(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施形態を
図1〜
図7にしたがって説明する。
図1に示すように、耐火性配線ボックス1は、壁裏に設置される配線ボックス10と、この配線ボックス10を覆う耐火カバー30とから構成されている。
【0021】
まず、耐火性配線ボックス1が設置される壁Wについて説明する。
図7に示すように、壁Wは、造営材としての柱Hと、柱Hの前後両面に立設される一対の石膏ボード製の壁材W1(
図7では一枚の壁材W1のみ図示)とによって構成されている。また、一対の壁材W1の間には中空部W2が形成されるとともに、中空部W2には発泡ポリスチレン板やグラスウール、硬質発泡ウレタン板等の断熱部材(図示せず)が設けられている。
【0022】
次に、配線ボックス10について説明する。
図1に示すように、配線ボックス10は合成樹脂製であるとともに、矩形板状の底壁11と、この底壁11の周縁から立設された四つの側壁12a〜12dとから前面(一面)に開口13を有する有底四角箱状に形成されている。そして、底壁11及び側壁12a〜12dにより配線ボックス10の周壁が形成されている。なお、以下の説明において、
図1の上下に対向する側壁を上側壁12a及び下側壁12bとし、
図1の左右に対向する側壁を右側壁12c及び左側壁12dとする。
【0023】
上側壁12a及び下側壁12bには、ケーブル挿通孔14が二つずつ形成されている。上側壁12a及び下側壁12bの内面には、内方に突出したボス部15が設けられている。各ボス部15は、図示しない配線器具を配線ボックス10に取り付けるために用いられる。底壁11の長辺方向(上下方向)及び短辺方向(左右方向)の中央部には、磁石保持部20が立設されるとともに、磁石保持部20の前端部(先端部)には磁石17が保持されている。
【0024】
底壁11において、上側壁12a側であって、且つ右側壁12c側には、開口13側へ突出するビス保持部18が所定の間隔をおいて複数(本実施形態では三つ)立設されている。そして、隣り合うビス保持部18同士の間に金属材料製の配線器具取付用ビス19の軸部19aが強制的に嵌入されることで、配線器具取付用ビス19が各ビス保持部18の間で保持されるようになっている。左側壁12dには、固定部材としての固定ビスB(
図6参照)が挿通される挿通孔16が複数(実施形態では三つ)形成されている。固定ビスBは、配線ボックス10を柱Hに固定するために用いられる。
【0025】
底壁11の外面には、開口13側に向けて凹む嵌合凹部21が形成されている。嵌合凹部21は、底壁11の外面の中央部において、右側壁12cと左側壁12dとの間を左右方向に沿って延びるように形成されている。
【0026】
次に、耐火カバー30について説明する。
耐火カバー30は、前面(一面)に開口31aを有する有底四角箱状に形成された金属材料製のカバー本体31を備えている。詳細には、カバー本体31は、矩形板状の底壁32と、この底壁32の周縁から立設された四つの側壁32a〜32dとから形成されてなる。そして、底壁32及び側壁32a〜32dによりカバー本体31の周壁が形成されている。さらに、カバー本体31は、底壁32及び側壁32a〜32dによって囲み形成されて配線ボックス10を収容可能とする収容空間33を有する。なお、以下の説明において、
図1の上下に対向する側壁を上側壁32a及び下側壁32bとし、
図1の左右に対向する側壁を右側壁32c及び左側壁32dとする。
【0027】
図2に示すように、右側壁32c及び左側壁32dには、それら内面からカバー本体31内に向けて突出する位置決め片36,37が二つずつ設けられている。各位置決め片36,37は、右側壁32c及び左側壁32dの内面において互いに対向する位置に設けられるとともに、開口31aと底壁32との間で底壁32と直交する方向に沿って直線状に延びている。各位置決め片36,37における突出方向側の先端面36a,37a(各位置決め片36,37の互いに対向する面)は平坦面状になっている。
【0028】
図1に示すように、底壁32の内面には、開口31a側に向けて突出する位置決め突出部40が形成されている。位置決め突出部40は、底壁32の内面の中央部において、右側壁32cと左側壁32dとの間を左右方向に沿って延びるように形成されている。位置決め突出部40は嵌合凹部21に嵌合可能になっている。
【0029】
カバー本体31における開口31aの周縁部全周には、四角環状をなすフランジ41が一体形成されている。このフランジ41は、開口31aの周縁部全周からカバー本体31の外方に向けて延びるように形成されている。
図7に示すように、フランジ41の厚みM1は、柱Hの前面に壁材W1を設置する際に影響のない厚み(例えば0.5mm〜1.0mm程度)になっている。ここで、「柱Hの前面に壁材W1を設置する際に影響のない厚み」とは、フランジ41の厚みが、柱Hの前面にフランジ41の後面を当接させた状態で、柱Hの前面に壁材W1を設置したとしても、柱Hの前面と壁材W1の後面との間に大きな隙間が形成されることのない程度の厚みのことをいう。
【0030】
また、左側壁32dは、柱Hに耐火カバー30を設置する際に、柱Hの側面に当接可能な当接部になっている。さらに、左側壁32dには、固定ビスBが貫挿される貫挿孔38が複数(本実施形態では三つ)形成されている。
【0031】
図1に示すように、上側壁32a及び下側壁32bには、ケーブル貫挿孔34を二つずつ形成することができるようになっている。このケーブル貫挿孔34は、ケーブルC(
図6参照)を貫挿する場合に初めて開口され、ケーブルCが貫挿されない場合はノック部34aにより閉鎖されている。ケーブル貫挿孔34は、ケーブルCと干渉し難いようにケーブルCとケーブル貫挿孔34との間に隙間が形成される程度の余裕を持った寸法で開口される。
【0032】
図2に示すように、配線ボックス10の上側壁12aの外面121aから下側壁12bの外面121bまでの間の距離L1は、カバー本体31の上側壁32aの内面321aから下側壁32bの内面321bまでの間の距離L2よりも短くなっている。また、配線ボックス10の右側壁12cの外面121cから左側壁12dの外面121dまでの間の距離L3は、各位置決め片36,37の先端面36a,37aの間の距離L4とほぼ同じになっている。
【0033】
そして、配線ボックス10を収容空間33に向けて強制的に押し込むようにして挿入する。すると、配線ボックス10が、各位置決め片36,37の先端面36a,37aの間に挟持された状態になり、配線ボックス10における収容空間33での左右方向への移動が規制される。さらに、位置決め突出部40と嵌合凹部21とが嵌合することで、配線ボックス10における収容空間33での上下方向への移動が規制される。その結果、配線ボックス10が収容空間33において位置決めされる。よって、本実施形態では、位置決め片36,37及び位置決め突出部40が位置決め部として機能する。
【0034】
配線ボックス10が収容空間33において位置決めされた状態では、各貫挿孔38と各挿通孔16とが互いに対向しており、収容空間33内において、配線ボックス10の上側壁12aとカバー本体31の上側壁32aとの間に空間K1が形成され、配線ボックス10の下側壁12bとカバー本体31の下側壁32bとの間に空間K2が形成される。
【0035】
また、収容空間33の深さは、配線ボックス10が収容空間33に収容されて、配線ボックス10が収容空間33において位置決めされたとき、配線ボックス10の開口13がカバー本体31の開口31aと同一平面上に位置するように設定されている。よって、収容空間33は、開口31aから収容空間33内に配線ボックス10を収容可能とし、収容空間33に収容された配線ボックス10の外面全体を覆う大きさに形成されている。このようにして、配線ボックス10が耐火カバー30内に収容されることで、耐火カバー30と配線ボックス10とからなる耐火性配線ボックス1が構成される。
【0036】
次に、耐火性配線ボックス1の壁Wに対する設置方法を説明する。
まず、
図3に示すように、空間K1にドライバーDを挿入するとともに、
図4に示すように、ドライバーDの基端側を下側壁32b側へ回動させることで、ドライバーDの先端部をノック部34aに押し当てて、ノック部34aを除去する。これにより、上側壁32aにケーブル貫挿孔34が一つ開口される。すなわち、空間K1は、ノック部34aを除去するために必要な空間になっている。
【0037】
続いて、
図5に示すように、ケーブル貫挿孔34にブッシング39を配設する。このブッシング39によりケーブルCとケーブル貫挿孔34との干渉が回避される。ブッシング39は、空間K1内に突出するブッシング39の弾性爪39aが、ケーブル貫挿孔34の周縁部に係止することでケーブル貫挿孔34に固定される。すなわち、空間K1は、ブッシング39をケーブル貫挿孔34に固定するために必要な空間になっている。
【0038】
続いて、
図6に示すように、カバー本体31の左側壁32dの外面321dを柱Hの側面に当接させるとともに、フランジ41の左側後面が柱Hの前面に当接するように耐火性配線ボックス1を配置する。続いて、配線ボックス10の挿通孔16及びカバー本体31の貫挿孔38に固定ビスBを挿通するとともに、固定ビスBを柱Hに強制的に螺入する。すると、耐火性配線ボックス1が柱Hに固定される。続いて、ケーブルCをブッシング39を介してカバー本体31内に貫挿させるとともに、カバー本体31内に貫挿されたケーブルCをさらにケーブル挿通孔14を介して配線ボックス10内に引き込む。
【0039】
続いて、
図7に示すように、柱Hの前面側に壁材W1を立設する。すると、壁材W1の後面と柱Hの前面との間にフランジ41の左側が挟持された状態で、耐火性配線ボックス1が壁W裏に設置される。このようにして、耐火性配線ボックス1の設置構造が形成される。このとき、フランジ41の前面全体は壁材W1の後面と面接触している。そして、壁W表から図示しない磁石探知器を用いて磁石17の位置を探知するとともに、配線ボックス10の位置を探知し、図示しない電動穿孔具を用いて壁材W1に貫通孔Waを穿設する。すると、配線ボックス10の開口13が貫通孔Waを介して壁W表に臨まされる。
【0040】
続いて、磁石保持部20を基端側から切断除去するとともに、各ビス保持部18の間に保持された配線器具取付用ビス19を貫通孔Waを介して取り出して、これら配線器具取付用ビス19を用いて、配線器具を保持した配線器具保持枠(共に図示せず)を配線ボックス10に取り付ける。そして、配線ボックス10の開口13側に化粧プレート(図示せず)が取り付けられる。
【0041】
次に、本実施形態の耐火性配線ボックス1の作用について説明する。
火災等の発生時、合成樹脂製の配線ボックス10は耐火性を有していないため、火災により燃焼し易い。しかしながら、金属製の耐火カバー30は耐火性を有しているため燃焼し難く、火災により配線ボックス10が燃焼したとしても、この耐火カバー30により、壁W裏に火炎、煙、有毒ガス等が流入してしまうことが阻止される。具体的には、フランジ41の前面全体が壁材W1の後面に面接触しているため、耐火カバー30内に流入した火炎、煙、有毒ガス等が壁W裏に流入し難くなっている。
【0042】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)耐火性配線ボックス1を、合成樹脂製の配線ボックス10と、この配線ボックス10を収容する収容空間33を有する金属製の耐火カバー30とで形成した。例えば、配線ボックス自体を金属製にすることで、配線ボックス自体に耐火性を有することができるが、配線ボックス自体を金属材料製にすると、本実施形態の配線ボックス10に設けられた磁石保持部20及びビス保持部18を形成する場合、金属を加工して形成しなければならない分だけ手間が掛かり、又、コストも嵩む。しかし、本実施形態によれば、配線ボックス10を合成樹脂材料で形成し、この配線ボックス10を収容する耐火カバー30を金属で形成した。このため、合成樹脂製の配線ボックス10を採用しながらも、耐火カバー30により耐火性を確保することができ、壁W裏に火炎、煙、有毒ガス等が流入してしまうことを阻止することができる。
【0043】
(2)フランジ41の厚みが厚過ぎると、柱Hの前面と壁材W1の後面との間に大きな隙間が形成されてしまい好ましくない。しかし、本実施形態では、フランジ41の厚みは、柱Hの前面に壁材W1を設置する際に影響のない厚みになっている。よって、柱Hの前面と壁材W1の後面との間に形成される隙間を抑えることができる。
【0044】
(3)フランジ41は開口31aの周縁部全周に形成されている。よって、フランジ41の前面全体を壁材W1の後面に面接触させることができ、耐火カバー30内の火炎、煙、有毒ガス等が壁W裏に流入し難くすることができる。
【0045】
(4)各貫挿孔38は、配線ボックス10が収容空間33に収容された状態において、各挿通孔16に対応する位置に設けられている。よって、耐火性配線ボックス1を柱Hに固定する際に、配線ボックス10の挿通孔16を通過した固定ビスBを、貫挿孔38を介して柱Hに強制的に螺入させることができる。すなわち、挿通孔16に対応する位置に貫挿孔38が設けられておらず、挿通孔16を通過した固定ビスBがカバー本体31に遮られてしまうことを回避することができる。
【0046】
(5)収容空間33において、配線ボックス10の上側壁12aとカバー本体31の上側壁32aとの間に空間K1を形成した。そして、この空間K1にドライバーDを挿入してドライバーDの先端部によりノック部34aを除去することで、上側壁32aにケーブル貫挿孔34を形成することができる。さらには、ケーブル貫挿孔34に配設されるブッシング39の弾性爪39aを空間K1に突出させて、弾性爪39aをケーブル貫挿孔34の周縁部に係止させることができる。その結果として、ブッシング39をケーブル貫挿孔34に固定することができるとともに、その固定作業を容易に行うことができる。
【0047】
(6)カバー本体31の右側壁32c及び左側壁32dの内面に、カバー本体31内に突出する位置決め片36,37を設けるとともに、底壁32の内面に、開口31a側に向けて突出する位置決め突出部40を設けた。そして、各位置決め片36,37の先端面36a,37aにより配線ボックス10を挟持することで、配線ボックス10における収容空間33での左右方向への移動を規制することができる。さらに、位置決め突出部40と嵌合凹部21とが嵌合することで、配線ボックス10における収容空間33での上下方向への移動を規制することができる。その結果、配線ボックス10を、収容空間33に対して、各貫挿孔38と各挿通孔16とが互いに対向し、且つ空間K1及び空間K2が形成される位置に位置決めすることができる。
【0048】
(7)フランジ41の左側後面が柱Hの前面に当接するように耐火性配線ボックス1を配置することで、配線ボックス10の開口13を壁材W1の後面に接近させることができる。よって、ボス部15を壁材W1の後面に可能な限り近づけることができる。その結果、配線器具保持枠を配線ボックス10に取り付け易くすることができ、作業性が向上する。
【0049】
(8)例えば、配線ボックス自体を金属製にすると、電気的絶縁性を確保するために配線ボックスをアースする必要がある。しかし、合成樹脂材料で形成された配線ボックス10は電気的絶縁性が確保されているため、配線ボックス10をアースする必要が無く、構成を簡素化することができる。
【0050】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○
図8に示す実施形態のように、カバー本体31の左側壁32dの外面321dを一方の柱Hの側面に当接させるとともに、右側壁32cの外面321cを他方の柱Hの側面に当接させ、フランジ41の左側後面及び右側後面が両柱Hの前面に当接するように耐火性配線ボックス1を配置してもよい。そして、両柱Hの前面に壁材W1を立設すると、壁材W1の後面と両柱Hの前面との間にフランジ41の左右両側が挟持された状態で、耐火性配線ボックス1が壁W裏に設置されるとともに、耐火性配線ボックス1の設置構造が形成される。これによれば、耐火性配線ボックス1が壁材W1の後面に対して傾き難くなり、耐火性配線ボックス1の開口を壁材W1の後面に対して平行な状態に維持させ易くすることができる。さらには、フランジ41の前面全体を、壁材W1の後面に対して面接触させ易くすることができ、耐火カバー30内の火炎、煙、有毒ガス等が壁W裏に流入し難くすることができる。
【0051】
なお、この実施形態では、フランジ41が、開口31aの周縁部全周に形成されておらず、周壁において少なくとも対向する側壁である右側壁32c及び左側壁32dに形成されていればよい。すなわち、壁材W1の後面と両柱Hの前面との間で挟まれないフランジ41の部位を削除してもよい。
【0052】
○
図9及び
図10に示す実施形態では、カバー本体31の右側壁32cが段付き形状に折り曲げ形成されている。具体的には、右側壁32cは、底壁32に連なるとともに底壁32から立設された第1右側壁51と、柱Hの側面に当接する第2右側壁52と、第1右側壁51と第2右側壁52とを繋ぐ段差部53とから形成されている。第2右側壁52は第1右側壁51よりも外方に位置している。第1右側壁51の内面には位置決め片36が二つずつ突設されている。
【0053】
配線ボックス10が収容空間33に収容された状態において、配線ボックス10の右側壁12cの外面とカバー本体31の第2右側壁52との間には、上下方向に延びるケーブル配線空間55が形成されている。よって、この実施形態では、第2右側壁52がケーブル配線空間55を形成する空間形成部として機能する。ケーブル配線空間55は、その上端側が空間K1に連通するとともに、下端側が空間K2に連通している。
【0054】
そして、カバー本体31の左側壁32dの外面321dが、カバー本体31を挟む二つの柱Hのうちの一方の柱Hの側面に当接するとともに、第2右側壁52の外面521が他方の柱Hの側面に当接し、フランジ41の左側後面及び右側後面が両柱Hの前面に当接するように耐火性配線ボックス1が配置されている。
図10に示すように、両柱Hの前面側及び後面側に壁材W1がそれぞれ立設されると、壁材W1の後面と両柱Hの前面との間にフランジ41の左右両側が挟持されている。なお、耐火性配線ボックス1は、配線ボックス10の挿通孔16及びカバー本体31の貫挿孔38に挿通された固定ビスBを、一方の柱Hに強制的に螺入することで一方の柱Hに固定されている。
【0055】
この耐火性配線ボックス1の設置構造では、ケーブルCは、カバー本体31の上側壁32aに形成されたケーブル貫挿孔34を介して空間K1に引き出されて、配線ボックス10の上側壁12aに形成されたケーブル挿通孔14を避けるようにして、ケーブル配線空間55側へ引き延ばされている。さらに、ケーブルCは、配線ボックス10の右側壁12cの外面に沿うようにケーブル配線空間55を通過して空間K2に引き延ばされている。そして、ケーブルCは、配線ボックス10の下側壁12bに形成されたケーブル挿通孔14を介して配線ボックス10内に引き込まれている。
【0056】
これによれば、耐火性配線ボックス1と一対の壁材W1との間にケーブルCが通過可能な空間が存在しない場合であっても、ケーブル配線空間55を利用することで、カバー本体31の上方から配線されたケーブルCを、配線ボックス10の下側壁12bに形成されたケーブル挿通孔14を介して配線ボックス10内に引き込むことができる。また、両柱Hの前面と壁材W1の後面との間でフランジ41の左右両側を挟持するために、両柱Hを耐火性配線ボックス1に可能な限り近づけることで、両柱Hと耐火性配線ボックス1との間にケーブルCが通過可能な空間が存在しなくなる場合がある。この場合であっても、ケーブル配線空間55を利用することで、カバー本体31の上方から配線されたケーブルCを、配線ボックス10の下側壁12bに形成されたケーブル挿通孔14を介して配線ボックス10内に引き込むことができる。なお、
図9及び
図10に示す実施形態では、配線ボックス10の上側壁12aにケーブル挿通孔14が形成されていなくてもよい。
【0057】
また、耐火性配線ボックス1が壁W裏に設置された状態では、第1右側壁51の外面511と他方の柱Hの側面との間に、上下方向に延びるケーブル配線空間65が形成されている。すなわち、カバー本体31内ではなく、カバー本体31の外側にケーブル配線空間65が形成されている。この場合も、
図11及び
図12に示すように、ケーブルCを、カバー本体31の上側壁32aに形成されたケーブル貫挿孔34を避けるようにして、カバー本体31の第1右側壁51の外側に沿わせながらケーブル配線空間65を通過させる。さらに、ケーブル配線空間65を通過したケーブルCを、カバー本体31の下側壁32bに形成されたケーブル貫挿孔34及び配線ボックス10の下側壁12bに形成されたケーブル挿通孔14を介して配線ボックス10内に引き込むようにしてもよい。
【0058】
なお、
図11及び
図12に示す実施形態では、カバー本体31の上側壁32aに形成されたケーブル貫挿孔34は、ノック部34aにより閉鎖されている。すなわち、カバー本体31には、下側壁32bのみにケーブル貫挿孔34が形成されている。耐火カバー30内に流入した火炎、煙、有毒ガス等は上に昇って行き易い。しかし、この実施形態では、カバー本体31の下側壁32bのみにケーブル貫挿孔34が形成され、カバー本体31の上側壁32aにはケーブル貫挿孔34が形成されていないため、耐火カバー30内に流入した火炎、煙、有毒ガス等が壁W裏に流入し難くすることができる。
【0059】
また、壁材W1の後面と両柱Hの前面との間にフランジ41の左右両側が挟持されていたが、これに限らず、例えば、フランジ41の左側のみが壁材W1の後面と柱Hの前面との間に挟持されていてもよい。すなわち、右側の柱Hを削除してもよい。この場合、
図11及び
図12に示す実施形態では、壁W裏におけるカバー本体31の右側壁32cの外側の空間がケーブル配線空間として機能する。
【0060】
また、ケーブルCを、カバー本体31の上方から配線せずに、カバー本体31の下方から配線して、カバー本体31の下側壁32bに形成されたケーブル貫挿孔34及び配線ボックス10の下側壁12bに形成されたケーブル挿通孔14を介して配線ボックス10内に引き込むようにしてもよい。
【0061】
○
図13に示すように、耐火性配線ボックス1が壁W裏に設置されて、耐火性配線ボックス1の設置構造が形成された状態において、カバー本体31の右側壁32cの外面と、右側壁32c側に配置された柱H(他方の柱H)の側面との間にケーブル配線空間75が形成されていてもよい。このケーブル配線空間75は、フランジ41の右側の長さR1を、左側の長さR2よりも長く形成し、フランジ41の右側の先端側のみを柱Hと壁材W1とで挟持することで形成されている。
【0062】
○
図7に示す耐火性配線ボックス1の設置構造において、ケーブルCを、カバー本体31の上側壁32aに形成されたケーブル貫挿孔34を避けるようにして、カバー本体31の右側壁32cの外側に沿わせながら通過させてもよい。そして、ケーブルCを、カバー本体31の下側壁32bに形成されたケーブル貫挿孔34及び配線ボックス10の下側壁12bに形成されたケーブル挿通孔14を介して配線ボックス10内に引き込むようにしてもよい。この場合、壁W裏におけるカバー本体31の右側壁32cの外側の空間がケーブル配線空間として機能する。
【0063】
○ 実施形態において、ケーブルCを、カバー本体31の下側壁32bに形成されたケーブル貫挿孔34を利用してカバー本体31内に貫挿させるとともに、カバー本体31内に貫挿されたケーブルCを、配線ボックス10の下側壁12bに形成されたケーブル挿通孔14を利用して配線ボックス10内に引き込むようにしてもよい。
【0064】
○ 実施形態において、位置決め片36,37を削除してもよい。
○ 実施形態において、位置決め突出部40を削除してもよい。
○ 実施形態において、例えば、配線ボックス10の左側壁12dの外面121dに、貫挿孔38の周縁部に係止する係止突起を設けて貫挿孔38の周縁部に係止突起を係止させることで配線ボックス10を収容空間33において位置決めしてもよい。この場合、貫挿孔38の周縁部が位置決め部として機能する。
【0065】
○ 実施形態では、収容空間33の深さは、配線ボックス10が収容空間33に収容されて、配線ボックス10が収容空間33において位置決めされたとき、配線ボックス10の開口13がカバー本体31の開口31aと同一平面上に位置するように設定されていたが、これに限らない。収容空間33の深さは、配線ボックス10が収容空間33に収容された状態において、配線ボックス10の開口13がカバー本体31の開口31aから突出しないように設定されていればよい。
【0066】
○ 実施形態において、ケーブルCとケーブル貫挿孔34との間に耐火用パテを充填してもよい。この場合、空間K1は、ケーブルCとケーブル貫挿孔34との間に耐火用パテを充填する際に必要な空間になっている。
【0067】
○ 実施形態において、ケーブル貫挿孔34に、ケーブルCを収容する配管を取り付けてもよい。ケーブル貫挿孔34に配管を取り付ける際には、ナットを用いて、配管に設けられるコネクタをケーブル貫挿孔34に連結する。この場合、空間K1は、配管をケーブル貫挿孔34に連結するために必要な空間になっている。
【0068】
○ 実施形態において、空間K1及び空間K2を削除してもよい。
○ 実施形態において、各貫挿孔38が、配線ボックス10が収容空間33に収容された状態において、各挿通孔16に対応する位置に設けられていなくてもよい。
【0069】
○ 実施形態において、フランジ41に、厚み方向に貫通する挿通孔を形成するとともに、フランジ41を柱Hの前面に当接させた状態で、この挿通孔に固定ビスを挿通して、固定ビスを柱Hに強制的に螺入することで、耐火性配線ボックス1を柱Hに固定するようにしてもよい。
【0070】
○ 実施形態では、開口31aの周縁部全周にフランジ41が形成されていたが、これに限らず、フランジ41において、柱Hの前面に当接しない部位を削除してもよい。すなわち、フランジが柱Hの前面に当接する部位のみ設けられていてもよい。
【0071】
○ 実施形態において、フランジ41の厚みは特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、フランジ41を削除してもよい。