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特許6012900入力方法、装置、プログラム、及び記録媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012900
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】入力方法、装置、プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0488 20130101AFI20161011BHJP
   G06F 3/0354 20130101ALI20161011BHJP
   G06F 3/023 20060101ALI20161011BHJP
   H03M 11/04 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   G06F3/0488 160
   G06F3/0354 452
   G06F3/023 310L
【請求項の数】16
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2016-503536(P2016-503536)
(86)(22)【出願日】2014年8月14日
(65)【公表番号】特表2016-517099(P2016-517099A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(86)【国際出願番号】CN2014084359
(87)【国際公開番号】WO2015123971
(87)【国際公開日】20150827
【審査請求日】2014年10月8日
(31)【優先権主張番号】201410063114.0
(32)【優先日】2014年2月22日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513224180
【氏名又は名称】小米科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Xiaomi Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 旭
【審査官】 間野 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−108683(JP,A)
【文献】 特開平10−63424(JP,A)
【文献】 特開2011−159089(JP,A)
【文献】 特開2013−84144(JP,A)
【文献】 特表2013−539871(JP,A)
【文献】 特開平10−232735(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/075197(WO,A2)
【文献】 国際公開第2012/070682(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048−3/0489
G06F 3/02−3/027
G06F 3/03−3/039
G06F 3/041−3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンを備える電子機器に適用される入力方法であって、
前記タッチスクリーンに作用するタッチ信号を受信するステップと、
前記タッチ信号に基づいて対象手のひらの各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するステップと、
各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を、前記指に対応する基本キーの基本キー位置として構築するステップと、
各指に対応する基本キーの基本キー位置と各指に対応する他のキーの他のキー位置との間の所定配列方式、前記対象手のひらの手のひら根元部と各指との間の天然的な位置関係、前記対象手のひらの手のひら根元部と各指との間の極限の位置関係に基づいて、各指に対応する基本キー位置と他のキー位置との間の相対位置を構築するステップと、
前記タッチスクリーンに作用するクリック信号を受信するステップと、
前記クリック信号に基づいて対象のタッチ位置を確定するステップと、
前記対象指の初期位置と前記タッチ位置との間の変位、前記初期位置にある前記対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および前記基本キー位置と前記対象指に対応する他のキーの他のキー位置との前記タッチスクリーンでの相対位置に基づいて、前記タッチ位置にある前記対象指に対応する対象キー位置を確定するステップと、
前記対象キー位置に対応する対象文字を入力するステップと、
を含み、
前記天然的な位置関係は、前記対象手のひらが自然で快適な状態で前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係であり、
前記極限の位置関係は、前記対象手のひらが完全に伸ばされた状態で、前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係であることを特徴とする、入力方法。
【請求項2】
対象手のひらの手のひら根元部のタッチスクリーンでの現在位置を取得するステップと、
手のひら根元部の現在位置と、電子機器がタッチ信号を受信したときの対象手のひらの手のひら根元部の開始位置が一致するか否かを検出するステップと
を含み、
前記対象キー位置を確定するステップは、検出の結果、一致する場合、前記対象指の初期位置と前記タッチ位置との間の変位、前記初期位置にある前記対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および前記基本キー位置と前記対象指に対応する他のキーの他のキー位置との前記タッチスクリーンでの相対位置に基づいて、前記タッチ位置にある前記対象指に対応する対象キー位置を確定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タッチ信号に基づいて対象手のひらの各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するステップは、
前記天然的な位置関係において掌紋を用いて手のひら根元部を標識し、かつ指紋を用いて各指を標識する場合、前記タッチ信号に基づいて前記手のひら根元部の掌紋を取得してから前記掌紋の前記タッチスクリーンでの開始位置を確定し、前記掌紋に対応する前記天然的な位置関係を取得し、前記掌紋の前記タッチスクリーンでの開始位置および前記天然的な位置関係に基づいて、各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するステップ、
または
前記天然的な位置関係および/または前記極限の位置関係において指紋を用いて各指を標識する場合、前記タッチ信号を受信した後、前記タッチ信号に基づいて各指紋を取得し、前記各指紋に基づいて各指を識別し、前記タッチ信号中の各指紋の位置に基づいて、各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するステップ
を含むことを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記対象指の初期位置と前記タッチ位置との間の変位、前記初期位置にある前記対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および前記基本キー位置と前記対象指に対応する他のキーの他のキー位置との前記タッチスクリーンでの相対位置に基づいて、前記タッチ位置にある前記対象指に対応する対象キー位置を確定するステップは
前記クリック信号を受信した後、前記対象指の指紋を取得するステップと、
前記対象指の指紋に基づいて前記対象指の初期位置を検索するステップと、
前記対象指の初期位置と前記タッチ位置との間の変位を計算するステップと、
前記変位、前記対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および前記基本キー位置と前記対象指に対応する他のキーの他のキー位置との前記タッチスクリーンでの相対位置に基づいて、前記タッチ位置にある前記対象指に対応する対象キー位置を確定するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記対象指の指紋に基づいて前記対象指の初期位置を検索するステップは、
前記対象指の指紋に基づいて前記天然的な位置関係を取得し、前記手のひら根元部の掌紋の前記タッチスクリーンでの開始位置、および前記天然的な位置関係に基づいて、前記対象指の指紋の初期位置を確定するステップ、
または
前記対象指の指紋に基づいて前記対象指の指紋の前記初期位置を直接検索するステップ、
を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係において掌紋を用いて手のひら根元部を標識する場合、前記タッチ信号を受信した後、前記手のひら根元部の掌紋を取得するステップと、
前記手のひら根元部の掌紋に基づいて、前記掌紋に対応する前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係が格納されているか否かを検出するステップと、
検出の結果、前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係が格納されていない場合、前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係を取得するステップとを、
さらに含むことを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係を取得するステップは、
前記対象手のひらを使用して自然で快適な状態で前記タッチスクリーンをタッチするようにユーザにヒントを与えるための第1のインタフェースに作用する第1のタッチ信号を受信し、前記第1のタッチ信号に基づいて、前記対象手のひらが自然で快適な状態で前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を確定し、前記第1のタッチ信号に基づいて確定された相対位置関係を、前記天然的な位置関係とするステップと、
前記対象手のひらを使用して完全に伸ばされた状態で前記タッチスクリーンをタッチするようにユーザにヒントを与えるための第2のインタフェースに作用する第2のタッチ信号を受信し、前記第2のタッチ信号に基づいて、前記対象手のひらが完全に伸ばされた状態で前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を確定し、前記第2のタッチ信号に基づいて確定された相対位置関係を、前記極限の位置関係とするステップと
を含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
タッチスクリーンを備える電子機器に適用される入力装置であって、
前記タッチスクリーンに作用するタッチ信号を受信するための第2の信号受信モジュールと、
前記第2の信号受信モジュールにより受信された前記タッチ信号に基づいて対象手のひらの各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するための初期位置確定モジュールと、
各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を、前記指に対応する基本キーの基本キー位置として構築するための基本キー位置構築モジュールと、
各指に対応する基本キーの基本キー位置と各指に対応する他のキーの他のキー位置との間の所定配列方式、前記対象手のひらの手のひら根元部と各指との間の天然的な位置関係、前記対象手のひらの手のひら根元部と各指との間の極限の位置関係に基づいて、各指に対応する基本キー位置と他のキー位置との間の相対位置を構築するための相対位置構築モジュールと、
前記タッチスクリーンに作用するクリック信号を受信するための第1の信号受信モジュールと、
前記第1の信号受信モジュールにより受信された前記クリック信号に基づいて対象指のタッチ位置を確定するためのタッチ位置確定モジュールと、
前記対象指の初期位置と前記タッチ位置との間の変位、前記初期位置にある前記対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および前記基本キー位置と前記対象指に対応する他のキーの他のキー位置との前記タッチスクリーンでの相対位置に基づいて、前記タッチ位置にある前記対象指に対応する対象キー位置を確定するためのキー位置確定モジュールと、
前記キー位置確定モジュールにより確定された前記対象キー位置に対応する対象文字を入力するための文字入力モジュールと、
を備え
前記天然的な位置関係は、前記対象手のひらが自然で快適な状態で前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係であり、
前記極限の位置関係は、前記対象手のひらが完全に伸ばされた状態で、前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係であることを特徴とする、入力装置。
【請求項9】
対象手のひらの手のひら根元部のタッチスクリーンでの現在位置を取得する現在位置取得モジュールと、
手のひら根元部の現在位置と、電子機器がタッチ信号を受信したときの対象手のひらの手のひら根元部の開始位置が一致するか否かを検出する位置検出モジュールと、
を備え、
前期キー位置確定モジュールは、検出の結果、一致する場合、前記対象指の初期位置と前記タッチ位置との間の変位、前記初期位置にある前記対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および前記基本キー位置と前記対象指に対応する他のキーの他のキー位置との前記タッチスクリーンでの相対位置に基づいて、前記タッチ位置にある前記対象指に対応する対象キー位置を確定することを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記初期位置確定モジュールは、
前記天然的な位置関係において掌紋を用いて手のひら根元部を標識し、かつ指紋を用いて各指を標識する場合、前記タッチ信号に基づいて前記手のひら根元部の掌紋を取得してから前記掌紋の前記タッチスクリーンでの開始位置を確定し、前記掌紋に対応する前記天然的な位置関係を取得し、前記掌紋の前記タッチスクリーンでの開始位置および前記天然的な位置関係に基づいて、各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するための第1の位置確定ユニット、
または
前記天然的な位置関係および/または前記極限の位置関係において指紋を用いて各指を標識する場合、前記タッチ信号を受信した後、前記タッチ信号に基づいて各指紋を取得し、前記各指紋に基づいて各指を識別し、前記タッチ信号中の各指紋の位置に基づいて、各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するための第2の位置確定ユニット
を備えることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記キー位置確定モジュールは、
前記クリック信号を受信した後、前記対象指の指紋を取得するための指紋取得ユニットと、
前記対象指の指紋に基づいて前記対象指の初期位置を検索するための初期位置検索ユニットと、
前記対象指の前記初期位置と前記タッチ位置との間の変位を計算するための変位計算ユニットと、
前記変位、前記対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および前記基本キー位置と前記対象指に対応する他のキーの他のキー位置との前記タッチスクリーンでの相対位置に基づいて、前記タッチ位置にある前記対象指に対応する対象キー位置を確定するためのキー位置確定ユニットと、
を備えることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記初期位置検索ユニットは、
前記対象指の指紋に基づいて前記天然的な位置関係を取得し、前記手のひら根元部の掌紋の前記タッチスクリーンでの開始位置、および前記天然的な位置関係に基づいて、前記対象指の指紋の初期位置を確定するための第1の検索サブユニット、
または
前記対象指の指紋に基づいて前記対象指の指紋の前記初期位置を直接検索するための第2の検索サブユニット
を備えることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係において掌紋を用いて手のひら根元部を標識する場合、前記タッチ信号を受信した後、前記手のひら根元部の掌紋を取得するための掌紋取得モジュールと、
前記掌紋取得モジュールにより取得された前記手のひら根元部の掌紋に基づいて前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係が格納されているか否かを検出するための関係検出モジュールと、
前記関係検出モジュールの検出の結果、前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係が格納されていない場合、前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係を取得するための関係取得モジュールとを、
さらに備えることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項14】
前記関係取得モジュールは、
前記対象手のひらを使用して自然で快適な状態で前記タッチスクリーンをタッチするようにユーザにヒントを与えるための第1のインタフェースに作用する第1のタッチ信号を受信し、前記第1のタッチ信号に基づいて、前記対象手のひらが自然で快適な状態で前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を確定し、前記第1のタッチ信号に基づいて確定された相対位置関係を、前記天然的な位置関係とするための第1の関係取得ユニットと、
前記対象手のひらを使用して完全に伸ばされた状態で前記タッチスクリーンをタッチするようにユーザにヒントを与えるための第2のインタフェースに作用する第2のタッチ信号を受信し、前記第2のタッチ信号に基づいて、前記対象手のひらが完全に伸ばされた状態で前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を確定し、前記第2のタッチ信号に基づいて確定された相対位置関係を、前記極限の位置関係とするための第2の関係取得ユニットと、
を備えることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
プロセッサに実行されることにより、請求項1から請求項7のいずれかに記載の入力方法を実現することを特徴とするプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムが記録された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【相互参照】
【0001】
本願は、出願番号が201410063114.0であって、出願日が2014年2月22日である中国特許出願に基づき優先権を主張し、当該中国特許出願のすべての内容を本願に援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、コンピュータ技術の分野に関し、特に入力方法装置、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
タッチスクリーン技術の急速な発展に伴い、タッチスクリーンは、すでに、スマートフォン、タブレットPCや電子書籍リーダーのような電子機器において一般的に使用される人間とコンピュータの相互作用の方式の1つになっている。
【0004】
ユーザは、電子機器を使用する過程において、常にタッチスクリーンを用いて電子機器にテキストを入力する必要がある。例えば、電子機器には、完全な物理的なキーボードにおける各文字のキー位置を含む予め設定された仮想キーボードが表示される。電子機器は、ユーザがあるキー位置をクリックしたクリック信号を受信し、クリック信号を受信した後、ユーザがクリックしたキー位置に対応する対象文字を入力する。
【0005】
本発明人は、本発明を実現する過程において、従来技術に少なくとも次の欠陥があることを見出した。
【0006】
仮想キーボードの場合、物理的なキーボードとは異なって、ユーザに対して、指の位置決めのためのヒントをフィードバックすることができないため、仮想キーボードにおけるユーザの両手の置き位置は正常に使用されるときの置き位置と偏差がある場合、ユーザは、その自身の置き位置が間違ったことを認識できないから、ユーザがタッチタイピングする場合、端末に入力された対象文字は、ユーザの入力したい文字ではない可能性がある。このため、上記入力方法の入力精度が比較的低くなる。さらに、実際において、入力ミスを避けるために、ユーザは、常に仮想キーボードを見る必要があるため、上記入力方法の入力速度が比較的遅くなる。
【発明の概要】
【0007】
上記従来技術における入力精度が比較的低くかつ入力速度が遅い問題を解決するために、本発明の実施例は、入力方法装置、プログラム、及び記録媒体を提供する。
【0008】
本発明の実施例の第1の態様によれば、タッチスクリーンを備える電子機器に適用される入力方法であって、
前記タッチスクリーンに作用するクリック信号を受信するステップと、
前記クリック信号対象に基づいて指のタッチ位置を確定するステップと、
前記対象指の初期位置と前記タッチ位置との間の変位、前記初期位置にある前記対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および前記基本キー位置と前記対象指に対応する他のキーの他のキー位置との前記タッチスクリーンでの相対位置に基づいて、前記タッチ位置にある前記対象指に対応する対象キー位置を確定するステップと、
前記対象キー位置に対応する対象文字を入力するステップと、を含む入力方法を提供する。
【0009】
選択的に、前記方法は、
前記タッチスクリーンに作用するタッチ信号を受信するステップと、
前記タッチ信号に基づいて、対象手のひらの各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するステップと、
各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を、前記指に対応する基本キーの基本キー位置として構築するステップと、
各指に対応する基本キーの基本キー位置と各指に対応する他のキーの他のキー位置との間の所定配列方式、前記対象手のひらの手のひら根元部と各指との間の天然的な位置関係、前記対象手のひらの手のひら根元部と各指との間の極限の位置関係に基づいて、各指に対応する基本キー位置と他のキー位置との間の相対位置を構築するステップと、を含み、
前記天然的な位置関係は、前記対象手のひらが自然で快適な状態で前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係であり、
前記極限の位置関係は、前記対象手のひらが完全に伸ばされた状態で、前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係である。
【0010】
選択的に、前記タッチ信号に基づいて対象手のひらの各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するステップは、
前記天然的な位置関係において掌紋を用いて手のひら根元部を標識し、かつ指紋を用いて各指を標識する場合、前記タッチ信号に基づいて前記手のひら根元部の掌紋を取得してから前記掌紋の前記タッチスクリーンでの開始位置を確定し、前記掌紋に対応する前記天然的な位置関係を取得し、前記掌紋の前記タッチスクリーンでの開始位置および前記天然的な位置関係に基づいて、各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するステップ、
または
前記天然的な位置関係および/または前記極限の位置関係において指紋を用いて各指を標識する場合、前記タッチ信号を受信した後、前記タッチ信号に基づいて各指紋を取得し、前記各指紋に基づいて各指を識別し、前記タッチ信号中の各指紋の位置に基づいて、各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するステップ
を含む。
【0011】
選択的に、前記対象指の初期位置と前記タッチ位置との間の変位、前記初期位置にある前記対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および前記基本キー位置と前記対象指に対応する他のキーの他のキー位置との前記タッチスクリーンでの相対位置に基づいて、前記タッチ位置にある前記対象指に対応する対象キー位置を確定するステップは、
前記クリック信号を受信した後、前記対象指の指紋を取得するステップと、
前記対象指の指紋に基づいて前記対象指の初期位置を検索するステップと、
前記対象指の初期位置と前記タッチ位置との間の変位を計算するステップと、
前記変位、前記対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および前記基本キー位置と前記対象指に対応する他のキーの他のキー位置との前記タッチスクリーンでの相対位置に基づいて、前記タッチ位置にある前記対象指に対応する対象キー位置を確定するステップと、を含む。
【0012】
選択的に、前記対象指の指紋に基づいて前記対象指の初期位置を検索するステップは、
前記対象指の指紋に基づいて前記天然的な位置関係を取得し、前記手のひら根元部の掌紋の前記タッチスクリーンでの開始位置、および前記天然的な位置関係に基づいて、前記対象指の指紋の初期位置を確定するステップ、
または
前記対象指の指紋に基づいて前記対象指の指紋の前記初期位置を直接検索するステップ、
を含む。
【0013】
選択的に、前記方法は、
前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係において掌紋を用いて手のひら根元部を標識する場合、前記タッチ信号を受信した後、前記手のひら根元部の掌紋を取得するステップと、
前記手のひら根元部の掌紋に基づいて、前記掌紋に対応する前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係が格納されているか否かを検出するステップと、
検出の結果、前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係が格納されていない場合、前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係を取得するステップとを、
さらに含む。
【0014】
選択的に、前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係を取得するステップは、
前記対象手のひらを使用して自然で快適な状態で前記タッチスクリーンをタッチするようにユーザにヒントを与えるための第1のインタフェースに作用する第1のタッチ信号を受信し、前記第1のタッチ信号に基づいて、前記対象手のひらが自然で快適な状態で前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を確定し、前記第1のタッチ信号に基づいて確定された相対位置関係を、前記天然的な位置関係とするステップと、
前記対象手のひらを使用して完全に伸ばされた状態で前記タッチスクリーンをタッチするようにユーザにヒントを与えるための第2のインタフェースに作用する第2のタッチ信号を受信し、前記第2のタッチ信号に基づいて、前記対象手のひらが完全に伸ばされた状態で前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を確定し、前記第2のタッチ信号に基づいて確定された相対位置関係を、前記極限の位置関係とするステップと、
を含む。
【0015】
本発明の実施例の第2の態様によれば、タッチスクリーンを備える電子機器に用いられるための入力装置であって、
前記タッチスクリーンに作用するクリック信号を受信するための第1の信号受信モジュールと、
前記第1の信号受信モジュールにより受信された前記クリック信号に基づいて対象指のタッチ位置を確定するためのタッチ位置確定モジュールと、
前記対象指の初期位置と前記タッチ位置との間の変位、前記初期位置にある前記対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および前記基本キー位置と前記対象指に対応する他のキーの他のキー位置との前記タッチスクリーンでの相対位置に基づいて、前記タッチ位置にある前記対象指に対応する対象キー位置を確定するためのキー位置確定モジュールと、
前記キー位置確定モジュールにより確定された前記対象キー位置に対応する対象文字を入力するための文字入力モジュールと、
を備える入力装置を提供する。
【0016】
選択的に、前記装置は、
前記タッチスクリーンに作用するタッチ信号を受信するための第2の信号受信モジュールと、
前記第2の信号受信モジュールにより受信された前記タッチ信号に基づいて対象手のひらの各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するための初期位置確定モジュールと、
各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を、前記指に対応する基本キーの基本キー位置として構築するための基本キー位置構築モジュールと、
各指に対応する基本キーの基本キー位置と各指に対応する他のキーの他のキー位置との間の所定配列方式、前記対象手のひらの手のひら根元部と各指との間の天然的な位置関係、前記対象手のひらの手のひら根元部と各指との間の極限の位置関係に基づいて、各指に対応する基本キー位置と他のキー位置との間の相対位置を構築するための相対位置構築モジュールとを、
さらに備え、
前記天然的な位置関係は、前記対象手のひらが自然で快適な状態で前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係であり、
前記極限の位置関係は、前記対象手のひらが完全に伸ばされた状態で、前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係である。
【0017】
選択的に、前記初期位置確定モジュールは、
前記天然的な位置関係において掌紋を用いて手のひら根元部を標識し、かつ指紋を用いて各指を標識する場合、前記タッチ信号に基づいて前記手のひら根元部の掌紋を取得してから前記掌紋の前記タッチスクリーンでの開始位置を確定し、前記掌紋に対応する前記天然的な位置関係を取得し、前記掌紋の前記タッチスクリーンでの開始位置および前記天然的な位置関係に基づいて、各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するための第1の位置確定ユニット、
または
前記天然的な位置関係および/または前記極限の位置関係において指紋を用いて各指を標識する場合、前記タッチ信号を受信した後、前記タッチ信号に基づいて各指紋を取得し、前記各指紋に基づいて各指を識別し、前記タッチ信号中の各指紋の位置に基づいて、各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するための第2の位置確定ユニット
を備える。
【0018】
選択的に、前記キー位置確定モジュールは、
前記クリック信号を受信した後、前記対象指の指紋を取得するための指紋取得ユニットと、
前記対象指の指紋に基づいて前記対象指の初期位置を検索するための初期位置検索ユニットと、
前記対象指の前記初期位置と前記タッチ位置との間の変位を計算するための変位計算ユニットと、
前記変位、前記対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および前記基本キー位置と前記対象指に対応する他のキーの他のキー位置との前記タッチスクリーンでの相対位置に基づいて、前記タッチ位置にある前記対象指に対応する対象キー位置を確定するためのキー位置確定ユニットと、
を備える。
【0019】
選択的に、前記初期位置検索ユニットは、
前記対象指の指紋に基づいて前記天然的な位置関係を取得し、前記手のひら根元部の掌紋の前記タッチスクリーンでの開始位置、および前記天然的な位置関係に基づいて、前記対象指の指紋の初期位置を確定するための第1の検索サブユニット、
または
前記対象指の指紋に基づいて前記対象指の指紋の前記初期位置を直接検索するための第2の検索サブユニット
を備える。
【0020】
選択的に、前記装置は、
前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係において掌紋を用いて手のひら根元部を標識する場合、前記タッチ信号を受信した後、前記手のひら根元部の掌紋を取得するための掌紋取得モジュールと、
前記掌紋取得モジュールにより取得された前記手のひら根元部の掌紋に基づいて前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係が格納されているか否かを検出するための関係検出モジュールと、
前記関係検出モジュールの検出の結果、前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係が格納されていない場合、前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係を取得するための関係取得モジュールとを、
さらに備える。
【0021】
選択的に、前記関係取得モジュールは、
前記対象手のひらを使用して自然で快適な状態で前記タッチスクリーンをタッチするように、ユーザにヒントを与えるための第1のインタフェースに作用する第1のタッチ信号を受信し、前記第1のタッチ信号に基づいて、前記対象手のひらが自然で快適な状態で前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を確定し、前記第1のタッチ信号に基づいて確定された相対位置関係を、前記天然的な位置関係とするための第1の関係取得ユニットと、
前記対象手のひらを使用して完全に伸ばされた状態で前記タッチスクリーンをタッチするようにユーザにヒントを与えるための第2のインタフェースに作用する第2のタッチ信号を受信し、前記第2のタッチ信号に基づいて、前記対象手のひらが完全に伸ばされた状態で前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を確定し、前記第2のタッチ信号に基づいて確定された相対位置関係を、前記極限の位置関係とするための第2の関係取得ユニットと、
を備える。
本発明の実施例の第3の態様によれば、プロセッサに実行されることにより、前記の入力方法を実現するプログラムを提供する。
本発明の実施例の第4の態様によれば、前記のプログラムが記録された記録媒体を提供する。
【0022】
本発明に係る実施例により提供された技術案は、次の有益な効果を果たすことができる。
【0023】
クリック信号を受信した後、クリック信号に基づいて対象指のタッチ位置を確定し、対象指の初期位置とそのタッチ位置との間の変位、初期位置にある対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および基本キーと対象指に対応する他のキーの他のキー位置とのタッチスクリーン上での相対位置に基づいて、タッチ位置にある対象指に対応する対象キー位置を確定し、さらに、対象キー位置に対応する対象文字を入力する。これにより、従来技術における入力精度が比較的低く、入力速度が遅い問題を解决した。ユーザの手の置き位置とユーザが正常に使用するときの置き位置は偏差があったとしても、対象キー位置は、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位に基づいて確定されるために、電子機器は、依然としてユーザの所望の文字を正確に入力することができる。従って、入力精度を向上させる效果を実現した。同時に、対象キー位置は、対象指の初期位置とそのタッチ位置との間の変位に基づいて確定されるため、ユーザは、タッチスクリーン上の仮想キーボードを見ずに、自身が物理的なキーボードに対してタッチタイピングする習慣に従ってタッチスクリーンに入力することができる。従って、入力速度を向上させる効果を達成した。
【0024】
上記一般的な説明および後述の詳細な説明は、単なる例示のみであり、本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
ここでの図面は、本明細書に組み込まれて明細書の一部として構成され、本発明に該当する実施例を示し、且つ明細書と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【0026】
図1】例示的な実施例に係る入力方法を示すフローチャートである。
図2A】別の例示的な実施例に係る入力方法を示すフローチャートである。
図2B】別の例示的な実施例に係る天然的な位置関係を取得する場合の手のひらの置き方式を示す模式図である。
図2C】別の例示的な実施例に係る電子機器が取得した天然的な位置関係を示す模式図である。
図2D】別の例示的な実施例に係る電子機器が指の指紋を取得することを示す模式図である。
図2E】別の例示的な実施例に係る電子機器が極限の位置関係を取得するときの手のひらの置き方式を示す模式図である。
図2F】別の例示的な実施例に係る手のひらが自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチした場合の各指とデフォルト文字との間の対応関係を示す模式図である。
図2G】別の例示的な実施例に係る指に対応する各キー位置の間の所定配列を示す模式図である。
図2H】別の例示的な実施例に係る入力方法を示す別のフローチャートである。
図3】例示的な実施例に係る入力装置を示す模式図である。
図4A】別の例示的な実施例に係る入力装置を示す模式図である。
図4B】別の例示的な実施例に係る初期位置検索ユニットを示す模式図である。
図5】例示的な実施例に係る入力装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、例示的な実施例について詳細に説明し、それらの例は添付の図面に示されている。以下の説明が添付図面に関する場合、特別に説明しない限り、各図面における同じ数字が同一または相当の要素を表す。以下の例示的な実施例に記載される実施形態は、本発明と一致するすべての実施形態を代表するものではない。逆に、それらは、添付の特許要求の範囲に詳述したような本発明のいくつかの方面と一致する装置および方法の例だけである。
【0028】
図1は、例示的な実施例に係る入力方法を示すフローチャートである。図1に示すように、当該入力方法は、タッチスクリーンを備える電子機器に適用され、次のステップを含む。
【0029】
ステップ101において、タッチスクリーンに作用するクリック信号を受信する。
【0030】
ステップ102において、クリック信号に基づいて対象指のタッチ位置を確定する。
【0031】
ステップ103において、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位、初期位置にある対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および基本キー位置と対象指に対応する他のキーの他のキー位置とのタッチスクリーンでの相対位置に基づいて、タッチ位置にある対象指に対応する対象キー位置を確定する。
【0032】
ステップ104において、対象キー位置に対応する対象文字を入力する。
【0033】
上記を纏めて言えば、本実施例に係る入力方法では、クリック信号を受信した後、クリック信号に基づいて対象指のタッチ位置を確定し、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位、初期位置にある対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および基本キー位置と対象指に対応する他のキーの他のキー位置とのタッチスクリーンでの相対位置に基づいて、タッチ位置にある対象指に対応する対象キー位置を確定し、さらに、対象キー位置に対応する対象文字を入力する。これにより、従来技術における入力精度が比較的低く、入力速度が遅い問題を解决した。ユーザの手の置き位置とユーザが正常に使用するときの置き位置は偏差があったとしても、対象キー位置は、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位に基づいて確定されるため、電子機器は、依然としてユーザの所望の文字を正確に入力することができる。従って、入力精度を向上させる效果を実現した。同時に、対象キー位置は、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位に基づいて確定されるため、ユーザは、タッチスクリーン上の仮想キーボードを見ずに、自身が物理的なキーボードに対してタッチタイピングする習慣に従ってタッチスクリーンに入力することができる。従って、入力速度を向上させる効果を達成した。
【0034】
図2Aは、別の例示的な実施例に係る入力方法を示すフローチャートである。図2Aに示すように、当該入力方法は、タッチスクリーンを備える電子機器に適用され、次のステップを含む。
【0035】
ステップ201において、ユーザの手のひらが自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチした場合の、手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を取得する。
【0036】
ユーザが最初に電子機器への入力を要求する場合、後続のステップを実行するために、電子機器は、ユーザの手のひらが自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチした場合の、手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を取得することを、要求することができる。
【0037】
実際において、ユーザが最初に電子機器への入力を要求する場合、電子機器は、手のひらを使用して自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチすることを、ユーザにヒントを与えるための表示インタフェースを表示することができ、ユーザは、電子機器により表示された表示インタフェースを見た後、図2Bに示すように、手のひらを使用して自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチし、このときの電子機器は、相応的に、ユーザの手のひらが自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチした場合のタッチ信号を受信することができる。ここで、タッチ信号は、ユーザの手のひらの手のひら根元部、および手のひらの5本の指によりそれぞれに印加された信号を含む。電子機器は、タッチ信号を受信した後、タッチ信号中の各信号の受信位置の相対位置関係を、手のひらの手のひら根元部と5本の指との相対位置関係に確定することができる。詳細について、図2Cを参照ください。
【0038】
各ユーザが手のひらを使用して自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチした場合の手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を区別するために、電子機器は、手のひら根元部の掌紋および各指の指紋を取得し、さらに、取得された掌紋を用いて手のひら根元部を標識し、取得された指紋を用いて各指を標識することができる。実際において、電子機器が手のひら根元部の掌紋を取得した場合、手のひら皮膚の最外層である掌紋の層が非導電性で、手のひら内部の皮下層が導電性であるため、ユーザの手のひらが電子機器のタッチスクリーンに置かれる場合、電子機器は、手のひらの皮膚に帯電させることにより、掌紋の模様を検出することができ、さらに、掌紋による導電率の極小の変化を測定することにより、手のひら根元部の掌紋を取得することができ、当該実施例では、繰り返して説明しない。同様に、電子機器は、同じ取得方法を使用して各指の指紋を取得することができ、例えば、電子機器は、図2Dに示す指の指紋を取得することができる。
【0039】
ステップ202において、ユーザの手のひらが完全に伸ばされた状態でタッチスクリーンをタッチした場合の、手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を取得する。
【0040】
同様に、ユーザが最初に電子機器への入力を要求する場合、後続のステップを実行するために、電子機器は、ユーザの手のひらが完全に伸ばされた状態でタッチスクリーンをタッチした場合の、手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を取得することもできる。
【0041】
実際において、電子機器は、ステップ201と同様の取得方法を用いて、ユーザの手のひらが完全に伸ばされた状態でタッチスクリーンをタッチした場合の、手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を取得することができるが、ステップ201と相違する点は、ユーザは手のひらを使用して完全に伸ばされた状態でタッチスクリーンをタッチすることである。詳細の模式図は、図2Eを参照ください。
【0042】
次の点について説明すべきである。即ち、当該実施例では、ステップ201を実行した後ステップ202を実行することのみを例として説明したが、実際において、電子機器は、ステップ201およびステップ202を同時に実行してもよく、ステップ202を実行した後ステップ201を実行してもよい。当該実施例では、具体的な実行順序を限定するものではない。
【0043】
ステップ203において、タッチスクリーンに作用するタッチ信号を受信する。
【0044】
ユーザは、電子機器への入力を要求する必要がある場合、電子機器のタッチスクリーン上に手のひらを置き、その後、指でタッチスクリーンをクリックすることで入力を実現することができるので、電子機器は、手のひらがタッチスクリーンに作用するタッチ信号を相応的に受信することができる。
【0045】
ステップ204において、タッチ信号に基づいて対象手のひらの各指のタッチスクリーンでの初期位置を確定する。
【0046】
電子機器がタッチ信号を受信した後、電子機器は、タッチ信号に基づいてユーザの手のひらの各指のタッチスクリーンでの初期位置を確定することができる。即ち、電子機器は、タッチ信号に基づいて、対象手のひらの各指のタッチスクリーンでの初期位置を確定することができる。ここで、対象手のひらは、タッチスクリーンをクリックする対象指が位置する手のひらであり、例えば、ユーザが左手の指でタッチスクリーンをクリックする場合、対象手のひらは、左の手のひらであり、ユーザが右手の指でタッチスクリーンをクリックする場合、対象手のひらは、右の手のひらである。
【0047】
実際において、電子機器がタッチ信号に基づいて対象手のひらの各指のタッチスクリーンでの初期位置を確定する確定方式は、次の方式のうちのいずれかの1つを含むことができる。
【0048】
第1確定方式について説明する。天然的な位置関係において掌紋を用いて手のひら根元部を標識し、かつ指紋を用いて各指を標識する場合、タッチ信号に基づいて手のひら根元部の掌紋を取得してから掌紋のタッチスクリーンでの開始位置を確定し、掌紋に対応する天然的な位置関係を取得し、掌紋のタッチスクリーンでの開始位置および天然的な位置関係に基づいて各指のタッチスクリーンでの初期位置を確定する。
【0049】
天然的な位置関係において掌紋を用いて手のひら根元部を標識し、かつ指紋を用いて各指を標識する場合、電子機器は、タッチ信号を受信した後、手のひら根元部の掌紋を取得することができ、タッチ信号を受信したときの手のひら根元部のタッチ位置をタッチスクリーンにある手のひら根元部に対応する開始位置とすることができる。ユーザの手のひらが自然に置かれる場合、同じユーザのユーザ手のひらの手のひら根元部と各指との間の相対位置は基本的に変化しないため、電子機器は、手のひら根元部の掌紋およびタッチスクリーンにある手のひら根元部に対応する開始位置を取得した後、掌紋に対応する天然的な位置関係を取得することができ、さらに、天然的な位置関係を検索する方式で各指のタッチスクリーンでの初期位置を確定することができる。ここで、天然的な位置関係は、対象手のひらが自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチした場合の、手のひら根元部と各指との間の相対位置関係である。
【0050】
第2確定方式について説明する。天然的な位置関係および/または極限の位置関係において指紋を用いて各指を標識する場合、タッチ信号を受信した後、タッチ信号に基づいて各指紋を取得し、各指紋に基づいて各指を識別し、タッチ信号中の各指紋の位置に基づいて、各指のタッチスクリーンでの初期位置を確定する。
【0051】
天然的な位置関係、極限の位置関係、または両方において、いずれも指紋で各指を標識し、例えば、天然的な位置関係において指紋で各指を標識する場合、電子機器は、タッチ信号を受信した後、タッチ信号を印加した各指の指紋、および各指紋の位置を取得することができ、取得された指紋および天然的な位置関係における指紋により、各指を識別し、さらに、各指紋の位置を各指のタッチスクリーンでの位置に確定することができる。
【0052】
ステップ205において、各指のタッチスクリーンでの初期位置を、指に対応する基本キーの基本キー位置として構築する。
【0053】
電子機器は、対象手のひらの各指の初期位置を確定した後、各指の初期位置を、各指に対応する基本キーの基本キー位置として構築することができる。ここで、各指に対応する基本キーとは、ユーザの手のひらが自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチした場合、手のひらの各指に対応するデフォルト文字のキーを指す。
【0054】
実際において、ユーザが物理的なキーボードにおいて入力することと同様に、ユーザの手のひらが自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチした場合、ユーザの左手の小指から親指まで順に対応する基本キーは「A」、「S」、「D」、「F」、および「スペース」であり、右手の小指から親指まで順に対応する基本キーは「:」、「L」、「K」、「J」、および「スペース」であるので、電子機器は、各指の初期位置を確定した後、各指の初期位置を各指に対応する基本キーの基本キー位置として構築することができる。例えば、左手の小指のタッチスクリーンでの初期位置を、「A」のタッチスクリーンでの基本キー位置として構築し、左手の薬指のタッチスクリーンでの初期位置を、「S」のタッチスクリーンでの基本キー位置として構築する。具体的には、図2Fを参照ください。
【0055】
もちろん、実際において、ユーザは、設定項目により、各指に対して1つのキーを選択し、さらに指の初期位置を、ユーザにより選択されたキーのタッチスクリーンでのキー位置として構築することもできる。当該実施例では、具体的な構築方式を限定しない。
【0056】
ステップ206において、タッチ信号を受信した後、手のひら根元部の掌紋を取得する。
【0057】
電子機器がタッチ信号を受信した後、天然的な位置関係および極限の位置関係において掌紋を用いて手のひら根元部を標識する場合、後続のステップを実行するために、電子機器は、対象手のひらの手のひら根元部の掌紋を取得することができる。
【0058】
次の点について説明すべきである。即ち、当該実施例では、ステップ204の後、ステップ206を実行することだけを例として説明したが、実際において、電子機器は、ステップ206およびステップ204を同時に実行してもよく、ステップ206を実行した後、ステップ204を実行してもよい。当該実施例では、具体的な実行順序を限定するものではない。
【0059】
ステップ207において、前記手のひら根元部の掌紋に基づいて、前記掌紋に対応する天然的な位置関係および前記極限の位置関係が格納されているか否かを検出し、検出の結果、格納されていない場合、ステップ208を実行し、検出の結果、格納された場合、ステップ209を実行する。
【0060】
電子機器は、手のひら根元部の掌紋を取得した後、手のひら根元部の掌紋に基づいて電子機器に天然的な位置関係および極限の位置関係が格納されているか否かを検出することができる。ここで、天然的な位置関係は、対象手のひらが自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチした場合の、手のひら根元部と各指との間の相対位置関係であり、極限の位置関係は、対象手のひらが完全に伸ばされた状態で、タッチスクリーンをタッチした場合の、手のひら根元部と各指との間の相対位置関係である。
【0061】
実際において、各ユーザの手のひらが自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチした場合の、手のひら根元部と各指との間の相対位置関係、および手のひらが完全に伸ばされた状態でタッチスクリーンをタッチした場合の手のひら根元部と各指との間の相対位置関係は、いずれも多少異なっていることがあり、各ユーザを区別する方法の1つとしては、ユーザ掌紋により区別することである。このため、電子機器は、手のひら根元部の掌紋を取得した後、取得された手のひら根元部の掌紋とマッチングするユーザの手のひらが自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチした場合の手のひら根元部と各指との間の相対位置関係、および手のひらが完全に伸ばされた状態でタッチスクリーンをタッチした場合の手のひら根元部と各指との間の相対位置関係が格納されているか否かを検出することができる。
【0062】
ステップ208において、前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係を取得する。
【0063】
電子機器の検出の結果、天然的な位置関係および極限の位置関係が格納されていない場合、当該ユーザが最初に電子機器に入力することを説明するため、このとき、電子機器は、天然的な位置関係および極限の位置関係を取得することができる。ここで、電子機器が天然的な位置関係を取得するステップは、次のステップを含むことができる。
【0064】
第1ステップでは、第1のインタフェースに作用する第1のタッチ信号を受信し、第1のインタフェースは、対象手のひらを使用して自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチするようにユーザにヒントを与えるためのものである。
【0065】
電子機器は、天然的な位置関係および極限の位置関係が格納されていないことを検出した場合、第1のインタフェースを表示することができる。ここで、第1のインタフェースは、対象手のひらを使用して自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチするようにユーザにヒントを与えるためのものである。
【0066】
第2ステップでは、第1のタッチ信号に基づいて、対象手のひらが自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチした場合の前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を確定し、第1のタッチ信号に基づいて確定された相対位置関係を、天然的な位置関係とする。
【0067】
電子機器は、第1のタッチ信号を受信した後、第1のタッチ信号に基づいて対象手のひらが自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチした場合の前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を確定し、第1のタッチ信号に基づいて確定された相対位置関係を、天然的な位置関係とする。
【0068】
次の点について説明すべきである。即ち、電子機器が天然的な位置関係を取得する取得方式は、ステップ201おける、電子機器がユーザの手のひらが自然で快適な状態でタッチスクリーンをタッチした場合の手のひら根元部と各指との間の位置関係を取得する取得方式と同様である。技術的な詳細について、ステップ201を参照し、当該ステップでは、繰り返して説明しない。
【0069】
電子機器が極限の位置関係を取得するステップは、次のステップを含むことができる。
【0070】
第1ステップでは、第2のインタフェースに作用する第2のタッチ信号を受信し、第2のインタフェースは、対象手のひらを使用して完全に伸ばされた状態でタッチスクリーンをタッチするようにユーザにヒントを与えるためのものである。
【0071】
電子機器は、天然的な位置関係および極限の位置関係が格納されていないことを検出した場合、第2のインタフェースを表示することができる。ここで、第2のインタフェースは、対象手のひらを使用して完全に伸ばされた状態でタッチスクリーンをタッチするようにユーザにヒントを与えるためのものである。
【0072】
第2ステップでは、第2のタッチ信号に基づいて、対象手のひらが完全に伸ばされた状態でタッチスクリーンをタッチした場合の前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を確定し、第2のタッチ信号に基づいて確定された相対位置関係を、極限の位置関係とする。
【0073】
電子機器は、第2のタッチ信号を受信した後、第2のタッチ信号に基づいて対象手のひらが完全に伸ばされた状態でタッチスクリーンをタッチした場合の前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を確定し、第2のタッチ信号に基づいて確定された相対位置関係を、極限の位置関係とする。
【0074】
次の点について説明すべきである。すなわち、電子機器が極限の位置関係を取得する取得方式は、ステップ202における、電子機器がユーザの手のひらが完全に伸ばされた状態でタッチスクリーンをタッチした場合の手のひら根元部と各指との間の位置関係を取得する取得方式と同様である。技術的な詳細について、ステップ202を参照し、当該ステップでは、繰り返して説明しない。
【0075】
また、他の点について説明すべきである。すなわち、電子機器が天然的な位置関係および極限の位置関係を取得した場合、ユーザの手のひらがタッチスクリーンから離れることがある。ユーザが再び手のひらを使用してタッチスクリーンをタッチして入力を要求する場合、ユーザの手のひらの各指のタッチスクリーンでの位置は、すでにステップ204において取得された初期位置ではないので、電子機器が天然的な位置関係および極限の位置関係を取得した後、ステップ204を再度実行する。当該実施例では、繰り返して説明しない。
【0076】
ステップ209において、各指に対応する基本キーの基本キー位置と各指に対応する他のキーの他のキー位置との間の所定配列方式、対象手のひらの手のひら根元部と各指との間の天然的な位置関係、対象手のひらの手のひら根元部と各指との間の極限の位置関係に基づいて、各指に対応する基本キー位置と他のキー位置との間の相対位置を構築する。
【0077】
ユーザが物理的なキーボードにおいて入力することと同様に、ユーザの各指がいずれも、いくつかの固定の文字に対応して入力することができ、例えば、左手の差し指は、「f」、「g」、「v」、「b」、「r」、「t」、「4」、および「5」を入力することができると共に、各文字の間の配列方式が固定されているので、各指は、いずれも、いくつかの、所定の配列方式で配列される各キー位置に対応している。詳細の模式図は、図2Gを参照ください。したがって、電子機器は、各指に対応する基本キーの基本キー位置と各指に対応する他のキーの他のキー位置との間の所定配列方式、対象手のひらの手のひら根元部と各指との間の天然的な位置関係、対象手のひらの手のひら根元部と各指との間の極限の位置関係に基づいて、各指に対応する基本キー位置と他のキー位置との間の相対位置を構築することができる。
【0078】
実際において、電子機器は、極限の位置関係において、各指が到達可能な最も遠い位置を、該指に対応する各キーのうちの、基本キーの基本キー位置から最も遠いキーのキー位置として構築することができる。例えば、図2Gからわかるように、文字「5」に対応するキーの位置と、差し指に対応する基本キー「f」のタッチスクリーンでの基本キー位置との距離は最も遠いので、電子機器は、極限の位置関係おいて差し指の到達可能な最も遠い距離を、文字「5」に対応するキー位置に設置することができると共に、差し指に対応する他のキー位置と「f」および「5」との間の所定配列方式に基づいて構築し続けて、これにより、各指に対応する各キー位置のタッチスクリーンでの相対位置を確定することができる。
【0079】
ステップ210において、タッチスクリーンに作用するクリック信号を受信する。
【0080】
ユーザがクリックタッチスクリーン上のある領域をクリックする場合、電子機器は、タッチスクリーンに作用するクリック信号を受信することができる。
【0081】
ステップ211において、クリック信号に基づいて対象指のタッチ位置を確定する。
【0082】
電子機器は、受信されたクリック信号に基づいて対象指のタッチ位置を確定することができる。実際において、電子機器は、クリック信号を受信する位置を対象指のタッチ位置として確定することができる。対象指とは、クリック信号が印加された指を指す。
【0083】
ステップ212において、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位、初期位置にある対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および基本キー位置と対象指に対応する他のキーの他のキー位置とのタッチスクリーンでの相対位置に基づいて、タッチ位置にある対象指に対応する対象キー位置を確定する。
【0084】
電子機器が対象キー位置を確定するステップは、次のステップを含むことができる。
【0085】
第1ステップでは、クリック信号を受信した後、対象指の指紋を取得する。
【0086】
電子機器は、クリック信号を受信した後、クリック信号が印加された対象指の指紋を取得することができる。ここで、電子機器が対象指の指紋を取得する取得方式は、ステップ201における、電子機器が手のひら掌紋を取得する取得方式と類似するので、技術的な詳細について、ステップ201を参照し、当該ステップでは、繰り返して説明しない。
【0087】
第2ステップでは、対象指の指紋に基づいて対象指の初期位置を検索する。
【0088】
ステップ204において、電子機器がすでに対象手のひらの各指の初期位置を確定したため、電子機器は、対象指の指紋を確定した後、対象指の指紋に基づいて対象指の初期位置を検索することができる。
【0089】
実際において、電子機器が対象指の指紋に基づいて対象指の初期位置を検索する検索方式は、次の方式のうちのいずれかの1つを含むことができる。
【0090】
第1方式について説明する。対象指の指紋に基づいて天然的な位置関係を取得し、手のひら根元部の掌紋のタッチスクリーンでの開始位置および天然的な位置関係に基づいて、対象指の指紋の初期位置を確定する。
【0091】
天然的な位置関係において指紋で各指を標識することができるので、電子機器は、対象指の指紋を取得した後、天然的な位置関係を取得することができ、天然的な位置関係を探した後、天然的な位置関係を検索する方式により、手のひら根元部が開始位置にある場合の対象指のタッチスクリーンでの初期位置を検索する。
【0092】
第2方式について説明する。対象指の指紋に基づいて対象指の初期位置を直接検索する。
【0093】
電子機器が対象手のひらの各指の初期位置を確定する第2確定方式に対応するのは、電子機器は、対象指の指紋を取得した後、対象指の指紋に対応する初期位置を直接検索することができるというものである。
【0094】
第3ステップでは、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位を計算する。
【0095】
第4ステップでは、変位、対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および基本キー位置と対象指に対応する他のキーの他のキー位置とのタッチスクリーンでの相対位置に基づいて、タッチ位置にある対象指に対応する対象キー位置を確定する。
【0096】
初期位置にある対象指に対応する基本キーの基本キー位置がすでに確定され、かつ対象指に対応する基本キーの基本キー位置と他のキーの他のキー位置とのタッチスクリーンでの相対位置もすでに確定されたため、電子機器は、変位を取得した後、タッチ位置にある対象指に対応する対象キー位置を確定することができる。
【0097】
ステップ213において、対象キー位置に対応する対象文字を入力する。
【0098】
電子機器は、対象キー位置を確定した後、対象キー位置に対応する対象文字を入力することができる。例えば、電子機器が確定した対象キー位置は「t」が位置するキー位置であれば、電子機器は、対象文字「t」を入力することができる。
【0099】
上記を纏めて言えば、本実施例に係る入力方法では、クリック信号を受信した後、クリック信号に基づいて対象指のタッチ位置を確定し、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位、初期位置にある対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および基本キーと対象指に対応する他のキーの他のキー位置とのタッチスクリーンでの相対位置に基づいて、タッチ位置にある対象指に対応する対象キー位置を確定し、さらに、対象キー位置に対応する対象文字を入力する。これにより、従来技術における入力精度が比較的低く、入力速度が遅い問題を解决した。ユーザの手の置き位置とユーザが正常に使用するときの置き位置は偏差があったとしても、対象キー位置は、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位に基づいて確定されるため、電子機器は、依然としてユーザの所望の文字を正確に入力することができる。従って、入力精度を向上させる效果を実現した。同時に、対象キー位置は、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位に基づいて確定されるため、ユーザは、タッチスクリーン上の仮想キーボードを見ずに、自身が物理的なキーボードに対してタッチタイピングする習慣に従ってタッチスクリーン上に入力することができる。従って、入力速度を向上させる効果を達成した。
【0100】
同時に、該実施例では、各指に対応する各キーのキー位置のタッチスクリーンでの相対位置を構築する前に、電子機器において天然的な位置関係および極限の位置関係が格納されているか否かを検出する。検出の結果、天然的な位置関係および極限の位置関係が格納されていない場合、まず、天然的な位置関係および極限の位置関係を取得し、その後、ユーザが再入力を要求する場合、再び構築を行うことにより、入力を要求するユーザが変更した場合、電子機器が各指に対応する各キーのキー位置のタッチスクリーンでの相対位置を構築することができず、電子機器が対象指のタッチ位置に対応する対象キー位置を確定することができず、即ち、対象文字を入力することができないという問題を避けることができる。
【0101】
説明すべきであることは、次の通りである。ユーザがタッチ信号を印加した後、クリック信号を印加する前に、ユーザの手のひらのタッチスクリーンでの位置がオフセットされ、ユーザがクリック信号を印加するとき、対象指の初期位置は、すでにユーザのタッチ信号を印加したときの対象指の位置ではなく、電子機器が対象指の初期位置に基づいて確定された対象キー位置は、すでにユーザが実際にクリックを要求する対象キー位置ではなく、すなわち、電子機器が最終的に入力する対象文字は、ユーザが実際に入力を要求する文字ではない、という問題を避けるために、図2Hに示すように、電子機器がステップ212を実行する前に、電子機器は、次のステップを実行することができる。
【0102】
ステップ214において、対象手のひらの手のひら根元部のタッチスクリーンでの現在位置を取得する。
【0103】
後続のステップを実行するために、電子機器は、対象手のひらの手のひら根元部のタッチスクリーンでの現在位置を取得することができる。実際において、電子機器は、対象手のひらの掌紋のタッチスクリーンでのタッチ位置を検出し、検出されたタッチ位置を対象手のひらの手のひら根元部のタッチスクリーンでの現在位置とすることができる。
【0104】
ステップ215において、手のひら根元部の現在位置と、電子機器がタッチ信号を受信したときの対象手のひらの手のひら根元部の開始位置が一致するか否かを検出する。
【0105】
手のひら根元部の位置が変化するか否かを判断するために、電子機器は、手のひら根元部の現在位置と、電子機器がタッチ信号を受信したときの対象手のひらの手のひら根元部の開始位置が一致するか否かを検出することができる。
【0106】
対応的には、ステップ212において、電子機器は、検出の結果、一致する場合、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位、初期位置にある対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および基本キー位置と対象指に対応する他のキーの他のキー位置とのタッチスクリーンでの相対位置に基づいて、タッチ位置にある対象指に対応する対象キー位置を確定するステップを実行する。
【0107】
電子機器の検出の結果が一致する場合、手のひら根元部の位置が変化しない、すなわち、対象指の初期位置が変化しないことを説明する。この場合、電子機器は、直接にステップ212を実行することができる。
【0108】
しかしながら、電子機器の検出の結果、一致しない場合、手のひら根元部の位置が変化したことを説明する。この場合、電子機器が確定した対象キー位置はユーザが実際にクリックしたいキー位置ではなく、即ち、電子機器が実際に入力した対象文字はユーザが実際に入力したい文字ではない、という問題を避けるために、電子機器は、対象指の初期位置を改めて確定するように、改めてステップ204に進入する。本実施例では、繰り返して説明しない。
【0109】
以下は、本発明の方法の実施例を実行するための本発明の装置の実施例である。本発明に係る装置の実施例に記載されない詳細について、本発明に係る方法の実施例を参照ください。
【0110】
図3は、例示的な実施例に係る入力装置を示す模式図である。図3に示すように、当該入力装置は、
前記タッチスクリーンに作用するクリック信号を受信するように配置される第1の信号受信モジュール310と、
前記第1の信号受信モジュール310により受信された前記クリック信号に基づいて対象指のタッチ位置を確定するように配置されるタッチ位置確定モジュール320と、
前記対象指の初期位置と前記タッチ位置との間の変位、前記初期位置にある前記対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および前記基本キー位置と前記対象指に対応する他のキーの他のキー位置との前記タッチスクリーンでの相対位置に基づいて、前記タッチ位置にある前記対象指に対応する対象キー位置を確定するように配置されるキー位置確定モジュール330と、
前記キー位置確定モジュールにより確定された前記対象キー位置に対応する対象文字を入力するように配置される文字入力モジュール340と、
を備えるが、これらに限定されるものではない。
【0111】
上記を纏めて言えば、本実施例に係る入力装置では、クリック信号を受信した後、クリック信号に基づいて対象指のタッチ位置を確定し、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位、初期位置にある対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および基本キーと対象指に対応する他のキーの他のキー位置とのタッチスクリーンでの相対位置に基づいて、タッチ位置にある対象指に対応する対象キー位置を確定し、さらに、対象キー位置に対応する対象文字を入力する。これにより、従来技術における入力精度が比較的低く、入力速度が遅い問題を解决した。ユーザの手の置き位置とユーザが正常に使用するときの置き位置は偏差があったとしても、対象キー位置は、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位に基づいて確定されるため、電子機器は、依然としてユーザの所望の文字を正確に入力することができる。従って、入力精度を向上させる效果を実現した。同時に、対象キー位置は、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位に基づいて確定されるため、ユーザは、タッチスクリーン上の仮想キーボードを見ずに、自身が物理的なキーボードに対してタッチタイピングする習慣に従ってタッチスクリーンに入力することができる。従って、入力速度を向上させる効果を達成した。
【0112】
図4Aは、例示的な実施例に係る入力装置を示す模式図である。図4Aに示すように、当該入力装置は、
前記タッチスクリーンに作用するクリック信号を受信するように配置される第1の信号受信モジュール410と、
前記第1の信号受信モジュール310により受信された前記クリック信号に基づいて対象指のタッチ位置を確定するように配置されるタッチ位置確定モジュール420と、
前記対象指の初期位置と前記タッチ位置との間の変位、前記初期位置にある前記対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および前記基本キー位置と前記対象指に対応する他のキーの他のキー位置との前記タッチスクリーンでの相対位置に基づいて、前記タッチ位置にある前記対象指に対応する対象キー位置を確定するように配置されるキー位置確定モジュール430と、
前記キー位置確定モジュールにより確定された前記対象キー位置に対応する対象文字を入力するように配置される文字入力モジュール440と、
を備えるが、これらに限定されるものではない。
【0113】
図4Aに示す実施例における第1種の実現可能な形態では、当該入力装置は
前記タッチスクリーンに作用するタッチ信号を受信するように配置される第2の信号受信モジュール450と、
前記第2の信号受信モジュール450により受信された前記タッチ信号に基づいて対象手のひらの各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するように配置される初期位置確定モジュール460と、
各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を前記指に対応する基本キーの基本キー位置として構築するように配置される基本キー位置構築モジュール470と、
各指に対応する基本キーの基本キー位置と各指に対応する他のキーの他のキー位置との間の所定配列方式、前記対象手のひらの手のひら根元部と各指との間の天然的な位置関係、前記対象手のひらの手のひら根元部と各指との間の極限の位置関係に基づいて、各指に対応する基本キー位置と他のキー位置との間の相対位置を構築するように配置される相対位置構築モジュール480と、
をさらに備え、
前記天然的な位置関係は、前記対象手のひらが自然で快適な状態で前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係であり、
前記極限の位置関係は、前記対象手のひらが完全に伸ばされた状態で、前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係である。
【0114】
図4Aに示す実施例における第2種の実現可能な形態では、前記初期位置確定モジュール460は、
前記天然的な位置関係において掌紋を用いて手のひら根元部を標識し、かつ指紋を用いて各指を標識する場合、前記タッチ信号に基づいて前記手のひら根元部の掌紋を取得してから前記掌紋の前記タッチスクリーンでの開始位置を確定し、前記掌紋に対応する前記天然的な位置関係を取得し、前記掌紋の前記タッチスクリーンでの開始位置および前記天然的な位置関係に基づいて、各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するように配置される第1の位置確定ユニット461、
または
前記天然的な位置関係および/または前記極限の位置関係において指紋を用いて各指を標識する場合、前記タッチ信号を受信した後、前記タッチ信号に基づいて各指紋を取得し、前記各指紋に基づいて各指を識別し、前記タッチ信号中の各指紋の位置に基づいて、各指の前記タッチスクリーンでの初期位置を確定するように配置される第2の位置確定ユニット462、を備える。
【0115】
図4Aに示す実施例における第3種の実現可能な形態では、前記キー位置確定モジュール430は、
前記クリック信号を受信した後、前記対象指の指紋を取得するように配置される指紋取得ユニット431と、
前記対象指の指紋に基づいて前記対象指の初期位置を検索するように配置される初期位置検索ユニット432と、
前記対象指の前記初期位置と前記タッチ位置との間の変位を計算するように配置される変位計算ユニット433と、
前記変位、前記対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および前記基本キー位置と前記対象指に対応する他のキーの他のキー位置との前記タッチスクリーンでの相対位置に基づいて、前記タッチ位置にある前記対象指に対応する対象キー位置を確定するように配置されるキー位置確定ユニット434と、を備える。
【0116】
図4Bに示すように、図4Aに示す実施例における第4種の実現可能な形態では、前記初期位置検索ユニット432は、
前記対象指の指紋に基づいて前記天然的な位置関係を取得し、前記手のひら根元部の掌紋の前記タッチスクリーンでの開始位置、および前記天然的な位置関係に基づいて、前記対象指の指紋の初期位置を確定するように配置される第1の検索サブユニット432a、
または
前記対象指の指紋に基づいて前記対象指の指紋の前記初期位置を直接検索するように配置される前記第2の検索サブユニット432b、を備える。
【0117】
図4Aに示す実施例における第5の種類の実現可能な形態では、前記装置は、
前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係において掌紋を用いて手のひら根元部を標識する場合、前記タッチ信号を受信した後、前記手のひら根元部の掌紋を取得するように配置される掌紋取得モジュール490と、
前記掌紋取得モジュール490により取得された前記手のひら根元部の掌紋に基づいて前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係が格納されているか否かを検出するように配置される関係検出モジュール510と、
前記関係検出モジュール510の検出の結果、前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係が格納されていない場合、前記天然的な位置関係および前記極限の位置関係を取得するように配置される関係取得モジュール520と、をさらに備える。
【0118】
図4Aに示す実施例における第6の種類の実現可能な形態では、前記関係取得モジュール520は、
前記対象手のひらを使用して自然で快適な状態で前記タッチスクリーンをタッチするようにユーザにヒントを与えるための第1のインタフェースに作用する第1のタッチ信号を受信し、前記第1のタッチ信号に基づいて、前記対象手のひらが自然で快適な状態で前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を確定し、前記第1のタッチ信号に基づいて確定された相対位置関係を、前記天然的な位置関係とするように配置される第1の関係取得ユニット521と、
前記対象手のひらを使用して完全に伸ばされた状態で前記タッチスクリーンをタッチするようにユーザにヒントを与えるための第2のインタフェースに作用する第2のタッチ信号を受信し、前記第2のタッチ信号に基づいて、前記対象手のひらが完全に伸ばされた状態で前記タッチスクリーンをタッチした場合の、前記手のひら根元部と各指との間の相対位置関係を確定し、前記第2のタッチ信号に基づいて確定された相対位置関係を、前記極限の位置関係とするように配置される第2の関係取得ユニット522と、を備える。
【0119】
上記を纏めて言えば、本実施例に係る入力装置では、クリック信号を受信した後、クリック信号に基づいて対象指のタッチ位置を確定し、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位、初期位置にある対象指に対応する基本キーの基本キー位置、および基本キーと対象指に対応する他のキーの他のキー位置とのタッチスクリーンでの相対位置に基づいて、タッチ位置にある対象指に対応する対象キー位置を確定し、さらに、対象キー位置に対応する対象文字を入力する。これにより、従来技術における入力精度が比較的低く、入力速度が遅い問題を解决した。ユーザの手の置き位置とユーザが正常に使用するときの置き位置は偏差があったとしても、対象キー位置は、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位に基づいて確定されるため、電子機器は、依然としてユーザの所望の文字を正確に入力することができる。従って、入力精度を向上させる效果を実現した。同時に、対象キー位置は、対象指の初期位置とタッチ位置との間の変位に基づいて確定されるため、ユーザは、タッチスクリーン上の仮想キーボードを見ずに、自身が物理的なキーボードに対してタッチタイピングする習慣に従ってタッチスクリーンに入力することができる。従って、入力速度を向上させる効果を達成した。
【0120】
図5は、例示的な実施例に係る入力装置600を示す模式図である。例えば、装置600は、携帯電話、コンピュータ、デジタル放送端末、メッセージ送受信機器、ゲームコンソール、タブレットデバイス、医療機器、フィットネス機器、パーソナルデジタルアシスタントなどであってもよい。
【0121】
図5に示すように、装置600は、プロセスアセンブリ602、メモリ604、電源アセンブリ606、マルチメディアアセンブリ608、オーディオアセンブリ610、入力/出力(I/O)インタフェース612、センサアセンブリ614、および通信アセンブリ616のような1つ以上のアセンブリを含んでよい。
【0122】
プロセスアセンブリ602は、一般的には装置600全体の操作を制御するものであり、例えば、表示、電話呼び出し、データ通信、カメラ操作、及び記録操作と関連する操作を制御する。プロセスアセンブリ602は、1つ以上のプロセッサ618を含み、これらによって指令を実行することにより、上記方法の全部、或は一部のステップを実現するようにしてもよい。なお、プロセスアセンブリ602は、一つ以上のモジュールを含み、これらによってプロセスアセンブリ602と他のアセンブリの間のインタラクションを容易にするようにしてもよい。例えば、プロセスアセンブリ602は、マルチメディアモジュールを含み、これらによってマルチメディアアセンブリ608とプロセスアセンブリ602の間のインタラクションを容易にするようにしてもよい。
【0123】
メモリ604は、各種類のデータを記憶することにより装置600の操作を支援するように構成される。これらのデータの例は、装置600において操作されるいずれのアプリケーションプログラム又は方法の命令、連絡対象データ、電話帳データ、メッセージ、画像、ビデオ等を含む。メモリ604は、いずれの種類の揮発性メモリ、不揮発性メモリ記憶デバイスまたはそれらの組み合わせによって実現されてもよく、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、PROM( Programmable ROM)、ROM(Read Only Member)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、或いは光ディスクである。
【0124】
電源アセンブリ606は、装置600の多様なアセンブリに電力を供給する。電源アセンブリ606は、電源管理システム、一つ以上の電源、及び装置600のための電力の生成、管理及び割り当てに関連する他のアセンブリを含んでもよい。
【0125】
マルチメディアアセンブリ608は、前記装置600とユーザの間に一つの出力インターフェイスを提供するスクリーンを含む。上記実施例において、スクリーンは液晶モニター(LCD)とタッチパネル(TP)を含んでもよい。スクリーンがタッチパネルを含むことにより、スクリーンはタッチスクリーンを実現することができ、ユーザからの入力信号を受信することができる。タッチパネルは一つ以上のタッチセンサを含んでおり、タッチ、スライド、及びタッチパネル上のジェスチャを検出することができる。前記タッチセンサは、タッチ、或はスライドの動作の境界だけでなく、前記タッチ、或はスライド操作に係る継続時間及び圧力も検出できる。上記実施例において、マルチメディアアセンブリ608は、一つのフロントカメラ、及び/又はリアカメラを含む。装置600が、例えば撮影モード、或はビデオモード等の操作モードにある場合、フロントカメラ、及び/又はリアカメラは外部からマルチメディアデータを受信できる。フロントカメラとリアカメラのそれぞれは、一つの固定型の光レンズ系、或は可変焦点距離と光学ズーム機能を有するものであってもよい。
【0126】
オーディオアセンブリ610は、オーディオ信号を入出力するように構成されてもよい。例えば、オーディオアセンブリ610は、一つのマイク(MIC)を含み、装置600が、例えば呼出しモード、記録モード、及び音声認識モード等の操作モードにある場合、マイクは外部のオーディオ信号を受信することができる。受信されたオーディオ信号は、さらにメモリ604に記憶されたり、通信アセンブリ616を介して送信されたりされる。上記実施例において、オーディオアセンブリ610は、オーディオ信号を出力するための一つのスピーカーをさらに含む。
【0127】
I/Oインターフェイス612は、プロセスアセンブリ602と周辺インターフェイスモジュールの間にインターフェイスを提供するものであり、上記周辺インターフェイスモジュールは、キーボード、クリックホイール、ボタン等であってもよい。これらのボタンは、ホームボタン、ボリュームボタン、起動ボタン、ロッキングボタンを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0128】
センサアセンブリ614は、装置600に各方面の状態に対する評価を提供するための一つ以上のセンサを含む。例えば、センサアセンブリ614は、装置600のON/OFF状態、装置600のディスプレイとキーパッドのようなアセンブリの相対的な位置決めを検出できる。また、例えば、センサアセンブリ614は、装置600、或は装置600の一つのアセンブリの位置変更、ユーザと装置600とが接触しているか否か、装置600の方位、又は加速/減速、装置600の温度の変化を検出できる。センサアセンブリ614は、何れの物理的接触がない状態にて付近の物体の存在を検出するための近接センサを含んでもよい。センサアセンブリ614は、撮影アプリケーションに適用するため、CMOS、又はCCD図像センサのような光センサを含んでもよい。上記実施例において、当該センサアセンブリ614は、加速度センサ、ジャイロスコープセンサ、磁気センサ、圧力センサ、及び温度センサをさらに含んでもよい。
【0129】
通信アセンブリ616は、装置600と他の機器の間に有線、又は無線形態の通信を提供する。装置600は、例えばWiFi、2G、3G、或はこれらの組み合わせのような、通信規格に基づいた無線ネットワークに接続されてもよい。一つの例示的な実施例において、通信アセンブリ616は、放送チャンネルを介して外部の放送管理システムからの放送信号、又は放送に関連する情報を受信する。一つの例示的な実施例において、前記通信アセンブリ616は、近距離無線通信(NFC)モジュールをさらに含むことにより、近距離通信を推進するようにする。例えば、NFCモジュールは、RFID(Radio Frequency IDentification)技術、IrDA(Infrared Data Association)技術、UWB(Ultra Wide Band)技術、BT(Bluetooth)技術、他の技術に基づいて実現できる。
【0130】
例示的な実施例において、装置600は、一つ以上のASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、DSPD(Digital Signal Processing Device)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、または他の電子部品によって実現されるものであり、上記方法を実行する。
【0131】
例示的な実施例では、さらに、指令を含むコンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体、例えば、指令を含むメモリ604を提供しており、装置600のプロセッサ618により前記指令を実行して上記方法を実現する。例えば、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体は、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、および光データ記憶デバイスなどであってもよい。
【0132】
当業者は、明細書に対する理解、及び明細書に記載された発明に対する実践を通じて、本発明の他の実施形態を容易に得ることができる。本発明は、本発明に対する任意の変形、用途、または適応的な変化を含み、このような変形、用途、または適応的な変化は、本発明の一般的な原理に従い、本発明では開示していない本技術分野の公知の知識、または通常の技術手段を含む。明細書と実施例は、ただ例示的なものであって、本発明の本当の範囲と主旨は、以下の特許要求の範囲によって示される。
【0133】
本発明は、上記の記述、及び図示された具体的な構成に限定されず、その範囲を逸脱しない状況で、いろんな修正と変更が可能である、ことを理解すべきである。本発明の範囲は、ただ添付の特許要求の範囲により限定される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3
図4A
図4B
図5