【実施例】
【0028】
[評価方法]
各例のチタン含有粒状粉末用いて製造したハニカム状排ガス処理触媒の評価方法について以下に記す。
[1]成形性試験(ハニカム欠損の発生)
ハニカム構造体の成形性に係る判定基準は、真空式の押出成形機で、四角柱1本の貫通方向の長さが500mmのハニカム構造体を20本、連続的に成形(平面の一辺の長さ:約75mm、ハニカム孔の一辺の長さ:約6.7mm、ハニカム孔の隔壁の厚さ:約0.75mm)し、ハニカム形状の一部欠損が何本目以降のハニカム構造体に発生するかを確認した。
[2]摩耗強度
ハニカム孔数9×9目、貫通方向の長さ100mm(これ以外の寸法のものは切り出して調整)のハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒をそれぞれ試験試料とし、この試験試料を流通式反応器に充填した。流通式反応器には、砂を含むガスを下記の条件で通流させ、触媒重量の減少量から下記(1)式に基づいて摩耗率を測定した。流通式反応器内を通流した砂の通砂量は、流通式反応器の後段にサイクロンを設け、摩耗試験終了後、当該サイクロンに捕集された砂の重量を測定することにより求めた。
摩耗率(%/kg)={〔摩耗試験開始前の触媒重量(g)−摩耗試験終了後の触媒重量(g)〕/摩耗試験開始前の触媒重量(g)}×100/通砂量(kg)・・・(1)
試験条件
触媒形状:ハニカム孔数9×9目、長さ100mm
ガス流速:(16.5±2)m/s(触媒断面)
ガス温度:室温25℃
ガス流通時間:3時間
砂濃度:(40±5)g/Nm
3
砂:珪砂 平均粒径500μm
[3]耐熱性試験
ハニカム状排ガス処理触媒に含まれるアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度(P
1)と、前記ハニカム状排ガス処理触媒を空気中において700℃で50時間保持した後のアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度(P
1’)との比(耐熱試験後のピーク強度P
1’/耐熱試験前のピーク強度P
1)より耐熱性を確認した。当該ピーク強度比の値が小さいほど、耐熱性試験後のアナターゼ型結晶の増加量が小さく、耐熱性の高い排ガス処理触媒であると評価できる。
【0029】
[4]比表面積
30%窒素―70%ヘリウムの混合ガスを吸着ガスとしたBET法に基づく比表面積測定装置(株式会社 マウンテック製、Macsorb HM model-1220)によりチタン含有粒状粉末又はハニカム状排ガス処理触媒の比表面積を求めた。
[5]細孔容積
ポロシメーター(Quantachrome社製、Poremaster33)を用いて、水銀圧入法によりハニカム状排ガス処理触媒の全細孔容積を求めた。
[6]X線回折
X線回折装置(理学電気株式会社製 RINT1400)を用いて、本発明において基準粉末として使用した二酸化チタン(石原産業株式会社製 MC−90)におけるアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度P
0(測定値保管)と、本発明で調製されたチタン含有粒状粉末に含まれる酸化チタンのアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度P
1とを、上記に示すX線回折によりそれぞれ測定し、そのピーク強度比(P
1/P
0)を求めた。
【0030】
[7]脱硝試験
ハニカム孔数3×3目、貫通方向の長さ300mm(これ以外の寸法のものは切り出して調整)のハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒をそれぞれ試験試料とし、この試験試料を流通式反応器に充填した。この流通式反応器に下記組成のモデルガスを通流させて脱硝率を測定した。触媒接触前後のガス中の窒素酸化物(NO
X)の脱硝率は、下記(2)式により求めた。このときNO
Xの濃度は化学発光式の窒素酸化物分析計(株式会社 アナテック・ヤナコ製、ECL-88AO)にて測定した。
脱硝率(%)=
{〔未接触ガス中のNO
X(質量ppm)−接触後のガス中のNO
X(質量ppm)〕/未接触ガス中のNO
X(質量ppm)}×100 ・・・(2)
試験条件
触媒形状:ハニカム孔数3×3目、長さ300mm
反応温度:380℃、空塔速度(SV)=20,000hr
―1
モデルガス組成:NO
X=180質量ppm、NH
3=180質量ppm、SO
2=500質量ppm、O
2=2重量%、H
2O=10重量%、N
2=バランス
【0031】
[実施例1]
<チタン含有粒状粉末(a)及びハニカム状排ガス処理触媒(A)>
(1) チタン含有粒状粉末(a)
硫酸法による二酸化チタンの製造工程より得られる硫酸チタン溶液を熱加水分解してメタチタン酸スラリーを得た。予め15重量%アンモニア水15kgを入れておいた還流器付攪拌槽にメタチタン酸スラリーを二酸化チタン換算で23.8kg加えて、さらにパラタングステン酸アンモニウムを1.13kg加えた後、95℃で1時間に亘り十分な攪拌を行いつつ加熱熟成した。加熱熟成後のスラリーを冷却して攪拌槽から取り出し、その固形分を濾過、脱水して、洗浄ケーキを得た。該洗浄ケーキを110℃の温度で20時間乾燥した後、これを550℃の温度で5時間焼成した。これにより、添加された原料などに含まれる窒素原子は、アンモニアとして系外に放出された。次に、この焼成物を予めボールミルで粉砕して、全体の99.9質量%以上が45μm以下の粒子径をもつ、チタンおよびタングステンの金属元素を含む複合酸化物の粒状粉体(a’)を得た。
次いで、この複合酸化物の粒状粉体(a’)に、添加剤としてのパラタングステン酸アンモニウムを0.282kg加え、ブレンダーで均一になるように混合してチタン含有粒状粉末(a)を調製した。このように調製されたチタン含有粒状粉末をボールミルを用いて解砕し、その全量の99.9質量%以上が45μm以下の粒子径をもつチタン含有粒状粉末(a)を得た。
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(a)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ297および0.90であり、その比(B/A)は3.03×10
−3であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(a)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、しかも該アナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度をP
1とし、また二酸化チタンの基準粉末(石原産業株式会社製 MC−90)におけるアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度をP
0で表したとき、そのピーク強度の比(P
1/P
0)が0.97であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、93m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(A)
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(a)23.6kgに、メタバナジン酸アンモニウム0.174kgをモノエタノールアミン0.250kgに溶解した溶液を加え、次いでアンモニア水と水を加えて、この混合スラリーのpHを6以上とした。さらに、補強材であるグラスファイバー(以下、「GF」という場合がある。)1.25kgとポリエチレンオキサイド0.500kgとを該混合スラリーに加えてニーダーにて加熱、捏和して押出成形に適した捏和物を調製した。次いで、該捏和物を真空押出成形機で押出成形して、外径寸法が、平面の一辺の長さ75mm、貫通方向の長さ約500mm、目開き(四角形の貫通孔径)6.7mm、隔壁の厚さ0.75mm、開口率80%、のハニカム構造体を得た。このようにして得られたハニカム構造体を60℃で24時間乾燥後、600℃で3時間焼成して、該ハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比がそれぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であるハニカム状排ガス処理触媒(A)を調製した。
【0032】
[実施例2]
<チタン含有粒状粉末(b)及びハニカム状排ガス処理触媒(B)>
(1) チタン含有粒状粉末(b)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)を調製する際にパラタングステン酸アンモニウムの添加量を0.845kgに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(b’)を得た。
また、この複合酸化物の粒状粉体(b’)に、添加剤として加えたパラタングステン酸アンモニウムの量を0.564kgに変えた以外は、実施例1と同様の方法にてチタン含有粒状粉末(b)を調製した。
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(b)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ297および1.80であり、その比(B/A)は6.05×10
−3であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(b)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.95であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、94m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(B)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(b)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(B)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0033】
[実施例3]
<チタン含有粒状粉末(c)及びハニカム状排ガス処理触媒(C)>
(1) チタン含有粒状粉末(c)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)を調製する際にパラタングステン酸アンモニウムの添加量を0.281kgに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(c’)を得た。
また、この複合酸化物の粒状粉体(c’)に添加剤として加えたパラタングステン酸アンモニウムの量を1.13kgに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にてチタン含有粒状粉末(c)を調製した。
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(c)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ297および3.60であり、その比(B/A)は1.21×10
−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(c)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.96であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、93m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(C)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(c)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(C)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0034】
[実施例4]
<チタン含有粒状粉末(d)及びハニカム状排ガス処理触媒(D)>
(1) チタン含有粒状粉末(d)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)を調製する際にメタチタン酸スラリーを二酸化チタン換算で22.5kgとパラタングステン酸アンモニウムの添加量を1.41kgに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(d’)を得た。
また、この複合酸化物の粒状粉体(d’)に添加剤として加えたパラタングステン酸アンモニウムの量を1.41kgに変えた以外は、実施例1と同様の方法にてチタン含有粒状粉末(d)を調製した。
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(d)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ282および4.49であり、その比(B/A)は1.60×10
−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(d)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.91であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、88m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(D)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(d)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(D)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=85.1/9.45/0.50/5.00であった。
【0035】
[実施例5]
<チタン含有粒状粉末(e)及びハニカム状排ガス処理触媒(E)>
(1) チタン含有粒状粉末(e)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)を調製する際にメタチタン酸スラリーを二酸化チタン換算で20.0kgとパラタングステン酸アンモニウムの添加量を2.81kgに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(e’)を得た。
また、この複合酸化物の粒状粉体(e’)に添加剤として加えたパラタングステン酸アンモニウムの量を2.81kgに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にてチタン含有粒状粉末(e)を調製した。
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(e)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ250および8.99であり、その比(B/A)は3.59×10
−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(e)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.83であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、76m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(E)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(e)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(E)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=75.6/18.9/0.50/5.00であった。
【0036】
[実施例6]
<チタン含有粒状粉末(f)及びハニカム状排ガス処理触媒(F)>
(1) チタン含有粒状粉末(f)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)に加えた添加剤を二硫化タングステン(添加量0.267kg)に変えたこと以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(f)を得た。
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(f)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(二硫化タングステン)を構成する元素である
硫黄原子
の質量をその原子量で除して得られる値Cを求めた。その結果、前記の値AおよびCは、それぞれ297および2.16であり、その比(C/A)は7.26×10
−3であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(f)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.95であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、94m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(F)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(f)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(F)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0037】
[実施例7]
<チタン含有粒状粉末(g)及びハニカム状排ガス処理触媒(G)>
(1) チタン含有粒状粉末(g)
実施例2で得られた複合酸化物の粒状粉体(b’)に加えた添加剤を二硫化タングステン(添加量0.535kg)に変えたこと以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(g)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(g)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(二硫化タングステン)を構成する元素である
硫黄原子
の質量をその原子量で除して得られる値Cを求めた。その結果、前記の値AおよびCは、それぞれ297および4.31であり、その比(C/A)は1.45×10
−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(g)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.95であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、94m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(G)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(g)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(G)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0038】
[実施例8]
<チタン含有粒状粉末(h)及びハニカム状排ガス処理触媒(H)>
(1) チタン含有粒状粉末(h)
実施例3で得られた複合酸化物の粒状粉体(c’)に加えた添加剤を二硫化タングステン(添加量1.07kg)に変えたこと以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(h)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(h)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(二硫化タングステン)を構成する元素である
硫黄原子
の質量をその原子量で除して得られる値Cを求めた。その結果、前記の値AおよびCは、それぞれ297および8.63であり、その比(C/A)は2.90×10
−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(h)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.97であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、94m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(H)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(h)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(H)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0039】
[実施例9]
<チタン含有粒状粉末(i)及びハニカム状排ガス処理触媒(I)>
(1) チタン含有粒状粉末(i)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)に加えた添加剤を六塩化タングステン(添加量0.43kg)に変えた以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(i)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(i)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(六塩化タングステン)を構成する元素である
塩素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Dを求めた。その結果、前記の値AおよびDは、それぞれ297および6.47であり、その比(D/A)は2.18×10
−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(i)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.97であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、91m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(I)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(i)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(I)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0040】
[実施例10]
<チタン含有粒状粉末(j)及びハニカム状排ガス処理触媒(J)>
(1) チタン含有粒状粉末(j)
実施例2で得られた複合酸化物の粒状粉体(b’)に加えた添加剤を六塩化タングステン(添加量0.86kg)に変えた以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(j)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(j)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(六塩化タングステン)を構成する元素である
塩素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Dを求めた。その結果、前記の値AおよびDは、それぞれ297および12.9であり、その比(D/A)は4.35×10
−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(j)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.96であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、92m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(J)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(j)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(J)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0041】
[実施例11]
<チタン含有粒状粉末(k)及びハニカム状排ガス処理触媒(K)>
(1) チタン含有粒状粉末(k)
実施例3で得られた複合酸化物の粒状粉体(c’)に加えた添加剤を六塩化タングステン(添加量1.71kg)に変えた以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(k)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(k)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(六塩化タングステン)を構成する元素である
塩素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Dを求めた。その結果、前記の値AおよびDは、それぞれ297および25.9であり、その比(D/A)は8.71×10
−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(k)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.95であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、94m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(K)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(k)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(K)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0042】
[実施例12]
<チタン含有粒状粉末(l)及びハニカム状排ガス処理触媒(L)>
(1) チタン含有粒状粉末(l)
実施例2で得られた複合酸化物の粒状粉体(b’)に加えた添加剤をモリブデン酸アンモニウム(添加量0.613kg)に変えた以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(l)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(l)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(モリブデン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ297および2.98であり、その比(B/A)は1.00×10
−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(l)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.98であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、93m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(L)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(l)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(L)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/MoO
3/V
2O
5/GF=89.8/2.84/1.89/0.500/5.00であった。
【0043】
[実施例13]
<チタン含有粒状粉末(m)及びハニカム状排ガス処理触媒(M)>
(1) チタン含有粒状粉末(m)
実施例2で得られた複合酸化物の粒状粉体(b’)に加えた添加剤を二硫化モリブデン(添加量0.562kg)に変えた以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(m)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(m)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(二硫化モリブデン)を構成する元素である
硫黄原子
の質量をその原子量で除して得られる値Cを求めた。その結果、前記の値AおよびCは、それぞれ297および6.95であり、その比(C/A)は2.34×10
−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(m)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.97であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、92m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(M)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(m)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(M)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/MoO
3/V
2O
5/GF=89.8/2.84/1.89/0.500/5.00であった。
【0044】
[実施例14]
<チタン含有粒状粉末(n)及びハニカム状排ガス処理触媒(N)>
(1) チタン含有粒状粉末(n)
実施例2で得られた複合酸化物の粒状粉体(b’)に加えた添加剤を五塩化モリブデン(添加量0.951kg)に変えた以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(n)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(n)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(五塩化モリブデン)を構成する元素である
塩素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Dを求めた。その結果、前記の値AおよびDは、それぞれ297および17.4であり、その比(D/A)は5.84×10
−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(n)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.98であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、92m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(N)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(n)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(N)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/MoO
3/V
2O
5/GF=89.8/2.84/1.89/0.500/5.00であった。
【0045】
[実施例15]
<チタン含有粒状粉末(o)及びハニカム状排ガス処理触媒(O)>
(1) チタン含有粒状粉末(o)
実施例4で得られた複合酸化物の粒状粉体(d’)に加えた添加剤をモリブデン酸アンモニウム(添加量1.53kg)に変えた以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(o)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(o)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(モリブデン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ282および7.45であり、その比(B/A)は2.64×10
−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(o)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.90であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、85m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(O)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(o)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(O)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/MoO
3/V
2O
5/GF=85.1/4.73/4.73/0.500/5.00であった。
【0046】
[実施例16]
<チタン含有粒状粉末(p)及びハニカム状排ガス処理触媒(P)>
(1) チタン含有粒状粉末(p)
実施例5で得られた複合酸化物の粒状粉体(e’)に加えた添加剤をモリブデン酸アンモニウム(添加量3.07kg)に変えた点以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(p)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(p)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(モリブデン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ250および14.9であり、その比(B/A)は5.95×10
−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(p)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.83であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、78m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(P)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(p)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(P)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/MoO
3/V
2O
5/GF=75.6/9.45/9.45/0.500/5.00であった。
[比較例1]
<複合酸化物の粒状粉体(q)及びハニカム状排ガス処理触媒(Q)>
(1) 複合酸化物の粒状粉体(q)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)を調製する際にメタチタン酸スラリーを二酸化チタン換算で23.6kgとパラタングステン酸アンモニウムの添加量を1.41kgに変えたこと以外は、実施例1の複合酸化物の粒状粉体(a’)と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(q)を得た。
また、前記複合酸化物の粒状粉体(q)を上記に示すX線回折により測定したところ、該複合酸化物の粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.97であった。さらに、前記複合酸化物の粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、92m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(Q)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、この複合酸化物の粒状粉体(q)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(Q)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0047】
[比較例2]
<二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)及びハニカム状排ガス処理触媒(R)>
(1) 二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)
メタチタン酸スラリー(二酸化チタン換算で25.0kg)にパラタングステン酸アンモニウムを添加しない以外は、実施例1の(a’)と同様の方法にて二酸化チタンの粒状粉体(r’)を調製した。次いで、この二酸化チタンの粒状粉体(r’)に、パラタングステン酸アンモニウムを1.41kg加え、ブレンダーで均一になるように混合して二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)を調製した。このように調製された二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体をボールミルを用いて解砕し、その全量の99.9質量%以上が45μm以下の粒子径をもつ二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)を得た。
次に、このようにして得られた二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ297および4.49であり、その比(B/A)は1.51×10
−2であった。
また、前記二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)を上記に示すX線回折により測定したところ、該二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.97であった。さらに、前記二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、95m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(R)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(R)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0048】
[比較例3]
<複合酸化物の粒状粉体(s)及びハニカム状排ガス処理触媒(S)>
(1) 複合酸化物の粒状粉体(s)
実施例4で得られた複合酸化物の粒状粉体(d’)を調製する際にパラタングステン酸アンモニウムの添加量を2.81kgに変えた以外は、実施例4の複合酸化物の粒状粉体(d’)と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(s)を得た。
また、前記複合酸化物の粒状粉体(s)を上記に示すX線回折により測定したところ、該複合酸化物の粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.97であった。さらに、前記複合酸化物の粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、92m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(S)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、この複合酸化物の粒状粉体(s)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(S)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=85.1/9.45/0.50/5.00であった。
【0049】
[比較例4]
<二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(t)及びハニカム状排ガス処理触媒(T)>
(1) 二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(t)
比較例2の二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)22.5kgにパラタングステン酸アンモニウム(2.81kg)を混合する以外は、比較例2と同様の方法により、チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(t)を得た。
次に、このようにして得られたチタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(t)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ282および8.99であり、その比(B/A)は3.19×10
−2であった。
また、前記二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(t)を上記に示すX線回折により測定したところ、該二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.92であった。さらに、前記二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、85m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(T)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、この二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(t)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(T)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=85.1/9.45/0.50/5.00であった。
【0050】
[比較例5]
<複合酸化物の粒状粉体(u)及びハニカム状排ガス処理触媒(U)>
(1) 複合酸化物の粒状粉体(u)
実施例5で得られた複合酸化物の粒状粉体(e’)を調製する際にパラタングステン酸アンモニウムの添加量を5.63kgに変えた以外は、実施例5の複合酸化物の粒状粉体(e’)と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(u)を得た。
また、前記複合酸化物の粒状粉体(u)を上記に示すX線回折により測定したところ、該複合酸化物の粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.86であった。さらに、前記複合酸化物の粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、79m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(U)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、この複合酸化物の粒状粉体(u)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(U)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=75.6/18.9/0.50/5.00であった。
【0051】
[比較例6]
<二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(v)及びハニカム状排ガス処理触媒(V)>
(1) 二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(v)
比較例2の二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)20.0kgにパラタングステン酸アンモニウム(5.63kg)を混合する以外は、比較例2と同様の方法により、二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(v)を得た。
次に、このようにして得られた二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(v)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ250および18.0であり、その比(B/A)は7.18×10
−2であった。
また、前記二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(v)を上記に示すX線回折により測定したところ、該二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.80であった。さらに、前記二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、75m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(V)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(v)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(V)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/V
2O
5/GF=75.6/18.9/0.50/5.00であった。
【0052】
[比較例7]
<複合酸化物の粒状粉体(w)及びハニカム状排ガス処理触媒(W)>
(1) 複合酸化物の粒状粉体(w)
実施例2で得られた複合酸化物の粒状粉体(b’)を調製する際に、パラタングステン酸アンモニウムと同時にモリブデン酸アンモニウムを0.61kg添加した以外は、実施例2の複合酸化物の粒状粉体(b’)と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(w)を得た。
また、前記複合酸化物の粒状粉体(w)を上記に示すX線回折により測定したところ、該複合酸化物の粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.98であった。さらに、前記複合酸化物の粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、94m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(W)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、この複合酸化物の粒状粉体(w)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(W)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/MoO
3/V
2O
5/GF=89.8/2.84/1.89/0.500/5.00であった。
【0053】
[比較例8]
<複合酸化物の粒状粉体(x)及びハニカム状排ガス処理触媒(X)>
(1) 複合酸化物の粒状粉体(x)
実施例4で得られた複合酸化物の粒状粉体(d’)を調製する際に、パラタングステン酸アンモニウムと同時にモリブデン酸アンモニウムを1.53kg添加したこと以外は、実施例4の複合酸化物の粒状粉体(d’)と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(x)を得た。
また、前記複合酸化物の粒状粉体(x)を上記に示すX線回折により測定したところ、該複合酸化物の粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.95であった。さらに、前記複合酸化物の粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、86m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(X)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、この複合酸化物の粒状粉体(x)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(X)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/MoO
3/V
2O
5/GF=89.8/2.84/1.89/0.500/5.00であった。
【0054】
[比較例9]
<複合酸化物の粒状粉体(y)及びハニカム状排ガス処理触媒(Y)>
(1) 複合酸化物の粒状粉体(y)
実施例5で得られた複合酸化物の粒状粉体(e’)を調製する際に、パラタングステン酸アンモニウムと同時にモリブデン酸アンモニウムを3.07kg添加したこと以外は、実施例5の複合酸化物の粒状粉体(e’)と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(y)を得た。
また、前記複合酸化物の粒状粉体(y)を上記に示すX線回折により測定したところ、該複合酸化物の粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.87であった。さらに、前記複合酸化物の粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、77m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(Y)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、この複合酸化物の粒状粉体(y)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(Y)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/MoO
3/V
2O
5/GF=75.6/9.45/9.45/0.500/5.00であった。
【0055】
[比較例10]
<チタン含有粒状粉末(z)及びハニカム状排ガス処理触媒(Z)>
(1) チタン含有粒状粉末(z)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)を調製する際にメタチタン酸スラリーを二酸化チタン換算で15.0kgとパラタングステン酸アンモニウムの添加量を0.845kgに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(z’)を得た。
また、この複合酸化物の粒状粉体(z’)に加える添加剤をモリブデン酸アンモニウム11.3kgに変えた以外は、実施例1と同様の方法にてチタン含有粒状粉末(z)を調製した。
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(z)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(モリブデン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子
の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ188および55.1であり、その比(B/A)は2.93×10
−1であった。
また、前記複合酸化物の粒状粉末(z)を上記に示すX線回折により測定したところ、該複合酸化物の粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P
1/P
0)が0.75であった。さらに、前記複合酸化物の粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、70m
2/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(Z)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(z)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(Z)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO
2/WO
3/MoO
3/V
2O
5/GF=56.7/2.84/35.0/0.500/5.00であった。
【0056】
チタン含有粒状粉末、複合酸化物及びチタン粉末とパラタングステン酸アンモニウムの混合物(以下、これらをまとめて「チタン含有粒状粉末等」ともいう。)(a)〜(z)についての前記A〜
Dの値を(表1)に示し、チタン含有粒状粉末等(a)〜(z)についての比表面積(SA)、アナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度の比(P
1/P
0)、ハニカム状排ガス処理触媒(A)〜(Z)の比表面積(SA)、細孔容積(PV)、成型性試験の結果、脱硝率、摩耗率、耐熱性(試験前後のアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度の比(P
1’/P
1)を(表2)に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
表2に示した結果によれば、実施例に係わるチタン含有粒状粉末(a)〜(p)、比較例に係わるチタン含有粒状粉末等(q)〜(z)の原料として使用したチタンとタングステンとの複合酸化物の比表面積(SA)は70〜95m
2/gであり、いずれも40〜300m
2/gの範囲内に入っている。また、これらのチタン含有粒状粉末は、二酸化チタンの基準粉末に対するアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度の比(P
1/P
0)が0.75〜0.98の範囲内であり、いずれも0.30〜1.3の範囲内に入っている。
これらチタン含有粒状粉末(a)〜(p)を原料として、実施例1〜16に係わるハニカム状排ガス処理触媒(A)〜(P)を調製したところ、押し出し成形時にハニカム欠損が生じたのは、20本中、早くとも10本目以降のハニカム構造体であり、実施例2〜5、15〜16ではハニカム欠損は発生しなかった。また、パラタングステン酸アンモニウムの添加量を変化させた実施例1〜3、チタンの含有量と添加剤の添加量の両方を変化させた実施例4、5及び実施例15、16、二硫化タングステンの添加量を変化させた実施例6〜8、六塩化タングステンの添加量を変化させた実施例9〜11の各実施例において、既述のB/A(またはC/A、D/A)の値が大きくなるほどハニカム欠損が発生しにくくなる傾向が見られる。
一方、ハニカム状排ガス処理触媒の脱硝率、摩耗率、耐熱性については、いずれも実用上、問題のない結果が得られた。これらの評価項目についてもB/A(またはC/A、D/A)の値が大きくなるほど、摩耗強度は向上する一方、耐熱性は低下する傾向がある。
【0059】
これに対して、添加剤を添加していない複合酸化物(q)、(s)、(u)、(w)〜(y)を用いた比較例1、3、5、7〜9に係わるハニカム状排ガス処理触媒では、4〜9本目という早い時期にハニカム構造体にハニカム欠損が発生した。これにより、複合酸化物に、タングステン化合物也モリブデン化合物の各添加剤を添加すると、押出成形時の成形性を向上させる効果が得られることを確認できた。
また、単体の二酸化チタン(r)、(t)、(v)に、添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を添加した混合物を用いた比較例2、4、6に係わるハニカム状排ガス処理触媒は、20本の押出成形試験中でハニカム欠損は発生せず、押出成形時の成形性は良好であったが、耐熱性は他の実施例、比較例に比べて低くなっている。このことから、タングステンやモリブデンを含む複合酸化物に、さらに、タングステンやモリブデンを含有する窒素化合物、硫黄化合物、塩素化合物の添加剤を添加することにより、押出成形時の成形性が良好で、耐熱性の高いハニカム状排ガス処理触媒が得られることが解った。
さらに、B/Aの値が6.34×10
−1となり、B/Aの値の上限値(2.78×10
−1)を大きく上回る比較例10の結果においては、20本の押出成形試験中でハニカム欠損は発生せず、押出成形時の成形性は良好であったが、脱硝率と耐熱性が最も低くなる試験結果が得られた。