(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板上に設置された光源と、前記基板に対し前記光源と同じ側の面上に前記光源を挟んで配置された、前記光源からの光を導入し通過させる導光体とを有する照明装置において、
前記導光体の前記光源と反対側を斜面形状とし、前記導光体を通過してくる光の一部を透過させるとともに、その光の多くを反射させる透過率調整部材を前記斜面形状に沿って配置し、
前記透過率調整部材は、その一部に孔が開けられることで高透過率部が形成され、前記孔以外の部分により低透過率部が形成される、
ことを特徴とする照明装置。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る照明装置の斜視図である。
【
図2】
図1の照明装置から拡散カバーを除去した状態の縦断面図である。
【
図3】
図1の照明装置において、光源となるLEDから導光体に入射する光の進行方向(光路)を示す図であって、(a)は導光体にほぼ垂直上方向に入射する光の進行方向を示す図、(b)は導光体に右斜め方向に入射する光の進行方向を示す図、(c)は導光体に左斜め方向に入射する光の進行方向を示す図である。
【
図4】
図1の照明装置において、導光体が透明材である場合の光の分布を示す図で、(a)は照度分布図、(b)は配光分布図ある。
【
図5】導光体が体積散乱を発生する光散乱導光体である場合、その中に含まれる光散乱粒子であるシリコーン粒子の散乱原理を示す図であり、単一真球粒子による散乱光強度の角度分布(Α、Θ)を示すグラフである。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る照明装置の導光体が体積散乱を発生する光散乱導光体である場合の一例の光の分布を示す図で、(a)は照度分布図、(b)は配光分布図ある。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る照明装置の導光体が体積散乱を発生する光散乱導光体である場合の他の例の光の分布を示す図で、(a)は照度分布図、(b)は配光分布図ある。
【
図8】本発明の第3実施形態に係る照明装置の導光体が表面散乱を発生する光散乱導光体である場合の光の分布を示す図で、(a)は照度分布図、(b)は配光分布図ある。
【
図9】第1から第3実施形態の変形例である第4実施形態の照明装置を示す斜視図である。
【
図10】本発明の第5実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。
【
図11】本発明の第6実施形態に係る照明装置の拡散カバーを除去した状態の斜視図である。
【
図14】
図11,12に示す照明装置において、LEDから導光体に入射する光の進行方向を右側部分について示す図であって、(a)は導光体にほぼ垂直上方向に入射する光の進行方向を示す図、(b)は導光体に右斜め方向に入射する光の進行方向を示す図、(c)は導光体に左斜め方向に入射する光の進行方向を示す図である。
【
図15】第6実施形態の導光体が透明材である場合の光の分布を示す図で、(a)は照度分布図、(b)は配光分布図ある。
【
図16】第6実施形態の導光体が体積散乱を発生する光散乱導光体である場合の一例の光の分布を示す図で、(a)は照度分布図、(b)は配光分布図ある。
【
図17】第6実施形態の導光体が体積散乱を発生する光散乱導光体である場合の他の例の光の分布を示す図で、(a)は照度分布図、(b)は配光分布図ある。
【
図18】第6実施形態の導光体が表面散乱を発生する表面散乱導光体である場合の照度分布を示す図である。
【
図19】本発明の第7実施形態に係る照明装置において、LEDから導光体に入射する光の進行方向を示す図であって、(a)は導光体にほぼ垂直上方向に入射する光の進行方向を示す図、(b)は導光体に右斜め方向に入射する光の進行方向を示す図、(c)は導光体に左斜め方向に入射する光の進行方向を示す図である。
【
図20】本発明の第8実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。
【
図22】本発明の第9実施形態に係る照明装置を示す斜視図で、重なり部分を透視的に、かつ黒く示した図である。
【
図23】本発明の第10実施形態に係る照明装置を示す斜視図で、重なり部分を透視的に、かつ黒く示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
続いて、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る照明装置A1は、
図1,2に示すように、基板1上に設置された光源となるLED2と、LED2と同じ側の面に設けられた導光体3と、導光体3の光源2と反対側の面に設けられた透過率調整部材4とから構成されている。照明装置A1は、樹脂製の有色、例えば、白色の拡散カバー(グローブ)Cによって周囲を囲まれている。
図2では、この拡散カバーCと基板1が省略されている。
【0019】
光源は、白熱電球、蛍光灯、EL(Electro luminescence)、LEDのいずれでもよいが、特にLEDは指向性を有するため、広配光の照明装置を得ることが困難であった。そこで、以下には、特にLEDを光源として用いる場合の広配光化を図るのに好適な実施の形態について説明する。
【0020】
図1,2には、図面の簡明化のためLED2が1個のみ示されているが、LED2は、照明装置に求められる照度に応じて複数個が基板1上に所定の均等な間隔もって円形状、直線状、またはその他の形状に配置されるようにしてもよい。LED2は、基板1内などに設けられた図示されていない電気回路に接続されていて、その電気回路に電源が供給されると、LED2が
図2において上方向(=y方向)に発光するようになっている。
【0021】
第1実施形態における導光体3は、透明樹脂で角柱状に作られており、LED2と反対側の上面31が斜面形状に形成されている。そして、その斜面状の上面31に透過率調整
部材4が設けてある。この斜面は、内側から外側に上り傾斜になっており、具体的には、基板1の面に対して45度の傾斜角αとなっている。傾斜角αは45度が好ましいが、求められる照度分布や配光分布によって適宜変更してもよい。
【0022】
透過率調整部材4は、透過率の高い部分と透過率の低い部分を有する。透過率の高い部分は、その部分に孔を開けるなどによって透過率100パーセントの透過部41としても良く、透過率の低い部分は、反射率が略100パーセントの反射部42としても良い。
【0023】
第1実施形態では、透過率調整部材4自体を白色の高反射のポリカーボネート材により形成し、導光体3の上面31に溶着することで反射部42とし、また導光体3の上面31のある箇所において、白色の高反射のポリカーボネート材を溶着せずに、導光体3の上面を剥き出しの状態とすることで透過部41としている。この透過部41は、円形とされているが、他の形状としてもよい。
【0024】
上記構成により、LED2が発光すると、導光体3はそのLED2の光を透過させて透過率調整部材4に導くとともに、透過率調整部材4の反射部42で反射した光を導光体3の高さが高い方の側面32から出射させる。
【0025】
LED2から導光体3に入射し、導光体3を透過して上面31または側面32から出射する光線を
図3に模式的に示す。また、第1実施形態における照度分布図を
図4に示す。なお、
図3の各図ではLED2の右方向がz方向となり、上方向がy方向となり、紙面に垂直な方向がx方向となっている。この関係は
図2でも同様となっている。
【0026】
図3(a)はLED2から出射された光線のうち、垂直に近い角度で導光体3に入射する光線Li1の進行方向を表わしている。導光体3に入射した光線Li1は、透過率調整部材4の反射部42で反射し横方向に広がった光線となって、導光体3の側面32から出射され、導光体3の外側横方向(=
図2,3のz方向)を照らす光線Lo1となっている。また、透過部41に到達した光線も、入射角度の関係で導光体3の上面31により全反射し、横方向に広がった光線となって、導光体3の側面32から出射される。光線Lo1の多くは、LED2の発光面を基準面Bとし、その基準面Bによって空間領域をLED2の光が出射する側の領域となる表側領域B1とその反対側の裏側領域B2とに分けたとき、表側領域B1へ出射する。しかし、光線Lo1の一部が表側領域B1とは反対側となる裏側領域B2に入り込んでいる。
【0027】
図3(b)はLED2から出射された光線のうち、高さが高い方の側面32側に斜めに広がった角度で導光体3に入射する光線Li2が側面32で全反射する状態を表わしている。導光体3の側面32で全反射した光線は、反射部42で側面32側に下向きに反射し広がった光線となって、導光体3の側面32から出射され、導光体3の下方向(照明装置A1の取付面方向で裏側領域B2に向かう方向)を照らす光線Lo2となっている。また、透過部41に到達した光線は、入射角度によってはそのまま透過部41から出射され、導光体3の上方向を照らす光線Lo2’となるが、その透過量は少なく、大部分は透過部41で反射され、導光体3の外側下方向を照らす光線Lo2となる。
【0028】
図3(c)はLED2から出射された光線のうち、高さが低い方の側面33側に斜めに広がった角度で導光体3に入射する光線Li3が側面33で全反射する状態を表わしている。導光体3の側面33で全反射した光線のうち一部の光線は、反射部42に到達し、反射部42で反射し上方向に広がった表側領域B1を照らす光線となって導光体3の高さが高い方の側面32から光線Lo31として出射される。また、側面33で全反射した光線のうち一部の光線は、側面32に到達して再度全反射し、反射部42に到達し、そこで再反射し、下方向に広がった光線となって出射されて、導光体3の外側下方向(裏側領域B2)を照らす光線Lo32となる。また、透過部41に到達した光線は、導光体3の上部の斜面31により全反射し、これも上方向に広がり、導光体3の側面32から出射される光線Lo31となる。
【0029】
現実的には、
図3(a)(b)(c)の光線Li1,Li2,Li3は同時に発生する。これにより、
図4に示したような照度分布を得ることが可能であり、広配光な照明とすることができる。
図4は、導光体3がPET(poly ethylene terephthalete)、PP(polypropylene)、PC(poly carbonate)、PMMA(polymethyil methacrylate)のような透明材である場合の照度分布図であって、
図4(a)の略中央の図は導光体3の上面から観察したもの、すなわち、拡散カバーCの上面に相当する位置での照度分布図であり、側面32側が図の下側に横方向に配置され、側面33側が図の上側に横方向に配置された状態での照射パターン図である。縦横の単位は「mm」である。
図4(a)の右側のグラフは、縦中央線(
図3のz方向)に沿って測定した照度分布グラフであり、
図4(a)の下側のグラフは、横中央線(
図3のx方向)に沿って測定した照度分布グラフである。両線の交点は、LED2の中心となる。これらの照度分布図および照度分布グラフから導光体3の上面31の中央よりも上面31の側面32に近い側に照度の高い部分があり、上面31の側面33に近い側に照度のやや高い部分があることが分かる。
【0030】
また、
図4(b)は、LED2のy方向を起点として、
図2において、時計方向に180度(−180度)に渡る各方向および反時計方向に180度(+180度) に渡る各方向から見た照度分布を表したグラフである。すなわち、
図4(b)の最下方は、「0度」であり、
図2のLED2の垂直上方から見たときの照度を示しており、非常に暗い。最も明るい方向はマイナス110度で、
図2の矢視C1方向、次に明るいのがマイナス145度で
図2の矢視C2方向、3番目に明るいのはマイナス80度で、
図2の矢視C3方向となっている。このように、裏側領域B2に向かう光線(矢視C1方向、矢視C2方向)が多くなっている。
【0031】
LED2からの強い指向性の光は、導光体3の種々な角度の内面反射により指向性がかなり緩和されるが、
図4(a)に示されるように、照度の高い部分と低い部分が現れる。これに対し、基板1に導光体3を包囲する拡散カバーCを装着することにより、等方性をかなり有する照明光、すなわち、明暗差の少ないかなり均一な照明光を得ることができる。
【0032】
なお、拡散カバーCを設置しない場合にも、広配光化されている。これは、
図4(b)に示されている。
図4(b)では、上述したように、側方や背後方向(=−80度〜−145度)への光が多くなっているからである。また、
図4(a)に示すように、上面から見た場合にもかなりの明るさとなっている。
【0033】
[第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態の導光体3を、透明樹脂に散乱微粒子として球状かつ透光性の光散乱微粒子が多数含有された光散乱導光体としたものである。光散乱導光体に用いられる透明樹脂としては、例えば、PET、PP、PC、PMMAのような光学的に透明な樹脂があげられる。光散乱微粒子としては、粒子径1〜10μmのシリコーン、シリカなどを用いることができる。
【0034】
光散乱導光体については、特開2011−141964号公報の段落0025〜0042および特開2011−249141号公報の段落0017〜0034に記載されている。
【0035】
以下、導光体3に含有されているシリコーン粒子について説明する。このシリコーン粒子は、体積的に一様な散乱能が与えられた導光体であり、散乱微粒子としての球形粒子を多数含んでいる。導光体3の内部に光が入射すると、その光は散乱微粒子によって散乱することになる。
【0036】
ここで、シリコーン粒子の理論的な基礎を与えるMie散乱理論について説明する。Mie散乱理論は、一様な屈折率を有する媒体(マトリックス)中に該媒体と異なる屈折率を有する球形粒子(散乱微粒子)が存在するケースについてマックスウェルの電磁方程式の解を求めたものである。光散乱粒子に相当する散乱微粒子によって散乱した散乱光の角度に依存した強度分布I(Α、Θ)は下記(1)式で表される。Αは、散乱微粒子の光学的大きさを示すサイズパラメータであり、マトリックス中での光の波長λで規格化された球形粒子(散乱微粒子)の半径rに相当する量である。角度Θは散乱角で、入射光の進行方向と同一方向をΘ=180°にとる。
【0037】
また、(1)式中のi1、i2は(4)式で表される。そして、(2)〜(4)式中の下添字ν付のaおよびbは(5)式で表される。上添字1および下添字νを付したP(cosΘ)は、Legendreの多項式、下添字ν付のa、bは1次、2次のRecatti−Bessel関数Ψ*、ζ*(ただし、「*」は下添字νを意味する。)とその導関数とからなる。mはマトリックスを基準にした散乱微粒子の相対屈折率で、m=nscatter/nmatrixである。
【0039】
図5は、上記(1)〜(5)式に基づいて、単一真球粒子による強度分布I(Α、Θ)を示すグラフである。この
図5では、原点Gの位置に散乱微粒子としての真球粒子があり、下方から入射光が入射した場合の散乱光強度の角度分布I(Α、Θ)を示している。そして、原点Gから各曲線S1〜S3までの距離が、それぞれの散乱角方向の散乱光強度である。曲線S1はΑが1.7であるときの散乱光強度、曲線S2はΑが11.5であるときの散乱光強度、曲線S3はΑが69.2であるときの散乱光強度を示している。なお、
図5においては、散乱光強度を対数目盛で示している。このため、
図5では僅かな強度差として見える部分が、実際には非常に大きな差となる。
【0040】
図5に示すように、サイズパラメータΑが大きくなればなるほど(ある波長λで考えた場合は真球粒子の粒径が大きくなればなるほど)、上方(照射方向の前方)に対して指向性が高く光が散乱されていることがわかる。また、実際のところ、散乱光強度の角度分布I(Α、Θ)は、入射光波長λを固定すれば、散乱子の半径rと、媒体および散乱微粒子の相対屈折率mとをパラメータとして制御することができる。なお、導光体3は、前方散乱が大きいものである。
【0041】
このような、単一真球粒子がN個含まれる光散乱導光体に光を入射させると、光は真球粒子により散乱される。散乱光は光散乱導光体中を進み、他の真球粒子により再度散乱される。ある程度以上の体積濃度で粒子を添加した場合には、このような散乱が逐次的に複数回行われた後、光が光散乱導光体から出射する。このような散乱光がさらに散乱されるような現象を多重散乱現象と呼ぶ。このような多重散乱においては、透明ポリマーでの光線追跡法による解析は容易ではない。しかし、モンテカルロ法により光の挙動を追跡し、その特性を解析することはできる。それによると、入射光が無偏光の場合、散乱角の累積分布関数F(Θ)は下記の(6)式で表される。
【0043】
ここで(6)式中のI(Θ)は、(1)式で表されるサイズパラメータΑの真球粒子の散乱強度である。強度Ioの光が光散乱導光体に入射し、距離yを透過した後、光の強度が散乱によりIに減衰したとすると、これらの関係は下記の(7)式で表される。
【0045】
この(7)式中のτは濁度と呼ばれ、媒体の散乱係数に相当するものであり、下記の(8)式のように粒子数Nに比例する。なお、(8)式中、σsは散乱断面積である。
【0047】
(7)式から長さLの光散乱導光体を散乱せずに透過する確率Pt(L)は下記の(9)式で表される。
【0049】
反対に光路長Lまでに散乱される確率Ps(L)は下記の(10)式で表される。
【数6】
【0050】
これらの式からわかるように、濁度τを変えることにより、光散乱導光体内での多重散乱の度合いを制御することができる。
【0051】
以上の関係式により、散乱微粒子のサイズパラメータΑと濁度τとの少なくとも1つをパラメータとして、光散乱導光体内での多重散乱を制御可能であり、出射面における出射光強度と散乱角も適正に設定可能である。
【0052】
ここで、導光体3に含有されている光散乱粒子は、平均粒径が2.4μmの透光性のシリコーン粒子である。また、光散乱粒子による散乱係数に相当する散乱パラメータである濁度τは、τ=0.49(λ=550nm)である。
【0053】
第2実施形態における照度分布を、
図6、
図7に示す。
図6(a)(b)および
図7(a)(b)は、
図4(a)(b)と同様に、導光体3の上面31に置かれる拡散カバーCの位置での照度分布(各図の(a))と、各図の(a)の上下垂直線で切った球面に沿った各方向から測定した結果(各図の(b))を示す。
図6は光散乱微粒子の粒径が2.0μm、濃度0.01wt%の場合、
図7は光散乱微粒子の粒径が2.0μm、濃度0.1wt%の場合のものである。
【0054】
第1実施形態の照度分布図である
図4と、第2施形態の照度分布図である
図6、
図7を比較すると、第2実施形態の照度分布図の方が、なだらかな線になっており、中心付近とその周辺との照度差も小さくなっていることが分かる。よって、光散乱導光体を用いることによって、広配光でより照度が均一な照明装置とすることができる。なお、
図6と
図7を比較すると、各(a)の図では大きな違いはないが、各(b)の図を見ると、散乱材を多く入れた
図7が
図6に比べ、左右(
図2参照)の側面方向に、より均等に光が放射されていることを示している。
【0055】
第2実施形態では、導光体3を光散乱導光体とすることで体積散乱を発生させているが、導光体3が透明樹脂のみであっても、導光体の出射面である側面32を粗面加工して表面散乱を発生させても良い。この第3実施形態の照明装置の照度分布図を
図8に示す。
【0056】
図1,2の照明装置A1は、導光体3の形状が柱状である場合の例であるが、第1から第3実施形態の変形例として、第4実施形態の照明装置A4を
図9に示す。この第4実施形態の照明装置A4は、
図2の基板1および導光体3の断面形状を紙面に直交する方向に延長し、その基板上に複数個のLED2を配置することにより、
図9に示すように、ライン状の照明装置A4としたものである。このようなライン状の照明装置A4は、例えばショーケース内の左右の上部角隅に取付けて、展示商品を左右上側から下向きに照射するという、従来の照明装置ではできなかった照明モードを実現することができる。
【0057】
次に、第5実施形態の照明装置A5を
図10に示す。照明装置A5は、
図2の基板1および導光体3の断面形状が垂直な中心線回りに360度連続するサークル状の照明装置としたものである。この場合、サークル状の照明装置A5は、基板5に円周上に実装された複数個のLED6と、基板5のLED6と同一側にLED6を挟んで設けられた円筒状の導光体7と、導光体7の斜面上部に設けられた透過率調整部材8によって構成されている。導光体7は、透明樹脂で環状に作られており、導光体7の上部には外側から内側に傾斜する斜面71がリング状に設けてあり、その斜面に透過率調整部材8が設けてある。その透過率調整部材8の中央にはリング状の透過部81が設けられ、その上下に反射部82が設けられている。また、基板5上のLED6は円周上に好ましくは等間隔をもって配置されている。
【0058】
上記第5実施形態の照明装置A5の導光体7にも、上記第2実施形態の光散乱導光体を用いてもよい。この場合の粒径は1〜10μmで、濃度は0.01〜0.2wt%が好ましい。
【0059】
[第6実施形態]
第6実施形態である照明装置A6は、
図11〜
図13に示すように、
図10のサークル状の照明装置A5の基板5と同様の基板5の内外二つの同心円の円周上にLED6を好ましくは等間隔をもって配置してある。例えば、内側に6つのLED6を、外側に10個のLED6を配置する。基板5のLED6が配置される側と同一側に、LED6を挟んで設けられた導光体7は環状に形成されていて、内外二重のLED6(ここで、内周のLEDをLED6a、外周のLEDをLED6bとする。)にそれぞれ対応する二つの環状の導光部7a,7bを有する。導光体7の
図12の上部側の斜面には透過率調整部材8が設けてある。この透過率調整部材8の一部は透過部となる溝7cとなっている。この透過部は、内外二重のLED6a,6bの間隔より狭い幅を有し、かつ、円周方向に連続して上方に開口する溝7cとなっている。溝7cの底面は水平面となっている。第6実施形態の透過率調整部材8は、第1から第4の実施形態における透過率調整部材4に相当し、溝7cが第1から第4の実施形態における透過部41に相当する。
【0060】
導光体7の導光部7a,7bは、LED6a,6bからの光を透過させて透過率調整部材8に導くとともに、透過率調整部材8で反射した光を側面から出射させる。第6実施形態では、内側に配置した導光部の高さ(aH)よりも外側に配置した導光部の高さ(bH)が大きく(aH<bH)されている。この第6実施形態における光線の進行方向を
図14に示す。なお、
図14は、第1実施形態の
図3に対応するものであり、
図14では、各図の右側部分の光線の進行方向のみを示し、左側部分の光線を省略している。
【0061】
図13、
図14に示すように、内側の導光部7aの高さよりも外側の導光部7bの高さを大きくすると、内側の導光部7aの側面から外側の導光部7bの方向に出射する光は、外側の導光部7bに入射し透過して、その外側の導光部7bの側面から横方向(水平方向、斜め上方向または斜め下方向)に出射することができるので、横方向の照射率の大きい照明装置を得ることができる。これに対し、内側の導光部7aの高さよりも外側の導光部7bの高さを小さくする場合は、内側の導光部7aの側面から外側の導光部7bの方向に出射する光の一部が外側の導光部7bの透過率調整部材8によって上方向に反射される。その結果、横方向を照らすことに寄与する割合が少ない。
【0062】
第6実施形態である照明装置A6の導光体7が透明材である場合の照度分布、第6実施形態の導光体7が体積散乱を発生する光散乱導光体である場合の一例の照度分布、第6実施形態の導光体7が体積散乱を発生する光散乱導光体である場合の他の例の照度分布、第6実施形態の導光体7が表面散乱を発生する表面散乱導光体である場合の照度分布を、それぞれ
図15,16,17,18に示す。なお、
図15〜
図18の各図は、
図13の原点m(照明装置A6のxz方向の中心)を中心とするものであり、各図の(a)の左上の図は、四角形のカバー(図示省略)の上方での照度分布で、垂直線は原点mを通るz方向線で、水平線は原点mを通るx方向線となっている。各図の(a)の下側のグラフは水平線に沿って測定した照度グラフであり、右側のグラフは垂直線に沿って測定した照度グラフである。また、各図の(b)のグラフは、y−z面に沿った各方向から見た照度の強さを表すグラフである。すなわち、
図15,16,17,18は、
図4等と同じ考えで表された図である。
【0063】
これらの図からわかるように、照度について言えば、導光体7の中心はそれほど大きくなく、LED6bの真上から少し外周側にずれた位置で最も大きくなっている。しかも、当然のことではあるが、原点mを中心とした点対称となっている。また、各図の(b)に示されているように、y−z面の各図から見た強度は+80度と−80度の付近が最も光が強く、横方向の照度が高いものとなっている。また、表側領域B1のみならず、裏側領域B2にも多くの光が向かっている。この第6実施形態である照明装置A6に拡散カバーを装着することにより、拡散カバーの上面、側面および裏面から照度がより均一な光を出すことができる。
【0064】
図19は、第6実施形態の他の変形例である第7実施形態に係る照明装置A7を示している。
図19では、照明装置A7の場合のLED6a、6bから導光体に入射する光の進行方向を示す。(a)は導光体にほぼ垂直上方向に入射する光の進行方向を示す図、(b)は導光体に右斜め方向に入射する光の進行方向を示す図、(c)は導光体に左斜め方向に入射する光の進行方向を示す図である。なお、
図19は、第6実施形態の
図14に対応するものであり、
図19では、各図の右側部分の光線の進行方向のみを示し、左側部分の光線を省略している。この変形例は、導光体9を、外周側の導光部9aと内周側の導光部9bの高さの差を小さくすることで、透過率調整部材10で反射し横方向に出射された光線が、透過率調整部材10で再度反射し、上方向の光線となり出射されるようにしたものである。これによって、上方向への光線量を多くすることができる。このように、導光部9aと導光部9bの高さの差を変えることで、照明方向を横方向や上方向など目的にあった方向および照度とすることができる。
【0065】
図20,
図21は、第6実施形態の照明装置A6の変形例を示す図で、第8実施形態に係る照明装置A8を示している。照明装置A8と照明装置A6の相違点は、次の3点である。第1は、照明装置A8には導光部7a,7bをつなぐ複数のつなぎ部7dが設けられている点である。第2は、照明装置A8には導光体7の中心に底部7eが設けられている点である。第3は、照明装置A6ではLED6a,6bが基板5の凹部内に取り付けられ、発光面が基板5の面と同一となっているのに対し、照明装置A8では基板5の表面にLED6a,6bが取り付けられ、発光面となる基準面Bが基板5の面よりわずかに導光体7に近付いている点である。この照明装置A8も横方向か背後方向への光の出射が多くなり、広配光化と薄型化が可能となる。
【0066】
次に、本発明の第9実施形態に係る照明装置A9を
図22に示す。この照明装置A9は、2重になっている照明装置A6を3重にしたもので、導光体7の上面は溝7cがないとすると、一定角度、好ましくは45度の傾斜角度を持った1つの連続した斜面となっている。その斜面中に2つのリング状の溝7c1,7c2が設けられている。LEDは、最外周に等間隔で複数のS1個、中間の周に等間隔で複数のS2個、最内周に等間隔でS3個がそれぞれ配置してある。このときLEDの数は「S1>S2>S3」とするのが好ましいが、「S2>(S1=S3)」など他の関係となるようにしてもよい。また、照明装置A9の変形として、照明装置A8のようにつなぎ部7dを設けたり、底部7eを設けたりしてもよい。
【0067】
次に、本発明の第10実施形態に係る照明装置A10を
図23に示す。この照明装置A10は、照明装置A1と略同一な照明装置A11,A12を円形状に間隔を開けて、それぞれ複数配置したものである。照明装置A11,A12は共にその内周面、外周面が円弧状に形成され、原点mを中心とした円の一部(=円弧)となるような形状にされている。外周側に配置される照明装置A11は、内周側に配置される照明装置A12に比べ、その高さと幅がより大きくなっている。外周側に配置される照明装置A11は、それぞれ、1個のLEDに1個配置され、その隣接するものとの間隔は不均一とされているが、等間隔としてもよい。同様に、内周側に配置されるの照明装置A12も、それぞれ、1個のLEDに1個配置され、その間隔は不均一とされているが、等間隔としてもよい。また、複数のLEDに対し、1個の照明装置A11や1個の照明装置A12を配置したり、1個と複数のものを混在させたりしてもよい。また、照明装置A10は、内側と外側の2重配置とされているが、3重配置にしたり、1重のみとしたりしてもよい。
【0068】
[他の実施の形態]
以上、本発明の各実施形態に係る照明装置について説明したが、本発明は、上述の構成に限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。例えば、透過率調整部材4、8は、一部分が透過部、他の部分が反射部として構成される例を説明したが、それらの透過部と反射部の違いは、光透過率の違いであり、導光体の上面から出射させたい光量により光透過率を適宜設定すれば良い。すなわち、透過部41や溝7cを設けず、上面31などの斜面全体に一定の透過率の透過率調整部材を配置したり、部分的に透過率が異なるように配置したりしてもよい。また、反射部であっても、薄い場合は光を全て反射せずに一部を透過させる場合がある。また、透過部であっても、導光体の斜面に対する光の入射角度により光が反射される場合がある。
【0069】
すなわち、透過率調整部材は、部分的に透過部と反射部に区分したり、区分することなく、全面側に出射する光の透過率を調整することにより、導光体の斜面(上面)から出射する光量を適宜抑制し、側面からの光量や背部に出射する光量を適宜増加することができる。これにより、照明装置の取付面を任意の照度で照らすことができる。したがって、従来の照明装置を用いて間接照明をする場合は、反射板などを外付けする必要があったが、本発明による各照明装置は、そのような反射板の付加を不要とすることが可能である。
【0070】
また、照明装置A6、A7,A8,A9では、溝7cを設けているが、溝7cではなく、導光部7a,7bの間を貫通孔とし、両者を完全に切り離してもよい。同様に、導光部7a,7bの間や、3重の場合には、その2つの間を貫通孔としてもよい。また、各照明装置では光源の発光面の反対側となる裏側領域B2に向かう出射光が存在するようにしたが、裏側領域B2に向かう光を無くし、正面方向や斜め正面方向や横方向などに向かう出射光のみとなるように、すなわち、表側領域B1に向かう光のみとなるようにしてもよい。また、各照明装置では、導光体を使用しているが、導光体を使用せず、光源の光を直接、透過率調整部材に照射するようにしてもよい。
【0071】
また、各照明装置は、その全体をグローブなどの拡散カバーCで被覆して用いられる。導光体の側面から出射される光線は明暗差が少ないので、拡散カバーCを導光体に接近して装着することができるので、照明装置を小型化することができる。しかし、拡散カバーを用いないようにしたり、他のカバーを用いるようにしてもよい。また、光源は、LEDが好ましいが、白熱電球、蛍光灯、EL(Electro luminescence)、など他の光源としてもよい。