は、カバー部材5の第2の側壁5bに形成された基板搬入口15を通して作業空間6の外に突出している。コンベア14における搬送方向の下流側の端部は、カバー部材5の第1の側壁5aに形成された基板搬出口16を通して作業空間6の外に突出している。基板保持装置は、コンベア14によってX方向の中央部に搬送されたプリント基板11をコンベア14から上昇させて保持する。この基板保持装置とコンベア14の動作は、後述する制御装置17(
図5参照)によって制御される。
【0015】
次に、塗布装置13の構成を
図1および
図2によって説明する。塗布装置13は、作業空間6で水平方向に移動するヘッドユニット21と、このヘッドユニット21に支持された二つの塗布ヘッド22などを備えている。ここでは先ず、ヘッドユニット21を支持しながら駆動する機構について説明する。
【0016】
ベース部材3のX方向の両端部には、コンベア14の上方でY方向に延びる固定レール23がそれぞれ設けられている。これらの固定レール23には、X方向に延びるヘッド支持部材24がY方向に移動自在に支持されている。また、一方の固定レール23には、ヘッド支持部材24を駆動するためのY方向駆動装置25が設けられている。
Y方向駆動装置25は、Y方向に延びるボールねじ軸26と、このボールねじ軸26を駆動するY軸サーボモータ27と、ボールねじ軸26に螺合した状態でヘッド支持部材24に固定されたボールねじナット28などを備えている。Y軸サーボモータ27の動作は、制御装置17によって制御される。
【0017】
ヘッド支持部材24は、後述する二つの塗布ヘッド22を有するヘッドユニット21と、このヘッドユニット21を駆動するためのX方向駆動装置31とを備えている。
ヘッドユニット21は、上述したヘッド支持部材24の装置前側の側面に設けられたX方向に延びるレール24a,24bに沿ってX方向へ移動自在に、ヘッド支持部材24に支持されたフレーム21aと、このフレーム21aに設けられた複数の部品とによって構成されている。このヘッドユニット21を駆動するX方向駆動装置31は、X方向に延びるボールねじ軸32と、このボールねじ軸32を駆動するX軸サーボモータ33と、ボールねじ軸32に螺合した状態でフレーム21aに固定されたボールねじナット34などを備えている。X軸サーボモータ33の動作は、制御装置17によって制御される。
すなわち、ヘッドユニット21は、X方向駆動装置31による駆動によってX方向に移動し、Y方向駆動装置25による駆動によってヘッド支持部材24とともにY方向に移動する。
【0018】
ヘッドユニット21のフレーム21aに支持された複数の部品とは、二つの塗布ヘッド22と、塗布ヘッド22毎の昇降装置35および回転装置36などである。
塗布ヘッド22は、
図2に示すように、上部に位置するシリンジ37と、下端部に位置する塗布ノズル38とを備えている。シリンジ37は、塗布液39(
図5参照)を貯留するものであり、
図5に示すように、圧縮空気を供給するエア供給源40に切替バルブ41を介して接続されている。
【0019】
塗布ノズル38は、塗布液39が下方に向けて流出するものである。塗布液39は、エア供給源40からシリンジ37に加圧空気が供給されることによって、シリンジ37から押し出されて塗布ノズル38から吐出される。
昇降装置35は、これらの塗布ヘッド22をフレーム21aに対してそれぞれ上下方向に移動させるものである。昇降装置35の動力源は、Z軸サーボモータ42(
図5参照)である。
【0020】
回転装置36は、これらの塗布ヘッド22を上下方向の軸線を中心として回転させるものである。回転装置36の動力源は、R軸サーボモータ43(
図5参照)である。Z軸サーボモータ42とR軸サーボモータ43の動作は、制御装置17によって制御される。
この塗布装置13においては、ヘッドユニット21が水平方向に移動し位置決めした後に塗布ヘッド22が下降し、この下降動作の停止の前後からシリンジ37に加圧空気が供給され、塗布ノズル38から流出した塗布液39がプリント基板11に塗布される。次に、所定時間の後、次の第1の動作と第2の動作とのうち、いずれか一方の動作が実施される。加圧空気の供給が停止されて塗布ヘッド22が上昇する(第1の動作)。塗布液39がプリント基板11に塗布されながら、ヘッドユニット21が所望の位置まで所望の軌跡を取りつつ水平方向に移動し、その後、加圧空気の供給が停止されて塗布ヘッド22が上昇する(第2の動作)。
また、塗布ヘッド22は、複数の吐出口(図示せず)を有する塗布ノズル38を使用する場合は、回転装置36による駆動によって必要に応じて回転位置決めする。
【0021】
カバー部材5に設けられている送風装置8は、作業空間6を含む空気通路51(
図1および
図2参照)に空気を送り込むためのもので
ある。空気通路51は、ベース部材3とカバー部材5との間に形成されている。すなわち、カバー部材5の第1の側壁5aに形成された空気入口52(
図4参照)からカバー部材5の空気出口までの作業空間6そのものが空気通路51となっている。
【0022】
空気出口は、基板搬入口15および基板搬出口16と、開閉扉7の隙間などによって形成されている。空気入口52は、カバー部材5に設けられている。この空気入口52は、上方から見て基板搬送路12と重ならない領域であって、基板搬送路12より高い領域内に位置
している。空気入口52の位置は、第2の側壁の上部であって、装置前側の端部である。その結果、空気入口52は、基板搬送路12が設けられていない方向(X方向)を指向している。
【0023】
送風装置8は、
図3および
図4に示すように、送風ファン53と保護用のファンガード54とを備えている。送風ファン53とファンガード54との間にはフィルタ9が設けられている。送風ファン53は、カバー部材5の第1の側壁5aの上部であって、装置前側に、空気がカバー部材5の外から中に向けて流れる状態で取付けられている。なお、送風ファン53の数量や送風ファン53を取付ける位置は、
この例に示す数、位置に限定されることはなく、適宜変更することができる。
【0024】
送風ファン53は、
図4に示すように、複数の羽根を有するファンモータ53aと、このファンモータ53aを支持するダクト部材53bとによって構成
されている。ダクト部材53bには風速センサ55が設けられている。送風ファン53は、プリント基板用作業装置1に電源投入されている間は常に回転する。この送風ファン53の動作は、制御装置17によって制御される。
【0025】
また、この送風ファン53は、ファンモータ53aが適正な回転数で回転することにより作業空間6の圧力が大気圧より高くなるものが用いられている。すなわち、送風装置8が運転されることにより、カバー部材5の外の空気が送風ファン53によって作業空間6に送り込まれ、この空気がカバー部材5の空気出口から流出する。
風速センサ55は、送風ファン53を通る空気の流速を計測し、データとして制御装置17に送る。
【0026】
フィルタ9は、作業空間6に送られる空気から埃を除去するためのものである。このフィルタ9は、送風ファン53の吸い込み口を覆う状態で送風ファン53に装着
されている。フィルタ9は、ダクト部材53bとファンガード54とに挟まれて保持されている。
フィルタ9は、粒径5〜10μm程度の埃(JIS15種ダスト)を捕捉できるものである。
ファンガード54は、フィルタ9の外面を覆う粗い網状に形成されており、ダクト部材54bとともに第1の側壁5aに取付けられている。
【0027】
フィルタ9は、長期間にわたって使用することにより目詰まりを起こす。フィルタ9が目詰まりを起こすと、送風ファン53を通過する空気の流速が低下するとともに空気の流量が減少し、作業空間6の圧力が大気圧に
近くなる。制御装置17は、警報装置56(
図5参照)が接続されており、送風装置8の風速センサ55によって計測された風速が予め定めた風速を下回ったときに警報を発生させる。すなわち、このディスペンサ2は、目詰まりが生じたフィルタ9の交換あるいは清掃を運転者に促すことができるものである。
【0028】
警報を発生させるときの風速は、これ以上の風速であれば作業空間6の圧力を正圧に維持できるものであり、例えば、フィルタ9の目詰まりの度合いが50%〜75%に達したときの風速とすることができる。フィルタ9を通過する空気の風速は、
図6に示すように、フィルタ9の目詰まりの度合いが50%を上回ることによって急速に減少する。このため、フィルタ9の目詰まりの度合いを50%以下に抑えることによって、風速の低下を防止し作業空間6の正圧を維持することができる。
【0029】
このように構成されたディスペンサ2によれば、フィルタ9によって埃が除去された空気が送風装置8によって作業空間6に送り込まれる。このため、作業空間6に外部から埃が入ることを防ぎながら、作業空間6の圧力を大気圧より高い正圧に加圧することができる。この結果、基板搬送路12上のプリント基板11や、塗布装置13あるいはコンベア14などの機械部品に埃が付着することを防止できる。
この例によるディスペンサ2は、プリント基板11や機械部品に埃が付着することがないために、作業精度を高く保つことができ、故障することなく正しく動作するものとなる。
【0030】
作業空間6の空気入口52を通過した空気は、作業空間6をX方向の他端側に向けて流れる。言い換えれば、この空気は、作業空間6を基板搬送路12を避けて流れる。このため、基板搬送路12上に位置するプリント基板11に風が当たることはなく、風の影響を受けることなくプリント基板11に塗布作業を正しく実施することができる。
【0031】
フィルタ9は、きわめて微細な埃を捕捉することはできないものである。この微細な埃は、空気とともにフィルタ9を透過して作業空間6に入る。一方、送風装置8によって作業空間6に送られた空気の流速は、空気が空気入口52を通して作業空間6内に流入することにより低下する。このため、フィルタ9を透過して空気に押されて作業空間6に混入した微細な埃は、作業空間6に入って空気の流速が低下することにより空気と分離し、落下する。このため、フィルタ9を透過した埃であってもプリント基板11に達することはない。
作業空間6の空気は、主に基板搬入口15および基板搬出口16を通過してカバー部材5の外に流出する。このため、作業空間6が換気され、作業空間6に高温の空気が滞留することはないから、作業空間6を常に低い温度に保つことができる。
【0032】
したがって、
この例によれば、作業空間6を正圧に加圧する送風装置8を用いて埃の侵入防止を図ることができるとともに、この送風装置8を用いて作業空間6を換気することができる。さらに、
この例によれば、送風装置8を用いているにもかかわらず、風による影響を受けることなくプリント基板11に塗布作業を正しく実施することができる。
なお、作業空間6内の所定の位置において空気流の影響を受けにくい向きに圧力センサ(図示せず)を設け、この圧力検知値が所定の正圧以上となるようにファンモータ53aを制御するとともに、ファンモータ53aの回転数が所定値以上となる場合に警報を発生させ、フィルタ9の交換あるいは清掃を運転者に促すようにしても良い。
【0033】
(
第1の実施の形態)
送風装置は、
図7〜
図10に示すように構成することができる。
図7〜
図10において、
図1〜
図6によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0034】
図7および
図8に示す送風装置8とフィルタ9は、カバー部材5の前壁5cにおけるX方向の一端部に設けられている。これにより、プリント基板用作業装置が実装ラインに組み込まれた状態において、プリント基板用作業装置の前側に位置する通路から送風装置8の点検保守およびフィルタ9の交換を容易に実施できる。この実施の形態によるカバー部材5の前壁5cには、
図9に示すように、空気入口52が形成されているとともに後述する空気ガイド61が設けられている。なお、送風装置8およびフィルタ9と空気ガイド61は、図示してはいないが、カバー部材5の後壁5dに設けることもできる。この場合は、プリント基板用作業装置が実装ラインに組み込まれた状態において、プリント基板用作業装置の後側に位置する通路から送風装置8の点検保守およびフィルタ9の交換を容易に実施できる。
【0035】
この実施の形態による空気入口52は、カバー部材5に設けられている。この空気入口52は、上方から見て基板搬送路12と重ならない領域であって、前記基板搬送路12より高い領域内に位置し、装置後側を指向して開口している。さらに、この実施の形態による前壁5cには、上述した空気ガイド61を設け、送風装置8によって作業空間6に送り込まれた空気の流れる方向を、空気入口52から基板搬送路12に向かう方向とは異なる方向に変えている。
【0036】
空気ガイド61は、空気が流れる溝を構成するもので、この溝の底となる1枚の屈曲した底板62と、この溝の両側壁となる一対の側板63,64とを備えている。底板62は、主面が上下方向を指向して水平に延びる基部62aと、主面が装置前側と装置後側とを指向して上方に延びる先端部62bと、基部62aと先端部62bとを接続する屈曲部62cとによって構成されている。このため、この空気ガイド61は、送風装置8によって作業空間6に送り込まれた空気の流れる方向を基板搬送路12の側方で水平方向から上方に変える。
【0037】
図10に示す送風装置8とフィルタ9は、カバー部材5の天井壁5eにおける装置後側の端部に設けられている。天井壁5eに送風装置8を設ける場合は、風がプリント基板11に当たることを防止しなければならない。このため、送風装置8とフィルタ9は、基板搬送路12の直上を避けて配置する必要がある。すなわち、送風装置8とフィルタ9は、装置前側の端部に配置したり、装置後側の端部と装置前側の端部の両方に配置する。
【0038】
この実施の形態によれば、空気が送風装置8によってカバー部材5の最上部内に供給される。このため、塗布装置13の熱で温められた空気がこの最上部内に溜まることを防ぐことができる。
したがって、この実施の形態を採ることにより、作業空間6を加圧する空気を利用してカバー部材5内を効率よく換気することが可能なディスペンサを提供することができる。
この実施の形態においては、送風装置8とフィルタ9をカバー部材5の一つの壁のみに設ける例を示した。しかし、送風装置8とフィルタ9は、カバー部材5の複数の壁に設けることができる。
【0039】
(
第2の実施の形態)
本発明は、
図11および
図12に示すように、電子部品実装装置に適用することができる。
図11および
図12において、
図1〜
図10によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0040】
図11および
図12に示す電子部品実装装置71は、ベース部材3の上に設けられた基板搬送路12と、後述する電子部品供給装置72と、複数の吸着ヘッド73を有する部品移動装置74などを備えている。これらの基板搬送路12と、電子部品供給装置72の部品供給部72aと、部品移動装置74は、カバー部材5の内部(作業空間6)に配置されている。この実施の形態においては、電子部品供給装置72と部品移動装置74が本発明でいう「作業装置本体」に相当する。
【0041】
電子部品供給装置72は、後述する吸着ヘッド73の移動可能な範囲内に電子部品75(
図12参照)を供給する。この電子部品供給装置72は、例えば複数のテープフィーダ76によって構成することができる。
部品移動装置74は、作業空間6で水平方向に移動するヘッドユニット77と、このヘッドユニット77に支持された複数の吸着ヘッド73などを備えている。ヘッドユニット77を支持しながらX方向およびY方向に移動駆動する機構は、
図1および
図2に示した塗布装置13のヘッドユニット21をX方向およびY方向に移動駆動する機構と同等のものである。このため、ヘッドユニット77をX方向およびY方向に移動駆動する機構については、
図1および
図2に示す機構と同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0042】
複数の吸着ヘッド73は、それぞれヘッドユニット21に昇降可能に支持されているとともに、上下方向の軸線を中心として回転可能に支持されている。吸着ヘッド73の下端部には、電子部品75を吸着するための吸着ノズル78が設けられている。
吸着ヘッド73は、部品移動装置74による駆動によって電子部品供給装置72の上方に移動し、その後、昇降して電子部品75を吸着する。そして、この吸着ヘッド73は、部品移動装置74による駆動によってプリント基板11の上方に移動し、その後、昇降して電子部品75をプリント基板11に実装する。
【0043】
この実施の形態による送風装置8とフィルタ9は、
第1の実施の形態(
図7〜
図10参照)と同様に、カバー部材5の前壁5cに設けられている。前壁5cには、
図9に示した空気ガイドと同等の空気ガイド61が設けられている。これにより、電子部品実装装置71が実装ラインに組み込まれた状態において、電子部品実装装置71の前側に位置する通路から送風装置8の点検保守およびフィルタ9の交換を容易に実施できる。
なお、送風装置8とフィルタ9は、
図11および
図12中に二点鎖線で示すように、カバー部材5の第1の側壁5aや天井壁5eに設けることができるし、図示してはいないが、カバー部材5の後壁5d、第2の側壁5b、あるいはカバー部材5の複数の壁に設けることができる。
【0044】
この実施の形態に示す電子部品実装装置71においては、フィルタ9で埃が除去された空気を送風装置8がカバー部材5内に送り込むから、作業空間6が正圧になる。
したがって、この実施の形態によれば、作業空間6を正圧に加圧する送風装置8を用いて埃の侵入防止を図ることができる。また、この送風装置8を用いて作業空間6を換気することができる。さらに、送風装置8を用いているにもかかわらず、風による影響を受けることなくプリント基板11に実装作業を正しく実施することができる。
【0045】
(
第3の実施の形態)
図1〜
図10に示すディスペンサのベース部材と、
図11および
図12に示す電子部品実装装置のベース部材は、
図13および
図14に示すように構成することができる。
図13および
図14において、
図1〜
図12によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0046】
図13および
図14に示すベース部材3は、内部に収納空間81を有する箱状に形成されている。詳述すると、ベース部材3は、水平方向に延びる底板82と、装置前側で起立する前壁83と、装置後側で起立する後壁84と、X方向の一端部で起立する第1の側壁85と、X方向の他端部で起立する第2の側壁86とによって、上方に向けて開口する箱状に形成されている。
【0047】
ベース部材3の上端部に設けられている区画部材4は、収納空間81の上端の開口を覆い、収納空間81と作業空間6とを区画している。
区画部材4には、収納空間81と作業空間6とを連通する第1の連通孔87と第2の連通孔88とが形成されている。第1の連通孔87は、装置前側に位置付けられ、第2の連通孔88は装置後側に位置付けられている。第1の連通孔87と第2の連通孔88は、X方向において、ベース部材3の第1の側壁5aに近接する一方に偏る位置に設けられている。第1の連通孔87と第2の連通孔88の中には、作業空間から収納空間に異物が落下することを防ぐために網部材87a,88aが設けられている。
【0048】
ベース部材3の中には、収納空間81内でX方向に延びる第1の仕切板89および第2の仕切板90と、これらの第1、第2の仕切板89,90の間でY方向に延びる第3の仕切板91とが設けられている。第1、第2の仕切板89,90は、ベース部材3のX方向の一端から他端まで延びている。第1の仕切板89とベース部材3の前壁83との間には、第1の気室92が形成されている。第2の仕切板90とベース部材3の後壁84との間には、第2の気室93が形成されている。
第1の連通孔87は、第1の気室92に開口している。第2の連通孔88は、第2の気室93に開口している。
【0049】
第1、第2の仕切板89,90には、それぞれ貫通穴94が形成されている。この貫通穴94は、第3の仕切板91よりX方向の一端側と他端側とにそれぞれ設けられている。
第3の仕切板91は、第1の気室92と第2の気室93との間の空間をX方向に並ぶ第3の気室95と第4の気室96とに区画している。これらの第3の気室95と第4の気室96は、それぞれ第1、第2の仕切板89,90の貫通穴94を介して第1の気室93と第2の気室93とに接続されている。
ベース部材3の第1の側壁85と、ベース部材3の第2の側壁86には、空気出口となる貫通穴97がそれぞれ形成されている。
【0050】
ベース部材3の収納空間81には、詳細は後述するが、熱を発生する複数の電気機器が配置されている。これらの電気機器は、第1〜第3の仕切板89〜91によって形成された各気室(第1の気室92、第2の気室93、第3の気室95および第4の気室96)にそれぞれ配置されている。
第3の気室95には、作業装置本体(塗布装置13や部品移動装置74)やコンベア14などの各種装置の動作を制御するための制御装置17が配置されている。
第4の気室96には、第1のトランス98が配置されている。第1の気室92には、第2のトランス99が配置されている。第2の気室93には、制御系の電源となる電源装置100が配置されている。
【0051】
この実施の形態を採る場合の送風装置8は、
第1および第2の実施の形態の送風装置8と比べると、風量が多くなる構成が採られている。すなわち、この実施の形態による送風装置8は、
図14に示すように、複数の送風ファン53を用いて構成されている。このように風量が増大することによって、作業空間6と収納空間81とをそれぞれ大気圧より高い正圧に保つことが可能になる。この実施の形態による空気通路51は、作業空間6と、第1、第2の連通孔87,88と、収納空間81とによって構成されている。
【0052】
この実施の形態によるベース部材3を備えたプリント基板用作業装置1においては、送風装置8によってカバー部材5内の作業空間6に送り込まれた空気は、主に基板搬入口15と基板搬出口16とを通ってカバー部材5の外に排出される。また、作業空間6に送り込まれた空気の一部は、作業空間6から搬入口15および基板搬出口16へ流れる空気流から分流し、第1、第2の連通孔87,88を通って収納空間81の第1の気室92および第2の気室93に流入する。第1の気室92と第2の気室93に流入した空気の一部は、第1、第2の仕切板89,90の貫通穴94を通って第3の気室95に流入する。第3の気室95に流入した空気は、第3の気室95から第1の側壁85の貫通穴97を通ってベース部材3の外に流出する。第3の気室95には制御装置17が配置されている。このため、制御装置17は、第3の気室95を流れる空気によって冷却される。
【0053】
第1の気室92に流入した空気の残部は、第1の気室92内をX方向に流れ、第1の仕切板89に形成された貫通穴94を通って第4の気室96に流入する。第1の気室92には、第2のトランス99が配置されている。このため、第2のトランス99は、第1の気室92を流れる空気によって冷却される。
第2の気室93に流入した空気の残部は、第2の気室93内をX方向に流れ、第2の仕切板90に形成された貫通穴94を通って第4の気室96に流入する。第2の気室93には、電源装置100が配置されている。このため、この電源装置100は、第2の気室93を流れる空気によって冷却される。
第4の気室96に流入した空気は、第2の側壁86に形成された貫通穴97からベース部材3の外に流出する。第4の気室96には、第1のトランス98が配置されている。このため、第1のトランス98は、第4の気室96を流れる空気によって冷却される。
【0054】
この実施の形態においては、送風装置8によって作業空間6に送り込まれた空気の一部は、第1、第2の連通孔87,88を通ることで分岐して収納空間81に流入し、この収納空間81から外部に排出される。このため、この実施の形態によるプリント基板用作業装置1は、カバー部材5内とベース部材3内とをそれぞれ正圧に加圧した状態で換気することが可能なものとなる。
したがって、この実施の形態によれば、埃が外から侵入することを防ぎながら、作業装置本体と電気機器の両方を空気によって冷却することが可能なプリント基板用作業装置を提供することができる。
【0055】
この実施の形態による区画部材4は、平板状に形成されており、作業装置本体の下で水平方向に延びている。このため、ベース部材3をディスペンサ2に用いる場合は、塗布液39がベース部材3の中に落下することを区画部材4によって防止することができる。また、ベース部材3を電子部品実装装置に用いる場合には、吸着ノズル73による吸着において吸着不良が発生した電子部品75が、ヘッドユニット21の移動中にベース部材3の中に落下することを区画部材4によって防止することができる。
【0056】
したがって、この実施の形態によるベース部材3を使用することによって、収納空間81に収容された電気機器に塗布液39が滴下されたり、電子部品75が入ることがないから、動作の信頼性が高い、さらには落下電子部品75の回収のし易いプリント基板用作業装置を提供することができる。なお、この実施の形態に示すベース部材3と区画部材4は、X方向を搬送方向とするコンベア14に対して、上方から見て反時計方向に90度回転させて形成することができる。この構成を採る場合においても、第1、第2の連通孔87,88は、上方から見て基板搬送路12と重ならない領域内に位置付けられる。
【0057】
(
第4の実施の形態)
図1〜
図10に示すディスペンサのベース部材と、
図11および
図12に示す電子部品実装装置のベース部材は、
図15および
図16に示すように構成することができる。
図15および
図16において、
図1〜
図14によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0058】
この実施の形態においても、送風装置8によって作業空間6に送り込まれた空気の一部は、第1、第2の連通孔87,88を通ることで分岐して収納空間81に流入し、この収納空間81から外部に排出される。
図15および
図16に示すベース部材3は、収納空間81から外部に空気を排出する排気装置111を備えている。この排気装置111は、ベース部材3の第2の側壁86に取付けられている。この実施の形態による排気装置111は、送風ファン112と、保護用のファンガード113とを備えている。
【0059】
第2の側壁86には貫通穴97が形成されている。送風ファン112は、この貫通穴97と対応する位置に、空気がベース部材3内から外に向けて流れる状態で取付けられている。送風ファン112は、プリント基板用作業装置1に電源投入されている間は常に回転する。この送風ファン112の動作は、制御装置17によって制御される。排気装置111の風量は、カバー部材に設けられた送風装置8の風量と比べて少なく、作業空間6および収納空間81の圧力が正圧に保たれる風量に設定されている。
【0060】
この実施の形態によるベース部材3の第1の側壁85は、貫通穴97が形成されていない平板状に形成されており、第3の仕切板91には第3、第4の気室95,96を連通する貫通穴91aが形成されている。ベース部材3の収納空間81には、第1、第2の連通孔87,88から排気装置111に至る空気通路下流部114が形成されている。この空気通路下流部114は、第1、第2の連通孔87,88から第1の気室92および第2の気室93に至り、ここから二つの流路に分岐している。
【0061】
一方の流路は、第1の気室92および第2の気室93から第3の気室95を通り、この第3の気室95から貫通穴91aと第4の気室96とを経て排気装置111に至るように形成されている。他方の流路は、第1の気室92および第2の気室93から直接第4の気室96を経て排気装置111に至るように形成されている。送風装置8によって作業空間6に送り込まれた空気から分岐し、第1、第2の連通孔87,88を通って収納空間81に流入した空気は、空気通路下流部114を通って排気装置111に導かれ、この排気装置111によってベース部材3の外に排出される。
【0062】
上述した空気通路下流部114には、制御装置17と、第1、第2のトランス98,99と、電源装置100とが配置されている。
このため、この実施の形態によれば、これらの電気機器が空気によって強制的に冷却されるプリント基板用作業装置を提供することができる。
なお、この実施の形態に示すベース部材3と区画部材4は、X方向を搬送方向とするコンベア14に対して、上方から見て反時計方向に90度回転させて形成することができる。この構成を採る場合においても、第1、第2の連通孔87,88は、上方から見て基板搬送路12と重ならない領域内に位置付けられる。この場合、排気装置111は、第2の側壁86とともにY方向後側に位置付けられる。このため、この実施の形態によるベース部材3を有するプリント基板用作業装置が実装ラインに組み込まれた状態において、プリント基板用作業装置の後側に位置する通路から排気装置111の点検保守を容易に実施できる。
【0063】
(
第1の参考例)
プリント基板用作業装置は、
図17〜
図19に示すように構成することができる。
図17〜
図19において、
図1〜
図14によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0064】
図17に示すプリント基板用作業装置1は、箱状を呈するベース部材3と、このベース部材3の区画部材4の上に設けられたカバー部材5と、カバー部材5内に設けられた基板搬送路12および塗布装置13などを備えたディスペンサ2である。この
参考例によるカバー部材5には、送風装置8は設けられていない。この
参考例による基板搬送路12と塗布装置13は、第1の実施の形態による基板搬送路12および塗布装置13と同等のものである。なお、このプリント基板用作業装置1は、塗布装置13の代わりに
図11および
図12に示した部品移動装置74を装備することによって、電子部品実装装置71になる。
【0065】
ベース部材3の区画部材4には、
図18および
図19に示すように、作業空間6と収納空間81とを連通する第1、第2の連通孔87,88が形成されている。これらの第1、第2の連通孔87,88は、前記ベース部材3の、上方から見て前記基板搬送路12と重ならない領域内に形成されている。この
参考例においては、これらの第1、第2の連通孔87,88に
よって、「空気入口」が構成されている。
また、区画部材4には、第1、第2の連通孔87,88の開口部分から上方に延びる筒状の空気ガイド115が設けられている。
【0066】
ベース部材3の中には、第1〜第3の仕切板89〜91が設けられており、第1の気室92と、第2の気室93と、第3、第4の気室95,96とからなる収納空間81が形成されている。
第3の気室95には制御装置17が配置されている。第4の気室96には第1のトランス98が配置されている。第1の気室92には第2のトランス99が配置されている。第2の気室93には電源装置100が配置されている。
【0067】
ベース部材3の第1の側壁85のうち、第3の気室95に接する部分には、送風装置8とフィルタ9とが設けられている。この送風装置8は、収納空間81と作業空間6の両方が大気圧より高い正圧に保たれる量の空気を収納空間81の第3の気室95に送り込む。この
参考例による送風装置8は、複数(3台)の送風ファン53と、送風ファン53毎の保護用のファンガード54とを備えている。フィルタ9は、送風ファン53毎に設けられている。各送風ファン53は、第1の側壁85に形成された複数の貫通穴97と対応する位置に空気が貫通穴97を通して収納空間81へ送られる状態で取り付けられている。
【0068】
3台の送風ファン53は、Y方向に並べられている。この
参考例による送風装置8の風速センサ55は、これらの3台の送風ファン53のうち、中央に位置する送風ファン53にのみ設けられている。
ベース部材3の第2の側壁86には、空気出口の一つとなる貫通穴97が形成されている。
この
参考例による空気通路51は、収納空間81と、第1、第2の連通孔87,88と、作業空間6とによって構成されている。この空気通路51において空気は、送風装置8によって収納空間81の第3の気室95に送り込まれ、この空気の半分が第3の気室95から第1の気室92へ流れ、この内の一部が第1の気室92から第4の気室96へ流れる。
【0069】
そして、第3の気室95に送り込まれた空気の半分が第3の気室95から第2の気室93へ流れ、この内の一部が第2の気室93から第4の気室96へ流れる。これら第1の気室92を経た空気と第2の気室93を経た空気とが合流して第2の側壁86の貫通穴97を通って流出する。一方、第3の気室95から第1の気室92へ流れた空気の一部は、第1の連通孔87を通って作業空間6に流入する。第3の気室95から第2の気室93へ流れた空気の一部は、第2の連通孔88を通って作業空間6に流入する。すなわち、第1、第2の連通孔87、88は、収納空間81を経た外部の空気を作業空間6に
送り込む空気入口となっている。そして、作業空間6に流入した空気は、主に基板搬入口15と基板搬出口16とを通ってカバー部材5の外に排出される。
【0070】
このため、この
参考例によるプリント基板用作業装置1は、カバー部材5内とベース部材3内とをそれぞれ正圧に加圧した状態で換気することが可能なものとなる。
したがって、この
参考例によれば、埃が外から侵入することを防ぎながら、作業装置本体と電気機器の両方を空気によって冷却することが可能なプリント基板用作業装置を提供することができる。
特に、この
参考例によれば、外部から収納空間81に直接流入した空気によって電気機器を冷却できるから、電気機器を効率よく冷却することが可能になる。
【0071】
なお、この
参考例に示すベース部材3と区画部材4は、X方向を搬送方向とするコンベア14に対して、上方から見て反時計方向に90度回転させて形成することができる。この構成を採る場合においても、第1、第2の連通孔87,88は、上方から見て基板搬送路12と重ならない領域内に位置付けられる。この場合、送風装置8は、第1の側壁85とともにY方向前側に位置付けられる。このため、プリント基板用作業装置が実装ラインに組み込まれた状態において、プリント基板用作業装置の前側に位置する通路から送風装置8の点検保守およびフィルタ9の交換を容易に実施できる。
【0072】
(
第2の参考例)
ベース部材に送風装置とフィルタとを設ける場合は、
図20および
図21に示すように、排気装置を装備することができる。
図20および
図21において、
図1〜
図19によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0073】
図20および
図21に示すベース部材3は、第1の側壁85のうち第3の気室95に接する部分に、送風装置8とフィルタ9とが設けられているとともに、第2の側壁86のうち第4の気室96に接する部分に、収納空間81から外部に空気を排出する排気装置111を備えている。この排気装置111は、Y方向に並ぶ複数(2台)の送風ファン112と、送風ファン毎の保護用のファンガード113とを備えている。送風ファン112は、空気が収納空間81からベース部材3の外に向けて流れる状態で第2の側壁86に取付けられている。
この排気装置111の2機の風量は、送風装置8の3機の風量と比べて少なく、作業空間6と収納空間81の圧力が正圧に保たれる量に設定されている。
【0074】
ベース部材3内の収納空間81には、第1〜第3の仕切板89〜91によって、送風装置8から排気装置111に至る空気通路主流部116が形成されている。制御装置17と、第1、第2のトランス98,99と、電源装置100は、この空気通路主流部116に配置されている。
この
参考例においては、第1〜第3の仕切板89〜91に
よって、「ガイド部材」が構成されている。
【0075】
第1、第2の連通孔87,88は、空気通路主流部116に開口している。このため、空気通路主流部116を流れる空気の一部が第1、第2の連通孔87,88を通って分岐し、作業空間6に送り込まれる。すなわち、第1、第の2連通孔87、88は、収納空間81を経た外部の空気を作業空間6に
送り込む空気入口となっている。分岐後の残部の空気は、空気通路主流部116を流れ下り、排気装置111によってベース部材3の外に排出される。この
参考例においても電気機器が空気通路主流部116に配置されているから、外部から収納空間81に直接流入した空気によって電気機器が強制的に冷却される。この結果、この
参考例によれば、電気機器をより一層効率よく冷却可能なプリント基板用作業装置を提供することができる。
【0076】
なお、この
参考例において、カバー部材5にさらに不図示の排気装置を追加的に設けても良い。この排気装置の風量に排気装置111の2機の風量を加えた風量は、送風装置8の3機の風量と比べて少なくする。
なお、この
参考例に示すベース部材3と区画部材4は、X方向を搬送方向とするコンベア14に対して、上方から見て反時計方向に90度回転させて形成することができる。この構成を採る場合においても、第1、第2の連通孔87,88は、上方から見て基板搬送路12と重ならない領域内に位置付けられる。この場合、送風装置8は、第1の側壁85とともにY方向前側に位置付けられ、排気装置111は、第2の側壁86とともにY方向後側に位置付けられる。このため、プリント基板用作業装置が実装ラインに組み込まれた状態において、プリント基板用作業装置の前側に位置する通路から送風装置8の点検保守およびフィルタ9の交換を容易に行え、プリント基板用作業装置の後側に位置する通路から排気装置111の点検保守を容易に実施できる。
【0077】
(
第3の参考例)
ベース部材に送風装置と排気装置とを設ける場合は、
図22および
図23に示す構成を採ることができる。
図22および
図23において、
図1〜
図19によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0078】
この
参考例による送風装置8は、ベース部材3の後壁84に設けられている。排気装置111は、ベース部材3の前壁83に設けられている。このため、収納空間81には、第2の気室93から第3、第4の気室95,96を経て第1の気室92に至る空気通路主流部116が形成されている。そして、排気装置111の2機の風量は、送風装置8の3機の風量と比べて少なく、作業空間6と収納空間81の圧力が正圧に保たれる量に設定されている。
【0079】
この
参考例による第1の連通孔87は、空気通路主流部116の下流域に開口している。第2の連通孔88は、空気通路主流部116の上流域に開口している。この
参考例においては、第1の連通孔87に
よって、「下流側連通孔」が構成されている。また、この
参考例においては、第2の連通孔88に
よって、「上流側連通孔」が構成されている。
【0080】
この
参考例によれば、収納空間81に流入した外部の空気の一部は、第2の気室93から温度が相対的に低い状態のまま第2の連通孔88(上流側連通孔)を通過し、空気通路主流部116から分岐して作業空間6に流入する。すなわち、第の2連通孔88は、収納空間81を経た外部の空気を作業空間6に
送り込む空気入口となっている。また、作業空間6で温度が上昇した空気の一部は、第1の連通孔87(下流側連通孔)を通って収納空間81(空気通路主流部116の下流域)に戻る。空気通路主流部116の下流域に導かれた空気は、排気装置111によってベース部材3の外に排出される。
【0081】
このため、ベース部材3に送風装置8が設けられているにもかかわらず、作業空間6に相対的に温度が低い空気を送り込むことができる。したがって、この
参考例によれば、収納空間81内の電気機器と、作業空間6内の作業装置本体や基板搬送路12のコンベア14などの装置をそれぞれ空気で効率よく冷却することが可能なプリント基板用作業装置を提供することができる。
また、送風装置8は、ベース部材3の後壁84に設けられているので、プリント基板用作業装置が実装ラインに組み込まれた状態において、プリント基板用作業装置の後側に位置する通路から送風装置8の点検保守およびフィルタ9の交換を容易に実施できる。さらに、排気装置111は、ベース部材3の前壁83に設けられているので、プリント基板用作業装置が実装ラインに組み込まれた状態において、プリント基板用作業装置の前側に位置する通路から排気装置111の点検保守を容易に実施できる。
【0082】
なお、この
参考例において、カバー部材5にさらに不図示の排気装置を追加的に設けても良い。この排気装置の風量は、排気装置111の2機の風量と比べて少なくするとともに、全ての排気装置の風量を加えた風量は、送風装置8の3機の風量と比べて少なくする。
また、この
参考例に示すベース部材3と区画部材4は、X方向を搬送方向とするコンベア14に対して、上方から見て反時計方向に90度回転させて形成することができる。この構成を採る場合においても、第1、第2の連通孔87,88は、上方から見て基板搬送路12と重ならない領域内に位置付けられる。
【0083】
(
第4の参考例)
ベース部材に送風装置を設ける場合は、
図24に示すように、カバー部材に排気装置を設けることができる。
図24において、
図1〜
図19によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0084】
図24に示すカバー部材5は、排気装置111を備えている。排気装置111は、複数(2台)の送風ファン112と、送風ファン毎の保護用ファンガード113とを備え、ベース部材3の天井壁5eに取付けられている。送風ファン112が取付けられる位置は、天井壁5eにおけるY方向の中央部である。排気装置111の風量は、送風装置8の風量と比べて少なく、収納空間81と作業空間6の圧力が正圧に保たれる量に設定されている。
【0085】
この
参考例による送風装置8とフィルタ9は、ベース部材3の第1の側壁85と第2の側壁86とにそれぞれ設けられている。各送風装置8は、1台の送風ファン53と、保護用のファンガード54とを備えている。フィルタ9は、送風ファン53とファンガード54との間に保持されている。この
参考例においては、二つの送風装置8の両方に風速センサ55が設けられている。
【0086】
この
参考例において、二つの送風装置8から入った空気は、収納空間81内の空気通路上流部117を通り、第1、第2の連通孔87,88を介して直列に連結される作業空間6に第1、第2の連通孔87,88を通って流入する。すなわち、第1、第の2連通孔87、88は、収納空間81を経た外部の空気を作業空間6に
送り込む空気入口となっている。このように第1、第2の連通孔87,88を通って作業空間6に入った空気は、作業空間6を含む空気通路下流部118を経て、排気装置111によってカバー部材5の外に排出される。
【0087】
この
参考例によれば、排気装置111によってカバー部材5内の換気が促進されるから、作業装置本体や基板搬送路12のコンベア14などの装置を空気によって確実に冷却することができる。
この
参考例に示すようにベース部材3とカバー部材5の両方に送風ファン(送風ファン53,112)が装備される場合は、送風ファンとして正転と逆転とを切替可能なものを用いることができる。
【0088】
正転と逆転とを切替可能な送風ファンを使用すると、送風装置8が排気装置111を兼ねるようになり、排気装置111が送風装置8を兼ねるようになる。すなわち、この
参考例に示す送風装置8と排気装置111の送風ファン53,112を逆転可能なものによって構成すると、排気装置111の送風ファン112を逆転させることによって、カバー部材5内に排気装置111によって外部の空気が送り込まれる。また、送風装置8の送風ファン53を逆転させることによって、ベース部材3内から送風装置8によって空気が排出される。なお、排気装置111の送風ファン112を逆転させる場合は、排気装置111にフィルタ9を装着する必要があるし、排気装置111の風量を送風装置8の風量より多くする必要がある。風量を変化させるためには、送風ファンの稼働台数を変えたり、送風ファンの回転数を変えることによって実現できる。
【0089】
なお、この
参考例に示すベース部材3と区画部材4は、X方向を搬送方向とするコンベア14に対して、上方から見て反時計方向に90度回転させて形成することができる。この構成を採る場合においても、第1、第2の連通孔87,88は、上方から見て基板搬送路12と重ならない領域内に位置付けられる。この場合、第1の側壁85に設けられた送風装置8はY方向前側に位置付けられ、第2の側壁86に設けられた送風装置8はY方向後側に位置付けられる。このため、プリント基板用作業装置が実装ラインに組み込まれた状態において、プリント基板用作業装置の前側に位置する通路と、プリント基板用作業装置の後側に位置する通路とからそれぞれ送風装置8の点検保守およびフィルタ9の交換を容易に実施できる。
【0090】
(
第5の参考例)
ベース部材は、
図25に示す構成を採ることができる。
図25において、
図1〜
図23によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0091】
図25に示すベース部材3と区画部材4は、
図22および
図23に示した
参考例によるベース部材3およびベース部材4において、後述する第1の構成と第2の構成とを採用したものである。第1の構成は、ベース部材3および区画部材4が、この区画部材4の上に搭載されている装置(コンベア14を有する基板搬送路12と塗布装置13など)およびカバー5に対して、上方から見て反時計方向に90度回転されていることである。この
参考例を採る場合のカバー部材5の形状は、上方から見てベース部材3および区画部材4と一致する形状に形成されている。このカバー部材5の開閉扉7は、上述した各実施の形態と同様に、Y方向前側に位置付けられている。
【0092】
第2の構成は、第1、第2の連通孔87,88の位置が、上述したように回転されたベース部材3の前端縁(
図25において下側となる装置前側の端縁)に近付けられていることである。すなわち、この
参考例においても、第1、第2の連通孔87,88は、上方から見て基板搬送路12と重ならない領域内に形成されている。
【0093】
なお、ベース部材3と区画部材4とを90度回転させる以前の前壁83、後壁84、第1の側壁85および第2の側壁86は、本
参考例においては、それぞれ、第2の側壁124、第1の側壁123、前壁121、および後壁122となる。これらの前壁121と、後壁122と、第1の側壁123および第2の側壁124は、それぞれベース部材3に対して分解可能にボルト(図示せず)で組付けられている。この
参考例によるプリント基板用作業装置1は、前壁121が通路(図示せず)側に位置する状態で実装ライン(図示せず)に組み込まれる。
【0094】
このため、前壁121をベース部材3から取り外すことによって、通路側から制御装置17の点検保守を容易に行うことができる。
また、後の通路側となる項壁122をベース部材3から取り外すことによって、第1のトランス98の点検保守と、後壁122に近い部位に配置された第2のトランス99および電源装置100の点検保守を容易に行うことができる。
【0095】
なお、
図13および
図14に示す第4の実施形態、
図11および
図12に示す第5の実施形態、
図17〜
図19に示す
第1の参考例、
図20および
図21に示す
第2の参考例、
図22および
図23に示す
第3の参考例、および
図24に示す
第4の参考例において、それぞれベース部材3と区画部材4は、X方向を搬送方向とするコンベア14に対して、上方から見て反時計方向に90度回転させて形成することができる。上方から見て反時計方向に90度の回転によりY方向前側となる第1の側壁85と、およびY方向後側となる第2の側壁86とは、それぞれベース部材3に対して分解可能にボルト(図示せず)で組付けられている。
【0096】
このため、この場合は、Y方向前側となる第1の側壁85をベース部材3から取り外すことによって、プリント基板用作業装置の前側に位置する通路から制御装置17の点検保守を容易に行うことができる。また、Y方向後側となる第2の側壁86を排気装置111とともにベース部材3から取り外すことによって、プリント基板用作業装置の後側に位置する通路から第1のトランス98の点検保守と、第2の側壁86に近い部位に配置された第2のトランス99および電源装置100の点検保守を容易に行うことができる。
【0097】
上述した実施の形態においては、本発明をディスペンサと電子部品実装装置に適用した例を示した。しかし、本発明は、プリント基板にクリーム半田をスクリーン印刷法によって塗布するスクリーン印刷機にも適用可能である。