(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内層が初期に促進剤を含まないゴムコンパウンドを含み、バランスパッドがさらに促進剤を含む接着材料及びゴムコンパウンドを含む結合層を含み、前記接着材料は、内層を外層に結合された結合層に結合する、請求項1に記載のタイヤ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0016]
図1は、サイドウォール12と、外周ゴムトレッド14と、プライ層18及び伸張不能なビード20を含む支持カーカス16と、ベルト22と、そして内表面26及び外表面28を含むインナーライナー24とを含む空気入りタイヤ10を示す。インナーライナー24は、タイヤ圧が長期間にわたって維持されるように、空気又は酸素が抜けないように設計されている。個別サイドウォール12は、トレッド14の軸方向外端から半径方向内向きに伸びて、伸張不能な各ビード20に接合する。支持カーカス16は、トレッド部14とサイドウォール12のための支持構造として働く。そして外周トレッド14は、タイヤ10の使用時、接地するように適応されている。
【0014】
[0017]
図1及び2をさらに参照する。インナーライナー24の内表面26は、バランスパッド34の外層32の外表面30に結合されている。バランスパッド34の残り部分は、外層32の内表面37に結合された内層36を含む。バランスパッド34は、二層構造を定義するように示されているが、バランスパッド34は三層以上を含みうることは理解されるはずである。
【0015】
[0018]インナーライナー24とバランスパッド34の外層32は、同じでも又は異なっていてもよい動的加硫アロイ(“DVA”)を含む。DVA材料は、連続相として少なくとも一つのエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも一つの部分加硫ゴムを含み、一般的に、動的加硫として知られている技術を利用して、エンジニアリングレジンとゴムを硬化剤及び充填剤と共に一緒にブレンドすることによって製造できる。
【0016】
[0019]“動的加硫”という用語は、エンジニアリングレジンとゴムを硬化剤の存在下、高剪断及び高温の条件下で混合する加硫プロセスのことを言う。動的加硫は、ゴムの硬化温度又はそれを上回る温度で、ロールミル、バンバリーミキサー、連続ミキサー、ニーダー、混合押出機(例えば二軸スクリュー押出機)などを用いて成分を混合することによって実施される。その結果、ゴムは、同時に架橋及びエンジニアリングレジン内に例えばミクロゲルの形態の微粒子として分散され、連続マトリックスを形成する。動的硬化組成物の一つの特徴は、ゴムは硬化されている(又は少なくとも部分硬化されている)という事実にもかかわらず、組成物は、押出、射出成形、圧縮成形などの従来の熱可塑性加工技術によって加工及び再加工できることである。
【0017】
[0020]エンジニアリングレジン(“エンジニアリングサーモプラスチックレジン”、“熱可塑性樹脂”、又は“熱可塑性エンジニアリングレジン”とも呼ばれる)は、任意の熱可塑性ポリマー、コポリマー又はそれらの混合物を含みうる。例えば、下記の一つ又は複数であるが、これらに限定されない。a)ポリアミド樹脂、例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66コポリマー(N6/66)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T(N6T)、ナイロン6/6Tコポリマー、ナイロン66/PPコポリマー、又はナイロン66/PPSコポリマー;b)ポリエステル樹脂、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEIコポリマー、ポリアクリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミド二酸/ポリブチレートテレフタレートコポリマー及びその他の芳香族ポリエステル;c)ポリニトリル樹脂、例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレンコポリマー(AS)、メタクリロニトリル−スチレンコポリマー、又はメタクリロニトリル−スチレン−ブタジエンコポリマー;d)ポリメタクリレート樹脂、例えばポリメチルメタクリレート、又はポリエチルアクリレート;e)ポリビニル樹脂、例えば酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレンコポリマー(EVOA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニル/ポリビニリデンコポリマー、又はポリ塩化ビニリデン/メタクリレートコポリマー;f)セルロース樹脂、例えば酢酸セルロース、又は酢酸酪酸セルロース;g)フッ素樹脂、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロロフルオロエチレン(PCTFE)、又はテトラフルオロエチレン/エチレンコポリマー(ETFE);h)ポリイミド樹脂、例えば芳香族ポリイミド;i)ポリスルホン;j)ポリアセタール;k)ポリラクトン;l)ポリフェニレンオキシド及びポリフェニレンスルフィド;m)スチレン−無水マレイン酸;n)芳香族ポリケトン;及びo)a)〜n)のいずれか及びすべての混合物のほか、a)〜n)のそれぞれの中の実例又は例示エンジニアリングレジンのいずれかの混合物。
【0018】
[0021]一態様において、エンジニアリングレジンは、ポリアミド樹脂及びそれらの混合物、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン6 66コポリマー、ナイロン11、及びナイロン12、並びにそれらのブレンドを含む。別の態様において、エンジニアリングレジンは、オレフィンのポリマー、例えばポリエチレン及びポリプロピレンを除外する。別の態様において、エンジニアリングレジンは、500MPaを超えるヤング率及び/又は60×10
−12cc・cm/cm
2 sec cm Hg(30℃)未満の空気透過係数を有する。一例において、空気透過係数は25×10
−12cc・cm/cm
2 sec cm Hg(30℃)未満である。
【0019】
[0022]DVAのゴム成分は、ジエンゴム及びその水素化物、ハロゲン含有ゴム、例えばハロゲン化イソブチレン含有コポリマー(例えば臭素化イソブチレンp−メチルスチレンコポリマー)、シリコーンゴム、硫黄含有ゴム、フルオロゴム、ヒドリンゴム、アクリルゴム、イオノマー、熱可塑性エラストマー、又はそれらの組合せ及びブレンドなどでありうる。
【0020】
[0023]一態様において、ゴム成分はハロゲン含有ゴムである。ハロゲン含有ゴム、又はハロゲン化ゴムは、少なくとも約0.1モル%のハロゲン(例えば、臭素、塩素又はヨウ素)を有するゴムなどでありうる。適切なハロゲン化ゴムは、ハロゲン化イソブチレン含有ゴム(ハロゲン化イソブチレンベースのホモポリマー又はコポリマーとも呼ばれる)を含む。これらのゴムは、C
4〜C
7イソモノオレフィン誘導単位、例えばイソブチレン誘導単位と、少なくとも一つのその他の重合可能単位とのランダムコポリマーと言うことができる。一例において、ハロゲン化イソブチレン含有ゴムは、臭素化されたようなブチルタイプゴム又は分枝ブチルタイプゴムである。本開示に適切な、オレフィン又はイソオレフィンのホモポリマー及びコポリマーなどの有用な不飽和ブチルゴム及びその他のタイプのゴムは周知であり、RUBBER TECHNOLOGY 209−581(Maurice Morton ed.,Chapman & Hall 1995)、THE VANDERBILT RUBBER HANDBOOK 105−122(Robert F.Ohm ed.,R.T.Vanderbilt Co.,Inc.1990)、及び8 KIRK−OTHMER ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY 934−955中のEdward Kresge and H.C.Wang(John Wiley & Sons,Inc.4th ed.1993)に記載されている。一例において、ハロゲン含有ゴムは、ハロゲン化イソブチレン−p−メチルスチレン−イソプレンコポリマー又はハロゲン化ポリ(イソブチレン−コ−p−メチルスチレン)ポリマーで、これは約0.1〜約5wt%のブロモメチル基を一般的に含有する臭素化ポリマーである。
【0021】
[0024]一態様において、ゴムは、500MPaを超えるヤング率及び/又は60×10
−12cc・cm/cm
2 sec cm Hg(30℃)未満の空気透過係数を有する。一例において、空気透過係数は25×10
−12cc・cm/cm
2 sec cm Hg(30℃)未満である。
【0022】
[0025]一態様において、ゴム成分及びエンジニアリングレジンとも、ゴム配合物の総重量を基にして少なくとも10重量%の量で存在し;ゴム成分とエンジニアリングレジンの総量は、ゴム配合物の総重量を基にして30重量%以上である。
【0023】
[0026]前述のように、DVAは一つ又は複数の充填剤成分も含みうる。それは、炭酸カルシウム、クレイ、マイカ、シリカ及びシリケート、タルク、二酸化チタン、デンプン及びその他の有機充填剤、例えば木粉、及びカーボンブラックなどでありうる。一例において、充填剤は、全DVA組成物の約20%〜約50重量%存在する。
【0024】
[0027]当該技術分野で公知の追加の添加剤も、所望の物理的性質を有する所望のコンパウンドを得るためにDVAに入れてもよい。そのような公知の通常使用されている添加剤材料は、活性化剤、遅延剤及び促進剤、ゴムプロセス油、粘着付与樹脂を含む樹脂、可塑剤、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤(antiozonant)、及びしゃく解剤である。当業者にはわかるように、DVAの使用目的に応じて、添加剤は選択され、従来量で使用される。
【0025】
[0028]本発明の態様に従う適切なDVA及びDVAの製造法は、米国特許出願公開第2008/0314491号;2008/0314492号;及び2009/015184号に開示されている。これらの内容は、引用によってそれらの全体を明示的に本明細書に援用する。
【0026】
[0029]動的加硫プロセス自体に関して詳しく述べると、該プロセスは、組成物中の少なくとも一つの加硫可能なゴム成分(組成物はさらに加硫可能でない少なくとも一つのエンジニアリングレジンも含む)を、加硫可能な成分のための加硫剤又は硬化剤を用いて、実質的に同時に混合及び加硫、又は架橋することを含む。動的加硫プロセスのための適切な硬化剤(curing agent又はcurative)は、例えば、ZnO、CaO、MgO、Al
2O
3、CrO
3、FeO、Fe
2O
3、及びNiOなどで、これらは対応するステアリン酸金属錯体(例えば、Zn、Ca、Mg、及びAlのステアリン酸塩)、又はステアリン酸と、及び硫黄化合物又はアルキルペルオキシド化合物のいずれかと共に使用できる。所望により促進剤を添加してもよい。ペルオキシド硬化剤は、選択されたエンジニアリングレジンが、ペルオキシドによってこれらの樹脂自体の架橋が起こり、過度に硬化された非熱可塑性組成物がもたらされるような場合は避ける必要がある。
【0027】
[0030]動的加硫プロセスは、ゴム成分を少なくとも部分加硫する条件で実施される。これを達成するには、エンジニアリングレジン、ゴム成分及びその他の所望ポリマーと共に硬化系を、樹脂を軟化させるのに十分な温度で一緒に混合すればよい。混合プロセスは、所望レベルの加硫又は架橋が完了するまで継続できる。一態様において、ゴム成分は、エンジニアリングレジンの一部又は全部の存在下で動的加硫できる。同様に、全部の充填剤及びオイルは、使用される場合、動的加硫段階の前に添加される必要はない。ある種の成分、例えば安定剤及び加工助剤は、硬化後に添加されるとより効果的に機能することができる。加硫温度での加熱及び混練は、一般的に加硫を約0.5〜約10分で完了させるのに適切である。加硫時間は加硫温度を高めることによって短くできる。加硫温度の適切な範囲は、例えば、典型的には熱可塑性樹脂のおよそ融点〜約300℃である。
【0028】
[0031]得られたDVAは、インナーライナー24並びにバランスパッド34の外層32としてそのまますぐに使用できる。インナーライナー24及び外層32は、DVA材料をカレンダリングして約0.1mm〜約1mmの厚さを有するシート又はフィルム材料にすることによって製造できる。シート材料は、特定のサイズ又はタイプのタイヤ10又は特定のサイズ又はタイプのバランスパッド34に適用するのに適切な幅及び長さのストリップにカットすることができる。インナーライナー24は管状層として提供することもできる。インナーライナー24又はバランスパッド34として使用するための一つの適切なタイプのDVAフィルムは、テキサス州ヒューストンのExxonMobil社から入手できるExxcore(登録商標)DVAである。
【0029】
[0032]バランスパッド34の内層36は、ゴムコンパウンド又はプラスチックコンパウンドを含みうる。内層36のためのゴムコンパウンドは、選択されたゴムコンパウンドが例えば従来の硬化プロセスに付された場合にDVAに望ましく結合するならば、いずれの硬化可能なゴムコンパウンドでもよい。例えば従来式バランスパッドの高重力コンパウンド層に使用されることが知られているゴムコンパウンドなどである。一例において、ゴムコンパウンドは、100部の天然ゴム、合成ゴム、又はそれらのブレンドもしくは組合せを含みうる。そのようなゴムコンパウンドは、以下でさらに説明するが、さらに1〜10phrのメラミン及び少なくとも一つの補強充填剤、並びにその他の任意の成分を含んでいてもよい。
【0030】
[0033]内層36のためのゴムコンパウンドの天然又は合成ゴム成分は、少なくとも50モル%、別の例では少なくとも約60モル%〜約100モル%のC
4〜C
12ジエンモノマーを含みうる従来のジエン又は高ジエンゴムであろう。有用なジエンゴムは、オレフィン又はイソオレフィン及びマルチオレフィンのホモポリマー及びコポリマー、又はマルチオレフィンのホモポリマーなどである。これらは周知であり、RUBBER TECHNOLOGY 179−374(Maurice Morton ed.,Chapman & Hall 1995)、及びTHE VANDERBILT RUBBER HANDBOOK 22−80(Robert F.Ohm ed.,R.T.Vanderbilt Co.,Inc.1990)に記載されている。ジエンゴムの適切な例は、ポリイソプレン、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどで、これらは単独でも又は組合せ及び混合物でも使用できる。別の例では、ジエンゴムはスチレン系ブロックコポリマー、例えば5wt%〜95wt%のスチレン含有量を有するものなどでありうる。適切なスチレン系ブロックコポリマー(SBC)は、一般的に熱可塑性ブロック部分A及びエラストマー性ブロック部分Bを含むものなどである。
【0031】
[0034]ゴムコンパウンド中のメラミン誘導体は、例えばヘキサメトキシメチルメラミン(HMMM)、テトラメトキシメチル−メラミン、ペンタメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、及びそれらの二量体;N−(置換オキシメチル)メラミン誘導体、例えばヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、N,N’,N”−トリメチル−N,N’,N”−トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミン、N−メチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラミン、N,N’,N”−トリエチル−N,N’,N”−トリス(メトキシメチル)メラミン、及びN,N’,N”−トリブチル−N,N’,N”−トリメチロールメラミン;又はそれらの混合物などでありうる。一例において、メラミン誘導体はヘキサメトキシ−メチルメラミンである。
【0032】
[0035]メラミン誘導体は、ゴム配合物中に約1phr〜約10phrの量で存在しうる。別の例において、メラミン誘導体は、約1phr〜約5phrの量で存在する。
[0036]補強充填剤は、炭酸カルシウム、クレイ、マイカ、シリカ及びシリケート、タルク、二酸化チタン、デンプン及びその他の有機充填剤、例えば木粉、カーボンブラック、及びそれらの組合せなどでありうる。一例において、補強充填剤はカーボンブラック又は改質カーボンブラックである。適切なカーボンブラックの等級は、RUBBER TECHNOLOGY 59−85(1995)に記載されているように、N110〜N990を含む。
【0033】
[0037]補強充填剤は、ゴム配合物中に約10phr〜約150phrの量で存在しうる。別の例において、充填剤は、約30phr〜約100phrの量で存在する。さらに別の例において、充填剤は、約40phr〜約70phrの量で存在する。
【0034】
[0038]内層36のためのゴムコンパウンドは、フェノール、例えばレソルシノール、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、例えばレソルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、又はそれらの混合物も含みうる。一例において、フェノールは、ゴム配合物中に約0.1phr〜約3phr、別の例においては、約0.4phr〜約1phrの量で存在しうる。別の例において、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂は、ゴム配合物中に約1phr〜約5phr、別の例においては、約2phr〜約4phrの量で存在しうる。
【0035】
[0039]当該技術分野で公知の追加の添加剤も、所望の物理的性質を有する所望のコンパウンドを得るために内層36のゴムコンパウンドに入れてもよい。そのような公知の通常使用されている添加剤材料は、活性化剤、遅延剤及び促進剤、ゴムプロセス油、可塑剤、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤、及びしゃく解剤である。ゴムコンパウンドは、該組成物が加硫可能となり標準のゴム配合法によって製造できるように、硬化剤又は硬化系も含む。当業者にはわかるように、添加剤及び硬化剤は選択可能であり、従来量で使用できる。
【0036】
[0040]内層36のためのプラスチックコンパウンドは、任意の従来型プラスチックコンパウンドを含みうる。一例において、プラスチックコンパウンドは軟質プラスチックを含む。内層36として使用するのに適切なプラスチックの例は、ポリウレタン、ポリプロピレンなどのような熱可塑性プラスチックを含む。一例において、柔軟性は下記によって定義できる。すなわち、例えば10ミル厚のフィルムの薄膜が破断することなく180°曲げられるということである。当該技術分野で公知の追加の添加剤も、所望の物理的性質を有する所望のコンパウンドを得るために内層36のプラスチックコンパウンドに入れることができる。内層36のためのプラスチックコンパウンドの全成分の混合は、当業者に公知の方法によって達成することができる。
【0037】
[0041]内層36は、材料をカレンダリングして約1mm〜約10mmの厚さを有するシート又はフィルム材料にすることによって製造できる。シート材料は、特定のサイズ又はタイプのバランスパッド34に適用するのに適切な幅及び長さのストリップにカットすることができる。内層36は外層32と共に同時押出されても、又は個別に押出されてもよい。内層36がプラスチックコンパウンドを含む場合、例えば内層36と外層32は一緒に熱融合できる。そのようなプロセスは両ピースを同時に加熱し、それらを一緒にプレスすることを含む。次いで二つのピースは共に冷却されて永久結合を形成する。内層36がゴムコンパウンドを含む場合、例えば内層36と外層32は従来型接着剤によって外層32に直接結合させることができる。
【0038】
[0042]
図3に示されているような本発明の別の態様において、バランスパッド34はさらに、DVAの外層32と内層36との間に、それら間の接着をさらに改良するために、直接配置された所望による結合層(ボンド層)38を含むこともできる。
【0039】
[0043]一例において、結合層38は、内層36を外層32に望ましく結合させる任意のゴムコンパウンドを含むことができる。適切なゴム結合層は、一般的にタイ層とも呼ばれているが、米国特許出願公開第2008/0314491号;2008/0314492号;及び2009/015184号に開示されており、これらの内容は、引用によってそれらの全体を明示的に本明細書に援用する。一例において、ゴムコンパウンドは、エポキシ化天然ゴム又はその他の極性ゴムを、さらに所望により追加の合成及び/又は天然ゴムと合わせて含むことができる。一態様において、結合層38はエポキシ化天然ゴムを含み得、内層36はゴムコンパウンドを含み得る。ゴム結合層38の厚さは、約0.1mm〜約2.0mmの範囲内であろう。
【0040】
[0044]結合層38は、シアノアクリレートのような接着材料を含むこともできる。適切なシアノアクリレートの例は、アルキルシアノアクリレート、例えばエチルシアノアクリレート、アルコキシアルキルシアノアクリレート、例えばアルコキシエチルシアノアクリレート、又はそれらの混合物などでありうる。接着材料もエポキシ樹脂を含まなくてよい。接着材料の適切な具体例は、Henkel Corporation社から入手できるLoctite(登録商標)401、Loctite(登録商標)405、及びLoctite(登録商標)455(登録商標)などである。その他の具体例は、Permabond社から入手できるPermabond 820及びPermabond 737などである。接着材料は、任意の従来様式、例えばスプレーコーティングによって適用することができる。一態様において、結合層38はシアノアクリレートを含み得、内層36はプラスチックコンパウンドを含み得る。
【0041】
[0045]別の態様において、インナーライナー24の外表面28は、プライ層18への接着をさらに改良するために、所望により結合層(図示せず)をさらに含んでいてもよい。
[0046]次に
図4を参照すると、別の態様において、バランスパッド34は、内層36及び結合層38に例えば接着材料(図示せず)によって結合された所望による結合ガム層40を含むこともできる。結合ガム層40のゴムコンパウンドは、従来型結合ガム層40に使用されることが知られている任意の硬化可能なコンパウンドでありうる。一例において、結合ガム層40は、促進剤を含まないゴムコンパウンドを含みうる。
【0042】
[0047]結合ガム層40を結合層38に結合できる接着材料は促進剤を含みうる。適切な促進剤の例は、ジチオカルバメート、例えばジブチルジチオカルバミド酸亜鉛ジブチルアミン錯体である。接着材料は適切な溶剤も含有しうる。それらは、アルカン、例えばヘプタン、ケトン、例えばアセトン、又はそれらの混合物などであろう。一例において、促進剤は接着材料中に0.1〜10重量%の範囲で存在する。別の例において、促進剤は接着材料中に0.1〜5重量%の範囲で存在する。別の例において、促進剤は接着材料中に1〜2重量%の範囲で存在する。接着材料は室温で結合層38及び/又は結合ガム層40に任意の従来様式、例えばスプレーコーティングで適用できる。次いで、結合層38と結合ガム層40は一緒にプレスされるなどして固定される。外層32は、接着材料が乾燥、又は硬化すると、内層36にしっかりと接着される。
【0043】
[0048]タイヤカーカス16は、空気入りタイヤ10に使用するための任意の従来型タイヤカーカス16でよい。
図1では、カーカス16はインナーライナー24に隣接して配置されたプライ層18を含んでいる。インナーライナー24をタイヤカーカス16に接着しているプライ層18、及びタイヤ部品の残り部分、例えばタイヤトレッド14、サイドウォール12、及び補強ビード20は、一般的に当該技術分野で従来知られているものから選ぶことができる。プライ層18、タイヤトレッド14、サイドウォール12、ビード20、及びベルト22、並びにそれらの製造法は当業者には周知である。
【0044】
[0049]タイヤ層、例えばプライ層18のためのゴムコンパウンドの成分、並びにバランスパッド34、例えば内層36のゴムコンパウンドの成分の混合は、当業者に公知の方法によって達成できる。例えば、成分は少なくとも二つの段階とそれに続くプロダクティブ混合段階で混合できる。最終の硬化剤は典型的には最終段階で混合される。この最終段階は従来“プロダクティブ”混合段階と呼ばれ、混合が典型的にはエラストマーの加硫温度より低い温度、又は極限温度で実施される。“ノンプロダクティブ”及び“プロダクティブ”混合段階という用語は、ゴム混合分野の技術者には周知である。ゴムコンパウンドは、該組成物が加硫可能となり標準のゴム配合法によって製造できるように、硬化剤又は硬化系も含む。添加剤及び硬化剤は選択可能であり、従来量で使用できる。
【0045】
[0050]空気入りタイヤ10のための上記タイヤ層を用いて、タイヤ10は、タイヤ形成ドラム(図示せず)上に標準的タイヤ構築技術を用いて構築することができる。特に、空気入りタイヤ10は、
図1に示されているように、まずタイヤドラム上にインナーライナー24を配置し、その後未硬化タイヤの残り部分をその上に構築することによって製造することができる。次に、プライ層18をインナーライナー24上に直接配置し、続いてタイヤカーカス16の残り及びベルト22を配置する。前述のように、インナーライナー24の外表面28は、インナーライナー24をそれに初期接着させるための望ましい粘着性を提供するために所望により接着剤層を含んでいてもよい。最後に、ゴムのタイヤトレッド14をベルト22及びタイヤカーカス16上に配置することによって未加硫タイヤアセンブリが規定される。
【0046】
[0051]ドラム上で未硬化タイヤアセンブリを構築したら、取り外して熱金型に入れることができる。金型は、未硬化タイヤの内周に配置される膨張可能なタイヤ成形ブラダーを包含している。金型を閉じたらブラダーを膨らます。そうすると、ブラダーは硬化プロセスの早期段階でタイヤを閉金型の内表面に押し付けることによってタイヤ10を成形する。ブラダー及び金型内の熱はタイヤ10の温度を加硫温度にまで上昇させる。
【0047】
[0052]一般的に、タイヤ10は広範囲の温度で硬化でき、加硫温度は約100℃〜約250℃となりうる。例えば、乗用車のタイヤは約130℃〜約170℃の範囲の温度で硬化され、トラックのタイヤは約150℃〜約180℃の範囲の温度で硬化されるであろう。硬化時間も約1分から数時間の範囲で変動しうる。硬化時間及び温度は、当該技術分野で周知の多数の変数、例えばタイヤ部品の組成(各層の硬化系を含む)、全体的なタイヤのサイズ及び厚さなどに依存する。アセンブルされたタイヤの加硫は、タイヤアセンブリのすべての構成要素又は層、すなわちインナーライナー24、プライ層18を含むカーカス16、ベルト22、及び外側トレッド14並びにサイドウォール層12の完全な又は実質的に完全な加硫又は架橋をもたらす。加硫は、各層及び全体構造の所望の強度特性を発揮させることに加えて、これらの構成要素間の接着も増強し、別個の多数の層であったものから、硬化された一体化(unitary)タイヤ10を生み出す。
【0048】
[0053]動的加硫アロイを含む薄型軽量DVAインナーライナー24は、望ましく低い透過特性を示す。得られた全体構造は、低減された重量を有するタイヤ構造を可能にする。
[0054]タイヤ10が硬化されたら、形成されたタイヤ10における不均衡の影響を排除又は低減するために、一つ又は複数のバランスパッド34の外層32を接着材料によってインナーライナー24に結合できる。特に、インナーライナー24の内表面26は、バランスパッド34の外層32をそれに接着する前に準備をされる。一例において、インナーライナー24は溶剤でクリーニングされる。その後、接着材料、例えばシアノアクリレートを、バランスパッド34の外層32の外表面30及び/又はインナーライナー24の内表面26に、室温で、例えばスプレーコーティングなどの任意の従来様式で適用できる。次に、バランスパッド34の外層32をインナーライナー24に、それに対して押し付けるなどして固定する。適切なシアノアクリレートの例は、アルキルシアノアクリレート、例えばエチルシアノアクリレート、アルコキシアルキルシアノアクリレート、例えばアルコキシエチルシアノアクリレート、又はそれらの混合物などでありうる。接着材料もエポキシ樹脂を含まなくてよい。接着材料の適切な具体例は、Henkel Corporation社から入手できるLoctite(登録商標)401、Loctite(登録商標)405、及びLoctite(登録商標)455(登録商標)などである。その他の具体例は、Permabond社から入手できるPermabond 820及びPermabond 737などである。接着材料は、任意の従来様式によって適用することができる。バランスパッド34は、任意の所望形状又はサイズのものでよいが、接着材料が乾燥、又は硬化するとインナーライナー24にしっかりと接着される。バランスパッド34の外層32は、インナーライナー24に熱融合することもできる。
【実施例】
【0049】
[0055]詳細な説明に従って内層36に使用するためのゴム配合物の非制限的例を以下に開示する。この例は単に例示を目的としたものであって、本発明の範囲又は本発明を実施できる様式の制限と見なされてはならない。当業者には他の例もわかるであろう。
【0050】
[0056]表I:内層ゴム配合物
【0051】
【表1】
【0052】
[0057]表1の内層ゴム配合物を対照及び比較例と比較した。両方とも次に説明する。
[0058]対照配合物
[0059]このゴム配合物は、配合物からHMMMを除外して合計phrを168.03とした以外は表Iのゴム配合物と同一であった。
【0053】
[0060]比較例
[0061]このゴム配合物は、HMMMを3.0phrのヘキサメチレンビス−チオスルフェート二ナトリウム塩二水和物で置き換えて合計phrを171.03とした以外は表Iのゴム配合物と同一であった。
【0054】
[0062]上記ゴム配合物は、当業者に公知の標準的ゴム配合法によって、及び前述のように製造された。製造された各配合物は、タイヤ構築に使用するのに適切なプライ層を提供するための標準法によってさらに加工された。
【0055】
[0063]0.2mmDVA層に対する硬化接着など、それぞれの内層の様々な特性及び性質を評価した。DVAフィルムは、テキサス州ヒューストンのExxonMobil社から入手したExxcore(登録商標)DVAフィルムであった。このDVA層は、連続相としてナイロン及び分散相として少なくとも部分加硫臭素化イソブチレンp−メチルスチレンコポリマーを含んでいた。
【0056】
[0064]試験目的のために、それぞれの内層をDVAフィルムの表面に直接隣接させて、すなわちそれらの間に結合層も接着材料もない状態で配置し、150℃で23分間、100psiで硬化させた。次に1インチのストリップを列理方向に切り取り、クロスヘッド速度50.8cm/分での定常状態平均負荷をInstronを用いて測定した。各ゴム配合物について3個のサンプルを試験した。結果/データを以下の表IIに示す。
【0057】
[0065]表II:試験結果
【0058】
【表2】
【0059】
[0066]試験結果に基づくと、ヘキサメチレンビス−チオスルフェート二ナトリウム塩二水和物を含む比較例の内層ゴム配合物は、DVAバリア層に対する硬化接着を改良しなかった。しかしながら、HMMMを含む表1のプライ層ゴム配合物は、内層とDVAバリア層間の硬化接着を予想外に著しく増強した。
【0060】
[0067]詳細な説明に従って異なる接着材料も試験し、インナーライナー24として使用されるようなDVAフィルムをバランスパッド34の外層32として使用されるようなDVAフィルムに固定することにおけるそれらの有効性を判定した。
【0061】
[0068]試験に使用されたDVAフィルムは、テキサス州ヒューストンのExxonMobil社から入手したExxcore(登録商標)であった。このDVAバリア層は、連続相としてナイロン及び分散相として少なくとも部分加硫臭素化イソブチレンp−メチルスチレンコポリマーを含んでいた。各DVAフィルムは、片面に、エポキシ化天然ゴムを含むタイ層とも呼ばれる(Exxcore(登録商標)DVAとしても知られる)ゴム結合層を備えていた。
【0062】
[0069]さらに以下のその他の実施例では、詳細な説明に従って接着材料を試験し、外層32として使用されるようなDVAフィルムを結合ガム層40に固定することにおけるそれらの有効性を判定した。DVA外層32と結合ガム層40の中間に配置されたのは結合層38で、これは外層32に接着されていた。結合ガム層40は、従来の二層バランスパッドの一部で、これは外層36も含み、Patch Rubber Company社から入手された。接着された層間の接着強さを以下で評価及び解説する。
【0063】
[0070]以下の実施例は単に例示を目的としたものであって、本発明の範囲又は本発明を実施できる様式の制限と見なされてはならない。当業者には他の例もわかるであろう。
[0071]DVAフィルムのDVAフィルムへの接着
[0072]シアノアクリレートを含むHenkel Corporation社製の3種類の異なる例示的市販接着剤と、それぞれPatch Rubber Company社及びTech International社製の二つの比較接着剤を、5個の別個の14ミルキャストDVAフィルム(6×6インチ)の非タイ層側の4×6インチの面積に別々に適用した。別のキャストDVAフィルムを5個の被覆DVAフィルムのそれぞれに圧着し、接着材料がそれらの間に挟まれるようにした。接着材料を固化させた。各試験片から3個の1インチストリップを切り取った後、室温で50.8cm/分のクロスヘッド速度でInstron引張試験を実施した。接着剤と平均の結果/データを以下の表Iに示す。
【0064】
[0073]表III:接着材料及び試験結果
【0065】
【表3】
【0066】
[0074]シアノアクリレート接着材料を使用した試験片は、二つの比較試験片よりも著しく強い結合を示した。実際、シアノアクリレート接着材料を使用した三つの試験片はいずれも室温で剥離できず、すなわちそれぞれジョー(jaw)部で破断した。比較試験片は無視できるほどわずかな接着しか示さなかった。
【0067】
[0075]結合層を有するDVAフィルムの、バランスパッドの結合ガム層への接着
[0076]Patch Rubber Company社から入手した速乾接着材料を1枚の10ミルキャストDVAフィルムの結合層に適用した。Patch Rubber Company社から入手した従来の2オンス2層バランスパッドの結合ガム層をDVAフィルムに圧着し、速乾接着材料がそれらの間に挟まれるようにした。次いで接着材料を乾燥させた。1週間後、引張力をクロスヘッド速度50.8cm/分で室温及び95℃で測定した。接着材料及び結果/データを以下の表IIに示す。
【0068】
[0077]表IV:接着材料及び試験結果
【0069】
【表4】
【0070】
[0078]試験結果は、DVA対DVAの試験結果と同様、DVAフィルムは試験した接着材料によって結合ガム層に良く接着したことを示していた。
[0079]本発明を、その一つ又は複数の態様を記載することによって例示してきたが、そしてまた、その態様をかなり詳細に記載してきたが、それらは、添付のクレームの範囲をそのような詳細に制限又は限定することを意図したものでは決してない。追加の利益及び変更は当業者には容易に思い浮かぶであろう。従って、本発明は、その広い側面において、提示及び記載された特定の詳細、代表的製品及び方法及び例示的実施例に限定されない。従って、一般的発明概念の範囲から逸脱することなく、そのような詳細からの逸脱をなすことは可能である。
【0071】
[発明の態様]
1.タイヤと共に使用するためのバランスパッドであって、
連続相としてエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも部分加硫ゴムを含む動的加硫アロイを含む外層と;そして
前記外層に結合された、ゴム又はプラスチックのコンパウンドを含む内層と
を含み、
前記外層は、連続相としてエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも部分加硫ゴムを有する動的加硫アロイを含むタイヤインナーライナーの内表面に結合可能であるバランスパッド。
【0072】
2.内層が外層に直接結合されている、1記載のバランスパッド。
3.外層を内層に結合するゴムコンパウンドを含む結合層をさらに含む、1記載のバランスパッド。
【0073】
4.結合層のゴムコンパウンドがエポキシ化天然ゴムを含む、3記載のバランスパッド。
5.内層が促進剤を含まないゴムコンパウンドを含み、バランスパッドがさらに促進剤を含む接着材料及びゴムコンパウンドを含む結合層を含み、前記接着材料は、内層を外層に結合された結合層に結合する、1記載のバランスパッド。
【0074】
6.促進剤がジチオカルバメートである、5記載のバランスパッド。
7.外層を内層に結合するシアノアクリレートを含む接着材料をさらに含む、1記載のバランスパッド。
【0075】
8.外層の動的加硫アロイのためのエンジニアリングレジンがポリアミドであり、少なくとも部分加硫ゴムがハロゲン化ゴムである、1記載のタイヤ。
9.空気入りタイヤであって、
外側トレッド;
前記外側トレッドの内側に配置され、連続相としてエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも部分加硫ゴムを含む第一の動的加硫アロイを含むインナーライナー、前記インナーライナーはさらに内表面及び外表面も含む;及び
連続相としてエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも部分加硫ゴムを含む第二の動的加硫アロイを含む外層と、前記外層に結合されたゴム又はプラスチックのコンパウンドを含む内層とを含むバランスパッド
を含み、
前記バランスパッドの外層はインナーライナーの内表面に結合されている
空気入りタイヤ。
【0076】
10.バランスパッドの外層が、シアノアクリレートを含む接着材料によってインナーライナーの内表面に結合されている、9記載のタイヤ。
11.シアノアクリレートがアルキルシアノアクリレート及び/又はアルコキシアルキルシアノアクリレートから選ばれる、10記載のタイヤ。
【0077】
12.内層が外層に直接結合されている、9記載のタイヤ。
13.外層を内層に結合するゴムコンパウンドを含む結合層をさらに含む、9記載のタイヤ。
【0078】
14.結合層のゴムコンパウンドがエポキシ化天然ゴムを含む、13記載のタイヤ。
15.内層が初期に促進剤を含まないゴムコンパウンドを含み、バランスパッドがさらに促進剤を含む接着材料及びゴムコンパウンドを含む結合層を含み、前記接着材料は、内層を外層に結合された結合層に結合する、9記載のタイヤ。
【0079】
16.バランスパッドがさらに外層を内層に結合するシアノアクリレートを含む接着材料を含む、9記載のタイヤ。
17.第一及び/又は第二の動的加硫アロイのためのエンジニアリングレジンがポリアミドであり、少なくとも部分加硫ゴムがハロゲン化ゴムである、9記載のタイヤ。
【0080】
18.空気入りタイヤのバランスを取る方法であって、
少なくとも一つのバランスパッドの外層をタイヤのインナーライナーの内表面に結合することを含み、前記インナーライナーは、外側トレッドの内側に配置され、連続相としてエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも部分加硫ゴムを含む第一の動的加硫アロイを含み、前記外層は、連続相としてエンジニアリングレジン及び分散相として少なくとも部分加硫ゴムを含む第二の動的加硫アロイを含み、前記バランスパッドはさらに、外層に結合されたゴム又はプラスチックのコンパウンドを含む内層も含む
方法。
【0081】
19.追加のバランスパッドをタイヤのインナーライナーの内表面に結合することをさらに含む、18記載の方法。