【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、美容組成物を塗布するためのパッケージ及び塗布器のデバイスを用いてこれを達成しており、このデバイスは、
・ 特に固形ケーク状の少なくとも1つの組成物を収容するケースと、
・ 回転方向に沿って組成物上を移動するために回転軸回りで回転する少なくとも1つの塗布ローラを有する塗布器と、
を備え、回転軸に沿って測定された塗布器の全体寸法は、組成物上における塗布ローラの回転方向に垂直に測定された組成物の寸法以下である。
【0011】
本発明を用いて、塗布ローラは、組成物が容易に付けられ、組成物は、比較的均一である付着を達成しながら、容易に塗布される。
【0012】
用語「ローラ」は、組成物と接触しかつ塗布に使用される表面の長さが回転軸に沿って測定すると、上記表面の最大直径よりも大きく、例として直径の1.5倍よりも大きいまたは2倍よりも大きいことを意味すると理解されるべきである。
【0013】
用語「固体組成物」は、収容中に組成物の形状を保存しかつ「流体組成物」と異なり組成物自体の重量により流動しない高い密度の組成物を意味すると理解されるべきである。好ましくは、上述のように、組成物は、固形ケークの形態をなす。変形例において、組成物は、半固形、特にクリーム状である。
【0014】
回転軸に沿って測定した塗布器の寸法が組成物における塗布部材の回転方向に垂直に測定した組成物の寸法以下であるという事実により、組成物が消耗されるにしたがって塗布器がケース内により深く侵入することが可能となる。
【0015】
塗布ローラは、グリッドまたはメッシュを介在させずに組成物からなるケークと直接接触して回転する。変形例において、組成物は、組成物上に位置するグリッドまたはメッシュを通って取られる。この状況において、塗布ローラは、上記組成物が消耗されるにしたがって、組成物を入れている筐体内に深く侵入するグリッドまたはメッシュの上を回転する。
【0016】
好ましくは、回転方向に沿って測定した組成物の寸法は、塗布器に組成物を付けている間に組成物と接触する上記塗布ローラの所定領域における塗布ローラの外周以上である。特に、寸法は、上記外周の2倍以上である。これにより、塗布ローラは、組成物上を回転すると少なくとも完全な1回転を実行することが可能となり、このため、ユーザは、上記ローラを組成物の一端から他端まで移動させながら、組成物上を一回通過するときに比較的均一な組成物を塗布ローラの作業面全体に付けることが可能となる。
【0017】
塗布器は、さまざまな方法で形成される。好ましくは、塗布器は、突起部を有し、塗布ローラは、これら突起部間を回転する。塗布器は、ハンドルを有する。ハンドルは、突起部と一体的にプラスチック材料で成形される。
【0018】
ケースは、不使用時に塗布器を受容する筐体を有する。筐体の底部は、底部を貫通する少なくとも1つの通気穴を有する。
【0019】
筐体は、ケースが水平面にあるときに上方に傾斜させるために塗布器を方向付けるような態様で構成されている。このため、ユーザは、ケースを開けた状態でより容易に塗布器を保持する。
【0020】
特定の形態において、筐体は、2つの傾斜部を有しており、塗布器は、塗布器が筐体内にあるときに傾斜部に当接支持し、傾斜部は、上方に傾斜するように塗布器を方向付けることを可能とする。特に、傾斜部があることによって、通気グリッドが筐体の底部に傾斜部間に延在して設けられることが可能となる。ギャップは、ハンドルとグリッドとの間に存在し、このグリッドは、塗布器を収容する筐体が適切に通気されることを可能とするのに十分である。
【0021】
本発明の形態において、ケースは、ケースが上下反転した場合に、蓋を閉じると塗布ローラをケースの蓋から離間して保持するように構成されている。
【0022】
例えば、ケースは、2つの橋台部を有しており、塗布器の上記突起部は、上記蓋を閉じたときに塗布ローラが蓋と接触することを避ける態様で橋台部の下方において係合する。これにより、ケースが上下反転したときに組成物が蓋の内面に移動することを回避し、この移動は、特に蓋が透光性材料から形成されている場合に厄介である。
【0023】
塗布器のハンドルは、回転軸に垂直な方向に沿って、回転軸に垂直な方向における上記塗布器の移動に対して筐体内で塗布器を保持するのに、またはせめて塗布器の移動を塗布器が上記橋台部から離脱することを可能とするには十分でない往復運動に制限するのに、十分な寸法を有する。また、塗布器は、いくつかの他の方法で保持されてもよい。
【0024】
組成物は、美容品、化粧品またはケア製品組成物であってもよく、キャストされ(cast)またはコンパクトされ(compacted)ている。
【0025】
特に、組成物は、ケースの筐体に嵌合される皿部にキャストされまたはコンパクトされている。用語「キャストされた組成物」は、製造中にその組成物の少なくとも1つを凝固することによって形成された粘着力を有する一塊の組成物を意味する。組成物は、皿部内で高温キャストされてもよく、粘着力は、組成物を冷却することによって得られてもよい。
【0026】
組成物をキャストすると、組成物は、冷却または乾燥中に収縮し、組成物は、小さい凹部を有する初期的に完全には平面でない頂面を有する。
【0027】
長手方向断面において、ローラの外形は、最初の使用における組成物の表面の形状と一致する形状を有しており、最初の使用から塗布器の表面に均一に付けることが可能となる、特に多量の組成物が端部に近接して付着されることを回避する。塗布に使用されるローラの表面は、円筒状または若干卵状である。
【0028】
また、本発明の別の態様において、本発明は、美容組成物を塗布する方法を提供し、この方法において、上記デバイスが使用される。
【0029】
また、独立したまたは上述と組み合わせた本発明の別の態様において、本発明は、美容組成物を塗布するためのパッケージ及び塗布器のデバイスを提供し、デバイスは、
・ 組成物を収容するケースと、
・ 回転方向に沿って組成物上を移動するために回転軸回りで回転する塗布ローラを有する塗布器であって、塗布器がケースの筐体に受容される、塗布器と、
を備え、筐体は、ケースが水平面上にあるときに塗布器を上方に傾斜させて方向付けるような態様で構成されている。
【0030】
筐体は、2つの傾斜部を有しており、塗布器のハンドルは、塗布器が筐体内にあるときにこれら傾斜部と当接支持し、傾斜部は、ハンドルを上方に傾斜して方向付けることを可能とする。筐体の底部は、これら傾斜部間に延在する通気グリッドを有する。
【0031】
また、独立したまたは上述と組み合わせた本発明の別の態様において、本発明は、美容組成物を塗布するためのパッケージ及び塗布器のデバイスを提供し、デバイスは、
・ 蓋部を有し組成物を収容するケースと、
・ 塗布器であって、
・ 2つの突起部と、
・ 突起部間に配置されて回転方向に沿って組成物上を移動するために回転軸回りで回転する塗布ローラと、
を備える、塗布器と、
を備え、ケースは、ケースが上下反転した場合に蓋を閉じるとケースの蓋から離間して塗布器を保持するように構成されている。例として、ケースは、2つの橋台部を有しており、塗布器の突起部は、上記蓋を閉じてケースが上下反転したときに塗布ローラが蓋と接触することを防止するような態様で橋台部の下方に係合する。蓋部は、少なくとも部分的に透光性を有している。
【0032】
本発明は、以下の本発明の非限定的な実施形態の詳細な説明を読みかつ添付の図面を検討するとより理解されるだろう。