(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようなロールブラインドでは、スクリーンを下降させたとき、室内には生地の表面あるいは裏面のいずれかが露出され、いずれの生地面が露出されるかは生地1の上端を生地押え2に取着する際に決定される。
【0008】
従って、上記のように巻取軸3に対する生地押え2の嵌合方向が一方向に限定され、且つ生地押えに生地を縫着等により接合していると、室内に露出される生地面を変更することはできない。また、できるとしても、縫製部分を外し、生地1を表裏逆転させて生地押え2に縫製し直す必要があり、きわめて煩雑な作業が必要となるという問題点がある。
【0009】
特許文献1に開示されたロールブラインドのスクリーン取付構造では、支持部材の底面にスクリーンの抜け止め用の端部材を係合して収納する嵌合部が形成されている。
このような構成では、スクリーンの取り付け時に端部材が嵌合部に保持されないので、端部材を指先で嵌合部に保持しながら支持部材1を取付溝内に挿入する。
【0010】
そして、最後は端部材が嵌合部に保持されているか否かを確認できないまま、支持部材を取付溝に取着する必要があり、端部材が嵌合部に保持されていない状態では支持部材を取付溝に確実に取着することができない。従って、取付作業が煩雑となるという問題点がある。
【0011】
特許文献2には、係止片を嵌合突起の両側に設けることにより、巻取軸に対し支持部材の取付方向を変更可能としたロールブラインドが開示されている。しかし、スクリーンの室内側に露出される面を変更するための構成は開示されていない。
【0012】
特許文献3,4には、スクリーンの両端部に膨大部を設け、巻取りパイプに対しスクリーンをスライド可能とし、どちらか一方の膨大部を挿通部に引っ掛けることにより、スクリーンの表裏を変更して支持可能とした構造が開示されている。しかし、引っ掛けた膨大部が巻取りパイプに対し固定されていないので、通常使用時に巻取りパイプ内から飛び出してしまうおそれがある。
【0013】
この発明の目的は、通常使用時はスクリーンを巻取軸に確実に固定し、且つ室内側に露出される生地面を容易に変更可能としたロールブラインドの生地取付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1では、スクリーンの生地を巻取軸に生地押えを介して取着し、前記巻取軸に前記スクリーンを巻き取りあるいは巻き戻してスクリーンを昇降するロールブラインドにおいて、前記巻取軸と前記生地押えに、前記巻取軸から垂下される前記生地の裏表を切り替えて保持する切り替え手段を備え
、前記切り替え手段は、前記生地の上端に取着した生地取付部材と、前記巻取軸と前記生地押えの少なくともいずれかに設けられ、前記生地取付部材の裏表を切り替えて仮止め可能とする仮止め手段とを備え、前記仮止め手段は、前記生地押えに設けられ、前記生地取付部材の端部を嵌合可能とした嵌合溝とした。
【0016】
請求項
2では、
スクリーンの生地を巻取軸に生地押えを介して取着し、前記巻取軸に前記スクリーンを巻き取りあるいは巻き戻してスクリーンを昇降するロールブラインドにおいて、前記巻取軸と前記生地押えに、前記巻取軸から垂下される前記生地の裏表を切り替えて保持する切り替え手段を備え、前記切り替え手段は、前記生地の上端に取着した生地取付部材と、前記巻取軸と前記生地押えの少なくともいずれかに設けられ、前記生地取付部材の裏表を切り替えて仮止め可能とする仮止め手段とを備え、前記仮止め手段は、前記巻取軸に設けられ、前記生地押えを取着可能とした取付凹部に前記生地取付部材を仮止めした。
【0017】
請求項
3では、前記取付凹部に係止突条を設け、前記生地押えの基端側には前記係止突条に嵌合可能とした嵌合溝を設けるとともに前記生地押えの先端部を前記取付凹部に設けた庇部の下方に挿入して、前記生地取付部材を、前記庇部と、前記取付凹部の底面と、前記係止突条とで囲まれる空間内に保持した。
【0018】
請求項
4では、
スクリーンの生地を巻取軸に生地押えを介して取着し、前記巻取軸に前記スクリーンを巻き取りあるいは巻き戻してスクリーンを昇降するロールブラインドにおいて、前記巻取軸と前記生地押えに、前記巻取軸から垂下される前記生地の裏表を切り替えて保持する切り替え手段を備え、前記生地の両端部に一対の前記生地押えを取着し、前記生地の各端部を互いに逆方向に折り返して前記各生地押えに取着し、前記生地を上下方向にひっくり返して、前記生地押えを前記巻取軸及びウェイトバーに対し入れ替えて取着可能とした切り替え手段を備えた。
【0019】
請求項
5では、
スクリーンの生地を巻取軸に生地押えを介して取着し、前記巻取軸に前記スクリーンを巻き取りあるいは巻き戻してスクリーンを昇降するロールブラインドにおいて、前記巻取軸と前記生地押えに、前記巻取軸から垂下される前記生地の裏表を切り替えて保持する切り替え手段を備え、前記生地の両端部に一対の前記生地押えを取着し、前記生地の各端部を互いに逆方向に折り返して前記各生地押えに取着し、前記生地を前記巻取軸の周面を周回させて、前記生地押えを前記巻取軸及びウェイトバーに対し入れ替えて取着可能とした切り替え手段を備えた。
【0020】
請求項
6では、
スクリーンの生地を巻取軸に生地押えを介して取着し、前記巻取軸に前記スクリーンを巻き取りあるいは巻き戻してスクリーンを昇降するロールブラインドにおいて、前記巻取軸と前記生地押えに、前記巻取軸から垂下される前記生地の裏表を切り替えて保持する切り替え手段を備え、前記切り替え手段は、前記巻取軸に設けられ、断面線対称状に形成された二つの取付凹部と、前記生地の上端部に取着され、可撓性を備えた合成樹脂で前記取付凹部に裏表を切り替えて保持可能とした板状の生地押えとを備えた。
【0021】
請求項
7では、前記巻取軸の少なくとも一端に、前記取付凹部を前記巻取軸の周方向に連通させる連通部を備えた。
請求項
8では、前記生地押えに、前記巻取軸の外周面との間の段差を縮小する変形部を設けた。
【0022】
請求項
9では、巻取軸の外周面に設けられた取付凹部と、前記取付凹部に設けられた係止突条と、前記係止突条の先端部に設けた第一の膨径部と、前記取付凹部の端部に設けられる庇部と、生地の上端部を取付け可能とした板状の生地取付部材と、前記生地取付部材の端部に設けられ、前記第一の膨径部の下方に係合する第二の膨径部と、前記生地取付部材に設けられ、前記生地の端部を当接させて位置決め可能とした保持部と、前記生地を取付けた前記生地取付部材を、前記庇部と取付凹部の底面と前記係止突条及び前記膨径部とで囲まれる空間内に仮止めすることと、前記第一の膨径部に嵌合して、前記生地取付部材を前記取付凹部内に保持する生地押えとを備えた。
【0023】
請求項10では、生地の上端に取着した生地取付部材を、巻取軸の外周面上に設けた
1か所の取付凹部に裏表を入れ替えて仮止めし、前記取付凹部に生地押えを
介して固定して前記巻取軸から吊下支持される前記生地の裏表を切り替える。
【0024】
請求項
11では、生地の上端に取着した生地押えを巻取軸に取着するロールブラインドの生地取付方法において、前記巻取軸の外周面上に断面線対称状に隣接して設けられた二つの取付凹部の一方に挿入された前記生地押えを、前記巻取軸の一方へ引き出すとともに、該生地押えを上下方向に折り返して他方の取付凹部に挿入する。
【0025】
請求項12では、生地の両端部に一対の
共通した生地押えを取着し、一方の生地押えをウェイトバーに取着するとともに他方の生地押えを巻取軸に取着するロールブラインドの生地取付方法において、生地を上下方向にひっくり返して、前記生地の両端に取着された一対の生地押えを巻取軸及びウェイトバーから取り外し、前記一方の生地押えを巻取軸に取着し、前記他方の生地押えをウェイトバーに取着して、前記生地の裏表を切り替える。
【0026】
請求項13では、
生地の両端部に一対の共通した生地押えを取着し、一方の生地押えをウェイトバーに取着するとともに他方の生地押えを巻取軸に取着するロールブラインドの生地取付方法において、生地を巻取軸の周面に沿って周回させて上下方向に入れ替え、前記生地の両端に取着された
一対の生地押え
を巻取軸及びウェイトバーから取り外し、前記一方
の生地押えを巻取軸に取着し、
前記他方
の生地押えをウェイトバーに取着して、前記生地の裏表を切り替える。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、通常使用時はスクリーンを巻取軸に確実に固定し、且つ室内側に露出される生地面を容易に変更可能としたロールブラインドの生地取付装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】第一の実施形態のロールブラインドを示す側面図である。
【
図2】第一の実施形態の生地取付装置を示す断面図である。
【
図3】第一の実施形態のロールブラインドを示す説明図である。
【
図4】第一の実施形態の生地取付装置を示す断面図である。
【
図5】第一の実施形態の生地取付過程を示す断面図である。
【
図6】第一の実施形態の仮止め状態を示す断面図である。
【
図7】第一の実施形態の生地取付過程を示す断面図である。
【
図8】生地の裏表を入れ替えた場合の仮止め状態を示す断面図である。
【
図9】第二の実施形態のロールブラインドを示す側面図である。
【
図10】第二の実施形態の生地取付装置を示す断面図である。
【
図11】第二の実施形態のロールブラインドを示す側面図である。
【
図12】第二の実施形態の生地取付装置を示す断面図である。
【
図13】第二の実施形態の仮止め状態を示す断面図である。
【
図14】第二の実施形態の生地取付過程を示す断面図である。
【
図15】生地の裏表を入れ替えた場合の仮止め状態を示す断面図である。
【
図16】第二の実施形態の生地取付過程を示す断面図である。
【
図17】(a)〜(d)は第三の実施形態の生地取付過程を示す説明図である。
【
図18】(a)〜(d)は第四の実施形態の生地取付過程を示す説明図である。
【
図19】(a)(b)は第五の実施形態を示す側面図である。
【
図20】第五の実施形態の生地取付過程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を
図1〜
図8に従って説明する。
図1に示すロールブラインドは、取付面に固定されるフレーム11の両端に一対の支持ブラケット12が取着され、その支持ブラケット12間に巻取軸13が回転可能に支持されている。
【0030】
前記巻取軸13は、アルミ押し出し形材で円筒状に形成され、その外周面に設けられた取付凹部14に生地押え15を介してスクリーンを構成する生地16の上端部が保持されて、生地16が巻取軸13から垂下されている。
【0031】
前記生地16の下端にはウェイトバー17が取着されている。そして、操作装置(図示しない)の操作により巻取軸13が生地16の巻取り方向に回転されると、生地16が巻取軸13に巻き取られて生地16及びウェイトバー17が引き上げられる。また、巻取軸13が生地16の巻き戻し方向に回転されると、生地16及びウェイトバー17が下降する。このような生地16の昇降操作により採光量を適宜に調節可能となっている。
【0032】
図2に示すように、前記取付凹部14の底面から係止突条18が巻取軸13の径方向に突出され、その係止突条18の先端部に膨径部19が形成されている。前記生地押え15は、弾性を有する合成樹脂で前記巻取軸13とほぼ同様な長さの板状に形成され、その断面基端側に前記膨径部19を弾性的に嵌合可能とした第一の嵌合溝20が形成されている。
【0033】
前記取付凹部14は、その一側に巻取軸13の外周面を延長するように庇部21が形成されている。前記生地押え15の表面は、巻取軸13の外周面に沿う円弧面に形成され、生地押え15の断面先端側に延びる弾性片26の先端部26aは、前記庇部21の下方に挿入可能となるように屈曲されている。
【0034】
そして、生地押え15の断面先端部を庇部21の下方に挿入した状態で、第一の嵌合溝20を係止突条18の膨径部19に嵌合すると、生地押え15の表面は巻取軸13の外周面の延長線上に位置する。
【0035】
前記生地押え15には、第一の嵌合溝20に隣接して生地押え15の断面先端側に向かって開口する第二の嵌合溝22が形成されている。
前記第二の嵌合溝22には生地取付部材23の一端部を嵌合可能となっている。前記生地取付部材23は、合成樹脂で板状に成形され、その断面基端側に前記第二の嵌合溝22に弾性的に嵌合可能とした膨径部24が形成されている。
【0036】
前記生地取付部材23の表裏面の一方の面において、前記膨径部24には前記生地16の端部を当接させて位置決め可能とした保持部25が形成されている。そして、前記生地16はその端部を保持部25に当接させた状態で生地取付部材23に縫製により取着されている。
【0037】
次に、上記のように構成されたロールブラインドの生地取付装置の作用を説明する。上記のような生地押え15及び生地取付部材23を使用して生地16の上端部を巻取軸13に取着するには、
図5に示すように、まず生地取付部材23に生地16の上端部を縫着する。
【0038】
次いで、
図6に示すように、例えば縫着した生地16が生地取付部材23の上方に位置する状態で膨径部24を第二の嵌合溝22に嵌合して、生地取付部材23を生地押え15に仮止めする。
【0039】
次いで、生地16を生地押え15の表面側に案内した状態で、生地押え15の弾性片26及び生地取付部材23の先端部を巻取軸13の庇部21の下方に挿入し、生地押え15の第一の嵌合溝20を係止突条18の膨径部19に嵌合する。
【0040】
すると、
図2に示すように、生地16は弾性片26の先端部26aと庇部21の先端との間を経て生地押え15の表面に案内され、生地16を巻取軸13に巻き取り可能となる。この場合には、
図1に示すように、例えば室内側に生地16の裏面Bが露出され、室外側に表面Aが露出される。
【0041】
また、巻取軸13に生地16が巻き取られると、生地16の巻圧により生地押え15の弾性片26が巻取軸13の径方向に撓み、弾性片26と庇部21との間の段差がなくなる。
【0042】
室内側に生地16の表面Aが露出されるようにする場合には、
図7に示すように、縫着した生地16が生地取付部材23の下方に位置する状態で、
図8に示すように、膨径部24を第二の嵌合溝22に嵌合して、生地取付部材23を生地押え15に仮止めする。
【0043】
次いで、生地16を生地押え15の表面側に案内した状態で、生地押え15及び生地取付部材23の先端部を巻取軸13の庇部21の下方に挿入し、生地押え15の第一の嵌合溝20を係止突条18の膨径部19に嵌合する。
【0044】
すると、
図4に示すように、生地16を巻取軸13に巻き取り可能となり、
図3に示すように、室内側に生地16の表面Aが露出され、室外側に裏面Bが露出される。
上記のように構成されたロールブラインドの生地取付装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)生地16を取着した生地取付部材23を、生地押え15に裏表方向を入れ替えて取着することにより、巻取軸13から垂下される生地16の裏表を切り替えることができる。
(2)巻取軸13に対する生地16の巻き取り方向を変えることなく、巻取軸13から垂下される生地16の裏表を切り替えることができる。
(3)生地取付部材23の膨径部24を生地押え15の第二の嵌合溝22に弾性的に嵌合することにより、生地取付部材23を生地押え15に容易に取着することができる。
(4)生地押え15及び生地取付部材23の先端部を庇部21の下方に挿入しながら、生地押え15の第一の嵌合溝20を取付凹部14の係止突条18の膨径部19に嵌合することにより、生地押え15及び生地取付部材23を巻取軸13に容易に取着することができる。
(第二の実施形態)
図9〜
図16は、第二の実施形態を示す。この実施形態は、前記第一の実施形態とは異なる生地押え31を使用して、生地16を巻取軸13に取着する生地取付装置を示す。生地押え31以外の構成は、第一の実施形態と同様である。第一の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して説明する。
【0045】
図10に示すように、弾性を有する合成樹脂で成形された生地押え31は、断面基端側に嵌合溝32が形成され、巻取軸13の係止突条18の膨径部19に嵌合可能となっている。生地押え31の断面先端側は、巻取軸13の庇部21の下方に挿入可能となっている。そして、前記生地取付部材23を生地押え31と取付凹部14の底面との間に保持可能となっている。
【0046】
このような生地押え31及び生地取付部材23の作用を説明すると、生地16の上端部を巻取軸13に取着するには、まず生地取付部材23に生地16の上端部を縫着する。
次いで、
図13に示すように、例えば縫着した生地16を生地取付部材23の上方に位置させ、生地取付部材23の膨径部24を係止突条18側に向けて取付凹部14内に挿入する。すると、生地取付部材23は庇部21と、取付凹部14の底面と、係止突条18及び膨径部19とで囲まれる空間内に仮止めされ、生地取付部材23が巻取軸13に保持された状態となる。このとき、生地16は庇部21から巻取軸13の外周面に沿って垂下させておく。
【0047】
次いで、
図14に示すように、生地押え31の断面先端側を取付凹部14内に挿入し、嵌合溝32に係止突条18の膨径部19を嵌合すると、
図10に示すように、生地16を巻取軸13に巻き取り可能となる。この場合には、
図9に示すように、例えば室内側に生地16の裏面Bが露出され、室外側に表面Aが露出される。
【0048】
室内側に生地16の表面Aが露出されるようにする場合には、
図15に示すように、縫着した生地16が生地取付部材23の下方に位置する状態で生地取付部材23を取付凹部14内に挿入する。すると、生地取付部材23は庇部21と、取付凹部14の底面と、係止突条18及び膨径部19とで囲まれる空間内に仮止めされ、生地取付部材23が巻取軸13に保持された状態となる。
【0049】
次いで、
図16に示すように、生地押え31の断面先端側を取付凹部14内に挿入し、嵌合溝32に係止突条18の膨径部19を嵌合すると、
図12に示すように、生地16を巻取軸13に巻き取り可能となる。この場合には、
図11に示すように、室内側に生地16の表面Aが露出され、室外側に裏面Bが露出される。
【0050】
上記のように構成されたロールブラインドの生地取付装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)生地16を取着した生地取付部材23を、取付凹部14内で裏表方向に入れ替えて生地押え31で保持することにより、巻取軸13から垂下される生地16の裏表を切り替えることができる。
(2)巻取軸13に対する生地16の巻き取り方向を変えることなく、巻取軸13から垂下される生地16の裏表を切り替えることができる。
(3)生地取付部材23を取付凹部14内に挿入した状態で、生地押え31の断面先端側を庇部21の下方に挿入して、嵌合溝32を取付凹部14の係止突条18の膨径部19に嵌合することにより、生地押え31及び生地取付部材23を巻取軸13に容易に取着することができる。
(第三の実施形態)
図17は、第三の実施形態を示す。この実施形態は、生地16の上端及び下端を共通の生地押え35a,35bで巻取軸13とウェイトバー36に取着する構成としたものである。
【0051】
図17(a)(b)に示すように、生地16の上端及び下端には共通の生地押え35a,35bが取着されている。そして、生地押え35aの先端部には生地16の裏面Bが内側となるように折り返して取着され、生地押え35bの先端部には生地16の表面Aが内側となるように折り返して取着されている。
【0052】
巻取軸13には第一の実施形態と同様な取付凹部14及び係止突条18が形成され、生地押え35a,35bのいずれかを取着可能となっている。ウェイトバー36には、巻取軸13の取付凹部14と同様な構成で、生地押え35a,35bのいずれかを取着する取付凹部37と係止突条38が形成されている。
【0053】
図17(a)に示すように、生地押え35aを巻取軸13に取着し、生地押え35bをウェイトバー36に取着したとき、室内側には生地16の裏面Bが露出され、室外側には生地16の表面Aが露出されている。
【0054】
この状態から生地16の裏表を入れ替える場合には、
図17(b)に示すように、生地押え35a,35bを巻取軸13及びウェイトバー36から取り外し、同図(c)に示すように、生地16を上下方向にひっくり返す。
【0055】
そして、
図17(d)に示すように、生地押え35bを巻取軸13の取付凹部14に取着し、生地押え35aをウェイトバー36に取着する。
すると、室内側には生地16の表面Aが露出され、室外側には生地16の裏面Bが露出される。
【0056】
上記のように構成されたロールブラインドの生地取付装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)生地16を上下方向にひっくり返して、巻取軸13とウェイトバー36に取着される生地押え35a,35bを入れ替えることにより、巻取軸13から垂下される生地16の裏表を容易に切り替えることができる。
(2)巻取軸13に対する生地16の巻き取り方向を変えることなく、巻取軸13から垂下される生地16の裏表を切り替えることができる。
(第四の実施形態)
図18は、第四の実施形態を示す。前記第三の実施形態では、生地16を上下方向にひっくり返して裏表を切り替える構成としたが、この実施形態では、生地16を巻取軸13から逆方向に吊下支持することにより、生地16の裏表を切り替えるようにしたものである。第三の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して説明する。
【0057】
図18(a)に示すロールブラインドの巻取軸13、生地押え35a,35b、ウェイトバー36は、
図17(a)に示す構成と同様である。
前記巻取軸13はフレーム61の両端に取着された支持ブラケット62間に回転可能に支持されている。そして、一方の支持ブラケット62に回転可能に支持されたプーリー63に無端状のボールチェーン64が掛装され、そのボールチェーン64を矢印C方向に引くと、生地16が巻取軸13に巻き取られて、ウェイトバー36が引き上げられる。この状態では、生地16の表面Aが室外側、裏面Bが室内側とする。
【0058】
この状態から生地16の裏表を切り替える場合は、
図18(b)に示すように、生地押え35aを巻取軸13から取り外すとともに、生地押え35bをウェイトバー36から取り外し、巻取軸13の周面を周回させながら生地押え35aを下方へ引いて、生地押え35bを巻取軸13近傍まで引き上げる。
【0059】
次いで、
図18(c)に示すように、生地押え35bを巻取軸13に取着し、生地押え35aをウェイトバー35aに取着すると、
図18(d)に示すように、生地16の表面Aが室内側となり、裏面Bが室外側となる。この状態では、ボールチェーン64を矢印C方向に引くと、生地16が巻取軸13から巻き戻されてウェイトバー36が下降するため、昇降操作時のボールチェーン64の操作方向が
図18(a)に示す状態とは逆方向となる。
【0060】
上記のように構成されたロールブラインドの生地取付装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)巻取軸13とウェイトバー36に取着される生地押え35a,35bを入れ替えることにより、巻取軸13から垂下される生地16の裏表を容易に切り替えることができる。
(2)巻取軸13を支持ブラケット62から取り外すことなく、生地16の裏表を切り替えることができる。
(第五の実施形態)
図19及び
図20は、第五の実施形態を示す。
図19に示すように、巻取軸41には取付凹部42a,42bが形成されている。取付凹部42a,42bは、断面T字状の係止突条43を境界として断面線対称状に形成されている。
【0061】
前記巻取軸41の両端部では、前記係止突条43は設けられておらず、前記取付凹部42a,42bが連なる連通部45が形成されている。前記生地16の上端部には可撓性を備えた合成樹脂で板状に形成された生地押え44が取着されている。また、巻取軸41の両端にはサイドキャップ(図示しない)が嵌着され、そのキャップを介して支持ブラケットに回転可能に支持される。
【0062】
このような生地16を巻取軸41に取着するには、生地押え44を取付凹部42aに巻取軸41の側方から挿入して保持し、生地16を巻取軸41の外周面に沿って下方へ垂下する。このとき、例えば巻取軸41に巻き取られる生地16の外面側が裏面B、内面側が表面Aとなるようにする。
【0063】
一方、生地16の裏表を切り替えるには、生地押え44を取付凹部42aから引き抜き、その生地押え44を反対側の端部から取付凹部42bに挿入して保持する。すると、
図19(b)に示すように、生地16の裏面Bが内面側、表面Aが外面側となるように吊下支持されて、生地16の裏表が切り替えられる。
【0064】
従って、生地16の上端を生地押え44を介して巻取軸13に容易に取着することができるとともに、生地16の裏表を容易に切り替えることができる。
また、生地16の裏表を切り替える手順として、
図20に示すように、取付凹部42aに挿入されている生地押え44を巻取軸41の一方へ引き抜き、引き抜いた生地押え44を連通部45で折り返しながら取付凹部42bに挿入してもよい。そして、生地押え44を全て取付凹部42bに挿入すると、19(b)に示すように、生地16の裏面Bが内面側、表面Aが外面側となるように吊下支持されて、生地16の裏表を切り替えることができる。このとき、巻取軸41のサイドキャップを外すことなく、連通部45を利用して生地押え44を折り返すことができるので、巻取軸41を支持ブラケットから取り外すことなく、生地16の裏表を切り替えることができる。
(第六の実施形態)
図21及び
図22は、第六の実施形態を示す。この実施形態は、前記第二の実施形態の生地押えの形状を一部変更したものであり、その他の構成は第二の実施形態と同様である。第二の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して説明する。
【0065】
この実施形態の生地押え51は、断面先端部を巻取軸13の庇部21の下方に挿入したとき、庇部21の先端近傍で巻取軸13の径方向外側に突出する変形部52が形成されている。
【0066】
生地取付部材23を使用して生地16の上端を巻取軸13に取着する手順は、第二の実施形態と同様である。そして、生地取付部材23に取着した生地16の上端が、生地取付部材23の上方に位置させるか下方に位置させるかを選択することにより、
図21及び
図22に示すように、巻取軸13から垂下される生地16の裏表を切り替えることができる。
【0067】
前記巻取軸13に生地16を巻き取ると、前記生地押え51の変形部52は、生地16の押圧力により巻取軸13の径方向内側へ撓む。すると、巻取軸13の庇部21と生地押え51の表面との段差が小さくなり、巻取軸13に巻き取られる生地16への巻き痕の発生が防止される。
【0068】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・生地取付部材23は、生地押え15,31と取付凹部14の底面との間で生地16を保持できれば、合成樹脂以外の材質で形成してもよい。また、板状以外の形状としてもよい。