特許第6012974号(P6012974)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6012974無線通信システムにおけるチャンネル推定方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012974
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおけるチャンネル推定方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04J 11/00 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   H04J11/00 Z
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-26998(P2012-26998)
(22)【出願日】2012年2月10日
(65)【公開番号】特開2012-170070(P2012-170070A)
(43)【公開日】2012年9月6日
【審査請求日】2015年1月13日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0012209
(32)【優先日】2011年2月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】朴 時賢
(72)【発明者】
【氏名】兪 化善
(72)【発明者】
【氏名】姜 熙原
【審査官】 佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4571997(JP,B2)
【文献】 特表2010−510742(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/010433(WO,A1)
【文献】 特表2009−534982(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/055420(WO,A2)
【文献】 国際公開第2010/106549(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 11/00
IEEE Xplore
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおける受信器によるチャンネル推定方法であって、
隣接した第1及び第2のリソース割り当てブロックに含まれる各パイロットトーンに対するチャンネル推定値を計算するステップと、
前記第2のリソース割り当てブロックとのサブキャリア距離が所定値以下である第1のパイロットトーンに対するチャンネル推定値を検出するステップと、
前記第1のリソース割り当てブロックとのサブキャリア距離が所定値以下である第2のパイロットトーンに対するチャンネル推定値を検出するステップと、
チャンネル品質情報及び前記受信器の速度に基づいて、前記第1及び第2のパイロットトーンの各々に対して検出したチャンネル推定値をアップデートするステップと、
前記アップデートされた前期第1のパイロットトーンに対して検出したチャンネル推定値と前期第2のパイロットトーンに対して検出したチャンネル推定値の各々に対応するチャンネル推定値を用いてチャンネル推定を遂行するステップと、を有する
ことを特徴とするチャンネル推定方法。
【請求項2】
前記第1及び第2のリソース割り当てブロックは、同一のサブバンドに含まれ、同一のプリコーディング方式が使用され、
前記第1及び第2のリソース割り当てブロックは、各々物理的リソースユニット(PRU)を含むことを特徴とする請求項1に記載のチャンネル推定方法。
【請求項3】
前記第1のパイロットトーンは、前記第2のリソース割り当てブロックとのサブキャリア距離が最小であるパイロットトーンを含み、前記第2のパイロットトーンは、前記第1のリソース割り当てブロックとのサブキャリア距離が最小であるパイロットトーンを含むことを特徴とする請求項1に記載のチャンネル推定方法。
【請求項4】
前記チャンネル品質情報は、キャリア対干渉雑音比(CINR)情報を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のチャンネル推定方法。
【請求項5】
前記アップデートするステップは、
下記の式(1)によって、前記第1及び第2のパイロットトーンに対するチャンネル推定値として最小二乗(LS)推定値をアップデートするステップを有することを特徴とする請求項1に記載のチャンネル推定方法。
【数1】
ここで、
【数2】
は第1のリソース割り当てブロックとしてm番目のリソース割り当てブロックに含まれた4番目のパイロットトーンのアップデートされたLS推定値を表し、
【数3】
はm番目のリソース割り当てブロックに含まれた5番目のパイロットトーンのアップデートされたLS推定値を表し、
【数4】
は第2のリソース割り当てブロックとしてm+1番目のリソース割り当てブロックに含まれた0番目のパイロットトーンのアップデートされたLS推定値を表し、
【数5】
はm+1番目のリソース割り当てブロックに含まれた1番目のパイロットトーンのアップデートされたLS推定値を表し、Rdpは前記受信器の速度を用いて計算された、該当リソース割り当てブロック内のすべてのデータトーンと各パイロットトーンの相互相関値を表し、Rppは該当リソース割り当てブロック内の各パイロットトーンの自己相関値を表し、CINRestimatedは前記受信器のチャンネル品質情報として推定されたCINRを表し、
【数6】
はm番目のリソース割り当てブロックに含まれた4番目のパイロットトーンのLS推定値を表し、
【数7】
はm番目のリソース割り当てブロックに含まれた5番目のパイロットトーンのLS推定値を表し、
【数8】
はm+1番目のリソース割り当てブロックに含まれた0番目のパイロットトーンのLS推定値を表し、
【数9】
はm+1番目のリソース割り当てブロックに含まれた1番目のパイロットトーンのLS推定値を表す。
【請求項6】
前記チャンネル推定を遂行するステップは、下記の式(2)によって前記チャンネル推定を遂行するステップを有することを特徴とする請求項5に記載のチャンネル推定方法。
【数10】
ここで、
【数11】
はm番目のリソース割り当てブロックのチャンネル推定値を、
【数12】
はm+1番目のリソース割り当てブロックのチャンネル推定値を、lはサブキャリアインデックスを、kは時間インデックスを、それぞれ表す。
【請求項7】
前記チャンネル推定を遂行するステップは、
第1及び第2のパイロットトーンのうち前記アップデートされた推定値と、残りのパイロットトーンのうちアップデートされないチャンネル推定値、及び前記受信器の速度及びチャンネル品質情報を用いてチャンネル推定を遂行するステップを有することを特徴とする請求項1に記載のチャンネル推定方法。
【請求項8】
無線通信システムにおける受信器であって、
送信器から信号を受信する受信部と、
前記受信器の速度を推定する速度及びチャンネル品質情報推定部と、
隣接した第1及び第2のリソース割り当てブロックに含まれる各パイロットトーンに対するチャンネル推定値を計算し、前記第2のリソース割り当てブロックとのサブキャリア距離が所定値以下である第1のパイロットトーンに対するチャンネル推定値を検出し、前記第1のリソース割り当てブロックとのサブキャリア距離が所定値以下である第2のパイロットトーンに対するチャンネル推定値を検出し、チャンネル品質情報及び前記受信器の速度に基づいて、前記第1及び第2のパイロットトーンの各々に対するチャンネル推定値をアップデートし、前記アップデートされたチャンネル推定値を用いてチャンネル推定を遂行するチャンネル推定部と、を含む
ことを特徴とする受信器。
【請求項9】
前記第1及び第2のリソース割り当てブロックは、同一のサブバンドに含まれ、同一のプリコーディング方式が使用され、
前記第1及び第2のリソース割り当てブロックは、各々物理的リソースユニット(PRU)を含むことを特徴とする請求項8に記載の受信器。
【請求項10】
前記第1のパイロットトーンは前記第2のリソース割り当てブロックとのサブキャリア距離が最小であるパイロットトーンを含み、前記第2のパイロットトーンは前記第1のリソース割り当てブロックとのサブキャリア距離が最小であるパイロットトーンを含むことを特徴とする請求項8に記載の受信器。
【請求項11】
前記チャンネル品質情報はキャリア対干渉雑音比(CINR)情報を含む
ことを特徴とする請求項8に記載の受信器。
【請求項12】
前記チャンネル推定部は、下記の式(3)によって前記第1及び第2のパイロットトーンに対するチャンネル推定値として最小二乗(LS)推定値をアップデートすることを特徴とする請求項8に記載の受信器。
【数13】
ここで、
【数14】
は第1のリソース割り当てブロックとしてm番目のリソース割り当てブロックに含まれた4番目のパイロットトーンのアップデートされたLS推定値を表し、
【数15】
はm番目のリソース割り当てブロックに含まれた5番目のパイロットトーンのアップデートされたLS推定値を表し、
【数16】
は第2のリソース割り当てブロックとしてm+1番目のリソース割り当てブロックに含まれた0番目のパイロットトーンのアップデートされたLS推定値を表し、
【数17】
はm+1番目のリソース割り当てブロックに含まれた1番目のパイロットトーンのアップデートされたLS推定値を表し、Rdpは前記受信器の速度を用いて計算された、該当リソース割り当てブロック内のすべてのデータトーンと各パイロットトーンの相互相関値を表し、Rppは該当リソース割り当てブロック内の各パイロットトーンの自己相関値を表し、CINRestimatedは前記受信器のチャンネル品質情報として推定されたCINRを表し、
【数18】
はm番目のリソース割り当てブロックに含まれた4番目のパイロットトーンのLS推定値を表し、
【数19】
はm番目のリソース割り当てブロックに含まれた5番目のパイロットトーンのLS推定値を表し、
【数20】
はm+1番目のリソース割り当てブロックに含まれた0番目のパイロットトーンのLS推定値を表し、
【数21】
はm+1番目のリソース割り当てブロックに含まれた1番目のパイロットトーンのLS推定値を表す。
【請求項13】
前記チャンネル推定部は、下記の式(4)によって前記チャンネル推定を遂行することを特徴とする請求項12に記載の受信器。
【数22】
ここで、
【数23】
はm番目のリソース割り当てブロックのチャンネル推定値を、
【数24】
はm+1番目のリソース割り当てブロックのチャンネル推定値を、lはサブキャリアインデックスを、kは時間インデックスを、それぞれ表す。
【請求項14】
前記チャンネル推定部は、前記第1及び第2のパイロットトーンのうち前記アップデートされたチャンネル推定値、残りのパイロットトーンのうちアップデートされないチャンネル推定値、及び前記受信器の速度及びチャンネル品質情報を用いてチャンネル推定を遂行することを特徴とする請求項8に記載の受信器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおけるチャンネル推定方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、無線通信システムでは、正確な信号の復号化のために正確なチャンネル推定が要求される。このようなチャンネル推定のために使用される技術の中で最も良いものは、最小平均二乗誤差(Minimum Mean Square Error:MMSE)チャンネル推定技術である。
【0003】
このMMSEチャンネル推定技術によると、チャンネル推定は、まず最小二乗(LS)技法に基づいて遂行された後に、時間軸及び周波数軸に従って変化するチャンネルの相関行列を各チャンネル別に計算する。それによって、MMSEチャンネル推定技術は、雑音を考慮した全体推定誤差を最小化するので、多重経路フェージング特性を有するチャンネル環境で優れた性能を示す。
【0004】
一方、MMSEチャンネル推定は、直交周波数分割多重接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:OFDMA)シンボルのパイロットトーンに基づく。そのため、チャンネル推定の性能は、パイロットトーンの数が少なければ相対的に低下する。したがって、このMMSEチャンネル推定技術が使用される場合、MMSEチャンネル推定の性能を高めるために、できるだけ多くのパイロットトーンが使用されなければならないという問題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Two-Dimensional MMSE Channel Estimation for OFDM Systems with Transmitter Diversity
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、上記した従来技術の問題点を解決するために、本発明の目的は、無線通信システムにおけるチャンネル推定方法及び装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、同一のプリコーディング(precoding)方式が適用される隣接したPRU(Physical Resource Unit)に含まれる最も隣接したパイロットトーンを用いてチャンネル推定性能を向上させる方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような目的を達成するために、本発明の一態様によれば、無線通信システムにおける受信器によるチャンネル推定方法であって、隣接した第1及び第2のリソース割り当てブロックに含まれる各パイロットトーンに対するチャンネル推定値を計算するステップと、第2のリソース割り当てブロックとのサブキャリア距離が所定値以下である第1のパイロットトーンに対するチャンネル推定値を検出するステップと、第1のリソース割り当てブロックとのサブキャリア距離が所定値以下である第2のパイロットトーンに対するチャンネル推定値を検出するステップと、第1及び第2のパイロットトーンに対するチャンネル推定値をアップデートするステップと、アップデートされたチャンネル推定値を用いてチャンネル推定を遂行するステップとを有する。
【0008】
本発明の他の態様によれば、無線通信システムにおける受信器であって、送信器から信号を受信する受信部と、隣接した第1及び第2のリソース割り当てブロックに含まれる各パイロットトーンに対するチャンネル推定値を計算し、第2のリソース割り当てブロックとのサブキャリア距離が所定値以下である第1のパイロットトーンに対するチャンネル推定値を検出し、第1のリソース割り当てブロックとのサブキャリア距離が所定値以下である第2のパイロットトーンに対するチャンネル推定値を検出し、第1及び第2のパイロットトーンに対するチャンネル推定値をアップデートし、アップデートされたチャンネル推定値を用いてチャンネル推定を遂行するチャンネル推定部とを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、同一のプリコーディング方式が適用される隣接したPRUに含まれる最も隣接したパイロットトーンを用いてチャンネル推定性能を向上させることができる。なお、本発明は、より簡単な方法でチャンネル推定性能を向上させることができる。
【0010】
本発明による実施形態の上記及び他の態様、特徴、及び利点は、添付の図面と共に述べる以下の詳細な説明から、一層明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態による同一のサブバンドを有する隣接したPRUの例を示す図である。
図2】本発明の実施形態による無線通信システムの構成例を示す図である。
図3】本発明の実施形態による移動端末の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態による移動端末の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の望ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
図面において、同一の構成要素に対してはできるだけ同一の参照符号及び参照番号を付して説明する。下記の説明で、本発明に関連した公知の機能又は構成に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明にすると判断された場合に、その詳細な説明を省略する。
【0013】
本発明の実施形態では、無線通信システムにおけるチャンネル推定を遂行する方法及び装置を提供する。具体的に、本発明の実施形態では、無線通信システムにおいて、同一のプリコーディング(precoding)方式が使用される相互に隣接した物理的リソースユニット(Physical Resource Unit:PRU)に含まれた最も隣接したパイロットトーンを用いてチャンネル推定性能を向上させることができる方法及び装置を提供する。本発明の実施形態は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.16mプロトコルに従う無線通信システムの一例として説明するが、本発明による方法及び装置は、IEEE802.16m通信システムだけでなく、他の通信システムにも適用できることは明らかである。
【0014】
無線通信システムでは、PRUが周波数領域で連続した論理的リソースユニット(Contiguous Logical Resource Unit:CLRU)にマッピングされる。このCLRUは、一つ以上の周波数パーティション(partition)で区分されてセル(又はセクタ)の特定リソースとして割り当てられる。
【0015】
全体PRUの中で、連続する4個のPRUはサブバンドを形成し、CLRUはサブバンド単位で構成される。すなわち、CLRUは、区分されるサブバンドパーティションニング(partitioning)が遂行された後、周波数領域で物理的に連続する無線リソースの基本サイズは1サブバンドとなる。
【0016】
図1は、本発明の実施形態による同一のサブバンドに含まれる相互に隣接したPRUの構成例を示す。
図1を参照すると、相互に隣接した2個のPRU、すなわち、m番目のPRU100及びm+1番目のPRU120は、同一のサブバンドに含まれ、同一のプリコーディング方式を使用する。
【0017】
m番目のPRU100及びm+1番目のPRU120は、各々周波数領域で連続するf個の副搬送波と時間領域で連続するt個のOFDMAシンボルを含む。さらに、m番目のPRU100及びm+1番目のPRU120は、各々p個のパイロットトーンとd個のデータトーンを含む。図1では、fは18、tは6、pは6、dは102である場合を一例として示す。
【0018】
本発明の実施形態によると、チャンネル推定は、m+1番目のPRU120とのサブキャリア上の距離が所定値以下であるパイロットトーンと、m番目のPRU100とのサブキャリア上の距離が所定値以下であるパイロットトーンを用いて遂行される。例えば、チャンネル推定のために使用されるパイロットトーンは、m番目のPRU100のパイロットトーン101〜106の中で、m+1番目のPRU120とのサブキャリア上の距離が最小であるパイロットトーン105、106と、m+1番目のPRU120のパイロットトーン107〜112の中でm番目のPRU100とのサブキャリア上の距離が最小であるパイロットトーン107、108を含む。具体的に、m番目のPRU100のパイロットトーン101〜106とm+1番目のPRU120のパイロットトーン107〜112の中で、m番目のPRU100とm+1番目のPRU120が区分される周波数パーディション115上の位置と最も隣接したパイロットトーン105〜108(以下、‘最も隣接したパイロットトーン'と称する)は、チャンネル推定のために使用される。
【0019】
最も隣接したパイロットトーン105〜108は、2サブキャリア間隔で位置してチャンネル推定のために使用される場合、チャンネル推定による利得が向上することができる。しかしながら、最も隣接したパイロットトーン105〜108を除いた残りのパイロットトーンは、10サブキャリア以上の間隔で位置して時間オフセット補償(time offset compensator)及び白化プロセス(whitening process)などの追加動作が遂行されてもチャンネル推定による利得を獲得しにくい。したがって、本発明の実施形態では、最も隣接したパイロットトーン105〜108を用いてチャンネル推定を遂行する方法及び装置を提示する。
【0020】
以下、図2を参照して、本発明の実施形態による無線通信システムの構成について説明する。
図2は、本発明の実施形態による無線通信システムの構成例を示す。
図2を参照すると、無線通信システムは、基地局200と移動端末220を含む。
基地局200は、パイロットトーンとデータトーンが含まれる信号を移動端末220に送信する。ここで、パイロットトーンは、所定時間に該当サブチャンネルを介して送信され、所定の値に設定される。
【0021】
移動端末220は、基地局200のセルカバレッジ内に含まれて基地局200から信号を受信する。移動端末220は、基地局から信号が受信されると、受信された信号を高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)して周波数領域の信号に変換する。そして、移動端末は、周波数領域の信号から論理的信号を生成し、バースト(burst)が同一のプリコーディングを使用する連続したPRUに割り当てられたか否かを判定する。そして、移動端末は、バーストが同一のプリコーディングを使用する連続したPRUに割り当てられる場合、相互に連続したPRUの最も隣接したパイロットトーンを用いてチャンネルを推定する。移動端末220のチャンネル推定方法に対しては、以後具体的に説明する。
【0022】
図3は、本発明の実施形態による移動端末の一例を示す。
図3を参照すると、移動端末は、制御部300、送信部302、受信部304、速度及びチャンネル品質推定部306、チャンネル推定部308、及びメモリ310を含む。
【0023】
制御部300は、送信部302、受信部304、速度及びチャンネル品質推定部306、チャンネル推定部308、及びメモリ310を制御し、移動端末の全般的な動作を制御する。
【0024】
送信部302及び受信部304は、基地局と無線通信を遂行するための構成部である。送信部302は、基地局へ無線信号を送信する。そして、受信部304は、基地局から信号を受信し、受信された無線信号をFFTして周波数領域の信号に変換した後に論理信号に生成する。
【0025】
速度及びチャンネル品質推定部306は、移動端末の速度及び受信チャンネルに対する品質を推定する。速度及びチャンネル品質推定部306は、例えば、キャリア対干渉雑音比(Carrier-to-Interference-and-Noise Ratio:CINR)などを計算することによって、チャンネル品質情報を生成する。以下、チャンネル品質情報がCINR情報である場合を一例として説明する。上記のように、推定された速度及びチャンネル品質情報は、制御部300の制御によってメモリ310に格納された後、チャンネル推定部308に提供される。
【0026】
一方、速度及びチャンネル品質推定部306は、本発明の他の実施形態によって移動端末の速度を推定する速度推定部及び受信チャンネルに対するチャンネル品質を推定するチャンネル品質推定部のような相互に異なるそれぞれの物理的な構成部で構成されることはもちろんである。
【0027】
チャンネル推定部308は、基地局から信号が受信され、推定速度及びチャンネル品質情報が入力されると、チャンネル推定を遂行するために、次のような動作を遂行する。チャンネル推定部308は、パイロット最小二乗(Least Square:LS)推定部312、LSアップデート部314、及び最終チャンネル推定部316を含む。
【0028】
【数1】
【0029】
【数2】
【0030】
パイロットLS推定部312は、計算された
【数3】
をLSアップデート部314に出力する。そして、速度及びチャンネル品質推定部306により推定された移動端末の速度及びチャンネル品質情報は、LSアップデート部314に出力される。その後、LSアップデート部314は、追加的なチャンネル推定性能を向上させるために、次のような動作を遂行する。
【0031】
LSアップデート部314は、パイロットトーン及びデータトーンが同一のプリコーディング方式が使用される連続したPRUに割り当てられた場合、相互に隣接したPRUの最も隣接したパイロットトーンに対するLS推定値を検出してアップデートする。理解を助けるために、上記した図1を参照して説明する。
【0032】
LSアップデート部314は、最も隣接したパイロットトーンとして図1のm番目のPRU100のパイロットトーン106、108とm+1番目のPRU120のパイロットトーン107、108に対するLS推定値を次の式(2)によりアップデートする。
【数4】
【0033】
【数5】
【0034】
一方、RdpとRppは、時間相関と周波数相関との乗算により計算される。推定速度は時間相関に使用され、チャンネル遅延分散(channel delay spread)は周波数相関に使用される。
【0035】
最終チャンネル推定部316は、LSアップデート部314から数式2により計算されたアップデートされたLS推定値を受信する。また、最終チャンネル推定部316は、速度及びチャンネル品質推定部306から推定された移動端末の速度及びチャンネル品質情報を受信する。その後、最終チャンネル推定部316は、アップデートされたLS推定値、残りのパイロットトーンに対してアップデートされないLS推定値、及び推定速度と推定チャンネル品質情報を用いてm番目のPRU及びm+1番目のPRUの各パイロットトーンに対するチャンネルを推定する。このとき、最終チャンネル推定部316は、下記の式(3)によってチャンネルを推定する。
【数6】
【0036】
メモリ310は、移動端末の動作に関連した情報を格納する。特に、メモリ310は、速度及びチャンネル品質推定部306から受信された推定速度及びチャンネル品質情報を格納する。メモリ310は、チャンネル推定部308から出力される推定されたチャンネル情報を格納する。また、メモリ310は、パイロットLS推定部312から受信されるパイロットトーンに対するLS推定値及びLSアップデート部314から受信されるアップデートされたLS推定値を格納する。
【0037】
図4は、本発明の実施形態による移動端末の動作を示すフローチャートである。
図4を参照すると、移動端末は、ステップ400で基地局から信号が受信される場合、受信された信号をFFTを用いて周波数信号に変換し、この周波数信号から論理信号を生成する。ステップ402で、移動端末は、バーストが同一のプリコーディングを適用する連続したPRUに割り当てられたか否かを判定する。
【0038】
ステップ404で、バーストが同一のプリコーディングを適用する連続したPRUに割り当てられた場合、移動端末は、ステップ406で、各パイロットトーンに対するLS推定値を計算する。その後、移動端末は、ステップ408で、連続するPRUの最も隣接したパイロットトーンに対するLS推定値を推定された速度及び推定チャンネル品質情報を用いてアップデートする。
【0039】
具体的に説明すると、移動端末は、連続したPRUがm番目のPRU及びm+1番目のPRUを含む場合、次のような動作を遂行する。移動端末は、m番目のPRUのパイロットトーンの中でm+1番目のPRUから最小ブキャリア距離を有するパイロットトーンのLS推定値を検出する。以後、移動端末は、推定速度及び推定チャンネル品質情報を用いて検出されたLS推定値をアップデートする。なお、移動端末は、m+1番目のPRUのパイロットトーンの中でm番目のPRUとの最小サブキャリア距離を有するパイロットトーンのLS推定値を検出する。その後、移動端末は、推定された速度及びチャンネル品質情報を用いて検出されたLS推定値をアップデートする。
【0040】
次に、移動端末は、ステップ410で、アップデートされたLS推定値、アップデートされない残りのパイロットトーンに対するLS推定値、及び推定された速度及びチャンネル品質情報を用いてチャンネル推定を遂行する。
【0041】
以上、本発明の詳細な説明においては具体的な実施形態に関して説明したが、特許請求の範囲を外れない限り、様々な変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。したがって、本発明の範囲は、前述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0042】
300・・・制御部
302・・・送信部
304・・・受信部
306・・・速度及びチャンネル品質推定部
308・・・チャンネル推定部
310・・・メモリ
図1
図2
図3
図4