特許第6012962号(P6012962)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6012962チタン含有粒状粉末及びそれを用いた排ガス処理触媒並びにそれらの製造方法
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  • 特許6012962-チタン含有粒状粉末及びそれを用いた排ガス処理触媒並びにそれらの製造方法 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012962
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】チタン含有粒状粉末及びそれを用いた排ガス処理触媒並びにそれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/30 20060101AFI20161011BHJP
   B01J 23/28 20060101ALI20161011BHJP
   B01D 53/86 20060101ALI20161011BHJP
   C01G 23/00 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   B01J23/30 A
   B01J23/28 A
   B01D53/86 222
   C01G23/00 C
【請求項の数】9
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2011-286115(P2011-286115)
(22)【出願日】2011年12月27日
(65)【公開番号】特開2013-132624(P2013-132624A)
(43)【公開日】2013年7月8日
【審査請求日】2014年12月25日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000190024
【氏名又は名称】日揮触媒化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091513
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 究
(72)【発明者】
【氏名】足立 健太郎
【審査官】 壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭56−024031(JP,A)
【文献】 特開平01−168341(JP,A)
【文献】 特開昭59−035028(JP,A)
【文献】 特開2002−066336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J21/00−38/74
B01D53/86,53/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タングステン及びモリブデンの少なくとも一方と、チタンとを含む金属元素の複合酸化物(X)と、(i)タングステン含有窒素化合物、(ii)タングステン含有硫黄化合物、(iii)タングステン含有塩素化合物、(iv)モリブデン含有窒素化合物、(v)モリブデン含有硫黄化合物、及び(vi)モリブデン含有塩素化合物から選ばれた添加剤(Y)とを含有してなるハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末(バナジウムを含むものを除く)であって、
(1)前記添加剤(Y)として、(i)タングステン含有窒素化合物または(iv)モリブデン含有窒素化合物を含む場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子のモル数をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる窒素原子のモル数をBで表したとき、そのモル比(B/A)が、8.70×10−4〜2.78×10−1の範囲にあり、
(2)前記添加剤(Y)として、(ii)タングステン含有硫黄化合物または(v)モリブデン含有硫黄化合物を含む場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子のモル数をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる硫黄原子のモル数をCで表したとき、そのモル比(C/A)が、6.96×10−3〜5.55×10−1の範囲にあり、また
(3)前記添加剤(Y)として、(iii)タングステン含有塩素化合物または(vi)モリブデン含有塩素化合物を含む場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子のモル数をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる塩素原子のモル数をDで表したとき、そのモル比(D/A)が、6.96×10−3〜6.94×10−1の範囲にある
ことを特徴とするハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末。
【請求項2】
前記チタン含有粒状粉末をX線回折によって測定したとき、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、しかも該アナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度をP1とし、また二酸化チタンの基準粉末(石原産業株式会社製 MC−90)におけるアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度をP0で表したとき、そのピーク強度の比(P1/P0)が0.30〜1.3の範囲にあり、
かつ、前記チタン含有粒状粉末の比表面積が40〜300m/gの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末。
【請求項3】
前記チタン含有粒状粉末が、その全量の99.9重量%以上が45μm以下の粒子径を有する粒子状物質であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末。
【請求項4】
前記(i)タングステン含有窒素化合物が、パラタングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸アンモニウム、燐タングステン酸アンモニウムおよびテトラチオタングステン酸アンモニウムから選ばれた少なくとも1種であり、また前記(iv)モリブデン含有窒素化合物が、モリブデン酸アンモニウム、燐モリブデン酸アンモニウムおよびテトラチオモリブデン酸アンモニウムから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末。
【請求項5】
前記(ii)タングステン含有硫黄化合物が二硫化タングステンであり、また前記(v)モリブデン含有硫黄化合物が二硫化モリブデンであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末。
【請求項6】
前記(iii)タングステン含有塩素化合物が六塩化タングステンであり、また前記(vi)モリブデン含有塩素化合物が五塩化モリブデンであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末。
【請求項7】
タングステン及びモリブデンの少なくとも一方と、チタンとを含む金属元素の複合酸化物(X)と、(i)タングステン含有窒素化合物、(ii)タングステン含有硫黄化合物、(iii)タングステン含有塩素化合物、(iv)モリブデン含有窒素化合物、(v)モリブデン含有硫黄化合物、及び(vi)モリブデン含有塩素化合物から選ばれた添加剤(Y)とを、以下に示す割合で混合する工程を含むハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末(バナジウムを含むものを除く)の製造方法であって、
(1)前記添加剤(Y)として、(i)タングステン含有窒素化合物または(iv)モリブデン含有窒素化合物を使用する場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子のモル数をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる窒素原子のモル数をBで表したとき、そのモル比(B/A)が、8.70×10−4〜2.78×10−1の範囲となる割合で前記複合酸化物と該添加剤とを混合する工程からなり、
(2)前記添加剤(Y)として、(ii)タングステン含有硫黄化合物または(v)モリブデン含有硫黄化合物を使用する場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子のモル数をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる硫黄原子のモル数をCで表したとき、そのモル比(C/A)が、6.96×10−3〜5.55×10−1の範囲となる割合で前記複合酸化物と該添加剤とを混合する工程からなり、また
(3)前記添加剤(Y)として、(iii)タングステン含有塩素化合物または(vi)モリブデン含有塩素化合物を使用する場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子のモル数をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる塩素原子のモル数をDで表したとき、そのモル比(D/A)が、6.96×10−3〜6.94×10−1の範囲となる割合で前記複合酸化物と該添加剤とを混合する工程からなる
ことを特徴とするハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末の製造方法。
【請求項8】
前記チタン含有粒状粉末が、前記金属元素の複合酸化物(X)と、(i)タングステン含有窒素化合物、(ii)タングステン含有硫黄化合物、(iii)タングステン含有塩素化合物、(iv)モリブデン含有窒素化合物、(v)モリブデン含有硫黄化合物、及び(vi)モリブデン含有塩素化合物から選ばれた少なくとも1種の添加剤(Y)とを混合して得られたものであることを特徴とする請求項に記載のハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末の製造方法。
【請求項9】
(1)請求項7または8に記載の製造方法にて製造したハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末に、水と酸化バナジウムもしくはその前駆物質とを混合して、これらの成分を含むスラリー液を得る工程、
(2)前記スラリー液に構造補強材を加えて混練し、前記成分を含む混和物を得る工程、
(3)前記混和物を押出形成してハニカム構造体を得る工程、および
(4)前記ハニカム構造体を乾燥させた後、さらに400〜700℃の温度条件下で焼成する工程を少なくとも含むことを特徴とするハニカム状排ガス処理触媒の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造体への成形性が良好な排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末及びそれを用いた排ガス処理触媒並びにそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電所、各種工場やゴミ焼却所などから排出される燃焼排ガス中には光化学スモッグなどの原因となる窒素酸化物などが含有されている。このため、排ガス中からこれら窒素酸化物を除去する排煙脱硝技術が種々提案されている。広く採用されている排煙脱硝技術の1つに、排ガスにアンモニアを注入してから触媒と接触させ、窒素酸化物を窒素ガスと水とに還元する選択的接触還元(SCR:Selective Catalytic Reduction)法がある。このSCR法では、酸化チタン担体に酸化バナジウム、酸化タングステンなどの活性成分を担持した触媒が用いられる。通常、SCR法の脱硝触媒は煙道内に配置され、排ガスと接触することにより脱硝反応を進行させるが、煙道内の圧力損失の増大を抑えると共に、排ガスとの接触面積を大きくするため、脱硝触媒は例えばハニカム形状に成形されて使用されている。
ハニカム形状の脱硝触媒は、粉体状の担体成分をハニカム形状に押出成形した後、活性成分を含浸、担持する方法や、担体成分と活性成分を成形助材等と共に混練してハニカム形状に押出成形する方法などにより製造される。このため、担体成分となる酸化チタン粉末は、押出成形性の高いものが好ましい。ここで、比較的高温で焼成した酸化チタン粉末は、押出成形性が良好であるが、結晶化が進むため、比表面積が低下し、脱硝性能の低下を招く場合がある。一方、比較的低温で焼成した酸化チタン粉末は、比表面積の低下が少ないが、押出成形性が悪くてハニカム形状に成形することが難しいという問題がある。
【0003】
ここで特許文献1には二酸化チタン前駆体にパラタングステン酸アンモニウムを添加し、500℃で3時間焼成することにより、二酸化チタンと酸化タングステンの複合酸化物粒子を調合する技術が記載されており、また特許文献2では二酸化チタン前駆体にパラタングステン酸アンモニウムとメタバナジン酸アンモニウムを加え、550℃で2時間焼成し、脱硝触媒製造用のチタン含有粉末を得ている。しかしながら、例えばパラタングステン酸アンモニウムの場合は450℃程度の温度で分解してアンモニアが放出され、結果として酸化タングステンとなってしまうことが知られている。即ち、これらの特許文献1および2に記載された脱硝触媒製造用のチタン含有粉末にはアンモニウム塩が含まれていないため、これらを用いてハニカム構造体を製造する際、押出成形時の成形性が良好であるとは云えなかった。
一方、特許文献3に記載された排ガス脱硝用触媒は、600〜1000℃で焼成した二酸化チタン粉末にメタタングステン酸アンモニウムを加えてから、ハニカム状に成形した後、さらに500〜600℃の温度で焼成して脱硝触媒を得る技術が記載されている。しかし、二酸化チタン粉末を600〜1000℃で焼成すると結晶化が進行して、該粉末の比表面積が小さくなり、結果として脱硝触媒活性が低下してしまうことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−235206号公報
【特許文献2】特開平11−226360号公報
【特許文献3】特開平9−47637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、成形性が良好で、焼成後の比表面積の低下が少ないチタン含有粒状粉末とその製造方法、更にはこのチタン含有粒状粉末を含有するハニカム状排ガス処理触媒とその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、タングステン及びモリブデンの少なくとも一方と、チタンとを含む金属元素の複合酸化物(X)と、(i)タングステン含有窒素化合物、(ii)タングステン含有硫黄化合物、(iii)タングステン含有塩素化合物、(iv)モリブデン含有窒素化合物、(v)モリブデン含有硫黄化合物、及び(vi)モリブデン含有塩素化合物から選ばれた添加剤(Y)とを含有してなるハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末(バナジウムを含むものを除く)であって、
(1)前記添加剤(Y)として、(i)タングステン含有窒素化合物または(iv)モリブデン含有窒素化合物を含む場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子のモル数をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる窒素原子のモル数をBで表したとき、そのモル比(B/A)が、8.70×10−4〜2.78×10−1の範囲にあり、
(2)前記添加剤(Y)として、(ii)タングステン含有硫黄化合物または(v)モリブデン含有硫黄化合物を含む場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子のモル数をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる硫黄原子のモル数をCで表したとき、そのモル比(C/A)が、6.96×10−3〜5.55×10−1の範囲にあり、また
(3)前記添加剤(Y)として、(iii)タングステン含有塩素化合物または(vi)モリブデン含有塩素化合物を含む場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子のモル数をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる塩素原子のモル数をDで表したとき、そのモル比(D/A)が、6.96×10−3〜6.94×10−1の範囲にある
ことを特徴とするハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末である。
さらに、前記第1の発明は、以下の要件を備えていることが好ましい。
(a)前記チタン含有粒状粉末をX線回折によって測定したとき、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、しかも該アナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度をP1とし、また二酸化チタンの基準粉末(石原産業株式会社製 MC−90)におけるアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度をP0で表したとき、そのピーク強度の比(P1/P0)が0.30〜1.3の範囲にあり、かつ、前記チタン含有粒状粉末の比表面積が40〜300m/gの範囲にあること。
(b)前記チタン含有粒状粉末が、その全量の99.9重量%以上が45μm以下の粒子径を有する粒子状物質であること。
(c)前記(i)タングステン含有窒素化合物が、パラタングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸アンモニウム、燐タングステン酸アンモニウムおよびテトラチオタングステン酸アンモニウムから選ばれた少なくとも1種であり、また前記(iv)モリブデン含有窒素化合物が、モリブデン酸アンモニウム、燐モリブデン酸アンモニウムおよびテトラチオモリブデン酸アンモニウムから選ばれた少なくとも1種であること。
(d)前記(ii)タングステン含有硫黄化合物が二硫化タングステンであり、また前記(v)モリブデン含有硫黄化合物が二硫化モリブデンであること。
(e)前記(iii)タングステン含有塩素化合物が六塩化タングステンであり、また前記(vi)モリブデン含有塩素化合物が五塩化モリブデンであること。
【0008】
の発明は、タングステン及びモリブデンの少なくとも一方と、チタンとを含む金属元素の複合酸化物(X)と、(i)タングステン含有窒素化合物、(ii)タングステン含有硫黄化合物、(iii)タングステン含有塩素化合物、(iv)モリブデン含有窒素化合物、(v)モリブデン含有硫黄化合物、及び(vi)モリブデン含有塩素化合物から選ばれた添加剤(Y)とを、以下に示す割合で混合する工程を含むハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末(バナジウムを含むものを除く)の製造方法であって、
(1)前記添加剤(Y)として、(i)タングステン含有窒素化合物または(iv)モリブデン含有窒素化合物を使用する場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子のモル数をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる窒素原子のモル数をBで表したとき、そのモル比(B/A)が、8.70×10−4〜2.78×10−1の範囲となる割合で前記複合酸化物と該添加剤とを混合する工程からなり、
(2)前記添加剤(Y)として、(ii)タングステン含有硫黄化合物または(v)モリブデン含有硫黄化合物を使用する場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子のモル数をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる硫黄原子のモル数をCで表したとき、そのモル比(C/A)が、6.96×10−3〜5.55×10−1の範囲となる割合で前記複合酸化物と該添加剤とを混合する工程からなり、また
(3)前記添加剤(Y)として、(iii)タングステン含有塩素化合物または(vi)モリブデン含有塩素化合物を使用する場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子のモル数をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる塩素原子のモル数をDで表したとき、そのモル比(D/A)が、6.96×10−3〜6.94×10−1の範囲となる割合で前記複合酸化物と該添加剤とを混合する工程からなる
ことを特徴とするハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末の製造方法である。
さらに、前記第3の発明は、以下の要件を備えていることが好ましい。
(a)前記チタン含有粒状粉末が、前記金属元素の複合酸化物(X)と、(i)タングステン含有窒素化合物、(ii)タングステン含有硫黄化合物、(iii)タングステン含有塩素化合物、(iv)モリブデン含有窒素化合物、(v)モリブデン含有硫黄化合物、及び(vi)モリブデン含有塩素化合物から選ばれた少なくとも1種の添加剤(Y)とを混合して得られたものであること。
【0009】
の発明は、(1)第3の発明に記載の製造方法にて製造したハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末に、水と酸化バナジウムもしくはその前駆物質とを混合して、これらの成分を含むスラリー液を得る工程、
(2)前記スラリー液に構造補強材を加えて混練し、前記成分を含む混和物を得る工程、
(3)前記混和物を押出形成してハニカム構造体を得る工程、および
(4)前記ハニカム構造体を乾燥させた後、さらに400〜700℃の温度条件下で焼成する工程を少なくとも含むことを特徴とするハニカム状排ガス処理触媒の製造方法である。

【発明の効果】
【0010】
本発明のチタン含有粒状粉末中には、タングステン及びモリブデンの少なくとも一方と、チタンとの複合酸化物が含まれているので、ハニカム成形後の排ガス処理触媒の焼成時における結晶化の進行を抑え、比表面積の低下を抑制して高い触媒活性を維持することができる。また、添加剤としてタングステンやモリブデンを含有する窒素化合物、硫黄化合物、塩素化合物を含んでいるので、これらの添加剤がチタン含有粒状粉末の成形性を向上させる役割を果たし、結果として押出成形時に発生するハニカム形状の一部欠損などが殆どない、或いは非常に少ないハニカム構造体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明でいうハニカム構造体の概念図であり、更に詳しくはハニカム孔の貫通方向の一端側から見た平面図を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
[チタン含有粒状粉末]
本発明におけるハニカム状排ガス処理触媒製造用のチタン含有粒状粉末(以下、単に「チタン含有粒状粉末」という場合がある。)は、タングステン及びモリブデンの少なくとも一方と、チタンとを含む金属元素の複合酸化物を含んでいる。
前記複合酸化物は、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)の少なくとも一方の金属元素と、チタン(Ti)の金属元素と酸素(O)との化合物である。例えば、チタン(IV)、タングステン(IV)および酸素からなる複合酸化物の一部を一般化学式(I)で表した一例を示せば、以下のようになる。
| | |
−O−Ti−O−W−O−Ti−O― (I)
| | |
また、この複合酸化物には、アナターゼ型の二酸化チタンに相当する結晶構造部分が含まれている。
前記複合酸化物の具体例としては、チタン及びタングステンを含む複合酸化物(これを便宜的に示せば、TiO4/2−WO4/2)、チタン及びモリブデンを含む複合酸化物(これを便宜的に示せば、TiO4/2−MoO4/2)などの二元系複合酸化物、チタン、タングステン及びモリブデンを含む複合酸化物(これを便宜的に示せば、TiO4/2−WO4/2−TiO4/2−MoO4/2)の三元系複合酸化物が挙げられる。これら二元系や三元系の複合酸化物は、前記一般化学式(I)に示されるように、TiO4/2の酸化チタン分子にWO4/2、MoO4/2などを高分散状態で取り込んだ構造を有することが考えられる。また、酸化チタン分子TiO4/2中に取り込まれた、WO4/2やMoO4/2は、該複合酸化物を含むチタン含有粒状粉末から得られるハニカム構造体の加熱焼成時において、二酸化チタン(TiO)の結晶化進行やルチル型二酸化チタン(TiO)への転移を抑制する役割を果たすことが考えられる。
なお、前記複合酸化物中におけるWO4/2、MoO4/2の含有量は、TiO4/2の量よりも少ないことが望まれる。更に詳しく述べれば、これらのWO4/2やMoO4/2をWOやMoOの酸化物に換算した場合(ただし、TiO4/2はTiOとする。)、それぞれ単独または合計量で、0質量%を超え、20質量%以下の範囲にあることが望ましい。ここで、WO4/2やMoO4/2の含有量がTiO4/2の量よりも多くなると、該複合酸化物を含むチタン含有粒状粉末から得られるハニカム構造体を用いたハニカム状排ガス処理触媒、特に窒素酸化物除去触媒において、排ガス中に含まれる硫黄化合物などに対する耐性や耐摩耗性などの優れた効果が得られないことがある。
【0013】
以上に説明した、前記複合酸化物と前記添加剤とを含むチタン含有粒状粉末については、さらに比表面積(SA)及び、このチタン含有粒状粉末をX線回折により計測したときにおける、酸化チタンのアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度が所定の範囲内にあることが好ましい。前記チタン含有粒状粉末の比表面積は40〜300m/gの範囲、より好ましくは50〜120m/gの範囲とするとよい。ここで、前記比表面積が40m/gを下回ると、このチタン含有粒状粉末を用いて成形したハニカム構造体を焼成した後の比表面積も小さくなって、排ガス処理触媒としての十分な触媒活性が得られなくなる一方、前記300m/gを上回る比表面積を持つチタン含有粒状粉末を得ることは難しい。なお、前記チタン含有粒状粉末の比表面積は、該粒状粉末を加熱または焼成することにより、上述の範囲で調節することができる。ただし、ここで使用された添加剤が分解してガス状窒素化合物(例えば、NH4)、ガス状硫黄化合物(例えば、SO2)やガス状塩素化合物(例えば、ClO2)などを放出する温度まで加熱してはならない。例えば、パラタングステン酸アンモニウムを添加剤として使用した場合には、この化合物が450℃程度の温度で分解してアンモニアを放出してしまうので、それ以上の温度に加熱しないようにする必要がある。もし、前記添加剤成分からこれらのガス状窒素化合物、ガス状硫黄化合物やガス状塩素化合物などが放出されたチタン含有粒状粉末を用いてハニカム構造体を成形しようとすると、ハニカム構造体の成形性が悪くなるので、好ましくない。
また、チタン含有粒状粉末中に含まれるアナターゼ型の結晶の(101)面のピーク強度をP1とし、また二酸化チタンの基準粉末(石原産業株式会社製 MC−90)におけるアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度をP0で表したとき、そのピーク強度の比(P1/P0)が0.30〜1.3の範囲にあることが好ましく、より好適な範囲は0.6〜1.2である。前記ピーク強度の比が1.3を超えると、二酸化チタンの結晶化が進行していることを示し、比表面積や触媒性能の低下につながる。また、ピーク強度比が0.30を下回るチタン含有粒状粉末の製造は困難である。前記ピーク強度の比において、さらに好適な範囲は0.9〜1.1である。この範囲では成形性向上において添加剤を添加した効果が最大限に発揮される。なお、前記ピーク強度の比(P1/P0)は、前記チタン含有粒状粉末を加熱または焼成することにより、上述の範囲で調節することができる。ただし、上記の場合と同様に、ここで使用された添加剤が分解してガス状窒素化合物(例えば、NH4)、ガス状硫黄化合物(例えば、SO2)やガス状塩素化合物(例えば、ClO2)などを放出する温度まで加熱してはならない。なお、その理由は、上記の通りである。
【0014】
さらに、実施の形態に係るチタン含有粒状粉末には、ハニカム構造体への成形の際の成形性を向上させるための添加剤が添加されている。添加剤は、押出成形用に調製されたチタン含有粒状粉末の捏和物に適度な粘りを持たせる役割を果たすものである。前記捏和物に粘りを持たせることにより、真空押出成形機などの口金(ダイス)に供給される捏和物が途切れにくくなり、ハニカム形状の一部欠損などが殆どない、或いは非常に少ないハニカム構造体を成形することが可能となる。ここで「ハニカム形状の一部欠損」とは、例えば図1に示すように、ハニカム構造体を形成する隔壁の一部が欠けてしまうことを意味し、場合によっては、単に「ハニカム欠損」という場合もある。これにより、ハニカム構造体としての比表面積が小さくなってしまったり、或いはハニカム構造体の機械的強度が低下してしまったりすることがある。一般に、真空押出成形機では、成形の途中でハニカム形状の一部欠損を生じても、そのままの状態で押出成形が継続されてしまうため、一旦、押出成形機を停止して、その不具合物を修復または廃棄する必要があった。そこで、本発明に係わるチタン含有粒状粉末においては、こうしたハニカム欠損の発生を抑えることのできる添加剤を該粒状粉末中に加えている。
【0015】
チタン含有粒状粉末に添加される添加剤は、タングステン含有窒素化合物、タングステン含有硫黄化合物、タングステン含有塩素化合物、モリブデン含有窒素化合物、モリブデン含有硫黄化合物、及びモリブデン含有塩素化合物からなる添加剤群から選択される。
タングステン含有窒素化合物としては、パラタングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸アンモニウム、燐タングステン酸アンモニウムおよびテトラチオタングステン酸アンモニウムなどのタングステン酸アンモニウム塩などが挙げられ、またタングステン含有硫黄化合物としては、二硫化タングステン、三硫化タングステンなどが挙げられる。更に、タングステン含有塩素化合物としては、六塩化タングステン、二塩化タングステン、三塩化タングステン、四塩化タングステン、五塩化タングステン、二塩化二酸化タングステン、四塩化酸化タングステンなどを挙げることができる。
一方、モリブデン含有窒素化合物としては、モリブデン酸アンモニウム、燐モリブデン酸アンモニウム、テトラチオモリブデン酸アンモニウムなどのモリブデン酸アンモニウム塩などが挙げられ、またモリブデン含有硫黄化合物としては、二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、四硫化モリブデンなどを挙げることができる。さらに、モリブデン含有塩素化合物としては、五塩化モリブデンや二塩化モリブデン、三塩化モリブデン、四塩化モリブデン、五塩化三酸化モリブデンなどを挙げることができる。
また、これらの添加剤は、成形された後のハニカム構造体を焼成して、排ガス処理触媒を得る際に、酸化されて酸化タングステン(WO)や酸化モリブデン(MoO)となる。ここで得られる酸化タングステンや酸化モリブデンは、前記複合酸化物中に含まれ、しかも二酸化チタン(TiO4/2)中に取り込まれた上記のWO4/2やMoO4/2などとはその化合形態が異なっている。しかしながら、前記複合酸化物中に含まれるWO4/2やMoO4/2などの作用とも相俟って、排ガス処理触媒焼成時の二酸化チタンの結晶化やこれに伴う比表面積の低下、更には触媒活性の低下を抑制することなどに寄与していることも考えられる。
【0016】
本発明におけるチタン含有粒状粉末には、以下に示すような割合で、上記の添加剤を含むことが望まれる。
前記添加剤がタングステン含有窒素化合物、またはモリブデン含有窒素化合物を含む場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる窒素原子の質量をその原子量で除して得られる値をBで表したとき、その比(B/A)が、8.70×10−4〜2.78×10−1の範囲にあることが好ましい。
また、前記添加剤がタングステン含有硫黄化合物、またはモリブデン含有硫黄化合物を含む場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる硫黄原子の質量をその原子量で除して得られる値をCで表したとき、その比(C/A)が、6.96×10−3〜5.55×10−1の範囲にあることが好ましい。
さらにまた、前記添加剤がタングステン含有塩素化合物、またはモリブデン含有塩素化合物を含む場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる塩素原子の質量をその原子量で除して得られる値をDで表したとき、その比(D/A)が、6.96×10−3〜6.94×10−1の範囲にあることが好ましい。
前記添加剤の含有量が上記の範囲を下回ると、上記のハニカム欠損の発生を十分に抑制できないおそれがある。また、上記範囲を超える量の添加剤が含まれていると、該添加剤が酸化される際の発熱が大きくなって、ハニカム構造体の焼成時に割れやヒビが発生する要因となる可能性がある。
【0017】
さらに、本発明によるチタン含有粒状粉末は、その99.9重量%以上が45μm以下の粒子径を有する粒子状物質であることが好ましい。この粒径範囲の粒子が全重量の99.9質量%より少ない場合、即ち、45μmより大きい粒子径を有する粒子状物質が0.1質量%より多く含まれている場合には、押出成形した際に隔壁の一部またはその多くが欠落して、所望のハニカム構造体が得られないことがある。
【0018】
[複合酸化物の製造方法]
以上に述べてきた特徴を備えるチタン含有粒状粉末の製造方法の一例について説明する。まず、タングステン及びモリブデンの少なくとも一方と、チタンとを含む金属元素の複合酸化物の製造方法ついて説明する。
二酸化チタンの原料物質であるメタチタン酸などのチタン含有溶液に、最終的にWO4/2やMoO4/2などの形態で複合酸化物中に含まれるような原料物質を添加し、これらの原料物質をWOやMoOの酸化物基準に換算して5〜10質量%含むスラリー溶液を調製する。これらの原料物質としては、例えば上記の添加剤と同様の物質を使用することができる。具体的には、パラタングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸アンモニウム、燐タングステン酸アンモニウムおよびテトラチオタングステン酸アンモニウムなどのタングステン含有窒素化合物、二硫化タングステン、三硫化タングステンなどのタングステン含有硫黄化合物、六塩化タングステン、二塩化タングステン、三塩化タングステン、四塩化タングステン、五塩化タングステン、二塩化二酸化タングステン、四塩化酸化タングステンなどのタングステン含有塩素化合物、モリブデン酸アンモニウム、燐モリブデン酸アンモニウム、テトラチオモリブデン酸アンモニウムなどのモリブデン含有窒素化合物、二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、四硫化モリブデンなどのモリブデン含有硫黄化合物、五塩化モリブデン、二塩化モリブデン、三塩化モリブデン、四塩化モリブデン、五塩化三酸化モリブデンなどのモリブデン含有塩素化合物などから選択することができる。
これらの原料物質の添加量は、予備実験などにより、脱水、焼成をしたチタン含有粒状粉末中、さらに詳しくは複合酸化物中に含まれるWO4/2やMoO4/2などをWOやMoOの酸化物基準に換算したタングステンやモリブデンの含有量と各原料物質の添加量との関係を予め把握しておくことなどにより決定できる。
また、メタチタン酸の原料として、硫酸法による二酸化チタンの製造工程より得られる硫酸チタン溶液を用い、さらにこの硫酸チタンを加水分解してメタチタン酸を得ることが好ましい。
【0019】
こうして得られたタングステン及びモリブデンの少なくとも一方と、チタンとを含有する溶液に、例えば硫酸などの酸、アンモニアなどのアルカリを添加して、該溶液のpHを2〜10.5の範囲内の予め設定した値に調整しておくことが好ましい。
こうしてタングステン、モリブデンの少なくとも一方と、チタンとを含み、予め設定した値にpHを調整したスラリー溶液が得られたのち、このスラリー溶液を例えば50〜100℃の温度範囲で0.5〜24時間、加熱熟成する。そして、加熱熟成後のスラリー溶液を脱水し、得られた脱水ケーキを蒸留水などで洗浄してから、再度、脱水を行って脱水ケーキを得る。
得られた脱水ケーキ中の水分を乾燥させて得られた乾燥体を、大気雰囲気のキルン内などで例えば400〜700℃の温度範囲で、0.5〜20時間焼成し、上記の複合酸化物を得ることができる。
本発明においては、この複合酸化物を必要に応じて、ボールミルなどによりさらに粉砕して全体の99.9質量%以上が45μm以下の粒子径を有する複合酸化物とすることが望ましい。
【0020】
[チタン含有粒状粉末の製造方法]
上記の方法で製造されたタングステン及びモリブデンの少なくとも一方と、チタンとを含む金属元素の複合酸化物に、タングステン含有窒素化合物、タングステン含有硫黄化合物、タングステン含有塩素化合物、モリブデン含有窒素化合物、モリブデン含有硫黄化合物、及びモリブデン含有塩素化合物からなる添加剤群から選ばれた添加剤を混合して、本発明に係るチタン含有粒状粉末を製造する。
即ち、前記添加剤として、タングステン含有窒素化合物またはモリブデン含有窒素化合物を使用する場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる窒素原子の質量をその原子量で除して得られる値をBで表したとき、その比(B/A)が、8.70×10−4〜2.78×10−1の範囲となる割合で前記複合酸化物と該添加剤とを混合する。例えば添加剤の混合量は、添加剤の混合量に対する複合酸化物とチタン含有粒状粉末とのB/Aの比の関係を式化し、B/Aの設計値から必要な添加剤の混合量を逆算することなどにより求めることができる。
【0021】
また、前記添加剤として、タングステン含有硫黄化合物またはモリブデン含有硫黄化合物を使用する場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる硫黄原子の質量をその原子量で除して得られる値をCで表したとき、その比(C/A)が、6.96×10−3〜5.55×10−1の範囲となる割合で前記複合酸化物と該添加剤とを混合する。この場合の添加剤の混合量についても、添加剤の混合量と、複合酸化物とチタン含有粒状粉末とのC/Aの比との関係式などから求めることができる。
さらに、前記添加剤として、タングステン含有塩素化合物またはモリブデン含有塩素化合物を使用する場合には、前記チタン含有粒状粉末中に含まれるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値をAで表し、さらに該チタン含有粒状粉末中に含まれる塩素原子の質量をその原子量で除して得られる値をDで表したとき、その比(D/A)が、6.96×10−3〜6.94×10−1の範囲となる割合で前記複合酸化物と該添加剤とを混合する。この場合の添加剤の混合量についても、添加剤の混合量と、複合酸化物とチタン含有粒状粉末とのD/Aの比との関係式などから求めることができる。
【0022】
前記チタン含有粒状粉末の調製時に使用される添加剤は、前述の添加剤群から1種類を選択してもよいし、2種類以上を選択してもよい。また、前記複合酸化物に前記添加剤を添加するタイミングについても該複合酸化物の粉砕を行った後の段階には限定されない。例えば、ボールミルに前記複合酸化物と共に前記添加剤も投入して同時に粉砕してもよい。
このようにして得られるチタン含有粒状粉末は、その全量が99.9質量%以上が45μm以下の粒子径を有する粒子状物質であることが好ましい。この範囲の粒子径を有するチタン含有粒子状粉末の調製方法としては、99.9質量%以上が45μm以下の粒子径を有する粒子状物質となるように、ボールミルなどにより予め粉砕しておいた複合酸化物と添加剤とを混合してもよいし、複合酸化物と添加剤とを混合した後に粉砕を行うことにより上記の範囲の粒子径に調製してもよい。
【0023】
[ハニカム状排ガス処理触媒]
本発明に係るハニカム状排ガス処理触媒は、上述のハニカム構造体からなる排ガス処理触媒であって、前記チタン含有粒状粉末を全重量の60質量%以上、好ましくは70〜99.9質量%の範囲で含有していることが望ましい。該チタン含有粒状粉末の含有割合が60質量%より少ない場合には、所望の脱硝活性が得られないことがある。また、上述のように、本発明のチタン含有粒状粉末を60質量%以上含有していれば、例えば本発明でいう複合酸化物と添加剤とを含まない本発明の技術的範囲外の粒状粉末(例えば、二酸化チタン粉末など)を40質量%未満含有していてもよい。
前記ハニカム状排ガス処理触媒には、窒素酸化物を除去するための活性成分がさらに含まれる。前記活性成分としては、例えば、バナジウム(V)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、(Au)、パラジウム(Pd)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、ネオジウム(Nd)、インジウム(In)、イリジウム(Ir)などの金属成分が挙げられる。
上述の活性成分のうち、特にバナジウム酸化物(V)は、比較的安価であり且つ窒素酸化物の除去率が高いため、好適に使用される。また、窒素酸化物を除去するための排ガス処理触媒に使用される活性成分の含有量は、金属酸化物として全触媒重量の0.1〜30質量%の範囲にあることが好ましい。
このように、前記複合酸化物を含むチタン含有粒状粉末を少なくとも60質量%以上含有するようにして成形されたハニカム状排ガス処理触媒は、前記活性成分を含むハニカム構造体の焼成時における二酸化チタンの結晶化進行が抑制されるばかりでなく、これを用いて排ガス処理を行った場合、高い窒素酸化物の除去率を達成することができる。
【0024】
このほか、本発明のチタン含有粒状粉末においては、該粒状粉末中に含まれる酸化チタン(TiO4/2)がWO4/2および/またはMoO4/2などと複合酸化物を形成しているため、たとえ上記温度で焼成しても二酸化チタンの結晶化を抑えることができる。
さらに、前記チタン含有粒状粉末においては、前記複合酸化物中にWO4/2などのタングステンやMoO4/2などのモリブデンを含んでいるばかりでなく、押出成形時の成形性の向上のために使用される前記添加剤においても、最終的に焼成してWOやMoOなどの酸化物となる原料物質が含まれている。このことから、前記チタン含有粒状粉末を用いて成形されたハニカム構造体を焼成する際においても、二酸化チタンの結晶化の進行を抑えて、比表面積の低下を抑制することができる。そして二酸化チタンの結晶化の進行を抑えたハニカム状排ガス処理触媒は、その比表面積が低下しにくく、初期活性に近い脱硝活性を長期間維持することができる。また、本発明で使用される添加剤は、ハニカム構造体の押出成形を行う際の成形性を高めることができるので、上記したハニカム欠損などを引き起こすことも抑制できる。
【0025】
[ハニカム状排ガス処理触媒の製造方法]
本発明に係るハニカム状排ガス処理触媒は、(a)本発明のチタン含有粒状粉末と活性成分又はその前駆物質を、成形助材等と共に混練して捏和物とした後に、所望のハニカム形状に押出成形し、乾燥、焼成する方法(混練法)、(b)本発明のチタン含有粒状粉末を、成形助材等と共に混練して捏和物とした後に、所望のハニカム形状に押出成形し、乾燥、焼成した担体に、活性成分を含有する水溶液を含浸し、乾燥、焼成する方法(含浸法)などにより製造される。
特に前記(a)の混練法により製造した触媒はソリッドタイプの触媒と言われており、高い脱硝活性を得られることから、混練法により活性物質としての酸化バナジウムを含有させたハニカム状排ガス処理触媒を製造する場合を一例に挙げて説明しておく。
まず、本発明のチタン含有粒状粉末を水などの溶媒に分散させてスラリー溶液とし、このスラリー溶液中に酸化バナジウムの前駆物質、例えばメタバナジン酸アンモニウムと、溶解剤であるモノエタノールアミンとを添加する。さらに、このスラリー溶液に、グラスファイバーや酸性白土などの補強材、ポリエチレンオキサイドなどの潤滑剤を加え、ニーダーなどの混練機で混練捏和して押出成形に適した捏和物を調製する。
こうして得られた混和物を例えば真空式の押出成形機などで押出成形し、ハニカム構造体を得る。このとき、捏和物中に含まれる添加剤が当該捏和物に適度な粘りを与え、これにより真空押出成形機の口金に供給される捏和物が途切れにくくなり、ハニカム形状の一部欠損などが少ないハニカム構造体を成形される。しかる後、得られたハニカム構造体を乾燥させ、乾燥後のハニカム構造体を大気雰囲気のキルン内などで例えば400〜700℃の温度範囲で、0.5〜24時間焼成してグラスファイバーや酸性白土が添加されたに酸化チタンに、活性金属としての酸化バナジウムを含むハニカム状の排ガス処理触媒を得る。
【0026】
一般に、活性物質としての酸化バナジウムまたはその前駆物質を添加、或いはこれらの懸濁水溶液で含浸した酸化チタン担体(例えば、ハニカム構造体)を焼成すると、バナジウムの存在により二酸化チタンの結晶化が進行することが知られている。そこで、本発明の排ガス処理触媒を製造するに際しては、酸化バナジウムまたはその前駆物質(これらの懸濁水溶液を含む)を添加しない状態で焼成して得られたチタン含有粒状粉末を用いている。このことから、チタン含有粒状粉末の焼成段階から上記のバナジウム源を添加することは好ましくなく、このバナジウム源を含ませた触媒前駆体(ハニカム構造体)を得た段階で焼成することが好ましい。また、このようにバナジウム源を添加した触媒前駆体を焼成しても、本発明のチタン含有粒状粉末を用いて調製された触媒前駆体であるならば、上記の理由により二酸化チタンの結晶化の進行度合いを十分に抑えることができる。
このようにして得られたハニカム状排ガス処理触媒(ハニカム構造体)の形状は、特に限定されるものではないが、正方四角柱や長方四角柱などからなっており、ハニカム孔の貫通方向の一端側から見た平面には、図1に示すような四角形のハニカム孔が複数個(例えば、4〜2500個)が穿たれている。ただし、このハニカム孔は、四角形ではなく蜂の巣形状などを有するものであってもよい。また前記ハニカム構造体の外形寸法は、(i)前記ハニカム孔の貫通方向の一端から平面の長さ(以下、「平面の一辺の長さ」という場合がある。)が約30〜300mm、好ましくは約50〜200mm(ii)ハニカム孔の貫通方向の長さ(以下、「貫通方向の長さ」という場合がある。)が約100〜3000mm、好ましくは約300〜1500mm、(iii)ハニカム孔(四角形)を形成する開口部の一辺の長さ(以下、「目開き」という場合がある。)が約1〜15mm、好ましくは約2〜10mm、(iv)ハニカム孔の間に形成される隔壁の厚さ(以下、「隔壁の厚さ」という場合がある。)が約0.1〜2mm、好ましくは約0.1〜1.5mm、(v)ハニカム構造体の開口率が60〜85%、好ましくは70〜85%の範囲にあることが望ましい。このように四角柱の形状を有するハニカム構造体の外形寸法が前記寸法の範囲を外れる場合には、その成形が困難になったり、ハニカム構造体の強度が弱くなったり、或いは単位体積当たりの脱硝活性や有機ハロゲン化合物の分解活性等が低くなったりする場合がある。
【0027】
[ハニカム状排ガス処理触媒の使用方法]
本発明のハニカム状排ガス処理触媒は、NOを含有する排ガス、特にボイラー排ガスなどのようにNO、SOを含有するほか重金属、ダストを含有する排ガスに、アンモニアなどの還元剤を添加して接触還元するNO除去法に好適に使用される。また、該触媒の使用条件は、通常の脱硝処理条件が採用され、具体的には、反応温度が150〜600℃、好ましくは300〜400℃の範囲にあり、また空間速度(空塔速度)が1000〜100000hr―1の範囲にあることが好ましい。
【実施例】
【0028】
[評価方法]
各例のチタン含有粒状粉末用いて製造したハニカム状排ガス処理触媒の評価方法について以下に記す。
[1]成形性試験(ハニカム欠損の発生)
ハニカム構造体の成形性に係る判定基準は、真空式の押出成形機で、四角柱1本の貫通方向の長さが500mmのハニカム構造体を20本、連続的に成形(平面の一辺の長さ:約75mm、ハニカム孔の一辺の長さ:約6.7mm、ハニカム孔の隔壁の厚さ:約0.75mm)し、ハニカム形状の一部欠損が何本目以降のハニカム構造体に発生するかを確認した。
[2]摩耗強度
ハニカム孔数9×9目、貫通方向の長さ100mm(これ以外の寸法のものは切り出して調整)のハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒をそれぞれ試験試料とし、この試験試料を流通式反応器に充填した。流通式反応器には、砂を含むガスを下記の条件で通流させ、触媒重量の減少量から下記(1)式に基づいて摩耗率を測定した。流通式反応器内を通流した砂の通砂量は、流通式反応器の後段にサイクロンを設け、摩耗試験終了後、当該サイクロンに捕集された砂の重量を測定することにより求めた。
摩耗率(%/kg)={〔摩耗試験開始前の触媒重量(g)−摩耗試験終了後の触媒重量(g)〕/摩耗試験開始前の触媒重量(g)}×100/通砂量(kg)・・・(1)
試験条件
触媒形状:ハニカム孔数9×9目、長さ100mm
ガス流速:(16.5±2)m/s(触媒断面)
ガス温度:室温25℃
ガス流通時間:3時間
砂濃度:(40±5)g/Nm
砂:珪砂 平均粒径500μm
[3]耐熱性試験
ハニカム状排ガス処理触媒に含まれるアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度(P1)と、前記ハニカム状排ガス処理触媒を空気中において700℃で50時間保持した後のアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度(P1’)との比(耐熱試験後のピーク強度P1’/耐熱試験前のピーク強度P1)より耐熱性を確認した。当該ピーク強度比の値が小さいほど、耐熱性試験後のアナターゼ型結晶の増加量が小さく、耐熱性の高い排ガス処理触媒であると評価できる。
【0029】
[4]比表面積
30%窒素―70%ヘリウムの混合ガスを吸着ガスとしたBET法に基づく比表面積測定装置(株式会社 マウンテック製、Macsorb HM model-1220)によりチタン含有粒状粉末又はハニカム状排ガス処理触媒の比表面積を求めた。
[5]細孔容積
ポロシメーター(Quantachrome社製、Poremaster33)を用いて、水銀圧入法によりハニカム状排ガス処理触媒の全細孔容積を求めた。
[6]X線回折
X線回折装置(理学電気株式会社製 RINT1400)を用いて、本発明において基準粉末として使用した二酸化チタン(石原産業株式会社製 MC−90)におけるアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度P0(測定値保管)と、本発明で調製されたチタン含有粒状粉末に含まれる酸化チタンのアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度P1とを、上記に示すX線回折によりそれぞれ測定し、そのピーク強度比(P1/P0)を求めた。
【0030】
[7]脱硝試験
ハニカム孔数3×3目、貫通方向の長さ300mm(これ以外の寸法のものは切り出して調整)のハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒をそれぞれ試験試料とし、この試験試料を流通式反応器に充填した。この流通式反応器に下記組成のモデルガスを通流させて脱硝率を測定した。触媒接触前後のガス中の窒素酸化物(NO)の脱硝率は、下記(2)式により求めた。このときNOの濃度は化学発光式の窒素酸化物分析計(株式会社 アナテック・ヤナコ製、ECL-88AO)にて測定した。
脱硝率(%)=
{〔未接触ガス中のNO(質量ppm)−接触後のガス中のNO(質量ppm)〕/未接触ガス中のNO(質量ppm)}×100 ・・・(2)
試験条件
触媒形状:ハニカム孔数3×3目、長さ300mm
反応温度:380℃、空塔速度(SV)=20,000hr―1
モデルガス組成:NO=180質量ppm、NH=180質量ppm、SO=500質量ppm、O=2重量%、HO=10重量%、N=バランス
【0031】
[実施例1]
<チタン含有粒状粉末(a)及びハニカム状排ガス処理触媒(A)>
(1) チタン含有粒状粉末(a)
硫酸法による二酸化チタンの製造工程より得られる硫酸チタン溶液を熱加水分解してメタチタン酸スラリーを得た。予め15重量%アンモニア水15kgを入れておいた還流器付攪拌槽にメタチタン酸スラリーを二酸化チタン換算で23.8kg加えて、さらにパラタングステン酸アンモニウムを1.13kg加えた後、95℃で1時間に亘り十分な攪拌を行いつつ加熱熟成した。加熱熟成後のスラリーを冷却して攪拌槽から取り出し、その固形分を濾過、脱水して、洗浄ケーキを得た。該洗浄ケーキを110℃の温度で20時間乾燥した後、これを550℃の温度で5時間焼成した。これにより、添加された原料などに含まれる窒素原子は、アンモニアとして系外に放出された。次に、この焼成物を予めボールミルで粉砕して、全体の99.9質量%以上が45μm以下の粒子径をもつ、チタンおよびタングステンの金属元素を含む複合酸化物の粒状粉体(a’)を得た。
次いで、この複合酸化物の粒状粉体(a’)に、添加剤としてのパラタングステン酸アンモニウムを0.282kg加え、ブレンダーで均一になるように混合してチタン含有粒状粉末(a)を調製した。このように調製されたチタン含有粒状粉末をボールミルを用いて解砕し、その全量の99.9質量%以上が45μm以下の粒子径をもつチタン含有粒状粉末(a)を得た。
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(a)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ297および0.90であり、その比(B/A)は3.03×10−3であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(a)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、しかも該アナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度をP1とし、また二酸化チタンの基準粉末(石原産業株式会社製 MC−90)におけるアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度をP0で表したとき、そのピーク強度の比(P1/P0)が0.97であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、93m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(A)
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(a)23.6kgに、メタバナジン酸アンモニウム0.174kgをモノエタノールアミン0.250kgに溶解した溶液を加え、次いでアンモニア水と水を加えて、この混合スラリーのpHを6以上とした。さらに、補強材であるグラスファイバー(以下、「GF」という場合がある。)1.25kgとポリエチレンオキサイド0.500kgとを該混合スラリーに加えてニーダーにて加熱、捏和して押出成形に適した捏和物を調製した。次いで、該捏和物を真空押出成形機で押出成形して、外径寸法が、平面の一辺の長さ75mm、貫通方向の長さ約500mm、目開き(四角形の貫通孔径)6.7mm、隔壁の厚さ0.75mm、開口率80%、のハニカム構造体を得た。このようにして得られたハニカム構造体を60℃で24時間乾燥後、600℃で3時間焼成して、該ハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比がそれぞれTiO/WO/V/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であるハニカム状排ガス処理触媒(A)を調製した。
【0032】
[実施例2]
<チタン含有粒状粉末(b)及びハニカム状排ガス処理触媒(B)>
(1) チタン含有粒状粉末(b)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)を調製する際にパラタングステン酸アンモニウムの添加量を0.845kgに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(b’)を得た。
また、この複合酸化物の粒状粉体(b’)に、添加剤として加えたパラタングステン酸アンモニウムの量を0.564kgに変えた以外は、実施例1と同様の方法にてチタン含有粒状粉末(b)を調製した。
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(b)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ297および1.80であり、その比(B/A)は6.05×10−3であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(b)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.95であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、94m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(B)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(b)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(B)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0033】
[実施例3]
<チタン含有粒状粉末(c)及びハニカム状排ガス処理触媒(C)>
(1) チタン含有粒状粉末(c)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)を調製する際にパラタングステン酸アンモニウムの添加量を0.281kgに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(c’)を得た。
また、この複合酸化物の粒状粉体(c’)に添加剤として加えたパラタングステン酸アンモニウムの量を1.13kgに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にてチタン含有粒状粉末(c)を調製した。
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(c)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ297および3.60であり、その比(B/A)は1.21×10−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(c)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.96であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、93m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(C)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(c)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(C)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0034】
[実施例4]
<チタン含有粒状粉末(d)及びハニカム状排ガス処理触媒(D)>
(1) チタン含有粒状粉末(d)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)を調製する際にメタチタン酸スラリーを二酸化チタン換算で22.5kgとパラタングステン酸アンモニウムの添加量を1.41kgに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(d’)を得た。
また、この複合酸化物の粒状粉体(d’)に添加剤として加えたパラタングステン酸アンモニウムの量を1.41kgに変えた以外は、実施例1と同様の方法にてチタン含有粒状粉末(d)を調製した。
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(d)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ282および4.49であり、その比(B/A)は1.60×10−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(d)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.91であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、88m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(D)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(d)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(D)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=85.1/9.45/0.50/5.00であった。
【0035】
[実施例5]
<チタン含有粒状粉末(e)及びハニカム状排ガス処理触媒(E)>
(1) チタン含有粒状粉末(e)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)を調製する際にメタチタン酸スラリーを二酸化チタン換算で20.0kgとパラタングステン酸アンモニウムの添加量を2.81kgに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(e’)を得た。
また、この複合酸化物の粒状粉体(e’)に添加剤として加えたパラタングステン酸アンモニウムの量を2.81kgに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にてチタン含有粒状粉末(e)を調製した。
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(e)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ250および8.99であり、その比(B/A)は3.59×10−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(e)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.83であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、76m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(E)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(e)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(E)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=75.6/18.9/0.50/5.00であった。
【0036】
[実施例6]
<チタン含有粒状粉末(f)及びハニカム状排ガス処理触媒(F)>
(1) チタン含有粒状粉末(f)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)に加えた添加剤を二硫化タングステン(添加量0.267kg)に変えたこと以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(f)を得た。
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(f)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(二硫化タングステン)を構成する元素である硫黄原子の質量をその原子量で除して得られる値Cを求めた。その結果、前記の値AおよびCは、それぞれ297および2.16であり、その比(C/A)は7.26×10−3であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(f)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.95であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、94m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(F)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(f)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(F)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0037】
[実施例7]
<チタン含有粒状粉末(g)及びハニカム状排ガス処理触媒(G)>
(1) チタン含有粒状粉末(g)
実施例2で得られた複合酸化物の粒状粉体(b’)に加えた添加剤を二硫化タングステン(添加量0.535kg)に変えたこと以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(g)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(g)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(二硫化タングステン)を構成する元素である硫黄原子の質量をその原子量で除して得られる値Cを求めた。その結果、前記の値AおよびCは、それぞれ297および4.31であり、その比(C/A)は1.45×10−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(g)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.95であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、94m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(G)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(g)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(G)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0038】
[実施例8]
<チタン含有粒状粉末(h)及びハニカム状排ガス処理触媒(H)>
(1) チタン含有粒状粉末(h)
実施例3で得られた複合酸化物の粒状粉体(c’)に加えた添加剤を二硫化タングステン(添加量1.07kg)に変えたこと以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(h)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(h)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(二硫化タングステン)を構成する元素である硫黄原子の質量をその原子量で除して得られる値Cを求めた。その結果、前記の値AおよびCは、それぞれ297および8.63であり、その比(C/A)は2.90×10−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(h)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.97であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、94m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(H)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(h)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(H)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0039】
[実施例9]
<チタン含有粒状粉末(i)及びハニカム状排ガス処理触媒(I)>
(1) チタン含有粒状粉末(i)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)に加えた添加剤を六塩化タングステン(添加量0.43kg)に変えた以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(i)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(i)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(六塩化タングステン)を構成する元素である素原子の質量をその原子量で除して得られる値Dを求めた。その結果、前記の値AおよびDは、それぞれ297および6.47であり、その比(D/A)は2.18×10−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(i)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.97であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、91m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(I)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(i)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(I)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0040】
[実施例10]
<チタン含有粒状粉末(j)及びハニカム状排ガス処理触媒(J)>
(1) チタン含有粒状粉末(j)
実施例2で得られた複合酸化物の粒状粉体(b’)に加えた添加剤を六塩化タングステン(添加量0.86kg)に変えた以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(j)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(j)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(六塩化タングステン)を構成する元素である素原子の質量をその原子量で除して得られる値Dを求めた。その結果、前記の値AおよびDは、それぞれ297および12.9であり、その比(D/A)は4.35×10−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(j)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.96であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、92m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(J)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(j)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(J)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0041】
[実施例11]
<チタン含有粒状粉末(k)及びハニカム状排ガス処理触媒(K)>
(1) チタン含有粒状粉末(k)
実施例3で得られた複合酸化物の粒状粉体(c’)に加えた添加剤を六塩化タングステン(添加量1.71kg)に変えた以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(k)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(k)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(六塩化タングステン)を構成する元素である素原子の質量をその原子量で除して得られる値Dを求めた。その結果、前記の値AおよびDは、それぞれ297および25.9であり、その比(D/A)は8.71×10−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(k)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.95であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、94m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(K)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(k)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(K)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0042】
[実施例12]
<チタン含有粒状粉末(l)及びハニカム状排ガス処理触媒(L)>
(1) チタン含有粒状粉末(l)
実施例2で得られた複合酸化物の粒状粉体(b’)に加えた添加剤をモリブデン酸アンモニウム(添加量0.613kg)に変えた以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(l)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(l)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(モリブデン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ297および2.98であり、その比(B/A)は1.00×10−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(l)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.98であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、93m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(L)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(l)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(L)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/MoO/V/GF=89.8/2.84/1.89/0.500/5.00であった。
【0043】
[実施例13]
<チタン含有粒状粉末(m)及びハニカム状排ガス処理触媒(M)>
(1) チタン含有粒状粉末(m)
実施例2で得られた複合酸化物の粒状粉体(b’)に加えた添加剤を二硫化モリブデン(添加量0.562kg)に変えた以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(m)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(m)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(二硫化モリブデン)を構成する元素である硫黄原子の質量をその原子量で除して得られる値Cを求めた。その結果、前記の値AおよびCは、それぞれ297および6.95であり、その比(C/A)は2.34×10−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(m)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.97であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、92m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(M)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(m)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(M)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/MoO/V/GF=89.8/2.84/1.89/0.500/5.00であった。
【0044】
[実施例14]
<チタン含有粒状粉末(n)及びハニカム状排ガス処理触媒(N)>
(1) チタン含有粒状粉末(n)
実施例2で得られた複合酸化物の粒状粉体(b’)に加えた添加剤を五塩化モリブデン(添加量0.951kg)に変えた以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(n)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(n)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(五塩化モリブデン)を構成する元素である素原子の質量をその原子量で除して得られる値Dを求めた。その結果、前記の値AおよびDは、それぞれ297および17.4であり、その比(D/A)は5.84×10−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(n)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.98であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、92m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(N)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(n)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(N)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/MoO/V/GF=89.8/2.84/1.89/0.500/5.00であった。
【0045】
[実施例15]
<チタン含有粒状粉末(o)及びハニカム状排ガス処理触媒(O)>
(1) チタン含有粒状粉末(o)
実施例4で得られた複合酸化物の粒状粉体(d’)に加えた添加剤をモリブデン酸アンモニウム(添加量1.53kg)に変えた以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(o)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(o)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(モリブデン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ282および7.45であり、その比(B/A)は2.64×10−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(o)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.90であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、85m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(O)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(o)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(O)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/MoO/V/GF=85.1/4.73/4.73/0.500/5.00であった。
【0046】
[実施例16]
<チタン含有粒状粉末(p)及びハニカム状排ガス処理触媒(P)>
(1) チタン含有粒状粉末(p)
実施例5で得られた複合酸化物の粒状粉体(e’)に加えた添加剤をモリブデン酸アンモニウム(添加量3.07kg)に変えた点以外は、実施例1と同様の方法でチタン含有粒状粉末(p)を得た。次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(p)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(モリブデン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ250および14.9であり、その比(B/A)は5.95×10−2であった。
また、前記チタン含有粒状粉末(p)を上記に示すX線回折により測定したところ、該チタン含有粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.83であった。さらに、前記チタン含有粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、78m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(P)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(p)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(P)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/MoO/V/GF=75.6/9.45/9.45/0.500/5.00であった。
[比較例1]
<複合酸化物の粒状粉体(q)及びハニカム状排ガス処理触媒(Q)>
(1) 複合酸化物の粒状粉体(q)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)を調製する際にメタチタン酸スラリーを二酸化チタン換算で23.6kgとパラタングステン酸アンモニウムの添加量を1.41kgに変えたこと以外は、実施例1の複合酸化物の粒状粉体(a’)と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(q)を得た。
また、前記複合酸化物の粒状粉体(q)を上記に示すX線回折により測定したところ、該複合酸化物の粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.97であった。さらに、前記複合酸化物の粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、92m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(Q)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、この複合酸化物の粒状粉体(q)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(Q)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0047】
[比較例2]
<二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)及びハニカム状排ガス処理触媒(R)>
(1) 二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)
メタチタン酸スラリー(二酸化チタン換算で25.0kg)にパラタングステン酸アンモニウムを添加しない以外は、実施例1の(a’)と同様の方法にて二酸化チタンの粒状粉体(r’)を調製した。次いで、この二酸化チタンの粒状粉体(r’)に、パラタングステン酸アンモニウムを1.41kg加え、ブレンダーで均一になるように混合して二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)を調製した。このように調製された二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体をボールミルを用いて解砕し、その全量の99.9質量%以上が45μm以下の粒子径をもつ二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)を得た。
次に、このようにして得られた二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ297および4.49であり、その比(B/A)は1.51×10−2であった。
また、前記二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)を上記に示すX線回折により測定したところ、該二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.97であった。さらに、前記二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、95m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(R)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(R)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=89.8/4.73/0.50/5.00であった。
【0048】
[比較例3]
<複合酸化物の粒状粉体(s)及びハニカム状排ガス処理触媒(S)>
(1) 複合酸化物の粒状粉体(s)
実施例4で得られた複合酸化物の粒状粉体(d’)を調製する際にパラタングステン酸アンモニウムの添加量を2.81kgに変えた以外は、実施例4の複合酸化物の粒状粉体(d’)と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(s)を得た。
また、前記複合酸化物の粒状粉体(s)を上記に示すX線回折により測定したところ、該複合酸化物の粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.97であった。さらに、前記複合酸化物の粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、92m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(S)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、この複合酸化物の粒状粉体(s)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(S)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=85.1/9.45/0.50/5.00であった。
【0049】
[比較例4]
<二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(t)及びハニカム状排ガス処理触媒(T)>
(1) 二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(t)
比較例2の二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)22.5kgにパラタングステン酸アンモニウム(2.81kg)を混合する以外は、比較例2と同様の方法により、チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(t)を得た。
次に、このようにして得られたチタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(t)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ282および8.99であり、その比(B/A)は3.19×10−2であった。
また、前記二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(t)を上記に示すX線回折により測定したところ、該二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.92であった。さらに、前記二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、85m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(T)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、この二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(t)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(T)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=85.1/9.45/0.50/5.00であった。
【0050】
[比較例5]
<複合酸化物の粒状粉体(u)及びハニカム状排ガス処理触媒(U)>
(1) 複合酸化物の粒状粉体(u)
実施例5で得られた複合酸化物の粒状粉体(e’)を調製する際にパラタングステン酸アンモニウムの添加量を5.63kgに変えた以外は、実施例5の複合酸化物の粒状粉体(e’)と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(u)を得た。
また、前記複合酸化物の粒状粉体(u)を上記に示すX線回折により測定したところ、該複合酸化物の粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.86であった。さらに、前記複合酸化物の粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、79m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(U)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、この複合酸化物の粒状粉体(u)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(U)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=75.6/18.9/0.50/5.00であった。
【0051】
[比較例6]
<二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(v)及びハニカム状排ガス処理触媒(V)>
(1) 二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(v)
比較例2の二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(r)20.0kgにパラタングステン酸アンモニウム(5.63kg)を混合する以外は、比較例2と同様の方法により、二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(v)を得た。
次に、このようにして得られた二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(v)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ250および18.0であり、その比(B/A)は7.18×10−2であった。
また、前記二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(v)を上記に示すX線回折により測定したところ、該二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.80であった。さらに、前記二酸化チタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、75m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(V)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタンとパラタングステン酸アンモニウムの粒状粉体(v)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(V)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/V/GF=75.6/18.9/0.50/5.00であった。
【0052】
[比較例7]
<複合酸化物の粒状粉体(w)及びハニカム状排ガス処理触媒(W)>
(1) 複合酸化物の粒状粉体(w)
実施例2で得られた複合酸化物の粒状粉体(b’)を調製する際に、パラタングステン酸アンモニウムと同時にモリブデン酸アンモニウムを0.61kg添加した以外は、実施例2の複合酸化物の粒状粉体(b’)と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(w)を得た。
また、前記複合酸化物の粒状粉体(w)を上記に示すX線回折により測定したところ、該複合酸化物の粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.98であった。さらに、前記複合酸化物の粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、94m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(W)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、この複合酸化物の粒状粉体(w)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(W)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/MoO/V/GF=89.8/2.84/1.89/0.500/5.00であった。
【0053】
[比較例8]
<複合酸化物の粒状粉体(x)及びハニカム状排ガス処理触媒(X)>
(1) 複合酸化物の粒状粉体(x)
実施例4で得られた複合酸化物の粒状粉体(d’)を調製する際に、パラタングステン酸アンモニウムと同時にモリブデン酸アンモニウムを1.53kg添加したこと以外は、実施例4の複合酸化物の粒状粉体(d’)と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(x)を得た。
また、前記複合酸化物の粒状粉体(x)を上記に示すX線回折により測定したところ、該複合酸化物の粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.95であった。さらに、前記複合酸化物の粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、86m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(X)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、この複合酸化物の粒状粉体(x)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(X)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/MoO/V/GF=89.8/2.84/1.89/0.500/5.00であった。
【0054】
[比較例9]
<複合酸化物の粒状粉体(y)及びハニカム状排ガス処理触媒(Y)>
(1) 複合酸化物の粒状粉体(y)
実施例5で得られた複合酸化物の粒状粉体(e’)を調製する際に、パラタングステン酸アンモニウムと同時にモリブデン酸アンモニウムを3.07kg添加したこと以外は、実施例5の複合酸化物の粒状粉体(e’)と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(y)を得た。
また、前記複合酸化物の粒状粉体(y)を上記に示すX線回折により測定したところ、該複合酸化物の粒状粉体中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.87であった。さらに、前記複合酸化物の粒状粉体の比表面積を上記の方法により測定したところ、77m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(Y)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、この複合酸化物の粒状粉体(y)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(Y)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/MoO/V/GF=75.6/9.45/9.45/0.500/5.00であった。
【0055】
[比較例10]
<チタン含有粒状粉末(z)及びハニカム状排ガス処理触媒(Z)>
(1) チタン含有粒状粉末(z)
実施例1で得られた複合酸化物の粒状粉体(a’)を調製する際にメタチタン酸スラリーを二酸化チタン換算で15.0kgとパラタングステン酸アンモニウムの添加量を0.845kgに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて調製して複合酸化物の粒状粉体(z’)を得た。
また、この複合酸化物の粒状粉体(z’)に加える添加剤をモリブデン酸アンモニウム11.3kgに変えた以外は、実施例1と同様の方法にてチタン含有粒状粉末(z)を調製した。
次に、このようにして得られたチタン含有粒状粉末(z)中に含まれる、前記複合酸化物を構成する金属元素であるチタン原子の質量をその原子量で除して得られる値Aを求め、さらに前記添加剤(モリブデン酸アンモニウム)を構成する元素である窒素原子の質量をその原子量で除して得られる値Bを求めた。その結果、前記の値AおよびBは、それぞれ188および55.1であり、その比(B/A)は2.93×10−1であった。
また、前記複合酸化物の粒状粉末(z)を上記に示すX線回折により測定したところ、該複合酸化物の粒状粉末中に含まれる酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有しており、前記ピーク強度の比(P1/P0)が0.75であった。さらに、前記複合酸化物の粒状粉末の比表面積を上記の方法により測定したところ、70m/gであった。
(2) ハニカム状排ガス処理触媒(Z)
次いで、実施例1に記載のチタン含有粒状粉末(a)の代わりに、このチタン含有粒状粉末(z)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ハニカム構造体からなるハニカム状排ガス処理触媒(Z)を調製した。なお、このハニカム構造体に含まれる金属元素を酸化物基準で表した重量組成比は、それぞれTiO/WO/MoO/V/GF=56.7/2.84/35.0/0.500/5.00であった。
【0056】
チタン含有粒状粉末、複合酸化物及びチタン粉末とパラタングステン酸アンモニウムの混合物(以下、これらをまとめて「チタン含有粒状粉末等」ともいう。)(a)〜(z)についての前記A〜の値を(表1)に示し、チタン含有粒状粉末等(a)〜(z)についての比表面積(SA)、アナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度の比(P1/P0)、ハニカム状排ガス処理触媒(A)〜(Z)の比表面積(SA)、細孔容積(PV)、成型性試験の結果、脱硝率、摩耗率、耐熱性(試験前後のアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度の比(P1’/P1)を(表2)に示す。




【0057】
【表2】
【0058】
表2に示した結果によれば、実施例に係わるチタン含有粒状粉末(a)〜(p)、比較例に係わるチタン含有粒状粉末等(q)〜(z)の原料として使用したチタンとタングステンとの複合酸化物の比表面積(SA)は70〜95m/gであり、いずれも40〜300m/gの範囲内に入っている。また、これらのチタン含有粒状粉末は、二酸化チタンの基準粉末に対するアナターゼ型結晶の(101)面のピーク強度の比(P1/P0)が0.75〜0.98の範囲内であり、いずれも0.30〜1.3の範囲内に入っている。
これらチタン含有粒状粉末(a)〜(p)を原料として、実施例1〜16に係わるハニカム状排ガス処理触媒(A)〜(P)を調製したところ、押し出し成形時にハニカム欠損が生じたのは、20本中、早くとも10本目以降のハニカム構造体であり、実施例2〜5、15〜16ではハニカム欠損は発生しなかった。また、パラタングステン酸アンモニウムの添加量を変化させた実施例1〜3、チタンの含有量と添加剤の添加量の両方を変化させた実施例4、5及び実施例15、16、二硫化タングステンの添加量を変化させた実施例6〜8、六塩化タングステンの添加量を変化させた実施例9〜11の各実施例において、既述のB/A(またはC/A、D/A)の値が大きくなるほどハニカム欠損が発生しにくくなる傾向が見られる。
一方、ハニカム状排ガス処理触媒の脱硝率、摩耗率、耐熱性については、いずれも実用上、問題のない結果が得られた。これらの評価項目についてもB/A(またはC/A、D/A)の値が大きくなるほど、摩耗強度は向上する一方、耐熱性は低下する傾向がある。
【0059】
これに対して、添加剤を添加していない複合酸化物(q)、(s)、(u)、(w)〜(y)を用いた比較例1、3、5、7〜9に係わるハニカム状排ガス処理触媒では、4〜9本目という早い時期にハニカム構造体にハニカム欠損が発生した。これにより、複合酸化物に、タングステン化合物也モリブデン化合物の各添加剤を添加すると、押出成形時の成形性を向上させる効果が得られることを確認できた。
また、単体の二酸化チタン(r)、(t)、(v)に、添加剤(パラタングステン酸アンモニウム)を添加した混合物を用いた比較例2、4、6に係わるハニカム状排ガス処理触媒は、20本の押出成形試験中でハニカム欠損は発生せず、押出成形時の成形性は良好であったが、耐熱性は他の実施例、比較例に比べて低くなっている。このことから、タングステンやモリブデンを含む複合酸化物に、さらに、タングステンやモリブデンを含有する窒素化合物、硫黄化合物、塩素化合物の添加剤を添加することにより、押出成形時の成形性が良好で、耐熱性の高いハニカム状排ガス処理触媒が得られることが解った。
さらに、B/Aの値が6.34×10−1となり、B/Aの値の上限値(2.78×10−1)を大きく上回る比較例10の結果においては、20本の押出成形試験中でハニカム欠損は発生せず、押出成形時の成形性は良好であったが、脱硝率と耐熱性が最も低くなる試験結果が得られた。
図1